特許第6209715号(P6209715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209715
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】無線機一体型アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20171002BHJP
   H01R 24/38 20110101ALI20171002BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20171002BHJP
【FI】
   H01Q1/12 Z
   H01R24/38
   H01Q1/42
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-41633(P2016-41633)
(22)【出願日】2016年3月3日
(65)【公開番号】特開2017-158119(P2017-158119A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2017年4月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000217653
【氏名又は名称】電気興業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100193389
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 智利
(72)【発明者】
【氏名】高橋 行隆
(72)【発明者】
【氏名】海老 澤剛
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−140340(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00− 25/04
H01R 3/00− 43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ部と無線機部とを備えた無線機一体型アンテナ装置であって、
前記アンテナ部は
アンテナ素子を収容し、略円柱状のアンテナレドーム基部を有するアンテナレドームと、
アンテナ側接続端子と、
前記アンテナ素子と前記アンテナ側接続端子とを電気的に接続するアンテナ側同軸ケーブルと、
前記アンテナ側接続端子の周囲に配置されアンテナ側嵌合保持部を有する略環状のアンテナ側スライド部と、アンテナレドーム基部を固定するアンテナレドーム基部固定部と、前記アンテナ側接続端子を固定するアンテナ側接続端子固定部とを有する、アンテナ側接続部を有し、
前記アンテナレドーム基部と前記アンテナレドーム基部固定部とは接合部材により固定され、
前記無線機部は
無線機を収容する無線機カバーと、
無線機側接続端子と、
前記無線機と前記無線機側接続端子とを電気的に接続する無線機側同軸ケーブルと、
無線機側嵌合保持部と、前記無線機側接続端子の周囲に配置される略環状の無線機側スライド部とを有し、前記無線機カバーに固定され、前記無線機側接続端子を固定する、無線機側接続部と、を有し、
前記アンテナ側スライド部と前記無線機側スライド部とを摺動させて前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部とを嵌合させ前記アンテナ側嵌合保持部および前記無線機側嵌合保持部により所定の位置で固定することにより、前記アンテナ部と前記無線機部との相対的な位置が固定され、かつ、前記アンテナ側接続端子と前記無線機側接続端子を介して前記アンテナ部と前記無線機部とが電気的に接続されることを特徴とする、無線機一体型アンテナ装置。
【請求項2】
前記アンテナ側接続部はアンテナ側嵌合解除部材を有し、
前記アンテナ側スライド部は、前記アンテナ側嵌合解除部材に対し、所定範囲において前記アンテナレドーム基部の軸心周りに回転自在かつ軸心方向に摺動自在に構成され、
前記アンテナ側スライド部は、前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部が嵌合される方向に押圧されると、前記アンテナ側嵌合解除部材に対し前記アンテナレドーム基部の軸心周りに回転しながら、前記アンテナ側嵌合解除部材と共に軸心方向に移動し、前記アンテナ側嵌合保持部および前記無線機側嵌合保持部により所定の位置で固定されることを特徴とする、請求項1に記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項3】
前記アンテナ部は、前記アンテナ側スライド部を前記アンテナ側嵌合解除部材から前記無線機部へ押圧するバネ部材を有し、
前記アンテナ側嵌合解除部材は、前記バネ部材の押圧力に抗して前記アンテナ部と前記無線機部との嵌合を解除する方向に移動されると、前記アンテナ側スライド部を前記アンテナレドーム基部の軸心周りに回転させて前記アンテナ側嵌合保持部および前記無線機側嵌合保持部による嵌合を解除することを特徴とする、請求項2に記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項4】
前記アンテナ側接続部はアンテナ側嵌合解除部材をスライドさせることにより、前記アンテナ側嵌合保持部としての爪が前記無線機側嵌合保持部としての孔外に移動し、前記アンテナ部と前記無線機部との固定が解除されることを特徴とする、請求項2または3のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項5】
前記アンテナ側接続部および前記無線機側接続部は外周面が絶縁部材から構成されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項6】
前記無線機部は、前記無線機部を建造物に取り付ける無線機部取付具を装着する装着部を備えることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項7】
前記アンテナレドームおよび前記アンテナレドーム基部固定部は合成樹脂から構成され、前記アンテナレドーム基部が嵌合する略円柱状の凹部を有し、前記凹部の深さHは前記アンテナレドーム基部の直径D以上であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項8】
前記凹部の深さHは前記アンテナレドーム基部の直径Dの2倍以上であることを特徴とする、請求項7に記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項9】
前記アンテナ側スライド部の内部または前記無線機側スライド部の内部に、所定の位置でのみ前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部との嵌合が可能な、誤挿入防止部を設けたことを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項10】
前記誤挿入防止部は、前記アンテナ側スライド部の内周面に設けられたアンテナ側嵌合キーと、前記無線機側スライド部の外周面に設けられた無線機側第一嵌合キーを有し、前記アンテナ側嵌合キーと前記無線機側第一嵌合キーとにより所定の位置でのみ前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部との嵌合が可能であることを特徴とする、請求項9に記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項11】
前記誤挿入防止部は、前記アンテナ側スライド部の内部の前記アンテナ側接続端子固定部に設けられたアンテナ側嵌合キー溝と、前記無線機側スライド部内部の前記無線機側接続端子固定部に設けられた無線機側第二嵌合キーを有し、前記アンテナ側嵌合キー溝と前記無線機側第二嵌合キーとが摺動する位置でのみ、前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部との嵌合が可能であることを特徴とする、請求項9または10のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項12】
前記アンテナ側嵌合保持部は爪であり、前記爪が無線機側嵌合保持部としての孔に挿入されることにより、アンテナ部と無線機部とが固定されることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項13】
前記アンテナ側接続端子がピン部を有する雄部材であり、前記無線機側接続端子がソケット部を有する雌部材であり、前記ピン部が前記ソケット部に嵌合することを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項14】
前記アンテナ側同軸ケーブルおよび前記無線機側同軸ケーブルは非防水型であり、前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部とを嵌合することにより、防水構造が形成されることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置。
【請求項15】
前記アンテナ部は、異なる2つの偏波を送受信可能な偏波共用アンテナであり、前記アンテナ側同軸ケーブルおよび前記無線機側同軸ケーブルは2極同軸アンテナであることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムでは半径数百mから数kmをカバーするマクロセルに加えて、マクロセルの通信容量の補完として半径数十m〜数百mをカバーするスモールセルが使用される。スモールセルはマクロセルに比べてカバーするエリアが小さいため、一般的にスモールセルに使用されるアンテナのアンテナ利得や無線装置の出力電力はマクロセルよりも10分の1程度低い。その分、アンテナや無線装置のサイズは小さくなるが、鉄塔上やビルの屋上等に設置されるマクロセル基地局に比べて、スモールセルの基地局は電柱やビルの壁面といったよりユーザ端末に近い場所に設置されるため、設置場所の制約が大きい。
【0003】
また、通信容量を増加させる技術として送信、受信に複数のアンテナを用いるMIMO(Multiple Input Multiple Output:マイモ)技術が用いられる。
【0004】
これを解決する技術の一つとして、1つ分のアンテナレドームの中に偏波の異なる2つのアンテナを収容する偏波共用アンテナがある。この技術を用いることによって、同一偏波を用いた場合よりもアンテナサイズ(アンテナレドーム径)を約半分にすることができる。同時に、偏波間の結合が小さいため、アンテナ間の相関が小さく、MIMOに有効である。
【0005】
このように、偏波共用アンテナ技術を用いてアンテナの小型化が可能であるが、アンテナと無線機間には、アンテナ分のアンテナ接栓と給電線が必要になる。つまり、偏波共用アンテナ技術を用いてアンテナの見かけ上の大きさは小さくなるが、2本のアンテナを1つのアンテナレドームに収容しているため、図11に示されるように、アンテナ接栓は必然的に2つ必要になる。詳細に説明すると、図11ではアンテナはアンテナレドーム部とアンテナ固定部から構成され、アンテナ固定部にアンテナ接栓が配置されている。アンテナ固定部は、例えば設置柱などの建造物にアンテナ取付金具などを介して取り付けられ、無線機は、設置柱などの建造物に無線機取付金具を介して取り付けられる。そして、アンテナと無線機とは、2本のアンテナ接栓及び給電線を介して接続される。
【0006】
これを解決する技術として特許文献1のような多極型の同軸コネクタが提案されている。これを用いることで1つのアンテナ接栓内に複数の同軸コネクタを配置して、図12に示されるように、アンテナ接栓の数を減らすことができる。また、同時に多極の同軸ケーブル(複数の同軸ケーブルが見かけ上1本のケーブルになっているもの)を用いることで、接続本数が減るため作業性が向上する。詳細に説明すると、図12に示されるように、アンテナと無線機とは、単一のアンテナ接栓から2本の給電線を介して接続される。その他の点は図11と同様である。
【0007】
しかし、上述した通りスモールセルではより設置の容易性が求められている。
【0008】
ここでアンテナと無線機とが別々に設けられている理由を説明すると、移動通信システムの無線機の無線特性は、通常、無線機の出力端、つまりアンテナ接栓で規定されており、この無線機の出力端で測定する必要がある。従って、アンテナと無線機は一体にはできず、必ず切り離せるようにしなければならない。また、無線機の無線特性は、設置の際や定期的な検査の際に、現地つまり設置状態で無線特性を測定する場合があり、現場で切り離せる構造が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−108510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、図11図12に示されるような構成ではいずれも、無線機以外に、アンテナの固定具を建造物に取り付けるためのアンテナ取付金具などが必要になる。また、給電線は通常フレキシブルであるため、給電線の固定のためにも固定金具などが必要となることが多く、取り付け作業の工数が多い。MIMOなどアンテナの挿入方向を合わせる必要がある場合には特に作業が困難となり、また、全体として装置が大型化するため設置場所の制約も多い。
【0011】
また、移動通信システムでは、新たな基地局が頻繁に開設され、設置後もアンテナ部の取り換えが必要となることが多いが、アンテナ部の取り換えは、取り付け作業の前に取り外し作業もあって工数がさらに多くなるなど、設置後もアンテナ部の取り換えにコストと手間がかかっている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に係る無線機一体型アンテナ装置は、アンテナ部と無線機部とを備えた無線機一体型アンテナ装置であって、前記アンテナ部は、アンテナ素子を収容し、略円柱状のアンテナレドーム基部を有するアンテナレドームと、アンテナ側接続端子と、前記アンテナ素子と前記アンテナ側接続端子とを電気的に接続するアンテナ側同軸ケーブルと、前記アンテナ側接続端子の周囲に配置されアンテナ側嵌合保持部を有する略環状のアンテナ側スライド部と、アンテナレドーム基部を固定するアンテナレドーム基部固定部と、前記アンテナ側接続端子を固定するアンテナ側接続端子固定部とを有する、アンテナ側接続部を有し、前記アンテナレドーム基部と前記アンテナレドーム基部固定部とは接合部材により固定され、前記無線機部は、無線機を収容する無線機カバーと、無線機側接続端子と、前記無線機と前記無線機側接続端子とを電気的に接続する無線機側同軸ケーブルと、無線機側嵌合保持部と、前記無線機側接続端子の周囲に配置される略環状の無線機側スライド部とを有し、前記無線機カバーに固定され、前記無線機側接続端子を固定する、無線機側接続部と、を有し、前記アンテナ側スライド部と前記無線機側スライド部とを摺動させて前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部とを嵌合させ前記アンテナ側嵌合保持部および前記無線機側嵌合保持部により所定の位置で固定することにより、前記アンテナ部と前記無線機部との相対的な位置が固定され、かつ、前記アンテナ側接続端子と前記無線機側接続端子を介して前記アンテナ部と前記無線機部とが電気的に接続されることを特徴とする、無線機一体型アンテナ装置である。
アンテナ部と無線機部とを直接接続することにより、従来必要であった、アンテナ部と無線機とを接続するための同軸ケーブルやアンテナの取付金具を削減することができ、装置の小型化が可能となると同時に、アンテナ部と無線機部とがアンテナ側接続部と無線機側接続部を介して直接、機械的かつ電気的に接続されることによりアンテナ部と無線機部との取り付けおよび切り離しも容易となるため、設置の際や定期的な検査の際の現地(設置状態)での無線特性の測定が容易となる。また、無線機を設置するだけでよく、同軸ケーブルの設置やアンテナの固定等が不要となり、設置スペースが削減可能で設置場所の選択肢も増えるなど、設置性・施工性も向上する。さらに、例えば、設置後、隣接に別の基地局を設置した場合、従来ではアンテナは固定金具によって固定されているため金具を外す作業が発生するが、本構造では工具が不要となり、お互いのエリアが干渉しないようなアンテナに変更しやすく、設置後のアンテナ交換が容易となる。なお、アンテナ側嵌合保持部は、例えばスライド部内周面から内側に飛び出す突起から構成することができる。
【0013】
本発明の請求項2に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記アンテナ側接続部がアンテナ側嵌合解除部材を有し、前記アンテナ側スライド部は、前記アンテナ側嵌合解除部材に対し、所定範囲において前記アンテナレドーム基部の軸心周りに回転自在かつ軸心方向に摺動自在に構成され、前記アンテナ側スライド部は、前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部が嵌合される方向に押圧されると、前記アンテナ側嵌合解除部材に対し前記アンテナレドーム基部の軸心周りに回転しながら、前記アンテナ側嵌合解除部材と共に軸心方向に移動し、前記アンテナ側嵌合保持部および前記無線機側嵌合保持部により所定の位置で固定されることを特徴とする、請求項1に記載の無線機一体型アンテナ装置である。
アンテナ部を無線機部に取り付ける際、アンテナ部を回転させながら無線機部に挿入すると、ねじり動作により無線機部やアンテナ部を破壊してしまうことがあるが、本構成においては、アンテナ部を回転させることなく真っすぐに挿入するだけで、アンテナ側スライド部が回転しアンテナ側嵌合保持部および無線機側嵌合保持部により所定の位置で固定されるため、無線機部やアンテナ部の破壊を防ぐことができる。さらにこの機構によりアンテナ側接続端子と無線機側接続端子は常に所定の位置で嵌合するため、電気特性のばらつきを抑えることができる。例えば、作業者によってアンテナ側接続端子と無線機側接続端子の嵌合具合がばらつくことも防ぐことができる。
【0014】
本発明の請求項3に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記アンテナ部は、前記アンテナ側スライド部を前記アンテナ側嵌合解除部材から前記無線機部へ押圧するバネ部材を有し、前記アンテナ側嵌合解除部材は、前記バネ部材の押圧力に抗して前記アンテナ部と前記無線機部との嵌合を解除する方向に移動されると、前記アンテナ側スライド部を前記アンテナレドーム基部の軸心周りに回転させて前記アンテナ側嵌合保持部および前記無線機側嵌合保持部による嵌合を解除することを特徴とする、請求項2に記載の無線機一体型アンテナ装置である。
アンテナ側スライド部がバネ部材により移動・復帰することにより、よりスムーズな取り付け・取り外しが可能となる。また、アンテナ部を回転させることなく、引き抜き方向に真っすぐにアンテナ側嵌合解除部材を引っ張ることで、アンテナ部を無線機部から取り外すことが出来るため、無線機部やアンテナ部の破壊を防ぐことが出来る。
【0015】
本発明の請求項4に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記アンテナ側接続部は、アンテナ側嵌合解除部材をスライドさせることにより、前記アンテナ側嵌合保持部としての爪が前記無線機側嵌合保持部としての孔外に移動し、前記アンテナ部と前記無線機部との固定が解除されることを特徴とする、請求項2または3のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置である。
移動通信システムでは、アンテナの設置後に隣接に別の基地局を設置され、アンテナの取り換えが必要になることなどが頻繁に起こるが、本構成によりワンタッチで取り付け・取り外しが可能となることから、作業性が格段に向上する。
【0016】
本発明の請求項5に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記アンテナ側接続部および前記無線機側接続部は外周面が絶縁部材から構成されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置である。
アンテナ側接続部および無線機側接続部の外周面が共に絶縁部材から構成されるため、アンテナ部と無線機部との必要な絶縁が図られ、作業時も感電の可能性が低くなり、また、漏電も防止される。
【0017】
本発明の請求項6に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記無線機部は、前記無線機部を建造物に取り付ける無線機部取付具を装着する装着部を備えることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置である。
建造物に取り付ける際、無線機部にのみ、建造物に取り付ける無線機部取付具を装着する装着部を設ければよく、必要な工数・部材が削減できる。
【0018】
本発明の請求項7に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記アンテナレドームおよび前記アンテナレドーム基部固定部は合成樹脂から構成され、前記アンテナレドーム基部が嵌合する略円柱状の凹部を有し、前記凹部の深さHは前記アンテナレドーム基部の直径D以上であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置である。
HがD以上であることにより、本技術分野において、アンテナレドームやコネクタの素材、つまり母材として一般的に用いられる強化プラスチックなどの合成樹脂の強度に対し、安全係数を10としてアンテナレドーム基部固定部が折り曲げにより破損しないだけの強度が確保され、アンテナレドーム基部固定部よりも母材つまりアンテナレドーム基部が先に壊れるように設計することができる。言い換えると、アンテナ部に対してアンテナレドーム軸心方向と直交方向に力が加わったとき、アンテナレドーム基部固定部より先にアンテナレドーム基部が壊れるため、ワンタッチでの嵌合のみで機械的かつ電気的に接続できるアンテナ部の取り換えのみで対応でき、無線機部の取り換えによる設置作業やコストの増加を回避することができる。
【0019】
本発明の請求項8に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記凹部の深さHは前記アンテナレドーム基部の直径Dの2倍以上であることを特徴とする、請求項7に記載の無線機一体型アンテナ装置である。
母材として一般のプラスチックなどの合成樹脂を用いる場合、プラスチックは100N程度で破壊されるため、一般の安全係数10においてH>Dとしてもアンテナレドーム基部固定部を保護することができるが、アンテナでは耐候性等から強化プラスチックを用いることが多く、強化プラスチックの場合は200N程度で破壊される。このような場合においても、H>2Dとしておけば、アンテナレドーム基部固定部が折り曲げにより破損しないだけの強度が確保され、アンテナレドーム基部固定部よりも母材つまりアンテナレドーム基部が先に壊れるように設計することができる。言い換えると、アンテナ部に対してアンテナレドーム軸心方向と直交方向に力が加わったとき、アンテナレドーム基部固定部より先にアンテナレドーム基部が壊れるため、ワンタッチでの嵌合のみで機械的かつ電気的に接続できるアンテナ部の取り換えのみで対応でき、無線機部の取り換えによる設置作業やコストの増加を回避することができる。
【0020】
本発明の請求項9に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記アンテナ側スライド部の内部または前記無線機側スライド部の内部に、所定の位置でのみ前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部との嵌合が可能な、誤挿入防止部を設けたことを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置である。
誤挿入防止部により、適切な向きでアンテナ部を無線部に嵌合することができる。
【0021】
本発明の請求項10に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記誤挿入防止部は、前記アンテナ側スライド部の内周面に設けられたアンテナ側嵌合キーと、前記無線機側スライド部の外周面に設けられた無線機側第一嵌合キーを有し、前記アンテナ側嵌合キーと前記無線機側第一嵌合キーとにより所定の位置でのみ前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部との嵌合が可能であることを特徴とする、請求項9に記載の無線機一体型アンテナ装置である。
適切な向きでアンテナ部を無線部に嵌合でき誤った接続端子同士は接触せず、アンテナへの不用意な電気的導通を防ぐことができることに加え、アンテナ側スライド部が無線機側スライド部の外側に位置することになり、アンテナ部が無線機部より上部に位置する通常の構成では、嵌合により防水や防塵の性能が向上する。
【0022】
本発明の請求項11に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記誤挿入防止部は、前記アンテナ側スライド部の内部の前記アンテナ側接続端子固定部に設けられたアンテナ側嵌合キー溝と、前記無線機側スライド部内部の前記無線機側接続端子固定部に設けられた無線機側第二嵌合キーを有し、前記アンテナ側嵌合キー溝と前記無線機側第二嵌合キーとが摺動する位置でのみ、前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部との嵌合が可能であることを特徴とする、請求項9または10のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置である。
適切な向きでアンテナ部を無線部に嵌合でき誤った接続端子同士は接触せず、アンテナへの不用意な電気的導通を防ぐことができることに加え、請求項10の構成と組み合わせた場合、誤挿入の際に嵌合キーがぶつかった場合の破損の可能性を低くし、耐久性を向上させることができる。
【0023】
本発明の請求項12に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記アンテナ側嵌合保持部は爪であり、前記爪が無線機側嵌合保持部としての孔に挿入されることにより、アンテナ部と無線機部とが固定されることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置である。
【0024】
本発明の請求項13に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記アンテナ側接続端子がピン部を有する雄部材であり、前記無線機側接続端子がソケット部を有する雌部材であり、前記ピン部が前記ソケット部に嵌合することを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置である。
【0025】
本発明の請求項14に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記アンテナ側同軸ケーブルおよび前記無線機側同軸ケーブルは非防水型であり、前記アンテナ側接続部と前記無線機側接続部とを嵌合することにより、防水構造が形成されることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置である。
高価な防水型の同軸ケーブルを不要としながらも、全体として防水構造が確保できる。
【0026】
本発明の請求項15に係る無線機一体型アンテナ装置は、前記アンテナ部は、異なる2つの偏波を送受信可能な偏波共用アンテナであり、前記アンテナ側同軸ケーブルおよび前記無線機側同軸ケーブルは2極同軸アンテナであることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の無線機一体型アンテナ装置である。
本構成は、移動通信システムのうち、MIMOなど2偏波共用アンテナなど、特に所定の向きでアンテナ部と無線機部とを嵌合する場合に、所定の向きで嵌合が可能であり、特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】全体の構成図である。
図2】アンテナ部の概要図である。
図3】無線機部の概要図である。
図4】アンテナ部と無線機部の接合部である。
図5】アンテナ部と無線機部の接合部の拡大図である。
図6】嵌合保持機構の機構図である。
図7】アンテナ側スライド部の詳細図である。
図8】端子の形状を示す図である。
図9】アンテナ部の取り付け・取り外し機構を示す図である。
図10】アンテナの内部の詳細図である。
図11】従来例1の構成を示す。
図12】従来例2の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の一実施形態の全体の構成図である。
無線機一体型アンテナ1は、アンテナ部100と無線機部200とを備える。無線機部200には、無線機部200を設置柱2などの建造物に取り付ける無線機部取付具201を装着するための装着部202を備え、無線機部200を介してアンテナ部100が支持されている。
【0029】
図2は、アンテナ部100の概要図である。
アンテナ部100は、アンテナレドーム101、アンテナ側接続部150とを有する。
アンテナレドーム101は、略円柱状のアンテナレドーム基部102を有し、アンテナ素子103を収容する。
【0030】
アンテナ側接続部150は絶縁部材から構成されており、アンテナ側嵌合保持部151と、アンテナ側接続端子152の周囲に形成される環状のアンテナ側スライド部153とを有し、アンテナレドーム基部102を固定するアンテナレドーム基部固定部156およびアンテナ側接続端子152を固定するアンテナ側接続端子固定部157を有する。
アンテナレドーム基部102とアンテナレドーム基部固定部156とは接合部材158により固定される。また、アンテナ側同軸ケーブル110は、アンテナ素子103とアンテナ側接続端子152とを電気的に接続する。
【0031】
図3は、無線機部200の概要図である。
無線機部200は、無線機203と、無線機203を収容する無線機カバー204と、無線機側接続部250とを有する。無線機側接続部250は絶縁部材から構成されており、無線機側嵌合保持部251と、無線機側接続端子252の周囲に形成される環状の無線機側スライド部253とを有し、無線機カバー204と接続され、無線機側接続端子252を固定する。
また、無線機側同軸ケーブル210は無線機203と無線機側接続端子252とを電気的に接続する。
【0032】
アンテナ側スライド部153と無線機側スライド部253とを摺動させてアンテナ側接続部150と無線機側接続部250とを嵌合させると、アンテナ側嵌合保持部151および無線機側嵌合保持部251により所定の位置で固定される。これにより、アンテナ部100と無線機部200との相対的な位置が固定されるが、同時に、アンテナ側接続端子152と無線機側接続端子252を介してアンテナ部100と無線機部200とが電気的に接続される。
【0033】
ここで、アンテナレドーム基部102を含むアンテナレドーム101は強化プラスチックなどの合成樹脂から構成される。アンテナレドーム基部固定部156はアンテナレドーム基部102が略嵌合し接着により固定される略円柱状の凹部156Aを有するが、ここで、凹部156Aの深さHとアンテナレドーム基部102の直径Dとを考える。なお、HとDについては後述の図5に図示されている。
【0034】
引抜方向接着強度と、曲げ方向接着強度を考えると、引き抜き方向の接着面の長さはD×πとなるのに対し、曲げ方向の接着面の長さはD×a、ただしaは引っ張られる面積の割合、となる。aは本分野における通常の接着剤を用いた場合、経験上約π/6となり、曲げ方向接着強度の方が弱いことが分かる。
【0035】
アンテナ部100に対してアンテナレドーム101軸心方向と直交方向に力が加わったとき、接合部分つまりアンテナレドーム基部固定部156よりも、母材つまりアンテナレドーム基部102が先に壊れるように設計すれば、アンテナ部100が折り曲げられた際に安価な母材部分の取り換えのみで修復が可能となり、経済的に有利となる。ここで、母材は、要求される環境特性によって決まるが、緩い条件であればプラスチックなどの樹脂であり、厳しい条件では強化プラスチックが用いられる。
【0036】
そこで、曲げ方向接着強度に注目し、アンテナレドーム基部102が略嵌合し接着により固定される接合部の深さとアンテナレドーム101の径との比と、母材の接合部の強度との関係を検討すると、通常のプラスチックの場合には100N程度となるため、通常の安全係数12から13程度に対してH>Dとすれば、接合部分よりも母材が先に壊れるように設計することができる。また、通常要求される環境特性のうち、厳しい条件では強化プラスチックが用いられるが、この場合には200N程度となるため、同様にH>2Dとすることにより、接合部分よりも母材が先に壊れるように設計することができる。
【0037】
また、接合部分は形状の制約により厚さが制限される場合があるが、その場合においても、HをD以上とすることにより、接着強度を維持することができる。図4(A)−(D)にHとDの関係を示す。ただし、本図では、理解を容易にするため、しなりなどを強調して示しており、また、接合部材158の記載は省略している。
アンテナレドームが傾いた場合、H<Dではアンテナレドーム基部が面接触できずアンテナレドームが転倒あるいは破損する場合がある。接合部材158の厚さにも依存するが、HがD程度であれば、アンテナレドームが傾いた場合もちょうど面接触でき強度を保つことができる。面接触による強度を確保するためには、一般にはHがD以上であることが望ましい。さらに、Hが十分大きくHが2D以上であれば、面接触する面積が十分確保できるうえに、アンテナレドーム基部が凹部の上端および下端において凹部の端部に接触することからより高い強度を確保できる。
また、HがD以上、望ましくは、Hが2D以上であることにより、接続部における防水性、防塵性も向上する。
【0038】
図5は、アンテナ部100と無線機部200の接合部の拡大図を示す。
アンテナ側スライド部153および無線機側スライド部253には所定の位置でのみアンテナ側接続部150と無線機側接続部250との嵌合が可能な誤挿入防止部が設けられている。より詳細に説明すると、アンテナ側スライド部153の内周面にはアンテナ側嵌合キー154が、無線機側スライド部253の外周面には無線機側嵌合キー254が設けられ、アンテナ側嵌合キー154と無線機側嵌合キー254とが摺動する位置でのみ、アンテナ側接続部150と無線機側接続部250との嵌合が可能である。本実施形態では、アンテナ側嵌合キー154と無線機側嵌合キー254が誤挿入防止部に該当する。
【0039】
また、アンテナ側接続端子固定部157の溝157Aに配置されるOリング205は防水構造を形成する。アンテナ側接続部150と無線機側接続部250とを嵌合することにより、防水構造が形成されるため、アンテナ側同軸ケーブル110および無線機側同軸ケーブル210は非防水型の安価なものを使用しても、全体としては防水構造とすることができる。
【0040】
別の実施形態においては、誤挿入防止部は、アンテナ側スライド部153のみに設けられる。
さらに別の実施形態においては、誤挿入防止部は、無線機側スライド部253のみに設けられる。
【0041】
図6は、嵌合保持機構を示す。
嵌合においては、アンテナ側嵌合保持部151としての爪が無線機側嵌合保持部251としての孔に挿入されることにより、アンテナ部100と無線機部200とが固定される。詳述すると、アンテナ側嵌合保持部151としての爪が、無線機側嵌合保持部251としての孔に収まることにより、嵌合が保持される。なお、孔は板厚を貫通していてもよいし、窪み、凹部や溝の形態であってもよい。
【0042】
また、嵌合解除部材160には突起161が設けられ、アンテナ側スライド部153に設けられた溝153Bに挿入される形状とされている。嵌合解除部材160の突起161は嵌合解除部材160上の突部として設けられており、アンテナ側スライド部153に設けられた溝153Bは、アンテナ部100と無線機部200とが結合される方向に対し、所定角度となるように設けられ、嵌合解除部材160の突起161がアンテナ側スライド部153の外周の溝153Bに嵌り込むことによりアンテナ側嵌合保持部151が無線機側嵌合保持部251に挿入される方向に押圧されると、アンテナ側嵌合保持部151が押圧方向の軸周りに回転しながら無線機側嵌合保持部251に挿入され、この回転に伴って、アンテナ側嵌合保持部151としての爪が無線機側嵌合保持部251としての孔に回転しながら挿入されることにより、アンテナ側嵌合保持部151と無線機側嵌合保持部251とがロックされ、嵌合が保持される。
【0043】
上記の実施例では、アンテナ側嵌合保持部151が押圧方向の軸周りに時計回りに回転しながら無線機側嵌合保持部251に挿入されるが、他の実施例では、アンテナ側嵌合保持部151が押圧方向の軸周りに反時計回りに回転しながら無線機側嵌合保持部251に挿入される構成としてもよい。
また、上記の実施例では、アンテナ側嵌合保持部151が爪であり、無線機側嵌合保持部251が孔であるが、他の実施例では、アンテナ側嵌合保持部151を孔とし、無線機側嵌合保持部251を爪として構成してもよい。
【0044】
図7は、アンテナ側スライド部153の詳細を示す。
アンテナ側スライド部153は、略円筒状のスライド部分を有しで、内部にはアンテナ側接続端子固定部157とアンテナ側接続端子固定部157に保持されたアンテナ側接続端子152を収容し、アンテナ側スライド部153の内周面から内側に飛び出すスライドバネ部153Aと爪と、アンテナ側スライド部153の外周面に配置された溝を有する。スライドバネ部153Aは弾性片で、アンテナ側スライド部153をアンテナ側接続端子固定部157に挿入することにより、スライドバネ部153Aの先端がアンテナ側接続端子固定部157の溝に嵌り込み、螺旋状のバネ部材159とアンテナ側スライド部153をアンテナ側接続端子固定部157から脱落しないようにアンテナ側接続端子固定部157に保持される。爪は、無線機側スライド部253の無線機側嵌合保持部251としての溝と嵌合してロックする。アンテナ側スライド部153の外周面に配置された溝153Bは、アンテナ側スライド部153の一部と螺旋状のバネ部材159の周囲を覆う嵌合解除部材160の内周面の突起161と嵌合し、アンテナ部100および無線機部200の嵌合方向において嵌合解除部材160と相対移動した時に、溝に沿って嵌合解除部材160と回転を伴う相対変位をするためのガイドとなるように螺旋状の溝を構成している。更に嵌合解除部材160の内周面には内側に飛び出す突起を有し、突起はアンテナ部100および無線機部200の嵌合方向でアンテナ側スライド部153の一端と螺旋状のバネ部材159に挟まれ、螺旋状のバネ部材159に押圧されつつ、アンテナ側接続端子固定部157に対して嵌合方向に移動可能に保持される嵌合解除部材160を、アンテナ側接続端子固定部157から無線機203側へ脱落しないように規制している。
【0045】
図8は、端子の形状を示す。
端子の形状は、アンテナ側接続端子152がピン部を有する雄部材であり、無線機側接続端子252がソケット部を有する雌部材であり、ピン部がソケット部に嵌合する形状である。
別の実施形態では、アンテナ側接続端子152がソケット部を有する雌部材であり、無線機側接続端子252がピン部を有する雄部材であり、ピン部がソケット部に嵌合する形状としてもよい。
さらに別の実施形態においては、アンテナ側接続端子152と無線機側接続端子252が互いに嵌合する螺旋状の溝を備える形状としてもよい。
【0046】
図9は、アンテナ部100の取り付け・取り外し機構を示す。
アンテナ部100は、いわゆるプッシュオン・プルオフ型であり、ワンタッチで取り付け、取り外しが可能である。具体的には、アンテナ側接続部150は、嵌合解除部材160を備え、嵌合解除部材160をスライドさせることにより、アンテナ側嵌合保持部151としての爪が無線機側嵌合保持部251としての孔外に移動し、アンテナ部100と無線機部200との固定が解除される。詳述すると、嵌合解除部材160はバネ部材159の反発力により、図9(A)−(D)の状態で維持される。そして、嵌合解除部材160を離脱方向に引っ張ると、アンテナ側スライド部153は嵌合解除部材160に対して時計回りに回転し、これに伴い、無線機203側の溝に引っかかっていた突起が外れ、アンテナ部が離脱可能となる。
【0047】
上記の実施例では、アンテナ側スライド部153が嵌合解除部材160に対して時計回りに回転するが、他の実施例では、アンテナ側スライド部153が嵌合解除部材160に対して反時計回りに回転する構成としてもよい。
また、上記の実施例では、アンテナ側嵌合保持部151が爪であり、無線機側嵌合保持部251が孔であるが、他の実施例では、アンテナ側嵌合保持部151を孔とし、無線機側嵌合保持部251を爪として構成してもよい。
【0048】
図10は、アンテナの内部の詳細を示す。
実施例では、アンテナ部100は、プリント基板104を有し、2枚のプリント基板が十字に配置され、プリント基板104aが偏波1、プリント基板104bが偏波2のアンテナとして動作する。アンテナ側同軸ケーブル110はそれぞれのプリント基板に1本ずつ接続されている。一般的に、プリント基板と同軸ケーブルは半田、あるいは同軸コネクタを用いて接続される。この場合には当然、アンテナ部100を無線機部200に設置する際、方向の調整が必要となるが、上記の構成では誤挿入防止部が設けられているため、容易に正しい方向にアンテナ部100を設置することができる。
【0049】
本発明は以上の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な実施例を含むことは言うまでもない。
例えば、本実施例は1つ分のアンテナレドーム101の中に2つのアンテナを収容する偏波共用アンテナを例に説明したが、1つ分のアンテナレドーム101の中に1つまたは3つ以上のアンテナを収容する技術にも適用可能である。また、アンテナレドーム101が内部で複数の区画に分割され全体として1つとなるものにも適用可能である。
【0050】
また、移動通信システムのスモールセル以外にも、簡易な取り付けやワンタッチでの取り付け・交換が求められるアンテナ部100にも適用可能である。
さらに、アンテナレドーム基部102は略円柱状に代えて特徴長をDとする略角柱状であり、Dはアンテナレドーム基部102の底面をなす長方形の短辺の長さであり、アンテナ側スライド部153および無線機側スライド部253は環状に代えて断面が長方形状であり、アンテナレドーム101およびアンテナレドーム基部102固定部は合成樹脂から構成され、アンテナレドーム基部固定部156はアンテナレドーム基部102が嵌合する略角柱状の凹部を有し、凹部の深さHはアンテナレドーム基部102の特徴長D以上であるものとすることもできる。
【0051】
アンテナレドーム基部102の最も弱い方向となる、長方形の短辺方向の長さHがD以上であることにより、本アンテナにおいて、アンテナレドーム101やコネクタの素材、つまり母材として一般的に用いられる強化プラスチックなどの合成樹脂の強度に対し、アンテナレドーム基部102が折り曲げにより破損しないだけの強度が確保され、アンテナレドーム基部固定部156よりも母材つまりアンテナレドーム基部102が先に壊れるように設計することができる。また、上述のように、アンテナレドームが傾いた場合、HがD程度であれば、アンテナレドームが傾いた場合もちょうど面接触でき強度を保つことができる。面接触による強度を確保するためには、一般にはHがD以上であることが望ましい。さらに、Hが十分大きくHが2D以上であれば、面接触する面積が十分確保できるうえに、アンテナレドーム基部が凹部の上端および下端において凹部の端部に接触することからより高い強度を確保できる。
また、HがD以上、望ましくは、Hが2D以上であることにより、接続部における防水性、防塵性も向上する。
【符号の説明】
【0052】
1 無線機一体型アンテナ
2 設置柱
100 アンテナ部
101 アンテナレドーム
102 アンテナレドーム基部
103 アンテナ素子
104 基板
110 アンテナ側同軸ケーブル
150 アンテナ側接続部
151 アンテナ側嵌合保持部
152 アンテナ側接続端子
153 アンテナ側スライド部
153A スライドバネ部
153B アンテナ側スライド部に設けられた溝
154 アンテナ側嵌合キー
156 アンテナレドーム基部固定部
156A アンテナレドーム基部固定部の凹部
157 アンテナ側接続端子固定部
157A アンテナ側接続端子固定部の溝
158 接合部材
159 バネ部材
160 嵌合解除部材
161 突起
200 無線機部
201 無線機部取付具
202 装着部
203 無線機
204 無線機カバー
205 Oリング
210 無線機側同軸ケーブル
250 無線機側接続部
251 無線機側嵌合保持部
252 無線機側接続端子
253 無線機側スライド部
254 無線機側嵌合キー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12