(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
吸着ノズルの高さを調整するために用いられるパラメータとして、走行面の高さを得ることは重要であると考えられる。しかしながら、走行面は、キャリアテープを水平に走行させるための面であるため、キャリアテープがテープカセットにセットされている状態では、走行面は、キャリアテープに覆われて隠れてしまう。従って、キャリアテープがテープカセットにセットされている状態では、走行面の高さを得ることができない。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、キャリアテープがテープカセットにセットされている状態であっても、走行面の高さを得ることができる実装装置などの技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術に係る実装装置は、テープカセットと、保持部材と、高さ測定部と、制御部とを具備する。
前記テープカセットは、電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、前記走行面よりも外側に突出する測定面とを有する。
前記保持部材は、高さ方向に移動可能であり、前記テープカセットの前記キャリアテープから供給される前記電子部品を保持し、保持した前記電子部品を基板上に実装する。
前記制御部は、前記高さ測定部により、前記測定面の高さを測定し、前記電子部品が保持されるときに、前記高さ測定部によって測定された前記測定面の高さに応じて、前記保持部材の前記高さ方向への移動を制御する。
【0010】
本技術では、走行面とは別に、走行面よりも外側に突出する測定面が特別に設けられており、この測定面の高さが高さ測定部によって測定される。従って、キャリアテープがテープカセットにセットされている状態であっても走行面の高さを得ることができる。
【0011】
上記実装装置において、前記測定面は、前記走行面と同一平面上に設けられてもよい。
これにより、正確な走行面の高さを得ることができる。
【0012】
上記実装装置において、前記テープカセットは、前記保持部材に前記電子部品を供給する供給位置をさらに有していてもよい。
この場合、前記測定面は、前記供給位置に対応する位置に設けられてもよい。
【0013】
これにより、さらに正確な走行面の高さを得ることができる。
【0014】
上記実装装置は、複数のテープカセットを具備し、かつ、水平方向に前記高さ測定部を移動させる移動機構をさらに具備していていもよい。
この場合、前記制御部は、前記移動機構により、前記水平方向に前記高さ測定部を移動させつつ、前記高さ測定部により、前記複数のテープカセットのそれぞれの前記測定面の高さを測定してもよい。
【0015】
上記実装装置は、前記保持部材を有する実装ヘッドをさらに具備していてもよい。
この場合、前記高さ測定部は、前記実装ヘッドに設けられてもよい。
この場合、前記高さ測定部を移動させる前記移動機構は、前記実装ヘッドを前記水平方向に移動させるヘッド移動機構であってもよい。
【0016】
上記実装装置において、前記制御部は、所定のタイミングで、前記高さ測定部により前記測定面の高さを測定してもよい。
【0017】
これにより、タイミングを調整することで、適切なタイミングで自動的に測定面の高さを測定することができる。
【0018】
上記実装装置において、前記テープカセットは、前記実装装置に対して着脱可能であり、又は前記実装装置に着脱可能なテープカセットの支持台に対して着脱可能であってもよい。
この場合、前記制御部は、前記テープカセットの着脱を検出し、着脱が検出されたタイミングで、前記高さ測定部により前記測定面の高さを測定してもよい。
【0019】
これにより、適切なタイミングで測定面の高さを自動的に測定することができる。
【0020】
上記実装装置は、前記実装装置に対して着脱可能であり、かつ、前記テープカセットが着脱可能な支持台をさらに具備していてもよい。
この場合、前記制御部は、前記実装装置に対する前記支持台の着脱を検出し、着脱が検出されたタイミングで、前記高さ測定部により前記測定面の高さを測定してもよい。
【0021】
これにより、適切なタイミングで測定面の高さを自動的に測定することができる。
【0022】
上記実装装置において、前記制御部は、所定の時間間隔で、前記高さ測定部により前記測定面の高さを測定してもよい。
【0023】
これにより、適切なタイミングで測定面の高さを自動的に測定することができる。
【0024】
本技術に係る実装装置は、テープカセットと、保持部材と、高さ測定部とを具備する。
前記テープカセットは、電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、前記走行面よりも外側に突出する測定面とを有する。
前記保持部材は、高さ方向に移動可能であり、前記テープカセットの前記キャリアテープから供給される前記電子部品を保持し、保持した前記電子部品を基板上に実装する。
前記高さ測定部は、前記保持部材の高さを調整するために、前記測定面の高さを測定する。
【0025】
本技術に係るテープカセットは、走行面と、測定面とを具備する。
前記走行面は、電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する。
前記測定面は、前記走行面よりも外側に突出する。
【0026】
本技術に係る移動制御方法は、
電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、前記走行面よりも外側に突出する測定面とを有するテープカセットと、高さ方向に移動可能であり、前記テープカセットの前記キャリアテープから供給される前記電子部品を保持し、保持した前記電子部品を基板上に実装する保持部材と、高さ測定部とを具備する実装装置の前記高さ測定部により、前記測定面の高さを測定することを含む。
前記電子部品が保持されるときに、前記高さ測定部によって測定された前記測定面の高さに応じて、前記保持部材の前記高さ方向への移動が制御される。
【0027】
本技術に係るプログラムは、
電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、前記走行面よりも外側に突出する測定面とを有するテープカセットと、高さ方向に移動可能であり、前記テープカセットの前記キャリアテープから供給される前記電子部品を保持し、保持した前記電子部品を基板上に実装する保持部材と、高さ測定部とを具備する実装装置に、
前記高さ測定部により前記測定面の高さを測定するステップと、
前記電子部品が保持されるときに、前記高さ測定部によって測定された前記高さに応じて、前記保持部材の前記高さ方向への移動を制御するステップと
を実行させる。
【0028】
本技術に係る基板の製造方法は、
電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、前記走行面よりも外側に突出する測定面とを有するテープカセットと、高さ方向に移動可能であり、前記テープカセットの前記キャリアテープから供給される前記電子部品を保持し、保持した前記電子部品を基板上に実装する保持部材と、高さ測定部とを具備する実装装置の前記高さ測定部により、前記測定面の高さを測定することを含む。
前記電子部品が保持されるときに、前記高さ測定部によって測定された前記測定面の高さに応じて、前記保持部材の前記高さ方向への移動が制御される。
前記保持部材によって保持された前記電子部品が基板上に実装される。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本技術によれば、キャリアテープがテープカセットにセットされている状態であっても、正確に走行面の高さを得ることができる実装装置などの技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0032】
「実装装置100の全体構成及び各部の構成」
図1は、本技術の一実施形態に係る実装装置100を示す正面図である。
図2は、実装装置100の側面図であり、
図3は、実装装置100の上面図である。
図4は、実装装置100の構成を示すブロック図である。
【0033】
これらの図に示すように、実装装置100は、フレーム構造体10と、実装装置100の内部にX軸方向に沿って設けられ、基板1をX軸方向に向けて搬送する搬送部15とを備える。また、実装装置100は、搬送部15によって所定の位置まで搬送された基板1を下方から支持するバックアップ部20と、搬送部15を挟んで実装装置100の前後方向の両側に設けられ、電子部品2を供給する供給部25とを備える。
【0034】
また、実装装置100は、供給部25から供給される電子部品2を保持し、保持した電子部品2を基板1上に実装する複数の吸着ノズル35(保持部材)を有する実装ヘッド30を備える。また、実装装置100は、実装ヘッド30に取り付けられた高さ測定部36と、実装ヘッド30を水平方向(XY方向)に移動させるヘッド移動機構40とを備える。
【0035】
図4を参照して、さらに、実装装置100は、制御部3、記憶部4、表示部5、入力部6、撮像部7、通信部8、エアコンプレッサ37、ターレット駆動部38、ノズル駆動部39などを備えている。
【0036】
フレーム構造体10(
図1乃至
図3参照)は、底部に設けられたベース11と、ベース11に固定された4本の縦フレーム12と、縦フレーム12の上部にX軸方向に沿って架け渡された2本の横フレーム13とを有する。
【0037】
搬送部15(
図2、
図3参照)は、X軸方向に沿って配設されたガイド16と、ガイド16の内面側に設けられたコンベアベルト17とを含む。搬送部15は、コンベアベルト17の駆動により、基板1を搬入して所定の位置に位置決めしたり、電子部品2の実装が終了した基板1を排出したりする。ガイド16は、上端部が内側に向けて折り曲げられるように形成されており、ガイド16の上端部は、バックアップ部20によって基板1が上方に移動されたときに、基板1を上側から支持することができる。
【0038】
バックアップ部20(
図2参照)は、バックアッププレート21と、このバックアッププレート21上に立設された複数の支持ピン22と、バックアッププレート21を昇降させるプレート昇降機構23とを含む。
【0039】
電子部品2の実装を予定している基板1が搬送部15によって所定の位置に搬送されたとき、プレート昇降機構23によりバックアッププレート21が上方に移動される。これにより、基板1がバックアップ部20の支持ピン22とガイド16の上端部との間に挟まれて、基板1が所定の位置に固定される。この状態で、基板1上に電子部品2が実装される。
【0040】
供給部25(
図1乃至
図3参照)は、X軸方向に沿って配列された複数のテープカセット26を含む。このテープカセット26は、実装装置100に対して着脱可能とされている。あるいは、テープカセット26は、実装装置100に対して着脱可能な交換台車(支持台)に対して、着脱可能とされていてもよい。交換台車(図示せず)は、X軸方向に沿って配列された複数のテープカセット26を支持することができる。
【0041】
テープカセット26は、キャリアテープ90を内部に収納しており、このキャリアテープは、同一タイプの複数の電子部品2を内部に収納している。テープカセット26の端部(実装装置100の中央側)の上面には供給窓27が形成されており、この供給窓27を介して、実装ヘッド30の吸着ノズル35に電子部品2が供給される。テープカセット26の構成については、後に詳述する。
【0042】
ヘッド移動機構40(
図1及び
図2参照)は、実装ヘッド30を水平方向(XY方向)に移動させるための機構である。
【0043】
ヘッド移動機構40は、フレーム構造体10の2本の横フレーム13に対して、Y軸方向に沿って架け渡されたY軸フレーム41と、Y軸フレーム41の下側の位置にY軸フレーム41に対してY軸方向に移動可能に取り付けられたY軸移動体42とを含む。
【0044】
また、ヘッド移動機構40は、X軸方向に長い形状を有し、Y軸移動体42の側面に取り付けられたX軸フレーム43と、このX軸フレーム43の側面の位置に、X軸フレーム43に対してX軸方向にスライド可能に取り付けられたX軸移動体44とを有する。
【0045】
Y軸移動体42及びX軸移動体44は、例えば、ボールネジ駆動機構、ベルト駆動機構などの駆動によりY軸方向及びX軸方向に移動される。
【0046】
実装ヘッド30(
図1乃至
図3参照)は、X軸移動体44の側面に取り付けられる。実装ヘッド30は、ヘッド筐体31と、斜め方向に傾斜するようにして、ヘッド筐体31に取り付けられた基軸32と、基軸32に対して回転可能に取り付けられたヘッド部33とを有する。
【0047】
ヘッド部33は、基軸32に対して回転可能に取り付けられたターレット34と、ターレット34の周方向に沿って等間隔でターレット34に取り付けられた複数の吸着ノズル35とを有する。
【0048】
ターレット34は、ターレット駆動部38の駆動により、基軸32を回転の中心軸として回転される。吸着ノズル35は、吸着ノズル35の軸線がターレット34の回転の中心軸に対してそれぞれ傾斜するように、ターレット34に取り付けられている。吸着ノズル35は、ターレット34に対して上記軸線方向に沿って移動可能に支持されており、また、吸着ノズル35は、ターレット34に対して回転可能に支持されている。
【0049】
吸着ノズル35は、ノズル駆動部39の駆動により、所定のタイミングで軸線方向(高さ方向)に沿って移動されたり、所定のタイミングで軸線回りに回転されたりする。
【0050】
複数の吸着ノズル35のうち、最も低い位置に位置する吸着ノズル35は、その軸線が垂直方向を向いている。以降では、このように軸線が垂直方向を向く吸着ノズル35の位置を操作位置と呼ぶ。この操作位置に位置する吸着ノズル35が高さ方向に移動されることで、供給部25で電子部品2が吸着されたり、基板1上に電子部品2が実装されたりする。操作位置に位置する吸着ノズル35は、ターレット34の回転により順次切り換えられる。
【0051】
吸着ノズル35は、エアコンプレッサ37(
図4参照)に接続されている。吸着ノズル35は、このエアコンプレッサ37の負圧及び正圧の切り換えに応じて、電子部品2を吸着したり、脱離したりすることができる。
【0052】
実装ヘッド30の数は、本実施形態では、1つとされているが、実装ヘッド30の数は、2以上であってもよい。また、吸着ノズル35の数についても制限はなく、例えば、吸着ノズル35の数は、1つであっても構わない。
【0053】
高さ測定部36(
図1及び
図2参照)は、実装ヘッド30のヘッド筐体31に対して設けられる。この高さ測定部36は、テープカセット26の測定面65(後述の
図7乃至
図10参照)の高さを測定する。高さ測定部36としては、測距センサ、あるいは変位センサなどが用いられる。
【0054】
センサの方式としては、非接触式の測定方式であってもよく、接触式の測定方式であってもよい。センサの方式としては、例えば、レーザー式、光学式、渦流電流式などが挙げられる。高さ測定部36は、ヘッド移動機構40によって実装ヘッド30が水平方向に移動されるときに、実装ヘッド30の移動と共に水平方向に移動される。
【0055】
制御部3(
図4参照)は、例えば、CPU(Central processing Unit)により構成される。制御部3は、記憶部4に記憶された各種のプログラムに基づき種々の演算を実行し、実装装置100の各部を統括的に制御する。
【0056】
記憶部4(
図4参照)は、制御部3の制御に必要な各種のプログラムが記憶された不揮発性のメモリと、制御部3の作業領域として用いられる揮発性のメモリとを有する。上記各種のプログラムは、光ディスク、半導体メモリ等の可搬性の記録媒体から読み取られてもよい。
【0057】
表示部5(
図4参照)は、液晶ディスプレイや、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成され、各種のデータを画面上に表示する。入力部6(
図4参照)は、例えば、キーボード、タッチパネル等により構成され、オペレータからの各種の指示を入力する。
【0058】
撮像部7(
図4参照)は、基板1に設けられたアライメントマークを撮像する撮像部7や、吸着ノズル35の先端部に吸着された電子部品2を撮像する撮像部7などの各種の撮像部7を含む。これらの撮像部7は、例えば、実装ヘッド30に設けられ、実装ヘッド30の移動に応じて、実装ヘッド30とともに移動する。撮像部7は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子や、撮像素子に像を結像させる結像レンズなどにより構成される。
【0059】
通信部8(
図4参照)は、実装ライン内の他の装置に対して情報を送信したり、他の装置から情報を受信したりする。実装ライン内の他の装置としては、例えば、クリーム半田印刷装置、印刷検査装置、他の実装装置100、基板検査装置等が挙げられる。
【0060】
「テープカセット26の全体構成及び各部の構成」
次に、テープカセット26の構成について詳細に説明する。
図5は、テープカセット26の全体を示す側面図である。
図6は、テープカセット26内に収納されるキャリアテープ90を示す斜視図である。
【0061】
図6を参照して、キャリアテープ90は、抵抗、コンデンサ、インダクタ、ICチップ(IC:Integrated Circuit)等の同一タイプの電子部品2を内部に収納している。キャリアテープ90は、キャリアテープ本体91と、キャリアテープ本体91を覆うカバーテープ94とを有する。このキャリアテープ90は、テープカセット26のリール(図示せず)に巻回された状態でテープカセット26の内部に収納される。
【0062】
キャリアテープ本体91には、キャリアテープ90の長さ方向に沿って、電子部品2を収納するための複数の溝92が形成されている。また、キャリアテープ本体91の一方の側部側には、この側部に沿って、上下方向に貫通する係合孔93が形成されている。この係合孔93は、テープカセット26のスプロケット52(後述)の歯52aに係合される。
【0063】
カバーテープ94は、キャリアテープ本体91の上面に貼り付けられており、或る一定の力以上の力が加えられたときに、キャリアテープ本体91の上面から剥がすことができるように構成されている。
【0064】
図5を参照して、テープカセット26は、送り出し機構51と、引き取り機構55と、カセット制御部59と、カセット記憶部60と、コネクタ61とを有する。さらに、テープカセット26は、巻回された状態のキャリアテープ90がセットされる、図示しないリールなどを備えている(
図5の左側(図外))。
【0065】
送り出し機構51は、テープカセット26の前方側(
図5において右側)の上部に設けられる。この送り出し機構51は、スプロケット52と、テープホルダ53と、送り出し用のモータ54とを含む。スプロケットの歯52aは、キャリアテープ本体91に設けられた係合孔93に係合される。
【0066】
スプロケット52は、回転によりキャリアテープ90をステップ送りで送り出し、供給窓27から電子部品2を1つずつ実装ヘッド30に供給する。テープカセット26の前方側に向けて送り出された空のキャリアテープ90は、カッターユニット(図示せず)などによってカットされた後、廃棄ボックスに収納される。
【0067】
テープホルダ53は、キャリアテープ90を上方から押えて、キャリアテープ90が浮き上がってしまうことを防止するともに、キャリアテープ90とスプロケット52の係合を維持する。このテープホルダ53は、前側の第1のテープホルダ53aと、後ろ側の第2のテープホルダ53bとを有する。
【0068】
第1のテープホルダ53aと、第2のテープホルダ53bとの間の領域に、電子部品2が供給される供給窓27が形成される。カバーテープ94は、供給窓27よりも後方側の位置でキャリアテープ90本体から引き剥がされ、剥がされたカバーテープ94は、テープカセット26の後方側に向けて折り返される。
【0069】
引き取り機構55は、テープカセット26の後方側(
図5において左側)の上部に設けられる。この引き取り機構55は、回転ローラ56と、ピンチローラ57と、引き取り用のモータ58とを有する。回転ローラ56及びピンチローラ57は、キャリアテープ本体91から剥がされたカバーテープ94を両側から挟み込んで、後方側に向けて引き取っていく。回転ローラ56及びピンチローラ57によって引き取られたカバーテープ94は、引き取り機構55の後方側に配置されたカバーテープ排出部(図示せず)に排出される。
【0070】
コネクタ61は、テープカセット26の前方側に設けられる。このコネクタ61は、実装装置100に対するテープカセット26の着脱に応じて、実装装置100側に設けられたコネクタ(図示せず)と着脱される。テープカセット26は、コネクタ61を介して、実装装置100側から制御信号を入力したり、実装装置100側から電力を得たりする。なお、実装装置100が交換台車を有する形態の場合、テープカセット26のコネクタ61は、交換台車に設けられたコネクタと接続される。交換台車には、実装装置100に設けられたコネクタと接続されるコネクタも設けられる。
【0071】
カセット制御部59は、例えば、CPUにより構成される。このカセット制御部59は、テープカセット26の各部と電気的に接続されており、実装装置の制御部3の制御に応じて、テープカセット26の各部を統括的に制御する。
【0072】
カセット記憶部60は、カセット制御部59の制御に必要な各種のプログラムが記憶された不揮発性のメモリと、カセット制御部59の作業領域として用いられる揮発性メモリとを有する。上記各種のプログラムは、光ディスク、半導体メモリ等の可搬性の記録媒体から読み取られてもよい。
【0073】
図7及び
図8は、テープカセット26の供給窓27近傍の斜視図である。
図7には、キャリアテープ90がテープカセット26にセットされていないときの様子が示されており、
図8には、キャリアテープ90がテープカセット26にセットされているときの様子が示されている。
図9は、テープカセット26の供給窓27近傍の斜視図である。
図9は、
図7及び
図8と比べて、見る角度が異なっている。
図10は、供給窓27近傍の断面斜視図である。
【0074】
これらの図に示すように、テープカセット26は、テープカセット26の前方側の位置において、キャリアテープ90(キャリアテープ90本体)を下方から支持する支持部材62を有する。この支持部材62は、テープホルダ53との間で、キャリアテープ90を通過させるための通路を形成する。支持部材62は、テープカセット26の長手方向(Y軸方向)に沿ってキャリアテープ90を水平に走行させるための走行面63を、その上面に有している。
【0075】
さらに、支持部材62は、供給窓27に対応する位置(つまり、電子部品2の供給位置に対応する位置)において、幅方向(X軸方向)で走行面63よりも外側に向けて突出する突出部64を有している。突出部64の上面は、高さ測定部36によって高さが測定される測定面65を構成する。すなわち、テープカセット26は、供給窓27に対応する位置において、幅方向で走行面63よりも外側に向けて突出する測定面65を有する。本実施形態では、測定面65の高さは、走行面63の高さと同じ高さとされており、これにより、走行面63の高さを正確に得ることができる。
【0076】
なお、テープホルダ53は、供給窓27に対応する領域が開放されているのに加えて、スプロケット52に対応する領域の一部も開放されている。
【0077】
図11及び
図12は、比較例に係るテープカセット26についての供給窓27近傍の斜視図である。
図11には、キャリアテープ90がテープカセット26にセットされていないときの様子が示されており、
図12には、キャリアテープ90がテープカセット26にセットされているときの様子が示されている。
【0078】
比較例に係るテープカセット26は、突出部64(測定面65)が設けられていない点で、本実施形態に係るテープカセット26と異なっている。
図11に示すように、キャリアテープ90がテープカセット26にセットされていない状態では、走行面63が露出する。しかし、
図12に示すように、キャリアテープ90がテープカセット26にセットされている状態では、走行面63が露出しない。従って、比較例に係るテープカセット26では、キャリアテープ90がテープカセット26にセットされている状態において、走行面63の高さを得ることができない。
【0079】
一方、本実施形態に係るテープカセット26では、走行面63とは別に、走行面63よりも外側に突出する測定面65が特別に設けられている。そして、この測定面65の高さが高さ測定部36によって測定される。従って、キャリアテープ90がテープカセット26にセットされている状態であっても走行面63の高さを得ることができる。
【0080】
[動作説明]
次に、実装装置100の動作について説明する。
図13は、実装装置100の動作を示すフローチャートである。
図14は、測定面65の高さH1(=走行面63の高さ)と、吸着ノズル35の下降の目標高さH2との関係を示す図である。
【0081】
まず、制御部3は、ヘッド移動機構40により、実装ヘッド30を供給部25上に移動させ、実装ヘッド30に取り付けられた高さ測定部36と、或る特定のテープカセット26の測定面65とを水平方向で位置合わせする(ステップ101)。位置合わせが完了すると、制御部3は、高さ測定部36により基準位置に対する測定面65の高さ(走行面63の高さ)H1を測定する(ステップ102)。
【0082】
高さ測定においては、高さ測定部36に採用されるセンサの方式に応じて、基準位置に対する測定面65の高さH1を直接的に測定することもできるし、間接的に測定することもできる。間接的に測定面65の高さH1を測定する場合、高さ測定部36によって、高さ測定部36と測定面65との距離が測定され、この距離に基づいて基準位置に対する測定面65の高さH1が算出される。
【0083】
本実施形態では、測定面65が走行面63と同一平面上に形成されており、また、測定面65が供給窓27に対応する位置に配置されているため、正確な走行面63の高さを得ることができる。
【0084】
測定面65の高さH1が測定されると、次に、制御部3は、測定面65の高さ(走行面63の高さ)H1に基づいて、吸着ノズル35の下降の目標高さH2を算出する(ステップ103)。吸着ノズル35の下降の目標高さH2は、電子部品2を収納する溝92の部分のキャリアテープ90の厚みT1と、電子部品2の厚みT2とを、測定面65の高さ(走行面63の高さ)H1に加算することで算出することができる。
【0085】
本実施形態では、上記したように、走行面63の高さを正確に測定することができるため、正確な下降目標高さH2を算出することができる。
【0086】
キャリアテープ90の厚さ(溝92の部分)T1の値と、電子部品2の厚さT2の値とは、典型的には、テープカセット26毎に異なる。従って、テープカセット26と、T1及びT2の合成値との関係が、予め記憶部4に記憶される。制御部3は、吸着ノズル35の下降の目標高さH2を算出するとき、そのテープカセット26に対応するT1及びT2の値の合成値を記憶部4から読み出して、読み出した合成値を、測定面65の高さH1に加算する。
【0087】
制御部3は、吸着ノズル35の下降の目標高さH2を算出すると、算出した値をテープカセット26と関連付けて記憶部4に記憶する(ステップ104)。次に、制御部3は、全てのテープカセット26で、測定面65の高さH1の測定が完了したかを判定する(ステップ105)。測定面65の高さを測定すべきテープカセット26が残っている場合(ステップ105のNO)、制御部3は、ステップ101へ戻って、ヘッド移動機構40により、高さ測定部36と、テープカセット26の測定面65とを水平方向で位置合わせする。
【0088】
そして、制御部3は、そのテープカセット26における測定面65の高さH1を測定し、そのテープカセット26における吸着ノズル35の目標高さH2を算出する。そして、制御部3は、算出した値をそのテープカセット26と関連付けて記憶部4に記憶する。
【0089】
どのような順番で測定面65の高さの測定を行うかは、特に制限はないが、典型的には、端に位置するテープカセット26の測定面65から順番に高さの測定が行われる。
【0090】
全てのテープカセット26について、測定面65の高さの測定が完了した場合(ステップ105のYES)、制御部3は、通常の基板生産に移行する(ステップ106)。すなわち、本実施形態では、キャリアテープ90がテープカセット26にセットされている状態であっても走行面63の高さを得ることができるため、各テープカセット26での吸着ノズル35の下降目標高さH2を得た後、直ぐに、通常基板生産に移行することができる。
【0091】
通常の基板生産動作では、まず、実装を予定している基板1が搬送部15により搬入されて、基板1が実装位置まで搬送される。基板1が実装位置まで搬送されると、バックアップ部のプレート昇降機構23によりバックアッププレート21が上方に移動される。これにより、基板1がバックアップ部20の支持ピン22とガイド16の上端部との間に挟まれて、基板1の位置が固定される。
【0092】
次に、ヘッド移動機構40により実装ヘッド30が水平方向に移動され、実装ヘッド30が供給部25上に移動される。そして、操作位置に位置する吸着ノズル35の位置と、その吸着ノズル35によって吸着すべき電子部品2が収納されたテープカセット26の供給窓27の位置とが水平方向で位置合わせされる。
【0093】
そして、操作位置に位置された吸着ノズル35の下方への移動が開始され、吸着ノズル35が目標高さH2に達したときに、吸着ノズル35の下方への移動が停止される。次に、エアコンプレッサ37により吸着ノズル35が負圧に切り換えられる。これにより、吸着ノズル35の先端部に電子部品2が吸着される。本実施形態では、上記したように、正確な目標高さH2を得ることができるため、吸着ノズル35による電子部品2の吸着率を向上させることができる。電子部品2が吸着されると、電子部品2を吸着した吸着ノズル35が上方に移動される。
【0094】
吸着ノズル35によりキャリアテープ90から電子部品2が取り出されると、テープカセット26のスプロケット52が、所定の回転量分だけ回転される。これにより、キャリアテープ90がステップ送りで送り出され、供給窓27の位置に、新たに電子部品2が供給される。
【0095】
次に、ターレット34が回転され、操作位置に位置する吸着ノズル35が切り換えられる。先ほど操作位置に位置していた吸着ノズル35によって吸着された電子部品2のタイプと、新たに操作位置に位置することになった吸着ノズル35によって吸着すべき電子部品2のタイプとが異なる場合、電子部品2を供給するテープカセット26が異なる。従って、この場合、ヘッド移動機構40によって実装ヘッド30が水平方向に移動され、新たに操作位置に位置することになった吸着ノズル35の位置と、供給窓27の位置とが、再度、水平方向で位置合わせされる。なお、先ほど操作位置に位置していた吸着ノズル35によって吸着された電子部品2のタイプと、新たに操作位置に位置することになった吸着ノズル35によって吸着すべき電子部品2のタイプとが同じである場合、実装ヘッド30を水平方向に移動させる必要はない。
【0096】
次に、新たに操作位置に位置することになった吸着ノズル35の下方への移動が開始され、吸着ノズル35が目標高さH2に達したときに、吸着ノズル35の下方への移動が停止される。そして、その吸着ノズル35の先端に電子部品2が吸着される。テープカセット26が先ほどとは異なる場合(供給窓27が先ほどとは異なる場合)、先ほどとは、吸着ノズル35の下降の目標高さH2が典型的に異なる。しかし、本実施形態では、テープカセット26毎に、正確な吸着ノズル35の下降の目標高さH2が取得されているので、どのテープカセット26であっても、正確に電子部品2を吸着することができる。
【0097】
各吸着ノズル35に対してそれぞれ電子部品2が吸着されると、ヘッド移動機構40により実装ヘッド30が供給部25上から基板1上に移動される。そして、操作位置に位置する吸着ノズル35の位置と、電子部品2が実装される基板1上の位置とが位置合わせされる。
【0098】
吸着ノズル35の位置と、基板1上の位置とが位置合わせされると、吸着ノズル35が下方に移動される。そして、エアコンプレッサ37により吸着ノズル35が負圧から正圧に切り換えられる。これにより、吸着ノズル35から電子部品2が離脱され、基板1上に電子部品2が実装される。
【0099】
次に、ターレット34が回転され、操作位置に位置する吸着ノズル35が切り換えられる。次に、ヘッド移動機構40の駆動により、新たに操作位置に位置することになった吸着ノズル35の位置と、その吸着ノズル35によって吸着されている電子部品2を実装すべき基板1上の位置とが、位置合わせされる。位置合わせが完了すると、吸着ノズル35が下方へ移動され、その吸着ノズル35の先端に吸着された電子部品2が基板1上に実装される。
【0100】
吸着ノズル35により吸着された全ての電子部品2が基板1上に実装されると、再び、実装ヘッド30が基板1上から供給部25上へ移動される。そして、再び、供給部25において電子部品2が吸着ノズル35によって吸着され、吸着ノズル35によって吸着された電子部品2が基板1上に実装される。吸着工程と、実装工程とが複数回繰り返されることで、1枚の基板1についての電子部品2の実装が完了する。電子部品2の実装が完了すると、バックアップ部による基板1の固定状態が解除され、その後、搬送部15により基板1が排出される。
【0101】
[作用等]
以上説明したように、本実施形態では、走行面63とは別に、走行面63よりも外側に突出する測定面65が特別に設けられており、この測定面65の高さが高さ測定部36によって測定される。従って、キャリアテープ90がテープカセット26にセットされている状態であっても走行面63の高さを得ることができる。
【0102】
さらに、本実施形態では、測定面65が走行面63と同一平面上に形成されており、また、測定面65が供給窓27に対応する位置に配置されているため、走行面63の高さを正確に測定することができる。これにより、吸着ノズル35の、正確な下降目標高さを算出することができる。その結果、吸着ノズル35による電子部品2の吸着率を向上させることができる。特に、本実施形態は、小さな部品であっても正確に電子部品2を吸着することができる。
【0103】
ここで、従来においては、各テープカセット26において電子部品2を正確に吸着させるためには、各テープカセット26が同じ高さとなるようにする必要があり、高さ方向で正確な精度が必要とされていた。一方で、本実施形態では、各テープカセット26で、吸着ノズル35の下降の目標高さH2がそれぞれ算出されるので、各テープカセット26が正確に同じ高さである必要がない。これにより、実装装置100が有する、各テープカセット26を取り付けるための部材(或いは交換台車)のコストダウンを図ることができる。
【0104】
[測定面65の高さを測定するタイミング]
次に、測定面65の高さを測定するタイミングについて説明する。以降では、3つのパターンを例に挙げてこのタイミングを説明する。
【0105】
「測定タイミングについての第1形態」
通常の基板生産が開始された後、実装装置100(又は交換台車)から、或る特定のテープカセット26が取り外されて、そのテープカセット26がセットされていた場所に、他のテープカセット26が新たに取り付けられる場合がある。例えば、テープカセット26のキャリアテープ90内に収納された電子部品2が全て使用され、キャリアテープ90が空になった場合、テープカセット26が交換される。また、テープカセット26に何らかの障害が発生して、電子部品2を正常に供給することができなくなった場合、テープカセット26が交換される。
【0106】
このような場合、新たに取り付けられたテープカセット26の走行面63の高さは、元のテープカセット26の走行面63の高さとは異なる可能性がある。
【0107】
そこで、この第1形態では、制御部3は、テープカセット26の着脱を検出し、着脱が検出されたタイミングで、高さ測定部36により測定面65の高さを測定する。これにより、適切なタイミングで、テープカセット26の測定面65の高さを自動的に測定することができる。
【0108】
具体的には、制御部3は、テープカセット26のコネクタ61が実装装置100のコネクタ(又は交換台車のコネクタ)から取り外されたか否かを判定する。コネクタ61が取り外された場合、制御部3は、テープカセット26のコネクタ61が実装装置100のコネクタ(又は交換台車のコネクタ)に接続されたかを判定する。
【0109】
コネクタ61が接続された場合、制御部3は、着脱が行われたコネクタ61の場所に基づいて、着脱が行われたテープカセット26の場所を特定する。そして、制御部3は、ヘッド移動機構40により高さ測定部36を水平方向に移動させ、高さ測定部36と、そのテープカセット26の測定面65の位置とを水平方向で位置合わせする。
【0110】
位置合わせが完了すると、制御部3は、高さ測定部36により測定面65の高さ(走行面63の高さ)H1を測定し、測定面65の高さ(走行面63の高さ)H1に基づいて、吸着ノズル35の下降の目標高さH2を算出する。そして、算出した値をテープカセット26と関連付けて記憶部4に記憶する。このテープカセット26から電子部品2が取り出される場合、このテープカセット26に固有の目標高さ位置H2が使用される。
【0111】
制御部3は、コネクタ61が接続された直後に測定面65の高さH1の測定を行ってもよい。また、電子部品2の実装の途中である場合には、制御部3は、コネクタ61が接続された後の、基板1の排出/搬入タイミングに合わせて、測定面65の高さH1の測定を行ってもよい。
【0112】
「測定タイミングについての第2形態」
実装装置100が交換台車を有する形態の場合、複数のテープカセット26がセットされた交換台車が、この交換台車ごと交換される場合がある。例えば、オペレータは、基板1の種類に応じた複数のテープカセット26がセットされた交換台車を、実装装置100の稼動中に、実装装置100外で準備しておく。そして、オペレータは、基板1の種類が変更されるときに、交換台車を、交換台車ごと交換する。
【0113】
このような場合、新たに取り付けられた交換台車にセットされた各テープカセット26の走行面63の高さは、元の交換台車にセットされていた各テープカセット26の走行面63の高さとは異なる可能性が高い。
【0114】
そこで、この第2形態では、制御部3は、実装装置100に対する交換台車(支持台)の着脱を検出し、着脱が検出されたタイミングで、高さ測定部36により測定面65の高さを測定する。これにより、適切なタイミングで、テープカセット26の測定面65の高さを自動的に測定することができる。
【0115】
具体的には、制御部3は、交換台車のコネクタ61が実装装置100のコネクタ61から取り外されたか否かを判定する。コネクタ61が取り外された場合、制御部3は、交換台車のコネクタ61が実装装置100のコネクタ61に接続されたかを判定する。コネクタ61が接続された場合、制御部3は、新たに取り付けられた交換台車にセットされた各テープカセット26の測定面65の高さを測定する。測定面65を測定するときの処理や、この後の処理については、上述の
図13で説明した処理と同様であるので、説明は省略する。
【0116】
「測定タイミングについての第3形態」
例えば、振動による影響や、熱による変形の影響により、時間の経過とともに、走行面63の位置が変化する場合がある。
【0117】
そこで、この第3形態では、制御部3は、所定の時間間隔で、高さ測定部36により測定面65の高さを測定する。これにより、適切なタイミングで、テープカセット26の測定面65の高さを自動的に測定することができる。
【0118】
具体的には、制御部3は、タイマーにより、前回の測定面65の測定からどれくらいの時間が経過したかをカウントする。カウントされた時間が所定の時間に達した場合、制御部3は、各テープカセット26の測定面65の高さを測定する。上記所定時間は、典型的には、4〜5時間程度とされるが、特に限定されない。
【0119】
制御部3は、所定の時間が経過した直後に測定面65の高さH1の測定してもよいし、電子部品2の実装の途中である場合には、所定の時間が経過した後の、基板1の排出/搬入タイミングに合わせて、測定面65の高さH1の測定を行ってもよい。
【0120】
測定面65を測定するときの処理や、この後の処理については、上述の
図13で説明した処理と同様であるので、説明は省略する。
【0121】
[各種変形例]
上述の説明では、測定面65が走行面63と同一の高さに設けられる場合について説明した。測定面65をこのような高さとすることで、上記したように、走行面63の高さを正確に測定することができる。しかしながら、測定面65は、必ずしも走行面63と同じ高さに設けられていなくてもよい。この場合、測定面65と走行面63との高さの差から走行面63の高さを求めればよい。
【0122】
上述の説明では、測定面65が供給窓27(電子部品2の供給位置)に対応する位置に設けられるとして説明した。しかしながら、測定面65を供給窓27の位置からずれた位置に配置することも可能である。
【0123】
上述の説明では、高さ測定部36が実装ヘッド30に設けられ、高さ測定部36がヘッド移動機構40により実装ヘッド30とともに移動する場合について説明した。一方、高さ測定部36を水平方向に移動させるための専用の移動機構が実装装置100に設けられていてもよい。各テープカセット26の測定面65は、X軸方向に沿って並べられるようにして配置されるため、高さ測定部36の専用の移動機構は、高さ測定部36が測定面65の上方をX軸方向に沿って移動可能なように構成される。
【0124】
あるいは、高さ測定部36は、移動可能な形態に限られず、所定の位置に固定された形態であっても構わない。この場合、各テープカセット26の測定面65にそれぞれ対応する高さ測定部36が、各テープカセット26の測定面65の上方の位置にそれぞれ固定される。
【0125】
なお、既存のヘッド移動機構40を、高さ測定部36を移動させるための機構として用いた形態の場合、高さ測定部36を移動させるための機構を特別に設ける必要がなく、また、高さ測定部36の数が1つだけで足りる。従って、コストを考慮すると、既存のヘッド移動機構40を、高さ測定部36を移動させるための機構として用いた形態が特に有利である。
【0126】
上述の説明では、電子部品2を保持して基板1上に実装する保持部材の一例として、吸着ノズル35を例に挙げて説明した。しかし、保持部材は、吸着ノズル35に限られない。例えば、保持部材は、電子部品2を両側から挟みこんで電子部品2を保持する形態であってもよい。テープカセットの数は、典型的には複数とされるが、本技術は、テープカセットの数が1つである場合にも適用することができる。
【0127】
本技術は、以下の構成をとることもできる。
(1)電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、前記走行面よりも外側に突出する測定面とを有するテープカセットと、
高さ方向に移動可能であり、前記テープカセットの前記キャリアテープから供給される前記電子部品を保持し、保持した前記電子部品を基板上に実装する保持部材と、
高さ測定部と、
前記高さ測定部により、前記測定面の高さを測定し、前記電子部品が保持されるときに、前記高さ測定部によって測定された前記測定面の高さに応じて、前記保持部材の前記高さ方向への移動を制御する制御部と
を具備する実装装置。
(2) 上記(1)に記載の実装装置であって、
前記測定面は、前記走行面と同一平面上に設けられる
実装装置。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の実装装置であって、
前記テープカセットは、前記保持部材に前記電子部品を供給する供給位置をさらに有し、
前記測定面は、前記供給位置に対応する位置に設けられる
実装装置。
(4) 上記(1)乃至(3)のうちいずれか1つに記載の実装装置であって、
複数のテープカセットを具備し、かつ、水平方向に前記高さ測定部を移動させる移動機構をさらに具備し、
前記制御部は、前記移動機構により、前記水平方向に前記高さ測定部を移動させつつ、前記高さ測定部により、前記複数のテープカセットのそれぞれの前記測定面の高さを測定する
実装装置。
(5) 上記(4)に記載の実装装置であって、
前記保持部材を有する実装ヘッドをさらに具備し、
前記高さ測定部は、前記実装ヘッドに設けられ、
前記高さ測定部を移動させる前記移動機構は、前記実装ヘッドを前記水平方向に移動させるヘッド移動機構である
実装装置。
(6) 上記(1)乃至(5)のうちいずれか1つに記載の実装装置であって、
前記制御部は、所定のタイミングで、前記高さ測定部により前記測定面の高さを測定する
実装装置。
(7) 上記(6)に記載の実装装置であって、
前記テープカセットは、前記実装装置に対して着脱可能であり、又は前記実装装置に着脱可能なテープカセットの支持台に対して着脱可能であり、
前記制御部は、前記テープカセットの着脱を検出し、着脱が検出されたタイミングで、前記高さ測定部により前記測定面の高さを測定する
実装装置。
(8) 上記(6)に記載の実装装置であって、
前記実装装置に対して着脱可能であり、かつ、前記テープカセットが着脱可能な支持台をさらに具備し、
前記制御部は、前記実装装置に対する前記支持台の着脱を検出し、着脱が検出されたタイミングで、前記高さ測定部により前記測定面の高さを測定する
実装装置。
(9) 上記(6)に記載の実装装置であって、
前記制御部は、所定の時間間隔で、前記高さ測定部により前記測定面の高さを測定する
実装装置。
(10) 電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、前記走行面よりも外側に突出する測定面とを有するテープカセットと、
高さ方向に移動可能であり、前記テープカセットの前記キャリアテープから供給される前記電子部品を保持し、保持した前記電子部品を基板上に実装する保持部材と、
前記保持部材の高さを調整するために、前記測定面の高さを測定する高さ測定部と
を具備する実装装置。
(11) 電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、
前記走行面よりも外側に突出する測定面と
を具備するテープカセット。
(12) 電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、前記走行面よりも外側に突出する測定面とを有するテープカセットと、高さ方向に移動可能であり、前記テープカセットの前記キャリアテープから供給される前記電子部品を保持し、保持した前記電子部品を基板上に実装する保持部材と、高さ測定部とを具備する実装装置の前記高さ測定部により、前記測定面の高さを測定し、
前記電子部品が保持されるときに、前記高さ測定部によって測定された前記測定面の高さに応じて、前記保持部材の前記高さ方向への移動を制御する
移動制御方法。
(13) 電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、前記走行面よりも外側に突出する測定面とを有するテープカセットと、高さ方向に移動可能であり、前記テープカセットの前記キャリアテープから供給される前記電子部品を保持し、保持した前記電子部品を基板上に実装する保持部材と、高さ測定部とを具備する実装装置に、
前記高さ測定部により前記測定面の高さを測定するステップと、
前記電子部品が保持されるときに、前記高さ測定部によって測定された前記高さに応じて、前記保持部材の前記高さ方向への移動を制御するステップと
を実行させるプログラム。
(14) 電子部品を内部に収納するキャリアテープが走行する走行面と、前記走行面よりも外側に突出する測定面とを有するテープカセットと、高さ方向に移動可能であり、前記テープカセットの前記キャリアテープから供給される前記電子部品を保持し、保持した前記電子部品を基板上に実装する保持部材と、高さ測定部とを具備する実装装置の前記高さ測定部により、前記測定面の高さを測定し、
前記電子部品が保持されるときに、前記高さ測定部によって測定された前記測定面の高さに応じて、前記保持部材の前記高さ方向への移動を制御し、
前記保持部材によって保持された前記電子部品を基板上に実装する
基板の製造方法。