特許第6209724号(P6209724)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6209724
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】商品陳列什器及びこれを構成する構造体
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/10 20060101AFI20171002BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20171002BHJP
【FI】
   A47F5/10 Z
   A47F5/00 D
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-162300(P2016-162300)
(22)【出願日】2016年8月22日
【審査請求日】2017年2月10日
(31)【優先権主張番号】特願2016-140924(P2016-140924)
(32)【優先日】2016年7月15日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516214836
【氏名又は名称】▲浜▼本 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100179822
【弁理士】
【氏名又は名称】中畑 稔
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼本 晃
【審査官】 大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−248595(JP,A)
【文献】 実開昭59−187366(JP,U)
【文献】 特開昭56−075113(JP,A)
【文献】 実開昭51−155225(JP,U)
【文献】 特開2015−003014(JP,A)
【文献】 特開2001−258697(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3049906(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/10
A47F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の構造体を組み合わせてなる商品陳列什器であって、
前記構造体は、商品を展示する展示面と、他の前記構造体を水平方向、垂直方向又は奥行方向の少なくともいずれかにおいて隣接配置させるための固定部を有する
商品陳列什器であって、
他の前記構造体を水平方向において隣接配置させるための水平固定部と、他の前記構造体を垂直方向に隣接配置させるための垂直固定部と、他の前記構造体を奥行方向に隣接配置させるための奥行固定部とを有し、
前記複数の構造体は、互いに同一形状を有し、金属板を折り曲げ加工することによって前記展示面を有する正面と背面と前記正面及び前記背面を接続する2つの側面とを含む略筒状の形状を有しており、
前記水平固定部は、一の前記側面に形成され前記水平方向に突出し且つ前記垂直方向に延びる凸部であり、
前記奥行固定部は、前記背面の中心付近には前記垂直方向に延びるように形成された係止凹部を含み、当該係止凹部に前記他の構造体の前記凸部が嵌合することによって垂直方向に沿って見た場合に前記構造体と前記他の構造体とが略T字形状を構成するように、前記構造体と前記他の構造体とを固定する、
商品陳列什器。
【請求項2】
複数の構造体を組み合わせてなる商品陳列什器であって、
前記構造体は、商品を展示する展示面と、他の前記構造体を水平方向、垂直方向又は奥行方向の少なくともいずれかにおいて隣接配置させるための固定部を有し、
前記構造体は、商品を展示する展示面と、他の前記構造体を水平方向に隣接配置させるための水平固定部と、他の前記構造体を奥行方向に隣接配置させるための奥行固定部とを有し、
前記複数の構造体は、互いに同一形状を有し、前記展示面を有する面を正面とする略直方体の箱形状を有しており、
前記水平固定部及び奥行固定部は、前記構造体の左右の側面の内側及び前記構造体の背面の内側に取り付けられた磁石であり、
前記構造体の上側面に設けられ断面がコの字型を有する取り外し可能なポッププレート用取付部であって、ポッププレートをはさむことにより当該ポッププレートを把持するポッププレート用取付部を更に有しており、
前記展示面には、前記商品を吊り下げ陳列するための少なくとも一のフックが形成されており、
前記構造体の下側面に設けられ前方に延びる脚部であって、前方への突き出し量が少なくとも前記フックの長さ以上である、
商品陳列什器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の商品陳列什器に用いるための前記構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品陳列什器に関し、特に、同一形状を有する複数の構造体を組み合わせてなる商品陳列什器に関する。
【背景技術】
【0002】
複数種の厚みのない商品(例えば、カード等)を陳列する広告具が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された広告具は、広告具本体が回転することにより、所望とする商品の選択を容易にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−89650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている広告具は、少なくとも広告具本体よりも広いスペースがなければ設置することができず、店舗内の様々な設置スペースに対して柔軟に対応することができない。
【0005】
そこで、本発明は、様々な設置スペースに対して柔軟に対応し得る商品陳列什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1の商品陳列什器として、
複数の構造体を組み合わせてなる商品陳列什器であって、
前記構造体は、商品を展示する展示面と、他の前記構造体を水平方向、垂直方向又は奥行方向の少なくともいずれかにおいて隣接配置させるための固定部を有する
商品陳列什器が得られる。
【0007】
また、本発明によれば、第2の商品陳列什器として、第1に記載の商品陳列什器であって、
他の前記構造体を水平方向において隣接配置させるための水平固定部と、他の前記構造体を垂直方向に隣接配置させるための垂直固定部と、他の前記構造体を奥行方向に隣接配置させるための奥行固定部とを有する、
商品陳列什器が得られる。
【0008】
また、本発明によれば、第3の商品陳列什器として、第2に記載の商品陳列什器であって、
前記複数の構造体は、互いに同一形状を有し、金属板を折り曲げ加工することによって前記展示面を有する正面と背面と前記正面及び前記背面を接続する2つの側面とを含む略筒状の形状を有している、
商品陳列什器が得られる。
【0009】
また、本発明によれば、第4の商品陳列什器として、第3に記載の商品陳列什器であって、
前記水平固定部は、一の前記側面に形成された凸部及び他の前記側面に形成された凹部であって、夫々、他の前記構造体の前記凹部又は前記凸部と嵌合する、
商品陳列什器が得られる。
【0010】
また、本発明によれば、第5の商品陳列什器として、第4に記載の商品陳列什器であって、
前記垂直固定部は、前記側面に形成され他の前記構造体の一部に差し込まれる鍔状部である、
商品陳列什器が得られる。
【0011】
また、本発明によれば、第6の商品陳列什器として、第3乃至第5のいずれかに記載の商品陳列什器であって、
前記奥行固定部は、前記背面に形成されたスリット及び前記凹部に形成された係止凸部を含み、当該スリットに前記他の構造体の前記係止凸部が差し込まれることによって垂直方向に沿って見た場合に前記構造体と前記他の構造体とが略L字形状を構成するように、前記構造体と前記他の構造体とを固定する、
商品陳列什器が得られる。
【0012】
また、本発明によれば、第7の商品陳列什器として、第3乃至第5のいずれかに記載の商品陳列什器であって、
前記奥行固定部は、前記背面に形成された係止凹部を含み、当該係止凹部に前記他の構造体の前記凸部が嵌合することによって垂直方向に沿って見た場合に前記構造体と前記他の構造体とが略T字形状を構成するように、前記構造体と前記他の構造体とを固定する、
商品陳列什器が得られる。
【0013】
また、本発明によれば、第8の商品陳列什器として、第3乃至第7のいずれかに記載の商品陳列什器であって、
前記奥行固定部は、他の構造体を背中合わせに隣接配置させた状態で固定する、
商品陳列什器が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、第9の商品陳列什器として、第3乃至第8のいずれかに記載の商品陳列什器であって、
前記展示面は、前記正面の一部を後方に凹ませることにより形成された面である、
商品陳列什器が得られる。
【0015】
また、本発明によれば、第10の商品陳列什器として、第1に記載の商品陳列什器であって、
前記構造体は、商品を展示する展示面と、他の前記構造体を水平方向に隣接配置させるための水平固定部と、他の前記構造体を奥行方向に隣接配置させるための奥行固定部とを有する、
商品陳列什器が得られる。
【0016】
また、本発明によれば、第11の商品陳列什器として、第10に記載の商品陳列什器であって、
前記複数の構造体は、互いに同一形状を有し、前記展示面を有する面を正面とする略直方体の箱形状を有している、
商品陳列什器が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、第12の商品陳列什器として、第11に記載の商品陳列什器であって、
前記水平固定部は、前記構造体の少なくとも左右いずれかの側面に取り付けられた磁石である、
商品陳列什器が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、第13の商品陳列什器として、第11又は第12のいずれかに記載の商品陳列什器であって、
前記奥行固定部は、前記構造体の背面に取り付けられた磁石である、
商品陳列什器が得られる。
【0019】
また、本発明によれば、第14の商品陳列什器として、第10乃至第13のいずれかに記載の商品陳列什器であって、
前記構造体の上側面に設けられたプレート取付部を更に有する、
商品陳列什器が得られる。
【0020】
また、本発明によれば、第15の商品陳列什器として、第10乃至第14のいずれかに記載の商品陳列什器であって、
前記構造体の下側面に設けられ前方に延びる脚部を更に有する、
商品陳列什器が得られる。
【0021】
また、本発明によれば、第16の商品陳列什器として、第1乃至第15のいずれかに記載の商品陳列什器であって、
前記展示面には、前記商品を吊り下げ陳列するための少なくとも一のフックが形成されている、
商品陳列什器が得られる。
【0022】
また、本発明によれば、第17の商品陳列什器として、第1乃至第16に記載の商品陳列什器に用いられるための前記構造体が得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、様々な設置スペースに対して柔軟に対応し得る商品陳列什器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の実施の形態による商品陳列什器の外観図である。
図2図1の商品陳列什器を構成する構造体の正面斜視図である。
図3図1の商品陳列什器を構成する構造体の背面斜視図である。
図4】本発明の第1の実施の形態による商品陳列什器の外観図である。
図5】本発明の第1の実施の形態による商品陳列什器の外観図である。
図6図5に示される商品陳列什器の他の方向から見た外観図である。
図7】本発明の第1の実施の形態による商品陳列什器の外観図である。
図8】本発明の第2の実施の形態による商品陳列什器に用いられる構造体の外観図である。
図9図8の構造体の第2の実施の形態による商品陳列什器の外観図である。
図10図8の構造体を水平方向に隣接配置させた状態を示す外観図である。
図11図8の構造体を水平方向に隣接配置させた状態を示す他の外観図である。
図12図8の構造体を奥行方向に背中合わせに隣接配置させた状態を示す他の外観図である。
図13図8の構造体の使用状態を表す示す外観図である。
図14図8の構造体を水平配置させた状態を示す外観図である。なお、磁石を波線及び1点鎖線で表している。
図15図8の構造体をL字配置させた状態を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施の形態による商品陳列什器を説明する。図1に示されるように、本実施の形態による商品陳列什器1は、プリペイドカード、ギフトカード等のようにカード状の(厚みのない)商品を陳列する用途に特に適している。商品陳列什器1は、複数の構造体100を組み合わせてなるものである。このように複数の構造体100を様々な方向に沿って組み合わせることによって、設置場所に合わせた形状を作ることができ、設置スペースに対して柔軟に対応することができる。
【0026】
図1乃至図3から理解されるように、本実施の形態による構造体100は、互いに同一形状を有している。構造体100は、複数の金属板を折り曲げ加工することによって正面110と、右側面112と、左側面114と、背面116とを有する断面が略四角形の筒形状を有している。なお、本実施の形態による商品陳列什器1に用いられている構造体100は、全て同一形状を有しているが、設置場所や使用する商品の性質に応じて、形状は適宜変更可能である。
【0027】
図2及び図3に示されるように、構造体100の正面110には、商品(図示せず)を展示する展示面120と、商品を吊り下げるためのフック122が設けられている。展示面120は、正面110を奥行方向に凹ませた面であり、当該凹み部分は商品陳列のためのスペースとなる。フック122の形状、数及び位置は、展示面120に展示する商品(又はその包装)の形状や性質によって適宜変更してもよい。
【0028】
構造体100は、他の構造体100を水平方向(X方向:左右方向)に隣接配置(以下「水平配置」という。)させるための凸部130及び凹部135と、他の構造体10を垂直方向(Y方向:上下方向)に隣接配置(以下「垂直配置」という。)させるための鍔状部150及び受部155(垂直固定部)を有している。
【0029】
また、本実施の形態による構造体100は、当該構造体の展示面120と他の構造体100の展示面120とが直交するように他の構造体を隣接配置させることもできる。詳しくは、構造体100は、垂直方向に沿って見た場合に構造体100と他の構造体100とが略L字形状を構成するように隣接配置(以下「L字配置」という。)させるための係止突起138及びスリット160と、垂直方向に沿って見た場合に構造体100と他の構造体100とが略T字形状を構成するように隣接配置(以下「T字配置」という。)させるための凸部130及び凹部170を有している。
【0030】
更に、本実施の形態による構造体100は、構造体100と他の構造体100を背中合わせに(即ち、背面同士が接触又は近接するように)隣接配置(以下「背面配置」という)させるための係止突起175及びスリット180を有している。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態による構造体100は、水平配置、垂直配置、L字配置、T字配置及び背面配置の5通りの方法又はこれらの組み合わせによって固定させることができる。以下、夫々の固定方法について図2及び図3を参照して詳細に説明する。
【0032】
<水平配置>
図2によく示されるように、構造体100の右側面112には、水平方向に突出し且つ垂直方向に延びる凸部130が形成されている。凸部130の奥行方向(Z方向:前後方向)における幅は均一であり、水平方向に沿って見た場合に垂直方向に延びる長方形の形状を有している。一方、図3によく示されるように、構造体100の左側面114には、水平方向に陥没し且つ垂直方向に延びる凹部135が形成されている。凹部135の奥行方向における幅は均一であり、水平方向に沿って見た場合に垂直方向に延びる長方形形状を有している。
【0033】
構造体100同士を水平配置する場合、一方の構造体100の凸部130を他方の構造体100の凹部135に嵌合させることにより行う。この際、一方の構造体100の右側面112に形成されたスリット137に対して他方の構造体100の左側面の上端に形成された係止突起138が係止する。本実施の形態においては、凹部135の奥行方向における最大幅は、凸部130の奥行方向における最大幅よりも僅かに小さくされている。このため、嵌合時に一定の力を加えることを要するが、一度嵌合してしまえば凸部130の奥行方向にかかる復元力によって凹部135と強固に嵌合することができる。
【0034】
<垂直配置>
図1乃至図3に示されるように、構造体100の右側面112の下端には、垂直方向に沿って見た場合に凸部130から奥行方向に鍔状に延びる鍔状部150が形成されている。同様に、構造体100の左側面114の下端にも、垂直方向に沿って見た場合に凹部135から奥行方向に鍔状に延びる鍔状部150が形成されている。一方、構造体100の右側面112及び左側面114夫々の上端には、奥行方向において互いに内側に向かって延びる受部155が形成されている。
【0035】
構造体100同士を垂直配置する場合、一方の構造体100の鍔状部150が他方の構造体100の受部155に沿うように互いに嵌合せることにより行う。本実施の形態においては、鍔状部150は水平方向において僅かに内側に向けて曲げられている。これにより、右側面112に形成された鍔状部150と左側面114に形成された鍔状部150との水平方向における距離WLは、右側面112に形成された受部155と左側面114に形成された鍔状部155との水平方向における距離WUよりも僅かに小さなり、垂直方向に嵌合させやすくなる。かかる構造により、嵌合時には、鍔状部150は受部155よりも内側に位置する。
【0036】
<L字配置>
図2乃至図4に示されるように、構造体100の背面116の上端の右側面112よりにはスリット160が形成されている。
【0037】
構造体100同士をL字配置させる場合、一方の構造体100のスリット160に他方の構造体100の係止突起138が軽視するように組み合わせる。これにより、構造体100同士がL字状に配置される。なお、4つの構造体100を互いにL字配置することにより(換言すれば、L字配置された2つの構造体100を2組組み合わせることにより)、垂直方向に沿ってみた場合にロ字状に固定させることができる。これにより、4つの係止突起138及びスリット160の組によって、水平方向及び垂直方向に働く力が加わったとしても、組み合わされた構造が崩れることを防止できる。
【0038】
<T字配置>
図2図3図5及び図6に示されるように、構造体100の背面116の中心付近には垂直方向に延びる凹部170が形成されている。凹部170は、上述した凹部135と同様の形状、即ち奥行方向に陥没し且つ垂直方向に延びている。また凹部170の水平方向における幅は均一であり、奥行方向に沿って見た場合に垂直方向に延びる長方形形状を有している。また背面116の上端であって凹部170付近には奥行方向に突出する係止突起175が形成されている。
【0039】
構造体100同士をT字配置させる場合、一方の構造体100の凹部170に対して、他方の構造体100の凸部130を嵌合させる。この際、一方の構造体100の係止突起175が他方の構造体100のスリット137に係止する。上述した水平配置と同様に、本実施の形態においては、凹部170の水平方向における最大幅は、凸部130の最大幅よりも僅かに小さく形成されている。このため、嵌合時に一定の力を加えることを要するが、一度嵌合してしまえば凸部130の復元力によって凹部170と強固に嵌合することができる。
【0040】
<背面配置>
図2図3及び図7によく示されるように、100の係止突起175の凹部170を挟んだ反対側にはスリット180が形成されている。係止突起175と凹部170は、構造体100の水平方向における中心に関して水平対称となる位置に形成されている。
【0041】
構造体100同士を背面配置する場合、一方の係止突起175を他方の構造体100のスリット180に係止させる。
【0042】
(第2の実施の形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第2の実施の形態による商品陳列什器を説明する。上述した第1の実施の形態と同様に、本実施の形態による商品陳列什器も、プリペイドカード、ギフトカード等のようにカード状の(厚みのない)商品を陳列する用途に特に適しており、図8に示される複数の構造体200を組み合わせてなるものである。複数の構造体200を様々な方向に沿って組み合わせることによって、設置場所に合わせた形状を作ることができ、設置スペースに対して柔軟に対応することができる。
【0043】
図8及び図10から理解されるように、本実施の形態による構造体200は、互いに同一形状を有している。構造体200は、正面210と、右側面212と、左側面214と、背面216と、上側面218と、下側面219とを有する略直方体の箱形状を有している。なお、本実施の形態による商品陳列什器に用いられている構造体200は、全て同一形状を有しているが、設置場所や使用する商品の性質に応じて、形状は適宜変更可能である。
【0044】
図8に示されるように、構造体200の正面210には、商品(図示せず)を展示する展示面220と、商品を吊り下げるためのフック222が設けられている。本実施の形態による構造体200の下側面219には、前方に延びるベース(脚部)290が設けられている。第1の実施の形態と異なり、本実施の形態による展示面220は、正面210と同一面上(面一)に設けられている。従って、ベース290の突き出し量は、フック222に吊り下げられた商品の重みによって構造体200が前方へ倒れることを防ぐために十分な長さとすべきであり、少なくとも、フック222の長さ以上とするとよい。
【0045】
図10に示されるように、構造体200は、他の構造体200R、200Lを水平方向(X方向:左右方向)に隣接配置(以下「水平配置」という。)させるための磁石(水平固定部)230R、230lLを有している。
【0046】
更に、図8及び図11に示されるように、構造体200は、他の構造体200Bを奥行方向に背中合わせに(即ち、背面同士が接触又は近接するように)隣接配置(以下「背面配置」という。)させるための磁石(奥行固定部)212を有している。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態による構造体100は、水平配置及び背面配置のいずれの方法によっても組み合わせて固定することができる。
【0048】
続いて、図9を参照して、構造体200の組立工程を簡単に説明する。本実施の形態による構造体200は、図9に示されるように複数の部品から構成されている。構造体200は、前側本体部300fと、後側本体部300bと、前側本体部300f及び後側本体部300bそれぞれの下部を束ねるようにして固定するホルダー304と、前側本体部300f及び後側本体部300bそれぞれの上部を連結するトップブラケット306と、ベース290が組み合わされることによって箱形状の外見を構成する。トップブラケット306にはトップバネル308が固定され、トップバネル308にはポップホルダー(ポップ用取付部)310が固定される。ポップホルダー310は、断面がコの字型を有しており、ポップ320をはさむことによりこれを把持する。ポップ320には、展示面220に展示される商品に関する情報が記載される。
【0049】
前側本体部300fから下方に伸びる舌部301fは、Z方向において外側(−Z方向)に若干曲げられており、後側本体部300bから下方に伸びる舌部301bもの下側Z方向において外側(+Z方向)に若干曲げられている。これにより、これら舌部301f、301bがホルダー304に挿入された際に、外側への復元力を利用して互いに固定される。本実施の形態による前側本体部300fと、後側本体部300bと、ベース290と、トップブラケット306は、溶接により形成されるものであるが、その他の方法で組み立てられていてもよい。
【0050】
本実施の形態においては、前側本体部300fの右側面212o及び左側側面214oと後側本体部300bの右側面212i及び左側側面214iとがそれぞれかさなるようにして、構造体200の右側面212及び左側面214(図8参照)を形成する。このとき、前側本体部300fの右側面212o及び左側側面214oは、後側本体部300bの右側面212i及び左側側面214iよりも外側に位置している。換言すれば、図8に現れている右側面212及び左側面214は、前側本体部300fの右側面212o及び左側側面214oである。磁石230R及び磁石230Lのそれぞれは、後側本体部300bの右側面212o及び左側側面214oそれぞれの内側に固定される。磁石212は、背面216の内側に固定される。
【0051】
<水平配置>
図10に示されるように、構造体200同士を水平配置する場合、一方の構造体200の右側面212を他方の構造体200Rの左側面に接触させる。このとき、構造体200の磁石230Rが他の構造体200Rの左側面又は磁石のいずれかと接触し、磁力によって固定される。本実施の形態においては、水平配置にかかる固定手段に磁石を利用しているため、構造を簡単にすることができる。
【0052】
本実施の形態においては、ポップホルダー310(図9参照)が左右方向に沿って同一直線状に並ぶため、例えば、図11に示されるように、複数の構造体200で一つのポップ321を把持することとしてもよい。
【0053】
<背面配置>
図12に示されるように、構造体200同士を背面配置する場合、一方の構造体200の背面216を他方の構造体200bの背面に接触させる。このとき、構造体200の磁石212が他の構造体200bの左側面又は磁石のいずれかと接触し、磁力によって固定される。
【0054】
本実施の形態においては、図14に示されるように、構造体の側面に設けられた磁石230L(230R)の高さを変更し、背面の磁石212を中心よりずらす(中心線から離れて配置する)ことにより、水平配された他の構造体(背面側の構造体は図示せず)の磁石230L’(230R’)や、背面配置された他の構造体の磁石212’と互い違いになることから、磁石の同一極性(N−N/S−S)による反発力を気にせず固定することが可能となる。
【0055】
また、構造体は側面にも磁石が設けられていることから、図15に示されるように、第1の実施の形態と同様、L字配置も可能であるし、T字配置(図示せず)も可能である
【0056】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、図13から理解されるように、側面に突起状の構造が不要なより簡単な構造で構造体を構成することができる。
【0057】
以上の説明は、水平配置及び背面配置のみの実施形態に関するものであったが、例えば、トップブラケット306の内側に磁石を固定するとともにポップホルダー310を取り外せば、他の構造体を垂直方向に配置することも可能である。この際、最下部に配置される構造体以外の構造体については、ベース290を省略してもよい。
【0058】
以上説明したように、本発明による商品陳列什器によれば、設置場所に応じて柔軟に形状を変更することができることから、スペースの有効活用を図ることができる。
【0059】
構造体の隣接配置させるための手段は上述した実施の形態において説明したもの以外にもその他の係止手段、連結手段、固定手段、接着手段、仮止め手段等が採用できる。例えば、連結手段を別体の連結パーツ(樹脂製のスリ割形状パーツや、ダボ形状の部材等)とすることにより、構造体同士を当該連結パーツによって強固に連結することとしてもよい。
【0060】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 商品陳列什器
100、200、200R、200L、200b 構造体
110、210 正面
112、212 右側面
114、214 左側面
116、216 背面
218 上側面
219 下側面
120、220 展示面
122、222 フック
130 凸部(水平固定部)
135 凹部(水平固定部)
137 スリット
138 係止突起
150 鍔状部(垂直固定部)
155 受部(垂直固定部)
160 スリット(奥行固定部)
170 係止凹部(奥行固定部)
175 係止突起(奥行固定部)
180 スリット(奥行固定部)
230R、230L 磁石(水平固定部)
250 磁石(垂直固定部)
280 磁石(奥行固定部)
290 脚部
300f 前側本体部
300b 後側本体部
304 ホルダー
306 トップブラケット
308 トップパネル
310 ポップホルダー
320 ポップ
【要約】
【課題】様々な設置スペースに対して柔軟に対応し得る商品陳列什器を提供すること。
【解決手段】本発明による商品陳列什器は、複数の構造体を組み合わせてなるものである。各構造体は、商品を展示する展示面と、他の構造体を水平方向に隣接配置させるための水平固定部と、他の構造体を垂直方向に隣接配置させるための垂直固定部と、構造体の展示面と他の構造体の展示面とが直交するように他の構造体を隣接配置させるための奥行固定部とを有している。本発明によれば、設置スペースに応じて、水平方向及び垂直方向において構造体を自由に組み合わせることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15