6209752 モジュール式の多層式製造プラントおよびこれを建設する方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6209752

(24)【登録日】2017年9月22日

(45)【発行日】2017年10月11日

(54)【発明の名称】モジュール式の多層式製造プラントおよびこれを建設する方法

(51)【国際特許分類】

   A23N 17/00 20060101AFI20171002BHJP

【ＦＩ】

   A23N17/00 E

【請求項の数】6

【全頁数】17

(21)【出願番号】特願2014-517692(P2014-517692)

(86)(22)【出願日】2012年6月28日

(65)【公表番号】特表2014-524739(P2014-524739A)

(43)【公表日】2014年9月25日

(86)【国際出願番号】EP2012062527

(87)【国際公開番号】WO2013000985

(87)【国際公開日】20130103

【審査請求日】2015年6月1日

(31)【優先権主張番号】61/502,110

(32)【優先日】2011年6月28日

(33)【優先権主張国】US

(73)【特許権者】

【識別番号】503220392

【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー．ブイ．

(74)【代理人】

【識別番号】100107456

【弁理士】

【氏名又は名称】池田 成人

(74)【代理人】

【識別番号】100148596

【弁理士】

【氏名又は名称】山口 和弘

(74)【代理人】

【識別番号】100123995

【弁理士】

【氏名又は名称】野田 雅一

(74)【代理人】

【識別番号】100128381

【弁理士】

【氏名又は名称】清水 義憲

(72)【発明者】

【氏名】ドリエス， マルクス

【審査官】 土屋 正志

(56)【参考文献】

【文献】 国際公開第２００６／０９３７５７（ＷＯ，Ａ１）

【文献】 特表２０１１−５０６８０５（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ２３Ｎ １７／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

モジュール式製造プラントであって、
製造機器を支持するための製造モジュールの垂直スタックと、
前記製造モジュールへのオペレータのアクセスを可能にするために垂直にスタックされた前記製造モジュールに隣接して連結されたオペレータアクセスモジュールの垂直スタックと、
オペレータが複数階の前記モジュール式製造プラントのそれぞれの間を上昇および下降することを可能にするためにエレベータ室内において作動可能なオペレータ用エレベータであって、前記エレベータ室が前記オペレータアクセスモジュールに含まれている、オペレータ用エレベータと、
を含み、
前記隣接して連結された製造モジュールの垂直スタックとオペレータアクセスモジュールの垂直スタックが複数階の前記モジュール式製造プラントを形成し、
前記オペレータアクセスモジュールが、前記複数階の前記モジュール式製造プラントのそれぞれへのオペレータのアクセスを可能にするための階段室を含み、
前記製造モジュールおよび前記オペレータアクセスモジュールのそれぞれが直方体形状を有しており、
前記製造モジュールが、動物用飼料プレミックスの製造用装置を含んでおり、
当該モジュール式製造プラントは、
前記製造モジュールの前記垂直スタック内の前記製造モジュールのうち一番上のものに連結され、かつそこから外側に延びる片持台と、
前記複数階のそれぞれの外周部の周りに配置されたガードレールと、
前記製造モジュールの前記垂直スタック内の一番下の製造モジュールまたは前記オペレータアクセスモジュールの前記垂直スタック内の一番下のオペレータアクセスモジュールに隣接して連結された少なくとも１つの追加モジュールと、
前記製造モジュールの前記垂直スタック内の一番下の製造モジュールおよび前記オペレータアクセスモジュールの前記垂直スタック内の一番下のオペレータアクセスモジュールのそれぞれに隣接して連結された追加モジュールと、
をさらに含む、モジュール式製造プラント。

【請求項2】

前記直方体形状が、標準的な２０フィート輸送コンテナ内に適合するようなサイズにされ、かつ構成されている、請求項１に記載のモジュール式製造プラント。

【請求項3】

前記製造モジュールおよび前記オペレータアクセスモジュールのそれぞれが、一連の強固に相互連結された垂直フレーム部材と水平フレーム部材とを含む、請求項１に記載のモジュール式製造プラント。

【請求項4】

多層式製造プラントを建設する方法であって、
（ａ）一連の個々の製造モジュールおよび一連の個々のオペレータアクセスモジュールを提供するステップであり、該ステップが、直方体形状を有する前記製造モジュールおよび前記オペレータアクセスモジュールのそれぞれを形成するステップを含む、ステップと、
（ｂ）前記オペレータアクセスモジュールの垂直スタックに隣接して連結される前記製造モジュールの垂直スタックを形成し、それによって複数階の前記多層式製造プラントを形成するような手法で前記製造モジュールと前記オペレータアクセスモジュールとを互いに強固に相互に連結するステップと、
（ｃ）前記複数階の前記多層式製造プラントのそれぞれの間をオペレータが上昇および下降することを可能にするために、オペレータ用エレベータをエレベータ室内に作動的に配置するステップであって、前記エレベータ室が前記オペレータアクセスモジュールに含まれている、ステップと、
前記複数階の前記多層式製造プラントのそれぞれへのオペレータのアクセスを可能にするための階段室を備えた前記オペレータアクセスモジュールを提供するステップと、
片持台を、前記製造モジュールの前記垂直スタック内の前記製造モジュールの一番上のものから外側に延びるように連結するステップと、
前記複数階のそれぞれの外周部の周りにガードレールを配置するステップと、
少なくとも１つの追加モジュールを、前記製造モジュールの前記垂直スタック内の一番下の製造モジュールまたは前記オペレータアクセスモジュールの前記垂直スタック内の一番下のオペレータアクセスモジュールに隣接して連結するステップと、
追加モジュールを、前記製造モジュールの前記垂直スタック内の一番下の製造モジュールおよび前記オペレータアクセスモジュールの前記垂直スタック内の一番下のオペレータアクセスモジュールのそれぞれに隣接して連結するステップと、
動物用飼料プレミックスの製造用装置を前記製造モジュールに取り付けるステップと、
を含む、方法。

【請求項5】

前記直方体形状が、標準的な２０フィート輸送コンテナ内に適合するようなサイズにされ、かつ構成される、請求項４に記載の方法。

【請求項6】

ステップ（ａ）が、前記製造モジュールのそれぞれを形成するステップを含み、オペレータアクセスモジュールが、一連の強固に相互連結された垂直フレーム部材と水平フレーム部材とを含む、請求項４に記載の方法。

【発明の詳細な説明】

【発明の詳細な説明】

【0001】

[0001]本明細書中に開示される実施形態は製造プラントおよびそれらの建設方法に関する。特に好適な実施形態では、本明細書中に開示される実施形態は、プレミックス配合物として梱包し、動物用飼料などの最終製品のための添加物として後に使用することができる固体成分および／または液体成分（例えば、ビタミンおよび／または栄養補助食品）を混合するように適合させた製造プラントに関する。

【0002】

［発明の背景］
[0002]動物栄養の分野においては、一般に、例えば、飼料１トンあたり数グラムのオーダーの非常にわずかな用量レベルの微量栄養素を飼料に添加する必要がある。このようなわずかな用量の微量栄養素を動物用飼料に直接添加することはいくつかの理由で実現が困難である。例えば、第１に、微量栄養素に必要とされるわずかな用量は計量が困難である。微量栄養素の適正な用量重量を実現できたとしても、動物用飼料の完成品の全体において微量栄養素の均一な分布を実現することは事実上不可能である。

【0003】

[0003]上記の問題に対処するため、動物用飼料業界では、飼料賦形剤とともに特別ブレンドの栄養素を含有する、いわゆる、飼料「プレミックス」が従来より作製されている。このため、飼料プレミックスを他の飼料成分に飼料１トンあたり数キログラムの割合でより容易に添加することができる。したがって、このような手法で、比較的わずかではあるが必然的に重要なプレミックス中の栄養素が動物用飼料の完成品の全体にわたり一様に分配される。

【0004】

[0004]市場ニーズおよび／または生産の乱れから、動物用飼料プレミックス用プラントを比較的短時間で組み立てることが望ましい場合がある。一般に、新プラントは各潜在飼料製造業者用にその特定の位置において設計しなければならない。理解されうるように、このような特別仕様のプラントには、設計および建設にかなりの量の時間がかかる可能性があり、これによって、潜在コストが追加されるとともに生産の遅延が生じる。

【0005】

[0005]比較的迅速に設計および建設することができるプラントを考案することができれば特に望ましいだろう。本発明はこのようなニーズを満たすことを目的とする。

【0006】

［例示的実施形態の概要］
[0006]広範には、本明細書中に開示される実施形態は、モジュール式の多層式製造プラントに関する。特に好適な実施形態では、製造プラントは、標準的な輸送コンテナ内においてそれぞれ輸送可能ないくつかの個々のプラントモジュールによって提供される。したがって、モジュール式ユニットをプラントの場所までより容易に輸送し、１つのモジュールを別のモジュールにその場で連結させるように建設することができ、それによって多層式製造プラントを提供する。

【0007】

[0007]いくつかの実施形態によれば、製造機器を支持するための製造モジュールの垂直スタックと、製造モジュールへのオペレータのアクセスを可能にするために、垂直に積み重ねられた製造モジュールに隣接して連結されたオペレータアクセスモジュールの垂直スタックと、を含む、モジュール式製造プラントが提供される。隣接して連結された製造モジュールの垂直スタックとオペレータアクセスモジュールの垂直スタックは、それによって、複数階のモジュール式製造プラントを形成する。

【0008】

[0008]オペレータアクセスモジュールは、好ましくは、複数階のモジュール式製造プラントの各階へのオペレータのアクセスを可能にする階段室および／またはエレベータが作動的に配置されたエレベータ室を含む。このようなオペレータアクセス手段により、オペレータが製造プラントの１つの階から別の階に上昇および下降することが可能になる。

【0009】

[0009]特に好適な実施形態には、直方体形状を有する製造モジュールおよびオペレータアクセスモジュールを含む。製造モジュールおよびオペレータアクセスモジュール両方のこのような直方体（ｒｅｃｔａｎｇｕｌａｒ ｐａｒａｌｌｅｌｐｉｐｅｄ）形状は、好ましくは、一連の強固に相互連結された垂直フレーム部材と水平フレーム部材によって提供される。製造モジュールおよびオペレータアクセスモジュール両方の直方体（ｒｅｃｔａｎｇｕｌａｒ ｐａｒａｌｌｅｌｐｉｐｅｄ）形状を、このようなモジュールのそれぞれを標準的な２０フィート輸送コンテナ内に収容することができるようなサイズにすることが特に好ましい。

【0010】

[0010]モジュール式製造プラントの種々の実施形態は、製造モジュールの垂直スタック内の、製造モジュールの一番上のものに連結され、かつそこから外側に延びる片持台を含んでもよい。任意選択で、オペレータの安全のため、製造プラントの複数階のそれぞれの外周部の周りにガードレールを設けてもよい。

【0011】

[0011]特定の実施形態の少なくとも１つの追加モジュールを、製造モジュールの垂直スタック内の一番下の製造モジュールまたはオペレータアクセスモジュールの垂直スタック内の一番下のオペレータアクセスモジュールに隣接して連結してもよい。いくつかの実施形態では、このような追加モジュールが、製造モジュールの垂直スタック内の一番下の製造モジュールおよびオペレータアクセスモジュールの垂直スタック内の一番下のオペレータアクセスモジュールに隣接して連結される。

【0012】

[0012]本発明は、また、多層式モジュール式製造プラントを建設する方法に関する。特定の好適な実施形態に従うと、一連の個々の製造モジュールおよび一連の個々のオペレータアクセスモジュールが提供される。製造モジュールおよびオペレータアクセスモジュールは、その後、オペレータアクセスモジュールの垂直スタックに隣接して連結される製造モジュールの垂直スタックを形成し、それによって複数階のモジュール式製造プラントを形成するような手法で互いに強固に相互連結させてもよい。

【0013】

[0013]本明細書中に開示される実施形態のこれらならびに他の態様は、添付の図面およびそれに続くその詳細な説明の考察後により良く理解されよう。

【0014】

［添付図面の簡単な説明］
[0014]同様の参照符号が同様の構造要素を意味する、例示的、非限定的、例証的実施形態を示す添付図面について述べる。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】本発明の一実施形態による、組み立てられたモジュール式プラントの斜視図である。

【0016】

【図2】本発明による動物用プレミックス飼料製造プラントの一実施形態の立面概略流れ図である。

【0017】

【図3】図２の流れ図を具体化した本発明によるモジュール式プラントの正面図である。

【0018】

【図4】図３に示されるモジュール式プラントの側部立面図である。

【0019】

【図5】図４の線５−５に沿って切った、図３および図４に示されるプラントの１階を形成するモジュール式ユニットの上面図である。

【0020】

【図6】図４の線６−６に沿って切った、図３および図４に示されるプラントの２階を形成するモジュール式ユニットの上面図である。

【0021】

【図7】図４の線７−７に沿って切った、図３および図４に示されるプラントの３階を形成するモジュール式ユニットの上面図である。

【0022】

【図8】図４の線８−８に沿って切った、図３および図４に示されるプラントの４階を形成するモジュール式ユニットの上面図である。

【0023】

【図9】図４の線９−９に沿って切った、図３および図４に示されるプラントの５階を形成するモジュール式ユニットの上面図である。

【0024】

【図10】本発明による動物用プレミックス飼料製造プラントの別の実施形態の立面概略流れ図である。

【0025】

【図11】図１０の流れ図を具体化した本発明によるモジュール式プラントの正面図である。

【0026】

【図12】図１１に示されるモジュール式プラントの側部立面図である。

【0027】

【図13】図１２の線１３−１３に沿って切った、図１１および図１２に示されるプラントの１階を形成するモジュール式ユニットの上面図である。

【0028】

【図14】図１２の線１４−１４に沿って切った、図１１および図１２に示されるプラントの２階を形成するモジュール式ユニットの上面図である。

【0029】

【図15】図４の線１５−１５に沿って切った、図１１および図１２に示されるプラントの３階を形成するモジュール式ユニットの上面図である。

【0030】

【図16】図４の線１６−１６に沿って切った、図１１および図１２に示されるプラントを形成するモジュール式ユニットの上面図である。［詳細な説明］

【0031】

[0031]前述のように、本発明の特に好適な実施形態は、動物用飼料配合物に添加せねばならない微量栄養素のプレブレンドまたはプレミックスを作製するために使用されるモジュール式プレミックスプラントに関する。この点に関して、動物用飼料配合物または常用飼料は、例えば、国際公開第０１／５８２７５号パンフレット（その内容全体が参照によって明確に本発明に組み込まれる）に開示される家禽用および豚用常用飼料からわかるように、比較的高いタンパク質含有量を有する。

【0032】

[0032]通常、脂肪および水溶性ビタミン、ならびに微量ミネラル、健康素材、および任意選択で、酵素、有機酸およびその他の成分は、飼料への添加用の、いわゆるプレミックスの一部を形成するのに対して、多量ミネラルは、通常、飼料に別個に添加される。添付の図１は、動物用飼料プレミックス製品を形成するために提供してもよい本発明によるモジュール式動物用飼料プレミックス用プラント１０の１つの可能な実施形態を示す。

【0033】

[0033]示されるように、プラント１０は、製造機器モジュール１２−１〜１２−５の垂直スタック１２と、オペレータアクセスモジュール１４−１〜１４−５の隣接する垂直スタック１４とを含む。垂直スタック１２内のモジュール１２−１〜１２−５のうち隣接するものは互いに連結され、かつモジュールスタック１４内のモジュール１４−１〜１４−５のうち水平に隣接するものと連結される。したがって、相互連結したモジュール１２−１〜１２−５およびモジュール１４−１〜１４−５は、プラント１０の各々のフロアすなわち階１６−１〜１６−５を形成する。

【0034】

[0034]モジュール１８およびモジュール２０は、モジュールスタック１２のモジュール１２−１およびモジュールスタック１４のモジュール１４−１にそれぞれ隣接して連結してもよい。したがって、モジュール１８およびモジュール２０は、制御ステーション、医務室、貯蔵室等を提供するという目的を果たしてもよい。さらに、プラントの場所の周囲条件から保護するため、これらモジュール１８およびモジュール２０（ならびに任意の他のモジュール１２−１〜１２−５および／またはモジュール１４−１〜１４−５）を適切なルーフおよび／または側張板（図示せず）で被覆してもよい。

【0035】

[0035]製造機器スタック１２のモジュール１２−１〜１２−５は、材料入力ユニット２２、混合装置２４、ホッパー２６およびサイクロン分離器２８などの製造機器を収容するように設計される。混合されたプレミックスを受け取り、その所望の量における梱包を可能にするため、プラント１０の１階１６−１に梱包装置（図１に図示しないが、図３および図４などを参照のこと）が設けられる。

【0036】

[0036]オペレータアクセススタック１４のモジュール１４−１〜１４−５は、オペレータが階１６−１〜１６−５の１つから別の階に移動することを可能にするように設計される。このような目的のため、オペレータアクセススタック１４のモジュール１４−１〜１４−５には、好ましくは相互連結された階段室３０および電動式エレベータ（リフト）室４０が設けられる。

【0037】

[0037]オペレータの安全を確保するため、２階から５階１６−２〜１６−５を形成するモジュール１２−２〜１２−５およびモジュール１４−２〜１４−５のそれぞれに適切な周囲ガードレール４０−２〜４０−５がそれぞれ設けられる。モジュール１２−５およびモジュール１４−５の上に、好ましくは、プラント１０の最上階においてオペレータの支持を提供する被覆用材５０が提供される。側部片持台５２も提供してもよい。ガードレール５０−１が最上階の周囲を取り囲み、オペレータの安全を提供する。

【0038】

[0038]図２は、本発明による動物用飼料プレミックス製造プラント１００の別の実施形態を概略的に示す。この点に関して、プラント１００は、４つのモジュール階１００−１〜１００−４をそれぞれ有するものとして示される。モジュール階１００−４は最上階１００−５のフロアを提供する。

【0039】

[0039]図２に示されるプラント１００は、微量栄養素および／または飼料賦形剤の種々の原料および構成材料（符号１０２−１によって概略的に示す）が添加される手動添加ステーション１０２を含む。添加された原料および構成材料は、存在しうるあらゆる金属屑を捕捉する磁石プレート１０３を下方に垂直に通過し、その後、ホッパー１０６に送られる。ホッパー１０６の内容物は内部混合パドル１０８−１が備えられたミキサ１０８に供給される。ミキサ１０８内において形成されたプレミックス配合物は、その後、送りねじ１１０−１を有する梱包ステーション１１０に搬送される。送りねじ１１０−１は、コンベヤ１１０−４上のパッケージ１１０−３を充填するためにプレミックス配合物を計量ユニット１１０−２に案内する。残余量を容器１１２−１によって捕捉することができるサイクロン分離器１１２に一部の材料が案内される。

【0040】

[0040]添付の図３および図４は、図２に概略的に示したプレミックスプラント１００を形成するモジュールユニットの構造配置を示す。この点に関して、プラント１００は、製造機器を支持するように設計および構成され製造モジュール１２０−１〜１２０−４の垂直スタック１２０を含む。オペレータアクセスモジュール１４０−１〜１４０−４の垂直スタック１４０は製造スタック１２０の製造モジュール１２０−１〜１２０−４の垂直スタック１２０に隣接して連結される。この点に関して、垂直スタック１２０内のモジュール１２０−１〜１２０−４のうち隣接するものは互いに連結され、かつモジュールスタック１４０内のモジュール１４０−１〜１４０−４のうち水平に隣接するものに連結される。したがって、相互連結したモジュール１２０−１〜１２０−４およびモジュール１４０−１〜１４０−４はプラント１００の各々のフロアすなわち階１００−１〜１００−４を形成する。

【0041】

[0041]最上階１００−５には、モジュール１２０−４に強固に連結され、かつモジュール１２０−４から外側に延びる側部片持台１５２が設けられる。オペレータの安全のため、モジュール１２０−１〜１２０−４およびモジュール１４０−１〜１４０−４のそれぞれにガードレール（その代表的ないくつかが参照符号１５４によって示される）が設けられる。加えて、手動添加ステーション１０２に関連するオペレータの安全のため最上階１００−５にはガードレール１５６が設けられる。

【0042】

[0042]オペレータアクセススタック１４０のモジュール１４０−１〜１４０−４はオペレータが階１００−１〜１００−５の１つから別の階に移動することを可能にするように設計される。このような目的のため、オペレータアクセススタック１４０のモジュール１４０−１〜１４０−４には、階段のフライト１３０−１および対応する階段の踊り場１３０−２を有する相互連結された階段室１３０が設けられる。

【0043】

[0043]オペレータ用エレベータ１６２が１つの階１００−１〜１００−５から別の階に上昇／下降することを可能にするために、オペレータアクセススタック１４０のモジュール１４０−１〜１４０−４内に垂直方向にエレベータ（リフト）室１６０も設けられる。エレベータ１６２を動作させるためのモータ（図示せず）を支持するためにエレベータ支持構造１６４がモジュール１００−４に強固に連結される。

【0044】

[0044]モジュール１８０および／またはモジュール１９０は、モジュールスタック１２０のモジュール１２０−１およびモジュールスタック１４０のモジュール１４０−１それぞれに隣接して連結してもよい。したがって、モジュール１８０およびモジュール１９０は、制御ステーション、医務室、貯蔵室等を提供するという目的を果たしてもよい。さらに、プラントの場所の周囲条件から保護するため、これらモジュール１８０およびモジュール１９０（ならびに任意の他のモジュール１２０−１〜１２０−４および／またはモジュール１４０−１〜１４０−４）を適切なルーフおよび／または側張板（図示せず）で被覆してもよい。

【0045】

[0045]おそらくは図５〜９に最も良く示されるように、モジュール１２０−１〜１２０−４およびモジュール１４０−１〜１４０−４のそれぞれはサイズおよび構成において互いに実質的に同一である。特に、モジュール１２０−１〜１２０−４およびモジュール１４０−１〜１４０−４のそのそれぞれがいくつかの水平フレーム部材（その代表的ないくつかが参照符号１８５によって示される）に相互連結したいくつかの垂直フレーム部材（その代表的ないくつかが参照符号１７５によって示される）で形成されていることがわかる。したがって、垂直フレーム部材１７５と水平フレーム部材１８５とは、運送業界で慣例的に用いられている標準的な２０フィート輸送コンテナ内に収容されるようなサイズの略直方体形状を形成するように互いに強固に相互連結される。

【0046】

[0046]したがって、さらに、個々の製造モジュール１２０−１〜１２０−４のそれぞれを、このようなモジュールが支持および包含する特定の製造機器（例えば、ホッパー１０６、ミキサ１０８、梱包ステーション１１０、サイクロン１１２等）に関連する特定の支持構造を含むようにあらかじめ作製してもよい。同様に、個々のオペレータアクセスモジュール１４０−１〜１４０−４のそれぞれが階段１３０−１および関連の踊り場１３０−２ならびにエレベータ室１５０を含むようにあらかじめ作製してもよい。

【0047】

[0047]使用時、モジュール１２０−１〜１２０−４およびモジュール１４０−１〜１４０−４およびそれらの関連機器はプラントを試運転する目的でプラント製造者の施設において前もって組み立てることができる。その後、製造機器および関連プラント構成要素をモジュール１２０−１〜１２０−４およびモジュール１４０−１〜１４０−４から取り外し、各モジュールと共に製造プラントの場所に個々に輸送してもよい。その後、着荷時、モジュール１２０−１〜１２０−４およびモジュール１４０−１〜１４０−４をそれらの関連製造機器と共に互いに再組み立てしてもよい。理解されうるように、製造プラント１００全体を標準的な２０フィート輸送コンテナ内において個々に輸送することができる別個のモジュール１２０−１〜１２０−４およびモジュール１４０−１〜１４０−４の形態で提供することによって、必要とされる建設時間が大幅に減少し、それによってかなりのコストが節約される。

【0048】

[0048]図１０は、本発明による動物用飼料プレミックス製造プラント２００の別の実施形態を概略的に示す。この点に関して、プラント２００はプラント１００に類似するが、３つのモジュール階２００−１〜１００−３をそれぞれ含む。モジュール階２００−３は最上階２００−４のフロアを提供する。

【0049】

[0049]図１０に示されるプラント２００は、階２００−２に位置する手動添加ステーション２０２を含む。そこでは、微量栄養素および／または飼料賦形剤の種々の原料および構成材料（符号２０２−１によって概略的に示す）が添加される。添加された原料および構成材料は存在しうるあらゆる金属屑を捕捉する磁石プレート２０３を下方に垂直に通過し、その後、搬送ホッパー２０４に送られる。構成材料をライン２０５−１により搬送ホッパー２０４から供給ホッパー２０６の入口に空気的に搬送するための圧縮空気システム２０５が提供され、飼料が、その後、内部混合パドル２０８−１が備えられたミキサ２０８に自重供給される。ミキサ２０８内において形成されたプレミックス配合物は、その後、送りねじ２１０−１を有する梱包ステーション２１０に搬送される。送りねじ２１０−１は、コンベヤ２１０−４上のパッケージ２１０−３を充填するためにプレミックス配合物を計量ユニット２１０−２に案内する。残余量を容器２１２−１によって捕捉することができるサイクロン分離器２１２に一部の材料が案内される。

【0050】

[0050]添付の図１１および図１２は、図１０に概略的に示すプレミックスプラント２００を形成するモジュールユニットの構造配置を示す。この点に関して、プラント２００は、製造機器を支持するように設計および構成されている製造モジュール２２０−１〜２２０−３の垂直スタック２２０を含む。オペレータアクセスモジュール２４０−１〜２４０−３の垂直スタック２４０は製造スタック２２０の製造モジュール２２０−１〜２２０−３の垂直スタック２２０に隣接して連結される。この点に関して、垂直スタック２２０内のモジュール２２０−１〜２２０−３のうち隣接するものは互いに連結され、かつモジュールスタック２４０内のモジュール２４０−１〜２４０−３のうち水平に隣接するものに連結される。したがって、相互連結したモジュール２２０−１〜２２０−３およびモジュール２４０−１〜２４０−３は、プラント１００の各々のフロアすなわち階２００−１〜２００−３を形成する。

【0051】

[0051]オペレータの安全のため、モジュール２２０−１〜２２０−３およびモジュール２４０−１〜２４０−３のそれぞれにガードレール（その代表的ないくつかが参照符号２５４によって示される）が設けられる。加えて、供給ホッパー２０６に関連するオペレータの安全のために最上階２００−４にはガードレール２５６が設けられる。

【0052】

[0052]オペレータアクセススタック２４０のモジュール２４０−１〜２４０−３はオペレータが階２００−１〜２００−４の１つから別の階に移動することを可能にするように設計される。おそらくは図１３〜１６に最も良く示されるように、このような目的のため、オペレータアクセススタック１４０のモジュール２４０−１〜２４０−３には、階段のフライト２３０−１および対応する階段の踊り場２３０−２を有する相互連結された階段室２３０が設けられる。製造プラント２００の実施形態が、階２００−２に位置するモジュール２４０−２の構成部分として手動添加ステーション２０２を含むことが認められる。したがって、このような実施形態にはエレベータリフトが設けられない。しかしながら、追加の製造機器および／または構成要素を収容するために追加モジュール２９０が設けられる。さらに、コンクリート支持スラブ２９５によって、このような追加モジュール２９０の高さをモジュール２２０−１およびモジュール２４０−１の高さに対して変えることができる。このため、モジュール２９０の上面デッキ２９０−１（図１４を参照）はオペレータをモジュール２４０−２に関連する手動添加ステーション２０２に隣接して配置することを可能にする。

【0053】

[0053]おそらくは図１３〜１６に最も良く示されるように、モジュール２２０−１〜２２０−３およびモジュール２４０−１〜２４０−３のそれぞれは、最も好ましくは、サイズおよび構成において互いに実質的に同一である。特に、モジュール２２０−１〜２２０−３およびモジュール２４０−１〜２４０−３のそのそれぞれがいくつかの水平フレーム部材（その代表的ないくつかが参照符号２８５によって示される）に相互連結したいくつかの垂直フレーム部材（その代表的ないくつかが参照符号２７５によって示される）で形成されていることがわかる。したがって、運送業界で慣例的に用いられている標準的な２０フィート輸送コンテナ内に収容されるようなサイズの略直方体形状を形成するように垂直フレーム部材２７５と水平フレーム部材２８５とが互いに強固に相互連結されている。

【0054】

[0054]したがって、さらに、個々の製造モジュール２２０−１〜２２０−３のそれぞれは、このようなモジュールが支持および包含する、特定の製造機器（例えば、手動添加ステーション２０２、搬送ホッパー２０４、供給ホッパー２０６、ミキサ２０８、梱包ステーション２１０、サイクロン２１２等）に関連する特定の支持構造を含むようにあらかじめ作製してもよい。同様に、個々のオペレータアクセスモジュール２４０−１〜２４０−３のそれぞれを、階段１３０−１および関連する踊り場１３０−２を含むようにあらかじめ作製してもよい。

【0055】

[0055]使用時、モジュール２２０−１〜２２０−３およびモジュール２４０−１〜２４０−３およびそれらの関連機器は、プラントを試運転する目的でプラント製造者の施設において前もって組み立てることができる。その後、製造機器および関連するプラント構成要素を、モジュール２２０−１〜２２０−３およびモジュール２４０−１〜２４０−３から取り外し、各モジュールと共に製造プラントの場所に個々に輸送してもよい。その後、着荷時、モジュール２２０−１〜２２０−３およびモジュール２４０−１〜２４０−３をそれらの関連する製造機器と共に互いに再組み立てしてもよい。理解されうるように、製造プラント２００全体を標準的な２０フィート輸送コンテナ内において個々に輸送することができる別個のモジュール２２０−１〜２２０−３およびモジュール２４０−１〜２４０−３の形態で提供することによって、必要とされる建設時間が大幅に減少し、それによってかなりのコストが節約される。

【0056】

[0056]したがって、本発明を、現在最も実際的かつ好適な実施形態であると考えられるものに関連して記載してきたが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、その精神および範囲内に含まれる種々の改良形態および均等配置も含むことを意図することは理解されよう。
［発明の項目］
［項目１］
モジュール式製造プラントであって、
製造機器を支持するための製造モジュールの垂直スタックと、
前記製造モジュールへのオペレータのアクセスを可能にするために前記垂直に積み重ねられた製造モジュールに隣接して連結されたオペレータアクセスモジュールの垂直スタックと、を含み、
前記隣接して連結された製造モジュールの垂直スタックとオペレータアクセスモジュールの垂直スタックが複数階の前記モジュール式製造プラントを形成する、
モジュール式製造プラント。
［項目２］
前記オペレータアクセスモジュールが、前記複数階の前記モジュール式製造プラントのそれぞれへのオペレータのアクセスを可能にするための階段室を含む、項目１に記載のモジュール式製造プラント。
［項目３］
前記オペレータアクセスモジュールがエレベータ室を含む、項目１または２に記載のモジュール式製造プラント。
［項目４］
オペレータが前記複数階の前記モジュール式製造プラントのそれぞれの間を上昇および下降することを可能にするために前記エレベータ室内において作動可能なエレベータをさらに含む、項目３に記載のモジュール式製造プラント。
［項目５］
前記製造モジュールおよび前記オペレータアクセスモジュールのそれぞれが直方体形状を有する、項目１に記載のモジュール式製造プラント。
［項目６］
前記直方体形状が、標準的な２０フィート輸送コンテナ内に適合するようなサイズにされ、かつ構成されている、項目５に記載のモジュール式プラント。
［項目７］
前記製造モジュールおよび前記オペレータアクセスモジュールのそれぞれが、一連の強固に相互連結された垂直フレーム部材と水平フレーム部材とを含む、項目５に記載のモジュール式製造プラント。
［項目８］
前記製造モジュールの前記垂直スタック内の前記製造モジュールのうち一番上のものに連結され、かつそこから外側に延びる片持台をさらに含む、項目１に記載のモジュール式製造プラント。
［項目９］
前記複数階のそれぞれの外周部の周りに配置されたガードレールをさらに含む、項目１に記載のモジュール式製造プラント。
［項目１０］
前記製造モジュールの前記垂直スタック内の一番下の製造モジュールまたは前記オペレータアクセスモジュールの前記垂直スタック内の一番下のオペレータアクセスモジュールに隣接して連結された少なくとも１つの追加モジュールをさらに含む、項目１に記載のモジュール式プラント。
［項目１１］
前記製造モジュールの前記垂直スタック内の一番下の製造モジュールおよび前記オペレータアクセスモジュールの前記垂直スタック内の一番下のオペレータアクセスモジュールのそれぞれに隣接して連結された追加モジュールさらに含む、項目１に記載のモジュール式プラント。
［項目１２］
前記製造モジュールが、動物用飼料プレミックスの製造用装置を含む、項目１に記載のモジュール式プラント。
［項目１３］
多層式製造プラントを建設する方法であって、
（ａ）一連の個々の製造モジュールおよび一連の個々のオペレータアクセスモジュールを提供するステップと、
（ｂ）前記オペレータアクセスモジュールの垂直スタックに隣接して連結される前記製造モジュールの垂直スタックを形成し、それによって複数階の前記モジュール式製造プラントを形成するような手法で前記製造モジュールと前記オペレータアクセスモジュールとを互いに強固に相互に連結するステップと、
を含む、方法。
［項目１４］
前記複数階の前記モジュール式製造プラントのそれぞれへのオペレータのアクセスを可能にするための階段室を備えた前記オペレータアクセスモジュールを提供するステップをさらに含む、項目１３に記載の方法。
［項目１５］
エレベータ室を含む前記オペレータアクセスモジュールを提供するステップをさらに含む、項目１３または１４に記載の方法。
［項目１６］
前記複数階の前記モジュール式製造プラントのそれぞれの間をオペレータが上昇および下降することを可能にするために、エレベータを前記エレベータ室内に作動的に配置するステップを含む、項目１５に記載の方法。
［項目１７］
ステップ（ａ）が、直方体形状を有する前記製造モジュールおよび前記オペレータアクセスモジュールのそれぞれを形成するステップを含む、項目１３に記載の方法。
［項目１８］
前記直方体形状が、標準的な２０フィート輸送コンテナ内に適合するようなサイズにされ、かつ構成される、項目１７に記載の方法。
［項目１９］
ステップ（ａ）が、前記製造モジュールのそれぞれを形成するステップを含み、オペレータアクセスモジュールが、一連の強固に相互連結された垂直フレーム部材と水平フレーム部材とを含む、項目１７に記載の方法。
［項目２０］
片持台を、前記製造モジュールの前記垂直スタック内の前記製造モジュールの一番上のものから外側に延びるように連結するステップをさらに含む、項目１３に記載の方法。
［項目２１］
前記複数階のそれぞれの外周部の周りにガードレールを配置するステップをさらに含む、項目１３に記載の方法。
［項目２２］
少なくとも１つの追加モジュールを、前記製造モジュールの前記垂直スタック内の一番下の製造モジュールまたは前記オペレータアクセスモジュールの前記垂直スタック内の一番下のオペレータアクセスモジュールに隣接して連結するステップをさらに含む、項目１３に記載の方法。
［項目２３］
追加モジュールを、前記製造モジュールの前記垂直スタック内の一番下の製造モジュールおよび前記オペレータアクセスモジュールの前記垂直スタック内の一番下のオペレータアクセスモジュールのそれぞれに隣接して連結するステップをさらに含む、項目１３に記載の方法。
［項目２４］
動物用飼料プレミックスの製造用装置を前記製造モジュールに取り付けるステップを含む、項目１３に記載の方法。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】