【実施例】
【0012】
実施例を
図1、
図4、
図5、
図7、
図8、
図9、
図10、
図12を用いて説明する。フロントフォークをオートバイから取り外し下部をバイスで掴み倒立しないようにする。フロントフォークのダストシール(
図14、31)と抜け防止クリップ(
図14、32)を取り外す。本体(1)の円筒形状の先端螺子部(5)に変形がないか、保護パイプ(3)に傷がないか確認する。交換用オイルシール(
図10、22)のリップ部にシリコングリスを塗布する。
【0013】
本体(1)に取り外しハンドル(2)をねじ込み、取り外し螺子(14)の上部にセットする。インナーパイプ(10)を保護するために保護パイプ(3)を取り付ける、
図1と
図5を参照。オイルシール(4)の外側にある外側リップ部(6)の外側ガータースプリング(
図3、7)を取り外す、
図4と
図8を参照。円筒形状の先端螺子部(5)には、おねじの二条螺子(12)が右回転で切ってあり本体ハンドル(17)を下へ押さえながら右に回転させてオイルシールの環状の溝(
図3、13)に先端部の二条螺子(
図5、12)をねじ込む、
図7と
図8を参照。先端の二条螺子(
図9、12)は切り込み箇所(
図9、27)を増やして安定してねじ込みをおこなえるようにする、
図9を参照。一条螺子でも取り外しは可能であるが切り込み箇所が一箇所なので反対方向に先端が逃げてねじ込みが不安定になる。螺旋状で羽根のような複数の刃先も螺子と同じ効果があり、螺子の一種である。二条螺子(
図8、12)の外径はオイルシールの鉄芯(
図8、9)の内径より少し大きくして二条螺子(12)を鉄芯(9)にくい込ませる、これはゴム層(8)だけでは強度が不足し、経年変化でゴム層(8)が分離する場合もあるので鉄芯(9)にねじ込むことが重要である、
図8を参照。外側ガータースプリング(
図3、7)の取り外しは取り外し時に余分な力がかからないようインナーパイプ(
図8、10)に傷が付かないようにするためであり、本体の円筒形状の先端螺子部(5)の内径を小さくして強度を増すためである。インナーパイプ(10)外径で仕上げられた保護パイプ(3)の保護パイプ本体挿入部(21)を本体(1)に挿入して取り付けることにより、オイルシール(4)に対して垂直に本体先端をねじ込むことが出来る。取り外し時には取り外しハンドル(
図8、2)の下面がアウターチューブ(
図8、11)のアウターチューブ端面(
図13、30)にあたるので、取り外し時もオイルシールを変形させずに垂直に取り外すことができる。垂直に取り外すことはリング状のオイルシールを取り外すには余分な力が掛からず最良の方法である。
【0014】
本体ハンドル(
図5、17)を右回転でねじ込んで本体ハンドルが重くなった時に取り外しハンドル(
図8、2)を右回転させて下方へ移動させアウターチューブ(
図8、11)のアウターチューブ端面(
図13、30)に押し当てる、少し重くなったらオイルシール(
図7、4)の取り外しが開始されるので慎重に取り外しハンドル(2)を右回転させる、このときに本体ハンドル(17)を少し右回転させるとオイルシール(
図1、4)が本体(
図1、1)から離脱しにくくなる。本体(1)とオイルシール(4)が上方へオイルシールの厚み以上移動すると、アウターチューブ(
図1、11)から本体(1)とオイルシール(4)が取り外される、
図7と
図8と
図10を参照。オイルシール圧入部より上部のアウターチューブの内径は少し大きくなっているので取り外しが容易となる。取り外したオイルシール(
図7、4)を本体の円筒形状の先端螺子部(
図7、5)からウォーターポンププライヤーなどで取り外す。オイルシールを再利用する場合は変形しないように注意する。本実施例で使用した先端部の螺子(
図9、5)は右螺子でピッチ1mmでリード2mmの二条螺子を用いた。取り外しハンドル部の螺子(
図7、14)は右螺子でピッチ1mmでリード1mmの一条螺子を用いたが螺子の方向は左螺子を使用しても問題ないと思われる。
【0015】
図10は交換用オイルシール取り付け時の斜視図である。インナーパイプ(10)に交換用オイルシール(22)を通し保護パイプ(3)の保護パイプオイルシール打ち込み部(16)を下側に向けて本体(1)の本体ハンドル(
図5、17)を持ってアウターチューブ(11)に打ち込む、保護パイプ(3)は樹脂などで製作されて傷が付くのを防ぐ。保護パイプは本体(1)の内径とインナーパイプ(10)の外径をもつ保護パイプ本体挿入部(
図5、21)を本体(
図5、1)に差し込めるものとして反対側の端面にはオイルシールの内径と外径と取り付け深さに合わせたオイルシール打ち込みが可能な形状の保護パイプオイルシール打ち込み部(16)を有する。
【0016】
交換用オイルシール(
図14、22)が打ち込まれたら抜け防止クリップ(
図14、32)を抜け防止クリップ溝(
図14、33)に取り付けてダストシール(
図14、31)を取り付けて、オイルシール交換作業が完了する、
図14参照。フロントフォークをオートバイに取り付ける。
【0017】
変形例1としての
図12は本体(1)の先端形状を螺旋形状にせずに環状の溝(
図3、13)に勘合するフランジ部(24a)をもつ円筒形状として円筒形の先端(24)を二重リップオイルシール外側面(
図3、15)の環状の溝(
図3、13)にはめ込み、複数個所のオイルシール(4)とアウターチューブ(11)の間にマイナスドライバーの先端(23)などを挿して側面を変形させて鉄芯(26)を内側に傾け本体(1)とオイルシール(4)と円筒形の先端(24)を固定する。また勘合部に接着剤(25)を塗布することにより固定が可能となりオイルシールの取り外しができる。
【0018】
変形例2として
図13は取り外しハンドル(2)が軽く動くようにと、アウターチューブ端面(30)に傷が付くのを防止するための目的でアウターチューブ端面(30)に筒状のアウターチューブ保護カラー(29)を取り付け、取り外しハンドル(2)との間に円盤状のニードルローラーベアリングであるスラストベアリング(28)を設置したものである。このスラストベアリング(28)により摩擦が少なくなり取り外しが軽く、アウターチューブ端面(30)に傷が付かない。
【0019】
図14はフロントフォークにおける、ダストシール(31)と抜け防止クリップ(32)の位置関係がわかる断面図である。オイルシール(22)がアウターチューブ(11)から抜けないように抜け防止クリップ溝(33)に抜け防止クリップ(32)が嵌められている。そしてインナーパイプ(10)とオイルシール(22)の間に水や埃が入らないようにダストシール(31)が取り付けられている。当該明細書においてダストシール(31)と抜け防止クリップ(32)が記載されているが簡単に取り外しできるのでオイルシール交換装置の断面図などには抜け防止クリップ溝(33)省略した。また当該明細書においてインナーパイプ(10)とアウターチューブ(11)はインナーチューブ、フォークチューブ、フォークパイプ、ボトムケース、アウターパイプなどと呼ばれる場合もあるが、インナーパイプ(10)とアウターチューブ(11)として記載した。