【実施例】
【0010】
図1は、本実施形態にかかる無線検針システムの構成を模式的に示す図である。ハンディターミナル10を用いて検針値データを収集するシステムで、無線通信網1を介し無線通信を行う複数の検針装置20−1、20−2、20−3(以下、区別する必要がない場合、20と称する)から構成される。検針装置20−1、20−2、20−3にそれぞれ接続される複数のメータ30−1、30−2、30−3(以下、区別する必要がない場合、30と称する)、などから構成される。メータ30はマンションや家屋に設置されたガスメータ、水道メータ、電気メータ等のメータである。
【0011】
図1においては、一つのハンディターミナル10が示されているが、複数のハンディターミナル10を備えて、それぞれのハンディターミナル10−1が、複数種類のメータ30−1、30−2、30−3に接続された複数の検針装置20−1、20−2、20−3に対して無線通信を行って検針値データを収集するシステムとすることができる。
【0012】
図2は、ハンディターミナル10−1の機能構成を示すブロック図である。図示するように、ハンディターミナル10−1は、操作部101、表示部102、タイマ部103、制御部104、電波強度測定部105、電文生成部106、無線送受信部107、電文解析部108、アンテナ109、記憶部110から構成される。
【0013】
操作部101は、キーボード・ダイヤルキー等の入力機器であってユーザからの入力操作を受付けると受付けた入力操作情報を制御部104に渡す。表示部102は、ディスプレイ等の出力装置であって制御部104から受け取った情報を表示する。
【0014】
タイマ部103は、制御部104から受けた指示に従い存在通知信号定周期送信用のタイマ・応答待ちタイマ等の処理を行い、タイムアウトした時に制御部104へその旨を渡す。
【0015】
制御部104は、その時の状況に応じた処理を行い、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)やワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)などから構成され、所定の動作プログラムを実行することでハンディターミナル10の各部を制御する。すなわち、ハンディターミナル10の各構成は制御部104によって制御されるとともに、各構成間の情報伝達などは制御部104を介して行われる。
【0016】
電波強度測定部105は、アンテナ109に誘起された電圧を測定する受信機などで構成され、検針装置20との間の電波強度を常時測定して保存しておき、測定した電波強度を取得し、電波強度変動を監視する。
【0017】
電文生成部106は、制御部104からのデータに基づいて検針装置20に対する制御の要求を行う各種の無線電文を生成し、無線送受信部107に送出する。
無線送受信部107は、例えば、特定小電力無線方式などの通信方式を用いた通信装置などで構成され、無線受信した無線信号を復調する復調機能および無線送信する信号に変調をかける無線変調機能を備えている。当該通信方式に対応したアンテナ109を介して無線送受信を行うことで、近傍の検針装置20と無線通信を行う。
【0018】
電文解析部108は、無線送受信部107が無線受信して復調した電文信号を受信した電文から検針値データとして有意なデータを取得する。
【0019】
記憶部110は、検針装置20から取得した検針値データを保存している検針値データ格納領域部1101と、表示部102に表示するデータを保存している表示データ記憶部1102から構成されている。
【0020】
図3は、検針装置20の機能構成を示すブロック図である。図示するように、検針装置20は、タイマ部201、メータインタフェース202、制御部203、電波強度測定部204、電文生成部205、無線送受信部206、電文解析部207、アンテナ208、記憶部209から構成される。
【0021】
タイマ部201は、制御部203から受けた指示に従い、ACK(Acknowledgement:肯定応答)待ちタイマ・存在通知信号無応答フラグ有効タイマ等の処理を行い、タイムアウトの時などに制御部203へ通知する。
【0022】
メータインタフェース202は、メータ30と検針装置20の間で通信される情報のインタフェース部分である。
【0023】
制御部203は、その時の状況に応じた処理を行い、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)やワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)などから構成され、所定の動作プログラムを実行することで検針装置20の各部を制御する。すなわち、検針装置20の各構成は制御部203によって制御されるとともに、各構成間の情報伝達などは制御部203を介して行われる。
【0024】
電波強度測定部204は、アンテナ208に誘起された電圧を測定する受信機などで構成され、ハンディターミナルとの間の電波強度を常時測定して保存しておき、測定した電波強度を取得し、電波強度変動を監視する。
【0025】
電文生成部205は、制御部203からのデータに基づいて検針装置20に対する制御の要求を行う各種の無線電文を生成し、生成した無線電文を無線送受信部206に送出する。
【0026】
無線送受信部206は、例えば、特定小電力無線方式などの通信方式を用いた通信装置などで構成され、無線受信した無線信号を復調する復調機能および無線送信する信号に変調をかける無線変調機能を備えている。当該通信方式に対応したアンテナ208を介して無線送受信を行うことで、ハンディターミナル10と無線通信を行う。
【0027】
電文解析部207は、無線送受信部206が無線受信して復調した電文信号を受信した電文から有意なデータを取得する。
【0028】
記憶部209は、メータ30からメータインタフェース202を介して取得した検針値データを保存している検針値データ格納領域部2091から構成されている。
【0029】
図4は、ハンディターミナル10と検針装置20との間で無線通信される電文例である。ハンディターミナル10が送信する通信データ部430の構成は、検針または制御の要求のために
図4(a)〜(e)で示される構成のいずれかを用いる。
【0030】
ハンディターミナル10の「存在通知信号送信要求」ボタン操作時、
図4の(a)のような電文構成で送信が行われる。検針装置20が
図4の(a)の応答として信号を送信する時は、
図4の(b)のような電文構成で送信が行われる。ハンディターミナル10の「検針」ボタン操作時、
図4の(c)のような電文構成で送信が行われる。検針装置20が
図4の(c)の応答として信号を送信するときは、
図4の(d)のような電文構成で送信が行われる。ハンディターミナル10が
図4の(d)の応答として信号を送信するときは、
図4の(e)のような電文構成で送信が行われる。
【0031】
図4の(a)の電文番号431には、各電文構成のいずれかであるかを判別する情報が1バイト(8ビット)で設定されている。ここでは、存在通知信号送信要求を「00」、存在通知信号を「01」、検針値要求を「10」、検針値を「11」、ACKを「12」としている。
【0032】
図4の(a)のメッセージフラグ432には、ACK要求の有無などを示す情報が1バイトで設定されている。ここでは、受信した相手に対しACKを求めない送信の場合は「00」とし、受信した相手に対しACKを求める送信の場合は「01」、送信する電文がACK電文である場合は「02」としている。
【0033】
図4の(a)の送信先アドレス433、送信元アドレス434には、送信先の宛先および送信元の宛先が複数バイトで設定されている。ここでは、全宛先としたい場合は、送信先アドレス433には全て「FF」で設定され、個別の宛先としたい場合は、検針装置ID(Identification)やハンディターミナルIDなどの装置固有の情報を設定可能としている。
【0034】
同様にして、
図4の(b)〜(e)も同じような電文構成とし、用途に応じて設定する情報を分けている。
図4の(d)の検針値データ435には、検針装置20で記憶している検針値のデータが設定されている。
【0035】
ハンディターミナル10にて「存在通知信号送信要求」ボタンが押下された時の動作について、
図4および
図5〜7を参照して説明する。
【0036】
図5〜7は、本発明の実施形態にかかる「存在通知信号送信要求」ボタン押下時のハンディターミナル10の動作フローチャートである。
【0037】
図5において、「存在通知信号送信要求」ボタンが押下されると、存在通知信号送信要求の電文を作成し送信を行う(S501)。また、存在通知信号送信要求を定周期で送信するためのタイマ値を取得し(S502)、タイマの設定を行う(S503)。
【0038】
ここでいう、存在通知信号送信要求を定周期で送信するためのタイマ値はユーザ設定などで予め設定してある前提で説明している。なお、定周期のタイマ値を固定値として、存在通知信号送信要求を定周期で送信する方式に代えて、予め設定するタイマ値を変動値として設定し、存在通知信号送信要求を非定期に繰り返し送信するように変更することも可能である。
【0039】
その後、「検針」ボタンが押下されたか(S504)、「停止」ボタンが押下されたか(S505)、タイマがタイムアウトしたか(S508)、受信電波強度を測定し閾値以上かどうか(S509)を常時監視している。S504〜S509の条件分岐が全てNOの場合は、
図5の[5]の検針操作の監視(S504)に戻る。
【0040】
「検針」ボタンが押下された場合(S504、YES)、存在通知信号送信要求を定周期で送信するためのタイマを停止し(S506)、
図6の[2]に移行して、検針値要求電文を作成(S510)し、検針値要求電文を送信する(S511)。相手からの応答が無い場合のガード処理として、応答待ちタイマを設定し(S512)、
図5の[5]の検針操作の監視(S504)に戻る。
【0041】
ここでは、「検針」ボタンが押下された場合に、指定された装置IDに対応した検針装置20に対して、検針値要求電文を送信するように説明しているが、通信可能な検針装置20を検知したら自動的に検針値要求電文を送信するようにしてもよい。
【0042】
「停止」ボタンが押下された場合(S505、YES)、存在通知信号送信要求を定周期で送信するためのタイマを停止し(S507)、処理を終了する。
【0043】
図5において、タイマがタイムアウトした場合(S508、YES)、
図6の[3]に移行し、タイムアウトしたタイマが定周期送信用タイマであった場合(S513、YES)、
図5の[1]の存在通知信号送信(S501)に戻る。タイムアウトしたタイマが応答待ちタイマであった場合(S514、YES)、
図5の[1]の存在通知信号送信(S501)に戻る。タイムアウトしたタイマが定周期送信用タイマでなく(S513、NO)、応答待ちタイマでもなかった場合は(S514、NO)、
図5の[5]の検針操作の監視(S504)に戻る。
【0044】
図6において、タイムアウトしたタイマが応答待ちタイマであった場合(S514、YES)、すぐに、
図5の[1]の存在通知信号送信(S501)に戻るようにしているが、再送するように処理してもよい。
【0045】
図5において、ハンディターミナル10が検針装置20からの受信電波強度を測定し閾値以上であった場合(S509、YES)、
図7の[4]に移行し、受信電文の通信データ部430の解析を行う(S515)。解析の結果、電文番号431が「01」であった場合(S516、YES)、送信元アドレス434から検針装置IDを抽出し(S518)、抽出した検針装置IDを記憶部110の表示データ記憶部1102に記憶する(S519)。そして、ハンディターミナル10の表示部102の画面に表示するデータを作成し(S520)、通信可能な検針装置IDを画面に表示させ(S521)、
図5の[5]の検針操作の監視(S504)に戻る。
【0046】
図7において、電文番号431が「11」であった場合(S517、YES)、検針値データ435の情報を記憶部110の検針値データ格納領域部1101に記憶し(S522)、ACKを返送するための処理を行う(S523)。そして、検針値データの取得が完了した検針装置IDを除去するための画面表示処理(S524)を行い、
図5の[1]の存在通知信号送信(S501)に戻る。
【0047】
図7において、電文番号431が「01」でなく(S516、NO)、「11」でもない(S517、NO)場合は、その他電文として適宜処理され(S525)、
図5の[5]の検針操作の監視(S504)に戻る。
【0048】
ここでは、本発明とは直接関係がないため、その他の電文処理(S525)としているが、その他の電文処理は、ハンディターミナル10が全ての機能を満足するための電文およびそれに応じた処理を含んでいる。
【0049】
検針装置20の受信動作について、
図4および
図8,9を参照して説明する。
図8,9は、本発明の実施形態にかかる受信処理時の検針装置20の動作フローチャートである。
【0050】
図8において、検針装置20は、ハンディターミナル10からの受信電波強度を測定し閾値以上かどうかを常に監視している(S601)。受信電波強度を測定し閾値以上であった場合(S601、YES)、受信電文の通信データ部430の解析を行う(S602)。解析の結果、電文番号431が「00」であった場合(S603、YES)、存在通知信号の応答が必要かどうかを存在通知信号無応答フラグの有無にて判定し(S606)、存在通知信号無応答フラグ有りの場合(S606、YES)、受信した電文を破棄し(S607)、
図8の[1]に移行し、受信電波強度の測定・監視(S601)に戻る。
【0051】
存在通知信号無応答フラグ無しの場合(S606、NO)、存在通知信号の電文を作成し、送信を行う(S608)。その後、受信電波強度の測定・監視(S601)に戻る。
【0052】
ここでは、不要な送信を避ける目的で、検針装置20に存在通知信号無応答フラグを設け、応答の要否を判定しているが、ハンディターミナル10にその仕組みを持たせてもよい。また、簡易な構成を目的とし、その仕組み自体が無い場合であってもよく、この限りではない。
【0053】
図8において、電文番号431が「10」であった場合(S604、YES)、
図9の[2]に移行し、検針値の電文を作成し、送信処理を行う(S609)。その後、検針値の送信に対するACKを待つため、応答待ちタイマを設定し(S610)、ハンディターミナル10からの受信電波強度を測定し閾値以上かどうかの監視を行う(S611)。
【0054】
受信電波強度が閾値以上であった場合(S611、YES)、受信電文の通信データ部430の解析を行う(S613)。解析の結果、電文番号431が「12」であった場合(S614、YES)、存在通知信号無応答フラグの設定(S615)と、存在通知信号無応答フラグ有効タイマの設定を行い(S616)、
図8の[1]に移行し、受信電波強度の測定・監視(S601)に戻る。存在通知信号無応答フラグが設定されることで、
図8のS606にて存在通知信号無応答フラグ有りとなり(S606、YES)、不要な送信を抑えることができる。
【0055】
図9において、電文番号431が「12」でなかった場合は(S614、NO)、その他電文として適宜処理され(S617)、
図8の[1]に移行し、受信電波強度の測定・監視(S601)に戻る。
【0056】
ここでは、本発明とは直接関係がないため、その他の電文処理(S617)としているが、その他の電文処理は、検針装置20が全ての機能を満足するための電文およびそれに応じた処理を含んでいる。
【0057】
図9において、受信電波強度を測定し閾値以上でない場合は(S611、NO)、ACK応答待ちタイマがタイムアウトしたかどうかを監視する(S612)。
【0058】
ACK応答待ちタイマがタイムアウトした場合(S612、YES)、受信動作を継続するため、
図8の[1]に移行し、受信電波強度の測定・監視(S601)に戻る。
【0059】
ACK応答待ちタイマがタイムアウトしていない場合は(S612、NO)、S611に戻る。
【0060】
ここでは、ACK応答待ちタイマがタイムアウトした場合(S612、YES)、すぐに、
図8の[1]に移行し、受信電波強度の測定・監視(S601)に戻るようにし、ハンディターミナル10からの再送を期待する動きで説明しているが、ハンディターミナル10に対し、再送を促す電文を送信するようにしてもよく、この限りではない。
【0061】
次に、検針装置20における、存在通知信号無応答フラグ有効タイマがタイムアウトした時の動作について、
図10を参照して説明する。
【0062】
図10は、本発明の実施形態にかかる存在通知信号無応答フラグ有効タイマタイムアウト時の検針装置20の動作フローチャートである。
【0063】
図9のS616で設定された存在通知信号無応答フラグ有効タイマがタイムアウトした場合(S701、YES)、存在通知信号無応答フラグがクリアされる(S702)。存在通知信号無応答フラグがクリアされることで、
図8のS606でNOと判定され、存在通知信号送信要求を受信した場合、存在通知信号を返すようになる(S608)。
【0064】
ここでは、存在通知信号無応答フラグ有効タイマは予め設定してある時間として説明している。例えば、月毎に集計が必要である検針業務の場合、有効タイマを24時間としておくことで検針済み状態から24時間は、存在通知信号送信要求を受信した場合でも存在通知信号を返さないようになり、検針済み端末からの存在通知信号の送信を抑えることができる。また、有効タイマは固定値であってもよい。
【0065】
存在通知信号無応答フラグをクリアする方法として有効タイマにて説明しているが、ハンディターミナルから存在通知信号無応答フラグをクリアできる電文を送信する方法であってもよい。
【0066】
以上、説明した通り、本発明によれば、ハンディターミナル10にて任意の場所で一回起動操作を行い、移動しているだけで、検針装置20と通信を開始するのに適切な場所を発見できるため、煩雑な操作をしなくても済むようになる。
【0067】
また、存在通知信号送信要求とはハンディターミナル10から検針装置20に対して、存在を確認するために定期的に送信される電文のことであり、存在通知信号とは存在通知信号送信要求を受信した検針装置20が自端末の存在を通知するために送信される電文のことである。
【0068】
また、ここでは、存在通知信号送信要求は定期的に送信されるように説明したが、非定期に繰り返し送信するものであってもよい。
【0069】
ここでは、同一チャネルでの通信を想定して説明しているが、通信毎にチャネルを変えてもよい。通信毎にチャネルを変えることにより、存在通知信号送信要求と検針値の通信がぶつかることがなくなるため、検針操作時に定期的に送信している存在通知信号送信要求を一旦停止させる処理が不要になるといった利点が生まれる。