(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、コークス製造設備の概略構成図である。
図2は、炉内圧調整装置を含むコークス製造設備の別の概略構成図である。これらの図を参照して、コークス製造設備は、装入車10、押出機20及びガイド車30を含む。装入車10は、コークス炉1の装入蓋に形成されたレール軌条上を移動して、コークス炉1の炭化室1Aに石炭を装入する。押出機20は、乾留された赤熱コークスをコークス炉1の炭化室1Aから押し出す。ガイド車30は、コークス炉1の炭化室から押し出された赤熱コークスをバケットに投入する。赤熱コークスを収容したバケットは、消化電車により消火設備40に搬送される。
【0015】
炉内圧調整装置は、コークス炉1の炭化室1Aの炉内圧を制御する。炭化室1Aの上壁部には、上下方向に延びる上昇管2が接続されている。石炭の乾留時に石炭から放出される乾留ガスは、上昇管2から炭化室1Aの外部に排出される。上昇管2は、L字状に折れ曲がった接続管3を介してドライメーン4に接続されている。ドライメーン4は、炭化室1Aの並設方向に延びており、各炭化室1Aから排出された乾留ガスを図示しない乾留ガス貯蔵設備に移送する。
【0016】
接続管3の内部には、ノズル装置5が延出している。ノズル装置5は、接続管3の内部に圧力流体(一般には、水に微量なアンモニアを含む安水を使用することができる)を噴出させてエジェクタ効果により炭化室1Aの炉内圧を低下させる。主供給管201は、ノズル装置5に対して接続されている。主供給管201の始端部には、高圧流体供給管202と低圧流体供給管203とが合流する合流部201aが設けられている。合流部201aには、切替バルブ7が設けられている。切替バルブ7は、バルブ駆動モータ108によって開度が調節されることにより、主供給管201に供給される圧力流体の圧力レベルを変更する。切替バルブ7の詳細は、後述する。
【0017】
高圧流体供給管202の始端部には、高圧流体を供給するための高圧流体供給部8が設けられており、低圧流体供給管203の始端部には、低圧流体を供給するための低圧流体供給部9が設けられている。接続管3の内部には、さらに、皿弁6が設けられている。皿弁6は、皿弁駆動モータ107によって開度が調節されることにより、炭化室1A内の微小な炉内圧変動を抑制する。
【0018】
記憶部60は、炉内圧調整装置を制御するためのシーケンスプログラムと、このシーケンスプログラムを実行するために必要な各種情報を記憶する。各種情報は、ノズル装置5を含む炉内圧抑制部による圧力抑制レベルと装入車10から出力される動作信号とを対応付けた対応情報を含んでいるが、詳細について後述する。記憶部60は、一つの記憶装置、或いは複数の記憶装置で実現してもよい。
【0019】
システムコントローラ50は、炉内圧調整装置全体の制御を司り、装入車10から出力される動作信号に対応する圧力抑制レベルを記憶部60から読み出すとともに、この圧力抑制レベルに対応した開度に切替バルブ7が設定されるように、バルブ駆動モータ108を駆動する。また、システムコントローラ50は、皿弁駆動モータ107、高圧流体供給部8及び低圧流体供給部9の駆動を制御する。システムコントローラ50は、一つのCPU、或いは複数のCPUからなるマルチプロセッサであってもよい。例えば、皿弁駆動モータ107を制御するCPUと、バルブ駆動モータ108を制御するCPUとが異なっていてもよい。
【0020】
請求項1に記載された発明特定事項と、本実施形態のハード構成との対応関係について説明する。「炉内圧抑制部」は、ノズル装置5、皿弁6、切替バルブ7、高圧流体供給部8、低圧流体供給部9、主供給管201、皿弁駆動モータ107、高圧流体供給管202、低圧流体供給管203及びバルブ駆動モータ108が協働することによって実現される。「制御部」は、システムコントローラ50によって実現される。
【0021】
次に、
図3及び
図4を参照しながら、装入車10の構成について詳細に説明する。
図3は、装入車の概略構成図である。
図4は、装入車の機能ブロック図である。これらの図を参照して、装入車10は、装入車コントローラ101と、ポート102と、スクリュー駆動モータ103と、スリーブ駆動モータ104と、ダンパー駆動モータ105と、蓋取装置駆動モータ106と、着磁電源110と、制御弁駆動モータ111と、受炭ホッパー11と、スクリューフィーダ(石炭切出装置に相当する)13と、スリーブ14と、ダンパー15と、蓋取装置17と、マグネット部16と、モルタル制御弁18とを含む。
【0022】
図3に図示するように、受炭ホッパー11は、下方に向かって内径が漸減するテーパ形状に形成されており、図示しない石炭塔に貯留されている石炭12を受炭する。スクリュー駆動モータ103は、装入車コントローラ101から出力される動作信号に基づき、スクリューフィーダ13を回転させる。スクリューフィーダ13が回転動作することにより、受炭した石炭12が所定量ずつ切り出される。
【0023】
ここで、装入車コントローラ101は、スクリュー駆動モータ103に対して回転動作を指示する指示信号を出力する際に、ポート102を介して、スクリューフィーダ13が回転動作を開始したことを報知する動作信号(第1の動作信号に相当する)をシステムコントローラ50に出力する。また、装入車コントローラ101は、スクリュー駆動モータ103に対して回転動作を停止する停止信号を出力する際に、ポート102を介して、スクリューフィーダ13が回転動作を停止したことを報知する動作信号(第2の動作信号に相当する)をシステムコントローラ50に出力する。システムコントローラ50は、これらの動作信号に基づき、皿弁駆動モータ107及びバルブ駆動モータ108の駆動を制御するが、この点については後述するフローチャートで詳しく説明する。システムコントローラ50は、一つのCPU、或いは複数のCPUからなるマルチプロセッサであってもよい。
【0024】
ダンパー駆動モータ105は、装入車コントローラ101の出力信号に基づき、ダンバー15を開閉する。ダンパー15が開かれると、スリーブ14への石炭12の落下が許容され、ダンパー15が閉じると、スリーブ14への石炭12の落下が禁止される。なお、装入車コントローラ101は、ダンパー15の開閉情報をシステムコントローラ50に対して報知してもよいし、報知しなくてもよい。
【0025】
スリーブ駆動モータ104は、装入車コントローラ101の出力信号に基づき、スリーブ14を待機位置(
図3の実線で示す位置)と、石炭装入位置(
図3の点線で示す位置)との間で動作させる。スリーブ14は、筒状に形成されており、石炭装入位置において、炭化室1Aの石炭装入孔に接続されるとともに、スクリューフィーダ13によって切り出された石炭12が炭化室1Aに向かって重力落下することを許容する。なお、装入車コントローラ101は、スリーブ14の動作情報をシステムコントローラ50に対して報知してもよいし、報知しなくてもよい。
【0026】
蓋取装置駆動モータ106は、装入車コントローラ101の出力信号に基づき、装入車10に設けられた蓋取装置17(
図3では省略)を蓋開位置(
図3の点線で示す位置)と蓋閉位置(
図3の実線で示す位置)との間で動作させる。蓋取装置17の先端にはマグネット部16が設けられており、このマグネット部16は、着磁電源110から供給される電力によって着磁される。ここで、マグネット部16は、蓋閉位置において炭化室1Aの石炭装入孔を覆う装入蓋(不図示)の直上に位置する。また、装入蓋には磁性体(例えば、鉄板)が設けられている。したがって、マグネット部16を着磁させた状態で、蓋取装置17を蓋閉位置から蓋開位置に向かって移動させると、マグネット部16とともに装入蓋がスライド移動して、石炭装入孔が開かれる。
【0027】
また、蓋取装置17は、炭化室1Aに対する石炭の装入作業が完了すると、着磁されたマグネット部16を
図3に示す蓋開位置から蓋閉位置に移動させることにより、マグネット部16に吸着された装入蓋を用いて石炭装入孔を閉塞する。ここで、装入車コントローラ101は、蓋取装置駆動モータ106を制御してマグネット部16を
図3に示す蓋閉位置に移動させる際に、ポート102を介して、装入蓋を閉じ位置に移動させたことを報知する動作信号(第3の動作信号に相当する)を、システムコントローラ50に出力する。
【0028】
装入蓋の装着後、装入蓋周囲に形成された隙間から炉内乾留ガスの噴き出しを抑えるために、装入蓋周囲をシールする必要がある。シールには、モルタルを用いることができる。制御弁駆動モータ111は、モルタル制御弁18の開閉を制御することにより、装入蓋周囲に供給されるモルタルの供給量を制御する。なお、モルタル制御弁18は、図示しないモルタル供給装置から延びる供給管の管内に設けられている。モルタル供給装置は、スリーブ14から離隔した位置に設置されており、装入車10とともに移動する。供給管は、装入蓋周囲から退避した待機位置と、装入蓋周囲にモルタルを供給する供給位置との間で伸縮させることができる。
【0029】
ここで、装入車コントローラ101は、制御弁駆動モータ111に対してモルタル制御弁18を閉じるための指示信号を出力する際に、ポート102を介して、モルタル制御弁18が閉じたことを報知する信号(第4の動作信号に相当する)を、システムコントローラ50に出力する。
【0030】
次に、
図5の動作説明図を参照しながら、切替バルブ7の構成について詳細に説明する。切替バルブ7は、弁体71と、弁体回転軸72とを含む。点線で示す丸印は、弁体71の回転軌跡を示している。弁体71は、弁体回転軸72を回転軸として
図5(a)に示す位置と
図5(c)に示す位置との間で回動する。
【0031】
図5(a)を参照して、弁体71は、低圧流体供給管203を閉塞するとともに、高圧流体供給管202に対する開度が最も大きくなっている。したがって、高圧流体供給管202を流れる高圧流体は、弁体71から受ける抵抗が非常に小さくなるため、圧力損失が非常に少ない状態で主供給管201に流入する。
図5(c)を参照して、弁体71は、高圧流体供給管202を閉塞するとともに、低圧流体供給管203に対する開度が最も大きくなっている。したがって、主供給管201には、低圧流体供給管203から供給される低圧流体のみが流入する。
図5(b)を参照して、弁体71は、高圧流体供給管202を流れる高圧流体と、低圧流体供給管203を流れる低圧流体との双方に抵抗を与えている。
【0032】
したがって、主供給管201に供給される圧力流体の圧力レベルは、
図5(a)、
図5(b)及び
図5(c)の順序で低くなる。言い換えると、弁体71は、回転量に応じて主供給管201に流入する圧力流体の圧力レベルを降下させる圧力調整部材として機能する。
【0033】
本実施形態の切替バルブ7によれば、弁体71の回転量に応じて圧力流体の圧力レベルを多段に変えることができる。したがって、所望の圧力流体を得るために、多数の圧力流体供給部を独立して設ける必要がなくなるため、設備レイアウトが簡素化されるとともに、コストを削減することができる。
【0034】
次に、
図3及び
図4を参照しながら、装入車10が行う作業の作業順序について簡単に説明する。装入車10は、受炭ホッパー11が石炭を受炭すると、最初の炭化室1A(以下、窯Aと称する)に移動する。装入車10は、窯Aに到着すると、マグネット部16を
図3に示す蓋開位置から蓋閉位置に移動させるとともに、マグネット部16を着磁させ、装入蓋をマグネット部16に吸着させる。装入車10は、装入蓋を吸着したマグネット部16を
図3に示す蓋閉位置から蓋開位置に移動させ、窯Aの石炭装入孔を開く。窯Aの石炭装入孔が開かれると、装入車10は、スリーブ14を
図3に示す待機位置から石炭装入位置に動作させて、スリーブ14及び石炭装入孔を接続するとともに、ダンパー15を閉じ位置から開き位置に駆動する。
【0035】
ダンパー15が開き位置に駆動されると、装入車10は、スクリューフィーダ13を回転させ、スクリューフィーダ13によって切り出された石炭12を窯Aに装入する。装入車10は、石炭の装入作業が完了すると、スクリューフィーダ13を停止させ、ダンパー15を開き位置から閉じ位置に復帰させることにより石炭の落下を禁止する。ダンバー15が閉じ位置に復帰すると、装入車10は、スリーブ14を
図3に示す石炭装入位置から待機位置に動作させるとともに、着磁されたマグネット部16を
図3に示す蓋開位置から蓋閉位置に移動させ、マグネット部16に吸着された装入蓋を用いて石炭装入孔を閉塞する。
【0036】
石炭装入孔が閉塞されると、装入車10は、石炭塔に戻って新しい石炭を受炭し、次の炭化室1A(以下、窯Bと称する)に向けて移動する。ここで、窯Aと窯Bとの間には、複数(例えば、4個)の炭化室1Aが設けられており、装入車10が窯Bに到達したときに、モルタル供給装置が窯Aに到達する。モルタル供給装置が窯Aに到達すると、装入車10は、モルタル制御弁18を開いて、装入蓋周囲に形成された隙間をモルタルで閉塞する。
【0037】
次に、
図6、
図7を参照しながら、装入車10から出力される動作信号に基づく、炭化室1A内の炉内圧調整方法について説明する。
図6は、記憶部60に記憶される各種情報を示すデータテーブルである。
図7のフローチャートは、圧力調整時にシステムコントローラ50が行う処理を示している。初期状態において、弁体71は高圧流体供給管202を閉塞する位置(
図5(c)に図示する位置)に駆動されており、皿弁6は全閉位置に駆動されているものとする。
【0038】
ステップS101において、システムコントローラ50は、装入車10から出力される動作信号の受信を開始する。ステップS102において、システムコントローラ50は、スクリューフィーダ13が回転動作を開始したことを示す動作信号を受信したか否かを判別する。ここで、本発明者等の知見によると、スクリューフィーダ13が回転動作を開始した直後に、炭化室1A内の炉内圧が急激に増大することがわかっている。そのため、システムコントローラ50は、スクリューフィーダ13が回転動作を開始した場合には(ステップS102、YES)、ステップS103においてノズル装置5による圧力抑制レベルを高圧レベル1に設定するとともに、皿弁6を全開に設定する。
【0039】
これにより、接続管3の内部に高圧レベル1の高圧流体(第1の圧力値の圧力流体に相当する)が供給され、エジェクタ効果により窯Aの急激な炉内圧変動を抑制することができる。なお、高圧レベル1の圧力流体は、圧力レベルが最も高く、例えば、弁体71を
図5(a)に示す位置に動作させることにより生成することができる。
【0040】
ステップS104において、システムコントローラ50は、スクリューフィーダ13が回転動作を停止したことを示す動作信号を受信したか否かを判別する。ここで、本発明者等の知見によると、スクリューフィーダ13が回転動作を停止すると、炭化室1A内の炉内圧変動は、スクリューフィーダ13が回転動作を開始した直後よりも、緩和されることがわかっている。そのため、システムコントローラ50は、スクリューフィーダ13が回転動作を停止した場合には(ステップS104 YES)、ステップS105において、弁体71を時計周り方向に所定量回転させることにより、ノズル装置5による圧力抑制レベルを高圧レベル1よりも低い高圧レベル2に設定する。
【0041】
これにより、接続管3の内部に高圧レベル2の高圧流体(第2の圧力値の圧力流体に相当する)が供給され、エジェクタ効果により窯Aの急激な炉内圧変動を抑制することができる。また、高圧流体の圧力レベルを下げることにより、外気が炭化室1A内に吸引されて、炉体に悪影響を及ぼすなどの不具合を防止できる。さらに、高圧流体の圧力レベルの下げ幅を限定することにより、スリーブ14の上昇時、装入蓋閉じ時のガス漏れを抑制することができる。なお、高圧レベル2に対応する弁体71の開度は、切替バルブ7の仕様に応じて適宜設定することができる。
【0042】
ステップS106において、システムコントローラ50は、装入蓋が閉じたことを示す動作信号を受信したか否かを判別する。ここで、本発明者等の知見によると、装入蓋が閉じられると、ガス漏れの度合いが小さくなり、炭化室1A内の炉内圧変動が、スクリューフィーダ13が回転動作を停止した直後よりも、緩和されることがわかっている。そのため、システムコントローラ50は、装入蓋が閉じられた場合には(ステップS106 YES)、ステップS107において、弁体71を時計周り方向にさらに回転させることにより、ノズル装置5による圧力抑制レベルを高圧レベル2よりも低い高圧レベル3に設定する。
【0043】
これにより、接続管3の内部に高圧レベル3の高圧流体(第3の圧力値の圧力流体に相当する)が供給され、エジェクタ効果により窯Aの急激な炉内圧変動を抑制することができる。なお、高圧レベル3に対応する弁体71の開度は、切替バルブ7の仕様に応じて適宜設定することができる。
【0044】
ステップS108において、システムコントローラ50は、装入蓋周囲のシール作業が完了したことを示す動作信号を受信したか否かを判別する。ここで、本発明者等の知見によると、装入蓋周囲のシール作業が完了すると、炭化室1A内の炉内圧変動が、装入蓋を閉じた直後よりも、緩和されることがわかっている。そのため、システムコントローラ50は、シール作業が完了した場合には(ステップS108 YES)、ステップS109において、弁体71を時計周り方向にさらに回転させることにより、ノズル装置5による圧力抑制レベルを高圧レベル3よりも低い低圧レベルに設定する。なお、低圧レベルの圧力流体は、圧力レベルが最も低く、例えば、弁体71を
図5(c)に示す位置に動作させることにより生成することができる。
【0045】
これにより、接続管3の内部に低圧レベルの高圧流体(第4の圧力値の圧力流体に相当する)が供給され、エジェクタ効果により窯Aの微小な炉内圧変動を抑制することができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、炭化室1A内の炉内圧変動を抑制する圧力抑制レベルを装入車10から出力される動作信号に基づき設定することができる。これにより、圧力センサーの目詰まりなどによる検出エラーを考慮する必要がなくなるため、コークス炉を安定的に操業することができる。すなわち、石炭装入中、石炭装入直後に特有の急激な炉内圧変動に容易に追従できるため、炭化室1Aの炉内圧をより安定的に維持することができる。
【0047】
(変形例1)
上述の実施形態では、ノズル装置5、皿弁6、切替バルブ7、高圧流体供給部8、低圧流体供給部9、主供給管201、皿弁駆動モータ107、高圧流体供給管202、低圧流体供給管203、バルブ駆動モータ108が協働することにより、「炉内圧抑制部」を構成したが、本発明はこれに限るものではなく、他の構成であってもよい。当該他の構成は、それぞれが圧力レベルの異なる圧力流体を供給可能な複数の圧力流体供給部を設けるとともに、所望の圧力に対応した圧力流体供給部を、切替弁を用いて選択できる構成であってもよい。また、当該他の構成は、一つの圧力流体供給部から供給される圧力流体の圧力レベルをノズル装置5において調整できる構成であってもよい。
【0048】
(変形例2)
上述の実施形態では、スクリューフィーダ13の回転動作開始時、スクリューフィーダ13の回転動作停止時、装入蓋による石炭装入孔の閉塞時、装入蓋周りのシール完了時に圧力流体の圧力レベルを変化させたが、本発明はこれに限るものではなく、石炭の装入中、装入直後の急激な炉内圧変動を抑制できれば、他のタイミングにおいて圧力レベルを変更してもよい。例えば、スクリューフィーダ13の回転動作停止信号に変えてダンパー15の閉信号を受信した際に、圧力流体を高圧レベル1から高圧レベル2に変更してもよい。例えば、石炭装入孔の閉塞時では無く、マグネット部16の着磁を解除したことを示す励磁OFF信号を受信した際に、圧力流体を高圧レベル2から高圧レベル3に変更してもよい。
【0049】
(変形例3)
上述の実施形態では、装入車10が出力する動作信号に基づき、圧力レベルを変更したが、本発明はこれに限るものではなく、装入車10の動作状態を特定できる他の情報を用いることもできる。例えば、スクリューフィーダ13が回転動作を開始した直後にタイマーによるカウント動作を開始し、カウント時間がスクリューフィーダ13を停止する時刻、装入蓋を閉じる時刻等に到達した時に、圧力流体の圧力レベルを変更してもよい。タイマーには、システムコントローラ50が実装する内部タイマー(不図示)を用いることができる。また、スクリューフィーダ13を停止する時刻、装入蓋を閉じる時刻は、実験、或いはシミュレーションによって推定することが可能であり、この推定した時刻を記憶部60に記憶させておくことにより、適切なタイミングで圧力レベルを変更することができる。
【0050】
(変形例4)
上述の実施形態では、石炭切出装置としてスクリューフィーダを使用したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、ロータリバルブ、テーブルフィーダーなど他の石炭切出装置を用いることもできる。