(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209823
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】偽造防止媒体の読取方法
(51)【国際特許分類】
B42D 25/382 20140101AFI20171002BHJP
G07D 7/00 20160101ALI20171002BHJP
G07D 7/121 20160101ALI20171002BHJP
【FI】
B42D15/10 382
G07D7/00 D
G07D7/121
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-10167(P2013-10167)
(22)【出願日】2013年1月23日
(65)【公開番号】特開2014-141005(P2014-141005A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2015年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牛腸 智
(72)【発明者】
【氏名】小沢 達郎
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭58−223889(JP,A)
【文献】
特開2001−239742(JP,A)
【文献】
特開平8−20158(JP,A)
【文献】
特開2014−66836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 25/00−25/485
G07D 7/00− 7/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の上に近赤外線波長域の少なくとも一部に特徴的な吸収を持つ2種類のセキュリティ部にて構成され、かつ、それぞれのセキュリティ部は互いに重なり合う部分が設けられていて、これら重なり合う部分は片方もしくは両方のセキュリティ部が濃色から淡色にグラデーションがかけられている偽造防止媒体の読取方法であって、
前記2種類のセキュリティ部における特定波長の反射率を少なくとも2つの受光素子を用いて少なくとも2ヶ所ライン状に測定し、その各測定結果を比較することにより真偽判定を行なうことを特徴とする偽造防止媒体の読取方法。
【請求項2】
前記特定波長の反射率を測定する少なくとも2つの受光素子による受光部分は互いに隣接していることを特徴とする請求項1記載の偽造防止媒体の読取方法。
【請求項3】
前記特定波長の反射率を測定する少なくとも2つの受光素子による受光部分は互いに重なりあっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の偽造防止媒体の読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサによる機械読取りにて真偽判定を行なう偽造防止媒体の読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣、株券、商品券さらにはクレジットカード等の有価証券類の他、商品用の封印シールやタグ類に至るまで、偽造や複製による不正使用を防止するため、精巧な印刷技術による印刷等が施されているのが一般的であったが、近年の偽造や複製による不正使用の頻発に鑑み、これら精巧な印刷等に加え特殊なインキによる偽造防止策が施される様になってきた。
【0003】
たとえば、紫外光を照射することで可視光域にて発光する蛍光インキ、目視角度によって色や明るさが変わるOVD(Optically Variable Device)インキ等を紙面上に印刷することで、カラーコピー等の複写機で簡単に偽造できない方法が施されている。
【0004】
しかしながら、最近の偽造品は、カラーコピーに加えて上記蛍光インキやOVDを模倣したものを付加した精巧な偽造品が出回ってきている。これらの偽造品は、正品との比較、専門家が見れば容易に判別つくが、偽造品のみを一般の人が見ても簡単に真贋判定することは難しい。
【0005】
そこで、目視による真偽判定に加えて、センサによる機械読取りにて真偽判定を行なう偽造防止策を併用している有価証券類も多い。これは目視による真偽判定ができない、たとえば、自動販売機の紙幣鑑別器などにも有効である。機械読取りによる偽造防止策として、目視ではその機能性が見えないが、機能性を検知できるセンサで反応する材料をインキ中に混入させる方法が一般的である。たとえば、インキ中に磁性粉を混入させた磁気インキは目視では黒色のインキに見えているだけだが、MR(Magneto Resistive)センサにて磁性の存在の有無がわかる。
【0006】
また、赤外線とくに近赤外線に着目し、近赤外線領域の一部を吸収もしくは透過するインキを使用した偽造防止策がある。たとえば、プロセスインキの墨インキであるカーボンブラックを主成分とした黒色のインキと近赤外線領域に吸収のない黒色インキを組合わせる方法、可視光域に特定の吸収がほとんど無く、近赤外線域の一部に吸収のあるインキを用いる方法、さらに前記近赤外線域の一部に吸収のあるインキを他のプロセスインキ(墨以外)に混入させることによる方法等が挙げられる。
【0007】
しかしながら、これらセンサによる機械読取りを行なうためには、機器導入のための費用が発生するという問題点がある。また、安価なセンサもしくは読取点が少ない真偽判定を行なう場合、偽造品まで正品と判別してしまう恐れがある。
【0008】
前記近赤外線域の特徴点のみをセンサで検知して真偽判定を行なう場合、特徴点のみを真似した偽造品と区別が付かなくなる。そのため、複数の特徴点を検知して真偽判定を行なうことで、簡単な偽造に対する対抗措置をとることができる。
【0009】
さらに、近赤外線域に特徴を持つインキも複数種の光学的機能性材料を混入させることで、複雑な分光波形となり、それらの特徴点を検知すれば、偽造が非常に困難な偽造防止媒体になり得る。
【0010】
上記に掲げた偽造防止策は、目視による真偽判定に加えて行なう場合は有効であるが、目視による真偽判定をせず、機械読取りだけで真偽判定を行なう場合には、偽造防止インキの分光波形を複雑にしても真似される恐れがある。たとえば、光学多層膜にて光の制御を行なえば、媒体の製造コストおよび外観を
度外視すれば類似の波形を作ることができる。この場合、目視での確認ができれば、偽造品と一目で分かるが、機械読取りだけで真偽判定する物品には不向きである。
【0011】
そこで、近赤外線域に特徴的な反射・吸収を持つ、2種類のセキュリティ部をセキュリティインキにて印刷して、さらに2種類のセキュリティ部の重ね合わせ部分を両者の濃度が互いに補完するようにグラデーションを設ける方法がある。特徴点の波長をセンサで読取り、さらにセンサをグラデーション方向に動かすことで反射率の変化を捉えることができ、このようなグラデーションを光学多層膜にて再現するのは困難である。
【0012】
しかし、前記の読取方法は、読取センサの受光径が小さい場合には真偽判定の精度はあるが、受光径が大きい場合、グラデーション部分を例えば三角形状に光学多層膜を切り貼りすれば類似の反射率を得ることができる。読取機のコストを安価にするためには、読取センサの受光径が大きいセンサを使う必要があり、読取方法にさらなる工夫が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−74641号公報
【特許文献2】特開平7−37027号公報
【特許文献3】特許第3246017号公報
【特許文献4】特開2009−149068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、機械読取りにて真偽判定を行なう偽造防止媒体において、偽造困難性が高く、真偽判定精度をより向上できる偽造防止媒体の読取方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の請求項1に係る偽造防止媒体の読取方法は、基材の上に近赤外線波長域の少なくとも一部に特徴的な吸収を持つ2種類のセキュリティ部にて構成され、かつ、それぞれのセキュリティ部は互いに重なり合う部分が設けられていて、これら重なり合う部分は片方もしくは両方のセキュリティ部が濃色から淡色にグラデーションがかけられている偽造防止媒体の読取方法であって、前記2種類のセキュリティ部における特定波長の反射率を少なくとも
2つの受光素子を用いて少なくとも2ヶ所ライン状に測定し、その各測定結果を比較することにより真偽判定を行なうことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項2に係る偽造防止媒体の読取方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の偽造防止媒体の読取方法において、前記特定波長の反射率を測定する少なくとも
2つの受光素子による受光部分は互いに隣接していることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項3に係る偽造防止媒体の読取方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の偽造防止媒体の読取方法において、前記特定波長の反射率を測定する少なくとも
2つの受光素子による受光部分は互いに
重なりあっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、偽造防止媒体の2種類のセキュリティ部における特定波長の反射率を少なくとも2種類の受光素子を用いて少なくとも2ヶ所ライン状に測定し、その各測定結果を比較することにより真偽判定を行なうことで、機械読取りにて真偽判定を行なう偽造防止媒体において、偽造困難性が高く、真偽判定精度をより向上できる偽造防止媒体の読取方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る偽造防止媒体の読取方法を説明する模式図。
【
図3】偽造防止媒体の第1セキュリティ部および第2セキュリティ部の実施形態における分光特性を示すグラフ。
【
図5】偽造防止媒体とセンサ出力との関係を示す概念図。
【
図6】偽造防止媒体を模して作製した偽造媒体とこの偽造媒体に対するセンサ出力との関係を示す概念図。
【
図7】読取センサの位置関係と偽造媒体の形状を示した模式図。
【
図8】読取センサの位置関係と偽造媒体の形状を示した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る偽造防止媒体の読取方法を説明する模式図である。偽造防止媒体1は、第1セキュリティ部12および第2セキュリティ部13およびグラデーション部14からなっていて、第1セキュリティ部12と第2セキュリティ部13とが重なり合う部分がグラデーション部14であり、第1セキュリティ部12を濃色から淡色へ、また第2セキュリティ部13を淡色から濃色へ連続的に濃度変化させたもので設けられている。
【0021】
偽造防止媒体1は、たとえば、長方形状で、その短辺に対して平行に第1セキュリティ部12、グラデーション部14、第2セキュリティ部13、グラデーション部14、第1セキュリティ部12がその順番で順次設けられている。
【0022】
このように構成された偽造防止媒体1に対して、読取センサ15および読取センサ16が設けられている。読取センサ15,16は、偽造防止媒体1の短辺に対して
直交する方向で、たとえば図面に対し左から右方向(図示破線矢印方向)に移動することで、反射率の変化を読取るように構成されている。
【0023】
読取センサ15,16は、その受光素子の受光径は、たとえば、φ0.5〜φ10の間にあり、市販で入手可能な形状の受光素子もしくはそれを組合わせたレンズで構成されている。
【0024】
図2は、偽造防止媒体1の構成を模式的に示すものである。偽造防止媒体1は、基材11の上に、第1セキュリティ部12および第2セキュリティ部13が設けられており、グラデーション部14は、第1セキュリティ部12および第2セキュリティ部13の厚みが連続的に変化している。
【0025】
図3は、第1セキュリティ部12および第2セキュリティ部13の実施形態における分光特性を示すグラフであり、分光波形22が第1セキュリティ部12、分光波形23が第2セキュリティ部13である。この分光特性グラフにおいて、第1セキュリティ部12および第2セキュリティ部13は、可視光領域においてほぼ全域で吸収を示していることにより、目視にて黒色に見える。可視光領域における色は黒色に限らず何色でも構わない。
【0026】
また、第1セキュリティ部12および第2セキュリティ部13の両方もしくは片方は、近赤外線波長領域において、少なくとも一部が吸収されており、吸収の幅は、広くても構わないが、狭い方が偽造防止効果は高く、様々な組合わせに対応できる。
【0027】
また、
図3に、読取センサを設ける場合の一例を示している。可視光領域および近赤外線領域における第1セキュリティ部12と第2セキュリティ部13との反射率の差が5%以上、好ましくは20%以上ある波長に読取センサを設けることで真偽判定を行なう。
図3において、センサS2およびセンサS3がこれに相当する。
【0028】
さらに、第1セキュリティ部12と第2セキュリティ部13との反射率の差が10%以下、好ましくは5%以下である波長にも読取センサを設けることで、より真偽判定の精度が高くなる。
図3において、センサS1およびセンサS4がこれに相当する。
【0029】
図4は、読取センサ15,16の具体的な構成例を概略的に示すもので、
図3のグラフ中に示したセンサS1〜S4の各波長に相応する光源(たとえば、LED)34〜37で、これらの光源34〜37から偽造防止媒体1に対し光を照射し、その反射光を受光する1つの受光素子31を囲繞した構成となっている。受光素子31がそれぞれの光源34〜37からの反射光を受光できれば、
図4に示すような構成でなくてもよい。受光素子31は、光源34〜37からの直接光を読取らないように遮光板32を設けてもよい。読取センサ15,16は、
図4に示す以外にも、たとえば、特公昭61−15471号
公報に記載されたような構成でもよい。
【0030】
図5は、偽造防止媒体1とセンサ出力との関係を示す概念図で、センサ出力グラフ4およびセンサ出力グラフ6は、偽造防止媒体1上に読取センサ15,16を左から右方向に移動させた場合に、読取センサ15,16の反射率の関係を示したものである。センサ出力グラフ4,6において、44はセンサS1の出力、45はセンサS2の出力、46はセンサS3の出力、47はセンサS4の出力を示す。
【0031】
偽造防止媒体1のグラデーション部14は、左側の第1セキュリティ部12の濃度を100%とした場合、グラデーション部14の左側から右側の間で濃度が100%から0%になるようにグラデーションがかけてある。また、同様にグラデーション部14の右側から左側の間で第2セキュリティ部12の濃度が100%から0%になるようにグラデーションがかけられており、かつ、第1セキュリティ部12と第2セキュリティ部13の濃度が加算されたときに100%になるようにグラデーションが調整されていることが好ましい。
【0032】
上記のように調整された偽造防止媒体1のグラデーション部14の読取センサ15の各波長における反射率の変化は、センサ出力グラフ4に示すようになり、読取センサ16の反射率の変化は、センサ出力グラフ6に示すようになる。この2つのグラフ4,6の出力および波形を比較して真偽判定を行なうことで、より厳密な真偽判定ができると同時に、偽造が非常に困難な偽造防止媒体となる。
【0033】
グラデーション部14を印刷にて設ける場合、第1セキュリティ部12のインキを濃色から淡色にグラデーションをかける方法として、レインボー印刷法がある。オフセット印刷機のインキ供給つぼにグラデーションをかけたい部分に仕切り板を設けて、仕切り以外にインキが流れないようにする。インキの濃度を左右均一にするための横振りローラの振り幅にグラデーションをかけたい幅に調整することで、所望のグラデーションが形成される。第2セキュリティ部13のインキを前記インキ供給つぼの仕切り板の反対側に入れることで、グラデーション部14が印刷にて形成される。
【0034】
グラデーションをかける他の方法として、網点によるグラデーション表現法がある。第1セキュリティ部12の網点濃度を100%から0%に、第2セキュリティ部13の網点濃度を0%から100%に印刷版を設計して、両者の濃度が100%になるように掛け合わせることで、グラデーション部14が印刷にて形成される。
【0035】
なお、網点濃度は、始点と終点との濃度差が20%以上であれば、特に100%および0%には
こだわらない。
【0036】
図6は、偽造防止媒体1の読取特性を模して作製した偽造媒体7と、この偽造媒体7を本実施形態に係る偽造防止媒体の読取方法にて測定した波形を示すもので、72は第1セキュリティ部、73は第2セキュリティ部、74はグラデーション部である。
【0037】
偽造媒体7は、
図3に示した第1セキュリティ部12の分光波形22および第2セキュリティ部13の分光波形23を光学多層薄膜により再現し、グラデーション部74を二等辺三角形状に切り貼りした構成となっている。二等辺三角形の底辺の長さが、読取センサ15,16の読取径と同一もしくはそれ以下であった場合、読取センサ15,16の出力波形はグラデーション部74と同じような出力変化を起こす。
【0038】
読取センサ15,16の読取径が充分小さい場合、光学多層薄膜を底辺が小さい二等辺三角形状に切る場合、光学多層膜を形成する電磁誘電層にクラックが入るため、十分な光学特性を得られなくなることより偽造できないが、読取センサ15,16の読取径を小さくすると、センサ部品が小型化、煩雑化することによりセンサコストが高くなるため望ましくない。
【0039】
図6において、読取センサ15および読取センサ16を隣接して配置し読取る場合、読取センサ15の位置を偽造媒体7の二等辺三角形の頂点に合わせて読取る場合のセンサ出力グラフ8は、
図5におけるセンサ出力グラフ4のセンサS2の出力45と同一波形85になる場合があるが、隣接する読取センサ16のセンサ出力グラフ9は、センサ出力グラフ8と比較して異なる波形86となり、偽造品の判定が可能となる。
【0040】
しかしながら、
図7に示したように、第1セキュリティ部72の形状を読取センサ15,16の読取径に合わせた周期で切り貼りした場合、センサ出力波形は両方とも同じになる場合がある。
【0041】
この点を改善すべく、読取センサ15,16を
図8に示すように重なり合うように配置した場合、両者の出力が合う点は左右非対称となり、合致点が少しずれただけでも両方のセンサ出力波形が異なることにより、両方のセンサ出力波形を常に合わせることは極めて困難となる。
【0042】
以上説明したように上記実施形態によれば、近赤外線域に特徴的な反射や吸収を持つ2種類のセキュリティ部をセキュリティインキにて印刷し、さらに2種類のセキュリティ部の重ね合わせ部分を両者の濃度が互いに補完するようにグラデーションを設けた偽造防止媒体に対し光学センサにて特徴的な分光波形を持つセキュリティ部の特徴点の反射率を複数点読取ることで真偽判定を行ない、さらに偽造防止媒体上を測定箇所を少なくとも2ヶ所設けた光学センサがそれぞれ移動することで、グラデーション部における反射率の増減を検知し、かつ、それぞれの光学センサの出力波形が同一かどうか比較することで、機械読取りにて真偽判定を行なう偽造防止媒体において、偽造困難性が高く、真偽判定精度をより向上できる偽造防止媒体の読取方法を提供できる。
【符号の説明】
【0043】
1…偽造防止媒体、11…基材、12…第1セキュリティ部、13…第2セキュリティ部、14…グラデーション部、15,16……読取センサ、S1〜S4…センサ、31…受光素子、32…遮光板、34〜37…光源。