特許第6209847号(P6209847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209847
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】ベルトコンベア
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/08 20060101AFI20171002BHJP
   F27B 7/32 20060101ALI20171002BHJP
   C22B 1/16 20060101ALI20171002BHJP
   B01F 15/02 20060101ALI20171002BHJP
【FI】
   B65G21/08
   F27B7/32
   C22B1/16 K
   B01F15/02 B
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-88643(P2013-88643)
(22)【出願日】2013年4月19日
(65)【公開番号】特開2014-210658(P2014-210658A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2015年12月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健至
(72)【発明者】
【氏名】岩田 竜一郎
(72)【発明者】
【氏名】正成 幹也
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−012041(JP,A)
【文献】 特開2004−244682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/00−21/22
C22B 1/00−61/00
B01F 15/02
F27B 7/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベアであって、
原料を搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトを懸架するヘッドプーリおよびテールプーリとからなる搬送ユニットと、
前記搬送ベルトの両側に設けられ、前記搬送ベルトの原料載置面を開放した状態で前記搬送ベルトの原料載置面の両側部および前記ヘッドプーリを覆うカバーユニットと、
を備え、
前記カバーユニットは、
前記搬送ベルトの両側から前記原料載置面に向かって下降する傾斜と前記搬送ユニットの両側面を覆う原料侵入防止部材とを有し、
前記傾斜は、その端部が前記搬送ベルトの原料載置面に接するように設けられる第1の原料付着防止部材と、前記第1の原料付着防止部材の傾斜上側に設けられる第2の原料付着防止部材と、からなり
前記第1の原料付着防止部材は搬送ベルトと同じ材質であり、
前記原料侵入防止部材はテフロン(登録商標)シートであり、
前記ベルトコンベアの少なくとも一部をドラムミキサー内に挿入して当該ベルトコンベアが使用されるとき、
前記カバーユニットは、前記ドラムミキサー内に挿入される部分に設けられることを特徴とする、ベルトコンベア。
【請求項2】
前記第1の原料付着防止部材の傾斜角は、45°〜60°に設定されることを特徴とする、請求項に記載のベルトコンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベアに関し、より詳細には焼結原料を投入するベルトコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
高炉用原料として用いられる焼結鉱は、鉄鉱石、返鉱、スケール等の鉄原料と、珪石、蛇紋岩などからなるSiO含有粉原料、石灰石などのCaOを含有する石灰石系粉原料、および粉コークスまたは無煙炭などの熱源となる固体燃料からなる焼結原料(以下単に原料とも称す)を回転しているドラムミキサー内に装入して、さらに適当量の水分を添加して混合、造粒し、擬似粒子と呼ばれる造粒物を形成する。この造粒物(すなわち擬似粒子)からなる配合原料は、ドワイトロイド式焼結機のパレット上に装入して表層部の固体燃料に着火し、着火後は下方に向けて空気を吸引しながら固体燃料系粉原料を燃焼させ、その燃焼熱によって配合した焼結原料を焼結させて焼結ケーキとする。この焼結ケーキは破砕、整粒され、粒径が所定の値以上の焼結鉱を得る。一方、所定の値に満たない粒径を有するものは返鉱となり、焼結原料として再利用される。
【0003】
例えば特許文献1には、上記固体燃料の燃焼性を高めるため、鉄原料、SiO含有粉原料、石灰石系粉原料と共に装入する固体燃料の一部又は全部をドラムミキサーの後部からベルトコンベアにより装入する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4378943号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の発明では、ベルトコンベアの先端部を回転しているドラムミキサー内に突き込んだ状態で上記固体燃料を装入しているために、ドラムミキサーに付着した焼結原料が落下してベルトコンベアの構成部材が損傷し、頻繁に点検、補修等のメンテナンスを行わなければならない問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ドラムミキサーに付着した焼結原料が落下しても損傷を防止することが可能な、新規かつ改良されたベルトコンベアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ベルトコンベアであって、原料を搬送する無端状の搬送ベルトと、搬送ベルトを懸架するヘッドプーリおよびテールプーリとからなる搬送ユニットと、搬送ベルトの両側に設けられ、搬送ベルトの原料載置面を開放した状態で搬送ベルトの原料載置面の両側部およびヘッドプーリを覆うカバーユニットと、を備え、カバーユニットは、搬送ベルトの両側から前記原料載置面に向かって下降する傾斜と搬送ユニットの両側面を覆う原料侵入防止部材とを有し、該傾斜は、その端部が搬送ベルトの原料載置面に接するように設けられる第1の原料付着防止部材と該第1の原料付着防止部材の傾斜上側に設けられる第2の原料付着防止部材と、からなり、第1の原料付着防止部材は搬送ベルトと同じ材質であり、原料侵入防止部材はテフロン(登録商標)シートであり、ベルトコンベアの少なくとも一部をドラムミキサー内に挿入して当該ベルトコンベアが使用されるとき、カバーユニットは、ドラムミキサー内に挿入される部分に設けられることを特徴とする、ベルトコンベアが提供される。
【0008】
本発明によれば、搬送ユニットの原料載置面以外の部分を、原料付着防止部材により覆う。原料付着防止部材は、原料が付着しにくい材質からなり、搬送ベルトの両側部へ下向きに傾斜するように設けられていることにより、原料付着防止部材に落下した原料を傾斜面によって搬送ベルトへ流し込む。これにより、原料が搬送ベルトの両側部から侵入して駆動部等の構成部材に付着・堆積するのを防止できる。
【0009】
カバーユニットは、搬送ユニットの両側面を覆う原料侵入防止部材をさらに備えてもよい。これにより、搬送ユニットの両側面から搬送ユニットの駆動部等の構成部材へ付着・堆積するのを防止できる。
【0010】
第1の原料付着防止部材の傾斜角は、原料が搬送ベルトへ流れ込みやすい角度とすることができ、例えば45°〜60°に設定してもよい。
【0012】
ベルトコンベアの少なくとも一部をドラムミキサー内に挿入して当該ベルトコンベアが使用されるとき、カバーユニットは、原料が付着・堆積し易いドラムミキサー内に挿入される部分に設けてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、ベルトコンベアの前部を回転しているドラムミキサー内に挿入した状態で固体燃料を装入しても、搬送ユニットの原料載置面以外の部分が原料付着防止部材により覆われていることで、ドラムミキサーに付着した焼結原料が落下してもベルトコンベアの構成部材に付着・堆積するのを防止し当該ベルトコンベアの構成部材の損傷を防止することができるので、点検、補修等のメンテナンス負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】焼結原料の事前処理の概要を示す説明図である。
図2】本発明の実施形態に係るベルトコンベアの構成を示す側面図である。
図3図2のA−A切断線における端面図である。
図4図2のB−B切断線における端面図である。
図5】同実施形態に係る追装コンベアのカバーユニットの機能を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
<1.焼結原料の事前処理>
まず、図1を参照して、焼結原料5aを疑似粒子化する焼結原料の事前処理について説明する。図1は、焼結原料の事前処理の概要を示す説明図である。
【0017】
鉄原料、SiO含有粉原料、石灰石系粉原料に固体燃料を少量含む(または含まない)焼結原料5aを矢印方向に回転しているドラムミキサー20に装入するとともに水分を添加し、これを転動させながら装入口から排出口へ移送させることにより疑似造粒が行われる。図1に示すように、原料コンベア10により搬送されてきた焼結原料5aは、シュート15を介してドラムミキサー20に装入される。焼結原料5aはドラムミキサー20内で転動することで粗粒子を核としてその周囲に微粒子を付着させて疑似粒子を形成しながら、装入口から排出口へと移送される。そして、ドラムミキサー20の排出口から挿入した追装コンベア100から固体燃料である粉コークス5bを装入し、上記疑似粒子の外周に粉コークス5bを付着させた後、排出口から排出する。
【0018】
このようにドラムミキサー20を回転させることで疑似粒子を形成するが、この際、ドラムミキサー20の内面に焼結原料5aが付着して上方まで持ち上げられて、挿入した追装コンベア100上に落下する場合がある。落下した焼結原料5aはヘッドプーリ114と搬送ベルト112の間に入ってスリップを発生させたり、搬送支持ローラの軸部分に入り込むことで該ローラが回転不能なってベルトの片寄りやベルトの損傷を生じさせたりする。また、搬送支持部に堆積し腐食摩耗させる原因ともなる。
【0019】
そこで、本実施形態に係る追装コンベア100は、少なくともドラムミキサー20へ挿入される部分に、当該追装コンベア100を保護するカバーユニット130を備えている。以下、図2図5に基づいて、本実施形態に係る追装コンベア100について詳細に説明していく。なお、図2は、本実施形態に係る追装コンベア100の構成を示す側面図である。図3は、図2のA−A切断線における端面図である。図4は、図2のB−B切断線における端面図である。図5は、本実施形態に係る追装コンベア100のカバーユニット130の機能を説明する説明図である。
【0020】
<2.追装コンベア>
[2−1.構成]
本実施形態に係る追装コンベア100は、前部をドラムミキサー20の排出口側からドラムミキサー20内部に挿入可能に配置されたベルトコンベア(シャトルコンベア)である。追装コンベア100は、基台102に車輪104a、104bが設けられており、ドラムミキサー20の長手方向(x方向)に沿って配置されたレール40上に車輪104a、104bが配置されている。車輪104a、104bによってレール40上を移動することで、追装コンベア100をドラムミキサー20に対して挿入・退避させることができる。かかる追装コンベア100は、搬送ユニット110と、搬送支持ユニット120と、カバーユニット130とを含んで構成される。
【0021】
搬送ユニット110は、原料を載置して搬送するユニットであり、図2に示すように、無端状の搬送ベルト112と、当該搬送ベルト112を懸架するヘッドプーリ114およびテールプーリ116とからなる。搬送ベルト112は、テールプーリ116が駆動部200によって回転駆動されることで移動する。
【0022】
搬送支持ユニット120は、支持基台106に設けられ、搬送ベルト112のうち原料が積載される部分において当該搬送ベルト112の底面側から支持するユニットである。本実施形態に係る搬送支持ユニット120は、ドラムミキサー20内に挿入されることのない搬送方向上流側に配置される第1の搬送支持部120Aと、下流側に配置される第2の搬送支持部120Bとからなる。
【0023】
第1の搬送支持部120Aは、図2および図3に示すように、搬送ベルト112の幅方向(x方向)に配置された3つの支持ローラ122、124、126からなる支持機構121Aが搬送方向に複数配置されて構成されている。支持ローラ122は支持基台106に固定された支持部材128b、128cに回転可能に軸支されており、支持ローラ124は支持基台106に固定された支持部材128c、128dに回転可能に軸支され、支持ローラ126は支持基台106に固定された支持部材128a、128bに回転可能に軸支されている。
【0024】
搬送ベルト112の幅方向中央に配置された支持ローラ122は、搬送ベルト112との接面が支持基台106に対してほぼ平行となるように設けられている。また、搬送ベルト112の幅方向両側に配置された支持ローラ124、126は、それぞれ搬送ベルト112との接面が支持基台106に対して支持ローラ122側に向かって下向きに傾斜するように設けられている。すなわち、第1の搬送支持部120Aにより搬送ベルト112はその断面形状が鉛直下向きに湾曲した形状なる。このような支持機構121Aを搬送方向に所定の間隔で配置することにより、搬送ベルト112の撓みもなくなり、原料が搬送ベルト112上から落下・飛散するのを防止することができる。
【0025】
第2の搬送支持部120Bは、図2および図4に示すように、搬送ベルト112の幅方向(x方向)中央に配置された支持ローラ122と、支持ローラ122の両側に配置され、断面コ型で、搬送方向に延びるライナー125、127とからなる支持機構121Bが搬送方向に配置されて構成されている部分と、該支持機構121Bの前後に第1の搬送支持部120Aと同様に搬送ベルト112の幅方向に配置された3つの支持ローラからなる支持機構121Cを配置して構成された部分とを有する。上記支持ローラ122は支持基台106に固定された支持部材128b、128cに回転可能に軸支されている。また、ライナー125は支持基台106に固定された支持部材128c、128dに支持され、ライナー127は支持基台106に固定された支持部材128a、128bに支持されている。ライナー125、127は、搬送方向に設けた複数の支持機構によって連続して支持されている。
【0026】
支持ローラ122は、第1の搬送支持部120Aと同様、搬送ベルト112との接面が支持基台106に対してほぼ平行となるように設けられている。また、搬送ベルト112の幅方向両側に配置されたライナー125、127は、それぞれ搬送ベルト112との接面が支持基台106に対して支持ローラ122側に向かって下向きに傾斜するように設けられている。これにより搬送ベルト112はその断面形状が鉛直下向きに湾曲した形状なる。このような支持機構121Bを搬送方向に配置することにより、搬送ベルト112の撓みもなくなり、原料が搬送ベルト112上から落下・飛散するのを防止することができる。
【0027】
カバーユニット130は、搬送ユニット110のうち少なくともドラムミキサー20へ挿入される部分に設けられ、搬送ベルト112の原料載置面以外を覆う。より詳細には、カバーユニット130は、図4に示すように、カバー支持部材131と、支持板132と、第1の付着防止部材133と、第2の付着防止部材134と、侵入防止部材135とからなる。
【0028】
カバー支持部材131は、図4に示すように支持基台106の幅方向(x方向)両側に立設されており、支柱131aと、基台支持部131bと、支持板支持部131cとからなる。支柱131aは、図2に示すように、原料搬送方向(y方向)に沿って所定の間隔で配置されている。各支柱131aには、搬送支持ユニット120の支持基台106が載置される基台支持部131bが内部に向かって突出するように設けられ、基台支持部131bの上方には、支持板132を支持する支持板支持部131cが内部に向かって突出するように設けられている。
【0029】
支持板132は、第1の付着防止部材133と、第2の付着防止部材134と、侵入防止部材135を支持する部材であり、落下してきた原料を搬送ベルト112に流し込むための傾斜を規定する部材でもある。支持板132は、例えば鋼板により形成される。支持板132は、図4に示すように、支柱131aの上端に固定される固定部132aと、固定部132aから所定の角度で折り曲がり、搬送ベルト112に接触しないように当該搬送ベルト112の側端部近くまで延設された傾斜部132bとからなる。支柱131aの上端から折れ曲がった傾斜部132bは、支持板支持部131cにより支持されている。原料搬送方向においては、支持板132は並設された各支柱131aにわたって連続して設けられる。支持板132は1つの鋼板から形成してもよく、複数の鋼板を連結して設けてもよい。
【0030】
第1の付着防止部材133および第2の付着防止部材134は、落下してきた原料を円滑に搬送ベルト112に流し込むための部材である。このため、第1の付着防止部材133および第2の付着防止部材134は、原料が付着・堆積し難い材質から形成される。
【0031】
第1の付着防止部材133は、一端が支持板132の傾斜部132bの端部に固定され、他端が搬送ベルト112に接するように設けられる。このとき、第1の付着防止部材133は、支持板132の傾斜部132bの傾斜角θとほぼ同じ角度を保持している。傾斜角θは、原料の種類や第1の付着防止部材133や第2の付着防止部材134の材質等に応じて適宜設定することができ、例えば約45°〜60°、より好ましくは約50°とすることができる。第1の付着防止部材133は、その先端が搬送ベルト112と接触することから、搬送ベルト112を傷付けないようにこれと同等もしくは柔らかい材質から形成される。第1の付着防止部材133としては、例えば搬送ベルト112と同じ材質を用いることが好ましい。なお、第1の付着防止部材133は、その先端が搬送ベルト112と接触していることから、搬送ベルト112の移動に伴って振動が発生して、その表面での原料の付着成長を防止できる。
【0032】
第2の付着防止部材134は、支持板132上を覆うように設けられている。第2の付着防止部材134は、一端が支持板132に固定された第1の付着防止部材133上に重ねた状態で固定されており、他端が後述する侵入防止部材135を支持板132と挟み込んだ状態で固定される。第2の付着防止部材134は原料が付着・堆積し難い材質から形成され、例えばライナテックス等のゴムライナーを用いることができる。
【0033】
侵入防止部材135は、ドラムミキサー20内上方から落下した焼結原料が、追装コンベア100の側方から侵入するのを防止して、搬送支持ユニット120に付着・堆積しないように設けられる部材である。侵入防止部材135は、追装コンベア100の側面側(y方向)からの焼結原料5aの侵入を防ぎ、少なくとも搬送ユニット110および搬送支持ユニット120を覆い隠すように設けられている。侵入防止部材135は、一端が支持板132と第2の付着防止部材134とで挟まれて固定されている。他端は自由端としてもよく、自由端とすることでカバーユニット130に覆われる搬送支持ユニット120のメンテナンス等を容易に行うことができる。
【0034】
侵入防止部材135は、追装コンベア100の側方から侵入しようとする焼結原料5aが当該部材135に衝突する振動で付着物を払い落とすことができるように、軽量かつ柔らかい材質から形成するのが望ましい。これは、追装コンベア100が片持支持のため、ドラムミキサー20内に挿入される追装コンベア100の先端重量を軽くする必要があることからもこのような材質から形成するのが好ましい。侵入防止部材135には、例えばテフロン(登録商標)シート等を用いることができる。
【0035】
なお、カバーユニット130の原料排出側は、少なくとも搬送ベルト112から粉コークス5bを投入する部分のみ開口させておけばよい。カバーユニット130の原料排出側の開口部分以外に例えば付着防止部材を設けることで、原料排出側からの原料の侵入・堆積を防止することもできる。
【0036】
本実施形態に係るカバーユニット130は、搬送ベルト112の原料載置部分を覆い隠さず上方を解放するように構成されている。これにより、図1および図3に示すように、粉コークス5bを投入するシュート30が追装コンベア100上方に設置されており、追装コンベア100をドラムミキサー20に対して挿入したり退避させたりする際にシュート30と衝突しないようにしている。
【0037】
[2−2.機能]
本実施形態に係る追装コンベア100は、ドラムミキサー20内に挿入される搬送ユニット110および搬送支持ユニット120を覆うカバーユニット130を設けることにより、追装コンベア100に対する焼結原料5aの付着・堆積を防止する。ドラムミキサー20内で付着して上方に持ち上げられた焼結原料5aは、様々な方向から追装コンベア100に落下・侵入する。例えば、図5の矢印A、Bに示すように上方から落下してくる焼結原料5aもあれば、矢印C、Dに示すように追装コンベア100の側面側から侵入してくる焼結原料5aもある。
【0038】
本実施形態に係る追装コンベア100のカバーユニット130は、上方から落下する原料を第1の付着防止部材133および第2の付着防止部材134で受ける。第1の付着防止部材133および第2の付着防止部材134は焼結原料5aが付着し難い材質から形成されており、また、搬送ベルト112に向かって下降する傾斜を有するように設けられているので、第1の付着防止部材133および第2の付着防止部材134に落下した焼結原料5aは円滑に搬送ベルト112へ流れ、搬送されている固体燃料である粉コークス5bと混合されて再びドラムミキサー20へ装入される。一方、側面側から侵入する焼結原料5aは、侵入防止部材135に当たって跳ね返され、ドラムミキサー20の下方へ落下させる。
【0039】
このように、ドラムミキサー20内に挿入される搬送ユニット110および搬送支持ユニット120を覆うカバーユニット130を設けることにより、ヘッドプーリ114、支持ローラ122、ライナー125、127とからなる支持機構121B等の追装コンベア100の機構に対する焼結原料5aの付着・堆積を防止することができる。したがって、本実施形態に係る追装コンベア100によれば、追装コンベア100のドラムミキサー20への挿入による焼結原料5aの付着・堆積を防止できる。
【0040】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0041】
例えば、上記実施形態では、カバーユニット130は上方を解放させた構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、搬送ベルト112を覆ってもよい。この際、搬送ベルト112を覆う部材を、追装ベルト100の側面側に向かって下がる傾斜面を有するように設けることで、カバーユニット130の上部に原料が堆積しないようにすることができる。また、第2の搬送支持部120Bの支持機構121Bを、上記の様にライナー125、127とすることが好ましいが、これに限るものではなく、第1の搬送支持部120Aと同様に支持ローラとすることもできる。
【符号の説明】
【0042】
20 ドラムミキサー
30 シュート
100 追装コンベア
110 搬送ユニット
112 搬送ベルト
120 搬送支持ユニット
130 カバーユニット
131 カバー支持部材
132 支持板
133 第1の付着防止部材
134 第2の付着防止部材
135 侵入防止部材
200 駆動部
図1
図2
図3
図4
図5