(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図3、
図4において、縦軸は、第1半導体型光源の消灯・点灯状態および第2半導体型光源の消灯・点灯状態および出力診断手段の診断内容を示し、横軸は、時間を示す。
図5において、縦軸は、ランプスイッチの操作状態および第1半導体型光源の消灯・点灯状態および第2半導体型光源の消灯・点灯状態および出力診断手段の診断内容を示し、横軸は、時間を示す。
【0013】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車両用灯具(車両用前照灯システム)の構成について説明する。前記車両用灯具は、この例では、車両用前照灯(ヘッドランプ)などであって、ヘッドランプユニットが車両の前部の左右両端部に搭載されている。前記車両用灯具は、第1半導体型光源1および第2半導体型光源2と、電流バイパス手段3と、バイパス制御手段4と、点灯回路5と、出力診断手段6と、ランプスイッチSと、制御装置7と、を備える。
【0014】
(第1半導体型光源1および第2半導体型光源2の説明)
前記第1半導体型光源1および前記第2半導体型光源2は、外部からの電力供給により発光して、車両用灯具の光源として機能する。この例では、前記第1半導体型光源1は、車両用前照灯のすれ違い配光パターンの光源として機能する。また、前記第1半導体型光源1および前記第2半導体型光源2は、車両用前照灯の走行配光パターンの光源として機能する。
【0015】
前記第1半導体型光源1および前記第2半導体型光源2は、電気的に直列に接続されている。前記第1半導体型光源1および前記第2半導体型光源2は、それぞれ、1個でも複数個でも良い。前記第1半導体型光源1および前記第2半導体型光源2は、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)、レーザーダイオードなどの自発光半導体型光源である。
【0016】
(電流バイパス手段3の説明)
前記電流バイパス手段3は、1個もしくは複数個の前記第2半導体型光源2と電気的に並列に接続されている。前記電流バイパス手段3は、1個もしくは複数個の前記第1半導体型光源1と電気的に直列に接続されている。前記電流バイパス手段3は、前記第2半導体型光源2に流れる電流を分流するものである。
【0017】
前記電流バイパス手段3は、メカニカルリレーのような物理接点を使用した場合においては、前記第2半導体型光源2に、電流を流す(接点開放状態)、または、電流を流さない(接点接続状態)の2つの動作の選択となる。また、前記電流バイパス手段3は、トランジスタなどの半導体接点を使用した場合においては、前記の2つの動作に加えて分流状態(前記第2半導体型光源3と前記電流バイパス手段3との双方に電流を流す)の動作を実現することができる。
【0018】
(バイパス制御手段4の説明)
前記バイパス制御手段4は、点灯信号・消灯信号、故障検出ステータスなどの外部状況または内部状況に応じて、電流の分流状態を適宜に変化させるように、前記電流バイパス手段3を制御する。前記バイパス制御手段4は、前記の状況から適切な分流状態を決める判断部(図示せず)と、前記判断部の判断結果に応じて実際に前記電流バイパス手段3を動かす駆動部(図示せず)と、を備える。
【0019】
(点灯回路5の説明)
前記点灯回路5は、前記第1半導体型光源1および前記第2半導体型光源2から所望の光出力が得られるように、印加電圧・供給電流を適宜に調整する。前記点灯回路5、すなわち、車両用灯具における半導体型光源(半導体光源)の前記点灯回路5としては、DC−DCコンバータを用いた定電流回路、あるいは、抵抗などを用いた電流制限回路などを一般的に使用する。
【0020】
(出力診断手段6の説明)
前記出力診断手段6は、前記点灯回路5からの出力電圧・出力電流を監視し、その出力電圧・出力電流が所定の範囲から外れた場合には異常が発生したと判断して、予め定められたフェイルセーフ処理を行う。フェイルセーフ処理としては、前記点灯回路5からの出力を停止する、あるいは、前記バイパス制御手段4を介して前記電流バイパス手段3の分流状態を変化させる。前記出力診断手段6は、フェイルセーフ処理と同時に、運転者に対して異常の発生を報知すべく、テルテールの点灯を指示する場合もある。
【0021】
前記出力診断手段6の内容は、
図3、
図4、
図5に示すように、停止状態J1と、通常状態J2と、切替中状態J3と、からなる。前記停止状態J1は、前記第1半導体型光源1および前記第2半導体型光源2がOFF状態(消灯状態)のときであって、前記出力診断手段6が診断を停止している状態にある。前記通常状態J2は、前記第1半導体型光源1がON状態(点灯状態)、あるいは、前記第1半導体型光源1および前記第2半導体型光源2がON状態(点灯状態)のときであって、前記出力診断手段6が通常の内容の診断をしている状態にある。前記切替中状態J3は、前記第2半導体型光源2がOFF状態(消灯状態)からON状態(点灯状態)に切り替わるまでの途中の状態、あるいは、前記第2半導体型光源2がON状態(点灯状態)からOFF状態(消灯状態)に切り替わるまでの途中の状態のときであって、前記出力診断手段6が通常の内容と異なる内容の診断をしている状態にある。
【0022】
すなわち、前記電流バイパス手段3に流す電流の状態を変化させている間(前記切替状態J3)の前記出力診断手段6の内容は、前記電流バイパス手段3に流す電流の状態を変化させていない間(通常状態J2)の前記出力診断手段6の内容(通常の内容)に対して、変更されている。
【0023】
前記出力診断手段6の変更される内容は、前記点灯回路5の出力異常の診断を停止させる内容である。すなわち、前記出力診断手段6は、前記切替中状態J3においては、前記停止状態J1と同様に、診断を停止している状態にある。また、前記出力診断手段6の変更される内容は、前記点灯回路5の出力異常を診断するための時間的閾値を変更させる内容である。すなわち、前記出力診断手段6は、前記通常状態J2における前記点灯回路5の出力異常診断時間(たとえば、約0.1秒)に対して、前記切替中状態J3における前記点灯回路5の出力異常診断時間(たとえば、約1秒)を長くする。時間を長くするには、サンプリング回数を増やす、あるいは、サンプリング周期を長くする。
【0024】
前記出力診断手段6は、前記電流バイパス手段3に流す電流の状態変化が所定時間以上経過する場合において、前記電流バイパス手段3に流す電流の状態変化を制限する。すなわち、前記出力診断手段6は、
図5に示すように、出力異常診断が完了(終了)する前に、前記ランプスイッチSを走行配光パターンの状態HIとすれ違い配光パターンの状態LOとに反復操作した場合において、出力異常診断ができなくなる場合がある。このために、前記出力診断手段6は、前記電流バイパス手段3に流す電流の状態変化が所定時間(たとえば、約数秒)以上経過する場合において、前記第2半導体型光源2を強制的にOFF状態(消灯状態)にする。
【0025】
(ランプスイッチSの説明)
前記ランプスイッチSは、OFF位置、LO位置、HI位置、の3位置切替スイッチである。前記ランプスイッチSは、運転者の手動により切り替わるスイッチであり、かつ、車両の走行状況に応じて自動的に切り替わるスイッチである。
【0026】
(制御装置7の説明)
図6に示すように、前記制御装置(制御回路部やECU・電子制御ユニット)7には、前記点灯回路5、前記ランプスイッチSが接続されている。前記制御装置7は、前記ランプスイッチSの位置状況に応じて前記バイパス制御手段4および前記点灯回路5および前記出力診断手段6の作用を前記の通り制御する。すなわち、前記制御装置7は、
図2に示すフローチャートの工程を順次処理する。
【0027】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0028】
(
図3の作用の説明)
まず、
図3について説明する。時点T1までは、ランプスイッチSがOFF位置に位置するので、第1半導体型光源1および第2半導体型光源2がOFF状態にある。このとき、出力診断手段6は、停止状態J1にある。
【0029】
時点T1において、所定の点灯条件たとえばすれ違い配光パターン照射条件が成立する。すると、ランプスイッチSがLO位置に位置するので、点灯回路5が第1半導体型光源1に電流を流す。一方、バイパス制御手段4が電流バイパス手段3に第1半導体型光源1からの全部の電流を流して、第2半導体型光源2に電流を流さない。
【0030】
時点T1から時点T2までの間は、第1半導体型光源1がON状態にあり、第2半導体型光源2がOFF状態にある。この結果、すれ違い配光パターンが照射される。このとき、出力診断手段6は、通常状態J2にあるので、点灯回路5の出力異常を通常の内容で診断する。
【0031】
時点T2において、所定の点灯条件たとえば走行配光パターン照射条件が成立する。すると、ランプスイッチSがHI位置に位置するので、バイパス制御手段4が電流バイパス手段3に流れる電流を時間的傾きを持って遮断する。このために、第2半導体型光源2には電流が時間的傾きを持って流れる。これにより、第2半導体型光源2は、時点T2におけるOFF状態(0%点灯状態)から時点T3におけるON状態(100%点灯状態)まで時間的傾きを持って点灯(徐増点灯)する。
【0032】
時点T2から時点T3までの間は、第1半導体型光源1がON状態にあり、第2半導体型光源2がOFF状態からON状態に変化している状態にある。この結果、すれ違い配光パターンから走行配光パターンに切り替わる状態にある。このとき、出力診断手段6は、切替中状態J3にあるので、点灯回路5の出力異常の診断内容を通常の診断内容に対して変更する。
【0033】
すなわち、時点T2から時点T3までの間は、OFF状態からON状態に変化している状態にある第2半導体型光源2に流れる電流は、徐々に増加変化していて、また、ON状態にある第1半導体型光源1に流れる電流は、変動している。このために、出力診断手段6が通常の診断内容で点灯回路5の出力異常を診断した場合には、異常ではないのに異常であると誤診断する場合がある。
【0034】
すなわち、走行配光パターンからすれ違い配光パターンに切り替わるのに伴って、点灯回路5からの出力電圧・出力電流が変動するが、この変動幅が部品公差や温度特性などにより必ずしも一意に定められるものではない。このために、出力診断手段6の診断の基準設定によっては、「実際には正常である」にもかかわらずに「異常である」と誤診断する場合がある。
【0035】
そこで、出力診断手段6は、点灯回路5の出力異常の診断内容を通常の診断内容に対して変更して、前記の誤診断を防止する。診断内容の変更は、点灯回路5の出力異常の診断を停止させる、あるいは、点灯回路5の出力異常を診断するための時間的閾値を変更させるである。
【0036】
時点T3以降は、第1半導体型光源1および第2半導体型光源2がON状態にある。この結果、走行配光パターンが照射される。このとき、出力診断手段6は、通常状態J2にあるので、点灯回路5の出力異常を通常の内容で診断する。
【0037】
(
図4の作用の説明)
つぎは、
図4について説明する。時点T4までは、第1半導体型光源1および第2半導体型光源2がON状態にある。この結果、走行配光パターンが照射される。このとき、出力診断手段6は、通常状態J2にあるので、点灯回路5の出力異常を通常の内容で診断する。
【0038】
時点T4において、所定の点灯条件たとえばすれ違い配光パターン照射条件が成立する。すると、ランプスイッチSがLO位置に位置するので、バイパス制御手段4が電流バイパス手段3に電流を時間的傾きを持って流す。このために、第2半導体型光源2に流れる電流が時間的傾きを持って遮断される。これにより、第2半導体型光源2は、時点T4におけるON状態(100%点灯状態)から時点T5におけるOFF状態(0%点灯状態)まで時間的傾きを持って消灯(徐減消灯)する。
【0039】
時点T4から時点T5までの間は、第1半導体型光源1がON状態にあり、第2半導体型光源2がON状態からOFF状態に変化している状態にある。この結果、走行配光パターンからすれ違い配光パターンに切り替わる。このとき、出力診断手段6は、切替中状態J3にあるので、点灯回路5の出力異常の診断内容を通常の診断内容に対して変更する。
【0040】
すなわち、時点T4から時点T5までの間は、ON状態からOFF状態に変化している状態にある第2半導体型光源2に流れる電流は、徐々に減少変化していて、また、ON状態にある第1半導体型光源1に流れる電流は、変動している。このために、出力診断手段6が通常の診断内容で点灯回路5の出力異常を診断した場合には、異常ではないのに異常であると誤診断する場合がある。
【0041】
すなわち、走行配光パターンからすれ違い配光パターンに切り替わるのに伴って、点灯回路5からの出力電圧・出力電流が変動するが、この変動幅が部品公差や温度特性などにより必ずしも一意に定められるものではない。このために、出力診断手段6の診断の基準設定によっては、「実際には正常である」にもかかわらずに「異常である」と誤診断する場合がある。
【0042】
そこで、出力診断手段6は、点灯回路5の出力異常の診断内容を通常の診断内容に対して変更して、前記の誤診断を防止する。診断内容の変更は、点灯回路5の出力異常の診断を停止させる、あるいは、点灯回路5の出力異常を診断するための時間的閾値を変更させるである。
【0043】
ここで、走行配光パターンからすれ違い配光パターンへの切替を瞬間的(時点T4から時点T5までの間の時間が短い)に行うと、第1半導体型光源1の両端には瞬間的に約2倍の電圧(第1半導体型光源1および第2半導体型光源2の両端電圧)が印加されて、第1半導体型光源1が破損する可能性がある。このために、走行配光パターンからすれ違い配光パターンに切り替える場合には、時間的傾き(フィードバック制御の応答時間<電流バイパス回路のインピーダンス低下時間)を持って、第1半導体型光源1に過大な負荷がかからないように制御されている。なお、時間的傾きの制御の他に、切替の直前において、点灯回路5側で出力電圧を十分に低下させる制御がある。
【0044】
時点T5から時点T6までの間は、第1半導体型光源1がON状態にあり、第2半導体型光源2がOFF状態にある。この結果、すれ違い配光パターンが照射される。このとき、出力診断手段6は、通常状態J2にあるので、点灯回路5の出力異常を通常の内容で診断する。
【0045】
時点T6において、所定の点灯条件たとえばOFF条件が成立する。すると、ランプスイッチSがOFF位置に位置するので、点灯回路5が第1半導体型光源1および第2半導体型光源2に出力する電流を遮断する。このために、第1半導体型光源1および第2半導体型光源2がOFF状態にある。このとき、出力診断手段6は、停止状態J1にある。
【0046】
(
図5の作用の説明)
さらに、
図5について説明する。時点T7までは、ランプスイッチSがOFF位置に位置するので、第1半導体型光源1および第2半導体型光源2がOFF状態にある。このとき、出力診断手段6は、停止状態J1にある。
【0047】
時点T7において、所定の点灯条件たとえばすれ違い配光パターン照射条件が成立する。すると、ランプスイッチSがLO位置に位置するので、点灯回路5が第1半導体型光源1に電流を流す。一方、バイパス制御手段4が電流バイパス手段3に第1半導体型光源1からの全部の電流を流して、第2半導体型光源2に電流を流さない。
【0048】
時点T7から時点T8までの間は、第1半導体型光源1がON状態にあり、第2半導体型光源2がOFF状態にある。この結果、すれ違い配光パターンが照射される。このとき、出力診断手段6は、通常状態J2にあるので、点灯回路5の出力異常を通常の内容で診断する。
【0049】
時点T8以降において、運転者が意図的にランプスイッチSをLO位置とHI位置と反復操作する(パッシング操作する)。すると、出力診断手段6は、切替中状態J3にあるので、点灯回路5の出力異常の診断内容を通常の診断内容に対して変更して診断する。ところが、出力異常診断が完了する前に、ランプスイッチSが切り替わると、出力診断手段6が診断途中の出力異常診断を中断してリセットし、新たに出力異常診断を開始する。このために、出力異常診断ができなくなる場合がある。
【0050】
そこで、制御装置7は、点灯回路5を介して、電流バイパス手段3に流す電流の状態変化が所定時間(たとえば、約数秒間、時点T8から時点T9までの間の時間)以上経過する場合において、すなわち、時点T9において、第2半導体型光源2を強制的にOFF状態にする。
【0051】
このために、時点T9以降においては、第1半導体型光源1のみがON状態にあり、すれ違い配光パターンが照射されることとなる。このとき、出力診断手段6は、通常状態J2にあるので、点灯回路5の出力異常を通常の内容で診断する。
【0052】
(
図2のフローチャートの説明)
以下、
図2に示すフローチャートの工程の処理手順(作用)について説明する。まず、初期設定されて処理手順がスタートする(初期設定 S1)。ここで、前提条件として、ランプスイッチSがLO位置に位置していてすれ違い配光パターンが照射されているとする。
【0053】
制御装置7は、点灯条件を判断する(点灯条件判断 S2)。すなわち、ランプスイッチSの位置が同一であるか否かを判断する(同一? S3)。
【0054】
ここで、ランプスイッチSの位置がLO位置の場合、すなわち、スイッチSの位置が同一の場合、制御装置7は、配光パターンの切替状態を判断する(切り替わり判断 S4)。すなわち、走行配光パターンからすれ違い配光パターンへの切替が完了したか否かを判断する(完了? S5)。
【0055】
ここで、走行配光パターンからすれ違い配光パターンへの切替が完了している場合(
図4中の時点T5を参照)、制御装置7を介して出力診断手段6は、点灯回路5の出力異常を通常状態J2における内容で診断する(出力異常判断(通常) S6)。すなわち、出力診断手段6は、点灯回路5の出力が正常であるか否か診断(判断)する(正常? S7)。
【0056】
ここで、点灯回路5の出力が正常である場合、制御装置7は、点灯回路5の出力を継続させ(出力継続 S8)、その後(S2)に戻る。前記の(S7)において、点灯回路5の出力が異常である場合、制御装置7は、点灯回路5の出力を停止させ(出力停止 S9)、その後(S2)に戻る。
【0057】
ここで、ランプスイッチSがLO位置からHI位置に切り替えられる(
図3中の時点T2を参照)。すると、スイッチの位置が同一ではない。この場合、制御装置7は、配光パターンをすれ違い配光パターンから走行配光パターンに切り替えるために、点灯回路5およびバイパス制御手段4を介して、電流バイパス手段3の接点を開放状態とする(バイパスOFF(略開放) S10)。これにより、第2半導体型光源2に電流が時間的傾きを持って流れて、配光パターンが時間的傾きを持ってすれ違い配光パターンから走行配光パターンに切り替わる(
図3中の時点T2から時点T3までの間を参照)。
【0058】
そして、制御装置7を介して出力診断手段6は、点灯回路5の出力異常を切替中状態J3における内容で診断する(出力異常判断(切り替わり中) S11)。すなわち、出力診断手段6は、点灯回路5の出力が正常であるか否か診断(判断)する(正常? S7)。
【0059】
ここで、点灯回路5の出力が正常である場合、制御装置7は、点灯回路5の出力を継続させ(出力継続 S8)、その後(S2)に戻る。前記の(S7)において、点灯回路5の出力が異常である場合、制御装置7は、点灯回路5の出力を停止させ(出力停止 S9)、その後(S2)に戻る。
【0060】
ここで、ランプスイッチSがHI位置からLO位置に切り替えられる(
図4中の時点T4を参照)。すると、スイッチの位置が同一ではない。この場合、制御装置7は、配光パターンを走行配光パターンからすれ違い配光パターンに切り替えるために、点灯回路5およびバイパス制御手段4を介して、電流バイパス手段3の接点を接続状態とする(バイパスON(略短絡) S12)。これにより、第2半導体型光源2への電流が時間的傾きを持って遮断されて、配光パターンが時間的傾きを持って走行配光パターンからすれ違い配光パターンに切り替わる(
図3中の時点T2から時点T3までの間を参照)。
【0061】
そして、制御装置7を介して出力診断手段6は、点灯回路5の出力異常を切替中状態J3における内容で診断する(出力異常判断(切り替わり中) S11)。すなわち、出力診断手段6は、点灯回路5の出力が正常であるか否か診断(判断)する(正常 S7)。
【0062】
ここで、点灯回路5の出力が正常である場合、制御装置7は、点灯回路5の出力を継続させ(出力継続 S8)、その後(S2)に戻る。前記の(S7)において、点灯回路5の出力が異常である場合、制御装置7は、点灯回路5の出力を停止させ(出力停止 S9)、その後(S2)に戻る。
【0063】
ここで、ランプスイッチSがLO位置からOFFに切り替えられる(
図4中の時点T6を参照)。すると、スイッチの位置が同一ではない。この場合、制御装置7は、すれ違い配光パターンを消すために、点灯回路5の出力を停止させ(出力停止 S9)、その後(S2)に戻る。
【0064】
ここで、前記の(S5)において、走行配光パターンからすれ違い配光パターンへの切替が完了していない場合(
図4中の時点T4から時点T5までの間を参照)、または、すれ違い配光パターンから走行配光パターンへの切替が完了していない場合(
図3中の時点T2から時点T3までの間を参照)は、前記の(S11)に進む。
【0065】
ここで、運転者が意図的にランプスイッチSをLO位置とHI位置と反復操作する(パッシング操作する)。すると、出力診断手段6は、切替中状態J3にあるので、点灯回路5の出力異常の診断内容を通常の診断内容に対して変更して診断する(S11)。ところが、出力異常診断が完了する前に、ランプスイッチSが切り替わると、出力診断手段6が診断途中の出力異常診断を中断してリセットし、新たに出力異常診断を開始する。このために、出力異常診断ができなくなる場合がある。すなわち、前記の(S7)の工程が終了しない。
【0066】
このときは、制御装置7は、電流バイパス手段3に流す電流の状態変化が所定時間(たとえば、約数秒間、時点T8から時点T9までの間の時間)以上経過する場合において、すなわち、時点T9において、第2半導体型光源2を強制的にOFF状態にする。このために、すれ違い配光パターンが照射され、出力診断手段6による点灯回路5の出力異常診断を継続して行われる。
【0067】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0068】
この実施形態にかかる車両用灯具は、電流バイパス手段3に流す電流の状態を変化させている間(すなわち、点灯回路5からの出力電圧・出力電流が変動している間)の出力診断手段6の出力診断内容を、電流バイパス手段3に流す電流の状態を変化させていない間(すなわち、点灯回路5からの出力電圧・出力電流が変動していない間)の出力診断手段6の出力診断内容に対して、変更させるものである。このために、電流バイパス手段3に流す電流の状態を変化させている間において、電流バイパス手段3に流す電流の状態を変化させていない間の出力診断手段6の出力診断内容による、誤診断を確実に防ぐことができる。すなわち、出力診断手段6による点灯回路5の出力異常診断を確実に行うことができる。
【0069】
この実施形態にかかる車両用灯具は、出力診断手段6の変更される内容が、点灯回路5の出力異常の診断を停止させる内容である。このために、出力診断手段6による点灯回路5の出力異常診断をさらに確実に行うことができる。
【0070】
この実施形態にかかる車両用灯具は、出力診断手段6の変更される内容が、点灯回路5の出力異常を診断するための時間的閾値を変更させる内容である。このために、出力診断手段6による点灯回路5の出力異常診断をさらに確実に行うことができる。しかも、出力診断手段6による点灯回路5の出力異常診断を継続して行われる。
【0071】
この実施形態にかかる車両用灯具は、電流バイパス手段3に流す電流の状態変化が所定時間以上経過する場合においては、電流バイパス手段3に流す電流の状態変化を制限する。このために、強制的に安定点灯状態に固定して、出力診断手段6による点灯回路5の出力異常診断を継続して行われるようにするものである。すなわち、この例では、ランプスイッチSのLO位置HI位置の切り替わり動作を制限して、ランプスイッチSをLO位置に固定することにより、点灯回路5の出力異常診断を正常に行われるようにするものである。
【0072】
(実施形態以外の例の説明)
この実施形態においては、すれ違い配光パターンを照射する場合、電流バイパス手段3の接点を接続状態として、第1半導体型光源1からの全電流を、電流バイパス手段3に流して、第2半導体型光源2に流れないようにしている。すなわち、第2半導体型光源2は、完全消灯の状態にある。ところが、この発明においては、第1半導体型光源1からの電流の一部を電流バイパス手段3に流して、第1半導体型光源1からの残りの電流を第2半導体型光源2に流すようにして、第2半導体型光源2を第1半導体型光源1よりも少ない電流で点灯させるようにしても良い。