特許第6209865号(P6209865)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209865
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】車両用照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20171002BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20171002BHJP
   F21W 101/12 20060101ALN20171002BHJP
   F21W 101/14 20060101ALN20171002BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171002BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20171002BHJP
【FI】
   F21S8/10 371
   F21S8/10 373
   F21S8/10 390
   F21V8/00 310
   F21V8/00 360
   F21W101:12
   F21W101:14
   F21Y115:10
   F21Y115:30
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-114683(P2013-114683)
(22)【出願日】2013年5月30日
(65)【公開番号】特開2014-235787(P2014-235787A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畑中 登志浩
(72)【発明者】
【氏名】土屋 竜二
(72)【発明者】
【氏名】小杉 大資
【審査官】 津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−122466(JP,A)
【文献】 特開2004−093623(JP,A)
【文献】 特開2013−020858(JP,A)
【文献】 特開2007−220465(JP,A)
【文献】 特表2008−532297(JP,A)
【文献】 特開2003−260975(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02876473(EP,A1)
【文献】 国際公開第2003/071352(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/00
F21S 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の発光素子を有する発光部と、
前記発光部を保持する保持部と、
入射された前記発光部からの光を導光し、前記発光部側と反対側の先端部から出射する円柱状のライトガイドと、
先端部を露出させた状態で前記ライトガイドが挿入される開口部を有し、前記保持部との間で形成された空間部に、前記ライトガイドの一部および前記発光部を収納する蓋部と、
を有し、
前記ライトガイドは、前記ライトガイドの径方向に突出して形成された固定部を有し、前記固定部の外径が、前記固定部から先端部側の外径よりも大きく、前記ライトガイドが前記開口部に挿入された状態で、前記固定部が前記蓋部の内側で前記蓋部に固定されると共に前記ライトガイドの先端部側部分が前記開口部から前記蓋部の外側へ露出され、前記固定部から先端部側の外径が、前記固定部よりも前記発光部側の外径よりも大きく、
前記蓋部の前記開口部には、前記固定部を挿入可能な切り欠き部が形成され、前記切り欠き部に対して前記ライトガイドの軸まわりに回転された前記固定部が、前記蓋部に固定されている車両用照明装置。
【請求項2】
記蓋部は、前記ライトガイドの径方向において前記ライトガイドと対向する位置決め部を有し、
前記位置決め部は、前記空間部において周方向に少なくとも1つ形成されている請求項1に記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記位置決め部と、前記ライトガイドとは、離間されている請求項2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記車両用照明装置が装着される灯具を更に有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記ライトガイドの先端部は、前記灯具内に露出されている請求項4に記載の車両用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子を光源とした車両用照明装置は、フロントコンビネーションライトやリアコンビネーションライトに用いられている。発光素子を照明装置として用いる場合は、発光素子の熱対策が重要な項目となる。発光素子は、素子自体の温度上昇に伴い発光効率が低下する特性を有しているためである。特に、車両用照明装置では、車載のため、−40℃の低温環境から85℃の高温環境までの使用環境下で機能を維持することが要求されており、高温環境下での熱対策が重要となる。また、車両用照明装置では、小型化が要求されていることから、放熱面積を十分に確保することができないため、熱対策がさらに重要となる。ところで、車両用照明装置では、発光素子からの光を導光して、例えば灯具に照射するライトガイドを有するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−182554号公報
【特許文献2】特開2012−243735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライトガイドを用いる場合は、発光素子が収納されているカバーにライトガイドを固定する必要がある。例えば、ライトガイドの発光素子と対向する発光素子側にフランジ状の固定部を形成し、固定部をカバー内部に形成された受け部に挿入し、ライトガイドのうち固定部から発光素子側と反対側を、カバーに密着させた状態で固定することが考えられる。この場合は、ライトガイドに導光された発光素子からの光は、ライトガイドとカバーとの境界でカバー側に漏れる虞があり、ライトガイドからの光の取り出し効率が低下する問題がある。
【0005】
本発明は、ライトガイドを固定することで、ライトガイドからの光の取り出し効率が低下することを抑制することができる車両用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、発光部と、保持部と、ライトガイドと、蓋部とを有する。発光部は、1以上の発光素子を有する。保持部は、発光部を保持する。ライトガイドは、入射された発光部からの光を導光し、発光部側と反対側の先端部から出射する。蓋部は、先端部を露出させた状態でライトガイドが挿入される開口部を有し、保持部との間で形成された空間部に、ライトガイドの一部および発光部を収納する。また、ライトガイドは、開口部に挿入された状態で、蓋部に固定される固定部を有し、固定部から先端部側の外径が、固定部よりも発光部側の外径よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ライトガイドを蓋部に固定することで、ライトガイドからの光の取り出し効率が低下することを抑制することができる照明装置および車両用照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1の照明装置を示す一部断面図である。
図2図2は、実施形態1の照明装置のライトガイドを示す平面図である。
図3図3は、実施形態1の照明装置の蓋部を示す平面図である。
図4図4は、実施形態1の照明装置の変形例を示す一部断面図である。
図5図5は、実施形態1の照明装置の変形例における蓋部を示す平面図である。
図6図6は、実施形態の照明装置の変形例1を示す一部断面図である。
図7図7は、実施形態の照明装置の変形例2を示す一部断面図である。
図8図8は、実施形態の照明装置の変形例3を示す一部断面図である。
図9図9は、実施形態2の照明装置を示す一部断面図である。
図10図10は、実施形態2の照明装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態に係る照明装置1−1〜1−6は、発光部2と、保持部3と、ライトガイド4と、蓋部5とを有する。発光部2は、1以上の発光素子21を有する。保持部3は、発光部2を保持する。ライトガイド4は、入射された発光部2からの光を導光し、発光部2側と反対側の先端部4aから出射する。蓋部5は、先端部4aを露出させた状態でライトガイド4が挿入される開口部51を有し、保持部3との間で形成された空間部Sに、ライトガイド4の一部および発光部2を収納する。また、ライトガイド4は、開口部51に挿入された状態で、蓋部5に固定される固定部41を有し、固定部41から先端部4a側の外径D2が、固定部41よりも発光部2側の外径D1よりも大きい。
【0010】
また、以下に説明する実施形態に係る照明装置1−1,1−3〜1−5では、蓋部5は、ライトガイド4の径方向においてライトガイド4と対向する位置決め部52を有し、位置決め部52は、空間部Sにおいて周方向に少なくとも1つ形成されている。
【0011】
また、以下に説明する実施形態に係る照明装置1−1〜1−6では、固定部41は、ライトガイド4の径方向に突出しており、周方向に少なくとも1つ形成されている。
【0012】
また、以下に説明する実施形態に係る照明装置1−1,1−2,1−5では、固定部41の外径D3は、固定部41よりも先端部4a側の外径D2よりも大きく、固定部41は、蓋部5の内側で蓋部5に固定される。
【0013】
また、以下に説明する実施形態に係る照明装置1−4では、固定部43は、蓋部5の外側で蓋部5に固定される。
【0014】
また、以下に説明する実施形態に係る照明装置1−6は、発光部2と、保持部3と、ライトガイド4と、蓋部5とを有する。発光部2は、1以上の発光素子21を有する。保持部3は、発光部2を保持する。ライトガイド4は、入射された発光部2からの光を導光し、発光部2側と反対側の先端部4aから出射する。蓋部5は、先端部4aを露出させた状態でライトガイド4が挿入される開口部51を有し、保持部3との間で形成された空間部Sに、ライトガイド4の一部および発光部2を収納する。また、ライトガイド4は、開口部51に挿入された状態で、蓋部5に固定される固定部45を有し、固定部44から先端部4a側の外径D2は、固定部45よりも発光部2側の外径D1と同じであり、固定部45の外径D3は、固定部45から先端部4a側の外径D2よりも大きい。
【0015】
また、以下に説明する実施形態に係る照明装置1−1〜1−6は、少なくとも1以上有することで車両用照明装置を構成する。
【0016】
〔実施形態1〕
図1図3を参照して、実施形態を説明する。図1は、実施形態1の照明装置を示す一部断面図である。図2は、実施形態1の照明装置のライトガイドを示す平面図である。図3は、実施形態1の照明装置の蓋部を示す平面図である。なお、図1図4図6図9も同様)は、主にライトガイドおよび蓋部が、軸方向を含む平面における断面形状で表されている。
【0017】
本実施形態の照明装置1−1は、車両のエクステリア、あるいはインテリアにおいて用いられる車両用照明装置に用いられるものであり、例えば、フロントコンビネーションライト、リアコンビネーションライトなどを構成するストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、フォグランプである。これらの構成は、図示しない灯具と、1以上の照明装置1−1とを含んで構成されている。灯具は、例えば、図示しないレンズとリフレクタとを有する。灯具は、照明装置1−1の一部を露出させるための図示しない挿入口が形成されており、照明装置1−1を挿入口から灯具内部に挿入した状態で、灯具に取り付けられている。なお、固定に際し、灯具と照明装置1−1との間には、図示しないシール部材が介在している。照明装置1−1は、灯具内部に光を照射するものであり、図1に示すように、発光部2と、保持部3と、ライトガイド4と、蓋部5とを含んで構成されている。照明装置1−1は、発光部2およびライトガイド4の一部が蓋部5に収納され、ライトガイド4が蓋部5に固定されている。本実施形態では、灯具には、1つの照明装置1−1が装着されているがこれに限定されるものではなく、2以上の照明装置1−1が装着されていてもよい。
【0018】
発光部2は、光を照射するものであり、基板22に実装された発光素子21を有する。発光素子21は、LED、LDなどの光を照射する半導体素子であり、1個以上、本実施形態では複数個が直列あるいは並列に基板22に直接実装されている。各発光素子21は、図示しないワイヤを介して基板22と電気的に接続されている。基板22は、発光素子21を実装する実装用基板であるとともに発光部2に電力を供給する駆動回路を実装する駆動用基板でもある。基板22は、ライトガイド4側が部品配置面であり、上記各発光素子21や各発光素子21を制御する図示しない制御素子が実装されている。基板22は、部品配置面と反対側の面を放熱面として、本実施形態では、放熱面が保持部3の本体部31に当接した状態で固定されている。また、基板22は、例えば、熱伝導率の高い金属やセラミックスなど発光素子21が発生する熱移動が容易な材料で形成されている絶縁基板である。基板22は、図示しない給電部材と接続されており、照明装置1−1の外部に設けられた図示しない外部電源と電気的に接続され、各発光素子21に給電部材を介して外部電源の電力が供給される。なお、各発光素子21と給電部材との接続は、並列あるいは直列のいずれであってもよい。
【0019】
保持部3は、発光部2を保持するものであり、発光部2からの熱を放熱する放熱部材でもある。保持部3のうち、発光部2が載置される本体部31は、樹脂材料で構成されており、本実施形態では、放熱性を向上させるために、金属を材料として形成されたヒートシンク32が樹脂材料で構成された本体部31に取り付けられている。ヒートシンク32は、保持部3の外部に対する表面積を拡大するものであるので、放熱面積が向上し、放熱効果が向上する。なお、保持部3の本体部31とヒートシンク32は、放射性の高い樹脂などで一体的に成形された構成でもよい。
【0020】
ライトガイド4は、入射された発光部2からの光を導光して、発光部2側と反対側の先端部4aから出射し、本実施形態では、灯具に照射するものである。ライトガイド4は、円柱形状に形成されており、例えば、透明なアクリル樹脂、ガラス、ポリカーボネートなどの光線透過率の高い材料により形成されている。ライトガイド4は、固定部41と、発光部用凹部42とを含んで構成されている。
【0021】
固定部41は、蓋部5に固定されるものであり、軸方向、すなわち照明装置1−1の上下方向において、ほぼ中央部にライトガイド4の径方向に突出して形成されている。固定部41は、本実施形態では、図2に示すように、周方向に等間隔に2つ形成されている。ここで、ライトガイド4のうち、固定部41よりも先端部4a側を先端部側部分4bと、発光部2側を発光部側部分4cとする。先端部側部分4bおよび発光部側部分4cは、円柱形状であり、先端部側部分4bの外径D2が発光部側部分4cの外径D1よりも大きく形成されている。また、固定部41の外径D3(ライトガイド4の中心軸と、固定部41のうち中心軸から最も遠い外周面との距離の2倍)は、ライトガイド4の最大外径となるように形成されている。つまり、発光部側部分4cの外径D1と、先端部側部分4bの外径D2と、固定部41の外径D3とは、D1<D2<D3の関係となる。従って、固定部41から先端部4a側の外径D2が、固定部41よりも発光部2側の外径D1よりも大きくなる。また、先端部側部分4bの外径D2は、発光部2からライトガイド4に導光される光(図1に示すL1,L2)のうち、固定部41と発光部側部分4cとの境界を通過する光(L1)が、固定部41の先端部4a側の面に入射しないように設定されている。
【0022】
発光部用凹部42は、発光部2側の端面(下面)に形成されており、発光部2が挿入されるものである。発光部用凹部42により発光部2が囲まれたことで、発光部2の水平方向から発光部2からの光がライトガイド4から漏れることを抑制することができる。なお、ライトガイド4は、発光部2と接触、あるいは若干の隙間をもって光学的に接続されている。つまり、発光部2からの光は、ライトガイド4の発光部2側の端面から入射され、ライトガイド4内を全反射しながら先端部4a、本実施形態では先端部4a側の端面(上面)から外部に出射される。
【0023】
蓋部5は、ライトガイド4を固定するものであるとともに、保持部3に固定されるものである。蓋部5は、図1に示すように、有底円筒状に形成されており、保持部3との間で空間部Sが形成されている。従って、発光部2は、空間部Sに収納されており、外部に対して露出していない。蓋部5は、開口部51と、位置決め部52とを含んで構成されている。また、蓋部5の上面5aと接続される外周面には、灯具に照明装置1−1を取り付けるための図示しない取付部が形成されている。
【0024】
開口部51は、蓋部5の上面5aの中央部に形成されており、ライトガイド4が挿入されるものである。本実施形態では、ライトガイド4が上面5a側から挿入されるものであり、ライトガイド4の一部、すなわち発光部側部分4cおよび固定部41が空間部Sに収納される。ここで、ライトガイド4が開口部51に挿入された状態で固定部41が蓋部5に固定されると、開口部51から先端部4aが露出した状態となる。開口部51には、切欠部51aが形成されている。切欠部51aは、開口部51の径方向に突出して、本実施形態では、図3に示すように、各固定部41が挿入できるように、周方向に等間隔に2つ形成されている。なお、開口部51の径は、ライトガイド4が蓋部5に固定された際に、水平方向においてライトガイド4の外周面と蓋部5とが接触して、あるいは隙間を形成して対向するように設定されている。ライトガイド4と蓋部5との境界から蓋部5側にライトガイド4が導光する光が漏れることを抑制する場合は、開口部51においてライトガイド4の外周面と蓋部5とに隙間を形成、すなわちライトガイド4の外周面と蓋部5とを接触しないように、対向させることが好ましい。
【0025】
位置決め部52は、図1に示すように、ライトガイド4の径方向においてライトガイド4と対向するものであり、空間部Sに形成されている。位置決め部52は、本実施形態では、図中1−1の上下方向において空間部Sのほぼ中央部に配置される。また、位置決め部材52は、図3に示すように、蓋部5の中心Oに向かって突出した略扇状に形成されており、ライトガイド4の径方向において対向するように2つ形成されている。位置決め部52は、ライトガイド4が開口部51に挿入された状態で、ライトガイド4のうち固定部41よりも発光部2側、すなわち発光部側部分4cとライトガイド4の径方向において対向する。2つの位置決め部52の間に形成される位置決め空間部53は、蓋部5の中心Oを含む幅D4がライトガイド4の外径、ここでは発光部側部分4cのD1よりも若干大きく設定されている。つまり、各位置決め部52がライトガイド4に接触した状態で、ライトガイド4が蓋部5に固定されることを抑制する。従って、ライトガイド4の外周面と蓋部5とが接触することにより、ライトガイド4と蓋部5との境界から蓋部5側にライトガイド4が導光する光が漏れることを抑制することができる。
【0026】
次に、照明装置1−1の組み立てについて説明する。まず、図1に示すように、予め保持部3に発光部2を保持させる。次に、固定部41と切欠部51aとが、図中1−1の上下方向において対向した状態で、ライトガイド4を蓋部5の開口部51に挿入する。このとき、発光部側部分4cは、位置決め空間部53を通過する。次に、固定部41が切欠部51aを介して蓋部5の内側(空間部S)に位置すると、ライトガイド4が開口部51に挿入された状態で、固定部41を蓋部5に対して軸周りに回転させて固定する。なお、ライトガイド4の蓋部5に対する固定方法は、特に限定されるものではなく、係合手段や、締結手段などの機械的な固定手段や、接着などの化学的な固定手段のいずれであってもよい。これにより、固定部41は、蓋部5のうち、上面5aの空間部S側、すなわち蓋部5の内側で蓋部5に接触し、固定される。次に、ライトガイド4が固定された蓋部5に保持部3を挿入し固定する。このとき、位置決め部52によりライトガイド4の径方向および固定部41によりライトガイド4の軸方向に位置決めされたライトガイド4の発光部用凹部42に発光部2が挿入される。従って、ライトガイド4の蓋部5への挿入時に、ライトガイド4の軸方向における位置決めを位置決め部52により行うことができる。また、ライトガイド4の軸方向の位置決めは、ライトガイド4の径方向に突出した固定部41を上面5aの空間部S側に接触させることで確実に行うことができる。これにより、ライトガイド4の軸方向および径方向の位置決めを予め行ってあるので、蓋部5を保持部3に固定しても、ライトガイド4が発光部2と接触することを抑制することができる。さらに、図示しない取付部により、照明装置1−1は、灯具にライトガイド4の先端部4aが灯具内部に露出した状態で、取り付けられる。
【0027】
次に、照明装置1−1の動作について説明する。照明装置1−1は、上述のように灯具に取り付けられ、給電部材が外部電源と電気的に接続される。外部電源から電力の供給が開始されると、給電部材を介して基板22に供給された外部電源からの電力は、各発光素子21が供給された電力により発光することで発光部2が発光する。発光部2から照射された光(同図に示すL1,L2)は、発光部用凹部42からライトガイド4に入射する。ライトガイド4内を導光された光は、先端部4aから灯具内に出射され、灯具内から図示しないレンズを透過して外部、すなわち車両外部に照射される。
【0028】
以上のように、本実施形態に係る照明装置1−1は、ライトガイド4が蓋部5の開口部51に挿入された状態で、固定部41により蓋部5に固定されるので、ライトガイド4と蓋部5との接触面積を減少させることができる。従って、ライトガイド4の大部分が空間部S、すなわち空気層と接触できるため、ライトガイド4の外周面と蓋部5とが接触することにより、ライトガイド4と蓋部5との境界から蓋部5側にライトガイド4が導光する光が漏れることを抑制することができる。また、固定部41により蓋部5に固定され、先端部側部分4bの外径D2が発光部側部分4cの外径D1よりも大きいので、ライトガイド4に導光される発光部2からの光が固定部41の先端部4a側の面に反射して先端部4aまで導光されるまでの屈折回数が増加することを抑制することができる。従って、光路が長くなることを抑制することができるとともに、固定部41から外部に出射される光を減少させることができる。これらにより、ライトガイド4を蓋部5に固定することでライトガイド4からの光の取り出し効率が低下することを抑制することができる。
【0029】
なお、上記実施形態1では、蓋部5に位置決め部52を設けたが本発明はこれに限定されるものではない。図4は、実施形態1の照明装置の変形例を示す一部断面図である。図5は、実施形態1の照明装置の変形例における蓋部を示す平面図である。図4に示すように、照明装置1−2の蓋部5は、図1に示す位置決め部材52を設けなくてもよい。この場合は、固定部41と開口部51とが、図中1−2の上下方向において対向した状態で、ライトガイド4を空間部S側から開口部51に挿入することができる。従って、図5に示すように、蓋部5は、図3に示す切欠部51aを設けなくてもよい。
【0030】
なお、上記実施形態1では、ライトガイド4の形状を円柱形状としたがこれに限定されるものではない。図6は、実施形態の照明装置の変形例1を示す一部断面図である。図7は、実施形態の照明装置の変形例2を示す一部断面図である。図8は、実施形態の照明装置の変形例3を示す一部断面図である。先端部側部分4bの外径D2は、発光部2側の端部から先端部4aまで一定でなくてもよい。図6に示すように、照明装置1−3は、先端部側部分4bの発光部2側から蓋部5から露出する一部までを一定の外径D2とし、それよりも先端部4a側の外径を縮小し、先端部4aを外径D2よりも小さい外径D5としてもよい。また、図7に示すように、照明装置1−4は、先端部側部分4bの発光部2側の端部から先端部4aまでの外径を拡大し、先端部4aを発光部2側の端部の外径D2よりも大きい外径D6としてもよい。つまり、先端部側部分4bの発光部2側の端部の外径D2が発光部側部分4cの外径D1よりも大きければ、先端部4aの形状を変化させることで、導光する光(図6に示すL3,L4、図7に示すL5,L6)の光路を変更して、配光特性を変更してもよい。なお、図7に示すように、先端部側部分4bの周囲を囲うように固定部43を形成してもよい(固定部43の発光部2側の端部の外径D3は、先端部側部分4bの発光部2側の端部の外径D2と同じ)。つまり、先端部側部分4bを固定部43として機能させてもよい。この場合、後述する実施形態2と同様に、固定部43が蓋部5の外側で固定される。
【0031】
また、図8に示すように、照明装置1−5は、先端部4aに凹部44を形成してもよい。凹部44は、円錐状、楕円錐状、底円筒状(例えば、底面は水平)、円錐台状(ライトガイド4の軸を含む平面における断面形状では、先端部4aに向かって裾広がりとなる台形)などに形成されていてもよい。また、凹部44は、断面形状における外周線が直線、曲線のいずれであってもよい。また、凹部44の凹部表面は、粗面で形成されていてもよい。例えば、凹部表面は、表面粗さRaが0.2以上と、表面が粗くなるように形成されている。従って、凹部表面に入射する光は、凹部表面が粗面であることで、散乱されて凹部表面から外部に放射されるので、配光特性を凹部表面が粗面で形成されていない場合の配光特性と異ならせることができる。例えば、配光特性を白熱電球状とすることができる。なお、凹部44の凹部表面に反射材料や散乱材料を密接させてもよい。反射材料は、例えば、ライトガイド4を形成する材料と同じ材料を母材として反射材料(白色粒子など)を含んだ材料であり、ライトガイド4から反射材料に入射した光をライトガイド4内に反射することで、反射材料からライトガイド4の外部に光が放射することを抑制することができる。散乱材料は、例えば、ライトガイド4を形成する材料と同じ材料を母材として散乱材料(散乱粉末など)を含んだ材料であり、凹部表面を介して散乱材料に入射する光を散乱し、凹部44から外部に放射するので、配光特性を凹部表面が粗面で形成されていない場合の配光特性と異ならせることができる。つまり、先端部4aの形状を変更等することで、照明装置1−5の配光特性を所望の配光特性に変更することができる。
【0032】
〔実施形態2〕
次に、実施形態2について説明する。図9は、実施形態2の照明装置を示す一部断面図である。図10は、実施形態2の照明装置を示す平面図である。実施形態2に係る照明装置1−6の基本的構成は、実施形態1に係る照明装置1−1と同様であるためその説明は省略あるいは簡略化する。図9に示す照明装置1−6が照明装置1−1と異なる点は、固定部45が蓋部5の外側で固定されている点である。
【0033】
ライトガイド4は、外径の異なる2つの部分である、固定部45から先端部4a側の先端部側部分4bと、固定部45よりも発光部側の発光部側部分4cとを有する。先端部側部分4bは、蓋部5の上面5aの空間部S側と反対側である外部側に位置するものである。発光部側部分4cは、上面5aの空間部S側に位置する。先端部側部分4bおよび発光部側部分4cは、円柱形状であり、先端部側部分4bの固定部45を除く部分の外径D2と発光部側部分4cの外径D1とは同じである。先端部側部分4bには固定部45が形成されており、本実施形態では、先端部側部分4bにおいてライトガイド4の径方向に突出して、図10に示すように、周方向に等間隔に2つ形成されている。また、固定部45の外径D3(ライトガイド4の中心軸と、固定部45のうち中心軸から最も遠い外周面との距離の2倍)は、ライトガイド4の最大外径となるように形成されている。つまり、外径D1〜D3は、D1(=D2)<D3の関係となり、固定部45から先端部4a側の外径D2が、固定部45よりも発光部2側の外径D1と同じで、固定部45の外径D3は、固定部45から先端部4a側の外径D2よりも大きくなる。ここで、固定部45は、本実施形態では、先端部4aまで延在して形成されているが、蓋部5の上面5aからの高さが先端部側部分4bよりも低くてもよい。
【0034】
照明装置1−6の組み立てにおいては、ライトガイド4を蓋部5の開口部51に挿入すると、発光部側部分4cが位置決め空間部53内を通過するとともに、固定部45が蓋部5の上面5aと接触する。この状態で、固定部45を蓋部5に対して固定することで、固定部45が、蓋部5のうち、上面5aの外部側、すなわち蓋部5の外側で蓋部5に接触し、固定される。ライトガイド4の軸方向の位置決めは、ライトガイド4の径方向に突出した固定部45を上面5aの外部側に接触させることで確実に行うことができる。
【0035】
以上のように、本実施形態に係る照明装置1−6は、上記実施形態1と同様の効果を奏するとともに、ライトガイド4を蓋部5の開口部51に挿入するだけで、蓋部5に対するライトガイド4の位置決めを行うことができる。従って、組み立て作業の効率化を図ることができる。ここで、実施形態2においては、図6図8に示す変形例を適用可能である。
【0036】
なお、上記実施形態等(実施形態1,2および変形例1〜3)においては、蓋部5の上面5aに固定部41〜43,45を接触させる際に、上面5aに予め固定部41〜43,45が挿入される凹部を形成してもよい。
【0037】
また、上記実施形態等においては、ライトガイド4に発光部用凹部42を形成せず、ライトガイド4の発光部2側端部を発光部2と対向するように配置させてもよい。この場合、ライトガイド4は、発光部2からの光の全部あるいは大部分を導光するために、発光部2と接触あるいは若干の隙間をもって光学的に接続されている。この場合、発光部2は、発光素子21からの光を反射するリフレクタ23がすべての発光素子21を囲うように設けられている。リフレクタ23は、内周面が基板22側からライトガイド4側に向かって拡幅する傾斜面を有する。発光部2は、発光素子21の損傷およびワイヤの切断の防止を目的として、リフレクタ23によりできた空間部、すなわち、発光素子21を収容する発光容器に透過性を有する樹脂24を充填することで、発光素子21が樹脂封止されている。複数の発光素子21をリフレクタ23内に収容するので、基板実装可能にすでにユニット化された複数のLEDユニットをプリント基板に実装する場合と比較して、光源を小さくすることができ、基板の小型化を図ることができる。
【0038】
また、上記実施形態等においては、ライトガイド4が固定されている蓋部5は、保持部3に対して着脱可能であってもよい。この場合、各実施形態(変形例)に対応する種類の異なるライトガイド4を蓋部5に予め固定することで予めユニット化する。一方、発光部2を保持部3に保持することで予めユニット化する。そして、取り付ける灯具などに応じて要求される照明装置に対する配光特性にあったライトガイド4および蓋部5のユニットを選択し、発光部2および保持部3のユニットに装着する。これにより、ライトガイド4および蓋部5のユニットを発光部2および保持部3のユニットに対して選択・交換することで、所望の配光特性の照明装置を提供することができる。
【0039】
また、上記実施形態等では、基板22が実装用基板と駆動用基板として機能したが、実装用基板および駆動用基板は別個であってもよい。この場合、駆動用基板は、各発光素子21などの発熱量の多い部品が実装されていないことから熱移動を重視することがないため、紙フェノール、紙エポキシ、ガラスエポキシなどの安価な材料で形成されている絶縁基板とすることができる。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0041】
1−1〜1−6 照明装置
2 発光部
21 発光素子
3 保持部
4 ライトガイド
4a 先端部
41〜43,45 固定部
44 凹部
5 蓋部
51 開口部
52 位置決め部
S 空間部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10