(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示手段に表示される表示ページの内容に応じて、前記表示手段に対して無操作状態になってから前記表示手段を省電力モードへ移行させるまでの移行時間を設定する設定手段と、
前記移行時間が経過した場合に前記表示手段を省電力モードへ移行させるように前記表示手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記設定手段は、前記表示ページが複数ページの場合、前記複数ページのうち最終ページ以外のページが前記表示手段に表示された場合は、前記移行時間を、1ページ分の表示を閲覧するのに必要な時間よりも長い時間に設定し、前記最終ページが前記表示手段に表示された場合は、前記移行時間を、前記1ページ分の表示を閲覧するのに必要な時間に設定する
表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1には、画像形成装置10の概略構成を例示した。同図に示すように、画像形成装置10は、コントローラ12を含んで構成されている。
【0020】
コントローラ12は、CPU(Central Processing Unit)12A、ROM(Read オンly Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、不揮発性メモリ12D、及び入出力インターフェース(I/O)12Eがバス12Fを介して各々接続された構成となっている。
【0021】
I/O12Eには、操作表示部20、画像読取部22、画像形成部24、用紙供給部26、用紙排出部28、ネットワーク通信インターフェース(I/F)30、電話回線インターフェース(I/F)32、ハードディスク34、及びタイマ36等の各機能部が接続されている。
【0022】
操作表示部20は、例えばコピー開始等を指示するためのスタートボタンやテンキー等の各種ボタン、コピー濃度等の各種の画像形成条件を設定するための設定画面、装置の状態を表す画面等の各種画面を表示するためのタッチパネル等を含んで構成される。
【0023】
また、操作表示部20は、いわゆるWebブラウザの機能を有し、外部サイトにアクセスした際にはWebページを表示可能である。
【0024】
画像読取部22は、ラインCCD等の画像読取センサや当該画像読取センサを走査するための走査機構等を含んで構成され、装置にセットされた原稿の画像を読み取る。
【0025】
画像形成部24は、例えば所謂電子写真方式により記録媒体上に画像を形成するものである。具体的には、画像形成部24は、感光体ドラムを帯電するための帯電装置、帯電された感光体ドラム上を画像に応じた光で露光することにより感光体ドラム上に画像に応じた静電潜像を形成する露光装置、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナー現像する現像装置、感光体ドラム上に形成された画像に応じたトナー像を記録媒体に転写する転写装置、記録媒体に転写された画像に応じたトナー像を定着する定着装置等を含んで構成される。
【0026】
なお、露光装置としては、半導体レーザや回転多面鏡、コリメータレンズやシリンドリカルレンズ、fθレンズ等の光学系を含んで構成された光走査装置、複数のLEDから成るLEDヘッド等がある。
【0027】
用紙供給部26は、記録用紙が収容される用紙収容部や、用紙収容部から画像形成部24へ記録用紙を供給する供給機構等を含んで構成される。
【0028】
用紙排出部28は、記録用紙が排出される排出部や、画像形成部24で画像が形成された記録用紙を排出部に排出させるための排出機構等を含んで構成される。
【0029】
ネットワーク通信I/F30は、ネットワークを介して外部サーバとデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0030】
本実施形態では、操作表示部20がWebブラウザの機能を有しているので、ネットワーク通信I/F30を介して外部サイトにアクセスすることにより、外部サイトから提供される情報をWebページとして表示可能である。
【0031】
電話回線通信I/F32は、電話回線を介して接続された他の画像形成装置とファクシミリ通信を行うためのインターフェースである。
【0032】
ハードディスク34は、例えば装置の各部の状態や稼働状況等のログデータ、コピーやファクシミリ通信、プリント等の処理結果のログデータ、各種の設定データ、制御プログラム等が記憶される。
【0033】
タイマ36は、コントローラ12から時間を指定されてタイマ開始が指示されると時間の計測を開始し、コントローラ12から指定された時間を経過するとコントローラ12へ通知する。
【0034】
なお、後述する表示制御プログラムは、本実施形態では一例としてハードディスク34に予め記憶される。CPU12Aは、ハードディスク34に記憶された表示制御プログラムを読み込んで実行する。また、CD−ROM等の記録媒体に表示制御プログラムを記録し、これをCD−ROMドライブ等で読み込むことにより実行するようにしてもよい。
【0035】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2には、コントローラ12で実行される表示制御プログラムのフローチャートを示した。なお、
図2に示す処理は、操作表示部20に対してコンテンツ情報の表示が指示されると実行される。本実施形態では、コンテンツ情報が、一例として外部サイトにアクセスした際に表示されるWebページの表示コンテンツである場合を例に説明する。この場合、ユーザーが操作表示部20を操作して外部サイトにアクセスすると
図2に示す処理が実行される。なお、コンテンツ情報はWebページの表示コンテンツに限らず、例えばハードディスク34に記憶された文書データ等でもよく、操作表示部20に表示可能な情報であればよい。この場合、ユーザーがハードディスク34に記憶された文書データ等を呼び出す操作をすると
図2に示す処理が実行される。
【0036】
まず、ステップ100では、コンテンツ情報を取得する。すなわち、ユーザーが操作表示部20を操作して外部サイトへのアクセスを指示した場合、ネットワーク通信I/F30を介して外部サイトにアクセスしてコンテンツ情報を取得する。そして、取得したコンテンツ情報を操作表示部20へ出力する。これにより、操作表示部20にコンテンツ情報が表示される。
【0037】
ステップ102では、取得したコンテンツ情報を操作表示部20に表示する際のページ情報を取得する。ページ情報には、例えばページ数、各ページの文字数等が含まれる。操作表示部20はWebブラウザを備えているため、Webブラウザの機能により操作表示部20の画面サイズ及びコンテンツ情報に基づいてページ数及び各ページの文字数を算出する。なお、本実施形態では、算出された情報のうちページ数の情報を用いる。従って、コントローラ12は、操作表示部20からページ数を取得する。
【0038】
ステップ104では、操作表示部20から取得したページ数が複数ページであるか否かを判断し、複数ページである場合はステップ106へ移行し、複数ページでない場合、すなわち1ページのみの場合はステップ108へ移行する。
【0039】
複数ページの場合は、
図3(A)〜(C)に示すように、操作表示部20の画面右側にスクロールバー40が表示される。ユーザーは、スクロールバー40をタッチしてスライドさせることにより次ページを表示させる。操作表示部20では、最終ページが表示された場合はコントローラ12へ最終ページが表示された旨を通知する。
【0040】
ステップ106では、最終ページが表示されたか否かを判断し、最終ページが表示された場合はステップ108へ移行し、最終ページが表示されていない場合は最終ページが表示されるまで待機する。
【0041】
ステップ108では、省電力モードへ移行するまでの移行時間として予め定めた通常移行時間をタイマ36に対して設定し、タイマ36をオンさせる。これにより、タイマ36では、通常移行時間が経過すると、通常移行時間が経過した旨をコントローラ12に通知する。なお、通常移行時間は、ユーザーが1ページ分の表示を閲覧するのに必要な時間、換言すれば、この時間を経過した場合にはユーザーが1ページ分の表示の閲覧を終了しており、省電力モードへ移行してもよいと判断できる時間に設定される。
【0042】
このように、操作表示部20に表示されるページ数が複数ページの場合、最終ページが表示されるまでは省電力モードへ移行するまでの通常移行時間は設定されない。すなわち、操作表示部20に表示されるページ数が1ページのみの場合、又は、操作表示部20に表示されるページ数が複数ページの場合で最終ページが表示された場合に、省電力モードへ移行するための通常移行時間がタイマ36に設定される。
図3の例では、
図3(A)、(B)の状態は、最終ページを表示している状態ではないのでタイマ36はオンされず、
図3(C)に示すように最終ページが表示された場合にタイマ36がオンされる。
【0043】
ステップ110では、タイマ36に設定された通常移行時間が経過したか否かを判断する。すなわち、タイマ36から通常移行時間が経過した旨が通知されたか否かを判断する。そして、通常移行時間が経過した場合にはステップ112へ移行し、通常移行時間が経過していない場合にはステップ118へ移行する。
【0044】
ステップ112では、省電力モードへ移行する。具体的には、例えば操作表示部20の表示をオフにしたり、表示の輝度を下げたりすることにより、電力の消費を抑える。なお、省電力モードは、操作表示部20の表示をオフにしたり、表示の輝度を下げたりする場合に限らず、通常状態よりも電力を抑えられる動作を実行するものであればよい。
【0045】
ステップ114では、省電力モードを解除すべきか否かを判断する。具体的には、ユーザーが操作表示部20を操作したか否かを判断することにより、省電力モードを解除すべきか否かを判断する。すなわち、省電力モードへ移行した後は、ユーザーが操作表示部20を操作する、例えば画面をタッチすることにより省電力モードが解除される。そして、省電力モードを解除すべきと判断した場合はステップ116へ移行し、省電力モードを解除すべきでないと判断した場合は、省電力モードを解除すべきと判断されるまで待機する。
【0046】
ステップ116では、通常モードへ移行する。具体的には、操作表示部20の表示をオンにしたり、表示の輝度を通常の輝度に戻したりすることにより、通常の電力消費状態に戻す。
【0047】
一方、ステップ118では、操作表示部20に対して何らかの操作があったか否かを判断し、操作があった場合にはステップ120へ移行し、操作がなかった場合にはステップ110へ戻る。
【0048】
ステップ120では、操作に応じた処理を実行してステップ122へ移行する。このように、通常移行時間が経過する前に何らかの操作があった場合には、省電力モードへは移行せず、通常モードが継続される。
【0049】
ステップ122では、表示終了を指示する操作があったか否かを判断し、表示終了を指示する操作があった場合には本ルーチンを終了する。一方、表示終了を指示する操作がなかった場合には、ステップ108へ移行し、再度通常移行時間をタイマ36に対して設定してタイマ36をオンさせる。すなわち、表示終了を指示する操作以外の何らかの操作(例えば印刷を指示する動作等)があった場合には、タイマ36がリセットされ、通常移行時間が再度設定される。
【0050】
このように、操作表示部20が最後に操作されてから通常移行時間を経過するまで無操作状態が継続した場合には、省電力モードへ移行するが、表示されるページ数が複数ページの場合には、
図3(C)に示すように最終ページが表示されるまではタイマが設定されず、通常移行時間を経過しても表示は継続される。これにより、ユーザーが特別な操作をすることなく表示が継続され、ページの途中で省電力モードへ移行してしまうことが回避される。すなわち、ユーザーが表示内容全ての閲覧を終了する前に省電力モードへ移行してしまうことが回避される。
【0051】
また、最終ページが表示された場合には、通常移行時間がタイマ36に設定されるので、最終ページまで閲覧したのにもかかわらず省電力モードへ移行しない状態となるのが回避される。
【0052】
なお、本実施形態では、表示されるページ数が複数ページの場合には、最終ページが表示されるまではタイマを非設定とする、すなわち通常移行時間を経過しても表示は継続させる場合について説明したが、これに限らず、最終ページが表示されるまでは、通常移行時間よりも長い移行時間を設定してタイマ36をオンさせるようにしてもよい。例えば、表示されるページが5ページの場合は、1〜4ページ目を表示している場合は、表示されるページが1ページのみの場合に設定される通常移行時間よりも長い移行時間をタイマ36に対して設定し、最終ページである5ページ目が表示された場合は、通常移行時間をタイマ36に対して設定する。これにより、最終ページより前のページを表示中に無操作状態が長時間継続しているにもかかわらず、省電力モードへ移行しない状態となるのが回避される。
【0054】
次に、第2実施形態について説明する。なお、画像形成装置10の構成は第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
【0055】
本実施形態では、操作表示部20に表示されたページの文字数に基づいて省電力モードへ移行する移行時間を設定する場合について説明する。
【0056】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図4には、コントローラ12で実行される表示制御プログラムのフローチャートを示した。
【0057】
なお、
図4に示す処理が
図2に示す処理と異なるのは、ステップ102でページ情報のうち各ページの文字数を取得する点及びステップ103の処理であり、その他の処理は
図2と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0058】
ステップ103では、ステップ102で取得した各ページの文字数のうち、操作表示部20に表示されたページの文字数に基づいて省電力モードへ移行するための移行時間をタイマ36に対して設定し、タイマ36をオンさせる。
【0059】
具体的には、
図5に示すような移行時間テーブル50に基づいて、表示ページの文字数に応じた移行時間を設定する。なお、移行時間テーブル50は、例えばハードディスク34に予め記憶される。
【0060】
図5に示すように、表示ページの文字数が0〜x1文字までは、デフォルト値t1が移行時間として設定される。なお、デフォルト値t1は、x1文字以下の表示ページを閲覧するのに必要な時間に設定され、例えば通常移行時間が設定される。また、表示ページの文字数がx1を越えてx2文字までは、t1に正の数α1を加算した(t1+α1)が移行時間として設定される。α1は、(t1+α1)が、文字数がx1を越えてx2文字までの表示ページを閲覧するのに必要な時間となるように予め設定される。また、表示ページの文字数がx2を越える場合には、t1に正の数α2(>α1)を加算した(t1+α2)が移行時間として設定される。α2は、(t1+α2)が、文字数がx2を越える表示ページを閲覧するのに必要な時間となるように予め設定される。
【0061】
なお、本実施形態では、(t1+α2)を移行時間の上限値として設定しているが、さらに文字数に応じて段階的に移行時間が増加するように移行時間テーブル50を設定してもよい。
【0062】
ステップ110〜ステップ122は
図2と同様であるが、ページ数が複数ページの場合においてページを切り替える操作をした場合には、ステップ118は肯定判定され、ステップ120でページが切り替えられる。そして、ステップ122は否定判定されてステップ103へ戻る。ステップ103では、切り替え後のページの文字数に応じた移行時間がタイマ36に対して新たに設定される。
【0063】
このように、表示されたページの文字数に基づいて省電力モードへ移行する移行時間を設定するので、ユーザーが特別な操作をして移行時間を長くするように設定しなくても、ページの閲覧途中で省電力モードへ移行してしまうのが回避される。
【0064】
なお、画像形成装置10の設定言語として複数種類の言語を設定可能な場合、すなわち、操作表示部20に表示されるメニュー及び各種設定画面の言語を、例えば日本語及び英語等の複数種類の言語の中から選択できる場合には、画像形成装置10の設定言語と操作表示部20に表示される言語が異なる場合には、通常移行時間よりも長い移行時間を設定するようにしてもよい。画像形成装置10の設定言語は、ユーザーの母国語である可能性が高いが、画像形成装置10の設定言語と表示されるページの言語とが異なる場合は、母国語が設定言語の場合と比較して、ページの閲覧に時間がかかると考えられるためである。
【0065】
また、画像形成装置10が、装置を利用するユーザーを認証する認証機能を有する場合、ユーザー認証されたユーザーの年令に応じて、設定された移行時間を調整するようにしてもよい。この場合、ユーザーの年令を含むユーザー情報を予めハードディスク34に記憶しておき、このユーザー情報からユーザー認証されたユーザーの年令を取得すればよい。そして、例えば、ユーザーの年令が高くなるに従って、設定された移行時間をさらに長くするように調整する。これは、高齢になるに従って、表示されるページの閲覧に時間がかかると考えられるからである。
【0066】
なお、上記各実施形態では、画像形成装置に本発明を適用した場合について説明したが、画像形成装置に限らず、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等、コンテンツ情報を表示する表示手段を備えた装置に本発明を適用してもよい。