(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209905
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】ドア制御装置
(51)【国際特許分類】
B61D 19/02 20060101AFI20171002BHJP
E05F 15/70 20150101ALI20171002BHJP
B66B 13/06 20060101ALN20171002BHJP
B66B 13/14 20060101ALN20171002BHJP
【FI】
B61D19/02 V
E05F15/20
B61D19/02 Q
!B66B13/06
!B66B13/14 D
!B66B13/14 M
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-183469(P2013-183469)
(22)【出願日】2013年9月4日
(65)【公開番号】特開2015-48063(P2015-48063A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】稲玉 繁樹
【審査官】
前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−203418(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/100988(WO,A1)
【文献】
特開平09−328967(JP,A)
【文献】
特開平11−159246(JP,A)
【文献】
特開2003−300462(JP,A)
【文献】
特開2009−121144(JP,A)
【文献】
特開平09−301161(JP,A)
【文献】
米国特許第04198786(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61D 19/02
B61B 1/02
B66B 13/14
E05F 15/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア駆動部を介してドアを開閉制御するドア制御装置において、
該ドア制御装置は、
ドア駆動部に開指令を与える開指令部、ドア駆動部に閉指令を与える閉指令部、ドア駆動部に再閉指令を与える再閉指令部、および、ドア駆動部に繰返し開閉指令を与える繰返し開閉指令部を有するドア開閉制御部と、
前記閉指令又は前記再閉指令に応じて前記ドア駆動部を駆動するドア閉制御部と、
前記繰返し開閉指令に応じて前記ドア駆動部を繰り返し駆動する開閉動作繰返し制御部と、
前記開指令に応じて前記ドア駆動部を駆動するドア開制御部と、
前記ドアの全閉状態を戸閉検知スイッチのオン/オフで検知する戸閉検知スイッチON/OFF検知部と、
前記ドアを閉位置で施錠する施錠機構の作動/不作動を検出する施錠機構作動/不作動検出部と、を少なくとも備え、
前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部におけるON検知でドア全閉を検出した後に、前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部によるOFFおよび前記施錠機構作動/不作動検出部による不作動のいずれか一方又は両方が検知された場合には、前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部によるONが検知されるまで前記ドア閉制御部による前記ドアの閉動作を継続して実施する、
ことを特徴とするドア制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のドア制御装置において、
前記ドア閉制御部による前記ドアの閉動作が一定時間内に複数回繰り返し行われたことを検知して、前記施錠機構の故障信号を出力することを特徴とするドア制御装置。
【請求項3】
請求項1記載のドア制御装置において、
前記ドア閉制御部による前記ドアの閉動作を一定時間継続しても前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部におけるON検知がされない場合は前記戸閉検知スイッチの故障信号を出力することを特徴とするドア制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のドア制御装置において、
前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部におけるON検知でドア全閉を検出した後に、前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部によるOFFおよび前記施錠機構作動/不作動検出部による不作動のいずれか一方又は両方が検知されて前記ドア閉制御部による前記ドアの閉動作を継続している場合に、開指令(Open Command)動作を有効としたことを特徴とするドア制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア駆動部が電動機により構成され、該ドア駆動部の駆動力によってドアが開閉制御されるドア制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、ドアが電動機による駆動力によって駆動される電車用ドア装置の構成を示す図であり、
図5(a)は、ドア開状態における電車用ドア装置1の構成を示すものであり、
図5(b)は、ドア全閉状態における電車用ドア装置1の構成を示すものである。また
図6は、従来から知られている一般的なドア開閉シーケンスを説明する図である。
【0003】
図5(a)および
図5(b)に示されるように、ドア制御装置2は図示されていない電車運行システムから開閉指令(Open Command / Close Command)を受けると、ドア制御装置2内に内蔵されているドア駆動部を制御し、
図6に示す従来から知られているドア開閉シーケンスにしたがってドア装置の開閉制御を実現する。
【0004】
ドア制御装置2内に内蔵されているドア駆動部により駆動される電車用ドアの特徴として、
図5(a)に図示した施錠機構5の存在がある。また
図5(b)のドア全閉状態において、施錠機構5によりドアを施錠状態にすることにより、ドア制御装置2内に内蔵されているドア駆動部(例えばドア駆動モータ)の駆動力をオフにしてもドア(左側ドア6及び右側ドア7)が全閉状態から変わらないことを実現している。ドア制御装置2内にはエンコーダ等の位置検出器が内蔵されており、この位置検出器および戸閉検知スイッチ4の動作信号と施錠機構5の施錠検知スイッチ(不図示)の作動情報よりドアの状態を検出している。また、戸閉検知スイッチ4は左側ドア6の上部に設けている押し棒3および右側ドア7の上部に設けている押し棒3がそれぞれ戸閉検知スイッチ4に接触して押すことで戸閉状態を検知するとともに、施錠検知スイッチは施錠機構5が作動してドア(左側ドア6及び右側ドア7)を施錠(ロック)したことを検知する。
【0005】
そして
図6に示すように、ステータス(S1)における「Full Close」の検知条件は、図示中央部に示すイベント(E4a)「Dcsm = ON」における戸閉検知スイッチ4の動作信号(Dcsm = ON)によりドアが全閉位置まで動作したことにより判定され、また図示左上部に示すイベント(E1)「Open Command」を受けて図示中央上部に示すステータス(S2)「Open」が開動作を行うことで、連続したドアの開閉動作を実現することが従来から知られているドア開閉シーケンスの動作である。なお、図示省略しているが、イベント(E1)「Open Command」は図示中央部に示すステータス(S4)「Close」の動作中も有効であり、また図示中央右部に示すイベント(E3)「Close Command」は、図示中央上部に示すステータス(S2)「Open」動作中も有効であり、動作途中からの指令(Command)に従う機能を有する。
【0006】
またドアに異物が挟まったときなど、ドアが閉められない状態を図示中央下部に示すイベント(E5a)「Obstruction Detected」が検知した場合には、図示中央下部のステータス(S5)「Recycle Open & Close」動作が行われる。ステータス(S5)「Recycle Open & Close」動作とは、挟まれた物を取り除くために、ドアを全開まで開き、一定時間後に閉動作を再開する機能であり、当業者には電車用ドアに広く採用されていることも知られている。なお、イベント(E5a)「Obstruction Detected」の検知条件は、上記位置検出器により全閉位置以外の位置でドア位置が変化しない状態あるいはドア速度の低下を検知したにも関わらず戸閉検知スイッチ4が戸閉状態を検知しないとき、または、上記ドア駆動部に用いられる電動機(モータ)に流れる電流が予め定めた所定値を超えて増加した過負荷状態を検知したときなど、さまざまな「Obstruction:故障」の検知方法を採ることができるが、本発明ではどの「Obstruction」の検知方法を採るかについては言及しない。
【0007】
下記特許文献1には、電動開閉器の開閉方法が開示されている。すなわち、特許文献1は、自動車等におけるパワーウィンドウにおける開閉制御において、閉スイッチあるいは開スイッチがONされたときに、閉方向あるいは開方向への移動距離に応じたタイマをセットし、閉方向あるいは開方向に電動機を始動する第1ステップと、第1ステップ後、パルス発生手段からのパルスをカウントし、予め定めたカウント値に達したとき、あるいは予め定めたカウント値に達する前に前記タイマがタイムアップしたときに電動機を停止する第2ステップとを備えるようにして電動開閉器の異常を早期に検出すると共に、電動機の過負荷状態を回避することが記載されている。また、上記において、タイマが電動機の動作中にタイムアップしたときには、電動機を反転動作させることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003-020858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図6に示した従来のドア開閉シーケンスでも、ドア装置として通常の動作をさせることが可能であると思われる。しかし電車用ドア装置として十分な安全性を担保しているかを考慮した場合、例えば戸閉検知スイッチ4の故障が発生した場合には、
図6に示すようにイベント(E4b)「Dcsm = OFF」が検出され、再度、ステータス(S4)「Close」の動作が実行されることになる。この場合、戸閉検知スイッチ4が故障しているため、イベント(E4a)「Dcsm = ON」に示す戸閉検知スイッチ4の動作信号(Dcsm = ON)は発生せず、ステータス(S5)「Recycle Open & Close」動作が行われることになる。上述したようにステータス(S5)「Recycle Open & Close」動作は、通常では挟まれた物を取り除くために、ドアを全開まで開き、一定時間後に閉動作を再開する動作であるため、ステータス(S5)「Recycle Open & Close」動作を行うことは、駅などに停車しているときのドアサイドがホーム側における「Close」動作においては有効な動作であるが、ホーム側と反対のドアサイドや電車走行中における戸閉検知スイッチ4の故障が発生した場合の「Recycle Open & Close」動作は重大事故に発展することが容易に想像される。
【0010】
また上記した特許文献1におけるパワーウィンドウの開閉制御方法では、センサ故障時における安全対策としてタイマによるタイムオーバを基に電動開閉器を停止状態にしているため、これを電車用ドアに適用した場合にはドアが開いた状態で走行してしまうことになるため十分な安全対策を施すことに利用することができないという課題がある。
【0011】
そこで本発明は、戸閉検知スイッチや施錠機構などに故障や異常が発生しても安全な動作を行うことができるドア制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明では、ドア駆動部を介してドアを開閉制御するドア制御装置において、該ドア制御装置は、
ドア駆動部に開指令を与える開指令部、ドア駆動部に閉指令を与える閉指令部、ドア駆動部に再閉指令を与える再閉指令部、および、ドア駆動部に繰返し開閉指令を与える繰返し開閉指令部を有するドア開閉制御部と、
前記閉指令又は前記再閉指令に応じて前記ドア駆動部を駆動するドア閉制御部と、
前記繰返し開閉指令に応じて前記ドア駆動部を繰り返し駆動する開閉動作繰返し制御部と、
前記開指令に応じて前記ドア駆動部を駆動するドア開制御部と、
前記ドアの全閉状態を
戸閉検知スイッチのオン/オフで検知する戸閉検知スイッチON/OFF検知部と、
前記ドアを閉位置で施錠する施錠機構の作動/不作動を検出する施錠機構作動/不作動検出部と、を少なくとも備え、
前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部におけるON検知でドア全閉を検出した後に、前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部によるOFFおよび前記施錠機構作動/不
作動検出部による不
作動のいずれか一方又は両方が検知された場合には、前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部によるONが検知されるまで前記ドア閉制御部による前記ドアの閉動作を継続して実施することを特徴とする。
【0013】
また請求項2に記載の発明では、上記請求項1記載のドア制御装置において、
前記ドア閉制御部による前記ドアの閉動作が一定時間内に複数回繰り返し行われたことを検知して、前記施錠機構の故障信号を出力することを特徴とする。
【0014】
また請求項3に記載の発明では、上記請求項1記載のドア制御装置において、
前記ドア閉制御部による前記ドアの閉動作を一定時間継続しても前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部におけるON検知がされない場合は前記戸閉検知スイッチの故障信号を出力することを特徴とする。
【0015】
また請求項4に記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか一項に記載のドア制御装置において、
前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部におけるON検知でドア全閉を検出した後に、前記戸閉検知スイッチON/OFF検知部によるOFFおよび前記施錠機構作動/不
作動検出部による不
作動のいずれか一方又は両方が検知されて前記ドア閉制御部による前記ドアの閉動作を継続している場合に、開指令(Open Command)動作を有効としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、正常時のドア開閉動作へ影響をあたえず、施錠機構や戸閉検知スイッチなどの故障時に非安全なドア開動作とならずに安全な電車用ドア装置を実現することが可能となる。
【0017】
また本発明は、ドア制御装置におけるソフトウエアを改善するのみで実現可能であるため、ハードウェアによって構成する場合に比べて部材、組立などにかかるコストの増加が発生せずに機能改善を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態1に係るドア制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係るドア開閉シーケンスを示す図である。
【
図3】本発明の実施形態2に係るドア制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態2に係るドア開閉シーケンスを示す図である。
【
図5】ドアの開閉が電気的に駆動される電車用ドア装置の構成を示す図である。
【
図6】従来から知られている一般的なドア開閉シーケンスを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係るドア制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すドア制御装置は、
図5に示した電車用ドア装置1に適用されるものである。
【0020】
図1においてドア制御装置11は、ドア開閉制御部12と、ドア開制御部13と、開動作監視部14と、ドア閉制御部15と、閉動作監視部16と、開閉動作繰返し制御部17と、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18と、施錠機構作動/不作動検出部19と、戸閉支障物検知/非検知部20とから構成される。
【0021】
そしてドア開閉制御部12は、上記した戸閉検知スイッチON/OFF検知部18、施錠機構作動/不作動検出部19、および、戸閉支障物検知/非検知部20からの信号、図示せざる運転システムからの開閉指令(Open Command / Close Command)、並びに、上記した開動作監視部14及び閉動作監視部16からの信号を自部への入力として取り込むとともに、自部内からは、開指令部121を介してドア開制御部13に開指令を、閉指令部122及び再閉指令部123を介してドア閉制御部15に閉指令及び再閉指令を、繰返し開閉指令部124を介して開閉動作繰返し制御部17に繰返し開閉指令を、それぞれ出力する。
【0022】
ここで、開閉動作繰返し制御部17は、ドアに異物が挟まったときなど、ドアが閉められない状態をイベント(E5a)「Obstruction Detected」が検知した場合に、挟まれた物を取り除くために、一旦ドアを全開まで開き、一定時間後に閉動作を再開するステータス(S5)「Recycle Open & Close」動作を行うものである。
【0023】
なお上記ドア制御装置11内のドア開閉制御部12で行われる制御処理は、その制御処理を遂行させる命令が記述されたプログラムをコンピュータに実行させることにより実現することができる。
【0024】
図2は、本発明の実施形態1に係るドア開閉シーケンスを示す図であり、
図6に示した従来のドア開閉シーケンスにおける戸閉検知スイッチ4あるいは施錠機構5(
図5参照)に故障が起きても安全なドアの開閉動作を行うことを可能にするものである。
【0025】
図2に示すドア開閉シーケンスは、ステータス(S1)における「Full Close」動作を検出した後に戸閉検知スイッチON/OFF検知部18の故障が発生し、イベント(E6a)「Dcsm=OFF」、すなわち戸閉検知スイッチON/OFF検知部18がOFFを検知したことを示す信号(Dcsm = OFF)が得られた際は、ステータス(S6)「ReClose」動作を実行し、イベント(E6b)「Dcsm=ON」、すなわち戸閉検知スイッチON/OFF検知部18がONを検知したことを示す信号(Dcsm = ON)、となるまで再閉指令部123を介してドア閉制御部15により閉方向への駆動を継続する。
【0026】
なお、ステータス(S1)における「Full Close」動作は、イベント(E4a)における戸閉検知スイッチ4の動作信号(Dcsm = ON)によりドアが全閉位置まで動作したと判定している。すなわち、
図1に示したドア開閉制御部12の閉指令部122から閉指令をドア閉制御部15に与えた後に、ドア開閉制御部12が上記した戸閉検知スイッチON/OFF検知部18からONが入力されることで全閉に至ったことを確認している。因みに、ステータス(S3)における「Full Open」動作は、イベント(E2)「Postion = Open」によりドアが全開位置まで動作したと判定している。すなわち、
図1に示したドア開閉制御部12の開指令部121から開指令をドア開制御部13に与えた後に、ドア制御装置2内に設けられたエンコーダ等の位置検出器(不図示)からの位置検出信号に基づいてドアが全開に至ったことを確認している。
【0027】
ステータス(S6)の「ReClose」動作は、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18の故障(戸閉検知スイッチ4自体の故障も含む)あるいは施錠機構作動/不作動検出部19の故障(施錠機構自体の故障も含む)によりドアを全閉位置に保持できなくなった場合に、ドア閉制御部15に閉指令を継続的に与えることにより「Full Close」状態への移行を行うことで、不意の故障の際も安全性を確保するようにしている。
【0028】
そして戸閉検知スイッチON/OFF検知部18や施錠機構作動/不作動検出部19の故障によりステータス(S6)「ReClose」動作を継続した場合も
図6に示した従来のドア開閉シーケンスと同様に、イベント(E1)「Open Command」動作を有効とすることで、故障したドアが開かないという状況は発生せず、ステータス(S6)「ReClose」動作を追加することによって正常時のドア開閉動作に影響を与えるような弊害は発生しない。
【0029】
このように本実施形態に係るドア開閉シーケンスによれば、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18や施錠機構作動/不作動検出部19の故障により、
図6に示した従来のドア開閉シーケンスではイベント(E4b)「Dcsm = OFF」→(E5a)「Obstruction Detected」に至るようなまったく想定していない動作が生じることを改善することが可能となる。
【0030】
したがって、上記
図2に示すようなドア開閉シーケンスの改善により、例えステータス(S1)における「Full Close」動作を検出した後に戸閉検知スイッチON/OFF検知部18の故障が発生し、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18がOFFを検知したことを示す信号(Dcsm = OFF)が得られた場合でも、ステータス(S6)「ReClose」動作によりステータス(S1)の「Full Close」動作への移行を継続でき、
図6に示した従来のドア開閉シーケンスにおけるステータス(S5)「Recycle Open & Close」動作によって不用意なドア開状態を発生させないようにすることができる。
[実施形態2]
上記した実施形態1により、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18の故障により、
図6に示した従来のドア開閉シーケンスではイベント(E4b)「Dcsm = OFF」→イベント(E5a)「Obstruction Detected」に至るような、まったく想定していない動作が生じることを改善できる。しかしながら、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18の故障、およびまたは、施錠機構作動/不作動検出部19の故障が発生した場合には、ステータス(S1)「Full Close」の動作状態を保持できない。このため、ドアが一旦開き、イベント(E6a)「Dcsm=OFF」となり、それをステータス(S6)「ReClose」動作によりドアを閉める動作を継続して行うことで、イベント(E6b)「Dcsm=ON」となって再びステータス(S1)「Full Close」の動作状態となることを繰り返す。このように施錠機構の故障によりドアが開き、更にその開いたドアをステータス(S6)「ReClose」動作によりドア閉にする、という小刻みなドア開閉の繰り返し現象が起きる。なお、小刻みなドア開閉の繰り返し現象は、ドア装置の総重量などにより多少変化するものの、平均して1秒間に数回繰り返される。
【0031】
このような小刻みなドア開閉の繰り返し動作が起きる場合においても、ドアがステータス(S1)「Full Close」付近に保持されているので、安全性に特段の支障はない。しかし電車全体の運行システムの安全性から、通常では、全ドアにおけるイベント(E6b)「Dcsm=ON」を確認したうえで、出発や非常停止などの運行可否の判定が行われている。
【0032】
なお小刻みなドア開閉の繰り返し動作中のDcsm信号、すなわち戸閉検知スイッチのON/OFFは、通常のドア開閉動作と同様に、小刻みなオン/オフが繰り返される。電車全体の運行システムにもよるが、走行中にドアが開いたことを判定するための「Dcsm= OFF」の判定時間は、誤検知を考慮して2秒程の長めに設定されていることが多い。先述の繰り返し動作中のDcsm信号は、短時間(1秒以下)しかオフしないことと合わせると、走行中にドアが開いたことを検出できない設定となっており、施錠機構作動/不作動検出部19の故障を検知できない場合には、故障したまま走行を続けてしまうという恐れがある。
【0033】
したがって、本発明の実施形態2に係るドア制御装置は、このような小刻みなドア開閉の繰り返し動作が生じないように更に安全性を高めるようにしたものである。
図3は、本発明の実施形態2に係るドア制御装置の構成を示すブロック図である。
図3に示すドア制御装置は、
図5に示した電車用ドア装置に適用されるものである。
【0034】
図3においてドア制御装置11は、ドア開閉制御部12と、ドア開制御部13と、開動作監視部14と、ドア閉制御部15と、閉動作監視部16と、開閉動作繰返し制御部17と、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18と、施錠機構作動/不作動検出部19と、戸閉支障物検知/非検知部20と、故障閉位置保全制御部21とから構成される。
【0035】
そしてドア開閉制御部12は、上記した戸閉検知スイッチON/OFF検知部18、施錠機構作動/不作動検出部19、および、戸閉支障物検知/非検知部20からの信号、図示せざる運転システムからの開閉指令(Open Command / Close Command)、並びに、上記した開動作監視部14及び閉動作監視部16からの信号を自部への入力として取り込むとともに、自部内からは、開指令部121を介してドア開制御部13に開指令を、閉指令部122及び再閉指令部123を介してドア閉制御部15に閉指令及び再閉指令を、繰返し開閉指令部124を介して開閉動作繰返し制御部17に繰返し開閉指令を、さらに、故障閉位置保全指令部125を介して故障閉位置保全制御部21に故障閉位置保全指令を、それぞれ出力する。
【0036】
図4は、本発明の実施形態2に係るドア開閉シーケンスを示す図であり、
図2に示した実施形態1のドア開閉シーケンスにおける小刻みなドア開閉の繰り返し動作が起きてもより安全なドアの開閉動作を行うことを可能にするものである。そのため、
図4では、ドア開閉制御部12に故障閉位置保全指令部125を備えるとともに、故障閉位置保全指令に基づいて故障閉位置保全制御部21が故障閉位置保全動作を実行してドアの閉動作を現状位置で停止・維持(に保全)して小刻みなドア開閉の繰り返し動作が継続しないようにしている。
【0037】
図4では、上述した実施形態1のドア開閉シーケンスにおける小刻みなドア開閉の繰り返し動作があり得ることを想定して、イベント(E7)「Error Detected」で表わされる故障検知イベントを追加し、ステータス(S7)「Error 」動作により、故障信号を出力するとともに、故障検知時の閉位置にドアを保全することで、上記の小刻みなドア開閉の繰り返し動作を停止させ、イベント(E6a)「Dcsm = OFF」によりDcsm = OFFの状態を運行システムが検知できるようにする。したがって運行システムが、施錠機構作動/不作動検出部19の故障を確実に検知できることで戸閉検知スイッチON/OFF検知部18の故障あるいは施錠機構作動/不作動検出部19が不作動になったことによる非安全な走行状態を回避させることができる。
【0038】
なおイベント(E7)「Error Detected」で表わされる故障検知イベントにおいては、後述する2種類の故障検知方法が有効である。すなわち、
(検知方法1)一定時間内に複数回の小刻みなドア開閉の繰り返し動作を行われたことを検知することで、施錠機構作動/不作動検出部19の不作動または施錠機構自体の故障によりステータス(S1)「Full Close」の動作状態を保持できないことを検知し、施錠機構作動/不作動検出部19の故障(施錠機構5自体の故障も含む)と判定して故障信号を出力する。
【0039】
具体的には、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18のON/OFFの繰り返しによりドア閉制御部
15によるドアの閉動作が一定時間内に複数回繰り返し行われたことを検知することで、上記した小刻みなドア開閉の繰り返し現象が起きたと判定して、施錠機構作動/不作動検出部19の故障信号を出力する。そして、故障閉位置保全制御部21により故障検知時の閉位置にドアを保全する。
【0040】
(検知方法2)ステータス(S6)「ReClose」における「ReClose」動作を一定時間継続しても、ステータス(S1)「Full Close」動作に復帰できないことを検知することで、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18のOFF故障(戸閉検知スイッチ4自体の故障も含む)と判定して故障信号を出力する。
【0041】
具体的には、ドア閉制御部
15によるドアの閉動作を一定時間継続しても戸閉検知スイッチON/OFF検知部18のONが検知できない場合は、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18の故障と判定して、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18の故障信号を出力する。そして、故障閉位置保全制御部21により故障検知時の閉位置にドアを保全する。
【0042】
なお、上記検知方法1,2において、判定のための上記一定時間および一定時間内の繰り返し回数は予め所定の値を設定しておく。
このように本発明の実施形態2に係るドア制御装置によれば、戸閉検知スイッチON/OFF検知部18の故障、および又は、施錠機構作動/不作動検出部19の故障が発生した場合であっても、上記した本発明の実施形態1に係るドア装置では、ステータス(S1)→(S6)→(S1)→(S6)…という動作を繰り返したが、本実施形態によれば、このような繰り返し動作の発生を防ぐことが可能となる。
【符号の説明】
【0043】
11 ドア制御装置
12 ドア開閉制御部
13 ドア開制御部
14 開動作監視部
15 ドア閉制御部
16 閉動作監視部
17 開閉動作繰返し制御部
18 戸開検知スイッチ ON/OFF検知部
19 施錠機構作動/不作動検出部
20 戸閉支障物検知/非検知部
21 故障閉位置保全制御部
121 開指令部
122 閉指令部
123 再閉指令部
124 繰返し開閉指令部
125 故障閉位置保全指令部