(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、非燃焼式熱源装置の他に、ガス瞬間燃焼式の給湯器等の燃焼式熱源装置を補助的に備えた貯湯式給湯装置の場合には、通常、加熱運転により得られる温度が非燃焼式熱源装置よりも燃焼式熱源装置の方が高いため、滅菌又は殺菌のための加熱運転として、燃焼式熱源装置を燃焼作動させて貯湯タンク内の湯水を循環加熱して所定温度まで昇温させることが行われている。しかしながら、燃焼式熱源装置が燃焼作動し始めると、その燃焼作動音に起因する騒音が発生し、ユーザーは燃焼作動し始めたことを感知してしまうことになる。この場合、例えばリモコンの表示部に対し貯湯タンク内の貯湯量表示として、ある程度の量の貯湯量が存在する旨の表示がなされている状態で、滅菌又は殺菌のための加熱運転が自動制御に基づき開始されると、貯湯量が所定量以上あれば、本来ならば燃焼式熱源装置の燃焼作動は生じない筈なのに、燃焼式熱源装置が燃焼作動するため、ユーザーは違和感を抱いてしまい、故障したのではないか等の誤解を生じさせる要因にもなり得る。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーに前記の如き違和感を抱かせずに、かつ、ユーザーに必要な情報を視覚的に提供し得るようにした給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明では、燃焼式熱源装置と、非燃焼式熱源装置と、この非燃焼式熱源装置による加熱運転によって貯湯するための貯湯タンクと、少なくとも前記燃焼式熱源装置による加熱運転によって湯水流路の加熱殺菌運転を実行するための運転制御手段とを備えた給湯装置を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記貯湯タンク内に存する所定温度以上の貯湯量の如何を示す貯湯量表示を表示するための貯湯量表示部と、この貯湯量表示部に対し貯湯に係る温度検出により貯湯量の如何を表示制御するための表示制御手段とを備えることとする。そして、前記加熱殺菌運転の実行中であれば、前記運転制御手段は、前記貯湯タンクからの直接の給湯を禁止する一方、前記燃焼式熱源装置の加熱運転に基づく給湯を許容し、かつ、前記表示制御手段は、前記貯湯量表示部に対する前記貯湯量表示の表示をキャンセルす
る一方、ユーザーによる貯湯要求指令が入力されても、その貯湯要求は対応不可であることの案内を報知する構成とする(請求項1)。
【0007】
本発明の場合、自動制御により加熱殺菌運転制御が開始されたとき、その開始に伴い貯湯量表示部に表示される貯湯量表示の表示が表示制御手段によってキャンセルされるため、これを見たユーザーに貯湯タンク内の貯湯は給湯には使用できないことを視覚的に認識させることが可能となる。このため、ユーザーが給湯栓を開いて給湯使用しようとしたら、燃焼式熱源装置の燃焼作動が開始されることが燃焼作動音等によって感知されたとしても、貯湯タンク内の貯湯が使用できないからだと理解することが可能となり、違和感を抱くことはなく故障等が発生したとの誤解を生じさせることもなくなる。以上により、ユーザーに違和感を抱かせずに、かつ、ユーザーに必要な情報を視覚的に提供し得るようにな
る。特に、ユーザーによる貯湯要求指令が入力されても、その貯湯要求は対応不可であることの案内を積極的に表示することにより、このような案内が無い場合と比べユーザーに困惑させることなく、ユーザーに対しより的確に状況把握のための案内をすることが可能となる。
【0008】
本発明の給湯装置の表示制御手段として、加熱殺菌運転の実行中であれば、貯湯量表示部に対し、加熱殺菌運転が実行中であることの案内表示を表示する構成とすることができる(請求項2)。このようにすることにより、貯湯タンク内の貯湯が給湯には使用することができないことに加えて、その理由として加熱殺菌運転が現在実行中だからということの案内もなされるため、ユーザーに対する理解をより深め必要な情報を適切に提供し得るようになる。
【発明の効果】
【0010】
以上、説明したように、本発明に係る給湯装置によれば、自動制御により加熱殺菌運転制御が開始されたとき、その開始に伴い貯湯量表示部に表示される貯湯量表示の表示が表示制御手段によってキャンセルされるようにしているため、これを見たユーザーに、貯湯タンク内の貯湯は給湯には使用できないことを視覚的に認識させることができるようになる。このため、ユーザーが給湯栓を開いて給湯使用しようとしたら、燃焼式熱源装置の燃焼作動が開始されることが燃焼作動音等によって感知されたとしても、貯湯タンク内の貯湯が使用できないからだと容易に理解することができ、違和感を抱くことはなく故障等が発生したとの誤解を生じさせることもなくなる。以上により、ユーザーに違和感を抱かせずに、かつ、ユーザーに必要な情報を視覚的に提供することができるようにな
る。特に、ユーザーによる貯湯要求指令が入力されても、その貯湯要求は対応不可であることの案内を積極的に表示することにより、このような案内が無い場合と比べユーザーに困惑させることなく、ユーザーに対しより的確に状況把握のための案内をすることができるようになる。
【0011】
特に請求項2の給湯装置によれば、表示制御手段として、加熱殺菌運転の実行中であれば、貯湯量表示部に対し、加熱殺菌運転が実行中であることの案内表示を表示する構成とすることにより、貯湯タンク内の貯湯が給湯には使用することができないことに加えて、その理由として加熱殺菌運転が現在実行中だからということの案内もなされるため、ユーザーに対する理解をより深め必要な情報を適切に提供することができるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る給湯装置を示す。同図中の符号2は非燃焼式熱源装置、3は貯湯タンク、4は外部から水道水等を貯湯タンク3等に給水するための給水回路、5は貯湯タンク3の上部から取り出される湯水又は燃焼式熱源装置6で補助加熱後の湯水を用いて給湯栓7等への給湯のために出湯する出湯回路、8は燃焼式熱源装置6で補助加熱後の湯水又は貯湯タンク3の上部から取り出される湯水を熱源として利用して外部熱負荷に対し循環供給する熱利用循環回路、9は前記非燃焼式熱源装置2からの排熱を回収することで貯湯タンク3の湯水を加熱する加熱循環回路、10は熱利用循環回路8により戻された湯水を貯湯タンク3に入れることなく燃焼式熱源装置6に供給し燃焼式熱源装置6と前記外部熱負荷との間に循環させるためのバイパス循環回路、11はこの給湯装置の作動制御を行うコントローラである。ここで、加熱循環回路9は、貯湯タンク3の下部取出口31から取り出された湯水を導出路91を通して非燃焼式熱源装置2に導き、非燃焼式熱源装置2で加熱された湯水を導入路92を通して貯湯タンク3の上部に戻して貯湯として蓄熱するようになっている。又、貯湯タンク3の他の下部取出口32から下部配管部12が外部に延びて合流点13においてバイパス循環回路10に連通され、この下部配管部12によって熱利用循環回路8の下流端部位が構成され、熱利用循環回路8の戻り路86から戻される熱交換後の湯水が貯湯タンク3の下部取出口32に戻されるようになっている。又、この下部配管部12の途中には、前記給水回路4を構成する主給水路41の下流端が合流点14で合流するように連通接続されている。この主給水路41からは、貯湯タンク3内の湯水が消費されれば、その消費された分だけ給水圧に基づいて貯湯タンク3に給水されるようになっている。
【0016】
非燃焼式熱源装置2は、ヒートポンプ作動系により構成され、加熱循環回路9を用いて貯湯タンク3内の湯水を凝縮用熱交換器での熱交換加熱により所定温度まで加熱昇温させて貯湯タンク3に蓄熱するようになっている。すなわち、加熱循環回路9は、上流端が貯湯タンク3の下部取出口31に接続されて下流端が非燃焼式熱源装置2の被加熱側入口(例えば凝縮用熱交換器の入口)に接続された導出路91と、上流端が非燃焼式熱源装置2の被加熱側出口(例えば凝縮用熱交換器の出口)に接続されて下流端が貯湯タンク3の上部に接続された導入路92と、循環ポンプ93とを備えたものである。そして、コントローラ11の後述の沸き上げ運転制御部161又は加熱殺菌運転制御部162による加熱運転が開始されると、循環ポンプ93が作動され、これにより、貯湯タンク3の下部から導出路91を通して取り出された湯水が、非燃焼式熱源装置2において熱交換加熱され、熱交換加熱後の湯水が導入路92を通して貯湯タンク3の上部に戻されて、貯湯タンク3内で温度成層を形成しつつ蓄熱されることになる。この際、入側温度センサ96による貯湯タンク3の底部からの湯水温度と、出側温度センサ97による熱交換加熱後の湯水温度との差温の情報や、ヒートポンプ作動系の冷媒温度の情報、あるいは、循環ポンプ93の循環流量の調整等に基づき、貯湯タンク3の頂部に戻される熱交換加熱後の湯水温度が所定の沸き上げ温度(例えば60℃)になるよう運転制御されることになる。なお、前記導入路92の途中位置には三方切換弁94が介装される一方、この三方切換弁94に対し導出路91の途中位置から非燃焼式熱源装置2をバイパスするように分岐したバイパス路95が接続されている。
【0017】
貯湯タンク3は密閉式に構成され、貯湯タンク3の上下方向の所定の各位置には、上下方向各位置での内部の貯湯温度を検出するための貯湯温度センサ33,34,35,36(
図1には4つの貯湯温度センサを例示)が設置されている。なお、この貯湯温度センサ33〜36による貯湯温度の検出は貯湯温度を直接に検出しても、貯湯タンク3の外壁温度の検出により間接的に検出しても、いずれでもよい。
図1の例示の場合、第1タンク温度センサ33が最上部位置、第2タンク温度センサ34がその下方位置である上部位置、第3タンク温度センサ35が中部位置、第4タンク温度センサ36が最下部位置での各位置における貯湯温度(湯水温度)を検出するようになっている。そして、これら各貯湯温度センサ33〜36の検出貯湯温度に基づいて、貯湯タンク3内に貯湯として蓄熱された残熱量(貯湯量)を把握することができる。すなわち、相隣接する貯湯温度センサ33〜36間の略円柱状の領域毎に容量値が予め設定されており、この各設定容量値に対し、対応する位置の貯湯温度センサ33〜36の検出貯湯温度を乗じることにより、領域毎の熱量を演算することができる。この場合、貯湯タンク3内は前記の如く頂部側の各領域に後述の給湯等の熱量使用に供される高温湯が貯湯され、底部側の各領域には熱量使用には適さない低温湯が貯湯されるという温度成層が形成されるため、熱量使用に供することが可能な所定温度以上の貯湯温度が検出された領域の熱量の合計をもって、後述の貯湯量表示における残熱量とすることができる。このような残熱量の演算が後述の貯湯量表示制御部171(
図2参照)において行われる。なお、前記の容量値の設定に代えて、略円柱状の領域毎の平均断面積と上下方向の間隔(高さ)を予め設定することもできる。
【0018】
出湯回路5は、主給湯路51の上流端52に出湯される補助加熱出湯路60経由の湯水か、貯湯タンク3の上部から直接に取り出される上部接続路53経由の湯水かの2種類の湯水のいずれかを給湯栓7に対し給湯するようになっている。すなわち、補助加熱出湯路60は、上流端が貯湯タンク3の上部に接続され、下流端が間に流量調整機能付きの三方切換弁61,ポンプ62,流量センサ63,入口側温度センサ64,燃焼式熱源装置6,出口温度センサ65及び全閉機能付きの流量調整用のタンク水比例弁66を介して前記上流端52に接続されたものであって、燃焼式熱源装置6の燃焼作動により熱交換加熱された湯水を上流端52に対し出湯可能となっている。燃焼式熱源装置6は、例えば瞬間加熱式の燃焼式給湯器により構成され、気体燃料(例えば都市ガス)を燃焼させることで、熱交換器内に通される湯水を瞬間加熱するようになっている。なお、燃料としてガスの他に液体燃料(例えば灯油)を燃焼させる燃焼式給湯器を用いて構成することもできる。三方切換弁61にはバイパス循環回路10の下流側が接続されており、三方切換弁61はコントローラ11により作動制御されることにより、燃焼式熱源装置6に供給される湯水として、前記の補助加熱出湯路60を通した湯水か、あるいは、バイパス循環回路10を通した湯水、下部配管部12を通して貯湯タンク3の底部からの湯水、主給水路41及び下部配管部12からの給水かの切換え、及び、その通過流量の調整機能を果たすようになっている。なお、出湯回路5の下流側には図示を省略するが、給水回路4からの分岐路が接続されて混水による温度調整が可能とされている他、浴槽85に注湯するための分岐路も接続されている。
【0019】
又、前記燃焼式熱源装置6とタンク水比例弁66との間の補助加熱出湯路60からは熱利用循環回路8の熱源供給路81が分岐し、前記のポンプ62の作動により熱源供給路81を通して外部熱負荷加熱用の液−液熱交換器82,83に対し湯水を熱源として供給し得るようになっている。外部熱負荷(熱利用対象)としては図例の如く温水暖房装置84の熱源となる暖房用媒体や、風呂85の追い焚き用の浴槽水が挙げられ、これら暖房用媒体や浴槽水を液−液熱交換器82,83で液−液熱交換加熱した後、熱交換加熱により温度低下した湯水が戻り路86を通して下部配管部12に合流し、貯湯タンク3の下部に戻されることになる。なお、戻り路86の下流側はバイパス循環回路10の上流端にも合流可能に接続されており、戻り路86から戻された湯水を再加熱のために補助熱源装置6に対し直接に供給して循環可能となっている。
【0020】
以上の給湯装置は、リモコン110からの入力設定信号や操作信号の出力や、種々の温度センサ等からの検出信号の出力を受けて、コントローラ(制御手段)11により種々の作動制御が行われるようになっている。コントローラ11は、そのような作動制御のために、運転制御手段16(
図2参照)と、表示制御手段17とを備え、運転制御手段16は、沸き上げ運転制御部161、加熱殺菌運転制御部162、給湯運転制御部163、外部負荷運転制御部164、応急運転制御部165等を備えている。又、表示制御手段17は、リモコン110の表示部111に対する種々の表示制御を行うものであり、貯湯量表示制御部171、対応不可時表示制御部172、応急運転時表示制御部173等を備えている。コントローラ11は、CPUや書き換え可能メモリを備えるマイコンによって主構成されており、メモリに記憶されたプログラム及び各種データに基づいて前記の沸き上げ運転制御や給湯制御などの他に、リモコン110への表示制御を行うようになっている。さらに、リモコン110は、例えばLCD等により構成された表示部111(
図3参照)、運転スイッチ112、メニューボタンを兼ねる選択・決定スイッチ113、スピーカフォン114等を備えて構成されている。ここで、
図1においてリモコン110は1つのみ示しているが、リモコン110としては台所リモコン,浴室リモコン,暖房リモコンなど2種以上のリモコンを設けることができ、これらを代表して図示したものである。従って、表示制御手段17による表示制御を、ある特定箇所(例えばユーザーによる入力操作があったリモコン)のリモコンを対象にしたり、あるいは、全ての箇所のリモコンを対象にしたりして実行することができる。
【0021】
以下、主として本実施形態の特徴的な制御部分である表示制御手段17による表示制御について説明する。まず、貯湯量表示制御部171は、通常表示モードと、例外表示モードとを備えている。通常表示モードは、貯湯温度センサ33〜36による検出温度に基づき貯湯タンク3内の貯湯量(残熱量)の演算を行って所定の貯湯量表示を表示する。ここで、貯湯量表示とは、その時点で使用可能な貯湯タンク3の貯湯量(所定温度以上の貯湯量;残熱量)を表示することであり、具体的な熱量演算値や割合を数字で表示したり、図表等のグラフにより表示したりすることができる。本実施形態では、例えば、
図4(a)に示すように、表示部110の左側領域に図案化した貯湯量表示151を表示することができる。具体的には、貯湯量表示151として、貯湯タンク3を示す縦長の矩形枠の図形と,内部の残熱量を貯湯温度センサ33〜36により区画される段数(例えば3段)の矩形の塗り図形とにより一目で把握できるようにすることができる。なお、矩形の塗り図形の段数は、貯湯量表示のサイズや、前記の貯湯温度センサ33〜36の数等に応じて定めればよく、例えば4段や5段と細分化することもできる。なお、
図4(a)に示す表示部111には、中央領域に対し「給湯」という文字と共に給湯用に設定されている設定温度の値(図例では42℃)を一目で視認できる程度の大きなサイズの数字で表示する給湯設定温度表示152と、右側領域に非燃焼式熱源装置2で消費される電気量(文字「E」も併せて表示)及び燃焼式熱源装置6で消費されるガス量(文字「G」も併せて表示)の使用量対比を横長の帯で示すバー表示153とが表示されている。この図例では、電気の使用量に相当する領域が着色されている。
【0022】
これに対し、例外表示モードは、加熱殺菌運転制御部162(
図2参照)による加熱殺菌運転の実行に伴い、通常表示モードから切換えられるようになっている。そして、例外表示モードでは、貯湯温度センサ33〜36による検出温度の如何に拘わらず、つまり、貯湯量(残熱量)の如何に拘わらず、貯湯量表示151の表示をキャンセルする。ここで、貯湯量表示151の表示をキャンセルするとは、貯湯タンク3内の貯湯については、実際の残湯量の如何に拘わらず、給湯には使用できないことを視覚により認識させ得るための表示にする、との趣旨である。例えば、前記の貯湯量表示151の例では、
図4(b)に示すように、貯湯タンク3を示す矩形枠の図形のみを表示し、貯湯量に相当する矩形の塗り図形の表示をキャンセルして無表示にする。この結果、
図5(a)に詳細を示すように内部が無表示で貯湯タンク3を示す矩形枠の図形のみが表示される貯湯量表示151となる。この際、貯湯量表示151の上側に、「リフレッシュ」という文字を表示して、加熱殺菌運転が現在実行されていることも併せて示すようにしている。この現在の運転の種別表示については、例えば
図5(b)に示すように、無表示とされた貯湯量表示151の内部(貯湯タンク3を示す矩形枠の図形の内部)に「リフレッシュ中」という文字を表示するようにしてもよい。
【0023】
次に、加熱殺菌運転制御部162による加熱殺菌運転制御について説明する。加熱殺菌運転制御は、ユーザーの長期不在又は長期に亘り給湯装置の不使用状態の継続に起因して貯湯タンク3内や種々の湯水流路内等の湯水に菌繁殖の可能性が有り、殺菌対策を行う必要が有ると判定されたとき、開始される。長期不在や不使用状態の継続に起因して加熱殺菌運転が必要か否かは、例えば次の検出状況が所定時間継続することにより必要と判定することができる。すなわち、給湯運転や湯張り運転等のユーザー操作に基づく運転が行われたか否かをコントローラ11の該当する制御要素(運転制御部)からの制御情報に基づき判定し、その運転(使用)が終了した時点でタイマーをスタートさせる。又、リモコン110に対するユーザーの操作が未操作である状態が継続しているか否か、給湯栓7の開栓に伴う最低作動流量(MOQ)の検出が非検出である状態が継続しているか否かをそれぞれ監視する。リモコン110の操作又はMOQの検出のいずれかが有れば、タイマーを再スタートさせる一方、いずれもがない状態が継続しタイマーのカウントが所定時間(例えば100時間)経過すれば、加熱殺菌運転が要と判定することができる。
【0024】
加熱殺菌運転制御としては、2段階の加熱殺菌運転が実行される。第1段階の加熱殺菌運転は非燃焼式熱源装置2を熱源とする加熱殺菌運転により行われ、第2段階の加熱殺菌運転は燃焼式熱源装置6を熱源とする加熱殺菌運転が行われる。すなわち、第1段階の加熱殺菌運転として、
図6に湯水の移動経路を太線で示すように、非燃焼式熱源装置2に通電してヒートポンプの作動を開始させる一方、加熱循環回路9の循環ポンプ93を作動させる。これにより、貯湯タンク3の底部から取り出された湯水が導出路91を通って非燃焼式熱源装置2に送られ、非燃焼式熱源装置2で熱交換加熱されて所定温度まで昇温した湯水が導入路92を通って貯湯タンク3の頂部に戻されるという循環加熱が行われることになる。貯湯タンク3内の全体が所定温度(例えば60℃)以上になるまで循環加熱が行われる。
【0025】
第2段階の加熱殺菌運転は、
図7に湯水の移動経路を太線で示すように、三方切換弁61をバイパス循環回路10の側と燃焼式熱源装置6の側とが連通するように切換え、タンク水比例弁66を開にし、ポンプ62を作動した上で燃焼式熱源装置6の燃焼作動を開始させる。これにより、貯湯タンク3の底部から湯水が下部配管部12、バイパス循環回路10及び三方切換弁61を通って燃焼式熱源装置6に流れ、燃焼式熱源装置6の燃焼熱により熱交換加熱されて所定温度(例えば75℃)以上に加熱された湯水がタンク水比例弁66及び上部接続路53を通って貯湯タンク3の頂部に戻されるという循環加熱が行われることになる。そして、貯湯タンク3内の全体が所定温度(例えば75℃)以上になるまで循環加熱が行われる。通常、レジオネラ菌は60℃で10〜15分以内、70℃で5秒以内で死滅するといわれているため、まず第1段階の加熱殺菌として非燃焼式熱源装置2を用いて行い、さらに第2段階の加熱殺菌を燃焼式熱源装置6を用いて75℃程度まで加熱することで、他の雑菌を含めレジオネラ菌は確実に死滅することになる。
【0026】
前記の加熱殺菌運転制御の第1段階の加熱殺菌運転が実行中のときには給湯栓7がたとえユーザーにより開かれたとしても、貯湯タンク3内の湯水が直接に給湯栓7に出湯されないように、出湯回路5の下流端側の混水弁(図示省略)の湯側が閉切換制御されている。そして、給湯栓7が開栓された場合には、三方切換弁61を補助加熱出湯路60の側と燃焼式熱源装置6の側とが連通するように切換え、タンク水比例弁66を開にしてポンプ62を作動させた上で燃焼式熱源装置6を燃焼作動させることにより、貯湯タンク3内の湯水を使用しつつも燃焼式熱源装置6で加熱した湯水を給湯栓7への出湯に供するようにしている。
【0027】
以上の場合、自動制御により加熱殺菌運転制御が開始されたとき、その開始に伴いリモコン110の表示部111に表示される貯湯量表示151は貯湯量表示制御部171の例外表示モードの実行によって内部が無表示のままに切換えられるため、これを見たユーザーは貯湯タンク3内の貯湯は給湯には使用できないことが視覚的に即座に認識することができる。このため、ユーザーが給湯栓7を開いて給湯使用しようとしたら、燃焼式熱源装置6の燃焼作動が開始されることが燃焼作動音等によって感知されたとしても、貯湯タンク3内の貯湯が使用できないからだと理解することができ、違和感を抱くことはなく故障等が発生したとの誤解を生じさせることもない。
【0028】
図8は、リモコン110の選択・決定スイッチ113(
図3参照)を操作して貯湯メニューを表示部111に表示させた場合の表示例を示している。具体的には、貯湯メニューを表示させた上で、選択・決定スイッチ113を操作することで「手動貯湯」を選択した画面が表示されている。この手動貯湯が前記の加熱殺菌運転の実行中にユーザーにより選択された場合には、「受付できません」というように手動貯湯の入力設定は受付られず対応不可であることを示す文字案内が、対応不可時表示制御部172(
図2参照)による表示制御によって表示されるようになっている。手動貯湯とは、本来は貯湯タンク3への貯湯(蓄熱)は沸き上げ運転制御部161により自動で実行されるようになっているが、ユーザーの意思により手動で貯湯要求指令を入力することで自動制御とは別に沸き上げ運転を開始させ得るものである。ところが、加熱殺菌運転の実行中の他に、沸き上げ運転の開始が不適切又は不能な状態にあるときには、制御上の干渉が生じたり、あるいは、ユーザーによる手動貯湯の要求指令が制御上無視されたりしてしまうことになる。このため、前記の対応不可の表示を積極的に表示することで、ユーザーに対しより的確に状況把握のための案内をすることができるようになる。なお、対応不可の案内は、表示部111への表示に加えて、あるいは、表示部111への表示に代えて、音声案内により行うようにすることができる。例えば、リモコン111のスピーカフォン114(
図3参照)を用いて音声案内を行うようにすることができる。この場合、リモコン110が報知手段を構成することになる。
【0029】
又、例えば停電やガス遮断事故等が発生した際に、リモコン110の選択・決定スイッチ113を操作して、ユーザーにより応急運転に切換られたときには、応急運転制御部165(
図2参照)による応急運転制御が実行されることになる。この応急運転制御は、例えば停電発生のときにはガスのみで沸き上げ運転制御を行い、つまり電力で作動する非燃焼式熱源装置2を用いないでガスで燃焼作動される燃焼式熱源装置6の燃焼作動により沸き上げ運転制御を行って貯湯タンク3を満蓄状態に維持させるようにし、逆にガス遮断が発生したときには電気のみで沸き上げ運転制御を行い、つまりガスで燃焼作動される燃焼式熱源装置6を用いないで電力で作動する非燃焼式熱源装置2の作動により沸き上げ運転制御を行って貯湯タンク3を満蓄状態に維持させるようにするものである。この場合には、応急運転時表示制御部173によって、表示部111に対し、
図9に例示するような応急運転時の表示が行われるようになっている。すなわち、沸き上げ運転をガスのみで実行させる応急運転がユーザーにより選択設定されたときには、
図9(a)に示すように上欄領域に「[応急運転]ガスのみで給湯します」という文字案内表示154を表示する。この際、バー表示153は全量がガス使用であることを示すように全領域が白色表示となる。一方、沸き上げ運転を電気(電力)のみで実行させる応急運転がユーザーにより選択設定されたときには、
図9(b)に示すように上欄領域に「[応急運転]電気のみで給湯します」という文字案内表示154を表示する。この際、バー表示153は全量が電気使用であることを示すように全領域が着色表示となる。
【0030】
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では非燃焼式熱源装置2がヒートポンプ作動系により構成された例を示したが,加熱殺菌運転の実行中は貯湯量表示を無表示にする(キャンセルする)という技術については、非燃焼式熱源装置を燃料電池、ガスエンジン(エンジン冷却水排熱)、あるいは、太陽熱を集熱するソーラーパネル等のいずれか1種又は複数種のものを組み合わせて構成した給湯装置に、本発明を適用することができる。又、非燃焼式熱源装置として、ヒートポンプに代えて電気ヒータ又は電熱器を用いて構成した給湯装置に対し本発明を適用することもできる。
【0031】
又、前記実施形態では表示制御手段17がコントローラ11に内装された例を示したが、表示制御手段17の一部又は全てをリモコン110の側に設けるようにしてもよい。さらに、貯湯量表示部として、リモコン110の表示部111を利用しているが、これに限らず、他の装置の表示部又は独立したモニターを用いて構成することができる。