(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通知手段は、前記処理手段によりジョブに基づく情報の登録処理が完了した場合に、該ジョブの処理要求に係るユーザの宛先に、該ジョブに基づいて登録された情報を確認するための確認情報を通知する
請求項6に記載の処理装置。
前記付与手段は、前記格納手段から選択した複数のジョブごとに、該ジョブの処理要求に係るユーザの識別情報に関連付けて管理される該ユーザのスケジュール情報、該ユーザの担当する講義の情報、該講義のスケジュール情報、該講義の履修者情報、該ジョブの受付からの経過時間の少なくとも1つに基づく評価結果に従って優先順位を付与する
請求項1乃至9のいずれかに記載の処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0020】
[1.システム構成]
図1には、本実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成図を示した。本実施形態に係る情報処理システム1は、情報管理支援サーバ10、教育情報管理サーバ20、画像形成装置30、メールサーバ40、1以上のパーソナルコンピュータ50を含み、情報管理支援サーバ10、教育情報管理サーバ20、画像形成装置30、メールサーバ40、パーソナルコンピュータ50はそれぞれネットワークNWに接続して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0021】
教育情報管理サーバ20は、教員の情報(ID、名前、メールアドレス、属性、所属等)、学生の情報(ID、名前、メールアドレス、属性、所属等)、講義の情報(講義を実施する教員のID、履修する学生のID、カリキュラム、講義スケジュール、課題等)や、各講義の出欠、各講義で提出された課題の採点情報等を管理するコンピュータである。
【0022】
画像形成装置30は、紙媒体への画像の形成(印刷処理)や、紙媒体に形成された画像の読み取り(スキャン処理)等を実行する装置である。例えば、画像形成装置30は、パーソナルコンピュータ50からの印刷要求に応じて印刷処理を実行したり、紙媒体のスキャン要求を受け付けてスキャンしたデータを指定のデバイス(例えば情報管理支援サーバ10)に送信したりする。
【0023】
メールサーバ40は、電子メールの配信を管理するコンピュータである。例えば、本実施形態では、メールサーバ40は、教育情報管理サーバ20で管理される教員、学生、管理者のメールアドレスを宛先とする電子メールの受信サーバとして、また、情報管理サーバ、教育情報管理サーバ20、画像形成装置30、教員、学生、管理者が操作するパーソナルコンピュータ50から送信される電子メールの送信サーバとして機能することとする。もちろん、メールサーバ40は、管理するメールアドレス等に応じて複数設けることとしても構わない。
【0024】
パーソナルコンピュータ50は、教員、学生、管理者等のユーザの操作を受け付けて処理を実行するコンピュータである。例えば、パーソナルコンピュータ50は、ユーザの操作を受け付けて、教育情報管理サーバ20にアクセスして、教育情報管理サーバ20で管理される情報の閲覧、更新、追加、削除等を行ったり、教育情報管理サーバ20から取得した情報を画像形成装置30に送信して印刷処理を実行させたりする。
【0025】
本実施形態では、情報管理支援サーバ10は、教育情報管理サーバ20による情報の管理を支援するコンピュータである。例えば、情報管理支援サーバ10は、教員の操作に応じて画像形成装置30により1以上の紙媒体をそれぞれスキャンしたスキャンデータを1つのジョブとして受け付け、ジョブをキューに蓄積する。この際、情報管理支援サーバ10は、キューに蓄積する各ジョブの優先順位を決定し、決定した優先順位に従ってジョブを順次処理する。なお、情報管理支援サーバ10は、ジョブに含まれる1以上の紙媒体のスキャンデータのそれぞれに対して文字認識処理を実行し、各紙媒体からユーザのIDを取得し、取得したユーザのIDに関連付けて、各紙媒体から得られた情報を登録する処理を実行することとしてよい。以上の処理を実行するために備えられる機能、処理の一例について以下詳細に説明する。
【0026】
[2.ハードウェア構成]
ここで、
図2を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム1に含まれる情報管理支援サーバ10、教育情報管理サーバ20、画像形成装置30のハードウェア構成の一例についてそれぞれ説明する。
【0027】
[2−1.情報管理支援サーバ10]
まず、情報管理支援サーバ10のハードウェア構成例について説明する。
図2には、情報管理支援サーバ10のハードウェア構成図を示した。
図2に示されるように、情報管理支援サーバ10は、制御部11、記憶部12、通信部13を備える。
【0028】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部12に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともに情報管理支援サーバ10の各部を制御する。
【0029】
記憶部12は、情報管理支援サーバ10のオペレーティングシステム等の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部11のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態で情報管理支援サーバ10に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して情報管理支援サーバ10に供給されてもよい。以下、記憶部12に記憶されるデータの一例について説明する。
【0030】
図3には、記憶部12に記憶される登録デバイス管理テーブルの一例を示した。
図3に示されるように、登録デバイス管理テーブルには、デバイスID(デバイスを識別する識別子)、アドレス(例えばIPアドレス(ホスト名)、ポート番号等)、認証情報(IDとパスワード等)、優先順位が関連付けて記憶される。
【0031】
図4には、記憶部12に記憶されるジョブ情報管理テーブルの一例を示した。
図4に示されるように、ジョブ情報管理テーブルには、ジョブを識別するジョブID、ジョブの登録者(教員であるユーザのID)、ジョブデータのパス、ジョブの受付日時、ジョブの完了フラグ(T(真)であれば完了、F(偽)であれば未完了を示す)、登録者(教員)の休暇日程の情報が関連付けて記憶される。例えば、ジョブ情報管理テーブルは、情報管理支援サーバ10が、画像形成装置30から受け付けたジョブと、ジョブの登録者について教育情報管理サーバ20から取得したスケジュール情報に基づいて登録することとしてよい。なお、ジョブ情報管理テーブルへの情報登録の詳細については後述する。
【0032】
図5には、記憶部12に記憶される処理待ちキュー管理テーブルの一例を示した。
図5に示されるように、処理待ちキュー管理テーブルには、優先順位、ジョブID、優先順位の決定日時、ジョブの完了フラグ(T(真)であれば完了、F(偽)であれば未完了を示す)が関連付けて記憶される。例えば、処理待ちキュー管理テーブルは、情報管理支援サーバ10が、ジョブについて決定した優先順位と、ジョブの処理結果に基づいて更新することとしてよい。なお、処理待ちキュー管理テーブルへの情報登録・更新の詳細については後述する。
【0033】
通信部13は、例えばネットワークインターフェースカード(NIC)を含み、NICを介してネットワークNWに接続して、ネットワークNWに接続される他のデバイスと通信する。
【0034】
[2−2.教育情報管理サーバ20]
次に、教育情報管理サーバ20のハードウェア構成について説明する。
図2には、教育情報管理サーバ20のハードウェア構成例を示した。
図2に示されるように、教育情報管理サーバ20は、制御部21、記憶部22、通信部23を備える。
【0035】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部22に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともに教育情報管理サーバ20の各部を制御する。
【0036】
記憶部22は、教育情報管理サーバ20のオペレーティングシステム等の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部21のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態で教育情報管理サーバ20に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して教育情報管理サーバ20に供給されてもよい。以下、記憶部22に記憶されるデータの一例について説明する。
【0037】
図6には、記憶部22に記憶されるユーザ情報管理テーブルの一例を示した。
図6に示されるように、ユーザ情報管理テーブルには、ユーザID(教員、学生、管理者等のユーザをそれぞれ識別する識別子)、ユーザ名、メールアドレス、属性(ユーザの属性(例えば教員、学生、管理者等))、所属(ユーザの所属学部、学科、研究室等)、常勤/非常勤の勤務形態が関連付けて記憶される。例えば、ユーザ情報管理テーブルの内容は、管理者の権限を有するパーソナルコンピュータ50からのアクセスに基づいて登録、更新、削除することとしてよい。
【0038】
図7には、記憶部22に記憶される講義情報管理テーブルの一例を示した。
図7に示されるように、講義情報管理テーブルには、講義ID(講義をそれぞれ識別する識別子)、講義回(何回目の講義であるかを示す情報)、担当教員(主たるユーザID)、アシスタント(教員又は学生)、日程、課題の情報、講義の履修者(学生(従たるユーザID)のリスト)の情報が関連付けて記憶される。例えば、講義情報管理テーブルの内容は、管理者の権限を有するパーソナルコンピュータ50からのアクセスに基づいて登録、更新、削除することとしてよい。また、講義情報管理テーブルには、ユーザIDごとの、休暇日程の情報(休講の情報を含む)が記憶されていることとしてよい。
【0039】
通信部23は、例えばネットワークインターフェースカード(NIC)を含み、NICを介してネットワークNWに接続して、ネットワークNWに接続される他のデバイスと通信する。
【0040】
[2−3.画像形成装置30]
図2には、画像形成装置30のハードウェア構成例を示した。
図2に示されるように、画像形成装置30は、制御部31、記憶部32、通信部33、操作パネル34、画像形成部35、スキャン部36を備える。
【0041】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部32に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともに画像形成装置30の各部を制御する。
【0042】
記憶部32は、画像形成装置30のオペレーティングシステム等の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部31のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態で画像形成装置30に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して画像形成装置30に供給されてもよい。
【0043】
通信部33は、例えばネットワークインターフェースカード(NIC)を含み、NICを介してネットワークNWに接続して、ネットワークNWに接続される他のデバイスと通信する。
【0044】
操作パネル34は、タッチパネル、キーボード等の入力装置と、液晶ディスプレイ等の表示装置とを含み、ユーザからの操作入力を受け付けるとともに、制御部31による情報処理の結果(画面)を表示装置に表示させる。
【0045】
画像形成部35は、印刷対象の媒体(例えば紙媒体)に、制御部により指定された画像データに基づく画像を形成する。
【0046】
スキャン部36は、光学系及び受光素子を備え、スキャン対象の媒体(例えば紙媒体)の画像データを取り込む。
【0047】
[3.シーケンスの説明]
次に、情報処理システム1において実行される処理の具体例について説明する。本実施形態に係る情報処理システム1は、以下の工程に用いられる。すなわち、(1)まず教員が講義の記入用紙(例えば出席票や回答用紙)を印刷し、印刷した記入用紙を講義時に学生に配布し、(2)学生が配布された記入用紙に記入(例えば学籍番号(ID)等)して、記入後の記入用紙を教員に提出し、(3)教員が学生から提出された記入用紙に対して必要に応じて追記した後に、(4)それらの記入用紙をまとめて画像形成装置30にスキャンさせて、スキャン内容に基づき得られた記入用紙の内容を教育情報管理サーバ20に登録する。ここで、情報管理支援サーバ10は、上記の(4)において、画像形成装置30から、登録者のIDと、スキャンデータとを1つのジョブとして受け付け、受け付けたジョブをキューに蓄積し、蓄積したジョブの優先順位を、登録者の担当する講義数、講義頻度、講義スケジュール(次回講義までの時間間隔)、講義の特性、登録者の不在度、ジョブのフィードバックの必要度、ジョブの登録後の経過時間等に基づいて決定し、決定した優先順位に応じてキューに蓄積されたジョブを順次処理することとする。
【0048】
[3−1.印刷処理]
まず、
図8に示されたシーケンス図を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム1で実行される記入用紙の印刷処理(上記の(1)の印刷処理に対応)の一例について説明する。
【0049】
図8に示されるように、ユーザ(管理者又は教員)により操作されるパーソナルコンピュータ50が、ユーザから操作(記入用紙(例えば出席票)のダウンロード要求)を受け付け(S101)、受け付けた操作に基づいて教育情報管理サーバ20に対して記入用紙のデータを要求する(S102)。
【0050】
教育情報管理サーバ20は、記憶している記入用紙のフォームデータ(例えば、出席票であれば学籍番号の桁数ごとのフォームデータを保持していてもよい)の中から、パーソナルコンピュータ50からの要求に係る記入用紙のフォームデータを選択し、選択した記入用紙のフォームデータをパーソナルコンピュータ50に送信する(S103)。
【0051】
パーソナルコンピュータ50では、教育情報管理サーバ20から受信した記入用紙のフォームデータを必要に応じて編集した後に、記入用紙を指定部数印刷する印刷指示を画像形成装置30に対して送信する(S104)。
【0052】
画像形成装置30は、パーソナルコンピュータ50から受信した印刷指示に基づいて、記入用紙を指定部数印刷する(S105)。
【0053】
本実施形態では、印刷される記入用紙には、特定の教員の情報を形成しないようにしているため、特定の教員専用ではなく、1以上の任意の教員が共有して使用可能である。
【0054】
[3−2.ジョブの受付処理]
次に、
図9に示されるシーケンス図を参照しながら、情報管理支援サーバ10が画像形成装置30からジョブを受け付ける際の処理の一例について説明する。
【0055】
図9に示されるように、画像形成装置30は、登録者(教員)からの操作パネルへの操作入力に基づいてユーザIDを受け付け(S201)、さらに、登録者からスキャン操作を受け付けると(S202)、紙媒体のスキャン処理を実行する(S203)。
【0056】
画像形成装置30は、S201で受け付けた登録者のユーザIDと、S203で得た紙媒体のスキャンデータを含むジョブデータを、情報管理支援サーバ10に送信する(S204)。
【0057】
情報管理支援サーバ10は、画像形成装置30から受信したジョブデータに含まれるユーザIDに関し、該ユーザIDに紐付けられたスケジュール情報の転送を教育情報管理サーバ20に対して要求する(S205)。
【0058】
教育情報管理サーバ20は、情報管理支援サーバ10からの要求に係るユーザIDに紐付けられるスケジュール情報を講義情報管理テーブルから取得する(S206)。そして、教育情報管理サーバ20は、S206で取得したスケジュール情報を情報管理支援サーバ10に対して送信する(S207)。
【0059】
情報管理支援サーバ10は、画像形成装置30から受信したジョブデータを記憶部12に記憶するとともに、画像形成装置30から受信したジョブデータの情報を、教育情報管理サーバ20から受信した講義情報に基づいてジョブ情報管理テーブルに登録する(S208)。例えば、情報管理支援サーバ10は、画像形成装置30から受信したジョブデータに識別情報(ジョブID)を付与するとともに、ジョブデータに含まれるユーザID、ジョブデータの受付日時、ジョブデータの完了フラグ(初期値はF(偽):未完了)、教育情報管理サーバ20から受信したスケジュール情報に含まれる休暇日程(不在日程)の情報をジョブ情報管理テーブルに登録することとしてよい。
【0060】
なお、情報処理システム1は、ジョブごとに
図9に示したシーケンスを実行することとしてよい。また、S101のユーザIDの受付処理に先立って、画像形成装置30は、教育情報管理サーバ20から教員リストを受信し、受信した教員リストを選択する選択画面へのユーザの選択操作に基づいてユーザIDの選択を受け付けることとしてもよい。
【0061】
[3−3(1).ジョブの処理(1)]
次に、情報管理支援サーバ10に登録されたジョブデータを、情報管理支援サーバ10が実行する際の処理を、
図10に示されるシーケンス図を参照しながら説明する。
【0062】
図10に示されるように、情報管理支援サーバ10は、ジョブ情報管理テーブルに登録されているジョブの中に、未処理のジョブがあるか否かを判断する(S301)。例えば、情報管理支援サーバ10は、ジョブ情報管理テーブルに登録されているレコードのうち、完了フラグがF(偽:未完了)のレコードがあるか否かに基づいて未処理のジョブがあるか否かを判断することとしてよい。そして、情報管理支援サーバ10は、未処理のジョブがない場合には(S301:N)、待機し、未処理のジョブがある場合には(S301:Y)、以下のS302に進む。
【0063】
情報管理支援サーバ10は、未処理のジョブがある場合には(S301:Y)、ジョブ情報管理テーブルの中から処理対象のジョブを抽出する(S302)。例えば、情報管理支援サーバ10は、ジョブ情報管理テーブルに格納されるジョブのうち、現在日時が登録者の休暇日程の期間内にないジョブを処理対象のジョブとして抽出することとしてよい(S303)。これは、登録者が休暇中は確認作業ができず、ジョブの処理優先度が低いと考えられるためである。
【0064】
次に、情報管理支援サーバ10は、S302で処理対象に抽出されたジョブのそれぞれの優先順位を決定する優先順位決定処理を実行する(S303)。
【0065】
[3−3−1.優先順位決定処理]
ここで、
図11に示されるフロー図を参照しながら、S303の優先順位決定処理の詳細について説明する。
【0066】
図11に示されるように、情報管理支援サーバ10は、S302で抽出されたジョブ(各ジョブをJ
1〜J
Nとして表し、Nは1以上の自然数とする)を対象に設定し(S401)、変数kを1に初期化する(S402)。
【0067】
次に、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの登録者である教員(ユーザ)の不在度a
kを、教育情報管理サーバ20から取得される情報に基づいて決定する(S403)。例えば、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの登録者(ユーザID)についてユーザ情報管理テーブルで格納される常勤/非常勤の種別を、教育情報管理サーバ20から取得し、常勤である場合にはa
k=x(例えば0)、非常勤である場合にはa
k=y(y>xで、例えばy=1)としてよい。なお、不在度とは、ジョブJ
kの登録者が、施設内に居室を持たない場合には高くなり、施設内に居室を持つ登録者に比べて施設内に居室を持たない登録者の方が、ジョブJ
kの確認作業を行う機会が少ないため、不在度が高い登録者のジョブについては処理を優先的に行うこととしてよい。
【0068】
また、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの登録者である教員(ユーザ)の講義数b
kを、教育情報管理サーバ20から取得される情報に基づいて決定する(S404)。例えば、情報管理支援サーバ10は、講義情報管理テーブルにおいてジョブJ
kの登録者(ユーザID)が担当教員の欄に格納されている講義の数を教育情報管理サーバ20から取得することとしてよい。例えば、講義数が高い登録者のジョブについては、処理優先度が高くなるようにしてよい。
【0069】
また、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kのフィードバック必要度c
kを、教育情報管理サーバ20から取得される情報に基づいて決定する(S405)。例えば、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの対応する講義を、ジョブJ
kの登録者である教員の担当する講義のうち、講義の実施日時が、ジョブJ
kの受付日時よりも前であって、ジョブJ
kの受付日時と最も近い講義(又は、ジョブJ
kに含まれるスキャンデータ数(紙媒体数)と履修数が最も近い講義)を、ジョブJ
kに対応する講義として特定する。そして、情報管理支援サーバ10は、特定した講義の講義回を、ジョブJ
kの受付日時に基づいて特定し(受付日時に最も近い講義回を特定することとしてよい)、特定した講義回が初回又は最終回である場合にはフィードバックの必要度が低いとしてc
k(初期値0)に0を加算し、特定した講義回が初回又は最終回でない場合であって、長期休暇前の最後の講義でないときにはフィードバックの必要度が通常としてc
k(初期値0)にα(α>0)を加算し、特定した講義回が初回又は最終回でない場合であって、長期休暇前の最後の講義であるときにはフィードバックの必要度が高いとしてc
k(初期値0)にβ(β>α)を加算することとしてよい。例えば、フィードバックの必要度が高いジョブについては、処理優先度が高くなるようにしてよい。
【0070】
また、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの対応する講義の履修者の所属先数d
kを、教育情報管理サーバ20から取得される情報に基づいて決定する(S406)。ここで、ジョブJ
kの対応する講義は、S404で特定した講義とすることとしてよい。そして、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの対応する講義のそれぞれの履修者(ユーザ)と、それぞれの履修者の所属を教育情報管理サーバ20から取得し、取得された所属の数を計数して所属先数d
kを得ることとしてよい。例えば、所属先数が大きい講義に対応するジョブについては、処理優先度が高くなるようにしてよい。
【0071】
また、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの登録者である教員(ユーザ)の講義頻度e
kを、教育情報管理サーバ20から取得される情報に基づいて決定する(S407)。例えば、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの登録者である教員(ユーザ)が担当教員の欄に含まれる講義の日程に基づいて、指定期間内における講義頻度e
kを算出することとしてよい。講義頻度は、例えば、S404で特定したジョブJ
kの対応する講義に関して算出することとしてもよい。例えば、講義頻度が高い講義に対応するジョブについては、処理優先度が高くなるようにしてよい。
【0072】
また、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの登録者である教員(ユーザ)の次回講義までの間隔f
kを、教育情報管理サーバ20から取得される情報に基づいて決定する(S408)。例えば、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの登録者である教員(ユーザ)が担当教員の欄に含まれる講義の日程のうち、最先の日程までの間隔をf
kとして得ることとしてよい。例えば、登録者が休暇や休講により次回講義までの間隔が空く場合には、f
kが長くなり、この場合にはジョブの処理優先度は低くしてもよいと考えられるため、次回講義までの間隔が長い登録者のジョブについては処理優先度が低くなるようにしてよい。
【0073】
また、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの登録からの経過時間g
kを、ジョブ情報管理テーブルの記憶内容に基づいて決定する(S409)。例えば、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの受付日時から現在日時までの経過時間をg
kとして得ることとしてよい。例えば、登録からの経過時間が長いジョブについては、処理優先度が高くなるようにしてよい。
【0074】
そして、情報管理支援サーバ10は、以上決定したa
k〜g
kと、それぞれについて予め定められた重みA〜G(≧0)に基づいて、ジョブJ
kの評価値V
kを算出する。例えば、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kの評価値V
kを以下の式(1)により算出することとしてよい。
V
k=A・a
k+B・b
k+C・c
k+D・d
k+E・e
k+F・1/f
k+G・g
k (1)
【0075】
情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kについての評価値V
kを算出した後に、変数kがNに達していない場合には(S411:N)、kをインクリメント(kに1加算)して(S412)、S403に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0076】
また、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
kについての評価値V
kを算出した後に、変数kがNに達している場合には(S411:Y)、ジョブJ
1〜J
Nについて算出された評価値V
1〜V
Nの大きい順にジョブJ
1〜J
Nのそれぞれの優先順位を決定して(S413)、リターンする。
【0077】
[3−3(2).ジョブの処理(2)]
ここで、
図10に示されたシーケンス図に戻り説明を続ける。情報管理支援サーバ10は、処理対象のジョブのそれぞれについての優先順位決定処理を終えると(S303)、決定した優先順位に従って、処理待ちキュー管理テーブルの情報を更新する(S304)。例えば、情報管理支援サーバ10は、優先順位、対応するジョブID、優先順位決定日時、ジョブの処理が完了したか否かを示す完了フラグを関連付けて処理待ちキュー管理テーブルに記憶することとしてよい。なお、処理待ちキュー管理テーブルに以前記憶されていた情報は、新たに記憶する情報により上書きすることとしてよい。
【0078】
次に、情報管理支援サーバ10は、変数iを1に初期化するとともに、Nを処理対象のジョブ数として(S305)、優先順位iのジョブJ
iの処理を実行する(S306)。例えば、情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
iのスキャンデータの各々について文字認識処理を実行し、スキャンデータの各々からユーザIDを取得することとしてよい。
【0079】
情報管理支援サーバ10は、ジョブJ
iのスキャンデータの各々から得た情報に基づいて登録データを生成し(S307)、生成したジョブJ
iの登録データを教育情報管理サーバ20に送信して、ジョブJ
iの登録データの登録を要求する(S308)。
【0080】
教育情報管理サーバ20は、情報管理支援サーバ10から受信した登録データに基づく登録処理を実行する(S309)。例えば、教育情報管理サーバ20は、ジョブJiのスキャンデータの各々について、スキャンデータから文字認識されたユーザIDに、スキャンデータ(又はスキャンデータから得られた文字情報)、ジョブJiに対応する講義の情報を関連付けて登録することとしてよい。
【0081】
教育情報管理サーバ20は、S309の登録処理を終えると、情報管理支援サーバ10に対して、登録完了に係る情報を通知するとともに、登録者のメールアドレスを通知する(S310)。例えば、登録完了に係る情報には、登録内容を確認するための画面へのリンク情報、登録内容の集計情報、登録内容の一覧等が含まれることとしてよい。
【0082】
情報管理支援サーバ10は、教育情報管理サーバ20から登録完了通知を受領すると、登録完了メールを作成するとともに、作成した登録完了メールを登録者のメールアドレスに宛てて送信する(S311)。そして、情報管理支援サーバ10は、優先順位iのジョブJ
iについての処理待ちキュー管理テーブルと、ジョブ情報管理テーブルの完了済みフラグをT(真):完了済みに更新する(S312)。
【0083】
ここで、情報管理支援サーバ10は、優先順位を更新する場合には(S313:Y)、S302に戻り、優先順位を更新しない場合には(S313:N)、S314に進む。例えば、情報管理支援サーバ10は、新たなジョブを受け付けた場合(すなわち新たなジョブがジョブ情報管理テーブルに登録された場合)、又は前回の優先順位決定タイミングから予め定められた時間が経過した場合等に優先順位を更新するようにしてよい。
【0084】
情報管理支援サーバ10は、優先順位を更新しない場合には(S313:N)、変数iがN(処理対象のジョブ数)に達していないときには(S314:N)、iをインクリメント(iに1加算)して(S315)、S306に戻りそれ以降の処理を繰り返し、変数iがN(処理対象のジョブ数)に達しているときには(S314:Y)、S301に戻る。
【0085】
なお、情報管理支援サーバ10は、動作を停止するまで、
図10に示した処理を継続することとしてよい。
【0086】
以上が本実施形態に係る情報処理システム1における処理の一連の流れである。本実施形態に係る情報処理システム1によれば、登録者のスケジュール、登録者の講義の特性やスケジュールに応じて、ジョブの優先順位が決定され、決定された優先順位に応じてジョブが処理されるため、登録者のスケジュールや、登録者の講義の特性やスケジュールに応じたタイミングで登録者は登録内容を確認することができる。
【0087】
以下には、本実施形態に係る情報処理システム1における1つの具体例に係る処理を説明する。以下に説明する具体例においては、教員T1は非常勤講師、教員T2は常勤講師であり、評価値の算出において重みA>0,B〜G=0とする。この場合には、教員T1の処理要求R1が、教員T2の処理要求R2よりも高い優先順位で処理されることとなる。以下、具体的なフローを説明する。
(ステップ1)教員T3の処理要求R3を処理中に教員T2が提出物をスキャンし、処理要求R2が生成される。
(ステップ2)処理要求R2に関するユーザの付加情報・講義や課題の性質情報・スケジュールを教育情報管理サーバ20から取得する。
(ステップ3)処理要求R2の評価値に基づいて、処理要求R2に優先順位を付与し、処理待ちキューに入れる。
(ステップ4)処理要求R2の処理が始まる前に、教員T1が提出物をスキャンし、処理要求R1が生成される。
(ステップ5)処理要求R1に関するユーザの付加情報・講義や課題の性質情報・スケジュールを教育情報管理サーバ20から取得する。
(ステップ6)処理要求R1の評価値に基づいて、処理要求R1に優先順位を付与する。
(ステップ7)処理待ちキューに入っている処理要求R2と、処理要求R1の優先順位(評価値)を比較する。
(ステップ8)処理要求R1を処理要求R2の前に処理されるようにキュー内の順序を入れ替える。
(ステップ9)処理要求R3の処理が終わり次第、次に優先順位が高い処理要求R1の処理を実行する。
【0088】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、ユーザの処理要求に係るジョブは、紙媒体のスキャンデータに基づくデータ登録処理以外のデータ処理であってもよい。