(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0010】
(第1実施形態)
まず、
図1〜
図4を参照して、第1実施形態に係る静電気保護部品EP1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る静電気保護部品を示す斜視図である。
図2は、素体の構成を示す分解斜視図である。
図3は、
図1に示されたIII−III線に沿った断面構成を説明するための図である。
図4は、
図1に示されたIV−IV線に沿った断面構成を説明するための図である。
【0011】
静電気保護部品EP1は、電子機器の回路基板に実装され、ESDから電子機器を保護する電子部品である。
図1〜
図4に示されるように、静電気保護部品EP1は、略直方体形状を呈する素体4と、素体4の外表面に配置された外部電極7及び外部電極8と、素体4の内部に配置されたESDサプレッサSP1と、を備えている。ESDサプレッサSP1は、外部電極7と外部電極8とに、電気的に接続されている。ESDサプレッサSP1は、ESD吸収性能を有する。
【0012】
素体4は、複数の絶縁体層10が積層されて構成されている。各絶縁体層10は、略長方形状を有している。各絶縁体層10は、電気絶縁性を有する絶縁体であり、絶縁体グリーンシートの焼結体から構成される。実際の素体4では、各絶縁体層10は、その間の境界が視認できない程度に一体化されている。素体4は、外表面として、互いに対向する一対の端面4a,4bと、端面4a,4bに隣り合う四つの側面を有している。四つの側面のうち一の側面4cは、図示しない他の電子機器(例えば、回路基板又は電子部品など)に対面する面(実装面)として規定されている。
【0013】
外部電極7は、素体4の一方の端面4aの全面を覆い且つその一部が当該端面4aと隣り合う四側面上に回り込むように形成されている。すなわち、外部電極7は、素体4の一方の端面4a側に配置されている。外部電極8は、素体4の他方の端面4bの全面を覆い且つその一部が当該端面4bと隣り合う四側面上に回り込むように形成されている。すなわち、外部電極8は、素体4の他方の端面4b側に配置されている。
【0014】
ESDサプレッサSP1は、第一放電電極11及び第二放電電極12と、放電誘発部13と、を備えている。第一放電電極11と第二放電電極12とは、同一の絶縁体層10上において、互いに離間して配置されている。放電誘発部13は、第一放電電極11と第二放電電極12とを接続している。
【0015】
第一放電電極11は、引出部11aと、対向部11bと、を有している。引出部11aは、対向部11bから端面4aに露出するように延びている。引出部11aと、対向部11bとは、一体的に形成されている。対向部11bは、絶縁体層10の長手方向(一対の端面4a,4bが対向している方向)に延在している。引出部11aは、対向部11bの端面4a側の端部から対向部11bと同じ幅で端面4aまで延びている。引出部11aは、その端が端面4aに露出し、当該露出した端部で外部電極7に接続されている。
【0016】
第二放電電極12は、引出部12aと、対向部12bと、を有している。引出部12aは、対向部12bから端面4bに露出するように延びている。引出部12aと、対向部12bとは、一体的に形成されている。対向部12bは、絶縁体層10の長手方向に延在している。引出部12aは、対向部12bの端面4b側の端部から対向部12bと同じ幅で端面4bまで延びている。引出部12aは、その端が端面4bに露出し、当該露出した端部で外部電極8に接続されている。
【0017】
第一放電電極11と第二放電電極12とは、積層方向に直交する一の方向に延在する対向部11bと、当該一の方向に延在する対向部12bとが、対向するように、互いに離間して配置されている。すなわち、第一放電電極11と第二放電電極12とは、絶縁体層10の長手方向に直交する方向に隣り合うように配置されている。対向部11bと対向部12bとは、厚みを有している。このため、対向部11bの側面と対向部12bの側面とが対向する。対向部11bと対向部12bとの間に、ギャップ部GP1が形成されている(
図3参照)。外部電極7及び外部電極8に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極11と第二放電電極12との間のギャップ部GP1において、放電が生じる。ギャップ部GP1の幅は、所望の放電特性が得られるように、所定の値に設定されている。
【0018】
放電誘発部13は、第一放電電極11の対向部11b及び第二放電電極12の対向部12b同士を接続するように、第一放電電極11と第二放電電極12とに接している。すなわち、放電誘発部13は、第一及び第二放電電極11,12における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極11と第二放電電極12との間の放電を発生し易くする機能を有する。
【0019】
素体4は、空洞部14を有している(
図3及び
図4参照)。空洞部14を画成する面は、第一及び第二放電電極11,12(対向部11b,12b)並びに放電誘発部13(対向部11b,12bから露出する部分)の表面13aと、当該表面13aに対向する面14bと、を含んでいる。空洞部14は、積層方向から見て、放電誘発部13の全体を覆うように位置している。空洞部14は、対向部11b,12bと、放電誘発部13(対向部11b,12bから露出する部分)と、に接している。空洞部14は、放電時における第一放電電極11、第二放電電極12、絶縁体層10及び放電誘発部13の熱膨張を吸収する機能を有する。
【0020】
次に、各構成要素の材料について説明する。
【0021】
外部電極7,8と、第一放電電極11と、第二放電電極12とは、それぞれAg、Pd、Au、Pt、Cu、Ni、Al、Mo、又はWを含有する導体材料によって構成される。外部電極7,8を構成する導体材料として、Ag−Pd合金、Ag−Cu合金、Ag−Au合金、又はAg−Pt合金などを用いることができる。
【0022】
絶縁体層10は、Fe
2O
3、NiO、CuO、ZnO、MgO、SiO
2、TiO
2、Mn
2O
3、SrO、CaO、BaO、SnO
2、K
2О、Al
2O
3、ZrO
2、又はB
2O
3などの中の単独材料によって構成される。絶縁体層10は、これらの二種類以上を混合させたセラミックス材料によって構成されてもよい。絶縁体層10には、ガラスが含有されていてもよい。絶縁体層10には、低温焼結を可能とするために酸化銅(CuO又はCu
2O)が含有されていることが好ましい。
【0023】
放電誘発部13は、金属粒子と、ガラスを含有するセラミックス材料と、当該セラミックス材料よりも高い誘電率を有する誘電体材料と、を有している。誘電体材料の含有率は、上記セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、7.5〜40体積%に設定されている。金属粒子として、Pd粒子又はAg−Pd合金粒子が用いられる。ガラスを含有するセラミックス材料として、SiO
2−K
2O−B
2O
3系ガラスを主成分として含む誘電体磁器組成物又は特開2009−298684号公報に記載された誘電体磁器組成物などが用いられる。誘電体材料として、ジルコニア(ZrO
2)又はカルシウム−ジルコニウム酸化物(CaZrO
3)などが用いられる。ジルコニアの比誘電率は、40程度である。
【0024】
SiO
2−K
2O−B
2O
3系ガラスを主成分として含む誘電体磁器組成物は、たとえば、SiO
2−K
2O−B
2O
3系ガラス、石英、及びアモルファスシリカを主成分として含有し、アルミナ及びK
2O−MO−SiO
2−B
2O
3系ガラス(MOは、CaO又はSrOの少なくともいずれか一方である。)を副成分として含有している誘電体磁器組成物である。この誘電体磁器組成物では、主成分における、SiO
2−K
2O−B
2O
3系ガラス、石英、及びアモルファスシリカの各含有比率は、主成分全体で100重量%とした場合に、SiO
2−K
2O−B
2O
3系ガラスが40〜65重量%であり、石英が35〜50重量%であり、残部がアモルファスシリカである。アルミナ及びK
2O−MO−SiO
2−B
2O
3系ガラスの含有量は、主成分100重量%に対して、アルミナが1.5〜4重量%であり、K
2O−MO−SiO
2−B
2O
3系ガラスが5〜20重量%である。この誘電体磁器組成物の比誘電率は、4〜5である。
【0025】
特開2009−298684号公報に記載された誘電体磁器組成物は、主成分として、Znの酸化物単独ならびにMgの酸化物およびZnの酸化物から選ばれる1つと、Cuの酸化物と、Siの酸化物と、を含有し、副成分として、Siの酸化物、Baの酸化物、Caの酸化物、Srの酸化物、Liの酸化物およびZnの酸化物から選ばれる少なくとも1つと、Bの酸化物と、を含み、ガラス軟化点が750℃以下であるガラス成分と、を含有している。ガラス成分の含有量は、主成分100重量%に対して、1.5〜15重量%である。この誘電体磁器組成物の比誘電率は、6〜8である。
【0026】
次に、
図5を参照して、静電気保護部品EP1の製造方法について説明する。
図5は、第1実施形態に係る静電気保護部品の製造方法を示すフロー図である。
【0027】
まず、絶縁体層10を構成する材料のスラリーを調合し(S101)、絶縁体層10用のグリーンシートを形成する(S103)。具体的には、酸化銅(CuO)を含む所定量の誘電体粉末と、有機溶剤及び有機バインダを含む有機ビヒクルと、を混合し、絶縁体層10用のスラリーを調合する。誘電体粉末には、Mg、Cu、Zn、Si、又はSrの酸化物(他の誘電体材料でもよい)を主成分として含む誘電体材料を用いることができる。その後、ドクターブレード法などによって、PETフィルム上にスラリーを塗布し、厚さ20μm程度のグリーンシートを形成する。
【0028】
絶縁体層10用のグリーンシートを形成した後、当該グリーンシートの所定の位置に、放電誘発材料スラリー、導体ペースト、及び溶剤(空洞用ラッカー)をそれぞれ印刷する(S105)。ここでは、まず、放電誘発部13を形成するための放電誘発材料スラリーを印刷する(S105A)。放電誘発材料スラリーは、所定量に秤量した金属粒子、ガラスを含有するセラミックス材料、及び当該セラミックス材料よりも高い誘電率を有する誘電体材料と、有機溶剤及び有機バインダを含む有機ビヒクルと、を混合して、調合する。放電誘発材料スラリーは、絶縁体層10用のシートに、スクリーン印刷法などにより付与される。放電誘発材料スラリーは、後述する焼成工程により、放電誘発部13となる。
【0029】
次に、第一及び第二放電電極11,12を形成するための導体ペーストを印刷する(S105B)。導体ペーストは、放電誘発材料スラリーが印刷された、絶縁体層10用のグリーンシートに、スクリーン印刷法などにより付与される。導体ペーストは、後述する焼成工程により、第一及び第二放電電極11,12となる。
【0030】
次に、空洞用ラッカーを印刷する(S105C)。空洞用ラッカーは、絶縁体層10用のグリーンシートに、既に印刷された放電誘発材料スラリーと導体ペーストとを覆うように、スクリーン印刷法などにより付与される。空洞用ラッカーは、空洞部14を形成するための塗料である。
【0031】
次に、放電誘発材料スラリー、導体ペースト、及び空洞用ラッカーが印刷されたグリーンシートを含む複数の絶縁体層10用のグリーンシートを順次積層し(S107)、プレスし(S109)、積層体を得る。その後、得られた積層体をチップ単位に切断し(S111)、複数のグリーンチップを得る。
【0032】
次に、得られた各グリーンチップをバレル研磨する(S113)。これにより、グリーンチップの角部や稜線が丸められる。
【0033】
次に、各グリーンチップを所定の条件(たとえば、大気中で850〜950℃で2時間)焼成する(S115)。これにより、グリーンチップが焼成され、素体4が得られる。焼成工程では、空洞用ラッカーが消失する。これにより、第一及び第二放電電極11,12の対向部11b,12bと、放電誘発部13(対向部11b,12bから露出する部分)と、を覆う空洞部14が形成される。この結果、素体4内に、第一放電電極11、第二放電電極12、放電誘発部13、及び空洞部14を備えるESDサプレッサSP1が形成される。すなわち、焼成工程を経ることにより、ESDサプレッサSP1が内部に配置された素体4が得られる。
【0034】
次に、外部電極7,8用の導体ペーストを素体4に付与し(S117)、所定条件(たとえば、大気中で600〜800℃で2時間)にて熱処理を行い、外部電極7,8用の導体ペーストを素体4に焼き付ける(S119)。これにより、外部電極7,8が素体4の外表面に形成される。外部電極7は、第一放電電極11の引出部11aに接続されるように、形成される。外部電極8は、第二放電電極12の引出部12aに接続されるように、形成される。その後、各外部電極7,8の表面にめっきを施す(S211)。めっきは、電解めっきが好ましく、例えば、Ni/Sn、Cu/Ni/Sn、Ni/Pd/Au、Ni/Pd/Ag、又はNi/Agなどを用いることができる。
【0035】
これらの過程により、静電気保護部品EP1が得られる。
【0036】
ここで、放電誘発部13における誘電体材料の含有率と、放電開始電圧と、の関係について、詳細に説明する。本発明者らは、放電誘発部13における誘電体材料の含有率と、放電開始電圧と、の関係を明らかにするために、以下のような試験1〜4を行った。
【0037】
(試験1)
放電誘発部13における誘電体材料の含有率が異なる複数のサンプルを作製し、各サンプルの放電開始電圧を測定した。その測定結果を、
図6の(a)及び(b)に示す。各サンプルは、放電誘発部13における誘電体材料の含有率を異ならせた点を除いて同じ構成である。各サンプルでは、金属粒子として、Pd粒子が用いられている。上記セラミックス材料として、上述したSiO
2−K
2O−B
2O
3系ガラスを主成分として含む誘電体磁器組成物が用いられている。誘電体材料として、ジルコニアが用いられている。
【0038】
試験1で用いられた誘電体磁器組成物では、SiO
2−K
2O−B
2O
3系ガラス、石英、及びアモルファスシリカの各含有比率は、SiO
2−K
2O−B
2O
3系ガラスが50重量%であり、石英が42.5重量%であり、残部がアモルファスシリカである。アルミナ及びK
2O−MO−SiO
2−B
2O
3系ガラスの含有量は、主成分100重量%に対して、アルミナが2重量%であり、K
2O−MO−SiO
2−B
2O
3系ガラスが10重量%である。Pd粒子の含有量は、放電誘発部13を構成する全体の材料を100重量%とした場合に、63重量%である。
【0039】
図6に示される測定結果から、誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、7.5〜40体積%に設定されることにより、放電開始電圧が低下することが分かる。誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、15〜40体積%に設定される場合、放電開始電圧がより一層低下することが分かる。
【0040】
(試験2)
金属粒子としてAg−Pd合金粒子を用い、放電誘発部13における誘電体材料の含有率が異なる複数のサンプルを作製し、各サンプルの放電開始電圧を測定した。測定結果を、
図7の(a)及び(b)に示す。
【0041】
試験2で用いられた誘電体磁器組成物は、試験1で用いられた誘電体磁器組成物と同じである。SiO
2−K
2O−B
2O
3系ガラス、石英、及びアモルファスシリカの各含有比率は、SiO
2−K
2O−B
2O
3系ガラスが50重量%であり、石英が42.5重量%であり、残部がアモルファスシリカである。アルミナ及びK
2O−MO−SiO
2−B
2O
3系ガラスの含有量は、主成分100重量%に対して、アルミナが2重量%であり、K
2O−MO−SiO
2−B
2O
3系ガラスが10重量%である。Ag−Pd合金の含有量は、放電誘発部13を構成する全体の材料を100重量%とした場合に、60.8重量%である。
【0042】
図7に示される測定結果から、誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、7.5〜40体積%に設定されることにより、放電開始電圧が低下することが分かる。誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、15〜40体積%に設定される場合、放電開始電圧がより一層低下することが分かる。
【0043】
(試験3)
金属粒子としてPd粒子を用い、上記セラミックス材料として特開2009−298684号公報に記載された誘電体磁器組成物を用い、放電誘発部13における誘電体材料の含有率が異なる複数のサンプルを作製し、各サンプルの放電開始電圧を測定した。測定結果を、
図8の(a)及び(b)に示す。
【0044】
試験3で用いられた誘電体磁器組成物は、主成分が、2.05(0.691MgO・0.213ZnO・0.097CuO)・SiO
2であり、副成分がB
2O
3−SiO
2−SrO系ガラスである。副成分の含有量は、主成分100重量%に対して、4重量%である。Pd粒子の含有量は、放電誘発部13を構成する全体の材料を100重量%とした場合に、56.4重量%である。
【0045】
図8に示される測定結果から、誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、7.5〜40体積%に設定されることにより、放電開始電圧が低下することが分かる。誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、15〜40体積%に設定される場合、放電開始電圧がより一層低下することが分かる。
【0046】
(試験4)
金属粒子としてAg−Pd合金粒子を用い、放電誘発部13における誘電体材料の含有率が異なる複数のサンプルを作製し、各サンプルの放電開始電圧を測定した。測定結果を、
図9の(a)及び(b)に示す。
【0047】
試験4で用いられた誘電体磁器組成物は、試験3で用いられた誘電体磁器組成物と同じである。すなわち、試験4で用いられた誘電体磁器組成物は、主成分が、2.05(0.691MgO・0.213ZnO・0.097CuO)・SiO
2であり、副成分がB
2O
3−SiO
2−SrO系ガラスである。副成分の含有量は、主成分100重量%に対して、4重量%である。Ag−Pd合金の含有量は、放電誘発部13を構成する全体の材料を100重量%とした場合に、54.1重量%である。
【0048】
図9に示される測定結果から、誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、7.5〜40体積%に設定されることにより、放電開始電圧が低下することが分かる。誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、15〜40体積%に設定される場合、放電開始電圧がより一層低下することが分かる。
【0049】
以上のように、放電誘発部13が、金属粒子と、ガラスを含有するセラミックス材料と、当該セラミックス材料よりも高い誘電率を有する誘電体材料と、を有し、誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、7.5〜40体積%である場合、静電気保護部品EP1の放電開始電圧を低くすることができる。
【0050】
金属粒子がPd粒子である場合、静電気保護部品EP1の信頼性が向上する。Pdは、Agなどと比べて、イオンマイグレーションが生じ難い、すなわち、イオン化し難い。特に、高湿度環境下では、イオンマイグレーションが加速される傾向にある。放電誘発部13においてイオンマイグレーションが生じると、第一放電電極11と第二放電電極12との間が短絡し易く、放電特性が劣化する。したがって、金属粒子が、イオンマイグレーションが生じ難いPd粒子であることにより、静電気保護部品EP1の信頼性が向上する。
【0051】
上記誘電体材料がジルコニウムである場合、静電気保護部品EP1の放電特性が向上する。ジルコニウムは、誘電率が比較的高く、電界集中が生じ易い。これにより、静電気保護部品EP1の放電特性が向上する。
【0052】
放電誘発部13の構成材料としてジルコニウムが含有されていると、放電誘発部13無いにおいて、金属粒子が適度に分散されて存在することとなる。これによっても、静電気保護部品EP1の放電特性が向上する。金属粒子が凝集して存在していると、金属粒子間の距離が短い箇所において、イオンマイグレーションが加速する懼れがある。したがって、放電誘発部13がジルコニウムを含有していることによっても、静電気保護部品EP1の信頼性が向上する。
【0053】
(第2実施形態)
次に、
図10〜
図14を参照して、第2実施形態に係る静電気保護部品EP2の構成を説明する。
図10は、第2及び第3実施形態に係る静電気保護部品を示す斜視図である。
図11は、第2実施形態に係る素体の構成を示す分解斜視図である。
図12は、第2実施形態に係る静電気保護部品の、第一ESDサプレッサ及び第三ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。
図13は、第2実施形態に係る静電気保護部品の、第二ESDサプレッサ及び第四ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。
図14は、第2実施形態に係る静電気保護部品の、第一ESDサプレッサ及び第四ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。
【0054】
静電気保護部品EP2は、
図10〜
図14に示されるように、素体4と、素体4の外表面に配置された複数の外部電極41〜46と、を備えている。静電気保護部品EP2は、第一コイルL2
1及び第二コイルL2
2、並びに、第一ESDサプレッサSP2
1、第二ESDサプレッサSP2
2、第三ESDサプレッサSP2
3及び第四ESDサプレッサSP2
4を備えている。第一及び第二コイルL2
1,L2
2と、第一〜第四ESDサプレッサSP2
1〜SP2
4とは、素体4の内部に配置されている。第一〜第四ESDサプレッサSP2
1〜SP2
4は、ESD吸収性能を有する。
【0055】
素体4は、外表面として、互いに対向する一対の端面4a,4bと、端面4a,4bと隣り合う四つの側面4c,4d,4e,4fを有している。側面4cと側面4dとが、互いに対向しており、側面4eと側面4fとが、互いに対向している。側面4cと側面4dとは、一対の端面4a,4bを連結するように一対の端面4a,4bの対向方向に延びている。側面4cと側面4dとは、側面4eと側面4fとの対向方向にも延びている。側面4eと側面4fとは、一対の端面4a,4bを連結するように一対の端面4a,4bの対向方向に延びている。側面4eと側面4fとは、一対の第一側面2bの対向方向にも延びている。側面4cと側面4dとの対向方向は、絶縁体層10の積層方向と一致する。
【0056】
外部電極41は、端面4aの一部を側面4cと側面4dとの対向方向に沿って覆うように、側面4cと側面4dとにわたって形成されている。外部電極42は、端面4bの一部を側面4cと側面4dとの対向方向に沿って覆うように、側面4cと側面4dとにわたって形成されている。
【0057】
外部電極43及び外部電極44は、側面4e側に配置されている。外部電極43及び外部電極44は、側面4eの一部を側面4cと側面4dとの対向方向に沿って覆うように、側面4cと側面4dとにわたって形成されている。外部電極43は、端面4a側に位置し、外部電極44は、端面4b側に位置している。
【0058】
外部電極45及び外部電極46は、側面4f側に配置されている。外部電極45及び外部電極46は、側面4fの一部を側面4cと側面4dとの対向方向に沿って覆うように、側面4cと側面4dとにわたって形成されている。外部電極45は、端面4a側に位置し、外部電極46は、端面4b側に位置している。
【0059】
第一コイルL2
1と第二コイルL2
2とは、絶縁体層10の積層方向において、素体4の側面4dに近い方から、第一コイルL2
1、第二コイルL2
2の順に位置している。
【0060】
第一コイルL2
1は、導体51及び導体52の端部同士が、導体51及び導体52の間に位置するスルーホール導体15で接続されることにより構成されている。導体51及び導体52は、素体4の内部において、絶縁体層10の積層方向に併置されている。導体52は、スパイラル状を呈している。導体51及び導体52は、絶縁体層10の積層方向において、側面4cに近い方から、導体51、導体52の順に位置している。
【0061】
導体51の端部51aは、側面4eに露出しており、外部電極43と接続されている。導体52の端部52aは、素体4の側面4fに露出しており、外部電極45と接続されている。導体51の端部51aは第一コイルL2
1の一端E2
1に対応し、導体52の端部52aは第一コイルL2
1の他端E2
2に対応する。第一コイルL2
1は、各外部電極43,45と電気的に接続されている。
【0062】
第二コイルL2
2は、導体53及び導体54の端部同士が、導体53及び導体54の間に位置するスルーホール導体16で接続されることにより構成されている。導体53及び導体54は、素体4の内部において、絶縁体層10の積層方向に併置されている。導体54は、スパイラル状を呈している。導体53及び導体54は、絶縁体層10の積層方向において、側面4dに近い方から、導体53、導体54の順に位置している。
【0063】
導体53の端部53aは、側面4eに露出しており、外部電極44と接続されている。導体54の端部54aは、素体4の側面4fに露出しており、外部電極46と接続されている。導体53の端部53aは第二コイルL2
2の一端E2
3に対応し、導体54の端部52aは第二コイルL2
2の他端E2
4に対応する。第二コイルL2
2は、各外部電極44,46と電気的に接続されている。
【0064】
スパイラル形状を呈する導体52及び導体54は、絶縁体層10の積層方向において、隣り合うように位置している。第一コイルL2
1と第二コイルL2
2とは、導体52と導体54とが磁気的に結合することで、いわゆるコモンモードフィルタを構成する。
【0065】
第一及び第二ESDサプレッサSP2
1,SP2
2は、同じ層に位置している。第一及び第二ESDサプレッサSP2
1,SP2
2は、絶縁体層10の積層方向において、第二コイルL2
2よりも側面4dに近い。第三及び第四ESDサプレッサSP2
3,SP2
4は、同じ層に位置している。第三及び第四ESDサプレッサSP2
3,SP2
4は、絶縁体層10の積層方向において、第二コイルL2
1よりも側面4cに近い。
【0066】
第一ESDサプレッサSP2
1は、第一放電電極61及び第二放電電極62と、放電誘発部13と、を備えている。第一放電電極61と第二放電電極62とは、同一の絶縁体層10上において、互いに離間して配置されている。放電誘発部13は、第一放電電極61と第二放電電極62とを接続している。
【0067】
第一放電電極61は、引出部61aと対向部61bとを有している。引出部61aは、絶縁体層10の短手方向(側面4eと側面4fとが対向している方向)に延在している。対向部61bは、絶縁体層10の長手方向(一対の端面4a,4bが対向している方向)に延在している。引出部61aと、対向部61bとは、一体的に形成されている。第一放電電極61は、L字状を呈している。引出部61aは、側面4eに露出しており、外部電極43と接続されている。すなわち、第一放電電極61は、外部電極43を通して、第一コイルL2
1の一端E2
1と電気的に接続される。対向部61bは、第二放電電極62と対向している。
【0068】
第二放電電極62は、絶縁体層10の長手方向に延在している。第二放電電極62は、引出部62aと、対向部62bと、を有している。引出部62aは、端面4aに露出しており、外部電極41と接続されている。対向部62bは、第一放電電極61の対向部61bと、絶縁体層10の短手方向で対向している。
【0069】
第一放電電極61と第二放電電極62とは、対向部61bと対向部62bとが対向するように、互いに離間して配置されている。対向部61bと対向部62bとの間に、ギャップ部GP2
1が形成される(
図12参照)。外部電極41及び外部電極43の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極61と第二放電電極62との間のギャップ部GP2
1において、放電が生じる。ギャップ部GP2
1の幅は、所望の放電特性が得られるように、所定の値に設定されている。
【0070】
放電誘発部13は、第一放電電極61の対向部61b及び第二放電電極62の対向部62b同士を接続するように、第一放電電極61と第二放電電極62とに接している。すなわち、放電誘発部13は、第一及び第二放電電極61,62における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極61と第二放電電極62との間の放電を発生し易くする機能を有する。
【0071】
素体4は、第一ESDサプレッサSP2
1の位置において、空洞部14を有している(
図12及び
図14参照)。空洞部14を画成する面は、第一及び第二放電電極61,62(対向部61b,62b)並びに放電誘発部13(対向部61b,62bから露出する部分)の表面13aと、当該表面13aに対向する面14bと、を含んでいる。空洞部14は、積層方向から見て、放電誘発部13の全体を覆うように位置している。空洞部14は、対向部61b,62bと、放電誘発部13(対向部61b,62bから露出する部分)と、に接している。空洞部14は、放電時における第一放電電極61、第二放電電極62、絶縁体層10及び放電誘発部13の熱膨張を吸収する機能を有する。
【0072】
第二ESDサプレッサSP2
2は、第一放電電極65及び第二放電電極62と、放電誘発部13と、を備えている。第一放電電極65と第二放電電極62とは、同一の絶縁体層10上において、互いに離間して配置されている。放電誘発部13は、第一放電電極65と第二放電電極62とを接続している。
【0073】
第一放電電極65は、引出部65aと対向部65bとを有している。引出部65aは、絶縁体層10の短手方向に延在している。対向部65bは、絶縁体層10の長手方向に延在している。引出部65aと、対向部65bとは、一体的に形成されている。第一放電電極65は、L字状を呈している。引出部65aは、側面4fに露出しており、外部電極46と接続されている。すなわち、第一放電電極65は、外部電極46を通して、第二コイルL2
2の他端E2
4と電気的に接続される。対向部65bは、第二放電電極62と対向している。
【0074】
第二放電電極62は、引出部62cと、対向部62dと、を有している。引出部62cは、端面4bに露出しており、外部電極42と接続されている。対向部62dは、第一放電電極65の対向部65bと、絶縁体層10の短手方向で対向している。引出部62a,62cと、対向部62b,62dとは、一体的に形成されている。
【0075】
第一放電電極65と第二放電電極62とは、対向部65bと対向部62dとが対向するように、互いに離間して配置されている。対向部65bと対向部62dとの間に、ギャップ部GP2
2が形成される(
図13参照)。外部電極42及び外部電極46の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極65と第二放電電極62との間のギャップ部GP2
2において、放電が生じる。ギャップ部GP2
2の幅は、所望の放電特性が得られるように、所定の値に設定されている。
【0076】
放電誘発部13は、第一放電電極65の対向部65b及び第二放電電極62の対向部62d同士を接続するように、第一放電電極65と第二放電電極62とに接している。すなわち、放電誘発部13は、第一及び第二放電電極65,62における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極65と第二放電電極62との間の放電を発生し易くする機能を有する。
【0077】
素体4は、第二ESDサプレッサSP2
2の位置において、空洞部14を有している(
図13参照)。空洞部14を画成する面は、第一及び第二放電電極65,62(対向部65b,62d)並びに放電誘発部13(対向部65b,62dから露出する部分)の表面13aと、当該表面13aに対向する面14bと、を含んでいる。空洞部14は、積層方向から見て、放電誘発部13の全体を覆うように位置している。空洞部14は、対向部65b,62dと、放電誘発部13(対向部65b,62dから露出する部分)と、に接している。空洞部14は、放電時における第一放電電極65、第二放電電極62、絶縁体層10及び放電誘発部13の熱膨張を吸収する機能を有する。
【0078】
第三ESDサプレッサSP2
3は、第一放電電極68及び第二放電電極69と、放電誘発部13と、を備えている。第一放電電極68と第二放電電極69とは、同一の絶縁体層10上において、互いに離間して配置されている。放電誘発部13は、第一放電電極68と第二放電電極69とを接続している。
【0079】
第一放電電極68は、引出部68aと対向部68bとを有している。引出部68aは、絶縁体層10の短手方向に延在している。対向部68bは、絶縁体層10の長手方向に延在している。引出部68aと、対向部68bとは、一体的に形成されている。第一放電電極68は、L字状を呈している。引出部68aは、側面4fに露出しており、外部電極45と接続されている。すなわち、第一放電電極68は、外部電極45を通して、第一コイルL2
1の他端E2
2と電気的に接続される。対向部68bは、第二放電電極69と対向している。
【0080】
第二放電電極69は、絶縁体層10の長手方向に延在している。第二放電電極69は、引出部69aと、対向部69bと、を有している。引出部69aは、端面4aに露出しており、外部電極41と接続されている。対向部69bは、第一放電電極68の対向部68bと、絶縁体層10の短手方向で対向している。
【0081】
第一放電電極68と第二放電電極69とは、対向部68bと対向部69bとが対向するように、互いに離間して配置されている。対向部68bと対向部69bとの間に、ギャップ部GP2
3が形成される(
図12参照)。外部電極41及び外部電極45の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極68と第二放電電極69との間のギャップ部GP2
3において、放電が生じる。ギャップ部GP2
3の幅は、所望の放電特性が得られるように、所定の値に設定されている。
【0082】
放電誘発部13は、第一放電電極68の対向部68b及び第二放電電極69の対向部69b同士を接続するように、第一放電電極68と第二放電電極69とに接している。すなわち、放電誘発部13は、第一及び第二放電電極68,69における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極68と第二放電電極69との間の放電を発生し易くする機能を有する。
【0083】
素体4は、第三ESDサプレッサSP2
3の位置において、空洞部14を有している(
図12及び
図14参照)。空洞部14を画成する面は、第一及び第二放電電極68,69(対向部68b,69b)並びに放電誘発部13(対向部68b,69bから露出する部分)の表面13aと、当該表面13aに対向する面14bと、を含んでいる。空洞部14は、積層方向から見て、放電誘発部13の全体を覆うように位置している。空洞部14は、対向部68b,69bと、放電誘発部13(対向部68b,69bから露出する部分)と、に接している。空洞部14は、放電時における第一放電電極68、第二放電電極69、絶縁体層10及び放電誘発部13の熱膨張を吸収する機能を有する。
【0084】
第四ESDサプレッサSP2
4は、第一放電電極72及び第二放電電極69と、放電誘発部13と、を備えている。第一放電電極72と第二放電電極69とは、同一の絶縁体層10上において、互いに離間して配置されている。放電誘発部13は、第一放電電極72と第二放電電極69とを接続している。
【0085】
第一放電電極72は、引出部72aと対向部72bとを有している。引出部72aは、絶縁体層10の短手方向に延在している。対向部72bは、絶縁体層10の長手方向に延在している。引出部72aと、対向部72bとは、一体的に形成されている。第一放電電極72は、L字状を呈している。引出部72aは、側面4eに露出しており、外部電極44と接続されている。すなわち、第一放電電極72は、外部電極44を通して、第二コイルL2
2の一端E2
3と電気的に接続される。対向部72bは、第二放電電極69と対向している。
【0086】
第二放電電極69は、引出部69cと、対向部69dと、を有している。引出部69cは、端面4bに露出しており、外部電極42と接続されている。対向部69dは、第一放電電極72の対向部72bと、絶縁体層10の短手方向で対向している。引出部69a,69cと、対向部69b,69dとは、一体的に形成されている。
【0087】
第一放電電極72と第二放電電極69とは、対向部72bと対向部69dとが対向するように、互いに離間して配置されている。対向部72bと対向部69dとの間に、ギャップ部GP2
4が形成される(
図13参照)。外部電極42及び外部電極44の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極72と第二放電電極69との間のギャップ部GP2
4において、放電が生じる。ギャップ部GP2
4の幅は、所望の放電特性が得られるように、所定の値に設定されている。
【0088】
放電誘発部13は、第一放電電極72の対向部72b及び第二放電電極69の対向部69d同士を接続するように、第一放電電極72と第二放電電極69とに接している。すなわち、放電誘発部13は、第一及び第二放電電極72,69における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極72と第二放電電極69との間の放電を発生し易くする機能を有する。
【0089】
素体4は、第四ESDサプレッサSP2
4の位置において、空洞部14を有している(
図13参照)。空洞部14を画成する面は、第一及び第二放電電極72,69(対向部72b,69d)並びに放電誘発部13(対向部72b,69dから露出する部分)の表面13aと、当該表面13aに対向する面14bと、を含んでいる。空洞部14は、積層方向から見て、放電誘発部13の全体を覆うように位置している。空洞部14は、対向部72b,69dと、放電誘発部13(対向部72b,69dから露出する部分)と、に接している。空洞部14は、放電時における第一放電電極72、第二放電電極69、絶縁体層10及び放電誘発部13の熱膨張を吸収する機能を有する。
【0090】
第2実施形態においても、放電誘発部13が、金属粒子と、ガラスを含有するセラミックス材料と、当該セラミックス材料よりも高い誘電率を有する誘電体材料と、を有し、誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、7.5〜40体積%である。したがつて、静電気保護部品EP2の放電開始電圧を低くすることができる。
【0091】
(第3実施形態)
次に、
図10及び
図15〜
図18を参照して、第3実施形態に係る静電気保護部品EP3の構成を説明する。
図15は、第3実施形態に係る静電気保護部品が備える素体の構成を示す分解斜視図である。
図16は、第3実施形態に係る静電気保護部品の、第一ESDサプレッサ及び第二ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。
図17は、第3実施形態に係る静電気保護部品の、第3ESDサプレッサ及び第四ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。
図18は、第3実施形態に係る静電気保護部品の、第一ESDサプレッサ及び第3ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。
【0092】
静電気保護部品EP3は、
図10及び
図15〜
図18に示されるように、素体4と、素体4の外表面に配置された複数の外部電極41〜外部電極46と、を備えている。静電気保護部品EP3は、第一コイルL3
1及び第二コイルL3
2、第一ESDサプレッサSP3
1、第二ESDサプレッサSP3
2、第3ESDサプレッサSP3
3、及び第四ESDサプレッサSP3
4、並びに、第一コンデンサC3
1、第二コンデンサC3
2、第3コンデンサC3
3、及び第四コンデンサC3
4を備えている。第一及び第二コイルL3
1,L3
2と、第一〜第四ESDサプレッサSP2
1〜SP2
4と、第一〜第四コンデンサC3
1〜C3
4とは、素体4の内部に配置されている。第一〜第四ESDサプレッサSP3
1〜SP3
4は、ESD吸収性能を有する。
【0093】
第一コイルL3
1と第二コイルL3
2とは、絶縁体層10の積層方向において、第一〜第四ESDサプレッサSP3
1〜SP3
4と第一〜第四コンデンサC3
1〜C3
4との間に配置されている。
【0094】
第一コイルL3
1は、複数の導体75
1〜78
1の端部同士が、導体75
1〜78
1のそれぞれ間に位置する複数のスルーホール導体79
1〜81
1で接続されることにより構成されている。複数の導体75
1〜78
1は、素体4の内部において、絶縁体層10の積層方向に併置されている。複数の導体75
1〜78
1は、絶縁体層10の積層方向において、素体4の側面4cに近い方から、導体75
1、導体76
1、導体77
1、導体78
1の順に位置している。
【0095】
スルーホール導体79
1は、導体75
1と導体76
1との間に位置し、導体75
1と導体76
1とを電気的に接続する。スルーホール導体80
1は、導体76
1と導体77
1との間に位置し、導体76
1と導体77
1とを電気的に接続する。スルーホール導体81
1は、導体77
1と導体78
1との間に位置し、導体77
1と導体78
1とを電気的に接続する。各スルーホール導体79
1〜81
1は、第一コイルL3
1の一部として機能する。
【0096】
導体78
1の端部78a
1は、素体4の側面4eに露出しており、外部電極43に接続されている。導体75
1の端部75a
1は、素体4の側面4fに露出しており、外部電極45に接続されている。導体78
1の端部78a
1は第一コイルL3
1の一端E3
1に対応し、導体75
1の端部75a
1は第一コイルL3
1の他端E3
2に対応する。第一コイルL3
1は、各外部電極43,45と電気的に接続されている。
【0097】
第二コイルL3
2は、複数の導体75
2〜78
2の端部同士が、導体75
2〜78
2のそれぞれ間に位置する複数のスルーホール導体79
2〜81
2で接続されることにより構成されている。複数の導体75
2〜78
2は、素体4の内部において、絶縁体層10の積層方向に併置されている。各導体75
2〜78
2は、各導体75
1〜78
1と、それぞれ同一の絶縁体層10上に配置されている。複数の導体75
2〜78
2は、絶縁体層10の積層方向において、素体4の側面4cに近い方から、導体75
2、導体76
2、導体77
2、導体78
2の順に位置している。
【0098】
スルーホール導体79
2は、導体75
2と導体76
2との間に位置し、導体75
2と導体76
2とを電気的に接続する。スルーホール導体80
2は、導体76
2と導体77
2との間に位置し、導体76
2と導体77
2とを電気的に接続する。スルーホール導体81
2は、導体77
2と導体78
2との間に位置し、導体77
2と導体78
2とを電気的に接続する。各スルーホール導体79
2〜81
2は、第二コイルL3
2の一部として機能する。
【0099】
導体78
2の端部78a
2は、素体4の側面4eに露出しており、外部電極44に接続されている。導体75
2の端部75a
2は、素体4の側面4fに露出しており、外部電極46に接続されている。導体78
2の端部78a
2は第二コイルL3
2の一端E3
3に対応し、導体75
2の端部75a
2は第二コイルL3
2の他端E3
4に対応する。第二コイルL3
2は、各外部電極44,46と電気的に接続されている。
【0100】
第一ESDサプレッサSP3
1、第二ESDサプレッサSP3
2、第3ESDサプレッサSP3
3、及び第四ESDサプレッサSP3
4は、同じ層に位置している。第一〜第四ESDサプレッサSP3
1〜SP3
4は、絶縁体層10の積層方向において、第一及び第二コイルL3
1,L3
2よりも側面4dに近い。
【0101】
第一ESDサプレッサSP3
1は、第一放電電極82及び第二放電電極84と、放電誘発部13と、を備えている。第一放電電極82と第二放電電極84とは、同一の絶縁体層10上において、互いに離間して配置されている。放電誘発部13は、第一放電電極82と第二放電電極84とを接続している。第二ESDサプレッサSP3
2は、第一放電電極83及び第二放電電極84と、放電誘発部13と、を備えている。第一放電電極83と第二放電電極84とは、同一の絶縁体層10上において、互いに離間して配置されている。放電誘発部13は、第一放電電極83と第二放電電極84とを接続している。
【0102】
第一放電電極82は、引出部82aと対向部82bとを有している。引出部82aは、絶縁体層10の短手方向に延在している。対向部82bは、絶縁体層10の長手方向に延在している。引出部82aと、対向部82bとは、一体的に形成されている。第一放電電極82は、L字状を呈している。引出部82aは、側面4eに露出しており、外部電極43と接続されている。すなわち、第一放電電極82は、外部電極43を通して、第一コイルL3
1の一端と電気的に接続される。対向部82bは、第二放電電極84と対向している。
【0103】
第一放電電極83は、引出部83aと対向部83bとを有している。引出部83aは、絶縁体層10の短手方向に延在している。対向部83bは、絶縁体層10の長手方向に延在している。引出部83aと、対向部83bとは、一体的に形成されている。第一放電電極83は、L字状を呈している。引出部83aは、側面4fに露出しており、外部電極45と接続されている。すなわち、第一放電電極83は、外部電極45を通して、第一コイルL3
1の他端と電気的に接続される。対向部83bは、第二放電電極84と対向している。
【0104】
第二放電電極84は、絶縁体層10の長手方向に延在している。第二放電電極84は、引出部84aと、対向部84bと、を有している。引出部84aは、端面4aに露出しており、外部電極41と接続されている。対向部84bは、第一放電電極82,83の対向部82b,83bと、絶縁体層10の短手方向で対向している。
【0105】
第一放電電極82と第二放電電極84とは、対向部82bと対向部84bとが対向するように、互いに離間して配置されている。対向部82bと対向部84bとの間に、ギャップ部GP3
1が形成される(
図16参照)。外部電極41及び外部電極43の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極82と第二放電電極84との間のギャップ部GP3
1において、放電が生じる。ギャップ部GP3
1の幅は、所望の放電特性が得られるように、所定の値に設定されている。
【0106】
第一放電電極83と第二放電電極84とは、対向部83bと対向部84bとが対向するように、互いに離間して配置されている。対向部83bと対向部84bとの間に、ギャップ部GP3
2が形成される(
図16参照)。外部電極41及び外部電極45の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極83と第二放電電極84との間のギャップ部GP3
2において、放電が生じる。ギャップ部GP3
2の幅は、所望の放電特性が得られるように、所定の値に設定されている。
【0107】
放電誘発部13は、第一放電電極82,83の対向部82b,83b及び第二放電電極84の対向部84b同士を接続するように、第一放電電極82,83と第二放電電極84とに接している。すなわち、放電誘発部13は、第一及び第二放電電極82,83,84における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極82,83と第二放電電極84との間の放電を発生し易くする機能を有する。
【0108】
素体4は、第一及び第二ESDサプレッサSP2
1,SP2
2の位置において、空洞部14を有している(
図16及び
図18参照)。空洞部14を画成する面は、第一及び第二放電電極82,83,84(対向部82b,83b,84b)並びに放電誘発部13(対向部82b,83b,84bから露出する部分)の表面13aと、当該表面13aに対向する面14bと、を含んでいる。空洞部14は、積層方向から見て、放電誘発部13の全体を覆うように位置している。空洞部14は、対向部82b,83b,84bと、放電誘発部13(対向部82b,83b,84bから露出する部分)と、に接している。空洞部14は、放電時における第一放電電極82,83、第二放電電極84、絶縁体層10及び放電誘発部13の熱膨張を吸収する機能を有する。
【0109】
第3ESDサプレッサSP3
3は、第一放電電極87及び第二放電電極84と、放電誘発部13と、を備えている。第一放電電極87と第二放電電極84とは、同一の絶縁体層10上において、互いに離間して配置されている。放電誘発部13は、第一放電電極87と第二放電電極84とを接続している。第四ESDサプレッサSP3
4は、第一放電電極88及び第二放電電極84と、放電誘発部13と、を備えている。第一放電電極88と第二放電電極84とは、同一の絶縁体層10上において、互いに離間して配置されている。放電誘発部13は、第一放電電極88と第二放電電極84とを接続している。
【0110】
第一放電電極87は、引出部87aと対向部87bとを有している。引出部87aは、絶縁体層10の短手方向に延在している。対向部87bは、絶縁体層10の長手方向に延在している。引出部87aと、対向部87bとは、一体的に形成されている。第一放電電極87は、L字状を呈している。引出部87aは、側面4eに露出しており、外部電極44と接続されている。すなわち、第一放電電極87は、外部電極44を通して、第二コイルL3
2の一端と電気的に接続される。対向部87bは、第二放電電極84と対向している。
【0111】
第一放電電極88は、引出部88aと対向部88bとを有している。引出部88aは、絶縁体層10の短手方向に延在している。対向部88bは、絶縁体層10の長手方向に延在している。引出部88aと、対向部88bとは、一体的に形成されている。第一放電電極88は、L字状を呈している。引出部88aは、側面4fに露出しており、外部電極46と接続されている。すなわち、第一放電電極88は、外部電極46を通して、第二コイルL3
2の他端と電気的に接続される。対向部83bは、第二放電電極84と対向している。
【0112】
第二放電電極84は、絶縁体層10の長手方向に延在している。第二放電電極84は、引出部84cと、対向部84dと、を有している。引出部84cは、端面4bに露出しており、外部電極42と接続されている。対向部84dは、第一放電電極87,88の対向部87b,88bと、絶縁体層10の短手方向で対向している。
【0113】
第一放電電極87と第二放電電極84とは、対向部87bと対向部84dとが対向するように、互いに離間して配置されている。対向部87bと対向部84dとの間に、ギャップ部GP3
3が形成される(
図17参照)。外部電極42及び外部電極44の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極87と第二放電電極84との間のギャップ部GP3
3において、放電が生じる。ギャップ部GP3
3の幅は、所望の放電特性が得られるように、所定の値に設定されている。
【0114】
第一放電電極88と第二放電電極84とは、対向部88bと対向部84dとが対向するように、互いに離間して配置されている。対向部88bと対向部84dとの間に、ギャップ部GP3
4が形成される(
図17参照)。外部電極42及び外部電極46の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極88と第二放電電極84との間のギャップ部GP3
4において、放電が生じる。ギャップ部GP3
4の幅は、所望の放電特性が得られるように、所定の値に設定されている。
【0115】
放電誘発部13は、第一放電電極87,88の対向部87b,88b及び第二放電電極84の対向部84d同士を接続するように、第一放電電極87,88と第二放電電極84とに接している。すなわち、放電誘発部13は、第一及び第二放電電極87,88,84における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極87,88と第二放電電極84との間の放電を発生し易くする機能を有する。
【0116】
素体4は、第3及び第四ESDサプレッサSP2
3,SP2
4の位置において、空洞部14を有している(
図17及び
図18参照)。空洞部14を画成する面は、第一及び第二放電電極87,88,84(対向部87b,88b,84d)並びに放電誘発部13(対向部87b,88b,84dから露出する部分)の表面13aと、当該表面13aに対向する面14bと、を含んでいる。空洞部14は、積層方向から見て、放電誘発部13の全体を覆うように位置している。空洞部14は、対向部87b,88b,84dと、放電誘発部13(対向部87b,88b,84dから露出する部分)と、に接している。空洞部14は、放電時における第一放電電極87,88、第二放電電極84、絶縁体層10及び放電誘発部13の熱膨張を吸収する機能を有する。
【0117】
第3実施形態においても、放電誘発部13が、金属粒子と、ガラスを含有するセラミックス材料と、当該セラミックス材料よりも高い誘電率を有する誘電体材料と、を有し、誘電体材料の含有率が、セラミックス材料と誘電体材料との合計体積を基準として、7.5〜40体積%である。したがつて、静電気保護部品EP3の放電開始電圧を低くすることができる。
【0118】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0119】
第一放電電極11,61,65,68,72,82,83,87,88及び第二放電電極12,62,69,84の構成は、
図2、
図11及び
図15に示された構成に限定されず、形状、長さ、及び幅が適宜変更されていてもよい。
【0120】
静電気保護部品EP1,EP2,EP3が備えるESDサプレッサSP1,SP2
1〜SP2
4,SP3
1〜SP3
4の数も、
図2、
図11及び
図15に示された数に限定されず、ESDサプレッサSP1,SP2
1〜SP2
4,SP3
1〜SP3
4の数は適宜変更されていてもよい。
【0121】
静電気保護部品EP2,EP3は、第一〜第四ESDサプレッサSP1,SP2
1〜SP2
4,SP3
1〜SP3
4と第一〜第四ESDサプレッサSP1,SP2
1〜SP2
4,SP3
1〜SP3
4以外の受動素子として、コイル(第一及び第二コイルL2
1,L2
2,L3
1,L3
2)又はコンデンサ(第一〜第四コンデンサC3
1〜C3
4)を備えているが、コイル又はコンデンサ以外の受動素子を備えていてもよい。