【実施例】
【0070】
以下、実施例により、本発明について、さらに具体的に説明する。各実施例のプリプレグを得るために、下記の原料を用いた。
【0071】
<熱硬化性樹脂>
・テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学(株)製)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂、“jER(登録商標)”828(三菱化学(株)製)
・ポリエーテルスルホン、“スミカエクセル(登録商標)”PES5003P(住友化学(株)製)
・4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(三井化学ファイン(株)製)。
【0072】
<第1の粒子:熱可塑性樹脂粒子>
・下記の製造方法で得られたエポキシ変性ナイロン粒子
透明ポリアミド(商品名“グリルアミド(登録商標)”−TR55、エムザベルケ社製)90質量部、エポキシ樹脂(商品名“エピコート(登録商標)”828、油化シェル(株)社製)7.5質量部および硬化剤(商品名“トーマイド(登録商標)”#296、富士化成工業(株)社製)2.5質量部を、クロロホルム300質量部とメタノール100質量部の混合溶媒中に添加して均一溶液を得た。次に、得られた均一溶液を塗装用のスプレーガンを用いて霧状にして、良く撹拌して3000質量部のn−ヘキサンの液面に向かって吹き付けて溶質を析出させた。析出した固体を濾別し、n−ヘキサンで良く洗浄した後に、100℃の温度で24時間の真空乾燥を行い、真球状のエポキシ変性ナイロン粒子を得た。特記したもの以外は、体積平均粒径が13μmのエポキシ変性ナイロン粒子を用いた。
【0073】
<第2の粒子>
・第1の粒子と同一のエポキシ変性ナイロン粒子
・カーボン粒子“ベルパール(登録商標)”C−2000(エア・ウォーター(株)製)
所定の粒度の粒子を得るために、TTPSセパレーター(ホソカワミクロン(株)製)を用いて乾式分級を行った。
【0074】
<炭素繊維>
特記以外は、“トレカ(登録商標)”T800SC−24K(繊維数24,000本、引張強度5.9GPa、引張弾性率290GPa、引張伸度2.0%、東レ(株)製)を使用した。
【0075】
次に、各実施例のプリプレグは下記のように製造した。
【0076】
<樹脂フィルム>
表1に記載した熱硬化性樹脂組成物の原料をニーダーで混練後、混練して得られた熱硬化性樹脂組成物を、リバースロールコーター方式の樹脂コーティング装置を用いて、シリコーンを塗布した離型紙上に均一に塗工して、幅1mの樹脂フィルムとした。
【0077】
<プリプレグ>
均一に引き揃えた炭素繊維の両面から得られた樹脂フィルムを挟み込み、プレスロールを用いて加熱、加圧して、炭素繊維に熱硬化性樹脂組成物が含浸したプリプレグを得た。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度を調整するため、含浸温度の調整を行った。
【0078】
なお、本実施例で、プリプレグの樹脂含有率、含浸時の熱硬化性樹脂組成物の粘度、導電性粒子の体積平均径、ウォーターピックアップ法での含浸性、樹脂層の厚みの平均値と標準偏差、炭素繊維強化複合材料のボイド率および炭素繊維強化複合材料の耐衝撃性、層間靭性(Giic)、層間剪断強度は、明細書中に記載した方法と同様の方法により求めた。
【0079】
(実施例1)
熱硬化性樹脂組成物として、ELM434を50質量%、“jER(登録商標)”828を10質量%、4,4’−DDSを19質量%、PES5003Pを5質量%、第1の粒子としてエポキシ変性ナイロン粒子を15質量%、第2の粒子としてエポキシ変性ナイロン粒子を1.0質量%用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0080】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は2Pa・sとした。
【0081】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは3.4質量%、樹脂層の厚みの平均値Aは44μm、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.36Aμmと、含浸性、脂層の厚み、界面はいずれも良好であった。
【0082】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%と良好であった。耐衝撃性は318MPa、層間靭性は3180J/m
2、層間剪断強度は107MPaといずれも良好であった。なお、本実施例における炭素繊維強化複合材料の0°引張強度は3200MPa、0°引張弾性率は157GPa、0°圧縮強度は1700MPaであった。
【0083】
(実施例2)
第2の粒子をC−2000に変更した以外は、実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0084】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は2Pa・sとした。
【0085】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは3.6質量%、樹脂層の厚みの平均値Aは45μm、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.37Aμmと、含浸性、脂層の厚み、界面はいずれも良好であった。
【0086】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%と良好であった。耐衝撃性は320MPa、層間靭性は3150J/m
2、層間剪断強度は105MPaといずれも良好であった。
【0087】
(実施例3)
実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0088】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が20質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は4Pa・sとした。
【0089】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは5.6質量%、樹脂層の厚みの平均値Aは37μm、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.76Aμmと、樹脂含有率が下がったため、含浸性、樹脂層の厚みの平均値は若干悪化し、含浸の際に粒子の一部が炭素繊維層内に入り込み、界面も若干悪化したものの、良好と言えるレベルであった。
【0090】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.8%と悪化したものの、良好と言えるレベルであった。耐衝撃性は325MPaと良好であった。樹脂層の厚みの平均値および界面が若干悪化した影響で、層間靭性は2710J/m
2、層間剪断強度は93MPaといずれも若干悪化した。
【0091】
(実施例4)
実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0092】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が50質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は0.7Pa・sとした。
【0093】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは2.6質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは42μmと良好であったが、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.68Aμmと、含浸時の熱硬化性樹脂の粘度が低く、炭素繊維が熱硬化性樹脂組成物により流動したため、界面が若干悪化したものの、良好と言えるレベルであった。
【0094】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%と良好であった。樹脂含有率が高く、炭素繊維強化複合材料の繊維含有率が低下したため、耐衝撃性は270MPa、界面が若干悪化した影響で、層間靭性は2810J/m
2、層間剪断強度は97MPaといずれも若干悪化した。
【0095】
(実施例5)
実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が19μmのものを用いた。
【0096】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は3Pa・sとした。
【0097】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは2.8質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは33μmと、粒子が小さいため厚みが保持できなくなり、若干悪化したが、良好といえるレベルであった。樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.39Aμmと良好であった。
【0098】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%、耐衝撃性は304MPaといずれも良好であった。樹脂層の厚みが若干悪化した影響で、層間靭性は2880J/m
2、層間剪断強度は95MPaといずれも若干悪化した。
【0099】
(実施例6)
ELM434を52質量%、PES5003Pを3質量%に変更した以外は、実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0100】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は0.1Pa・sとした。
【0101】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは2.5質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.82Aμmと、含浸時の熱硬化性樹脂の粘度が低く、炭素繊維が熱硬化性樹脂組成物により流動したため、界面が悪化したものの、良好と言えるレベルであった。樹脂層の厚みの平均値Aは49μmと良好であったが、炭素繊維が熱硬化性樹脂組成物により流動し、界面が悪化した影響で見かけ上良好な値が得られた。
【0102】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%、耐衝撃性は297MPaといずれも良好であった。界面が若干悪化した影響で、層間靭性は2740J/m
2、層間剪断強度は94MPaといずれも若干悪化した。
【0103】
(実施例7)
実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0104】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は91Pa・sとした。
【0105】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは5.8質量%と、含浸時の熱硬化性樹脂の粘度が高く、含浸性が悪化したものの、良好と言えるレベルであった。樹脂層の厚みの平均値Aは46μm、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.33Aμmと、良好であった。
【0106】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.9%と悪化したものの、良好といえるレベルであった。耐衝撃性は312MPa、層間靭性は3150J/m
2、層間剪断強度は105MPaといずれも良好であった。
【0107】
(実施例8)
ELM434を50.5質量%、第2の粒子としてエポキシ変性ナイロン粒子を0.5質量%に変更した以外は、実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0108】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は1Pa・sとした。
【0109】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは3.8質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは37μmと、第2の粒子の配合量が少ないため厚みが保持できなくなり、若干悪化したが、良好といえるレベルであった。樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.38Aμmと良好であった。
【0110】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%、耐衝撃性は306MPaといずれも良好であった。樹脂層の厚みが若干悪化した影響で、層間靭性は2920J/m
2、層間剪断強度は99MPaといずれも若干悪化した。
【0111】
(実施例9)
ELM434を48.5質量%、“jER(登録商標)”828を9質量%、4,4’−DDSを18質量%、第2の粒子としてエポキシ変性ナイロン粒子を4.5質量%に変更した以外は、実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0112】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は5Pa・sとした。
【0113】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは4.0質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは47μmと良好であったが、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.74Aμmと、第2の粒子の配合量が多いため、含浸の際に粒子の一部が炭素繊維層内に入り込み、界面が若干悪化したものの、良好と言えるレベルであった。
【0114】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.2%、耐衝撃性は295MPaといずれも良好であった。界面が若干悪化した影響で、層間靭性は2780J/m
2、層間剪断強度は98MPaといずれも若干悪化した。
【0115】
(実施例10)
プリプレグに用いる炭素繊維として“トレカ(登録商標)”T300−12K(繊維数12,000本、引張強度3.5GPa、引張弾性率230GPa、引張伸度1.5%、東レ(株)製)を使用した。本実施例における炭素繊維強化複合材料の0°引張強度は1700MPa、0°引張弾性率は135GPa、0°圧縮強度は1600MPaであった。
【0116】
実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0117】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は2Pa・sとした。
【0118】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは3.6質量%、樹脂層の厚みの平均値Aは43μm、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.37Aμmと、含浸性、脂層の厚み、界面はいずれも良好であった。
【0119】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%と良好であった。耐衝撃性は267MPaと若干悪化したものの、良好といえるレベルであった。層間靭性は3080J/m
2、層間剪断強度は102MPaといずれも良好であった。
【0120】
【表1】
【0121】
(比較例1)
実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が13μmのものを用いた。
【0122】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が18質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は3Pa・sとした。
【0123】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは6.8質量%と、樹脂層の厚みの平均値Aは32μm、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.91Aμmと、樹脂含有率が下がったため、含浸性、樹脂層の厚みの平均値が極端に悪化した。また、含浸の際に粒子の一部が炭素繊維層内に入り込み、界面も極端に悪化した。
【0124】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は1.4%と極端に悪化した。耐衝撃性は301MPaと良好であった。樹脂層の厚みの平均値および界面が悪化した影響で、層間靭性は2580J/m
2、層間剪断強度は84MPaといずれも極端に悪化した。
【0125】
(比較例2)
実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が13μmのものを用いた。
【0126】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が52質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は1Pa・sとした。
【0127】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは2.8質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは51μmと良好であったが、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.80Aμmと、含浸時の樹脂量が多く、炭素繊維が熱硬化性樹脂組成物により流動したため、界面が若干悪化したものの、良好と言えるレベルであった。
【0128】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%と良好であった。樹脂含有率が多く、炭素繊維強化複合材料の繊維含有率が低下したため、耐衝撃性は257MPaと極端に悪化した。また、界面が若干悪化した影響で、層間靭性は2780J/m
2、層間剪断強度は94MPaといずれも若干悪化した。
【0129】
(比較例3)
実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第1の粒子は体積平均粒径が30μmのものを、第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0130】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は3Pa・sとした。
【0131】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは3.5質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは43μmと良好であったが、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.88Aμmと、第1の粒子が大きいため、含浸の際に粒子の一部が炭素繊維層内に入り込み、界面が極端に悪化した。
【0132】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%、耐衝撃性は295MPaと良好であったが、界面が極端に悪化した影響で、層間靭性は2580J/m
2、層間剪断強度は83MPaといずれも極端に悪化した。
【0133】
(比較例4)
実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が15μmのものを用いた。
【0134】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は2Pa・sとした。
【0135】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは3.4質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは28μmと、第2の粒子が小さいため厚みが保持できなくなり、極端に悪化した。樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.39Aμmと良好であった。
【0136】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%、耐衝撃性は301MPaといずれも良好であった。樹脂層の厚みが悪化した影響で、層間靭性は2690J/m
2、層間剪断強度は89MPaといずれも悪化した。
【0137】
(比較例5)
ELM434を51質量%、“jER(登録商標)”828を12質量%、PES5003Pを2質量%に変更した以外は、実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0138】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は0.06Pa・sとした。
【0139】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは2.2質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.91Aμmと、含浸時の熱硬化性樹脂の粘度が低く、炭素繊維が熱硬化性樹脂組成物により流動したため、界面が極端に悪化した。樹脂層の厚みの平均値Aは59μmであったが、炭素繊維が熱硬化性樹脂組成物により流動し、界面が極端に悪化した影響で見かけ上良好な値が得られた。
【0140】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%、耐衝撃性は295MPaといずれも良好であった。界面が極端に悪化した影響で、層間靭性は2100J/m
2、層間剪断強度は79MPaといずれも極端に悪化した。
【0141】
(比較例6)
実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0142】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は110Pa・sとした。
【0143】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは6.5質量%と、含浸時の熱硬化性樹脂の粘度が高く、含浸性が極端に悪化した。樹脂層の厚みの平均値Aは48μm、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.35Aμmといずれも良好であった。
【0144】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は1.3%と、極端に悪化した。耐衝撃性は308MPa、層間靭性は3090J/m
2、層間剪断強度は102MPaといずれも良好であった。
【0145】
(比較例7)
ELM434を50.6質量%、第2の粒子としてエポキシ変性ナイロン粒子を0.3質量%に変更した以外は、実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0146】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は1Pa・sとした。
【0147】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは3.6質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは32μmと、第2の粒子の配合量が少ないため厚みが保持できなくなり、極端に悪化した。樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.38Aμmと良好であった。
【0148】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%、耐衝撃性は285MPaといずれも良好であった。樹脂層の厚みが極端に悪化した影響で、層間靭性は2690J/m
2、層間剪断強度は87MPaといずれも極端に悪化した。
【0149】
(比較例8)
ELM434を49質量%、“jER(登録商標)”828を8質量%、4,4’−DDSを17質量%、第2の粒子としてエポキシ変性ナイロン粒子を6.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0150】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は4Pa・sとした。
【0151】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは4.5質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは51μmと良好であったが、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.87Aμmと、第2の粒子の配合量が多いため、含浸の際に粒子の一部が炭素繊維層内に入り込み、界面が極端に悪化した。
【0152】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.3%、耐衝撃性は289MPaといずれも良好であった。界面が極端に悪化した影響で、層間靭性は2540J/m
2、層間剪断強度は85MPaといずれも極端に悪化した。
【0153】
(比較例9)
ELM434を55質量%、“jER(登録商標)”828を12質量%、第1の粒子としてエポキシ変性ナイロン粒子を8質量%に変更した以外は、実施例1と同様の原料を同様の配合比で熱硬化性樹脂組成物に用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0154】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は3Pa・sとした。
【0155】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは2.6質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは30μmと、エポキシ変性ナイロン粒子の配合量が少なく、極端に悪化した。樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.43Aμmと、第1の粒子の配合量が少なく、含浸の際に粒子の一部が炭素繊維層内に入り込み易くなり、界面が若干悪化した。
【0156】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.0%と良好であった。耐衝撃性は、エポキシ変性ナイロン粒子の配合量が少ないため、245MPaと極端に悪化した。樹脂層の厚みが極端に悪化し、かつ界面が若干悪化した影響で、層間靭性は2610J/m
2、層間剪断強度は89MPaといずれも極端に悪化した。
【0157】
(比較例10)
熱硬化性樹脂組成物として、ELM434を42質量%、“jER(登録商標)”828を8質量%、4,4’−DDSを15質量%、PES5003Pを2質量%、第1の粒子としてエポキシ変性ナイロン粒子を32質量%、第2の粒子としてエポキシ変性ナイロン粒子を1.0質量%用いた。第2の粒子は体積平均粒径が36μmのものを用いた。
【0158】
当該熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム作製し、作製した樹脂フィルムを用いて樹脂含有率が33質量%のプリプレグを作製した。含浸時の熱硬化性樹脂の粘度は9Pa・sとした。
【0159】
作製したプリプレグのウォーターピックアップは4.8質量%と、含浸性は良好であった。樹脂層の厚みの平均値Aは45μmと良好であったが、樹脂層の厚みの標準偏差(CV)は0.78Aμmと、第1の粒子の配合量が多いため、含浸の際に第1の粒子が炭素繊維層内に入り込み、界面が若干悪化した。
【0160】
当該プリプレグを用いて、前述の方法で作製した炭素繊維強化複合材料のボイド率は0.4%、耐衝撃性は288MPaといずれも良好であった。第1の粒子の配合量が多く、界面が若干悪化した影響で、層間靭性は2650J/m
2、層間剪断強度は84MPaといずれも極端に悪化した。
【0161】
【表2】