(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の電極を多孔体流路に接触させ、第2の電極を板材に接触させて、前記多孔体流路と前記板材とを、前記第1及び第2の電極によって前記板材の厚み方向に加圧してスポット溶接する方法であって、
前記板材が前記第2の電極に加圧される向きに変形する変形量は、前記多孔体流路が前記第1の電極に加圧される向きに変形する変形量よりも小さく、
前記多孔体流路は、前記スポット溶接を実行する前の状態において前記板材に面接触する部位である面接触部位が、前記スポット溶接によって接合され、
前記面接触部位は、前記加圧が実行されても、前記第1及び第2の電極によって挟まれず、
前記板材は、燃料電池セルとして組み付けられた際にシール材を遮蔽する遮蔽板であり、
前記多孔体流路は、前記燃料電池セルとして組み付けられた際に空気が流れる流路として機能する
溶接方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、燃料電池100の外観を模式的に示す。燃料電池100は、自動車用の燃料電池である。燃料電池100は、複数の発電ユニット20と、ターミナルプレート91、92と、絶縁プレート93と、エンドプレート95、96とを備える。ターミナルプレート91、92は、積層された発電ユニット20の両側に配置され、発電ユニット20から電力を取り出すために用いられる。絶縁プレート93は、ターミナルプレート91の外側に配置されている。エンドプレート95、96は、発電ユニット20と、ターミナルプレート91、92と、絶縁プレート93とを締結するために、燃料電池100の両側に配置される。
【0014】
発電ユニット20、ターミナルプレート91、絶縁プレート93及びエンドプレート95は、それぞれ複数の開口部を有しており、これらの開口部が接続されてマニホールドを形成する。具体的には、水素供給マニホールド95a、空気供給マニホールド95b、水素排出マニホールド95c、空気排出マニホールド95d、冷却水供給マニホールド95e、冷却水排出マニホールド95fが形成される。
【0015】
図2は、空気排出マニホールド95d近傍の断面図である。発電ユニット20は、膜電極ガス拡散層接合体34と、多孔体流路40と、遮蔽板45と、カソード側セパレータ71と、アノード側セパレータ73と、シール材140とを備える。
【0016】
膜電極ガス拡散層接合体34は、カソード拡散層と、膜電極接合体と、アノード拡散層とによる接合体である。膜電極接合体は、カソード電極と、電解質膜と、アノード電極とによる接合体である。
【0017】
多孔体流路40は、空気が流れる流路を形成する。多孔体流路40は、エキスパンドメタルによって構成されている。シール材140及び遮蔽板45は、多孔体流路40とアノード側セパレータ73との間に配置される。シール材140は、接着剤、熱可塑性樹脂、ゴム等によって構成される。シール材140は、カソード側セパレータ71と、アノード側セパレータ73と共に、空気、水素、冷却水の漏れをシールする。
【0018】
遮蔽板45は、ステンレス鋼などによって形成され、多孔体流路40とシール材との間に配置される。遮蔽板45は、多孔体流路40に接合されている。この接合体を、以下、流路部材50と呼ぶ。遮蔽板45は、シール材140が流動した場合に、流動したシール材140を遮蔽して、多孔体流路40への進入を防止する。
【0019】
図3は、多孔体流路40を示す斜視図である。多孔体流路40は、基部410と、接続部450とが繰り返し接続される構成を有する。基部410は、第1傾斜部411と、第2傾斜部412と、平坦部415とを備える。
【0020】
平坦部415は、平板状の部位であり、谷部417と山部419とに仮想的に分割される。接続部450は、或る基部410に含まれる谷部417と、別の基部410に含まれる山部419とを接続する。2つの基部410と4つの接続部450によって囲まれた空間は、網目470を形成する。網目470は、燃料電池100の一部として組み付けられた状態において、流路として機能する。
【0021】
第1傾斜部411は、谷部417に接続され、平坦部415に対して傾斜している。第2傾斜部412は、山部419に接続され、平坦部415に対して傾斜している。
【0022】
第1傾斜部411と接続部450との間には、空隙421が形成される。第2傾斜部412と接続部450との間にも、空隙421が形成される。空隙421は、網目470と同様、燃料電池100の一部として組み付けられた状態において、流路として機能する。
【0023】
図3に示すように、多孔体流路40に対して、XYZ軸を定義する。XY平面は、平坦部415によって形成される平面である。Y方向は、第1傾斜部411と平坦部415との境界線に平行な方向である。Y方向は、第2傾斜部412と平坦部415との境界線に平行な方向ともいえる。X方向は、Y方向との直交方向である。Z方向は、XY平面との直交方向である。
【0024】
図4は、流路部材50の製造工程図の概略を示す。まず、工程P510〜P550でのラス加工によって多孔体流路40を製造する。多孔体流路40の製造として、まず、
図5に示すように、素材210に幅方向1列分の貫通穴421aを開け(工程P510)、その後、ローラ340によって素材210をX方向に送る(工程P520)。
【0025】
図5は、素材210に貫通穴421aを開けた様子を示す。素材210は、ステンレス鋼などによって形成される板材である。貫通穴421aは、プレス装置による打ち抜きによって形成される。貫通穴421aは、ローラ340による素材210の搬送(工程P520)を利用して順に形成される。貫通穴421aは、後述するプレス形成によって、空隙421になる部位である。
【0026】
以後、
図6〜
図11を用いて説明する。
図6〜
図11は、刃部300を説明する斜視図である。刃部300は、上刃310と下刃320と型330とを備える。なお、
図6〜
図11は、図示を簡単にするため、型330の図示を省略する。型330は、第1傾斜部411と第2傾斜部412とを形成するためのものであり、この形成については
図12,
図13と共に説明する。また、
図6〜
図11では、図示を簡単にするため、貫通穴421aの図示を省略する。
【0027】
工程P520の後、
図7に示すように、プレス成型をする(工程P530)。具体的には、上刃310を降下させることによって、上刃310に含まれる凸部312の下面と、下刃320の上面とを交差させて、素材210を部分的に切断する。切断された部位のうち、Z軸方向下側に移動した部位が谷部417になり、塑性変形した部位が接続部450になる。接続部450の形成に伴い、山部419が区画される。
【0028】
凸部312は、
図5に示す谷部形成予定部417a及び第1傾斜部予定部411aと接触し、切断面Sで素材210を切断する。
図5に示す第2傾斜部予定部412aは、上記のプレス成型によって第2傾斜部412になる部位である。
図5に示す山部予定部419aは、上記のプレス成型によって山部419になる部位である。
【0029】
1枚分の多孔体流路40の加工が完成していない場合は(工程P540、NO)、
図8に示すように、上刃310と型330(
図12,
図13と共に後述)とをY軸方向に所定量、送る(工程P550)。その後、工程P510〜P540を再度、実行する。
【0030】
図9は、工程P520を再度、実行した様子を示す。
図10は、工程P530を再度、実行した様子を示す。
図11は、工程P550を再度、実行した様子を示す。再度の工程P530によって形成された谷部417は、前回の工程P530によって形成された山部419と共に、平坦部415を形成する。
【0031】
図12は、
図10の12−12端面図であり、第1傾斜部411の形成を説明するための図である。上刃310に含まれる凹部311は、
図12に示すように、第1上側傾斜面311aを備える(
図6〜
図11では図示していない)。刃部300に含まれる型330は、第1下側傾斜面331を備える。第1下側傾斜面331は、第1上側傾斜面311aと対向するように配置される。
【0032】
工程P530では、上刃310を降下させる前に、型330を素材210に接触させる。上刃310が降下すると、素材210の一部であって、第1上側傾斜面311aと第1下側傾斜面331とに挟み込まれた部位が曲げられる。この曲がった部位が、第1傾斜部411になる。
【0033】
図13は、
図10の13−13端面図であり、第2傾斜部412の形成を説明するための図である。上刃310の凸部312は、
図13に示すように、第2上側傾斜面312aを備える。型330は、第2下側傾斜面332を備える。第2下側傾斜面332は、第2上側傾斜面312aと対向するように配置される。
【0034】
凸部312が第2上側傾斜面312aを備えるため、凸部312が素材210に接触し始めた時点において、切断は発生せず、第2上側傾斜面312aに沿った曲げが発生する。さらに、上刃310が降下すると、切断が発生し、谷部417と第2傾斜部412とが形成される。但し、この時点では、谷部417と第2傾斜部412との成型は、不完全である。さらに、上刃310が停止位置に達するまで降下すると、谷部417は、型330に接触し、凸部312と型330とに挟み込まれる。これによって、谷部417と第2傾斜部412とが成型される。
【0035】
上記の工程P510〜P550を所定回数繰り返すと、1枚分の多孔体流路40の加工が完成する(工程P540、YES)。この後、多孔体流路40と遮蔽板45とを後述するように溶接することによって(工程P560)、流路部材50が製造される。
【0036】
図14は、流路部材50の平面図である。遮蔽板45は、多孔体流路40の長辺に沿って溶接される。本実施形態における溶接箇所は、
図14に示す6つの溶接部Pである。
【0037】
図15は、溶接システム700を示す。溶接システム700は、電源710と、トランス720と、溶接ガン730とを備える。
【0038】
電源710は、タイマ機能を有し、トランス720に所定時間、給電する。トランス720は、二次電流を溶接ガン730に供給する。二次電流は、電源710から供給された電力の電圧が、トランス720によって変換されることで生成される。溶接ガン730は、供給された二次電流を用いて、スポット溶接を実施する。
【0039】
図16は、溶接の様子を示す端面図である。多孔体流路40は、第1傾斜部411が遮蔽板45に接触するように遮蔽板45の上に載せられる。
【0040】
図16に示すように、第1傾斜部411は、他の第1傾斜部411と共に同一平面を形成するように、平坦部415に対して傾斜する。よって、各第1傾斜部411は遮蔽板45に面接触する。第1傾斜部411及び第2傾斜部412の傾斜は、互いに略平行である。
【0041】
溶接ガン730は、上部電極731と、下部電極733とを備える。上部電極731の先端付近は円柱形状であり、その外径は1.5mmである。よって、上部電極731の端面の面積は7.07mm
2である。下部電極733の先端付近は円柱形状であり、その外径は3.0mmである。よって、下部電極733の端面の面積は28.27mm
2である。
【0042】
本実施形態におけるスポット溶接の条件は、次の通りである。上部電極731を下部電極733に向けて加圧する力(以下「押しつけ力」という)は50±3N、溶接電流は920±30A、通電時間は35±3ミリ秒、スロープ時間は1.8ミリ秒である。
【0043】
スポット溶接の際、上部電極731を、第2傾斜部412に接触させた状態で、下部電極733に向けて押しつける。上部電極731が第2傾斜部412に接触した時点で溶接電流が流れることによって、第1傾斜部411と遮蔽板45との溶接が始まる。
【0044】
図17は、スポット溶接後の様子を示す。
図17に示すように、第2傾斜部412は、押しつけ力によって、遮蔽板45に接触するまで変形する。この結果、第2傾斜部412も遮蔽板45に対して溶接される。一方で、遮蔽板45は、溶接されても、あまり変形しない。その理由の1つとして、上部電極731の外径の方が、下部電極733の外径よりも細いことが挙げられる。
【0045】
上記のように、スポット溶接による遮蔽板45の変形は、スポット溶接による多孔体流路40の変形よりも小さい。より詳細にいうと、スポット溶接による遮蔽板45の変形は、スポット溶接による基部410の変形よりも小さい。本実施形態における変形の大小は、厚み方向の内向きに変形した距離(以下「押し込み変形量」という)で定義される。厚み方向とは、遮蔽板45の厚みの方向のことであり、
図17の上下方向である。内向きとは、溶接時に接触した方の電極によって押される向きのことである。つまり、多孔体流路40についての内向きとは図の下向きであり、遮蔽板45についての内向きとは図の上向きのことである。
【0046】
基部410の押し込み変形量は、
図17において距離Dとして示されている。基部410の押し込み変形量の測定は、溶接の対象となる基部410について溶接前後の形状を比較することで実現してもよいし、
図17に示されるように、溶接されていない他の基部410との厚み方向の高さを比較することで実現してもよい。
【0047】
遮蔽板45の押し込み変形量は、下部電極733と接触していた部位における変形量(微小なので図示しない)を測定することで測定できる。
【0048】
なお、第1傾斜部411による溶接の方が、第2傾斜部412による溶接よりも良好に溶接され、溶接後の引張強度が強い。これは、第1傾斜部411と遮蔽板45とが溶接開始時から接触しており、且つその接触が面接触なので、第1傾斜部411と遮蔽板45との間に溶接電流が流れやすいためである。
【0049】
図18は、溶接の条件とスパッタの発生との関係を調べた実験結果を示すグラフである。グラフの縦軸は通電時間を、横軸は溶接電流を示す。実験における通電時間の誤差は±0.1ミリ秒以下であった。実験における溶接電流の誤差は±2%であった。
【0050】
図18に示すように、押しつけ力が50Nの場合に、通電時間が50ミリ秒以上のとき、或いは溶接電流が1050A以上のときは、スパッタが発生する。
図18に示すように、押しつけ力が50N以下の場合に、通電時間が50ミリ秒以下かつ溶接電流が1050A以下のときは、通電時間と溶接電流との値次第で、スパッタが発生しなくなる。
【0051】
上記で説明した本実施形態において採用された値の場合、
図18に示すようにスパッタは発生しない。なお、「スパッタが発生しない」とは、微量なスパッタが発生する意味を含んでもよい。微量とは、例えば、製造上、問題にならない程度の量のことである。
【0052】
図18に示すように、押しつけ力が45.1N以上50N未満の場合、押しつけ力が50Nの場合ではスパッタが発生しなかった条件でも、スパッタが発生することがある。さらに、
図18に示すように、押しつけ力が40.1N以上45.1N未満、35.1N以上40.1N未満、押しつけ力が30.1N以上35.1N未満というように押しつけ力が小さくなればなるほど、スパッタが発生する条件が拡大する。
【0053】
図19は、溶接部の引張強度と、押しつけ力との関係を調べた実験結果を示すグラフである。何れの実験サンプルにおいても、溶接電流は920A、通電時間は35ミリ秒に設定した。
【0054】
この実験においては、押しつけ力を40.1N〜65.1Nにおいて5N刻みで変化させた。これは、溶接電流が920A、通電時間が35ミリ秒の場合、
図18と共に説明したように、押しつけ力が40.1N未満であるとスパッタが発生するからである。
【0055】
各押しつけ力について5つのサンプルを用意し、各サンプルを対象に溶接部Pの引張強度を測定した。グラフに示されたエラーバーは、各押しつけ力について「平均±3×標準偏差」の範囲を示す。押しつけ力が45.1N、50.1N、55.1Nの場合は何れも、「平均−3×標準偏差」の値が37N以上であり、充分な強度が確保できている。先述したように本実施形態では、押しつけ力が50±3Nに設定されている。よって、本実施形態によれば、充分な強度が確保できる。
【0056】
図20,
図21は、比較例における溶接の様子を示す。この比較例では、
図20に示すように、上部電極731を遮蔽板45に接触させ、下部電極733を多孔体流路40に接触させる。このように溶接を実施すると、多孔体流路40は、遮蔽板45を介して、上部電極731の押し込みを受ける。この結果、多孔体流路40は、
図21に示すように、厚み方向の外向き(図の下向き)に大きく変形する。一方で、多孔体流路40は、多孔体流路40と接触する下部電極733の端面の面積が大きいので、厚み方向の内向きには殆ど変形しない。よって、多孔体流路40の押し込み変形量は、ほぼゼロである。
【0057】
これに対し、遮蔽板45は、遮蔽板45と接触する上部電極731の端面の面積が小さいので、上部電極731に押し込まれて、厚み方向の内向きに大きく変形する。この結果、遮蔽板45の押し込み変形量は、多孔体流路40の押し込み変形量よりも大きくなる。遮蔽板45の押し込み変形量は、
図21にはD’として示されている。
【0058】
このように遮蔽板45が押し込まれて変形すると、遮蔽板45にシワ(図示なし)が発生する。遮蔽板45のシワは、流路部材50の厚みにばらつきを引き起こし、ひいてはスタッキング時の面圧のばらつきを引き起こす。この結果、発電性能を低下させる原因になり得る。
【0059】
上記に説明した実施形態によれば、少なくとも以下の効果を得ることができる。
実施形態の場合、上記比較例に比べ、溶接による遮蔽板45の変形が抑制されることによって、流路部材50の厚みの精度が良好になる。この結果、スタッキング時の面圧が安定し、ひいては発電性能が安定する。なお、或る1つの基部410が溶接によって変形しても、この変形の影響は接続部450の変形によって吸収され、他の基部410は殆ど変形しない。よって、基部410の変形が流路部材50の厚みの精度を悪化させることは殆どない。
【0060】
遮蔽板45の変形が抑制されることによって、遮蔽板45を薄く形成しても、流路部材50の厚みの精度が良好になる。例えば、上記比較例の場合に、遮蔽板45の変形を抑制するために採用された厚さが0.1mmだとすると、本実施形態においては0.05mmにしても、厚みの精度が悪化しない。この結果、燃料電池の小型化、軽量化が実現される。
【0061】
溶接前の段階で第1傾斜部411が遮蔽板45に面接触していることによって、多孔体流路40と遮蔽板45との接触面積が、線接触や点接触の場合に比べて増大する。この結果、溶接電流が安定し、溶接を良好に実施できる。
【0062】
上部電極731が第2傾斜部412に面接触するので、上部電極731の端面が損傷しにくい。この結果、上部電極731の寿命が長くなる。
【0063】
多孔体流路40を溶接しても、多孔体流路40の構造上、流路が閉塞されることがない。よって、ガス流れに殆ど影響しない。
【0064】
本発明は、本明細書の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、先述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、先述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことができる。その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除できる。例えば、以下のものが例示される。
【0065】
遮蔽板の押し込み変形量を多孔体流路の押し込み変形量よりも小さくできるなら、どのような手法で溶接してもよい。例えば、上部電極と下部電極との端面の面積を同じにして、多孔体流路の素材を遮蔽板の素材よりも軟らかくしてもよいし、多孔体流路の剛性が低くなるような形状にしてもよい。或いは、これらを手法を組み合わせてもよい。
【0066】
多孔体流路は、第1傾斜部を備えなくてもよいし、第2傾斜部を備えなくてもよい。
多孔体流路は、スポット溶接の前の状態において、遮蔽板に対して線接触や点接触してもよい。
【0067】
多孔体流路の製造方法は、どのようなものでもよい。例えば、第1傾斜部や第2傾斜部の形成を、切断および谷部の形成のプレス成型(工程P530)とは別工程として実施してもよい。或いは、多孔体流路1枚分の加工を、1回のプレス加工で実現してもよい。この他、プレス加工以外の加工、例えば、切削や鋳造などで製造してもよい。
【0068】
多孔体流路に溶接する対象は遮蔽板に限られず、燃料電池の構成や製造方法の変化に合わせて、他の板材を溶接の対象にしてもよい。