(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6210053
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】画像形成装置、導光部材
(51)【国際特許分類】
G03G 15/01 20060101AFI20171002BHJP
G03G 21/08 20060101ALI20171002BHJP
G03G 15/16 20060101ALI20171002BHJP
【FI】
G03G15/01 M
G03G21/08
G03G15/16 103
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-236153(P2014-236153)
(22)【出願日】2014年11月21日
(65)【公開番号】特開2016-99488(P2016-99488A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2016年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 陽介
(72)【発明者】
【氏名】大井 宏信
(72)【発明者】
【氏名】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】中村 善典
【審査官】
岡▲崎▼ 輝雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−113901(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0136499(US,A1)
【文献】
再公表特許第2010/004745(JP,A1)
【文献】
特開平05−341133(JP,A)
【文献】
特開2011−090215(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0096452(US,A1)
【文献】
特開平07−168026(JP,A)
【文献】
米国特許第06052135(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/01
G03G 15/16
G03G 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被転写部材の走行方向に沿って並設された複数の像担持体と、
前記像担持体各々に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像ローラーと、
前記像担持体各々に形成される前記トナー像を前記被転写部材に転写する転写ローラーと、
前記転写ローラーによる前記トナー像の前記被転写部材への転写後の前記像担持体各々を清掃するクリーニング部と、
前記像担持体各々の除電に用いられる光を照射する光源と、
前記光源各々から長手方向の一端に入射して他端に導かれる光を透過及び反射させて、前記被転写部材の走行方向下流側の前記像担持体における前記現像ローラーと前記転写ローラーとの間の位置、及び前記被転写部材の走行方向上流側の前記像担持体における前記転写ローラーと前記クリーニング部との間の位置に照射する透過反射部と、前記透過反射部に対向する位置であって前記長手方向における一端又は両端から予め定められた一部の特定領域に外側に向けて形成された断面円弧状の凸部とを有する長尺状の導光部材と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記特定領域は、前記像担持体における非画像形成領域に対応する領域である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記導光部材は、前記長手方向に沿って予め定められた間隔で形成された複数の前記透過反射部を含む一つの平面を有する形状の長尺部材である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記透過反射部は、前記平面から内側に向けて予め定められた傾斜角度で形成された傾斜面である請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記透過反射部の間隔が、前記光源から遠ざかるに従って短くなる請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記透過反射部のサイズが、前記光源から遠ざかるに従って大きくなる請求項3〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記導光部材の外周の一部又は全部を覆う透光部材を更に備える請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記走行方向の最上流側に配置された前記像担持体がイエローに対応するものであり、
前記走行方向における前記像担持体各々の下流側の位置にのみ前記光源及び前記導光部材が配置されている請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
被転写部材の走行方向に沿って並設された複数の像担持体と、前記像担持体各々に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像ローラーと、前記像担持体各々に形成される前記トナー像を前記被転写部材に転写する転写ローラーと、前記転写ローラーによる前記トナー像の前記被転写部材への転写後の前記像担持体各々を清掃するクリーニング部と、前記像担持体各々の除電に用いられる光を照射する光源とを備える画像形成装置に用いられる長尺状の導光部材であって、
前記光源各々から長手方向の一端に入射して他端に導かれる光を透過及び反射させて、前記被転写部材の走行方向下流側の前記像担持体における前記現像ローラーと前記転写ローラーとの間の位置、及び前記被転写部材の走行方向上流側の前記像担持体における前記転写ローラーと前記クリーニング部との間の位置に照射する透過反射部と、前記透過反射部に対向する位置であって前記長手方向における一端又は両端から予め定められた一部の特定領域に外側に向けて形成された断面円弧状の凸部とを有する導光部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置及びこれに用いられる導光部材に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、帯電ローラーによって感光体ドラムが一様に帯電される。次に、帯電した感光体ドラムの表面上にレーザー光が照射されて感光体ドラムの表面上に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラムの静電潜像はトナーを用いて現像される。その後、感光体ドラムのトナー像がシート又は中間転写ベルトなどの被転写部材に転写されると、感光体ドラムは除電部から照射される除電光によって除電され、感光体ドラムの表面はクリーニング部によってクリーニングされる。
【0003】
また、感光体ドラムのトナー像が被転写部材に転写される前の感光体ドラムに除電光が照射される除電部が設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。さらに、光源から照射される光を、二つの反射面が形成された導光部材を用いて、被転写部材の走行方向上流側の感光体ドラムのトナー像の転写後の位置と走行方向下流側の感光体ドラムのトナー像の転写前の位置とに向けてそれぞれ反射させる構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−221405号公報
【特許文献2】特開2013−113901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、二つの反射面が導光部材に形成される構成では、その導光部材を形成するための金型形状が複雑になるという問題がある。また、導光部材の光源側の端部近傍から被転写部材の走行方向上流側の感光体ドラムの画像形成領域に強度の強い除電光が照射され、又は導光部材の光源側の端部近傍から被転写部材の走行方向下流側の感光体ドラムの画像形成領域に照射される除電光が不足することにより、除電光の均一化が阻害されるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、転写前除電及び転写後除電を行うための構成を簡素化すると共に除電光の均一化を図ることが可能な画像形成装置及びこれに用いられる導光部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、複数の像担持体、現像ローラー、転写ローラー、クリーニング部、光源、導光部材を備える。前記像担持体は、被転写部材の走行方向に沿って並設されている。前記現像ローラーは、前記像担持体各々に形成される静電潜像をトナー像として現像する。前記転写ローラーは、前記像担持体各々に形成される前記トナー像を前記被転写部材に転写する。前記クリーニング部は、前記転写ローラーによる前記トナー像の前記被転写部材への転写後の前記像担持体各々を清掃する。前記光源は、前記像担持体各々の除電に用いられる光を照射する。前記導光部材は、前記光源各々から長手方向の一端に入射して他端に導かれる光を透過及び反射させて、前記被転写部材の走行方向下流側の前記像担持体における前記現像ローラーと前記転写ローラーとの間の位置、及び前記被転写部材の走行方向上流側の前記像担持体における前記転写ローラーと前記クリーニング部との間の位置に照射する透過反射部を有する。また、前記導光部材は、前記透過反射部に対向する位置であって前記長手方向における一端又は両端から予め定められた一部の特定領域に外側に向けて形成された断面円弧状の凸部を有する。
【0008】
本発明の他の局面に係る導光部材は、被転写部材の走行方向に沿って並設された複数の像担持体と、前記像担持体各々に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像ローラーと、前記像担持体各々に形成される前記トナー像を前記被転写部材に転写する転写ローラーと、前記転写ローラーによる前記トナー像の前記被転写部材への転写後の前記像担持体各々を清掃するクリーニング部と、前記像担持体各々の除電に用いられる光を照射する光源とを備える画像形成装置に用いられる長尺状の部材である。そして、前記導光部材は、前記光源各々から長手方向の一端に入射して他端に導かれる光を透過及び反射させて、前記被転写部材の走行方向下流側の前記像担持体における前記現像ローラーと前記転写ローラーとの間の位置、及び前記被転写部材の走行方向上流側の前記像担持体における前記転写ローラーと前記クリーニング部との間の位置に照射する透過反射部と、前記透過反射部に対向する位置であって前記長手方向における一端又は両端から予め定められた一部の特定領域に外側に向けて形成された断面円弧状の凸部とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、転写前除電及び転写後除電を行うための構成を簡素化すると共に除電光の均一化を図ることが可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された画像形成装置の画像形成ユニットの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示された画像形成ユニットの除電部を示す図である。
【
図4】
図4は、
図3に示された除電部の導光部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0012】
図1に示すように、画像形成装置10は、複数組の画像形成ユニット1〜4、中間転写ベルト5、光走査装置6、二次転写ローラー7、定着装置8、排紙トレイ9、トナーコンテナー21〜24、給紙カセット31、及び搬送経路32などを備える。画像形成装置10は、給紙カセット31から搬送経路32に沿って供給されるシートに、パーソナルコンピューターなどの情報処理装置から入力される画像データに基づくカラー画像又はモノクロ画像を形成するカラープリンターである。また、ファクシミリー、コピー機、及び複合機なども、本発明に係る画像形成装置の一例である。
【0013】
画像形成ユニット1〜4は、中間転写ベルト5の走行方向D1に沿って並設されており、所謂タンデム方式の画像形成部を構成する。具体的に、画像形成ユニット1ではY(イエロー)、画像形成ユニット2ではM(マゼンダ)、画像形成ユニット3ではC(シアン)、画像形成ユニット4ではK(ブラック)に対応するトナー像が形成される。なお、本実施形態では、中間転写ベルト5を被転写部材の一例として説明するが、印刷用紙などのシートが被転写部材の一例であることも考えられる。即ち、シート搬送ベルトによって搬送されるシートにトナー像が転写される構成が他の実施形態として考えられる。
【0014】
ここに、
図2は、画像形成ユニット1及び画像形成ユニット2の概略構成を示す模式図である。
図2に示すように、画像形成ユニット1及び画像形成ユニット2は、感光体ドラム11と、感光体ドラム11に対応して設けられた帯電部12、現像部13、除電部14、一次転写ローラー15、及びクリーニング装置16とを備える電子写真方式の画像形成ユニットである。なお、画像形成ユニット3及び画像形成ユニット4も同様に構成されているためここでは説明を省略する。
【0015】
感光体ドラム11各々は、中間転写ベルト5の走行方向に沿って並設されており、静電潜像及びトナー像を担持する像担持体である。帯電部12各々は、不図示の電源から供給される電力により感光体ドラム11を帯電させる帯電ローラー121を有する。そして、帯電部12により帯電された感光体ドラム11に、光走査装置6によってレーザー光が照射され、画像データに基づく静電潜像が感光体ドラム11の外周面に形成される。現像部13各々は、感光体ドラム11に形成された前記静電潜像をトナー(現像剤)により現像する現像ローラー131を有する。なお、現像部13による前記静電潜像の現像にはトナーと共に滑材又は研磨剤などの外添材が用いられる。現像部13各々には、各色に対応する着脱可能なトナーコンテナー21〜24からトナーが補給される。
【0016】
一次転写ローラー15各々は、感光体ドラム11に形成されたトナー像を中間転写ベルト5に転写する。中間転写ベルト5は、画像形成ユニット1〜4各々の感光体ドラム11の上方を走行し、感光体ドラム11各々に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される中間転写部材である。そして、中間転写ベルト5のトナー像は、二次転写ローラー7により、給紙カセット31から搬送経路32を経て搬送されるシートに転写される。その後、前記シートに転写されたトナー像は、定着装置8で加熱されて前記シートに溶融定着する。クリーニング装置16各々は、一次転写ローラー15による前記トナー像の中間転写ベルト5への転写後の感光体ドラム11を清掃するクリーニングローラー又はクリーニングブレード等のクリーニング部161を有する。
【0017】
除電部14各々は、中間転写ベルト5の走行方向D1の上流側の感光体ドラム11の外周面における一次転写ローラー15とクリーニング部161との間の位置に、感光体ドラム11を除電するための除電光L1を照射する。換言すると、除電部14各々は、感光体ドラム11の回転方向において一次転写ローラー15の下流側であってクリーニング部161の上流側に除電光L1を照射する。また、除電部14各々は、中間転写ベルト5の走行方向D1の下流側の感光体ドラム11の外周面における現像ローラー131と一次転写ローラー15との間の位置に、感光体ドラム11を除電するための除電光L2を照射する。換言すると、除電部14各々は、感光体ドラム11の回転方向において現像ローラー13の下流側であって一次転写ローラー15の上流側に除電光L2を照射する。このように、感光体ドラム11の前記トナー像の中間転写ベルト5への転写前後において感光体ドラム11の除電が行われることにより、感光体ドラム11の所謂メモリー画像が抑制される。
【0018】
なお、イエローの画像は目立たないため、イエローに対応する画像形成ユニット1の感光体ドラム11には除電光L2が照射されなくても画像メモリーの問題は顕在化しにくい。そのため、画像形成装置10では、画像形成ユニット1の感光体ドラム11に除電光L2を照射する除電部14の配置は省略されている。即ち、画像形成装置10では、走行方向D1の最上流側に配置された感光体ドラム11がイエローに対応するものであり、走行方向D1における感光体ドラム11各々の下流側の位置にのみ光源141及び導光部材142を含む除電部14が配置されている。もちろん、画像形成装置10が、画像形成ユニット1の感光体ドラム11に除電光L2を照射する除電部14を備えることも考えられる。
【0019】
続いて、
図3及び
図4を参照しつつ、除電部14について説明する。ここに、
図3は除電部14の構成を示す平面図であり、
図4は導光部材142の構成を示す斜視図である。
【0020】
除電部14は、中間転写ベルト5の走行方向D2の上流側に配置された感光体ドラム11と中間転写ベルト5の走行方向D2の下流側に配置された感光体ドラム11との間に配置されている。除電部14は、光源141と感光体ドラム11の軸方向D2に長尺状の導光部材142を有する。導光部材142は、感光体ドラム11よりも長尺状であり、長手方向が感光体ドラム11の軸方向D2と平行になるように配置されている。
【0021】
光源141は、感光体ドラム11を除電するための光を照射するLED光源などである。光源141から出射される光は、導光部材142の長手方向の一端に形成されている入光面143に入射する。そして、導光部材142では、入光面143が形成されている一端から入射する光が反射を繰り返して他端の端面144に向けて導かれる。なお、本実施形態では、導光部材142の一端に光源141が設けられている場合を例に挙げて説明するが、導光部材142の両端に光源141が設けられ、入光面143及び端面144の両方から光が入射する構成も他の実施形態として考えられる。
【0022】
また、導光部材142は、平面145及び曲面146を有する断面D字形状(蒲鉾形状)の略円柱形状の部材であって、例えば樹脂などの材料で形成されている。そして、平面145には、長手方向に予め定められた間隔で複数の透過反射部147が形成されている。
【0023】
具体的に、透過反射部147は、平面145から内側に向けて予め定められた傾斜角度で形成された傾斜面である。透過反射部147の傾斜角度は、光源141から照射された光の透過反射部147による透過量及び反射量が予め定められた関係となるように適宜定められる。例えば、透過反射部147の傾斜角度は、中間転写ベルト5の走行方向D1の上流側の感光体ドラム11に到達する除電光L1の光量と中間転写ベルト5の走行方向D1の下流側の感光体ドラム11に到達する除電光L2の光量との比率が1:10となるように定められる。
【0024】
そして、除電部14では、透過反射部147により、光源141から照射された光が反射して、中間転写ベルト5の走行方向D1の上流側の感光体ドラム11の外周面における一次転写ローラー15とクリーニング装置16との間の位置に、感光体ドラム11を除電するための除電光L1として照射される。
【0025】
また、除電部14では、透過反射部147により、光源141から照射された光が透過して、中間転写ベルト5の走行方向D1の下流側の感光体ドラム11の外周面における現像ローラー131と一次転写ローラー15との間の位置に、感光体ドラム11を除電するための除電光L2として照射される。
【0026】
これに対し、前述した関連技術のように二つの反射面が導光部材に形成される構成では、その導光部材を形成するための金型形状が複雑になるという問題がある。しかしながら、画像形成装置10では、導光部材142に透過反射部147を有する平面145が一つだけ形成されているため、導光部材142を成型するための金型形状を簡素化することができる。
【0027】
なお、導光部材142が180度回転した状態で配置されることも考えられる。即ち、除電部14は、光源141から照射された光を透過反射部147で反射させて、中間転写ベルト5の走行方向D1の下流側の感光体ドラム11の外周面における現像ローラー131と一次転写ローラー15との間の位置に除電光L2を照射することが考えられる。この場合、除電部14は、光源141から照射された光を透過反射部147で透過させて、中間転写ベルト5の走行方向D1の上流側の感光体ドラム11の外周面における一次転写ローラー15とクリーニング装置16との間の位置に除電光L1を照射する。
【0028】
ところで、導光部材142では、光源141から入射する光が一端から他端に向けて導かれる間に光量が徐々に低下する。そのため、導光部材142では、長手方向において透過反射部147が形成される間隔P1が、光源141から遠ざかるに従って短くなっている。これにより、導光部材142の入光面143から遠い位置において、透過反射部147による光の反射量及び透過量が増加するため、導光部材142の長手方向における除電光L1及び除電光L2の均一化が図られる。さらに、導光部材142から照射される除電光L1及び除電光L2の均一化を図るための構成として、透過反射部147のサイズが光源141から遠ざかるに従って大きくなることも考えられる。
【0029】
また、導光部材142の光源141側の端部近傍から中間転写ベルト5の走行方向D1の下流側の感光体ドラム11の画像形成領域A1に照射される除電光が不足する場合、除電光の均一化が阻害されるおそれがある。具体的に、導光部材142では、透過反射部147を透過した除電光L2は、ある程度の角度で感光体ドラム11に向かうことになるため、感光体ドラム11の画像形成領域A1における端部に照射される光量が他の領域に比べて少なくなるおそれがある。
【0030】
さらに、導光部材142の光源141側の端部近傍から中間転写ベルト5の走行方向D1の上流側の感光体ドラム11の画像形成領域A1に強度の強い除電光が照射されると、除電光の均一化が阻害されるおそれがある。具体的に、導光部材142の曲面146のうち光源141に近く光源141から照射された強度が強い光が、中間転写ベルト5の走行方向D1の上流側の感光体ドラム11の画像形成領域A1に到達すると、画像形成領域A1の除電量の均一化が阻害されるおそれがある。
【0031】
そのため、導光部材14には、感光体ドラム11の画像形成領域A1の外側の非画像形成領域A2に対応する位置に光拡散部148が形成されている。光拡散部148は、透過反射部147に対向する位置であって、導光部材152の長手方向における一端又は両端から非画像形成領域A2に対応する予め定められた一部の特定領域において、外側に向けて形成された断面円弧状の凸部である。例えば、光拡散部148は半球形状である。また、光拡散部148は、球形状又は回転楕円形状の一部を切断した形状であってもよい。
【0032】
これにより、導光部材142では、光拡散部148で反射した光が、平面145から中間転写ベルト5の走行方向D1の下流側の感光体ドラム11の画像形成領域A1の端部に除電光L2として照射される。従って、中間転写ベルト5の走行方向D1の下流側の感光体ドラム11の画像形成領域A1の端部の光量不足を補うことが可能となり、除電量の均一化を図ることが可能となる。
【0033】
また、導光部材142から曲面146を透過する光が光拡散部148で拡散するため、中間転写ベルト5の走行方向D1の上流側の感光体ドラム11の画像形成領域A
1に除電光L1として到達する光量が抑制される。従って、中間転写ベルト5の走行方向D1の上流側の感光体ドラム11の画像形成領域A1に照射される除電光量の均一化を図ることが可能となる。
【0034】
なお、
図2に示すように、除電部14には、光源141及び導光部材142の一部又は全部を覆うカバー部材として、透明又は半透明の透光部材17が設けられている。これにより、除電部14の光源141及び導光部材142への粉塵又はトナーの付着が防止されるため、画像形成装置10の長寿命化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
1〜4:画像形成ユニット
5 :中間転写ベルト
6 :光走査装置
7 :二次転写ローラー
8 :定着装置
9 :排紙トレイ
10:画像形成装置
11:感光体ドラム
12:帯電部
121:帯電ローラー
13:現像部
131:現像ローラー
14:除電部
141:光源
142:導光部材
15:一次転写ローラー
16:クリーニング装置
161:クリーニング部