【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるステップと、
異なる種のペアレントイオンが異なる強度プロファイルをパラメータ値の関数として、または時間の関数として有するように、複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするステップと、
各パラメータ値で、ペアレントイオンから得られた任意のフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するステップと、
パラメータ値の関数として、または時間の関数としてのフラグメントまたはプロダクトイオンの強度プロファイル、およびパラメータ値の関数として、または時間の関数としてのペアレントイオンの強度プロファイルに基づいて、フラグメントまたはプロダクトイオンを対応するペアレントイオンに相関または帰属させるステップと、
を含む、質量分析方法が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるステップと、
異なる種のペアレントイオンが異なる強度プロファイルをパラメータ値の関数として、または時間の関数として有するように複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするステップと、
各パラメータ値で、ペアレントイオンから得られた任意のフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するステップと、
パラメータ値の関数として、または時間の関数としての第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの強度プロファイル、およびパラメータ値の関数として、または時間の関数としての第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの強度プロファイルに基づいて、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンを第二のフラグメントまたはプロダクトイオンに相関または帰属させることと、
を含む、質量分析方法が提供される。
【0009】
複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするステップは、好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングすることを含む。
【0010】
一実施形態によれば、該方法は、ペアレントイオンを衝突、フラグメンテーションデバイスまたは反応デバイスに伝送するステップと、イオンの少なくとも一部にフラグメントまたはプロダクトイオンを形成させるステップとを更に含む。
【0011】
パラメータは、ペアレントイオンの衝突エネルギーを含んでいてもよい。
【0012】
パラメータは、(i)イオン−イオン相互作用または滞留時間;(ii)イオン−電子相互作用または滞留時間;(iii)イオン荷電粒子相互作用または滞留時間;および(iv)イオン−中性粒子相互作用または滞留時間、のいずれかを含んでいてもよい。
【0013】
パラメータは、試薬イオン濃度を含んでいてもよい。
【0014】
パラメータは、電子ビームまたは荷電粒子の他のビームのエネルギーまたは密度を含んでいてもよい。
【0015】
パラメータは、(i)質量もしくは質量対電荷比;(ii)質量もしくは質量対電荷比伝送窓;(iii)質量もしくは質量対電荷比減衰窓;または(iv)質量もしくは質量対電荷比排出窓、のいずれかを含んでいてもよい。
【0016】
該方法は、好ましくはマスフィルターを提供するステップを更に含む。
【0017】
マスフィルターは、好ましくは四重極ロッドセットマスフィルター、またはイオンを第一の方向では擬ポテンシャル井戸に、第二の方向ではDCポテンシャル井戸にそれぞれ閉じ込める複数の電極を含むマスフィルターを含む。
【0018】
該方法は、好ましくはマスフィルターの質量対電荷比伝送窓をスキャニング、変動、増加または減少させるステップを更に含む。
【0019】
該方法は、好ましくは(i)第一の質量対電荷比の値よりも小さい質量対電荷比を有するイオンが伝送されるローパス動作モード;(ii)第一の質量対電荷比よりも大きく、第二の質量対電荷比の値よりも小さい質量対電荷比を有するイオンが伝送されるバンドパス動作モード;または(iii)第一の質量対電荷比よりも大きな質量対電荷比を有するイオンが伝送されるハイパス動作モード、のいずれかでマスフィルターを動作するステップを更に含む。
【0020】
該方法は、好ましくはイオンガイドを提供するステップを更に含む。
【0021】
イオンガイドは、好ましくは四重極もしくは多重極ロッドセットイオンガイド、またはイオンを第一の方向では擬ポテンシャル井戸に、第二の方向ではDCポテンシャル井戸にそれぞれ閉じ込める複数の電極を含むイオンガイドを含む。
【0022】
該方法は、好ましくは特定の質量対電荷比または特定範囲内の質量対電荷比を有するイオンが励起および/または減衰されるイオンガイドに、1つ以上の励起波形を加えるステップを更に含む。
【0023】
該方法は、好ましくは1つ以上の励起波形の周波数および/または振幅をスキャニング、変動、増加または減少させるステップを更に含む。
【0024】
該方法は、好ましくは質量、または質量対電荷比選択的イオントラップを提供するステップを更に含む。
【0025】
該イオントラップは、好ましくは2Dもしくは線形イオントラップ、1つの中心リング電極および2つのエンドキャップ電極を含む3Dイオントラップ、またはイオンを第一の方向では擬ポテンシャル井戸に、第二の方向ではDCポテンシャル井戸にそれぞれ閉じ込める複数の電極を含むイオントラップを更に含む。
【0026】
該方法は、好ましくは質量または質量対電荷比排出窓内の質量または質量対電荷比を有するイオンがイオントラップから排出もしくは励起される、または別の方式でイオントラップから出現する、イオントラップの質量または質量対電荷比排出窓をスキャニングするステップを更に含む。
【0027】
該パラメータは、イオン化エネルギー、イオン化効率、内部エネルギー、空間位置、シフト試薬の組成、試薬の組成および/もしくは分極、衝突、イオン移動度分離、または他の気体、温度、圧力、あるいはレーザ強度を含んでいてもよい。
【0028】
パラメータを変動、増加、減少またはランピングするステップは、フラグメントまたはプロダクトイオンの形成を直接引き起こし得る。
【0029】
あるいはパラメータを変動、増加、減少またはランピングするステップは、単独ではフラグメントまたはプロダクトイオンの形成を直接引き起こさない。
【0030】
一実施形態によれば、ペアレントイオンの少なくとも一部の強度を変動、増加、減少またはランピングするためにパラメータを変動、増加、減少またはランピングした後、ペアレントイオンはその後、衝突、フラグメンテーションデバイスまたは反応デバイスに伝送されて、そこでペアレントイオンの少なくとも一部にフラグメントまたはプロダクトイオンを形成させる。
【0031】
複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングさせる間、ペアレントイオンの初期濃度は、好ましくは実質的に一定のままである。
【0032】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるステップと、
異なる種のペアレントイオンに異なる空間位置を瞬時にとらせるステップと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するステップと、
フラグメントまたはプロダクトイオンの空間位置、およびペアレントイオンの空間位置に基づいて、フラグメントまたはプロダクトイオンを対応するペアレントイオンに相関または帰属させるステップと、
を含む、質量分析方法が提供される。
【0033】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるステップと、
異なる種のペアレントイオンに異なる空間位置を瞬時にとらせるステップと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するステップと、
第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの空間位置、および第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの空間位置に基づいて、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンを対応する第二の異なるフラグメントまたはプロダクトイオンに相関または帰属させるステップと、
を含む、質量分析方法が提供される。
【0034】
該方法は、好ましくは空間的に分散されたペアレントイオンを分解または反応させて、フラグメントまたはプロダクトイオンを形成させるステップを更に含む。
【0035】
異なる種のペアレントイオンに異なる空間位置を瞬時にとらせるステップは、好ましくはイオン移動度または微分型イオン移動度に基づいてペアレントイオンを分離することを含む。
【0036】
該方法は、好ましくはフィルタリング、ピーク検出、階層的クラスタリング、分割的クラスタリング、K平均クラスタリング、自己相関、確率解析もしくはベイジアン解析、または主成分分析(「PCA」)により、フラグメントまたはプロダクトイオンをペアレントイオンまたは他のフラグメントもしくはプロダクトイオンに相関または帰属させるステップを更に含む。
【0037】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるように配置および適合されたイオン源と、
異なる種のペアレントイオンが異なる強度プロファイルをパラメータ値の関数として、または時間の関数として有するように、複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするように配置および適合されたデバイスと、
各パラメータ値で、ペアレントイオンから得られた任意のフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するように配置および適合された質量分析部と、
パラメータ値の関数として、または時間の関数としてのフラグメントまたはプロダクトイオンの強度プロファイル、およびパラメータ値の関数として、または時間の関数としてのペアレントイオンの強度プロファイルに基づいて、フラグメントまたはプロダクトイオンを対応するペアレントイオンに相関または帰属させるように配置および適合されたデバイスと、
を含む、質量分析計が提供される。
【0038】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるように配置および適合されたイオン源と、
異なる種のペアレントイオンが異なる強度プロファイルをパラメータ値の関数として、または時間の関数として有するように、複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするように配置および適合されたデバイスと、
各パラメータ値で、ペアレントイオンから得られた任意のフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するように配置および適合された質量分析部と、
パラメータ値の関数として、または時間の関数としての第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの強度プロファイル、およびパラメータ値の関数として、または時間の関数としての第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの強度プロファイルに基づいて、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンを第二のフラグメントまたはプロダクトイオンに相関または帰属させるように配置および適合されたデバイスと、
を含む、質量分析計が提供される。
【0039】
複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするように配置および適合されたデバイスは、好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするように配置および適合されることを含む。
【0040】
質量分析計は、好ましくはペアレントイオンを分解して、フラグメントまたはプロダクトイオンを形成させるための衝突、フラグメンテーションデバイスまたは反応デバイスを更に含む。
【0041】
パラメータは、(i)ペアレントイオンの衝突エネルギー;(ii)イオン−イオン相互作用もしくは滞留時間;(iii)イオン−電子相互作用もしくは滞留時間;(iv)イオン荷電粒子相互作用もしくは滞留時間;(v)イオン−中性粒子相互作用もしくは滞留時間;(vi)試薬イオン濃度;(vii)電子ビームもしくは荷電粒子の他のビームのエネルギーもしくは密度;(viii)質量もしくは質量対電荷比;(ix)質量もしくは質量対電荷比伝送窓;(x)質量もしくは質量対電荷比減衰窓;(xi)質量もしくは質量対電荷比排出窓;(xii)イオン化エネルギー;(xiii)イオン化効率;(xiv)内部エネルギー;(xv)空間位置;(xvi)シフト試薬の組成;(xvii)試薬の組成および/もしくは分極、衝突、イオン移動度分離、または他の気体;(xviii)温度;(xix)圧力;あるいは(xx)レーザ強度、を含んでいてもよい。
【0042】
質量分析計は、好ましくはマスフィルターを更に含む。
【0043】
マスフィルターは、好ましくは四重極ロッドセットマスフィルター、またはイオンを第一の方向では擬ポテンシャル井戸に、第二の方向ではDCポテンシャル井戸にそれぞれ閉じ込める複数の電極を含むマスフィルターを含む。
【0044】
複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするように配置および適合されたデバイスは、好ましくはマスフィルターの質量対電荷比伝送窓をスキャニング、変動、増加または減少させるように配置および適合される。
【0045】
マスフィルターは、好ましくは(i)第一の質量対電荷比の値よりも小さい質量対電荷比を有するイオンが伝送されるローパス動作モード;(ii)第一の質量対電荷比よりも大きく、第二の質量対電荷比の値よりも小さい質量対電荷比を有するイオンが伝送されるバンドパス動作モード;または(iii)第一の質量対電荷比よりも大きな質量対電荷比を有するイオンが伝送されるハイパス動作モード、のいずれかで動作される。
【0046】
質量分析計は、好ましくはイオンガイドを更に含む。
【0047】
複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするように配置および適合されたデバイスは、好ましくは特定の質量対電荷比または特定範囲内の質量対電荷比を有するイオンが励起および/または減衰されるイオンガイドに、1つ以上の励起波形を加えるように配置および適合される。
【0048】
イオンガイドは、好ましくは四重極もしくは多重極ロッドセットイオンガイド、またはイオンを第一の方向では擬ポテンシャル井戸に、第二の方向ではDCポテンシャル井戸にそれぞれ閉じ込める複数の電極を含むイオンガイドを含む。
【0049】
複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするように配置および適合されたデバイスは、好ましくは1つ以上の励起波形の周波数および/または振幅をスキャニング、変動、増加または減少させるように配置および適合されている。
【0050】
質量分析計は、好ましくは質量、または質量対電荷比選択的イオントラップを含む。
【0051】
複数の異なるパラメータ値の間でパラメータを変動、増加、減少またはランピングするように配置および適合されたデバイスは、好ましくは質量または質量対電荷比排出窓内の質量または質量対電荷比を有するイオンがイオントラップから排出もしくは励起される、または別の方式でイオントラップから出現する、イオントラップの質量または質量対電荷比排出窓をスキャニングするように配置および適合される。
【0052】
該イオントラップは、好ましくは2Dもしくは線形イオントラップ、1つの中心リング電極および2つのエンドキャップ電極を含む3Dイオントラップ、またはイオンを第一の方向では擬ポテンシャル井戸に、第二の方向ではDCポテンシャル井戸にそれぞれ閉じ込める複数の電極を含むイオントラップを更に含む。
【0053】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるように配列されたイオン源と、
異なる種のペアレントイオンに異なる空間位置を瞬時にとらせるように配置および適合されたデバイスと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するように配置および適合された質量分析部と、
フラグメントまたはプロダクトイオンの空間位置、およびペアレントイオンの空間位置に基づいて、フラグメントまたはプロダクトイオンを対応するペアレントイオンに相関または帰属させるように配置および適合されたデバイスと、
を含む、質量分析計が提供される。
【0054】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるように配列されたイオン源と、
異なる種のペアレントイオンに異なる空間位置を瞬時にとらせるように配置および適合されたデバイスと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するように配置および適合された質量分析部と、
第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの空間位置、および第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの空間位置に基づいて、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンを対応する第二の異なるフラグメントまたはプロダクトイオンに相関または帰属させるように配置および適合されたデバイスと、
を含む、質量分析計が提供される。
【0055】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるステップと、
異なる種のペアレントイオンに第一の分布を第一のパラメータの関数として想定させて、その後、第一の分布を想定したペアレントイオンに第二の異なる分布を第二のパラメータの関数として想定させ、第二の分布が、好ましくは第一の分布に依存するステップと、
第二の分布を想定したペアレントイオンから得られたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するステップと、
第二のパラメータによるフラグメントまたはプロダクトイオンの分布、および第二のパラメータによるペアレントイオンの分布に基づいて、フラグメントまたはプロダクトイオンを対応するペアレントイオンに相関または帰属させるステップと、
を含む、質量分析方法が提供される。
【0056】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるステップと、
異なる種のペアレントイオンに第一の分布を第一のパラメータの関数として想定させて、その後、第一の分布を想定したペアレントイオンに第二の異なる分布を第二のパラメータの関数として想定させ、第二の分布が、好ましくは第一の分布に依存するステップと、
第二の分布を想定したペアレントイオンから得られたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するステップと、
第二のパラメータによる第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの分布、および第二のパラメータによる第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの分布に基づいて、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンを対応する第二の異なるフラグメントまたはプロダクトイオンに相関または帰属させるステップと、
を含む、質量分析方法が提供される。
【0057】
該方法は、好ましくは第二の分布を想定したペアレントイオンを分解または反応させるステップを更に含む。
【0058】
第一のパラメータおよび/または第二のパラメータは、好ましくは時間、位置またはエネルギーを含む。
【0059】
第一の分布の形状および/または第二の分布の形状は、好ましくはイオン移動度、微分型イオン移動度、質量、質量対電荷比、または別の物理化学的性質に依存する。
【0060】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるように配置および適合されたイオン源と、
異なる種のペアレントイオンに第一の分布を第一のパラメータの関数として想定させて、その後、第一の分布を想定したペアレントイオンに第二の異なる分布を第二のパラメータの関数として想定させるように配置および適合されたデバイスであって、第二の分布が、好ましくは第一の分布に依存するデバイスと、
第二の分布を想定したペアレントイオンから得られたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するように配置および適合された質量分析部と、
第二のパラメータによるフラグメントまたはプロダクトイオンの分布、および第二のパラメータによるペアレントイオンの分布に基づいて、フラグメントまたはプロダクトイオンを対応するペアレントイオンに相関または帰属させるように配置および適合されたデバイスと、
を含む、質量分析計が提供される。
【0061】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるように配置および適合されたイオン源と、
異なる種のペアレントイオンに第一の分布を第一のパラメータの関数として想定させて、その後、第一の分布を想定したペアレントイオンに第二の異なる分布を第二のパラメータの関数として想定させるように配置および適合されたデバイスであって、第二の分布が、好ましくは第一の分布に依存するデバイスと、
第二の分布を想定したペアレントイオンから得られたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するように配置および適合された質量分析部と、
第二のパラメータによる第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの分布、および第二のパラメータによる第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの分布に基づいて、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンを対応する第二のフラグメントまたはプロダクトイオンに相関または帰属させるように配置および適合されたデバイスと、
を含む、質量分析計が提供される。
【0062】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるステップと、
異なる種のペアレントイオンが異なる強度プロファイルを時間の関数として有するように、1種以上のペアレントイオンの強度プロファイルを変動させるステップと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントを質量分析するステップと、
フラグメントイオンの強度プロファイル、およびペアレントイオンの強度プロファイルに基づいて、フラグメントイオンを対応するペアレントイオンに相関させるステップと、
を含む、質量分析方法が提供される。
【0063】
1種以上のペアレントイオンの強度プロファイルを変動させるステップは、好ましくはフラグメントイオンの形成を直接引き起こす。
【0064】
好ましい実施形態によれば、1種以上のペアレントイオンの強度プロファイルを変動させるステップは、フラグメンテーションデバイスに進入するペアレントイオンの衝突エネルギーを変動させることを含む。
【0065】
それ程好ましくはない実施形態ではあるが、1種以上のペアレントイオンの強度プロファイルを変動させるステップは、次のフラグメントイオンの形成とは独立していてもよい。
【0066】
この実施形態によれば、1種以上のペアレントイオンの強度プロファイルが変動したら、ペアレントイオンがフラグメンテーションデバイスに伝送されて、そこでペアレントイオンが分解される。
【0067】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるステップと、
異なる種のペアレントイオンに異なる空間位置を瞬時にとらせるステップと、
空間的に分散されたペアレントイオンをフラグメンテーションに供するステップと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントイオンを質量分析するステップと、
フラグメントイオンの空間位置およびペアレントイオンの空間位置に基づいて、フラグメントイオンを対応するペアレントイオンに相関させるステップと、
を含む、質量分析方法が提供される。
【0068】
異なる種のペアレントイオンに異なる空間位置を瞬時にとらせるステップは、好ましくはイオン移動度または微分型イオン移動度に基づいてイオンを分離することを更に含む。
【0069】
好ましい実施形態によれば、フラグメントイオンは、フィルタリング、ピーク検出、階層的クラスタリング、分割的クラスタリング、K平均クラスタリング、自己相関、確率解析(ベイジアン)解析、または主成分分析(「PCA」)により、フラグメントイオンをペアレントイオンに相関または帰属させる。
【0070】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるステップと、
異なる種のペアレントイオンが異なる強度プロファイルを時間の関数として有するように、1種以上のペアレントイオンの強度プロファイルを変動させるステップと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントを質量分析するステップと、
第一のフラグメントイオンの強度プロファイル、および第二のフラグメントイオンの強度プロファイルに基づいて、第一のフラグメントイオンを第二の異なるフラグメントイオンに相関させるステップと、
を含む、質量分析方法が提供される。
【0071】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるステップと、
異なる種のペアレントイオンに異なる空間位置を瞬時にとらせるステップと、
空間的に分散されたペアレントイオンをフラグメンテーションに供するステップと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントイオンを質量分析するステップと、
第一のフラグメントイオンの空間位置および第二のフラグメントイオンの空間位置に基づいて、第一のフラグメントイオンを対応する第二の異なるフラグメントイオンに相関させるステップと、
を含む、質量分析方法が提供される。
【0072】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるように配列されたイオン源と、
異なる種のペアレントイオンが異なる強度プロファイルを時間の関数として有するように、1種以上のペアレントイオンの強度プロファイルを変動させるように配置および適合されたデバイスと、
ペアレントイオンから得られたイオンを分解するように配置および適合された質量分析部と、
フラグメントイオンの強度プロファイル、およびペアレントイオンの強度プロファイルに基づいて、フラグメントイオンを対応するペアレントイオンに相関させるように配置および適合されたデバイスと、
を含む、質量分析計が提供される。
【0073】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるように配列されたイオン源と、
異なる種のペアレントイオンに異なる空間位置を瞬時にとらせるように配置および適合されたデバイスと、
空間的に分散されたペアレントイオンを分解するように配置および適合されたフラグメンテーションデバイスと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントイオンを質量分析するように配置および適合された質量分析部と、
フラグメントイオンの空間位置、およびペアレントイオンの空間位置に基づいて、フラグメントイオンを対応するペアレントイオンに相関させるように配置および適合されたデバイスと、
を含む、質量分析計が提供される。
【0074】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるように配列されたイオン源と、
異なる種のペアレントイオンが異なる強度プロファイルを時間の関数として有するように、1種以上のペアレントイオンの強度プロファイルを変動させるように配置および適合されたデバイスと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントイオンを質量分析するように配置および適合された質量分析部と、
第一のフラグメントイオンの強度プロファイルおよび第二のフラグメントイオンの強度プロファイルに基づいて、第一のフラグメントイオンを第二の異なるフラグメントイオンに相関させるように配置および適合されたデバイスと、
を含む、質量分析計が提供される。
【0075】
本発明の一態様によれば、
複数の種のペアレントイオンを発生させるように配列されたイオン源と、
異なる種のペアレントイオンに異なる空間位置を瞬時にとらせるように配置および適合されたデバイスと、
空間的に分散されたペアレントイオンを分解するように配置および適合されたフラグメンテーションデバイスと、
ペアレントイオンから得られたフラグメントイオンを質量分析するように配置および適合された質量分析部と、
第一のフラグメントイオンの空間位置および第二のフラグメントイオンの空間位置に基づいて、第一のフラグメントイオンを対応する第二の異なるフラグメントイオンに相関させるように配置および適合されたデバイスと、
を含む、質量分析計が提供される。
【0076】
好ましい実施形態により、デューティサイクルと複雑な混合物への特異性との関連性が改善される。
【0077】
本発明の一態様によれば、プリカーサーイオンビームをエンコードし、測定して特徴づけるための装置および方法を提供する。エンコードするデバイスは、好ましくは測定デバイスとは別であり、プロダクトイオンに関連のプリカーサーのエンコードを持続させ、関連のプリカーサーを測定および/または特徴づけて、それに帰属させる。
【0078】
本願において、用語「エンコード」は、ペアレントイオンまたはプリカーサーイオンの強度のモジュレーションを包含するものと理解されなければならない。時間または空間(またはその両方)においてモジュレーションを行って、時間または空間に依存したプリカーサーイオン強度を与えることができる。エンコードの工程は、非決定論的または擬似ランダム効果、例えば空間的荷電または飽和により得られるものを含んでいても、または含んでいなくてもよい。エンコード工程は、好ましくは異なるエンコードプロファイル、即ち異なる強度プロファイルを有する異なるプリカーサーイオンを与える。特定のプリカーサーイオンのエンコードは、飛行時間型質量分析計などの第二のデバイスを介したプリカーサーイオンの測定により決定されてもよい。
【0079】
好ましい実施形態によれば、エンコードは、Clemmerら(Anal. Chem. 2000, 72, 2737−2740)によって記載されたように、分散型エンコードとは逆に非分散型であってもよい。
【0080】
好ましい実施形態による非分散型エンコードにおいて、エンコードデバイスは、フィルターとして働き、全体的なプリカーサーイオン集団をエンコードするために特定のパラメータの変動またはスキャニングを必要とする。
【0081】
それ程好ましくない実施形態ではあるが、ペアレントイオンは、従来のイオン移動度分離装置などの分散型エンコードに供されてもよい。この実施形態によれば、エンコードは、パラメータの変動またはスキャニングを必要としない。分散型のデバイスを用いれば、プリカーサーイオンビームは、静的条件下でデバイス内で自然に分離する。
【0082】
自然に分散性のエンコードデバイスが、同じく特定のパラメータのスキャニングまたは変動により付加的な利益も受けることができ、そのような実施形態も、本発明の意図する範囲内に含まれることが認識されよう。
【0083】
好ましい実施形態は、プリカーサーイオンビームが時間的または空間的に変動するプロファイルを有するように、プリカーサーイオンビームをエンコードすること(例えば、該イオンビームの強度を時間により変動させること、または該イオンビームを空間的に分離させること)に関する。
【0084】
一実施形態によれば、エンコードは、未知または擬似ランダム成分を含んでいてもよい。
【0085】
エンコードの形態は、プリカーサーイオンスペクトルのインタロゲーションにより決定されてもよい。
【0086】
エンコードの後またはその間に、プロダクトイオンまたは関連のイオンが、好ましくは形成および測定される。好ましい実施形態の特色は、プロダクトイオンまたは関連のイオンが好ましくは対応するプリカーサーイオンのエンコードを保持することである。結果としてプロダクトイオンまたは関連のイオンが、エンコードの類似性によってプリカーサーイオンに帰属または相関させることができる。
【0087】
好ましい実施形態による手法は、バイアスがかからず、高デューティサイクルを有し、データ指向分析またはデータを標的とする手法を超える改善を付与する。
【0088】
好ましい実施形態による手法は、エンコード工程が好ましくはクロマトグラフィーによるエンコードに関係せず、それにより高度に効果的なピークキャパシティを導くため、ショットガン、ハイ/ロー切替えまたはMS
E型手法を超える改善も示す。
【0089】
好ましい実施形態は、プリカーサーイオンビームをエンコードすることを含む。そのエンコードは、機器または質量分析計の特徴または成分をスキャニングまたは変動させて、エンコード工程の途中で複数のマススペクトルを獲得することによりその変動の効果をプロファイリングし、それによりネストされたデータセットを生成することにより実現されてもよい。各プリカーサーイオンのエンコードは、ネストされたデータセットのインタロゲーションにより決定されてもよい。
【0090】
プロダクトイオンは、好ましくはエンコード工程の後、またはエンコード工程の直接の結果として形成される。複数のプロダクトイオンマススペクトルは、プリカーサーエンコード工程の途中で獲得されて、ネストされたデータセットとして記録されてもよい。この手法を介して形成および獲得されたプロダクトイオンは、好ましくは関連のプリカーサーのエンコードを保持して帰属を容易にする。
【0091】
プロダクトイオンのプリカーサーイオンへの帰属および/または関連のプロダクトイオンの群の同定は、非限定的に、フィルタリング、ピーク検出、階層的クラスタリング、分割的クラスタリング、K平均クラスタリング、自己相関、確率解析(ベイジアン)解析、および主成分分析(「PCA」)などの技術を用いて実施されてもよい。
【0092】
好ましい実施形態によるエンコード工程は、好ましくは本質的に急速であり、またはネスティングの目的で急速にすることが求められてもよい。それゆえプリカーサーエンコードを維持するために、全体的システムが、軸方向の電場(axial fields)の使用を必須とする高圧領域、進行波デバイス、または気体充填デバイスを通してイオンを推進する働きのある他の類似デバイスの比較的短い通過時間を利用してもよい。
【0093】
好ましい実施形態は、既存の装置、具体的には四重極飛行時間型(「Q−TOF」)質量分析計および類似の機器への改善に関する。
【0094】
衝突セルがONとOFFに繰返し切替えられる従来のショットガン動作モードが、本発明の範囲に含まれないことは、当業者に理解されよう。そのような動作モードにおいて、2種の異なるペアレントイオンは、時間の関数として本質的に同じ強度プロファイル、即ち100%、その後0%の強度プロファイルを有する。好ましい実施形態の重要な態様が、従来の手法に反して2種の異なるペアレントイオンが時間関数として実質的に異なる強度プロファイルを有することであることは、当業者に理解されよう。
【0095】
実施形態によれば、質量分析計は、:
(a)(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源;(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源;(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源;(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源;(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源;(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源;(vii)シリコン上の脱離イオン化(「DIOS」)イオン源;(viii)電子衝撃(「EI」)イオン源;(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源;(x)電場イオン化(「FI」)イオン源;(xi)電場脱離(「FD」)イオン源;(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源;(xiii)高速原子衝撃法(「FAB」)イオン源;(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源;(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源;(xvi)ニッケル63放射線イオン源;(xvii)大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオン源;(xviii)サーモスプレーイオン源;(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(「ASGDI」)イオン源;および(xx)グロー放電(「GD」)イオン源、からなる群より選択されるイオン源;ならびに/あるいは
(b)1つ以上の連続もしくはパルスイオン源;ならびに/あるいは
(c)1つ以上のイオンガイド;ならびに/あるいは
(d)1つ以上のイオン移動度分離デバイスおよび/もしくは1つ以上の非対称電場イオン移動度分光デバイス;ならびに/あるいは
(e)1つ以上のイオントラップもしくは1つ以上のイオントラッピング領域;ならびに/あるいは
(f)(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス;(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス;(iii)電子移動解離(「ETD」)フラグメンテーションデバイス;(iv)電子捕捉解離(「ECD」)フラグメンテーションデバイス;(v)電子衝突もしくは衝撃解離フラグメンテーションデバイス;(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス;(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス;(viii)赤外線誘起解離デバイス;(ix)紫外線誘起解離デバイス;(x)ノズル−スキマーインターフェースフラグメンテーションデバイス;(xi)インソースフラグメンテーションデバイス;(xii)インソース衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス;(xiii)熱もしくは温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電場誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化もしくは酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−メタステーブルイオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−メタステーブル分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−メタステーブル原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させてアダクトもしくはプロダクトイオンを形成するためのイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させてアダクトもしくはプロダクトイオンを形成するためのイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させてアダクトもしくはプロダクトイオンを形成するためのイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させてアダクトもしくはプロダクトイオンを形成するためのイオン−メタステーブルイオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させてアダクトもしくはプロダクトイオンを形成するためのイオン−メタステーブル分子反応デバイス、(xxviii)イオンを反応させてアダクトもしくはプロダクトイオンを形成するためのイオン−メタステーブル原子反応デバイス、および(xxix)電子イオン化解離(「EID」)フラグメンテーションデバイス、からなる群より選択される1つ以上の衝突、フラグメンテーションもしくは反応セルと、/または
(g)(i)四重極質量分析部、(ii)2Dもしくは線形四重極質量分析部、(iii)ポールもしくは3D四重極質量分析部、(iv)ペニングトラップ質量分析部、(v)イオントラップ質量分析部、(vi)磁場セクタ質量分析部、(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析部、(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析部、(ix)静電もしくはオービトラップ質量分析部、(x)フーリエ変換静電もしくはオービトラップ質量分析部、(xi)フーリエ変換質量分析部、(xii)飛行時間型質量分析部、(xiii)直交加速飛行時間型質量分析部、および(xiv)直線加速飛行時間型質量分析部、からなる群より選択される質量分析部;ならびに/あるいは
(h)1つ以上のエネルギー分析部もしくは静電エネルギー分析部;ならびに/あるいは
(i)1つ以上のイオン検出器;ならびに/あるいは
(j)(i)四重極質量分析部、(ii)2Dもしくは線形四重極イオントラップ、(iii)ポールもしくは3D四重極イオントラップ、(iv)ペニングイオントラップ、(v)イオントラップ、(vi)磁場セクタマスフィルター、(vii)飛行時間型マスフィルター、および(viii)ウィーンフィルター、からなる群より選択される1つ以上のマスフィルター;ならびに/あるいは
(k)イオンをパルシングするためのデバイスもしくはイオンゲート;ならびに/あるいは
(l)実質的に連続のイオンビームをパルスイオンビームに変換するためのデバイス、
を更に含んでいてもよい。
【0096】
該質量分析計は、
(i)第一の動作モードにおいて、イオンがC−トラップへ伝送され、その後、オービトラップ(RTM)質量分析部中へ注入され、第二の動作モードにおいて、イオンがC−トラップへ伝送され、その後、衝突セルまたは電子移動解離デバイスへ伝送され、少なくとも幾つかのイオンがフラグメントイオンへ分解され、その後、フラグメントイオンがC−トラップへ伝送された後、オービトラップ(RTM)質量分析部中へ注入される、外部のバレル様電極および同軸上の内部スピンドル様電極を含むC−トラップおよびオービトラップ(RTM)質量分析部;ならびに/あるいは
(ii)使用時にイオンが伝送される開口を有する各電極を複数含む積層リングイオンガイドであって、電極の間隔がイオン経路の長さに沿って増大し、イオンガイドの上流部分における電極中の開口が第一の直径を有し、イオンガイドの下流部分における電極中の開口が第一の直径よりも小さな第二の直径を有し、AC電圧またはRF電圧の互いに反対の位相が使用時に連続した電極に印加される、積層リングイオンガイド、
のいずれかを更に含んでいてもよい。
【0097】
一実施形態によれば、マスフィルター、質量分析部またはイオントラップは、ACまたはRF電圧を電極に供給するように配置および適合されたデバイスを更に含む。ACまたはRF電圧は、好ましくは(i)<50Vピーク・トゥ・ピーク、(ii)50〜100Vピーク・トゥ・ピーク、(iii)100〜150Vピーク・トゥ・ピーク、(iv)150〜200Vピーク・トゥ・ピーク、(v)200〜250Vピーク・トゥ・ピーク、(vi)250〜300Vピーク・トゥ・ピーク、(vii)300〜350Vピーク・トゥ・ピーク、(viii)350〜400Vピーク・トゥ・ピーク、(ix)400〜450Vピーク・トゥ・ピーク、(x)450〜500Vピーク・トゥ・ピーク、および(xi)>500Vピーク・トゥ・ピーク、からなる群より選択される振幅を有する。
【0098】
ACまたはRF電圧は、好ましくは、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHz、からなる群より選択される周波数を有する。
【0099】
本発明の様々な実施形態を、ここに添付の図面を参照しながら記載するが、これらは例示として記載されるに過ぎない。