(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グリコール類が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール及びジエチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のタイヤパンクシール剤。
更に合成樹脂エマルジョンを含有し、前記合成樹脂エマルジョンの固形分の含有量2に対する前記ゴムラテックスの固形分の含有量1の質量比が、90/10〜30/70である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
前記合成樹脂エマルジョンが、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項5に記載のタイヤパンクシール剤。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを表す。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその成分に該当する物質をそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本明細書において、シール性能、保管性能及び注入性能のうちの少なくとも1つがより優れることを「本発明の効果により優れる」ということがある。
【0010】
本発明において、ゴムラテックスは、分散質としてのゴムと分散媒とを含み、ゴムは分散媒中に分散している。合成樹脂エマルジョンは、分散質としての合成樹脂と分散媒とを含み、合成樹脂は分散媒中に分散している。なお本発明においてエマルジョンはサスペンション(液相である分散媒に固相である分散質が分散した系)及び液相である分散媒に液相である分散質が分散した系を含む概念とする。
【0011】
ゴムラテックス又は合成樹脂エマルジョンに含有される分散媒は特に制限されない。例えば、水;水と水に可溶な有機溶媒との混合物が挙げられる。
【0012】
本発明において、ゴムラテックスの固形分はゴムを意味する。ゴムラテックスの固形分の含有量はゴムラテックスに含有されるゴムの含有量、又は、ゴムラテックスの分散媒以外の成分の合計含有量を意味する。ゴムラテックスにおいて、ゴムラテックスに含有されるゴムの含有量と、ゴムラテックスの分散媒以外の成分の合計含有量とはほぼ同じである。
本発明において、合成樹脂エマルジョンの固形分は合成樹脂を意味する。合成樹脂エマルジョンの固形分の含有量は合成樹脂エマルジョンに含有される合成樹脂の含有量、又は、合成樹脂エマルジョンの分散媒以外の成分の合計含有量を意味する。合成樹脂エマルジョンにおいて、合成樹脂エマルジョンに含有される合成樹脂の含有量と合成樹脂エマルジョンの分散媒以外の成分の合計含有量とはほぼ同じである。
【0013】
[タイヤパンクシール剤]
本発明のタイヤパンクシール剤は、
ゴムラテックス、並びに、凍結防止剤を含有し、
凍結防止剤が、グリコール類及びグリコールエーテル類からなる群から選ばれる少なくとも1種のグリコール系化合物とグリセリンとを含み、
グリセリンの含有量が、凍結防止剤の全量の2〜50質量%である、タイヤパンクシール剤である。
【0014】
本発明のタイヤパンクシール剤はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
上述のとおり、通常タイヤパンクシール剤はコンプレッサ等を用いてタイヤのバルブからタイヤ内部に注入されるが、注入の際、タイヤパンクシール剤において、プロピレングリコールなどの凍結防止剤が分散質としてのゴム(例えば天然ゴム)の表面付近に近づいて、ゴムの分散を不安定にし、ゴムを凝集させ、これによってタイヤパンクシール剤のタイヤへの注入性能が悪くなると本発明者は推測した。
【0015】
これに対して、本発明のタイヤパンクシール剤をタイヤのバルブからタイヤ内部に注入する際、タイヤパンクシール剤において、グリセリンが、プロピレングリコールなどのグリコール系化合物を、分散質としてのゴムの表面から引き離し、ゴムの分散性を安定させることができ、これによって本発明のタイヤパンクシール剤はタイヤへの注入性能が優れると本発明者は推察する。これは、グリセリンが、プロピレングリコールなどのグリコール系化合物よりも水に対する親和性が高いためと考えられる。
【0016】
また、本発明者は、凍結防止剤として所定のグリコール系化合物とグリセリンとを併用し、グリセリンの含有量が特定の範囲であることによって、注入性能に優れるだけでなく、シール性能、保管性能及び注入性能を高いレベルでバランスさせることができることを見出した。
以下、本発明のタイヤパンクシール剤に含有される各成分について詳述する。
【0017】
<<ゴムラテックス>>
本発明のタイヤパンクシール剤に含有されるゴムラテックスは特に限定されず、従来公知のゴムラテックスを用いることができる。
ゴムラテックスの具体例としては、天然ゴムラテックス、クロロプレンラテックス、スチレンブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、スチレンブタジエンアクリルゴムラテックスなどが挙げられる。なかでも、シール性能により優れるという観点から、天然ゴムラテックスが好ましい。
【0018】
天然ゴムラテックスは、特に限定されない。天然ゴムラテックスとして、例えば、タンパク質が除去されていない天然ゴムラテックス、脱タンパクされた天然ゴムラテックスが挙げられる。
ゴムラテックスはその製造方法について特に制限されない。
【0019】
<<凍結防止剤>>
本発明のタイヤパンクシール剤に含有される凍結防止剤は、グリコール類及びグリコールエーテル類からなる群から選ばれる少なくとも1種のグリコール系化合物とグリセリンとを含む。
【0020】
<グリコール系化合物>
本発明において、グリコール系化合物は、グリコール類及びグリコールエーテル類からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
凍結防止剤として、グリコール類とグリセリンとを組合せる場合、注入性能により優れる。
【0021】
(グリコール類)
グリコール類は、脂肪族炭化水素基と2個のヒドロキシ基とを有し、上記ヒドロキシ基が上記脂肪族炭化水素基に結合し、上記脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部が酸素原子に置換してもよい化合物である。
脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状またはこれらの組合せであってもよい。
脂肪族炭化水素基は飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
脂肪族炭化水素基の炭素原子の一部が酸素原子に置換した場合、上記酸素原子はエーテル結合を形成することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0022】
グリコール類としては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
HO−R
21−OH (2)
式(2)中、R
21は、脂肪族炭化水素基を表し、上記脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部が酸素原子に置換してもよい。脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部が酸素原子に置換してもよいことについては上記と同様である。
【0023】
上記R
21としては、例えば、下記式(3)で表される基が挙げられる。
*−R
31−(O−R
32)
m31−* (3)
式(3)中、R
31、R
32はそれぞれ独立に脂肪族炭化水素基を表し、m31は0又は1以上の整数であり、*はヒドロキシ基との結合位置である。
R
31、R
32としての脂肪族炭化水素基は炭素原子及び水素原子のみで構成されることが好ましい。R
31、R
32としての脂肪族炭化水素基の炭素数は1以上が好ましく、2〜3がより好ましい。R
31、R
32としての脂肪族炭化水素基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基が挙げられる。R
31、R
32は同じでも異なってもよい。
m31は0又は1が好ましい。
【0024】
グリコール類としては、例えば、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコールが挙げられる。アルキレングリコール又はポリアルキレングリコールにおけるアルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状またはこれらの組合せであってもよく、直鎖状又は分岐状であることが好ましい態様として挙げられる。
【0025】
グリコール類としては、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオールのようなアルキレングリコール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコールが挙げられる。
【0026】
グリコール類は、本発明の効果により優れるという観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール及びジエチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
グリコール類とグリセリンとの組合せは、シール性能、保管性能により優れるという観点から、プロピレングリコールとグリセリンとの組合せが好ましい。
なお、本発明において、上記グリコール類は後述するグリコールエーテル類を含まない。
【0027】
(グリコールエーテル類)
グリコールエーテル類は、上記のグリコール類が有する2個のヒドロキシ基のうちの1個又は両方が−ORに置換された化合物である。
【0028】
上記−OR中のRは、炭化水素基であればよい。炭化水素基としては例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はこれらの組合せが挙げられる。なかでも脂肪族炭化水素基が好ましい。脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状またはこれらの組合せであってもよい。脂肪族炭化水素基は飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0029】
グリコールエーテル類としては、例えば、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
X
41O−R
41−OX
42 (4)
式(2)中、R
41は、脂肪族炭化水素基を表し、上記脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部が酸素原子に置換してもよい。脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部が酸素原子に置換してもよいことについては上記と同様である。
X
41、X
42はそれぞれ独立に水素原子又は上記−OR中のRを表す。ただし、X
41及びX
42が同時に水素原子である場合を除く。上記Rは上記と同義である。X
41及びX
42のうちの一方が水素原子であり、残りがRであることが好ましい。X
41及びX
42がRである場合、2つのRは同じでも異なってもよい。
【0030】
上記R
41としては、例えば、下記式(5)で表される基が挙げられる。
*−R
51−(O−R
52)
m51−* (5)
式(5)中、R
51、R
52はそれぞれ独立に脂肪族炭化水素基を表し、m51は0又は1以上の整数であり、*は結合位置である。
R
51、R
52としての脂肪族炭化水素基は炭素原子及び水素原子のみで構成されることが好ましい。R
51、R
52としての脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜5が好ましく、2〜3がより好ましい。R
51、R
52としての脂肪族炭化水素基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基が挙げられる。R
51、R
52は同じでも異なってもよい。
m51は0又は1〜2が好ましく、1又は2がより好ましい。
【0031】
グリコールエーテル類としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
【化2】
式(1)中、R
11は水素原子またはアルキル基を表し、R
12はアルキル基を表し、pは1以上の整数を表す。
【0032】
R
11、R
12としてのアルキル基は特に限定されない。アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。
R
11、R
12としてのアルキル基の炭素数は1以上6以下が好ましく、1以上5以下がより好ましい。
R
11、R
12としてのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
R
11及びR
12がアルキル基である場合、R
11、R
12は同じでも異なってもよい。
【0033】
式(1)中、R
11は、水素原子またはアルキル基を表す。なかでも水素原子であることが好ましい。
【0034】
式(1)中、R
12はアルキル基を表す。アルキル基は上記と同義である。
【0035】
式(1)中、pは、1以上の整数を表す。なかでも、2以上が好ましく、2以上3以下がより好ましい。
【0036】
グリコールエーテル類としては、例えば、アルキレングリコールモノエーテル、アルキレングリコールジエーテル、ポリアルキレングリコールモノエーテル、ポリアルキレングリコールジエーテルが挙げられる。
【0037】
グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−プロパンジオールモノメチルエーテルのような、アルキレングリコールのモノアルキルエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、1,3−プロパンジオールジメチルエーテルのような、アルキレングリコールのジアルキルエーテル;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルのような、ポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルのような、ポリアルキレングリコールのジアルキルエーテルが挙げられる。
【0038】
なお、本発明において、グリコール系化合物は界面活性剤を含まないことが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0039】
(グリコール系化合物の含有量)
グリコール系化合物の含有量は、本発明の効果(特にシール性能)により優れるという観点から、凍結防止剤の全量の50〜98質量%であることが好ましく、60〜95質量%がより好ましい。
【0040】
<グリセリン>
本発明のタイヤパンクシール剤は、凍結防止剤としてグリセリンを含む。
本発明において、グリセリンの含有量は、凍結防止剤の全量の2〜50質量%である。上記含有量が2質量%以上である場合、シール性能、保管性能及び注入性能のバランスに優れる。上記含有量が50質量%以下である場合、注入性能に優れる。これは、タイヤパンクシール剤の粘度を適正な範囲とすることができるためであると推察される。
上記含有量は、本発明の効果により優れ、シール性能、保管性能及び注入性能のバランスに優れるという観点から、凍結防止剤の全量の5〜40質量%が好ましい。
【0041】
(合成樹脂エマルジョン)
本発明のタイヤパンクシール剤は、シール性能、保管性能により優れるという観点から、更に合成樹脂エマルジョンを含有することが好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤に含有される合成樹脂エマルジョンは特に制限されない。
合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル系重合体エマルジョンが挙げられる。
酢酸ビニル系重合体エマルジョンは、上記エマルジョンに含有される酢酸ビニル系重合体が酢酸ビニルによる繰り返し単位を有するポリマーであれは特に制限されない。
【0042】
(酢酸ビニル系重合体エマルジョン)
酢酸ビニル系重合体エマルジョンに含有される酢酸ビニル系重合体は酢酸ビニルの単独重合体又は共重合体のいずれであってもよい。
【0043】
酢酸ビニル系重合体が共重合体である場合、酢酸ビニル以外の単量体は、エチレン性不飽和結合を有する化合物であれば特に制限されない。例えば、エチレンのようなオレフィン;ベオバ(バーサチック酸とビニルアルコールとのエステル。バーサチック酸ビニルとも称する。);(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸のような(メタ)アクリル系モノマー;スチレンのような芳香族ビニル化合物が挙げられる。
【0044】
酢酸ビニル系重合体エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル単独重合体エマルジョン、酢酸ビニル系共重合体エマルジョンが挙げられる。
酢酸ビニル系共重合体エマルジョンとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル−(メタ)アクリル系モノマー共重合体エマルジョンのようなエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンが挙げられる。
【0045】
合成樹脂エマルジョンは、本発明の効果(特に保管性能とシール性能)により優れるという観点から、酢酸ビニル系重合体エマルジョンが好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体エマルジョンからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。また、シール性能により優れるという観点から、エチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体エマルジョンが好ましい。
合成樹脂エマルジョンはその製造方法について特に制限されない。合成樹脂エマルジョンは市販品を使用することができる。
【0046】
(ゴムラテックスの固形分の含有量1:本発明のタイヤパンクシール剤が合成樹脂エマルジョンを含有しない場合)
ゴムラテックスの固形分の含有量1(本発明のタイヤパンクシール剤が合成樹脂エマルジョンを含有しない場合)は、本発明の効果(特にシール性能)により優れるという観点から、タイヤパンクシール剤全量の30〜60質量%であることが好ましく、35〜45質量%がより好ましい。
【0047】
(ゴムラテックスの固形分の含有量1及び合成樹脂エマルジョンの固形分の含有量2の合計量:本発明のタイヤパンクシール剤が更に合成樹脂エマルジョンを含有する場合)
ゴムラテックスの固形分の含有量1及び合成樹脂エマルジョンの固形分の含有量2の合計量は、本発明の効果により優れるという観点から、タイヤパンクシール剤全量の30〜60質量%であることが好ましく、35〜45質量%がより好ましい。
【0048】
(本発明のタイヤパンクシール剤が更に合成樹脂エマルジョンを含有する場合の、合成樹脂エマルジョンの固形分の含有量2に対するゴムラテックスの固形分の含有量1の質量比)
合成樹脂エマルジョンの固形分の含有量2に対するゴムラテックスの固形分の含有量1の質量比(ゴムラテックスの固形分の含有量1/合成樹脂エマルジョンの固形分の含有量2)が、本発明の効果により優れ、低温において低粘度でありながら優れたシール性能との両立を図ることができるという観点から、90/10〜30/70であることが好ましく、80/20〜40/60がより好ましい。
【0049】
(タイヤパンクシール剤に含有される水の量)
本発明のタイヤパンクシール剤における水の含有量(水の総量)は、本発明の効果(特にシール性能)により優れるという観点から、タイヤパンクシール剤全量の20〜50質量%であることが好ましく、23〜38質量%がより好ましい。
【0050】
(その他の成分)
本発明のタイヤパンクシール剤は、上述した各成分以外に、所望により、上記グリコール系化合物及びグリセリン以外の凍結防止剤(以下これを「グリコール系化合物等以外の凍結防止剤」とも称する。)、界面活性剤、ゲル化剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、分散剤、脱水剤、帯電防止剤のような添加剤を更に含有することができる。
【0051】
・界面活性剤
本発明のタイヤパンクシール剤が更に含有することができる界面活性剤は特に制限されない。例えば、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両イオン系の界面活性剤が挙げられる。
【0052】
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、ポリオキシエチレンアルキルアミド型、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンひまし油型、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエスエル型、ポリオキシエチレンロジンエステル型、ポリオキシエチレンラノリンエーテル型、ポリオキシエチレン多価アルコールエーテル型、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型、多価アルコール脂肪酸エステル型、脂肪酸アルカノールアマイド型等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤のHLBは12.0〜19.0であることが好ましい。
【0053】
HLBは有機概念図に基づく小田式による計算値を意味し、この計算方法は、例えば「乳化・可溶化の技術」〔昭和51年、工学図書(株)〕に記載されている。またHLBを導き出すための有機性値及び無機性値については「有機概念図−基礎と応用−」〔昭和59年三共出版(株)〕記載の無機性基表(昭和49年、藤田らの報告値)を用いて算出できる。
【0054】
アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、アルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩(石けん)、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、(モノ)アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシモノおよびジスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩が挙げられる。
【0055】
カチオン系界面活性剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウムクロライド、トリアルキルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルアミン、モノオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンが挙げられる。
【0056】
界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。
【0057】
ノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤とを併用する場合、ノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤の質量比(ノニオン系界面活性剤/アニオン系界面活性剤)は、本発明の効果(特に保管性能、所謂高温でのバルブ注入性)により優れ、ゴムラテックスの安定化に優れるという観点から、1.0/1.0〜1.0/10.0であることが好ましい。
【0058】
界面活性剤の量(界面活性剤を併用する場合はその合計量)は、本発明の効果(特に保管性能)により優れるという観点から、ゴムラテックスの固形分の100質量部に対して、3〜20質量部であることが好ましい。
【0059】
・グリコール系化合物等以外の凍結防止剤
グリコール系化合物等以外の凍結防止剤としては例えば、メタノール、エタノールのような、ヒドロキシ基を1個有するアルコール;グリセリン以外の3価以上のアルコールが挙げられる。
本発明において、グリコール系化合物等以外の凍結防止剤の含有量は、凍結防止剤全量中の0質量%であることが好ましい。
本発明において、凍結防止剤は、上記グリコール系化合物及びグリセリンのみであることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0060】
(製造方法)
本発明のタイヤパンクシール剤はその製造方法について、特に限定されない。例えば、ゴムラテックスと、所定の凍結防止剤と、必要に応じて使用することができる、合成樹脂エマルジョン又は添加剤とを、混合ミキサー等の混合機を用いて十分に混合する方法が挙げられる。
必要に応じて系内に更に水を加えてもよい。
【0061】
(粘度)
本発明のタイヤパンクシール剤の−30℃における粘度は、低温での注入性能に優れるという観点から、1500mPa・s以下が好ましい。
【0062】
本発明のタイヤパンクシール剤を使用する際の温度については特に制限されず、例えば−45℃〜+70℃とすることができる。
【0063】
[タイヤパンク修理キット]
本発明のタイヤパンク修理キットは、本発明のタイヤパンクシール剤とコンプレッサとを有するタイヤパンク修理キットである。
【0064】
本発明のタイヤパンク修理キットに使用されるタイヤパンクシール剤は、本発明のタイヤパンクシール剤であれば特に制限されない。タイヤパンクシール剤は容器の中に収納されていればよい。容器は耐圧性であることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明のタイヤパンク修理キットに使用されるコンプレッサは特に制限されない。例えば、エアコンプレッサが挙げられる。コンプレッサは圧力ゲージ(例えば空気圧計)を有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
タイヤパンク修理キットは更に2本のホースを有することが好ましい態様として挙げられる。
【0065】
(タイヤパンク修理キットの使用方法)
本発明のタイヤパンク修理キットの使用方法を添付の図面を用いて以下に説明する。本発明のタイヤパンク修理キット及びその使用方法は添付の図面に制限されない。
【0066】
図1は、本発明のタイヤパンク修理キットの使用方法の一例を模式的に表す概略図である。
図1において、タイヤパンク修理キット20は、容器4とコンプレッサ1とを有し、容器4の中にはタイヤパンクシール剤6が入っている。
容器4はコンプレッサ1から送られる空気が容器4に入るための開口部5、開口部5に接続するノズル3、及び、吐出部7を有する。容器4は耐圧性である。
コンプレッサ1は電気ケーブル13及びプラグ14を有する。プラグ14は、車内のアクセサリーソケットに接続される。また、コンプレッサ1は圧力ゲージを有する。
タイヤパンク修理キット20はホース2、8を有する。
【0067】
タイヤがパンクした際には、まず、コンプレッサ1にホース2の一端をつなぎ、開口部5にホース2の他端をつないで、容器4とコンプレッサ1とを連結する。
また、吐出部7とホース8の一端をつなぎ、タイヤ9が有するバルブ10にホース8の他端をつないで、容器4とタイヤ9とを連結する。
【0068】
次に、コンプレッサ1のスイッチをONにして、コンプレッサ1を駆動させ、コンプレッサ1から空気を送る。コンプレッサ1から送られる空気は、ホース2、開口部5及びノズル3を通過して、容器4の内部に送り込まれる。送り込まれた空気により容器4の内圧が徐々に高まり、容器4の内圧がある程度の高さになると、容器4内に導入された空気がタイヤパンクシール剤6を押出す。
本発明において、タイヤパンクシール剤が容器から押し出され始めることを「タイヤパンクシール剤の注入開始」と称する。
【0069】
押し出されたタイヤパンクシール剤は吐出部7を経てホース8を通過し、バルブ10を経てタイヤ9の内部に注入される。
本発明において、タイヤパンクシール剤が全てタイヤの内部に注入されたことを「タイヤパンクシール剤の注入終了」と称する。タイヤパンクシール剤が全てタイヤの内部に注入されると、いったん圧力ゲージが示す圧力が低くなる。
このようにして、容器の内部の全てのタイヤパンクシール剤をタイヤの内部に流入させることができる。
【0070】
その後も、コンプレッサ1を駆動させ続けて、コンプレッサ1から空気をタイヤ9へ送り、タイヤ9を膨張させる。
空気がタイヤ9を十分に膨張させ、圧力ゲージの値(タイヤの内圧)が所定の値(例えば250kPa)以上となった後、コンプレッサ1のスイッチをOFFにして、コンプレッサ1を停止する。本発明において、タイヤパンクシール剤の注入が終了し、タイヤの内圧が所定の値を超え、コンプレッサを停止した後、圧力ゲージが示す圧力を「コンプレッサ停止後圧力」と称する。
【0071】
コンプレッサ停止後、ホース8をバルブ10から外し(可能であればバルブ10にキャップをして)、直ちに車を走行させる。走行は例えば時速80km以下で行えばよい。上記走行によって、タイヤ9の内部のタイヤパンクシール剤がパンク孔をシールすることができる。
【0072】
上記走行後、タイヤの内圧が不十分である場合、コンプレッサを再度タイヤに接続して駆動させて必要とされるタイヤ圧力になるまで空気をタイヤに充填させればよい。
【0073】
なお
図1において開口部5及び吐出部7は容器4の下側にあるが、本発明において、開口部及び吐出部が容器の上側となるように容器を置いてもよい。この場合、容器の内部において、吐出部にノズルを接続すればよい。吐出部に接続するノズルは、タイヤパンクシール剤をタイヤへ無駄なく注入できるという観点から、その長さが容器の高さより若干短く、ノズルの先端が容器の内部底面付近に位置することが好ましい。
【0074】
本発明のタイヤパンクシール剤又は本発明のタイヤパンク修理キットは、種々の空気入りタイヤのパンク修理に適用することができる。例えば、自動車用タイヤ、二輪車用タイヤ、一輪車用タイヤ、車いす用タイヤ、農地作業や庭園作業に使用する車両用タイヤ等が挙げられる。
【実施例】
【0075】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<タイヤパンクシール剤の製造>
下記第1表の各成分を同表に示す組成(質量部)で用いて、これらを撹拌機で混合し、タイヤパンクシール剤を製造した。
なお、第1表において、NRラテックス欄の上段の数字はNRラテックスの量であり、NRラテックス欄の下段のかっこ内の数字はNRラテックスの固形分の含有量である。合成樹脂エマルジョン1についても同様である。
【0076】
<評価>
上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤を用いて以下の評価を行った。結果を第1表に示す。
【0077】
(シール性能の評価:パンク修理距離)
・シール性能の評価方法
215/60 R16のタイヤのトレッドのショルダー溝部にパンク孔(直径4mm)を空けた。
次いで、パンク孔を空けたタイヤをドラム試験機に装着し、上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤350mLをタイヤのバルブから注入し、タイヤ内圧が200kPaになるように空気を充填した。
その後、荷重350kg、時速30kmの条件下で上記タイヤを走行させて停止する間欠運転を繰り返し、パンク孔がシールされて空気漏れがなくなるまでの走行距離(パンク修理距離)を測定した。空気漏れの有無は、上記パンク孔の部分に石鹸水を吹き付け、石鹸水が泡になるか否かで確認した。
【0078】
・シール性能の評価基準
上記パンク修理距離が5km以内の場合、シール性能に非常に優れると評価し、これを「A」と表示した。
パンク修理距離が5kmを超え10km以内の場合、シール性能に優れると評価し、これを「B」と表示した。
パンク修理距離が10kmを超える場合、シール性能が悪いと評価し、これを「C」と表示した。
【0079】
(保管性能)
・保管性能の評価方法
上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤350mLを容器に入れた。
上記の容器に対して、振幅±1.5mmの振動負荷を、80±2℃の条件下で168時間与える高温振動試験を行った。
上記試験の前後で容器内のタイヤパンクシール剤の状態を目視で観察した。また、上記試験後のタイヤパンクシール剤に目視で凝集物が確認されなかった場合、試験後のタイヤパンクシール剤を100メッシュのフィルター(ナイロン)で濾過し、濾物の重さを測定し、タイヤパンクシール剤全量に対する濾物の量(質量%)を算出した。
【0080】
・保管性能の評価基準
高温振動試験前後で目視でタイヤパンクシール剤に凝集物がなく、上記濾物の量がタイヤパンクシール剤全量の0.2質量%以下であった場合、保管性能に非常に優れると評価し、これを「A」と表示した。
高温振動試験前後で目視でタイヤパンクシール剤に凝集物がなく、上記濾物の量がタイヤパンクシール剤全量の0.2質量%を超えた場合、保管性能に優れると評価し、これを「B」と表示した。
高温振動試験前には目視でタイヤパンクシール剤に凝集物がなく、高温振動試験後のタイヤパンクシール剤に目視で凝集物が観察された場合、保管性能が悪いと評価し、これを「C」と表示した。
【0081】
(注入性能1:注入のしやすさ)
・注入性能1の評価方法
上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤350mLを容器に入れ、上記容器を70℃に加温した。
次に、コンプレッサとしてエアコンプレッサを使用し、タイヤとしてタイヤ(215/60 R16のタイヤのショルダー溝部にパンク孔(直径4mm)を空けたもの)を使用し、
図1に示すように、上記容器を下向きにして、ホースを介して上記エアコンプレッサ及び上記タイヤにつないだ。
その後、エアコンプレッサのスイッチをONにして、エアコンプレッサから上記容器内に圧縮空気を送り込み、容器内圧を上げてその圧力を利用して、上記のとおり加温したタイヤパンクシール剤を容器内から押出して、タイヤパンクシール剤の全量をタイヤのバルブからタイヤ内へ注入した。
その後もコンプレッサから圧縮空気を送ってタイヤを膨張させ、タイヤの内圧が250kPaに達したときにエアコンプレッサのスイッチをOFFにして、エアコンプレッサを停止した。
コンプレッサを停止した後、圧力ゲージが示す圧力(コンプレッサ停止後圧力)を測定した。
【0082】
・注入性能1の評価基準
上記コンプレッサ停止後圧力が230kPa以上であった場合、タイヤパンクシール剤及び空気を非常に注入しやすいと評価し、これを「A」と表示した。
上記コンプレッサ停止後圧力が210kPa以上230kPa未満であった場合、タイヤパンクシール剤及び空気を注入しやすいと評価し、これを「B」と表示した。
【0083】
上記コンプレッサ停止後圧力が150kPa以上210kPa未満であった場合、タイヤパンクシール剤を注入することはできるものの、注入後タイヤ内へ空気をやや充填しにくいと評価し、これを「C」と表示した。
【0084】
上記コンプレッサ停止後圧力が150kPa未満であった場合、タイヤパンクシール剤を注入することはできるものの、注入後タイヤ内へ空気を非常に充填しにくいと評価し、これを「D」と表示した。
【0085】
(注入性能2:注入時間)
・注入性能2の評価方法
上記注入性能1の評価において、タイヤパンクシール剤の注入開始(タイヤパンクシール剤が容器から押し出され始める)からタイヤパンクシール剤の注入終了(タイヤパンクシール剤が全てタイヤの内部に注入される)までの時間(注入時間)を測定した。
【0086】
・注入性能2の評価基準
注入時間が短いほど注入性能が良い。本発明においては、注入時間が40秒以内である場合、注入性能に優れるものとする。
【0087】
(タイヤパンクシール剤の粘度@−30℃)
・粘度の評価方法
上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤の−30℃の条件下における粘度を、ブルックスフィールド型粘度計(商品名TV−25、東機産業社製、ローターNo.3)を用いて回転数60rpmで測定した。
【0088】
・粘度の評価基準
上記粘度が短いほど低温での注入性能が良い。本発明において、−30℃におけるタイヤパンクシール剤の粘度が1500mPa・s以下である場合、低温での注入性能に優れるものとする。
【0089】
【表1】
【0090】
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・NRラテックス1:天然ゴムラテックス(Hytex HA、固形分:60質量%、フェルフェックス社製(野村貿易社取扱))
【0091】
・合成樹脂エマルジョン1:エチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体エマルジョン(スミカフレックス950HQ、固形分:50質量%、住化ケムテックス社製)
【0092】
・グリセリン:花王社製
【0093】
・グリコール類1(EG):エチレングリコール(三協化学社製)
・グリコール類2(PG):プロピレングリコール(ADEKA社製 工業用プロピレングリコール)
【0094】
・グリコールエーテル類1(MTG):トリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤社製)
・グリコールエーテル類2(MDG):ジエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤社製)
【0095】
第1表に示す結果から明らかなように、所定のグリコール系化合物を含有しない比較例1はシール性能が悪かった。また比較例1は注入時間が長く注入性能が悪かった。
グリセリンを含有しない比較例2〜7は、保管性能又は注入性能が悪かった。
グリセリンの含有量が所定の範囲を外れる比較例8、9は、注入性能が悪かった。
【0096】
これに対して、本発明のタイヤパンクシール剤はシール性能及び保管性能を優れたレベルで維持しつつ注入性能に優れた。
実施例1〜8と実施例9とを比較すると、ゴムラテックス及び合成樹脂エマルジョンを含有する実施例1〜8は、ゴムラテックスを含有する実施例9よりも、シール性能、保管性能及び注入性能のうちのいずれかがより優れた。
実施例1、4と実施例7、8とを比較すると、グリコール系化合物としてグリコール類を含む場合(実施例1、4)は、グリコールエーテル類を含む場合(実施例7、8)よりも注入時間が短く注入性能により優れた。
実施例3〜5と実施例2、6とを比較すると、グリセリンの含有量が凍結防止剤全量の5〜40質量%である場合(実施例3〜5)、5質量%未満(実施例2)及び40質量%超(実施例6)よりも、シール性能、保管性能及び注入性能を高いレベルでバランスさせることができた。
【解決手段】ゴムラテックス並びに凍結防止剤を含有し、凍結防止剤がグリコール類及びグリコールエーテル類からなる群から選ばれる少なくとも1種のグリコール系化合物とグリセリンとを含み、グリセリンの含有量が凍結防止剤の全量の2〜50質量%である、タイヤパンクシール剤、これを用いるタイヤパンク修理キット。