特許第6210984号(P6210984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プラズマート インコーポレーテッドの特許一覧

<>
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000002
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000003
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000004
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000005
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000006
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000007
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000008
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000009
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000010
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000011
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000012
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000013
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000014
  • 特許6210984-プラズマ発生装置及び基板処理装置 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6210984
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】プラズマ発生装置及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20171002BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20171002BHJP
   C23C 16/507 20060101ALI20171002BHJP
   C23C 16/511 20060101ALI20171002BHJP
【FI】
   H05H1/46 L
   H05H1/46 B
   H01L21/302 101C
   C23C16/507
   C23C16/511
【請求項の数】20
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2014-523834(P2014-523834)
(86)(22)【出願日】2012年7月12日
(65)【公表番号】特表2014-529163(P2014-529163A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】KR2012005525
(87)【国際公開番号】WO2013018998
(87)【国際公開日】20130207
【審査請求日】2015年6月24日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0076585
(32)【優先日】2011年8月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512036096
【氏名又は名称】プラズマート インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨン‐グヮン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジェ‐ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,サン‐ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ウム,セ‐フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヤン‐ロク
(72)【発明者】
【氏名】イ,キュ―フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジン―ジュン
【審査官】 鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−001024(JP,A)
【文献】 特開平06−310436(JP,A)
【文献】 特開2008−282947(JP,A)
【文献】 特表2006−516805(JP,A)
【文献】 特表2008−519416(JP,A)
【文献】 特表2004−506339(JP,A)
【文献】 特開平10−284296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00 − 1/54
C23C 14/00 −16/56
C23F 1/00 − 4/04
H01L 21/203 −21/205
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/31
H01L 21/363 −21/365
H01L 21/461
H01L 21/469
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体窓を有し、トロイダル形の放電空間を有するチャンバと、
前記チャンバの一部を包むように配置される磁性体コアと、
前記磁性体コアを包むように配置される誘導コイルと、
前記誘電体窓を通して超高周波を放射する導波管と、を含み、
誘導コイルに流れる交流電流は、前記磁性体コアに磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ内部に誘導結合プラズマを独立して形成し、
前記チャンバは、導電体であり、前記チャンバに発生する誘導電流を遮断する絶縁スペーサを含む、
前記チャンバの内部断面は、四角形である、
前記導波菅の断面は、長方形である、
前記導波管はスリットを含む、
前記導波管はチャンバに沿って進行する、
前記導波管に沿って進行する超高周波は、前記スリットを通して前記チャンバに磁場なしに初期超高周波プラズマを形成する、
前記初期超高周波プラズマをイグナイタ(igniter)で使用することを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項2】
前記チャンバは、第1ないし第4ボディを含み、
前記第1ボディないし第4ボディは、順次に連結されて、トロイダル形の放電空間を提供し、
前記磁性体コアは、第1磁性体コア及び第2磁性体コアを含み、
前記第1磁性体コアは、前記第1ボディを包むように配置され、
前記第2磁性体コアは、前記第3ボディを包むように配置されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項3】
前記第1ボディ及び前記第3ボディは、電気的にフロートされることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
【請求項4】
前記導波管は、第1スリットを有する第1導波管及び第2スリットを有する第2導波管を含み、
前記誘電体窓は、第1誘電体窓及び第2誘電体窓を含み、
前記第1誘電体窓は、前記第2ボディに装着され、前記第2誘電体窓は、第4ボディに装着され、
前記第1スリットは、前記第1誘電体窓を通して超高周波を前記第2ボディに提供し、
前記第2スリットは、前記第2誘電体窓を通して超高周波を前記第4ボディに提供することを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
【請求項5】
前記導波管は、第1スリット及び第2スリットを含み、
前記誘電体窓は、第1誘電体窓及び第2誘電体窓を含み、
前記第1誘電体窓は、前記第2ボディに装着され、
前記第2誘電体窓は、前記第4ボディに装着され、
前記第1スリットは、前記第1誘電体窓を通して超高周波を前記第2ボディに提供し、
前記第2スリットは、前記第2誘電体窓を通して超高周波を前記第4ボディに提供することを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
【請求項6】
前記チャンバは、
初期放電ガス及び工程ガスを提供するガス流入部と、
解離されたガスを吐出するガス吐出部と、をさらに含み、
前記ガス流入部は、前記第1ボディに装着され、
前記ガス吐出部は、前記第3ボディに装着されることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
【請求項7】
前記チャンバは、
初期放電ガス及び工程ガスを提供するガス流入部と、
解離されたガスを吐出するガス吐出部と、をさらに含み、
前記ガス流入部は、前記第2ボディに装着され、
前記ガス吐出部は、前記第4ボディに装着されることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
【請求項8】
前記第3ボディ及び第4ボディは、外側面の陥没部をさらに含み、
前記第1磁性体コアは、前記第1ボディの前記陥没部に結合し、
前記第2磁性体コアは、前記第3ボディの前記陥没部に結合することを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
【請求項9】
前記第2ボディ又は前記第4ボディは、上板及び下板を含み、
前記上板の一面には、トレンチが形成され、
前記下板の一面には、トレンチが形成され、
前記上板のトレンチと前記下板のトレンチが結合して、前記放電空間を形成することを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
【請求項10】
前記誘導コイルは、
第1磁性体コアを包む第1誘導コイルと、
第2磁性体コアを包む第2誘導コイルと、を含み、
前記第1誘導コイルは、第1交流電源に連結され、
前記第2誘導コイルは、第2交流電源に連結されることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
【請求項11】
前記導波管と前記誘電体窓との間に配置される冷却ブロックをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項12】
前記導波管に超高周波を供給する超高周波発生器と、
超高周波発生器と前記導波管との間に配置されて、インピーダンスマッチングのためのチューナと、
超高周波発生器と前記導波管との間に配置されて、反射波又は進行波の一部を抽出する方向性結合器と、
アイソレータと、
反射波を消耗するダミーロードと、
高周波発生器の進行波は、前記導波管に提供し、負荷で反射する反射波は、前記ダミーロードに提供するサーキュレータのうち少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項13】
前記チャンバの内部断面は、四角形であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項14】
前記磁性体コアは、フェライト又はナノ結晶コアであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項15】
前記誘電体窓は、板形であり、
前記誘電体窓は、クォーツ、アルミナ、セラミック、サファイア、窒化アルミニウム、及びこれらの組合せのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
【請求項16】
前記第1ボディ及び前記第3ボディは、絶縁体であり、
前記第2ボディ及び前記第4ボディは、導電体であることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
【請求項17】
前記第1ボディないし前記第4ボディは、互いに絶縁スペーサによって電気的に分離されることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装置。
【請求項18】
閉ループ(closed loop)を形成する磁性体コアと、
前記磁性体コアの閉ループを貫通して配置され、少なくとも一つの閉ループの放電空間を含み、誘電体窓を有するチャンバと、
前記磁性体コアを包むように配置される誘導コイルと、
スリットを含み、前記スリット及び前記誘電体窓を通して超高周波を放射する導波管と、を含み、
前記誘導コイルに流れる交流電流は、前記磁性体コアに磁束を形成し、
前記磁束は、前記チャンバ内部に独立して誘導結合プラズマを形成し、
前記チャンバは、導電体であり、前記チャンバに発生する誘導電流を遮断する絶縁スペーサを含む、
前記チャンバの内部断面は、四角形である、
前記導波管はチャンバに沿って進行する、
前記導波菅の断面は、長方形である、
前記導波管に沿って進行する超高周波は、前記スリットを通して前記チャンバに磁場なしに初期超高周波プラズマを形成する、
前記初期超高周波プラズマをイグナイタ(igniter)で使用することを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項19】
閉ループ(closed loop)を形成する磁性体コアと、
前記磁性体コアの閉ループを貫通して配置され、少なくとも一つの閉ループの放電空間及び開口部を含むチャンバと、
前記磁性体コアを包むように配置される誘導コイルと、
前記開口部に配置される誘電体窓と、
スリットを含み、前記スリット及び前記誘電体窓を通して超高周波を放射する導波管と、を含み、
前記誘導コイルに流れる交流電流は、前記磁性体コアに磁束を形成し、
前記磁束は、独立して誘導結合プラズマを形成し、
前記チャンバは、導電体であり、前記チャンバに発生する誘導電流を遮断する絶縁スペーサを含む、
前記チャンバの内部断面は、四角形である、
前記導波管はチャンバに沿って進行する、
前記導波菅の断面は、長方形である、
前記導波管に沿って進行する超高周波は、前記スリットを通して前記チャンバに磁場なしに初期超高周波プラズマを形成する、
前記初期超高周波プラズマをイグナイタ(igniter)で使用することを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項20】
解離ガスを生成するプラズマ発生部と、
前記プラズマ発生部から前記解離ガスの提供を受け、基板処理又は洗浄工程を行う工程チャンバと、を含み、
前記プラズマ発生部は、
誘電体窓を有し、トロイダル形の放電空間を有するチャンバと、
前記チャンバの一部を包むように配置される磁性体コアと、
前記磁性体コアを包むように配置される誘導コイルと、
前記誘電体窓を通して超高周波を放射する導波管と、を含み、
誘導コイルに流れる交流電流は、前記磁性体コアに磁束を形成し、前記磁束は、 独立して誘導結合プラズマを形成し、
前記チャンバは、導電体であり、前記チャンバに発生する誘導電流を遮断する絶縁スペーサを含む、
前記チャンバの内部断面は、四角形である、
前記導波管はチャンバに沿って進行する、
前記導波菅の断面は、長方形である、
前記導波管に沿って進行する超高周波は、スリットを通して前記チャンバに磁場なしに初期超高周波プラズマを形成する、
前記初期超高周波プラズマをイグナイタ(igniter)で使用することを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ発生装置に関するものとして、より詳細には、遠隔プラズマ発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔プラズマ発生装置は、プラズマを用いて活性種を生成し、生成された活性種を工程チャンバに提供して、洗浄工程などを進行する。つまり、遠隔プラズマ発生装置で生成されたプラズマは、プラズマが生成される位置と実際の工程が進行される位置がそれぞれ異なる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の解決しようとする一技術的課題は、超高周波プラズマ及び誘導結合プラズマを結合して、初期放電が容易で放電安定性があり、多くの流量を処理できる遠隔プラズマ発生装置を提供するものである。
【0004】
本発明の解決しようとする一技術的課題は、超高周波プラズマ及び誘導結合プラズマを結合して、初期放電が容易で放電安定性があり、多くの流量を処理できる遠隔プラズマ発生方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例によるプラズマ発生装置は、誘電体窓を有し、トロイダル形の放電空間を有するチャンバと、前記チャンバの一部を包むように配置される磁性体コアと、前記磁性体コアを包むように配置される誘導コイルと、前記誘電体窓を通して超高周波を放射する導波管と、を含む。誘導コイルに流れる交流電流は、前記磁性体コアに磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ内部に誘導結合プラズマを形成し、前記導波管に沿って進行する超高周波は、前記チャンバに超高周波プラズマを形成する。
【0006】
本発明の一実施例において、前記チャンバは、導電体であり、前記チャンバに発生する誘導電流を遮断する絶縁スペーサを含む。
【0007】
本発明の一実施例において、前記チャンバは、第1ないし第4ボディを含み、前記第1ボディないし第4ボディは、順次に連結されて、トロイダル形の放電空間を提供し、前記磁性体コアは、第1磁性体コア及び第2磁性体コアを含み、前記第1磁性体コアは、前記第1ボディを包むように配置され、前記第2磁性体コアは、前記第3ボディを包むように配置される。
【0008】
本発明の一実施例において、前記第1ボディ及び前記第3ボディは、電気的にフロートされる。
【0009】
本発明の一実施例において、前記導波管は、第1スリットを有する第1導波管及び第2スリットを有する第2導波管を含み、前記誘電体窓は、第1誘電体窓及び第2誘電体窓を含み、前記第1誘電体窓は、前記第2ボディに装着され、前記第2誘電体窓は、第4ボディに装着され、前記第1スリットは、前記第1誘電体窓を通して超高周波を前記第2ボディに提供し、前記第2スリットは、前記第2誘電体窓を通して超高周波を前記第4ボディに提供する。
【0010】
本発明の一実施例において、前記導波管は、第1スリット及び第2スリットを含み、前記誘電体窓は、第1誘電体窓及び第2誘電体窓を含み、前記第1誘電体窓は、前記第2ボディに装着され、前記第2誘電体窓は、前記第4ボディに装着され、前記第1スリットは、前記第1誘電体窓を通して超高周波を前記第2ボディに提供し、前記第2スリットは、前記第2誘電体窓を通して超高周波を前記第4ボディに提供する。
【0011】
本発明の一実施例において、前記チャンバは、初期放電ガス及び工程ガスを提供するガス流入部と、解離されたガスを吐出するガス吐出部と、をさらに含み、前記ガス流入部は、前記第1ボディに装着され、前記ガス吐出部は、前記第3ボディに装着される。
【0012】
本発明の一実施例において、前記チャンバは、初期放電ガス及び工程ガスを提供するガス流入部と、解離されたガスを吐出するガス吐出部と、をさらに含み、前記ガス流入部は、前記第2ボディに装着され、前記ガス吐出部は、前記第4ボディに装着される。
【0013】
本発明の一実施例において、前記第3ボディ及び第4ボディは、外側面の陥没部をさらに含み、前記第1磁性体コアは、前記第1ボディの前記陥没部に結合し、前記第2磁性体コアは、前記第3ボディの前記陥没部に結合する。
【0014】
本発明の一実施例において、前記第2ボディ又は前記第4ボディは、上板及び下板を含み、前記上板の一面には、トレンチが形成され、前記下板の一面には、トレンチが形成され、前記上板のトレンチと前記下板のトレンチが結合して、前記放電空間を形成する。
【0015】
本発明の一実施例において、前記誘導コイルは、第1磁性体コアを包む第1誘導コイルと、第2磁性体コアを包む第2誘導コイルと、を含み、前記第1誘導コイルは、第1交流電源に連結され、前記第2誘導コイルは、第2交流電源に連結される。
【0016】
本発明の一実施例において、前記導波管と前記誘電体窓との間に配置される冷却ブロックをさらに含む。
【0017】
本発明の一実施例において、前記導波管に超高周波を供給する超高周波発生器と、超高周波発生器と前記導波管との間に配置されて、インピーダンスマッチングのためのチューナと、超高周波発生器と前記導波管との間に配置されて、反射波又は進行波の一部を抽出する方向性結合器と、アイソレータと、反射波を消耗するダミーロードと、高周波発生器の進行波は、前記導波管に提供し、負荷で反射する反射波は、前記ダミーロードに提供するサーキュレータのうち少なくとも一つをさらに含む。
【0018】
本発明の一実施例において、前記チャンバの内部断面は、四角形である。
【0019】
本発明の一実施例において、前記磁性体コアは、フェライト又はナノ結晶コアである。
【0020】
本発明の一実施例において、前記導波管の断面は、長方形である。
【0021】
本発明の一実施例において、前記誘電体窓は、板形であり、前記誘電体窓は、クォーツ、アルミナ、セラミック、サファイア、窒化アルミニウム、及びこれらの組合せのうち少なくとも一つを含む。
【0022】
本発明の一実施例において、前記第1ボディ及び前記第3ボディは、絶縁体であり、前記第2ボディ及び前記第4ボディは、導電体である。
【0023】
本発明の一実施例において、前記第1ボディないし前記第4ボディは、互いに絶縁スペーサによって電気的に分離される。
【0024】
本発明の一実施例によるプラズマ発生装置は、閉ループ(closed loop)を形成する磁性体コアと、前記磁性体コアの閉ループを貫通して配置され、少なくとも一つの閉ループの放電空間を含み、誘電体窓を有するチャンバと、前記磁性体コアを包むように配置される誘導コイルと、スリットを含み、前記スリット及び前記誘電体窓を通して超高周波を放射する導波管と、を含む。前記誘導コイルに流れる交流電流は、前記磁性体コアに磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ内部に誘導結合プラズマを形成し、前記導波管に沿って進行する超高周波は、前記チャンバ内部に超高周波プラズマを形成する。
【0025】
本発明の一実施例によるプラズマ発生装置は、閉ループ(closed loop)を形成する磁性体コアと、前記磁性体コアの閉ループを貫通して配置され、少なくとも一つの閉ループの放電空間及び開口部を含むチャンバと、前記磁性体コアを包むように配置される誘導コイルと、前記チャンバと、前記スリット開口部に配置される誘電体窓と、スリットを含み、前記スリット及び前記誘電体窓を通して超高周波を放射する導波管と、を含む。前記誘導コイルに流れる交流電流は、前記磁性体コアに磁束を形成し、前記磁束は、誘導結合プラズマを形成し、前記導波管に沿って進行する超高周波は、前記チャンバ内部に超高周波プラズマを形成する。
【0026】
本発明の一実施例によるプラズマ発生方法は、初期放電ガス又は工程ガスを誘電体窓を有し、トロイダル形の放電空間を含むチャンバに提供する段階と、前記誘電体窓を通して超高周波を提供して、前記放電空間に超高周波プラズマを生成する段階と、前記チャンバを包む磁性体コアを包む誘導コイルに交流電力を提供して、前記放電空間に誘導結合プラズマを生成する段階と、を含む。
【0027】
本発明の一実施例において、前記チャンバでプラズマによって解離された解離ガスを工程チャンバに提供して、前記工程チャンバの洗浄工程を進行する段階をさらに含む。
【0028】
本発明の一実施例において、前記初期放電ガスは、不活性ガス及び窒素ガスのうち少なくとも一つを含み、前記工程ガスは、フッ素含有ガス及び酸素ガスのうち少なくとも一つを含む。
【0029】
本発明の一実施例において、前記初期放電ガス及び前記工程ガスの流量比を変更する段階をさらに含む。
【0030】
本発明の一実施例による誘導結合プラズマのプラズマ初期放電装置において、誘電体窓を有し、少なくとも一つの閉ループの放電空間を含むチャンバと、スリットを含み、前記スリット及び前記誘電体窓を通して超高周波を放射する導波管と、を含み、前記導波管に沿って進行する超高周波は、前記チャンバ内部に超高周波を用いて、初期プラズマ放電させる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一実施例による遠隔プラズマ発生装置は、超高周波プラズマ及び誘導結合プラズマを結合して、初期放電が容易で放電安定性があり、多くの流量を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施例によるプラズマ発生装置を説明する概念図である。
図2】本発明の一実施例によるプラズマ発生装置を説明する斜視図である。
図3図2のプラズマ発生装置の分解斜視図である。
図4図2のI−I’線に沿って切った断面図である。
図5図2のII−II’線に沿って切った断面図である。
図6】本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する斜視図である。
図7図6のIII−III’線に沿って切った断面図である。
図8】本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する分解斜視図である。
図9図8のIV−IV’線に沿って切った断面図である。
図10】本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する分解斜視図である。
図11図10のV−V’線に沿って切った断面図である。
図12】本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する断面図である。
図13】本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する断面図である。
図14】本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
洗浄用遠隔プラズマ発生装置の第1世代は、超高周波プラズマ発生装置を用いた。しかし、超高周波プラズマ発生装置は、多くの流量の処理に限界があり、構造的に体積が大きく、導波管などの部品の価格が高い。また、超高周波電力が空間的に集中して絶縁体のチューブに提供されて、絶縁体チューブは、定期的に取り替えなければならない。したがって、維持・補修が難しい。
【0034】
洗浄用遠隔プラズマ発生装置の第2世代は、トロイダル形誘導結合プラズマ発生装置を用いた。トロイダル形誘導結合プラズマは、超高周波プラズマより多くの流量を処理することができる。しかし、トロイダル形誘導結合プラズマは、初期放電の困難さがある。したがって、トロイダル形誘導結合プラズマは、通常、点火用蓄電結合電極(capacitively coupled electrode for ignition)を使用する。
【0035】
しかし、点火用電極は、高電圧が要求される。前記点火用電極に高電圧が印加される場合、前記点火用電極及び隣接したチャンバは、スパッタリングに弱い。スパッタリングした物質は、チャンバの耐久性を減少させ、工程チャンバに入って汚染物質に作用する。また、トロイダル形誘導結合プラズマ発生装置は、NF(Nitrogen trifluoride)などの工程ガスを放電する場合、放電が維持されずに消える問題がある。アルゴン(Ar)のような初期放電ガスをチャンバに提供し、点火用電極に高電圧を印加して放電を維持する。その後、工程ガスを投入し、工程ガスプラズマが生成される。したがって、工程ガスで放電が不安定な場合、反復的に初期放電を行うため、工程時間が増える。
【0036】
したがって、初期放電が容易で、NFのような工程ガスでも放電安全性が高く、多くの流量を処理できる遠隔プラズマ発生装置が求められる。
【0037】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。しかし、本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもある。むしろ、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的且つ完全になるように、そして当業者において本発明の思想を充分に伝達できるように提供されものである。図面において、構成要素は、明確性を期するために誇張された。明細書全体にかけて、同一の参照番号で表示された部分は、同一の構成要素を示す。
【0038】
図1は、本発明の一実施例によるプラズマ発生装置を説明する概念図である。
【0039】
図1に示すように、プラズマ発生装置100は、誘電体窓119を有し、トロイダル形の放電空間121を有するチャンバ122、前記チャンバ122の一部を包むように配置される磁性体コア124、前記磁性体コア124を包むように配置される誘導コイル126、及び前記誘電体窓119を通して超高周波を放射する導波管116を含む。
【0040】
誘導コイル126に流れる交流電流は、前記磁性体コア124に磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ122内部に誘導結合プラズマを形成する。前記導波管116を進行する超高周波は、前記チャンバ122に超高周波プラズマを形成する。
【0041】
前記チャンバ122は、導電体である。 前記チャンバ122は、前記チャンバ122に発生する誘導電流を遮断する絶縁スペーサ(図示せず)を含む。前記チャンバ122は、少なくとも一つの閉経路(closed path)を形成する。前記チャンバ122は、トロイダル形の放電空間121を形成する。前記チャンバ122は、電気的に絶縁された複数の部品で形成される。
【0042】
前記チャンバ122の内部断面は、長方形である。長方形の断面は、超高周波が容易に伝達されるための構造である。前記チャンバ122は、冷媒によって冷却される。前記チャンバ122の内部放電空間は、絶縁体でコーティングされる。又は、前記放電空間の一部に誘電体管が挿入される。前記誘電体管は、腐食性ガスによってチャンバ122の腐食を防止する。例えば、前記チャンバ122は、アルミニウムで形成され、前記放電空間は、アノダイジング(anodizing)処理されて、アルミニウム酸化膜でコーティングされる。
【0043】
前記チャンバ122の外部表面は、誘導電場によって加熱される。前記チャンバ122の表面は、誘導電場による誘導電流の経路を遮断するように複数のトレンチを含む。前記トレンチは、前記誘導電場を横切るように配置される。
【0044】
前記チャンバ122は、ガス流入部131a及びガス吐出部131bを含む。前記ガス流入部131aは、初期放電ガス及び工程ガスを前記チャンバ122に提供する。前記初期放電ガスは、不活性ガス及び窒素ガスのうち少なくとも一つを含む。前記工程ガスは、フッ素を包含ガス及び酸素ガスのうち少なくとも一つを含む。前記ガス吐出部131bは、プラズマによって解離されたガスを吐出する。前記ガス流入部は、2つの入り口を含む。つまり、初期放電ガスを提供する入り口と工程ガスを提供する入り口が異なる。前記ガス流入部131aの内部の断面図又はガス吐出部131bの内部断面は、前記チャンバの内部断面と同一である。
【0045】
前記誘電体窓119は、超高周波を透過させ、真空を維持する材質である。前記誘電体窓119の材質は、クォーツ、アルミナ、サファイア、窒化アルミニウム、アルミニウム酸化膜、アルミニウム窒化膜、及びこれらの組合せのうち少なくとも一つである。前記誘電体窓119は、板形である。しかし、前記誘電体窓は、チャンバ形状に合わせて変形される。
【0046】
たとえば、前記誘電体窓119は、絶縁体板上に順次に積層した導電性薄膜、及び絶縁性薄膜のうち少なくとも一つを含む。前記導電性薄膜は、熱伝導率が良い導電性物質でコーティングされる。ただし、前記導電性薄膜は、スリット117に対応される開口部を有する。超高周波は、前記開口部を通して前記チャンバ122内部に伝達される。前記導電性薄膜は、前記誘電体窓を冷却させることができる。
【0047】
導波管116は、スリット117を含み、前記スリット117は、超高周波を放射する。前記超高周波は、前記スリット117及び誘電体窓119を通して前記チャンバ122内部に伝達される。前記チャンバ122内部に伝達された超高周波は、超高周波プラズマを形成する。前記誘電体窓と前記導波管との間に冷却のための冷却ブロックが追加的に配置される。前記導波管116は、長方形の導波管である。
【0048】
前記導波管116の一端は、超高周波発生器に連結され、前記導波管116の他端は、金属板で塞がっている。これによって、前記超高周波は、前記スリット117を通して放射される。前記導波管117は、対称的な構造を有するように前記チャンバ122の外側又は内側に配置される。
【0049】
超高周波プラズマは、局部的に強い電磁波によって形成される。これによって、前記超高周波プラズマと接触する領域は加熱される。特に、フッ素含有ガスが放電される場合、加熱された前記誘電体窓は簡単にエッチングされる。これを防止するために、前記導波管116と前記誘電体窓119との間には、冷却ブロックが配置される。前記冷却ブロックは、前記誘電体窓119を冷却する。前記冷却ブロックは、アルミニウムのような熱伝導性の優れた物質である。前記冷却ブロックは、冷媒によって冷却するか、或いは加圧空気によって冷却される。
【0050】
超高周波発生器110は、前記導波管116に超高周波を供給する。前記超高周波発生器110の周波数は、1GHzないし20GHzである。前記超高周波発生器110の電力は、数十ワット(Watt)ないし数キロワット(kWatt)である。前記超高周波発生器110は、2.45GHzのマグネトロン(magnetron)である。家庭用電子レンジに使用されるマグネトロンは、安価であり、小型である。したがって、前記超高周波発生器110は、安価で超高周波プラズマを形成する。
【0051】
インピーダンスマッチングのためのチューナ115は、選択的に超高周波発生器110と前記導波管116との間に配置される。前記チューナ115は、スタブチューナ(stub tuner)又はプランジャ(plunger)である。前記スタブチューナは、前記導波管116と前記超高周波発生器110との間に配置されて、反射波を最小化させる。前記プランジャ(plunger)は、前記導波管116の端に挿入される。
【0052】
方向性結合器114は、選択的に、超高周波発生器110と前記導波管116との間に配置されて、反射波又は進行波の一部を抽出する。ダミーロード(dummy load)は、選択的に反射波を消耗する。サーキュレータ113は、3ポート素子で、超高周波発生器の進行波は、導波管116に伝達し、前記導波管116又は負荷で反射する反射波は、ダミーロード112に提供する。アイソレータは2ポート素子で、超高周波発生器110の進行波は、前記導波管116に伝達し、反射波は遮断する。
【0053】
前記磁性体コア124は、フェライト又はナノ結晶(nano crystalline)コアである 。ナノ結晶コアの場合、透磁率は15000以上である。これによって、前記磁性体コア124の体積が減少し、ヒステリシスによる熱損失が減少する。前記磁性体コア124は、閉ループを形成する。これによって、磁束は、前記磁性体コア124に集中する。前記磁性体コア124の渦電流(eddy current)による熱損失を減少させるため、前記磁性体コア124は、複数の部品に分離される。前記磁性体コアは、チャンバの一部を包むように配置される。
【0054】
誘導コイル126は、銅又は銀のような導電性の良い物質で形成される。前記誘導コイル126は、広い帯の形を有する。前記誘導コイル126は、前記チャンバ122と絶縁されるように絶縁体でコーティングされる。
【0055】
前記誘導コイル126は、交流電源128に連結される。前記交流電源128の周波数は、10kHzないし10MHzである。好ましくは、前記交流電源128の周波数が100kHzないし1MHzである。前記交流電源128の電力は、処理容量に比例して増加するが、通常、数キロワットないし数百キロワットである。
【0056】
前記誘導コイル126に流れる交流電流は、前記磁性体コア124に磁束を誘導する。前記時変磁束(time varying magnetic flux)は、前記磁性体コア124の中心軸方向に誘導電場を誘導する。前記誘導電場は、前記チャンバ122内部の放電空間で誘導結合プラズマを形成する。また、前記誘導電場は、導電性チャンバでオーム加熱(ohmic heating)によって熱を発生させる。前記チャンバ122は、オーム加熱を減少させるため、電気的に互いに分離された複数の部品で形成される。
【0057】
前記チャンバ122の圧力は、数百ミリトルに(mTorr)ないし数百トル(Torr)である。誘導結合プラズマは、数十トル以上で工程ガスを用いるため、放電が維持されない。しかし、本発明の一実施例によるプラズマ発生装置は、超高周波放電の助けで、数十トル以上で工程ガスを用いて放電を維持する。また、本発明の一実施例によるプラズマ発生装置は、誘導結合プラズマだけで処理可能な流量より数十%以上処理することができる。前記処理流量の増加は、安定的な超高周波プラズマ放電及び誘導結合プラズマと結合による相乗効果に起因する。また、超高周波プラズマ放電による初期放電の容易性によって、誘導結合プラズマを形成する交流電源の動作電圧が減少する。これによって、交流電源の価格が減少する。
【0058】
誘導結合プラズマの特性と超高周波プラズマの特性は、互いに異なる。したがって、誘導結合プラズマが適用できない応用分野においても、本発明の一実施例によるプラズマ発生装置は適用される。例えば、前記プラズマ発生装置は、大気圧近くの圧力でも動作するため、廃棄物処理、オゾンを生成して殺菌する殺菌工程などに適用される。
【0059】
ガス吐出部131bは、解離された工程ガスを工程容器132に提供する。前記工程容器132は、エッチング工程、蒸着工程、アッシング(ashing)工程などを行う。前記蒸着工程の場合、前記工程容器は、別途蒸着工程ガスの供給を受ける。前記工程容器は、ガス分配部134、基板138、及び基板ホルダ136を含む。前記基板138は、半導体基板、ガラス基板、プラスチック基板、及び金属基板である。前記工程容器132が汚染された場合、前記プラズマ発生装置は、解離された工程ガスを前記工程容器に提供して洗浄工程を行う。
【0060】
基板の大きさが増加するに従って、前記工程容器の体積が増加して、前記プラズマ発生装置は、数SLM(standard liter per minute)ないし数百SLMの解離された工程ガスを前記工程容器に提供する。
【0061】
本発明の一実施例によるプラズマ発生方法は、初期放電ガス及び/又は工程ガスを、誘電体窓を有し、トロイダル形の放電空間を有するチャンバに提供する。その後、超高周波発生器は、前記誘電体窓を通して超高周波を提供して超高周波プラズマを生成する。交流電源は、前記チャンバを包む磁性体コアを包む誘導コイルに交流電力を提供して、前記チャンバの内部に誘導結合プラズマを生成する。
【0062】
前記初期放電ガスは、初期放電に容易なアルゴンガスなどのような不活性ガス又は窒素ガスである。前記工程ガスは、フッ素含有ガス又は酸素ガスである。
【0063】
具体的に、前記工程ガスはNFであり、初期放電ガスはアルゴンガスである。前記チャンバでプラズマによって解離された解離ガスは、工程チャンバに提供され、洗浄工程が行われる。
【0064】
従来の誘導結合プラズマは、低い圧力で初期放電ガスを用いて放電し、圧力を増加しながら工程ガスをチャンバに投入する。したがって、工程ガスが解離されるまで待機時間が長い。
【0065】
しかし、本発明の一実施例によるプラズマ発生方法は、工程ガスと初期放電ガスを高い圧力で同時に投入する。工程ガスの割合は、初期放電ガスに対して5%以上である。超高周波放電は、高い圧力でも容易に且つ安定的に放電される。したがって、工程ガスと初期放電ガスの流量比を調節して、工程ガスの放電が可能である。したがって、待機時間が著しく減少する。
【0066】
また、誘導結合プラズマは、初期放電のために蓄電結合電極を用いるが、蓄電結合プラズマは、面積が増加するほど放電が容易である。蓄電結合電極の面積の増加は限界がある。蓄電結合電極の面積の増加は、スパッタリングを起こす。また、蓄電結合プラズマを形成するために、別途の高電圧を誘発する高電圧電源が求められる。前記高電圧電源は、別途の費用を求める。また、蓄電結合プラズマは、強い電場を用いるため、アークに弱い。また、誘導結合プラズマ発生時にも、蓄電結合電極はアークを発生させる。一度アークが発生すると、継続してアークが発生して、装備の寿命を著しく減少させる。
【0067】
しかし、本発明による初期放電は、超高周波を用いてアークが発生しない。また、蓄電結合プラズマで発生するスパッタリング問題がない。また、誘導結合プラズマのみを用いて工程ガスを放電する場合、放電は容易に止まる。
【0068】
しかし、本発明の一実施例によるプラズマ発生装置は、超高周波放電が常に維持されて放電不安定性が除去される。また、放電不安定性が除去されて、本発明の一実施例によるプラズマ発生装置は、処理流量を容易に増加させる。また、超高周波プラズマと誘導結合プラズマが結合して、処理流量をさらに増加させる。
【0069】
既存の蓄電結合電極を用いたイグナイタ(igniter)を使用した場合に比べて超高周波プラズマをイグナイタ(igniter)で使用した場合、アルゴン(Ar)で磁性体コアを包む2次側のプラズマ形成開始電圧(又は、1次側コイルの印加電圧)が大幅に減少する。具体的に、1次側コイルの印加電圧は、1/3程度減少する。1次側コイルの印加電圧の減少は、交流電源の出力の安定性に役立ち、少ない電圧で初期放電が形成されるため、初期放電時に発生する高電圧によるチャンバ内部のアーキングを著しく減少させる。交流電源は、低い電圧で動作する。
【0070】
また、超高周波放電は、超高周波発生器と導波管のみで放電が可能である。また、超高周波発生器は、家庭用マグネトロンを使用する場合、超高周波放電のための設備の価格は安い。
【0071】
図2は、本発明の一実施例によるプラズマ発生装置を説明する斜視図である。
【0072】
図3は、図2のプラズマ発生装置の分解斜視図である。
【0073】
図4は、図2のI−I’線に沿って切った断面図である。
【0074】
図5は、図2のII−II’線に沿って切った断面図である。
【0075】
図2ないし図5に示すように、プラズマ発生装置200は、誘電体窓247a、247bを有してトロイダル形の放電空間を有するチャンバ252、前記チャンバ252の一部を包むように配置される磁性体コア254a、254b、前記磁性体コア254a、254bを包むように配置される誘導コイル259a、259b、及び前記誘電体窓247a、247bを通して超高周波を放射する導波管240a、240bを含む。誘導コイル259a、259bに流れる交流電流は、前記磁性体コア254a、254bに磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ252内部に誘導結合プラズマを形成する。前記導波管240a、240bを進行する超高周波は、前記チャンバ252に超高周波プラズマを形成する。
【0076】
前記チャンバ252は、導電性物質で形成される。前記導電性物質は、アルミニウムである。前記チャンバ252は、第1ないし第4ボディ252a〜252dを含む。前記第1ボディないし第4ボディ252a〜252dは、順次に連結されてトロイダル形の放電空間を提供する。前記第1ボディないし第4ボディ252a〜252dは、絶縁スペーサ261を通して互いに電気的に絶縁される。
【0077】
前記第1ボディ252aは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第1ボディ252aの内部にホールが配置される。前記ホールは、第1ホール、第2ホール、及び第3ホールを含む。前記第1ホールは、前記第1ボディの一端から−y軸方向に貫通して形成される。前記第2ホールは、前記第1ホールの中間で連結され、z軸方向に延長される。前記第3ホールは、前記第1ボディの他端で前記第2ホールに連結されて−y軸方向に形成される。前記第1ボディの他端にはポートが設置される。
【0078】
ガス吐出部256aは、前記第1ホールに連結して配置される。前記ガス吐出部256aの形状は、前記第1ホールの形状と同一である。前記ガス吐出部256aは、絶縁スペーサ261を通して電気的に絶縁すると同時に、第1ボディ252aと結合する。前記ガス吐出部256aは接地される。前記第1ボディ252aは、冷媒によって冷却される。前記ガス吐出部256aの断面は、前記第1ボディ252aの断面と同一である。
【0079】
前記第1ボディ252aの外周には、第1磁性体コア254aが配置される。前記第1磁性体コア254aは、フェライト又はナノ結晶(nano−crystalline)コアである。第1誘導コイル259aは、前記第1磁性体コア254aを包むように配置される。前記第1誘導コイル259aは、第1交流電源228aに連結される。第1誘導コイル259aは、変圧器の1次コイルを形成し、前記チャンバ252に形成された誘導結合プラズマは、変圧器の2次コイルを形成する。前記第1誘導コイル259aに流れる電流は、前記第1磁性体コア254aに磁束を誘導し、磁束の時間による変化は、誘導電場を前記チャンバ252内部に生成する。前記誘導電場は、誘導結合プラズマを形成する。前記チャンバ252が変圧器の2次コイルにならないよう、前記第1ボディ252aは、電気的にフロートされる。
【0080】
第2ボディ252bは、y軸方向に整列される。前記第2ボディ252bは、長方形の柱状である。前記第2ボディ252bをy軸方向に貫通するホールが形成される。前記第2ボディ252bのホールは、前記第1ボディ252aのホールに連結して放電空間を形成する。前記第2ボディ252bの外側面に第1導波管240aが配置される。前記第2ボディ252bは、冷媒によって冷却される。
【0081】
前記第1導波管240aは、長方形の導波管である。前記第1導波管240aは、WR284である。前記第1導波管240aと前記第2ボディ252bが接触する面に第1スリット249aが形成される。前記第1スリット249aは、前記第1導波管240aで進行する超高周波を第1誘電体窓247a方向に放射する。前記第1スリット249aの形状は、長方形又は正方形である。前記第1導波管240aの進行方向は、x軸方向である。前記第1導波管240aの断面で長い方向(y軸方向)の面は、前記第2ボディ252bと接触する。前記第1スリット249aは、第1導波管の断面で長い方向(y軸方向)に延長される。前記第1導波管240aの一面は、超高周波発生器から超高周波の提供を受ける。前記第1導波管240aの他面は、導電体板242で塞がる。
【0082】
第1誘電体窓247aは、板形状である。前記第1誘電体窓247aと第2ボディ252bとの間にOリングのようなシーリング手段が配置される。
【0083】
第1冷却ブロック244aは、前記第1導波管240aと前記第2ボディ252bとの間に配置される。前記第1冷却ブロック244aは、貫通ホール245を含む。前記第1冷却ブロック244aの貫通ホール245は、前記第1スリット249aを通して放射された超高周波を前記第1誘電体窓247aを通して前記チャンバ252内部に伝達する。前記第1冷却ブロック244aは、冷媒を通して冷却される。これによって、前記第1冷却ブロック244aは、前記第1誘電体窓247aを冷却する。
【0084】
第3ボディ252cは、第1ボディ252aと同一の構造である。第3ボディ252cは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第3ボディ252cは、第1ホール、第2ホール、及び第3ホールを含む。第1ホールは、前記第3ボディ252cの一端でy軸方向に形成された貫通ホールである。第2ホールは、前記第1ホールに連結されて−z軸方向に延長される。前記第3ホールは、前記第3ボディ252cの他端で第2ホールに連結されてy軸方向に延長される。前記第1ホールは、第2ボディ252bのホールに連結される。ガス流入部256bは、前記第1ホールに連結されて初期放電ガス及び工程ガスを提供する。前記ガス流入部256bの断面は、前記第3ボディ252cの断面と同一である。
【0085】
前記ガス流入部256bは接地され、前記第3ボディ252cは、フロートされる。これによって、前記ガス流入部256bと、前記第3ボディ252cが結合する部位に電気的に絶縁させる絶縁スペーサ261が配置される。第3ボディ252cの周りは、第2磁性体コア254bが巻かれる。前記第2磁性体コア254bは、第1磁性体コア254aと同一の構造である。前記第2磁性体コア254bは、フェライト材質又はナノ結晶材質である。前記第2誘導コイル259bは、前記第2磁性体コア254bを包むように配置される。前記第2誘導コイル259bは、第2交流電源228bに連結される。前記第2誘導コイル259bに流れる交流電流は、前記第2磁性体コア254bに磁束を誘導する。前記磁束は、前記第3ボディ252cに誘導電場を形成し、前記誘導電場は、放電空間内部に誘導結合プラズマを形成する。前記第1交流電源228aによって誘導される誘導電場の方向と前記第2交流電源228bによって誘導される誘導電場の方向は、互いに反対方向である。
【0086】
第4ボディ252dは、第2ボディ252bと同一の構造である。第4ボディ252dの外側に第2導波管240bが配置される。前記第2導波管240bの第2スリット249bは、前記第4ボディ252dと接触する面に配置される。前記第4ボディ252dは、第2誘電体窓247bを含む。第2スリット249bは、超高周波を放射して前記第2誘電体窓247bを通して前記第4ボディ252dの内部に超高周波を伝達する。前記超高周波は、超高周波プラズマを形成する。前記第2導波管240bの一面は、超高周波発生器から超高周波の提供を受け、前記第2導波管240bの他面は、導電体板242で塞がる。
【0087】
前記第2冷却ブロック244bは、前記第2導波管240bと前記第4ボディ252dとの間に配置される。前記第2冷却ブロック244bは、貫通ホール245を含む。前記第2冷却ブロック244bの貫通ホール245は、第2スリット249bを通して放射された超高周波を前記第2誘電体窓247bを通してチャンバ252内部に伝達する。第4ボディ252dは、絶縁スペーサ261を通して前記第1ボディ252aと結合する。
【0088】
前記第1ボディないし第4ボディ252a〜252dの内部放電空間の断面は、長方形である。前記第1ボディ252a及び前記第3ボディ252cは、電気的にフロートされ、前記第2ボディ252b及び前記第4ボディ252dは、電気的に接地される。
【0089】
誘導結合プラズマは、主に、第1ボディ252a及び第3ボディ252cで生成され、超高周波プラズマは、主に、第2ボディ252b及び第4ボディ252dで形成される。これによって、誘導結合プラズマが発生する領域と、超高周波プラズマが発生する領域が互いに区別される。超高周波プラズマは、拡散して誘導結合プラズマが発生する領域に移動する。一方、誘導結合プラズマ効率は、変圧器の2次軸に流れる電流に比例する。誘導結合プラズマは、第1ボディ252a及び第3ボディ252cで主に形成される。第2ボディ252b及び第4ボディ252dで超高周波プラズマが形成されない場合、前記誘導結合プラズマは、第2ボディ及び第4ボディで再結合によって殆ど消滅する。しかし、本発明においては、第2ボディ252b及び第4ボディ252dで形成された超高周波プラズマは、変圧器の2次軸を形成して、前記誘導結合プラズマ効率を上昇させる。
【0090】
本発明の変形された実施例によると、前記超高周波を放射するためのスリットは、導電体板242に形成される。前記スリットが形成された導電体板が前記誘電体窓と接触して配置される。
【0091】
図6は、本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する斜視図である。
【0092】
図7は、図6のIII−III’線に沿って切った断面図である。
【0093】
図6及び図7に示すように、プラズマ発生装置300は、誘電体窓347a、347bを有してトロイダル形の放電空間を有するチャンバ352、前記チャンバ352の一部を包むように配置される磁性体コア354a、354b、前記磁性体コア354a、354bを包むように配置される誘導コイル359a、359b、及び前記誘電体窓347a、347bを通して超高周波を放射する導波管340a、340bを含む。誘導コイル359a、359bに流れる交流電流は、前記磁性体コア354a、354bに磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ352内部に誘導結合プラズマを形成する。前記導波管340に沿って進行する超高周波は、前記チャンバ352に超高周波プラズマを形成する。
【0094】
前記チャンバ352は、導電性物質で形成される。前記導電性物質は、アルミニウムである。前記チャンバ352は、第1ないし第4ボディ352a〜352dを含む。前記第1ボディないし第4ボディ352a〜352dは、順次に連結されてトロイダル形の放電空間を提供する。前記第1ボディないし第4ボディ352a〜352dは、絶縁スペーサ361を通して互いに電気的に絶縁される。
【0095】
前記第1ボディ352aは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第1ボディ352aの内部にホールが配置される。前記ホールは、第1ホール、第2ホール、及び第3ホールを含む。前記第1ホールは、前記第1ボディの一端で−y軸方向に貫通して形成される。前記第2ホールは、前記第1ホールの中間で連結され、z軸方向に延長される。前記第3ホールは、前記第1ボディの他端で前記第2ホールに連結されて−y軸方向に形成される。前記第1ボディの他端には、ポートが設置される。ガス吐出部356aは、前記第1ホールに連結されて配置される。前記ガス吐出部356aの形状は、前記第1ホールの形状と同一である。前記ガス吐出部356aは、絶縁スペーサ361を通して電気的に絶縁すると同時に、第1ボディ352aと結合する。前記ガス吐出部356aは、接地される。前記第1ボディ352aは、冷媒によって冷却される。前記ガス吐出部356aの断面は、前記第1ボディ352aの断面と同一である。前記第1ボディ352aは、外側面の陥没部355を含む。
【0096】
前記第1ボディ352aの陥没部355には、第1磁性体コア354aが配置される。前記第1磁性体コア354aは、フェライト又はナノ結晶(nano−crystalline)コアである。第1誘導コイル359aは、前記第1磁性体コア354aを包むように配置される。前記第1誘導コイル359aは、第1交流電源に連結される。第1誘導コイル359aは、変圧器の1次コイルを形成し、前記チャンバ352に形成された誘導結合プラズマは、変圧器の2次コイルを形成する。前記第1誘導コイル359aに流れる電流は、前記第1磁性体コア354aに磁束を誘導し、磁束の時間による変化は、誘導電場を前記チャンバ352内部に生成する。前記誘導電場は、誘導結合プラズマを形成する。前記チャンバ352が変圧器の2次コイルにならないよう、前記第1ボディ352aは、電気的にフロートされる。
【0097】
第2ボディ352bは、y軸方向に整列される。前記第2ボディ352bは、長方形の柱状である。前記第2ボディ352bをy軸方向に貫通するホールが形成される。前記第2ボディ352bのホールは、前記第1ボディ352aのホールに連結されて放電空間を形成する。
【0098】
前記第2ボディ352bと第4ボディ352dとの間に導波管340が配置される。前記第2ボディ352bは、冷媒によって冷却される。
【0099】
前記導波管340は、長方形の導波管である。前記導波管340は、WR284である。前記導波管340と前記第2ボディ352bが接触する面に第1スリット349aが形成され、前記導波管340と前記第4ボディ352dが接触する面に第2スリット349bが形成される。前記第1スリット349aは、前記導波管340で進行する超高周波を第1誘電体窓347a方向に放射し、第2スリット349bは、前記導波管340で進行する超高周波を第2誘電体窓347b方向に放射し、前記スリット349a、349bの形状は、長方形又は正方形である。前記導波管340の進行方向は、x軸方向である。前記導波管340の断面で長い方向(y軸方向)の面は、前記第2ボディ352b及び第4ボディ352dと接触する。前記スリット349a、349bは、導波管の断面で長い方向(y軸方向)に延長される。前記導波管340の一面は、超高周波発生器から超高周波の提供を受ける。前記導波管340の他面は、導電体板342で塞がる。
【0100】
第1誘電体窓347aは、板形状である。前記第1誘電体窓347aと第2ボディ352bとの間にOリングのようなシーリング手段が配置される。
【0101】
第1冷却ブロック344aは、前記導波管340と前記第2ボディ352bとの間に配置される。前記第1冷却ブロック344aは、貫通ホールを含む。前記第1冷却ブロック344aの貫通ホールは、前記第1スリット349aを通して放射された超高周波を前記第1誘電体窓347aを通して前記チャンバ352内部に伝達する。前記第1冷却ブロック344aは、冷媒を通して冷却される。これによって、前記第1冷却ブロック344aは、前記第1誘電体窓347aを冷却する。
【0102】
第3ボディ352cは、第1ボディ352aと同一の構造である。第3ボディ352cは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第3ボディ352cは、第1ホール、第2ホール、及び第3ホールを含む。第1ホールは、前記第3ボディ352cの一端でy軸方向に形成された貫通ホールである。第2ホールは、前記第1ホールに連結されて−z軸方向に延長される。前記第3ホールは、前記第3ボディ352cの他端で第2ホールに連結されてy軸方向に延長される。前記第1ホールは、第2ボディ352bのホールに連結される。
ガス流入部356bは、前記第1ホールに連結されて初期放電ガス及び工程ガスを提供する。前記ガス流入部356bの断面は、前記第3ボディ352cの断面と同一である。
【0103】
前記ガス流入部356bは接地され、前記第3ボディ352cはフロートされる。これによって、前記ガス流入部356bと前記第3ボディ352cが結合する部位に電気的に絶縁させる絶縁スペーサ361が配置される。第3ボディ352cの周りは、第2磁性体コア354bが巻かれる。前記第2磁性体コア354bは、第1磁性体コア354aと同一の構造である。前記第2磁性体コア354bは、フェライト材質又はナノ結晶材質である。前記第2誘導コイル359bは、前記第2磁性体コア354bを包むように配置される。前記第2誘導コイル359bは、第2交流電源に連結される。前記第2誘導コイル359bに流れる交流電流は、前記第2磁性体コア354bに磁束を誘導する。前記磁束は、前記第3ボディ352cに誘導電場を形成し、前記誘導電場は、放電空間内部に誘導結合プラズマを形成する。前記第1交流電源によって誘導される誘導電場の方向と前記第2交流電源によって誘導される誘導電場の方向は、互いに反対方向である。
【0104】
第4ボディ352dは、第2ボディ352bと同一の構造である。前記導波管340の第2スリット349bは、前記第4ボディ352dと接触する面に配置される。前記第4ボディ352dは、第2誘電体窓347bを含む。第2スリット349bは、超高周波を放射して前記第2誘電体窓347bを通して前記第4ボディ352dの内部に超高周波を伝達する。前記超高周波は、超高周波プラズマを形成する。
【0105】
前記第2冷却ブロック344bは、前記導波管340bと前記第4ボディ352dとの間に配置される。前記第2冷却ブロック344bは、貫通ホールを含む。前記第2冷却ブロック344bの貫通ホールは、第2スリット349bを通して放射された超高周波を前記第2誘電体窓347bを通してチャンバ352内部に伝達する。第4ボディ352dは、絶縁スペーサ361を通して前記第1ボディ352aと結合する。
【0106】
前記第1ボディないし第4ボディ352a〜352dの内部放電空間の断面は、長方形である。前記第1ボディ352a及び前記第3ボディ352cは、電気的にフロートされ、前記第2ボディ352b及び前記第4ボディ352dは、電気的に接地される。
【0107】
誘導結合プラズマは、主に、第1ボディ352a及び第3ボディ352cで生成され、超高周波プラズマは、主に、第2ボディ352b及び第4ボディ352dで形成される。これによって、誘導結合プラズマが発生する領域と、超高周波プラズマが発生する領域が互いに区別される。超高周波プラズマは、拡散して誘導結合プラズマが発生する領域に移動する。
【0108】
図8は、本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する分解斜視図である。
【0109】
図9は、図8のIV−IV’線に沿って切った断面図である。
【0110】
図8及び図9に示すように、プラズマ発生装置400は、閉ループ(closed loop)を形成する磁性体コア454a、454b、前記磁性体コア454a、454bの閉ループを貫通して配置され、少なくとも一つの閉ループの放電空間を含み、誘電体窓447a、447bを有するチャンバ452、前記磁性体コア454a、454bを包むように配置される誘導コイル459a、459b、及びスリット449a、449bを含み、前記スリット449a、449b及び前記誘電体窓447a、447bを通して超高周波を放射する導波管440a、440bを含む。誘導コイル459a、459bに流れる交流電流は、前記磁性体コア454a、454bに磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ452内部に誘導結合プラズマを形成する。前記導波管440a、440bに沿って進行する超高周波は、前記チャンバ452内部に超高周波プラズマを形成する。
【0111】
前記チャンバ452は、導電性物質及び/又は絶縁性物質で形成される。前記導電性物質は、アルミニウムである。前記チャンバ452は、第1ないし第4ボディ452a〜452dを含む。前記第1ボディないし第4ボディ452a〜452dは、順次に連結されてトロイダル形の放電空間を提供する。前記第1ボディないし第4ボディ452a〜452dは、絶縁スペーサ461を通して互いに電気的に絶縁される。
【0112】
前記第1ボディ452aは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第1ボディ452aの内部にホールが配置される。前記第1ボディ452aのホールは、z軸方向に貫通するホールである。前記第1ボディ452aは、冷媒によって冷却される。
【0113】
前記第1ボディ452aの外周には、第1磁性体コア454aが配置される。前記第1磁性体コア454aは、フェライト又はナノ結晶(nano−crystalline)コアである。第1誘導コイル459aは、前記第1磁性体コア454aを包むように配置される。前記第1誘導コイル459aは、第1交流電源に連結される。第1誘導コイル459aは、変圧器の1次コイルを形成し、前記チャンバ452に形成された誘導結合プラズマは、変圧器の2次コイルを形成する。前記第1誘導コイル459aに流れる電流は、前記第1磁性体コア454aに磁束を誘導し、磁束の時間による変化は、誘導電場を前記チャンバ452内部に生成する。前記誘導電場は、誘導結合プラズマを形成する。前記チャンバ452が変圧器の2次コイルにならないよう、前記第1ボディ452aは、電気的にフロートされる。
【0114】
第2ボディ452bは、y軸方向に整列される。前記第2ボディ452bは、上板491aと下板492aを含む。前記上板491aの一面には、トレンチが形成され、前記下板492aの一面にはトレンチが形成され、前記上板491aのトレンチと前記下板492aのトレンチが結合して前記放電空間を形成する。分離された前記上板と下板は、互いに結合して放電経路を形成する。前記放電経路の形成製作に容易性がある。
【0115】
前記第2ボディ452aの内部にホールが配置される。前記ホールは、第1ホール、第2ホール、及び第3ホールを含む。前記第1ホールは、前記第2ボディの一端でz軸方向に貫通して形成される。前記第2ホールは、前記第1ホールの中間で連結され、−y軸方向に延長される。前記第3ホールは、前記第2ボディの他端で前記第2ホールに連結されて−z軸方向に形成される。前記第2ボディ452bのホールは、前記第1ボディ452aのホールに連結されて放電空間を形成する。
【0116】
前記ガス流入部456aは、前記第2ボディの一端に結合する。前記ガス流入部の断面は、前記第2ボディ452aの断面と同一である。ガス流入部456aは、前記第2ボディに連結されて初期放電ガス及び工程ガスを提供する。
【0117】
前記第2ボディ452b上に第1導波管440aが配置される。前記第2ボディ452bは、冷媒によって冷却される。
【0118】
前記第1導波管440aは、長方形の導波管である。前記第1導波管440aは、WR284である。前記第1導波管440aと前記第2ボディ452bが接触する面に第1スリット449aが形成される。
【0119】
前記第1スリット449aは、前記第1導波管440aで進行する超高周波を第1誘電体窓447a方向に放射する。
【0120】
前記第1スリット449aの形状は、長方形又は正方形である。前記第1導波管440aの進行方向は、x軸方向である。前記第1導波管440aの断面で長い方向(y軸方向)の面は、前記第2ボディ452bと接触する。前記第1導波管440aの一面は、超高周波発生器から超高周波の提供を受ける。前記第1導波管440の他面は、導電体板442で塞がる。
【0121】
第1誘電体窓447aは、板形状である。前記第1誘電体窓447aと第2ボディ452bとの間にOリングのようなシーリング手段が配置される。
【0122】
第3ボディ452cは、第1ボディ452aと同一の構造である。第3ボディ452cは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第3ボディ452cは、z軸方向に貫通するホールを含む。前記第3ボディ452cのホールは、第2ボディ352bのホールに連結される。
【0123】
第3ボディ452cの周りは、第2磁性体コア454bが巻かれる。前記第2磁性体コア454bは、第1磁性体コア454aと同一の構造である。前記第2磁性体コア454bは、フェライト材質又はナノ結晶材質である。前記第2誘導コイル459bは、前記第2磁性体コア454bを包むように配置される。前記第2誘導コイル459bは、第2交流電源に連結される。前記第2誘導コイル459bに流れる交流電流は、前記第2磁性体コア454bに磁束を誘導する。前記磁束は、前記第3ボディ452cに誘導電場を形成し、前記誘導電場は、放電空間内部に誘導結合プラズマを形成する。前記第1交流電源によって誘導される誘導電場の方向と前記第2交流電源によって誘導される誘導電場の方向は、互いに反対方向である。
【0124】
第4ボディ452dは、第2ボディ452bと同一の構造である。前記第2導波管440bの第2スリット449bは、前記第4ボディ452dと接触する面に配置される。前記第4ボディ452dは、第2誘電体窓447bを含む。第2スリット449bは、超高周波を放射して前記第2誘電体窓447bを通して前記第4ボディ452dの内部に超高周波を伝達する。前記超高周波は、超高周波プラズマを形成する。第4ボディ452dは、絶縁スペーサ461を通して前記第1ボディ452aと結合する。
【0125】
前記第1ボディないし第4ボディ452a〜452dの内部放電空間の断面は、長方形である。前記第1ボディ452a及び前記第3ボディ452cは、電気的にフロートされ、前記第2ボディ452b及び前記第4ボディ452dは、電気的に接地される。
【0126】
誘導結合プラズマは、主に、第1ボディ452a及び第3ボディ452cで生成され、超高周波プラズマは、主に、第2ボディ452b及び第4ボディ452dで形成される。これによって、誘導結合プラズマが発生する領域と超高周波プラズマが発生する領域が互いに区別される。超高周波プラズマは、拡散して誘導結合プラズマが発生する領域に移動する。
【0127】
本発明の変形された実施例によると、前記第1ボディ452a及び第3のボディ452cは、円筒型の絶縁体である。前記絶縁体は、アルミナ、クォーツ、又はセラミックである。これによって、前記第2ボディの内部ホールは、z軸方向の両端でホールは円筒型であり、y軸方向のホールは四角形である。
【0128】
本発明の変形された実施例によると、ガス流入口とガス吐出口の位置は、互いに変わることができる。
【0129】
図10は、本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する分解斜視図である。
【0130】
図11は、図10のV−V’線に沿って切った断面図である。
【0131】
図10及び図11に示すように、プラズマ発生装置500は、閉ループ(closed
loop)を形成する磁性体コア554a、554b、前記磁性体コア554a、554bの閉ループを貫通して配置され、少なくとも一つの閉ループの放電空間を含み、誘電体窓547a、547bを有するチャンバ552、前記磁性体コア554a、554bを包むように配置される誘導コイル559a、559b、及びスリット549a、549bを含み、前記スリット549a、549b及び前記誘電体窓547a、547bを通して超高周波を放射する導波管544を含む。誘導コイル559a、559bに流れる交流電流は、前記磁性体コア554a、554bに磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ552内部に誘導結合プラズマを形成する。前記導波管540に沿って進行する超高周波は、前記チャンバ552内部に超高周波プラズマを形成する。
【0132】
前記チャンバ552は、導電性物質で形成される。前記導電性物質は、アルミニウムである。前記チャンバ552は、第1ないし第4ボディ552a〜552dを含む。前記第1ボディないし第4ボディ552a〜552dは、順次に連結されてトロイダル形の放電空間を提供する。前記第1ボディないし第4ボディ552a〜552dは、絶縁スペーサ561を通して互いに電気的に絶縁される。
【0133】
前記第1ボディ552aは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第1ボディ552aの内部にホールが配置される。前記第1ボディ552aのホールは、z軸方向に貫通するホールである。前記第1ボディ552aは、冷媒によって冷却される。
【0134】
前記第1ボディ552aの外側面には、陥没部555が形成される。前記陥没部555に第1磁性体コア554aが配置される。前記第1磁性体コア554aは、フェライト又はナノ結晶(nano−crystalline)コアである。第1誘導コイル559aは、前記第1磁性体コア554aを包むように配置される。前記第1誘導コイル559aは、第1交流電源に連結される。第1誘導コイル559aは、変圧器の1次コイルを形成し、前記チャンバ552に形成された誘導結合プラズマは、変圧器の2次コイルを形成する。前記第1誘導コイル559aに流れる電流は、前記第1磁性体コア554aに磁束を誘導し、磁束の時間による変化は、誘導電場を前記チャンバ552内部に生成する。前記誘導電場は、誘導結合プラズマを形成する。前記チャンバ552が変圧器の2次コイルにならないよう、前記第1ボディ552aは、電気的にフロートされる。
【0135】
第2ボディ552bは、y軸方向に整列される。前記第2ボディ552bは、上板591aと下板592aを含む。前記第2ボディ552aの内部にホールが配置される。前記ホールは、第1ホール、第2ホール、及び第3ホールを含む。前記第1ホールは、前記第2ボディの一端でz軸方向に貫通して形成される。前記第2ホールは、前記第1ホールの中間で連結され、−y軸方向に延長される。前記第3ホールは、前記第2ボディの他端で前記第2ホールに連結されて−z軸方向に形成される。前記第2ボディ552bのホールは、前記第1ボディ552aのホールに連結されて放電空間を形成する。
【0136】
前記ガス流入部556aは、前記第2ボディの一端に結合する。前記ガス流入部の断面は、前記第2ボディ552aの断面と同一である。ガス流入部556aは、前記第2ボディに連結されて、初期放電ガス及び工程ガスを提供する。
【0137】
前記第2ボディ552bと第4ボディ552dとの間に導波管540が配置される。前記第2ボディ552bは、冷媒によって冷却される。
【0138】
前記導波管540は、長方形の導波管である。前記導波管540は、WR284である。前記導波管540と前記第2ボディ552bが接触する面に第1スリット549aが形成され、前記導波管540と前記第4ボディ552dが接触する面に第2スリット549bが形成される。
【0139】
前記第1スリット549aは、前記導波管540で進行する超高周波を第1誘電体窓547a方向に放射する。前記第2スリット549bは、前記第1導波管540で進行する超高周波を第2誘電体窓547b方向に放射する。
【0140】
前記第1スリット549aの形状は、長方形又は正方形である。前記導波管540の進行方向は、x軸方向である。前記導波管540の断面で長い方向(y軸方向)の面は、前記第2ボディ552bと接触する。前記導波管540の一面は、超高周波発生器から超高周波の提供を受ける。前記導波管540の他面は、導電体板で塞がる。
【0141】
第1誘電体窓547aは、板形状である。前記第1誘電体窓547aと第2ボディ552bとの間にOリングのようなシーリング手段が配置される。
【0142】
第3ボディ552cは、第1ボディ552aと同一の構造である。第3ボディ552cは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第3ボディ552cは、z軸方向に貫通するホールを含む。前記第3ボディ552cのホールは、第2ボディ552bのホールに連結される。
【0143】
第3ボディ552cの周りは、第2磁性体コア554bが巻かれる。前記第2磁性体コア554bは、第1磁性体コア554aと同一の構造である。前記第2磁性体コア554bは、フェライト材質又はナノ結晶材質である。前記第2誘導コイル559bは、前記第2磁性体コア554bを包むように配置される。前記第2誘導コイル559bは、第2交流電源に連結される。前記第2誘導コイル559bに流れる交流電流は、前記第2磁性体コア554bに磁束を誘導する。前記磁束は、前記第3ボディ552cに誘導電場を形成し、前記誘導電場は、放電空間内部に誘導結合プラズマを形成する。前記第1交流電源によって誘導される誘導電場の方向と前記第2交流電源によって誘導される誘導電場の方向は、互いに反対方向である。
【0144】
第4ボディ552dは、第2ボディ552bと同一の構造である。前記導波管540の第2スリット549bは、前記第4ボディ552dと接触する面に配置される。前記第4ボディ552dは、第2誘電体窓547bを含む。第2スリット549bは、超高周波を放射して前記第2誘電体窓547bを通して前記第4ボディ552dの内部に超高周波を伝達する。前記超高周波は、超高周波プラズマを形成する。第4ボディ552dは、絶縁スペーサ561を通して前記第1ボディ552aと結合する。
【0145】
前記第1ボディないし第4ボディ552a〜552dの内部放電空間の断面は、長方形である。前記第1ボディ552a及び前記第3ボディ552cは、電気的にフロートされ、前記第2ボディ552b及び前記第4ボディ552dは、電気的に接地される。
【0146】
誘導結合プラズマは、主に、第1ボディ552a及び第3ボディ552cで生成され、超高周波プラズマは、主に、第2ボディ552b及び第4ボディ552dで形成される。これによって、誘導結合プラズマが発生する領域と超高周波プラズマが発生する領域が互いに区別される。超高周波プラズマは、拡散して誘導結合プラズマが発生する領域に移動する。
【0147】
図12は、本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する断面図である。
【0148】
図12に示すように、プラズマ発生装置600は、閉ループ(closed loop)を形成する磁性体コア654a、654b、前記磁性体コア654a、654bの閉ループを貫通して配置され、少なくとも一つの閉ループの放電空間を含み、誘電体窓647a、647bを有するチャンバ652、前記磁性体コア654a、654bを包むように配置される誘導コイル659a、659b、及びスリット649a、649b及び前記誘電体窓647a、647bを通して超高周波を放射する導波管640a、640bを含む。誘導コイル659a、659bに流れる交流電流は、前記磁性体コア654a、654bに磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ652内部に誘導結合プラズマを形成する。前記導波管640a、640bに沿って進行する超高周波は、前記チャンバ652内部に超高周波プラズマを形成する。
【0149】
前記チャンバ652は、導電性物質で形成される。前記導電性物質は、アルミニウムである。前記チャンバ652は、第1ないし第4ボディ652a〜652dを含む。前記第1ボディないし第4ボディ652a〜652dは、順次に連結されてトロイダル形の放電空間を提供する。前記第1ボディないし第4ボディ652a〜652dは、絶縁スペーサ661を通して互いに電気的に絶縁される。
【0150】
前記第1ボディ652aは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第1ボディ652aの内部にホールが配置される。前記第1ボディ652aのホールは、z軸方向に貫通するホールである。前記第1ボディ652aは、冷媒によって冷却される。
【0151】
前記第1ボディ652aの外周には、第1磁性体コア654aが配置される。前記第1磁性体コア654aは、フェライト又はナノ結晶(nano−crystalline)コアである。第1誘導コイル659aは、前記第1磁性体コア654aを包むように配置される。前記第1誘導コイル659aは、第1交流電源に連結される。第1誘導コイル659aは、変圧器の1次コイルを形成し、前記チャンバ652に形成された誘導結合プラズマは、変圧器の2次コイルを形成する。前記第1誘導コイル659aに流れる電流は、前記第1磁性体コア654aに磁束を誘導し、磁束の時間による変化は、誘導電場を前記チャンバ652内部に生成する。前記誘導電場は、誘導結合プラズマを形成する。前記チャンバ652が変圧器の2次コイルにならないよう、前記第1ボディ652aは、電気的にフロートされる。
【0152】
第2ボディ652bは、y軸方向に整列される。前記第2ボディ652aは、内部にホールを有する長方形の形状である。前記ホールは、第1ホール、第2ホール、及び第3ホールを含む。前記第1ホールは、前記第2ボディの一端でz軸方向に形成される。前記第2ホールは、前記第1ホールに連結され、−y軸方向に延長される。前記第3ホールは、前記第2ボディの他端で前記第2ホールに連結され、−z軸方向に形成される。前記第2ボディ652bのホールは、前記第1ボディ652aのホールに連結されて放電空間を形成する。
【0153】
前記ガス流入部656aは、前記第2ボディの他端に結合する。前記ガス流入部656aの断面は、前記第2ボディ652aの断面と同一である。ガス流入部656aは、前記第2ボディに連結されて初期放電ガス及び工程ガスを提供する。
【0154】
前記第2ボディ652b上に第1導波管640aが配置される。前記第2ボディ652bは、冷媒によって冷却される。
【0155】
前記第1導波管640aは、長方形の導波管である。前記第1導波管640aは、WR284である。前記第1導波管640aと前記第2ボディ652bが接触する面に第1スリット649aが形成される。
【0156】
前記第1スリット649aは、前記第1導波管640aで進行する超高周波を第1誘電体窓647a方向に放射する。
【0157】
前記第1スリット649aの形状は、長方形又は正方形である。前記第1導波管640aの進行方向は、x軸方向である。前記第1導波管640aの断面で長い方向(y軸方向)の面は、前記第2ボディ652bと接触する。前記第1導波管640aの一面は、超高周波発生器から超高周波の提供を受ける。前記第1導波管640aの他面は、導電体板で塞がる。
【0158】
第1誘電体窓647aは、板形状である。前記第1誘電体窓647aと第2ボディ652bとの間にOリングのようなシーリング手段が配置される。
【0159】
第3ボディ462cは、第1ボディ652aと同一の構造である。第3ボディ652cは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第3ボディ652cは、z軸方向に貫通するホールを含む。前記第3ボディ652cのホールは、第2ボディ652bのホールに連結される。
【0160】
第3ボディ652cの周りは、第2磁性体コア654bが巻かれる。前記第2磁性体コア654bは、第1磁性体コア654aと同一の構造である。前記第2磁性体コア654bは、フェライト材質又はナノ結晶材質である。前記第2誘導コイル659bは、前記第2磁性体コア654bを包むように配置される。前記第2誘導コイル659bは、第2交流電源に連結される。前記第2誘導コイル659bに流れる交流電流は、前記第2磁性体コア654bに磁束を誘導する。前記磁束は、前記第3ボディ652cに誘導電場を形成し、前記誘導電場は、放電空間内部に誘導結合プラズマを形成する。前記第1交流電源によって誘導される誘導電場の方向と前記第2交流電源によって誘導される誘導電場の方向は、互いに反対方向である。
【0161】
第4ボディ652dは、第2ボディ652bと同一の構造である。前記第2導波管640bの第2スリット649bは、前記第4ボディ652dと接触する面に配置される。前記第4ボディ652dは、第2誘電体窓647bを含む。第2スリット649bは、超高周波を放射して前記第2誘電体窓647bを通して前記第4ボディ652dの内部に超高周波を伝達する。前記超高周波は、超高周波プラズマを形成する。第4ボディ652dは、絶縁スペーサ661を通して、前記第1ボディ652aと結合する。
【0162】
前記ガス吐出部656bは、前記第4ボディ652dに結合する。前記ガス流入部656bの断面は、前記第4ボディ652dの断面と同一である。前記ガス吐出部656bは、前記第4ボディに連結されて解離されたガスを吐出する。
【0163】
前記第1ボディないし第4ボディ652a〜652dの内部放電空間の断面は、長方形である。前記第1ボディ652a及び前記第3ボディ652cは、電気的にフロートされ、前記第2ボディ652b及び前記第4ボディ652dは、電気的に接地される。
【0164】
誘導結合プラズマは、主に、第1ボディ652a及び第3ボディ652cで生成され、超高周波プラズマは、主に、第2ボディ652b及び第4ボディ652dで形成される。これによって、誘導結合プラズマが発生する領域と超高周波プラズマが発生する領域が互いに区別される。超高周波プラズマは、拡散して誘導結合プラズマが発生する領域に移動する。
【0165】
図13は、本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置を説明する断面図である。
【0166】
図13に示すように、プラズマ発生装置700は、閉ループ(closed loop)を形成する磁性体コア754a、754b、前記磁性体コア754a、754bの閉ループを貫通して配置され、少なくとも一つの閉ループの放電空間を含み、誘電体窓747a、747bを有するチャンバ752、前記磁性体コア754a、754bを包むように配置される誘導コイル759a、759b、及びスリット749a、749b及び前記誘電体窓747a、747bを通して超高周波を放射する導波管744を含む。誘導コイル759a、759bに流れる交流電流は、前記磁性体コア754a、754bに磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ752内部に誘導結合プラズマを形成する。前記導波管740に沿って進行する超高周波は、前記チャンバ752内部に超高周波プラズマを形成する。
【0167】
前記チャンバ752は、導電性物質で形成される。前記導電性物質は、アルミニウムである。前記チャンバ752は、第1ないし第4ボディ752a〜752dを含む。前記第1ボディないし第4ボディ752a〜752dは、順次に連結されてトロイダル形の放電空間を提供する。前記第1ボディないし第4ボディ752a〜752dは、絶縁スペーサ761を通して互いに電気的に絶縁される。
【0168】
前記第1ボディ752aは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第1ボディ752aの内部にホールが配置される。前記第1ボディ752aのホールは、z軸方向に貫通するホールである。前記第1ボディ752aは、冷媒によって冷却される。
【0169】
前記第1ボディ752aの外側面を包むように第1磁性体コア754aが配置される。前記第1磁性体コア754aは、フェライト又はナノ結晶(nano−crystalline)コアである。第1誘導コイル759aは、前記第1磁性体コア754aを包むように配置される。前記第1誘導コイル759aは、第1交流電源に連結される。第1誘導コイル759aは、変圧器の1次コイルを形成し、前記チャンバ752に形成された誘導結合プラズマは、変圧器の2次コイルを形成する。前記第1誘導コイル759aに流れる電流は、前記第1磁性体コア754aに磁束を誘導し、磁束の時間による変化は、誘導電場を前記チャンバ752内部に生成する。前記誘導電場は、誘導結合プラズマを形成する。前記チャンバ752が変圧器の2次コイルにならないよう、前記第1ボディ752aは、電気的にフロートされる。
【0170】
第2ボディ752bは、y軸方向に整列される。前記第2ボディ752aの内部にホールが配置される。前記ホールは、第1ホール、第2ホール、及び第3ホールを含む。前記第1ホールは、前記第2ボディの一端でz軸方向に形成される。前記第2ホールは、前記第1ホールに連結され、−y軸方向に延長される。前記第3ホールは、前記第2ボディの他端で前記第2ホールに連結されて−z軸方向に形成される。前記第2ボディ752bのホールは、前記第1ボディ752aのホールに連結されて放電空間を形成する。
【0171】
前記ガス流入部756aは、前記第2ボディの他端に結合する。前記ガス流入部の断面は、前記第2ボディ752aの断面と同一である。ガス流入部756aは、前記第2ボディに連結されて初期放電ガス及び工程ガスを提供する。
【0172】
前記第2ボディ752bと第4ボディ752dとの間に導波管740が配置される。前記第2ボディ752bは、冷媒によって冷却される。
【0173】
前記導波管740は、長方形の導波管である。前記導波管740は、WR284である。前記導波管740と前記第2ボディ752bが接触する面に第1スリット749aが形成され、前記導波管740と前記第4ボディ752dが接触する面に第2スリット749bが形成される。
【0174】
前記第1スリット749aは、前記導波管740で進行する超高周波を第1誘電体窓747a方向に放射する。前記第2スリット749bは、前記第1導波管740で進行する超高周波を第2誘電体窓747b方向に放射する。
【0175】
前記第1スリット749aの形状は、長方形又は正方形である。前記導波管740の進行方向は、x軸方向である。前記導波管740の断面で長い方向(y軸方向)の面は、前記第2ボディ752bと接触する。前記導波管740の一面は、超高周波発生器から超高周波の提供を受ける。前記導波管740の他面は、導電体板で塞がる。
【0176】
第1誘電体窓747aは、板形状である。前記第1誘電体窓747aと第2ボディ752bとの間にOリングのようなシーリング手段が配置される。
【0177】
第3ボディ752cは、第1ボディ752aと同一の構造である。第3ボディ752cは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第3ボディ752cは、z軸方向に貫通するホールを含む。前記第3ボディ752cのホールは、第2ボディ752bのホールに連結される。
【0178】
第3ボディ752cの周りは、第2磁性体コア754bが巻かれる。前記第2磁性体コア754bは、第1磁性体コア754aと同一の構造である。前記第2磁性体コア754bは、フェライト材質又はナノ結晶材質である。前記第2誘導コイル759bは、前記第2磁性体コア754bを包むように配置される。前記第2誘導コイル759bは、第2交流電源に連結される。前記第2誘導コイル759bに流れる交流電流は、前記第2磁性体コア754bに磁束を誘導する。前記磁束は、前記第3ボディ752cに誘導電場を形成し、前記誘導電場は、放電空間内部に誘導結合プラズマを形成する。前記第1交流電源によって誘導される誘導電場の方向と前記第2交流電源によって誘導される誘導電場の方向は、互いに反対方向である。
【0179】
第4ボディ752dは、第2ボディ752bと同一の構造である。前記導波管740の第2スリット749bは、前記第4ボディ752dと接触する面に配置される。前記第4ボディ752dは、第2誘電体窓747bを含む。第2スリット749bは、超高周波を放射して前記第2誘電体窓747bを通して前記第4ボディ752dの内部に超高周波を伝達する。前記超高周波は、超高周波プラズマを形成する。第4ボディ752dは、絶縁スペーサ761を通して前記第1ボディ752aと結合する。
【0180】
前記ガス吐出部756bは、前記第4ボディ752dに結合する。前記ガス流入部756bの断面は、前記第4ボディ752dの断面と同一である。前記ガス吐出部756bは、前記第4ボディに連結されて解離されたガスを吐出する。
【0181】
前記第1ボディないし第4ボディ752a〜752dの内部放電空間の断面は、長方形である。前記第1ボディ752a及び前記第3ボディ752cは、電気的にフロートされ、前記第2ボディ752b及び前記第4ボディ752dは、電気的に接地される。
【0182】
誘導結合プラズマは、主に、第1ボディ752a及び第3ボディ752cで生成され、超高周波プラズマは、主に、第2ボディ752b及び第4ボディ752dで形成される。これによって、誘導結合プラズマが発生する領域と、超高周波プラズマが発生する領域が互いに区別される。超高周波プラズマは、拡散して誘導結合プラズマが発生する領域に移動する。
【0183】
図14は、本発明の他の実施例によるプラズマ発生装置の断面図である。
【0184】
図14に示すように、プラズマ発生装置800は、閉ループ(closed loop)を形成する磁性体コア854a、854b、前記磁性体コア854a、854bの閉ループを貫通して配置され、少なくとも一つの閉ループの放電空間を含めて誘電体窓847a、847bを有するチャンバ852、前記磁性体コア854a、854bを包むように配置される誘導コイル859a、859b、及びスリット849a、849bを含み、前記スリット849a、849b及び前記誘電体窓847a、847bを通して超高周波を放射する導波管840a、840bを含む。
【0185】
誘導コイル859a、859bに流れる交流電流は、前記磁性体コア854a、854bに磁束を形成し、前記磁束は、前記チャンバ852内部に誘導結合プラズマを形成する。前記導波管840a、840bに沿って進行する超高周波は、前記チャンバ852内部に超高周波プラズマを形成する。
【0186】
前記チャンバ852は、導電性物質で形成される。前記導電性物質は、アルミニウムである。前記チャンバ852は、第1ないし第4ボディ852a〜852dを含む。前記第1ボディないし第4ボディ852a〜852dは、順次に連結されてトロイダル形の放電空間を提供する。前記第1ボディないし第4ボディ852a〜852dは、絶縁スペーサ861を通して互いに電気的に絶縁される。
【0187】
前記第1ボディ852aは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第1ボディ852aの内部にホールが配置される。前記第1ボディ852aのホールは、z軸方向に形成された貫通ホールである。前記第1ボディ852aは、冷媒によって冷却される。
前記第1ボディ852aの外側面には、陥没部855が形成される。前記陥没部855に第1磁性体コア854aが配置される。前記第1磁性体コア854aは、フェライト又はナノ結晶(nano−crystalline)コアである。第1誘導コイル859aは、前記第1磁性体コア554aを包むように配置される。前記第1誘導コイル859aは、第1交流電源に連結される。第1誘導コイル859aは、変圧器の1次コイルを形成し、前記チャンバ852に形成された誘導結合プラズマは、変圧器の2次コイルを形成する。前記第1誘導コイル859aに流れる電流は、前記第1磁性体コア854aに磁束を誘導し、磁束の時間による変化は、誘導電場を前記チャンバ852内部に生成する。前記誘導電場は、誘導結合プラズマを形成する。前記チャンバ852が変圧器の2次コイルにならないよう、前記第1ボディ852aは、電気的にフロートされる。
【0188】
第2ボディ852bは、y軸方向に整列される。前記第2ボディ852bは、上板891aと下板892aを含む。前記第2ボディ852aの内部にホールが配置される。前記ホールは、第1ホール、第2ホール、及び第3ホールを含む。前記第1ホールは、前記第2ボディの一端でz軸方向に貫通して形成される。前記第2ホールは、前記第1ホールの中間で連結され、−y軸方向に延長される。前記第3ホールは、前記第2ボディの他端で前記第2ホールに連結されて−z軸方向に形成される。前記第2ボディ852bのホールは、前記第1ボディ852aのホールに連結されて放電空間を形成する。
【0189】
前記ガス流入部856aは、前記第2ボディの一端に結合する。前記ガス流入部の断面は、前記第2ボディ852aの断面と同一である。ガス流入部856aは、前記第2ボディに連結されて初期放電ガス及び工程ガスを提供する。
【0190】
前記第2ボディ852bと第4ボディ852dとの間に導波管840a、840bが配置される。前記第2ボディ852bは、冷媒によって冷却される。
【0191】
前記導波管840a、840bは、長方形の導波管である。前記導波管840a、840bは、WR284である。前記導波管840a、840bは、第1導波管840a及び第2導波管840bを含む。第1導波管840a及び第2導波管840bは、互いに隣接するように前記チャンバ852に形成された内部空間に配置される。第1導波管840aは、第1超高周波発振器に連結され、第2導波管840bは、第2超高周波発振器に連結される。
【0192】
前記第1導波管840aと前記第2ボディ852bが接触する面に第1スリット849aが形成され、前記第2導波管840bと前記第4ボディ852dが接触する面に第2スリット849bが形成される。
【0193】
前記第1スリット849aは、前記第1導波管840aで進行する超高周波を第1誘電体窓847a方向に放射する。前記第2スリット849bは、前記第2導波管840bで進行する超高周波を第2誘電体窓847b方向に放射する。
【0194】
前記第1スリット849a及び第2スリット849bの形状は、長方形又は正方形である。前記導波管840a、840bの進行方向は、x軸方向である。前記第1導波管840aの断面で長い方向(y軸方向)の面は、前記第2ボディ852bと接触する。前記第1導波管840aの一面は、超高周波発生器から超高周波の提供を受ける。前記第1導波管840aの他面は、導電体板で塞がる。
【0195】
前記チャンバ852によって形成された内部空間に第1導波管840a及び第2導波管840bが両方挿入されない。この場合、前記第1導波管840a及び第2導波管840bは、短縮方向(z軸方向)でテーパーされた領域を含む。
【0196】
第1誘電体窓847aは、板形状である。前記第1誘電体窓847aと第2ボディ852bとの間にOリングのようなシーリング手段が配置される。
【0197】
第3ボディ852cは、第1ボディ852aと同一の構造である。第3ボディ852cは、z軸方向に整列された長方形の柱状である。前記第3ボディ852cは、z軸方向に貫通するホールを含む。前記第3ボディ852cのホールは、第2ボディ852bのホールに連結される。
【0198】
第3ボディ852cの周りは、第2磁性体コア854bが巻かれる。前記第2磁性体コア854bは、第1磁性体コア854aと同一の構造である。前記第2磁性体コア854bは、フェライト材質又はナノ結晶材質である。前記第2誘導コイル859bは、前記第2磁性体コア854bを包むように配置される。前記第2誘導コイル859bは、第2交流電源に連結される。前記第2誘導コイル859bに流れる交流電流は、前記第2磁性体コア854bに磁束を誘導する。前記磁束は、前記第3ボディ852cに誘導電場を形成して、前記誘導電場は、放電空間内部に誘導結合プラズマを形成する。前記第1交流電源によって誘導される誘導電場の方向と前記第2交流電源によって誘導される誘導電場の方向は、互い反対方向である。
【0199】
第4ボディ852dは、第2ボディ852bと同一の構造である。前記導波管840の第2スリット849bは、前記第4ボディ852dと接触する面に配置される。前記第4ボディ852dは、第2誘電体窓847bを含む。第2スリット849bは、超高周波を放射して前記第2誘電体窓847bを通して前記第4ボディ852dの内部に超高周波を伝達する。前記超高周波は、超高周波プラズマを形成する。第4ボディ852dは、絶縁スペーサ861を通して、前記第1ボディ852aと結合する。
【0200】
前記第1ボディないし第4ボディ852a〜852dの内部放電空間の断面は、長方形である。前記第1ボディ852a及び前記第3ボディ852cは、電気的にフロートされ、前記第2ボディ852b及び前記第4ボディ852dは、電気的に接地される。
【0201】
誘導結合プラズマは、主に、第1ボディ852a及び第3ボディ852cで生成され、超高周波プラズマは、主に、第2ボディ852b及び第4ボディ852dで形成される。これによって、誘導結合プラズマが発生する領域と、超高周波プラズマが発生する領域が互いに区別される。超高周波プラズマは、拡散して誘導結合プラズマが発生する領域に移動する。
【0202】
上記のように、本発明を特定の好ましい実施例に対して図示して説明したが、本発明は、このような実施例に限定されず、当該発明が属する技術分野において、通常の知識を有した者が特許請求の範囲で請求する本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で行うことができる多様な形態の実施例を全て含む。
【符号の説明】
【0203】
110:超高周波発生器
116:導波管
119:誘電体窓
117:スリット
122:チャンバ
124:磁性体コア
126:誘導コイル
128:交流電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14