【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、この従来技術に鑑みて、一般消費財の携帯用電子部品中の金属部材をプラスチック上に接合するための接着フィルムに使用するための
熱活性化接着剤を提供し、その際、それぞれの
接着剤が、着色されていない
接着剤と直接比較して変わらない特性プロフィルが得られ、かつ、その
接着剤のフィルム製品が同じ特性プロフィルを有する、という課題に基づくものである。
【0017】
本発明によれば、上記の課題は、黒色顔料が添加された少なくとも一種の
熱活性化接着剤を有する接着フィルムによって解決される。
【0018】
適した黒色顔料は、例えば、カーボンブラック、有機アゾ系着色料及び/又はクロム錯体である。クロム錯体をベースとする黒色顔料の例は、[1−[(2−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル)アゾ]−2−ナフタレンオラト(2−)][1−[(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アゾ]2−ナフタレンオラト(2−)]クロメート(1−)、ビス[1−[(2−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル)アゾ]−2−ナフタレンオラト(2−)]クロメート(1−)及びビス[1−[(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アゾ]−2−ナフタレンオラト(2−)]クロメート(1−)である。
【0019】
黒色顔料は、好ましくは、着色される
熱活性化接着剤中の黒色顔料の割合が8体積%未満になるような量で使用される。これにより、
接着剤の接着技術的特性を保つことができるが、これらの量で確かに
接着剤を完全に黒色に着色することは予想されていなかった。しかしながら、これはそういったケースである。確かに、着色される
接着剤に基づいて、0.9体積%の割合から良好な着色がもたらされることは既に見出されている。黒色に着色すること及び接着特性に関して、特に卓越して調和の取れた
熱活性化接着剤は、着色される
接着剤に1.3〜1.8体積%の範囲内の黒色顔料を添加する場合に得られる。
【0020】
黒色顔料としてカーボンブラック粒子が埋設されるならば、これは着色される(つまり、着色顔料と混合される)
接着剤に基づいて12重量%までの量で好ましく使用される。極めて良好な着色を達成するためには、少なくとも1.2重量%の量でカーボンブラックを使用することが有利である。非常に好ましくは、結果として得られる着色された
熱活性化接着剤が、2.1〜3.1重量%の重量割合でカーボンブラックを有するような量で、黒色顔料としてカーボンブラックを使用する場合である。例えば、着色される熱化性
接着剤中2.4重量%の量のカーボンブラックである場合が非常に好ましいと証明された。
【0021】
カーボンブラックは、例えば、顔料調合物として、
熱活性化接着剤に化学的に類似するか又は(それの溶解性において)少なくとも該
接着剤と相溶性である樹脂マトリックス中に存在するように
熱活性化材料に添加することができ、その結果、
接着剤のマトリックスの顔料調合物の樹脂マトリックスが、最終的に着色された
熱活性化接着剤に含まれることになる。その際、使用する量は、対応して好ましく調整され、その結果、
接着剤中のカーボンブラックの量は上述の割合に合致する。
【0022】
本発明により適した
熱活性化接着剤としては、反応性の
熱活性化接着剤並びに熱可塑性の
熱活性化接着剤がいずれも使用できる。とりわけ好ましくは、反応系が使用される。
【0023】
反応性の
熱活性化接着剤としては、少なくとも一種のニトリルゴムS1及び一種の反応性成分、特に、反応性樹脂からなる混合物をベースとするような
接着剤が好ましく使用できる。
【0024】
該ニトリルゴムS1の重量割合は、反応性の
熱活性化フィルムの全組成の、好ましくは25〜70重量%、特に好ましくは、30〜60%である。
【0025】
ニトリルゴムS1は、好ましくは、15〜45%のアクリルニトリル割合を有する。該ニトリルゴムS1に関するその他の基準とはムーニー粘度である。低い温度における高い可撓性を保証しなくてはならないため、ムーニー粘度は、好ましくは100未満であるべきである(DIN 53523に従って、ムーニーML 1+4(100℃))。そのようなニトリルゴムとして市場から入手できる例は、例えば、Zeon Chemical社のNipol(商標) N917である。
【0026】
反応性樹脂は、特に、10,000g/モルまでの範囲内の平均分子量を有する、短鎖〜中鎖のオリゴマー又は高分子化合物であると特に理解される。熱活性化接着剤中の反応性樹脂の割合は、好ましくは75〜30重量%である。非常に好ましい群はエポキシ樹脂を含む。該エポキシ樹脂の重量平均分子量MWは、100g/モルから、高分子のエポキシ樹脂の最大10,000g/モルまでと多様である。
【0027】
エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA及びエピクロロヒドリンからなる反応生成物、エピクロロヒドリン、グリシジルエステル、エピクロロヒドリン及びp−アミノフェノールからなる反応生成物を含む。
【0028】
好ましい市場製品の例は、例えば、Chiba GiegyからのAraldite(商標) 6010、CY−281(商標)、ECN(商標) 1273、ECN(商標) 1280、MY 720、RD−2、Dow ChemicalからのDER(商標) 331、DER(商標) 732、DER(商標) 736、DEN(商標) 432、DEN(商標) 438、DEN(商標) 485、Shell ChemicalからのEpon(商標) 812、825、826、828、830、834、836、871、872、1001、1004、1031等、及び、同様に、Shell ChemicalからのHPT(商標) 1071、HPT(商標) 1079である。
【0029】
脂肪族エポキシ樹脂の市場製品の例は、例えば、Union Carbide CorpからのERL−4206、ERL−4221、ERL 4201、ERL−4289又はERL−0400のようなビニルクロロヘキサンジオキシドである。
【0030】
ノボラック樹脂としては、例えば、CelaneseからのEpi−Rez(商標) 5132、住友化学からのESCN−001、Ciba GeigyからのCY−281、Dow ChemicalからのDEN(商標) 431、DEN(商標) 438、Quatrex 5010、Nippon KayakuからのRE 305S、DaiNipon Ink ChemistryからのEpiclon(商標) N673又はShell ChemicalからのEpicote(商標) 152が使用できる。
【0031】
さらに、反応性樹脂として、メラミン樹脂、例えば、CytecからのCymel(商標) 327及び323も使用できる。
【0032】
特に好ましい方法では、反応性樹脂としてフェノール樹脂が使用される。特に適しているは、例えば、ノボラック樹脂、フェノールレゾール樹脂又はノボラック樹脂及びフノール樹脂の組合せである。
【0033】
市場から入手可能なフェノール樹脂の例では、Toto KaseiからのYP 50、Union Carbide Corp.からのPKHC及びShowa Union Gosei Corp.からのBKR 2620が使用される。
【0034】
さらに、反応性樹脂として、テルペンフェノール樹脂、例えば、Arizona Chemical からのNIREZ(商標) 2019も使用できる。
【0035】
さらに、反応性樹脂として、ポリイソシアナート、例えば、Nippon Polyurethan Ind.からのCoronate(商標) L、BayerからのDesmodur(商標) N3300又はMondur(商標) 489も使用できる。
【0036】
本発明の接着フィルムの有利な一実施形態では、その上に接着力を増強する(粘着力を高める)樹脂が該ブレンドに添加される。
熱活性化接着剤の全混合物に基づいて、30重量%までの割合であるのが非常に有利である。添加すべき粘着力を高める樹脂としては、既知並びに文献に開示されている接着樹脂の全てが例外なく使用できる。代表例には、ピネン樹脂、インデン樹脂及びコロフォニウム樹脂、それらの不均化、水素化、重合化、エステル化された誘導体並びにそれらの塩、脂肪族炭化水素樹脂及び芳香族炭化水素樹脂、テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂並びにC5−、C9−並びにその他の炭化水素樹脂が包含される。結果として得られる
接着剤の特性を望ましいものに調整するために、これらの、並びに別の樹脂との任意の組合せも使用できる。一般に、ゴムS1と相溶性(溶解性)の樹脂の全てを使用することができ、全ての脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、アルキル芳香族炭化水素樹脂、純粋なモノマーをベースとする炭化水素樹脂、水素化炭化水素樹脂、官能性炭化水素樹脂並びに天然樹脂が参照される。その知識の説明は、Donatas Satasの“Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology(van Nostrand、1989年)”に明示されている。
【0037】
二種の成分間の反応を速めるために、任意の架橋剤及び促進剤を混合物に添加できる。
【0038】
促進剤としては、例えば、Shikoku Chem. Corp.から2M7、2E4MN、2PZ−CN、2PZ−CNS、P0505、L07Nという名称で市場入手できるか、又はAir ProductsからCurezol 2MZという名称で市場入手できるイミダゾールが適している。さらには、架橋剤HMTA(ヘキサメチレンテトラミン)添加剤も適している。
【0039】
さらに、アミン、特に、tert−アミンもまた促進のための投入できる。
【0040】
反応性樹脂の他に軟化剤も投入できる。ここで、本発明の好ましい一実施形態において、ポリグリコールエーテル、ポリエチレンオキシド、リン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル及び安息香酸エステルをベースとする軟化剤が使用できる。さらに、芳香族カルボン酸エステル、高分子量ジオール、スルホンアミド及びアジピン酸エステルも使用できる。
【0041】
さらに好ましい一実施形態では、さらなる添加剤、例えば、ポリビニルホルマール、ポリアクリレートゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、メチル−ビニル−シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン−コポリマーゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴムが上記のブレンドに添加される。
【0042】
ポリビニルブチラールは、SolutiaからButvar(商標)という名称で、WackerからPioloform(商標)という名称で、そしてKurarayからMowital(商標)という名称で入手可能である。
【0043】
ポリアクリレートゴムは、ZeonからNipol AR(商標)という名称で入手できる。クロロプレンゴムは、BayerからBaypren(商標)という名称で入手できる。エチレン−プロピレン−ジエンゴムは、DSMからKeltan(商標)という名称で、Exxon MobileからVistalon(商標)という名称で、そしてBayerからBuna EP(商標)という名称で入手できる。メチル−ビニル−シリコーンゴムは、Dow CorningからSilastic(商標)という名称で、そしてGE SiliconesからSilopren(商標)という名称で入手できる。フルオロシリコーンゴムは、GE SiliconesからSilastic(商標)という名称で入手できる。ブチルゴムは、Exxon MobileからEsso Butyl(商標)という名称で入手できる。スチレン−ブタジエンゴムは、BayerからBuna S(商標)という名称で、そしてEni ChemからEuroprene(商標)という名称で、そしてBayerからPolysar S(商標)という名称で入手できる。
【0044】
ポリビニルホルマールは、Ladd ResearchからFormvar(商標)という名称で入手できる。
【0045】
さらなる実施形態で使用できる本発明の
熱活性化接着剤としては、熱可塑性ポリマーであり、好ましくは、85℃超及び150℃未満の軟化点を有するポリマーが使用できる。
【0046】
適した熱可塑性プラスチックは、例えば、ポリエステル並びにコポリエステル、ポリアミド並びにコポリアミド、熱可塑性のポリウレタン、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン(Hostalen(登録商標)、Hostalen Polyethylen GmbH)、ポリプロピレン(Vestolen P(登録商標)、DSM)である。上記のリストは特許請求の範囲を完成させるものではない。さらに、異なる熱可塑性プラスチックから構成されるブレンドもまた使用可能であり、その上、二種の異なる熱可塑性プラスチック(例えば、両面コーティング又は支持体フリースの二つの面上に異なるコーティング)も使用できる。
接着フィルムの構成要素
好ましい供与形態の一つにおいて、着色された
熱活性化接着剤は層状形態、すなわち、
熱活性化接着フィルムの形態で提供される。そのような接着フィルムは、単層で存在させることができる(いわゆる、転写型接着フィルム)か又は支持体を有することができて、支持体を有する片面接着フィルムあるいは両面接着フィルムを結果として得ることができる。
【0047】
特に好ましい方法では、単層の、又は三層の
熱活性化接着フィルムが使用され、その結果、該接着フィルム全体の厚さは、−該接着剤を接合しようとする基材の表面の粗度、湾曲又は大きさに応じて−25〜750μmの範囲内、好ましくは、30〜250μmの範囲内にある。そのような接着フィルムは、例えば、金属部材をプラスチック上に接合するのに、金属を金属上に接合するのに、そしてプラスチックをプラスチック上に接合するのに優良に使用することができる。その場合、プラスチックは、
熱活性化接着フィルムを活性化するのに必要な熱に曝されるに耐えるようなものを選択するのが好ましい。
【0048】
本発明の接着テープは、好ましい一実施形態において、好ましくはPETからなる支持フィルム層、及び該支持フィルムの両面それぞれの上の黒色に着色された
熱活性化接着剤の層から構成される。驚くことに、支持体を有する製品によって、加熱加圧工程の間繊細な支持体表面上に引っ掻き傷が発生するのが回避できる一方で、この問題が、対応の転写型接着フィルムの場合では観察されることが見出された。
熱活性化接着フィルムにおける支持フィルムの存在は、接合すべき基材に関する保護機能という目的を追加的に満足させることとなる。
【0049】
接着テープは、非常に有利に、対称的に構成することができる(同一の接着層の厚さ及び/又は
接着剤の組成及び/又は支持フィルムの両方の面の
接着剤の着色)が、本発明の支持体を有する
熱活性化接着フィルムの接着層は、その接着層の厚さ及び/又は
接着剤の組成及び/又は
接着剤の着色に関しても、互いに依存することなく選択することができる。
【0050】
黒色の
接着剤層は、それぞれ、5μm〜250μmの厚さを好ましく有する。特に好ましくは、30μm、50μm、60μm、100μm、125μm、150μm、200μm及び250μmの層の厚さが実現される。その場合、支持体を有する接着フィルム−上述したような−は、対称的に構成することができるが、二つの
接着剤の層の層厚は、相互に独立して組み合わせることもでき、その際、特に好ましくは、それぞれ、上述した層の厚さが選択される。
【0051】
支持フィルムは、好ましくは、5〜250μm、より好ましくは、8〜50μm、特に好ましくは、12〜36μmの厚さであり、就中、23μmの厚さである。23μmの厚さのPETフィルムは、該フィルムが、非常に可撓性であり、かつ、接着される基材の表面に良好に適合できることから、これは、両面接着テープに関する非常に良好な接着技術的特性を有するという利点を有する。
【0052】
支持体材料としては、当業者に良く知られている、慣用的な材料、例えば、フィルム(ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)−例えば、低分子量のポリエチレン(HDPE)又は高分子量のポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド)、フリース、発泡体(フォーム)、織布及び織フィルム(Gewebefolien)並びに剥離紙(グラシン)などが適している。特に好ましい方法では、本発明の両面型の
熱活性化接着性の製品は、ポリエチレンテレフタレート−支持フィルム及びそれぞれ黒色に着色された
熱活性化接着フィルム、好ましくは、該フィルムの両面上のフェノール樹脂/ニトリルゴムをベースとする反応系をベースとするフィルムからなる。
【0053】
好ましくは、
熱活性化接着フィルムは、本明細書の範囲内の上記で説明したように使用される。
【0054】
支持フィルムは、緩和されるか、一つ又は多数の優先方向を有することができる。優先方向は、一つの方向又は二つの方向における伸張によって得られる。例えば、PETフィルムの製造プロセスに関して、ブロッキング防止剤、例えば、二酸化ケイ素、シリカチョーク又はチョーク、ゼオライトなどが投入できる。支持フィルムは、それ自体が透明であるか又は半透明であることができるか、あるいは、それ自体が、特に黒色に着色されることによって低い光透過性を有する。これは、例えば、着色顔料をフィルム材料に混合することによって加えることができる。そのような場合に適しているのは、例えば、黒色に着色するのにカーボンブラックが特に適している。しかしながら、顔料又は粒子は、支持フィルムの層の最終的な厚さよりも常に小さい径を有するべきである。最適な着色は、フィルム材料に基づいて5〜40重量%の粒子割合で達成できる。
【0055】
フィルムはさらに、エッチング(例えば、トリクロロ酢酸又はトリフルオロ酢酸)するか、コロナ又はプラズマで前処理するか、あるいはプライマー(例えば、Saran)を塗工することができる。
【0056】
本発明の接着フィルムを製造するために、最初に、
接着剤を黒色に着色し、そして接着フィルム(
接着剤の層)に、特に、一時的な支持材料(剥離ライナー)を使用して形成するのが好ましい。既に、不透明な黒色の色に着色された
熱活性化接着フィルムは、それから、同時に加熱したローラーによって、a)115℃〜135℃及びb)140℃〜185℃で、v=10m/分で、例えば、23μmのPETフィルム上に連続的に積層される。
【0057】
重合性化合物の軟化点の表示は、DIN EN1427:2007の規定を適当に使用することによる環球法を介して行われる(ビチューメンに変えてポリマーの試料を調査する以外、方法プロセスは保持される。)。測定は、グリセリン浴中で行われる。軟化点についての表示は、この測定の結果に関係する。
【0058】
平均分子量MW及び多分散性PDの測定は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使って行った。溶質として、0.1体積%のトリフルオロ酢酸を有するTHFを使用した。測定は25℃で行った。プレカラムとして、PSS−SDV、5μm、103Å(10
−7m)、ID 8.0mm×50mmを使用した。分離のために、それぞれが、ID 8.0mm×300mmを有する、カラムPSS−SDV、5μm、103Å(10
−7m)、105Å(10
−5m)及び106Å(10
−4m)を使用した。試料の濃度は、4g/lであり、流量は1分当たり1.0mlであった。PMMA−基準に対して測定を行った。