【実施例】
【0114】
実施例1:例示的化合物の合成
方法および材料
すべての試薬は、市販されており、別段の指定のない限り、さらに精製することなく使用した。すべての溶媒は、別段の指定のない限り無水グレードであった。すべての非水性反応を、別段の注記のない限り、アルゴンのわずかな陽圧の下、オーブンで乾燥させたガラス製品内で実施した。反応を磁気によって撹拌し、シリカゲルによる薄層クロマトグラフィーによってモニターした。カラムクロマトグラフィーは、粒径40〜63μmのシリカゲルで実施した。分光学的に純粋な化合物について、収量を記録する。融点は、Electrothermal MEL−TEMP(登録商標)1101D融点装置で記録したが、補正はしていない。NMRスペクトルは、Bruker AVANCE 600分光計で記録した。化学シフトは、テトラメチルシラン(TMS)に対してδ値で示す。結合定数JはHzで示す。内部標準は、
1H−NMRスペクトルについてはCDCl
3(δ
H=7.24)、MeOH−d
4(δ
H=3.31)またはD
2O(δ
H=4.79)、
13C−NMRスペクトルについてはCDCl
3(中心線のδ
c=77.0)またはMeOH−d
4(δ
c=49.15)であった。分裂パターンを、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br(ブロード)およびdd(二重線の二重線)として報告する。IRスペクトルは、Thermo Nicolet 380 FT−IR分光計で記録した。旋光は、Perkin−Elmer Model 341旋光計で記録した。高分解能ESI質量スペクトルは、Bruker Daltonics分光計で記録した。
3−ニトロ−6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[7]アンヌレン−5−オン(4)
【化34】
【0115】
KNO
3(2.8g、27.7mmol)の濃H
2SO
4(7.5mL)溶液を、ベンゾスベロン(4.0g、25mmol)の濃H
2SO
4(28mL)中混合物に、0℃で30分かけて滴下添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、次にクラッシュアイスに注いだ。沈殿物を濾過し、水ですすぎ、乾燥させた。粗生成物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:4)によって精製して、純粋なニトロ生成物4(3.69g、72%)を得た。C
11H
11NO
3;白色針状物質、mp90〜92℃(lit.
S1mp89〜90℃)(Murineddu, G.ら、J. Med. Chem. 2005年、48巻、7351頁);TLC(EtOAc/ヘキサン、1:4)R
f=0.31;
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 8.53 (1 H, d, J = 2.5 Hz), 8.22 (1 H, dd, J = 8.3, 2.5 Hz), 7.37 (1 H, d, J = 8.3 Hz), 3.01 (2 H, t, J = 6.4 Hz), 2.77 (2 H, t, J = 6.1 Hz), 1.94-1.90 (2 H, m), 1.85-1.81 (2 H, m);
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ 203.4, 148.0, 147.0, 139.8, 131.0, 126.2, 123.9, 40.4, 32.4, 24.7, 20.5
3−ヒドロキシ−6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[7]アンヌレン−5−オン(5)
【化35】
【0116】
化合物4(2.05g、10mmol)およびSn(8.31g、70mmol)の濃HCl(45mL)およびエタノール(25mL)中混合物を、50分間加熱還流させた。混合物を室温に冷却し、溶液を、30%NaOH水溶液で塩基性にした。混合物をセライトのパッドを通して濾過し、エタノールで洗浄した。濾液をEtOAc(5×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO
4により乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、ほとんど純粋なアミン生成物(1.45g)を黄色がかった固体として得た。
【0117】
冷たい(0℃)先に調製したアミン化合物(1.45g、8.3mmol)の10%H
2SO
4水溶液(40mL)に、NaNO
2(687mg、9.96mmol)の水(3mL)中の溶液を注意深く添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次にスルファミン酸を添加して、過剰の亜硝酸を分解した。懸濁液を濾過し、濾液を10%H
2SO
4水溶液(100mL)およびトルエン(50mL)に注いだ。混合物を3日間室温で撹拌した。水層を分離し、EtOAc(5×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:4)によって精製して、実際に純粋なフェノール生成物5(1.11g、全収率76%)を得た。C
11H
12O
2;黄色固体、mp98〜100℃(lit.
S2mp96〜99℃)(Smith, P. A. S.;Berry, W. L. J. Org. Chem. 1961年、26巻、27頁);TLC(EtOAc/ヘキサン、3:7)R
f=0.37;
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 7.33 (1 H, d, J = 2.8 Hz), 7.07 (1 H, d, J = 8.2 Hz), 6.94 (1 H, dd, J = 8.2, 2.8 Hz), 6.27 (1 H, s, OH), 2.84 (2 H, t, J = 5.7 Hz), 2.72 (2 H, t, J = 6.4 Hz), 1.86-1.76 (4 H, m);
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ 206.7, 154.7, 139.2, 133.9, 131.3, 119.8, 114.9, 40.8, 31.6, 25.3, 20.8.
_3−ベンジルオキシ−6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[7]アンヌレン−5−オン(6)
【化36】
【0118】
化合物5(1.25g、7.1mmol)の無水DMF(10mL)溶液を、炭酸カリウム(2.1g、15.2mmol)および臭化ベンジル(1mL、8.4mmol)で処理した。懸濁液を室温で24時間激しく撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、Et
2O(4×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(3×20mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:9)によって精製して、純粋なベンジルオキシ生成物6(1.85g、98%)を得た。C
18H
18O
2;淡黄色油;TLC(EtOAc/ヘキサン、1:9)R
f=0.37;
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 7.41 (2 H, d, J = 7.2 Hz), 7.37-7.35 (3 H, m), 7.31 (1 H, d, J = 7.4 Hz), 7.10 (1 H, d, J = 8.3 Hz), 7.02 (1 H, dd, J = 8.3, 2.9 Hz), 5.06 (2 H, s), 2.86 (2 H, t, J = 5.8 Hz), 2.71 (2 H, t, J = 6.2 Hz), 1.84-1.78 (4 H, m);
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ 205.6, 157.4, 139.5, 136.7, 134.2, 131.0, 128.5 (2 ×), 127.9, 127.5 (2 ×), 119.7, 113.2, 70.1, 40.7, 31.6, 25.3, 20.8.
3−ベンジルオキシ−7,8,9,10−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[8]アンヌレン−6−オン(7)
【化37】
【0119】
(トリメチルシリル)ジアゾメタン(5mL、ヘキサン中約2M溶液、10mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中の溶液を、撹拌した化合物6(1.6g、6mmol)およびBF
3・OEt
2(820μL、10mmol)のCH
2Cl
2(20mL)溶液に、0℃で1時間かけて滴下添加した。混合物を0℃で12時間撹拌し、次にクラッシュアイスに注いだ。水層をCH
2Cl
2(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濃縮してオレンジ色の油を得、それをシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:19)によって精製して、純粋なシクロオクタノン生成物7(1.23g、73%)を得た。C
19H
20O
2;無色油;TLC(EtOAc/ヘキサン、1:9)R
f=0.29;
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 7.40 (2 H, d, J = 7.4 Hz), 7.37-7.34 (2 H, m), 7.31-7.29 (1 H, m), 7.09 (1 H, d, J = 8.4 Hz), 6.84 (1 H, dd, J = 8.4, 2.7 Hz), 6.75 (1 H, d, J = 2.7 Hz), 5.01 (2 H, s), 3.72 (2 H, s), 2.74 (2 H, t, J = 5.8 Hz), 2.31 (2 H, t, J = 5.3 Hz), 1.81-1.77 (2 H, m), 1.72-1.68 (2 H, m);
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ 211.8, 157.4, 136.9, 134.7, 133.4, 131.2, 128.5 (2 ×), 127.9, 127.5 (2 ×), 116.0, 114.4, 70.0, 48.8, 41.0, 32.3, 31.5, 24.7.
3−ベンジルオキシ−6−トリイソプロピルシリルオキシ−5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロベンゾ[8]アンヌレン(8)
【化38】
【0120】
化合物7(4.8g、17.1mmol)のメタノール(40mL)中の溶液を、NaBH
4(970mg、25.7mmol)とともに0℃で1時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をCH
2Cl
2(80mL)に溶解し、1MのHCl水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、アルコール粗生成物を無色泡状物質として得た(4.8g)。
【0121】
トリイソプロピルシリルトリフルオロメタンスルホネート(9.2mL 34.2mmol)を、先に調製したアルコール(4.8g、17.0mmol)および2,6−ルチジン(8mL、68.7mmol)の無水CH
2Cl
2(50mL)の冷たい(0℃)溶液に、3分間かけて滴下添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次にCH
2Cl
2(100mL)で希釈した。溶液を飽和NaHCO
3水溶液(50mL)、1MのHCl水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:9)によって精製して、純粋なシリルエーテル生成物8を得た(7.2g、全収率96%)。C
28H
42O
2Si;無色シロップ;TLC(EtOAc/ヘキサン、1:9)R
f=0.51;
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 7.41 (2 H, d, J = 7.4 Hz), 7.37-7.34 (2 H, m), 7.31-7.28 (1 H, m), 6.99 (1 H, dd, J = 6.6, 2.5 Hz), 6.75-6.74 (2 H, m), 5.01 (2 H, s), 3.96-3.93 (1 H, m), 2.91-2.83 (2 H, m), 2.77-2.72 (1 H, m), 2.65-2.61 (1 H, m), 1.76-1.72 (1 H, m), 1.71-1.64 (1 H, m), 1.50-1.41 (3 H, m), 1.18-1.15 (1 H, m), 1.07-1.05 (21 H, m);
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ 156.8, 138.5, 137.3, 134.1, 130.1, 128.5 (2 ×), 127.8, 127.5 (2 ×), 116.7, 112.5, 73.8, 70.0, 40.9, 34.5, 32.3, 32.0, 20.8, 18.2 (6 ×), 12.4 (3 ×).
3−ヒドロキシ−6−トリイソプロピルシリルオキシ−5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロベンゾ[8]アンヌレン−2−カルバルデヒド(9)
【化39】
【0122】
化合物8(7.1g、16.2mmol)のメタノール(50mL)およびEtOAc(20mL)溶液を、Pd/C(100mg)を用いて水素雰囲気下で処理した。1時間撹拌した後、混合物を、セライトを通して濾過し、EtOAcですすいだ。濾液を濃縮して、淡褐色シロップ(5.6g)を得、それを、無水アセトニトリル(150mL)中、無水MgCl
2(4.64g、48.6mmol)、トリエチルアミン(13.5mL、97.2mmol)およびパラホルムアルデヒド(4.86g、162mmol)で処理した。懸濁液を12時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、得られた濃い黄色の懸濁液を、1MのHCl水溶液(200mL)で酸性にした。溶液をEtOAc(5×150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(200mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:19)によって精製して、純粋なサリチルアルデヒド生成物9(5.3g、2つのステップで87%)を得た。C
22H
36O
3Si;淡黄色シロップ;TLC(EtOAc/ヘキサン、1:9)R
f=0.71;
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 10.77 (1 H, s), 9.79 (1 H, s), 7.24 (1 H, s), 6.76 (1 H, s), 4.03-3.99 (1 H, m), 2.94-2.88 (2 H, m), 2.81-2.76 (1 H, m), 2.71-2.67 (1 H, m), 1.80-1.75 (1 H, m), 1.72-1.66 (1 H, m), 1.52-1.46 (2 H, m), 1.43-1.38 (1 H, m), 1.24-1.16 (1 H, m), 1.07-1.05 (21 H, m);
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ 195.9, 159.5, 148.2, 133.8, 133.7, 119.5, 118.8, 73.2, 41.0, 34.4, 32.2, 32.1, 20.6, 18.1 (6 ×), 12.4 (3 ×).
_エチル6,7,8,9,10,11−ヘキサヒドロ−2−オキソ−10−トリイソプロピルシリルオキシ−2H−シクロオクタ[g]クロメン−3−カルボキシレート(10)
【化40】
【0123】
化合物9(3.6g、9.57mmol)およびマロン酸ジエチル(2.88mL、19.0mmol)のエタノール(30mL)中の溶液を、ピペリジン(0.3mL、3.03mmol)および氷AcOH(0.1mL、1.73mmol)で処理した。混合物を4時間加熱還流し、次に室温に冷却した。混合物を濃縮し、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:9)によって精製して、純粋なクマリン生成物10(3.75g、83%)を得た。C
27H
40O
3Si;白色固体、mp91〜93℃;TLC(EtOAc/ヘキサン、1:9)R
f=0.20;
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 8.45 (1 H, s), 7.30 (1 H, s), 7.14 (1 H, s), 4.38 (2 H, q, J = 7.1 Hz), 4.05-4.02 (1 H, m), 3.03-2.96 (2 H, m), 2.87-2.82 (1 H, m), 2.78-2.76 (1 H, m), 1.76-1.74 (1 H, m), 1.69-1.59 (2 H, m), 1.48-1.44 (2 H, m), 1.38 (3 H, t, J = 7.1 Hz), 1.19-1.16 (1 H, m), 1.11-1.03 (21 H, m);
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ 163.4, 157.2, 153.4, 148.6, 145.6, 139.0, 129.2, 118.0, 117.1, 116.4, 73.1, 61.8, 41.0, 34.5, 32.4, 32.0, 20.6, 18.1 (6 ×), 14.2, 12.4 (3 ×).
_10−ヒドロキシ−6,7,8,9,10,11−ヘキサヒドロ−シクロオクタ[g]クロメン−2−オン(11)
【化41】
【0124】
化合物10(473mg、1mmol)の濃HCl(5mL)および酢酸(5mL)溶液を、12時間加熱還流した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:3)によって精製して、純粋なクマリン生成物11(213mg、87%)を無色固体として得た。
6,7,8,9−テトラヒドロ−11H−シクロオクタ[g]クロメン−2,10−ジオン(12)
【化42】
【0125】
ジメチルスルホキシド(0.25mL、3.52mmol)のCH
2Cl
2(3mL)溶液を、撹拌した塩化オキサリル(0.15mL、1.77mmol)のCH
2Cl
2(3mL)溶液に、−78℃において窒素雰囲気下で滴下添加した。溶液を−78℃で30分間撹拌し、次にアルコール11(300mg、1.23mmol)のCH
2Cl
2(15mL)溶液を添加した。混合物を−78℃でさらに30分間撹拌し、次にトリエチルアミン(1.2mL、8.6mmol)を添加した。混合物を室温にして30分間温め、次に水(20mL)に注いだ。混合物をCH
2Cl
2(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:4)によって精製して、純粋なオキソ−クマリン生成物12(253mg、85%)を無色固体として得た。
_10,11−デヒドロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−シクロオクタ[g]クロメン−2−オン(1)
【化43】
【0126】
KHMDS(トルエン中0.5M溶液、2.2mL、1.1mmol)を、化合物12(242mg、1mmol)の無水THF(20mL)溶液に−78℃で滴下添加した。−78℃で30分間撹拌した後、N−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(Tf
2NPh、375mg、1.05mmol)のTHF(2mL)溶液を滴下添加した。混合物を0℃に温め、30分間撹拌した。KHMDS(トルエン中0.5M溶液、2.2mL、1.1mmol)を、混合物に再び滴下添加した。0℃で1時間撹拌した後、混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、NaHCO
3の飽和水溶液(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー((EtOAc/ヘキサン、1:4)によって精製して、純粋なクマリン縮合シクロオクチン1(137mg、全収率61%)を無色固体として得た。
_エチル(E)−3−(7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−イル)−アクリレート(13)
【化44】
【0127】
グルタコン酸ジエチル(4.5mL、32mmol)を、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(4.14g、30mmol)のメタノール(90mL)中の溶液に添加し、その後、6滴のピペリジンを添加した。混合物を24時間加熱還流させ、ゆっくり室温に冷却し、次に−20℃に冷却した。黄色固体を濾過し、ジエチルエーテルですすぎ、乾燥させて、所望のクマリン化合物13を得た(7.02g、90%)。C
14H
12O
5;淡黄色固体;TLC(EtOAc/ヘキサン、3:7)R
f=0.25;
1H NMR (600MHz, CD
3OD) δ 8.13 (1H, s), 7.55 (1H, dd, J=16.5, 0.6Hz), 7.51 (1H, d, J=8.6Hz), 6.91 (1H, d, J=16.5Hz), 6.79 (1H, dd, J=8.6, 2.4Hz), 6.70 (1H, d, J=2.4, 0.6Hz), 4.22 (2H, q, J=6.9Hz), 1.30 (3H, t, J=6.9Hz).
_エチル(E)−3−[7−(トリメチルシリル)エチニル−2−オキソ−2H−クロメン−3−イル]−アクリレート(15)
【化45】
【0128】
ヒドロキシクマリン13(7.02g、27mmol)およびピリジン(11.8mL、145.8mmol)のCH
2Cl
2(150mL)中の冷たい(0℃)溶液に、Tf
2O(11.8mL、70.2mmol)を添加した。室温で16時間撹拌した後、混合物をCH
2Cl
2(150mL)で希釈し、1MのHCl水溶液(100mL)および飽和NaHCO
3水溶液(100mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、ショートシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーによって、CH
2Cl
2の溶出により精製して、トリフレート生成物14を得た(9.0g、85%)。
【0129】
先に調製したクマリントリフレート(9.0g、22.9mmol)、PdCl
2(PPh
3)
2(0.801g、1.14mmol)およびCuI(0.432g、2.27mmol)の無水DMF(100mL)中混合物を、約1時間かけて窒素でフラッシュした。ジイソプロピルエチルアミン(7.5mL)を添加した。混合物を90℃に加熱し、次にトリメチルシリルアセチレン(4.9mL、35mmol)を滴下添加した。90℃で2時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/ヘキサン、1:1)によって精製して、カップリング生成物15(5.53g、71%)を淡黄色固体として得た。
_7−(トリメチルシリル)エチニル−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルバルデヒド(16)
【化46】
【0130】
オゾンを、エチルエステル15(1.04g、3.06mmol)の溶液中に−78℃で発泡させた。溶液の黄色は、約5分で消失した。酸素を溶液中に10分間発泡させ、その後ジメチルスルフィド(0.8mL、10.82mmol)を一度に添加した。混合物を室温に温め、さらに6時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:4)によって精製して、所望の3−ホルミルクマリン16を得た(720mg、87%)。C
15H
14O
3Si;淡黄色固体;TLC(EtOAc/ヘキサン、3:7)R
f=0.51;
1H NMR (600MHz, CDCl
3) δ 10.22 (1H, s), 8.35 (1H, s), 7.58 (1H, d, J=8.0Hz), 7.42 (1H, s), 7.38 (1H, d, J=8.1Hz), 0.26 (9H, s).
_(E)−7−エチニル−3−[N−(4−スルホナトブチル)−3,3−ジメチル−3H−インドリウム−2−イル]エテニル−2H−クロメン−2−オン(C)
【化47】
【0131】
ピロリジン(83μL、1mmol)を、3−ホルミルクマリン16(135mg、0.5mmol)およびスルホン化インドリウム塩17(147mg、0.5mmol)のエタノール(10mL)中懸濁液に添加した。混合物を室温で24時間撹拌し、次に減圧下で濃縮乾燥させた。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH、1:5〜1:2)によって精製して、中間体生成物を得た(123mg、45%)。
【0132】
フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M溶液、0.46mL、0.46mmol)を、先に調製した中間体化合物(123mg、0.23mmol)のメタノール(10mL)中の溶液に0℃で添加した。混合物を0℃で2時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH、1:3)によって精製して、所望の生成物C(61mg、56%)を真紅色の固体として得た。
_3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−5−オン(S1)
【化48】
【0133】
ニトロ化合物4(2.05g、10mmol)およびSn(8.31g、70mmol)の濃HCl(45mL)およびエタノール(25mL)中混合物を、50分間加熱還流させた。混合物を室温に冷却し、30%NaOH水溶液で塩基性にした。混合物を、セライトのパッドを通して濾過し、エタノールで洗浄した。濾液をEtOAc(5×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、分析的に純粋なアミノ生成物S1(1.44g、82%)を得た。C
11H
13NO、黄色がかった固体、mp102〜104℃(lit.
[S1]mp103〜105℃);TLC(EtOAc/ヘキサン、3:7)R
f=0.29;
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 7.02 (1 H, d, J = 2.6 Hz), 6.96 (1 H, d, J = 8.0 Hz), 6.72 (1 H, dd, J = 8.0, 2.6 Hz), 3.65 (2 H, br s, NH), 2.79 (2 H, t, J = 5.5 Hz), 2.67 (2 H, t, J = 6.6 Hz), 1.81-1.74 (4 H, m);
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ 206.2, 144.9, 139.3, 131.6, 130.7, 118.8, 114.5, 40.8, 31.5, 25.4, 20.9; HRMS calcd for C
11H
14NO: 176.1070, found: m/z 176.1069 [M + H]
+.
_10−ベンジル−6,7,8,9−テトラヒドロ−シクロオクタトリアゾロ[5,4−g]クロメン−2(2H)−オン(1−A)
【化49】
【0134】
化合物1(50mg、0.22mmol)のCH
3CN(5mL)溶液を、ベンジルアジド(44μL、0.33mmol)で処理した。室温で2時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、3:7)によって精製して、所望のトリアゾール生成物1−A(75mg、95%)を得た。C
22H
19N
3O
2、無色固体、mp60〜62℃;TLC(EtOAc/ヘキサン、1:1)R
f=0.35;
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 7.75 (1 H, s), 7.65 (1 H, d, J = 9.4 Hz), 7.37-7.32 (3 H, m), 7.24 (1 H, s), 7.20-7.19 (2 H, m), 6.39 (1 H, d, J = 9.4 Hz), 5.50 (2 H, s), 2.69-2.67 (2 H, m), 2.65-2.63 (2 H, m), 1.79-1.75 (2 H, m), 1.67-1.64 (2 H, m);
13C NMR (150 MHz, CDCl
3) δ 161.0, 152.4, 143.1, 136.1, 135.3, 135.0, 134.4, 129.0 (2 ×), 128.7, 128.4, 128.1, 127.1 (2 ×), 126.9, 116.7, 116.4, 51.9, 30.8, 30.6, 23.9, 20.0; HRMS calcd for C
22H
20N
3O
2: 358.1550, found: m/z 358.1548 [M + H]
+.
_N−[2−(11−オキソ−4,6,7,11−テトラヒドロクロメノ[7’,6’:3,4]シクロオクタ[1,2−d][1,2,3]トリアゾール−3(5H)−イル)アセトアミド−2−デオキシ−α,β−D−マンノピラノース(1−B)
【化50】
【0135】
化合物1(50mg、0.22mmol)のMeOH(5mL)および水(1mL)中の溶液を、N−アジドアセチルマンノサミン(142mg、0.33mmol)で処理した。室温で2時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(MeOH/CH
2Cl
2、1:9)によって精製して、所望のトリアゾール生成物1−B(98mg、92%)を得た。C
23H
26N
4O
8、無色固体、mp170〜172℃(dec.);TLC(MeOH/CH
2Cl
2、1:8)R
f=0.25;
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.04 (1 H, d, J = 9.5 Hz),7.59 (1 H, s), 7.52 (1 H, s), 6.48 (1 H, d, J = 9.5 Hz), 5.15 (1 H, d, J = 2.9 Hz), 5.11 (1 H, d, J = 6.9 Hz), 4.98-4.85 (1 H, m), 4.89-4.81 (2 H, m), 4.44-4.38 (1 H, m), 3.61-3.59 (3 H, m), 3.53-3.45 (2 H, m), 3.42-3.37 (1 H, m), 3.16-3.14 (2 H, m), 2.86-2.82 (2 H, m), 2.72-2.70 (2 H, m), 1.78 (2 H, br s), 1.61 (2 H, br t, J = 5.5 Hz);
13C NMR (150 MHz, DMSO-d
6) δ 165.2, 160.1, 151.9, 143.8, 140.6, 137.0, 135.9, 134.7, 128.8, 118.6, 116.1, 115.2, 92.5, 90.4, 72.9, 72.1, 71.0, 70.5, 68.2, 67.5, 61.5, 61.0, 54.7, 54.2, 50.0, 49.9, 30.6, 29.9, 22.8, 19.6; HRMS calcd for C
23H
27N
4O
8: 487.1829, found: m/z 487.1827 [M + H]
+.
実施例2:生体分子の検出および画像化
分光学的材料および方法
【0136】
化合物1、ならびにトリアゾール生成物1−Aおよび1−Bのすべての分光学的測定を、PBS緩衝液中10%DMSOの混合物において実施した(
図11)。UV−visスペクトルおよび蛍光スペクトルを、Molecular Devices Spectramax M5分光計で記録した。実験ごとに、吸光度スペクトルを吸光度範囲0.07〜0.7(l=10cm)内で測定した。量子収率を、積分蛍光発光360〜550nm(330nmにおいて励起)対吸光度の勾配から、硫酸キニーネ(Φ
f=0.54±0.03)
[S3]を蛍光標準として使用して決定した。量子収率を、以下の等式に従って4点の平均として計算した:Φ
sample=Φ
standard(A
standard/A
sample)(F
sample/F
standard)(n
sample/n
standard)
2。ここで、「Φ」は、量子収率であり、「A」は、励起周波数における吸光度であり、「F」は、発光曲線下面積であり、「n」は、溶媒の屈折率である。
【0137】
図6の表1は、模擬生理的条件(10%DMSOを含有するPBS緩衝液、pH7.4、37℃)下で記録した、化合物1ならびにトリアゾール生成物1−Aおよび1−Bの吸収および蛍光データを示す。トリアゾール1−Aおよび1−Bの形成には、蛍光強度の有意な増大と、クマリン発光の標準範囲に入る大きいストークスシフトが伴っていた(
図8a)。330nmにおいて励起すると、化合物1は、405nmに中心を有する弱い発光帯を生じ、量子収率は低かったが(Φ
f=0.011)、トリアゾール1−Aおよび1−Bの両方は、435nmにおいて強い蛍光を呈し、量子収率はそれぞれ0.23および0.21であった。
蛍光分光法による時間経過の測定
【0138】
生体分子標識に対してより典型的であると思われる条件下でSPAAC反応をプローブするために、化合物1とN−アジドアセチルマンノサミン(ManNAz)の反応について、蛍光応答および時間経過を調査した。この実験では、ManNAzの90%超が40分で消費され、蛍光強度が1時間未満で定常値に達したことが示された(
図8b)。
【0139】
化合物1(30μmol)およびN−アジドアセチルマンノサミン(15μmol)のPBS緩衝液中10%DMSO(2.5mL)混合物中溶液を、37℃でインキュベートした。330nmにおいて励起すると、5分間隔で435nmの蛍光発光強度がモニターされた。点ごとに、5秒間にわたって蛍光強度を測定し、合計3点で平均した。対照実験では、N−アセチルマンノサミン(15μmol)を溶液に添加したことを除いて、同じ条件を使用した。
_
1H NMRによる化合物(1)の反応速度の測定
【0140】
実験I:化合物1およびベンジルアジドを、CD
3CNに予め溶解させ、次に20mMの等モル濃度で混合した。反応を1時間にわたって
1H−NMR分析によってモニターした。各成分の濃度を、
1H−NMRスペクトルにおける複数の化学シフトにおいて積分することによって、初期化合物1の濃度に基づいて決定した。1/[1](M
−1)対時間(秒)をプロットすることによって、線形回帰分析を使用して、二次速度定数を単位M
−1s
−1で決定した。この手順を、20mMの濃度で3回反復して、25℃で速度定数0.012M
−1s
−1を得た(
図4B)。
【0141】
実験II:化合物1およびN−アジドアセチルマンノサミンを、CD
3OD/D
2O(5:1、v/v)に予め溶解させ、次に20mMの等モル濃度で混合した。反応を1時間にわたって
1H−NMR分析によってモニターした。各成分の濃度を、
1H−NMRスペクトルにおける複数の化学シフトにおいて積分することによって、初期化合物1の濃度に基づいて決定した。1/[1](M
−1)対時間(秒)をプロットすることによって、線形回帰分析を使用して、二次速度定数を単位M
−1s
−1で決定した。この手順を、20mMの濃度で3回反復して、25℃で速度定数0.010M
−1s
−1を得た(
図11)。
実施例3:生細胞における蛍光標識の顕微鏡分析
【0142】
細胞中の蛍光標識されたアジド複合糖質を観測するために、CL1−5細胞(肺がん細胞株)をチャンバスライド上に播種し(1ウェル当たり細胞2.5×10
4個/0.5mL)、培地(10%FBS、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、1mMのL−グルタミンおよび1mMのピルビン酸ナトリウムを補充したRPMI−1640)中、200μMの対照糖(過アセチル化(peracetylated)N−アセチルマンノサミン、Ac
4ManNAc)またはアジド糖(過アセチル化アジド−N−アセチルマンノサミン、Ac
4ManNAz)のいずれかとともに3日間インキュベートした。
【0143】
生細胞の低速度画像化では、細胞を培養条件に維持するために、インキュベーターを備えた共焦点顕微鏡(TCS−SP5−MP−SMD、Leica)を使用して実験を実施した。予め洗浄した細胞を、10%DMSOを含むPBS緩衝液中、100μMの化合物1とともにインキュベートし、450nmの発光において5分間隔で細胞の画像を取得した。
【0144】
アジド−グリカンの局在を比較するために、プローブ標識細胞をPBSで洗浄し、PBS中3%パラホルムアルデヒドで室温において20分間固定化し、PBS中0.2%Triton X−100で室温において20分間透過処理し、PBS中3%ウシ血清アルブミンで室温において30分間ブロックした。細胞を、ゴルジについてはフルオレセインコンジュゲートWGAレクチンで、核についてはヨウ化プロピジウム(PI)で染色した(
図12)。
【0145】
生細胞の画像化における化合物1の性能を調査した。侵襲性が高い肺がん細胞であるCL1−5を、過アセチル化アジド−N−アセチルマンノサミン(Ac
4ManNAz、200μM)の存在下で3日間培養して、アジド−シアル酸を発現した細胞を代謝的に産生した。負の対照として、CL1−5細胞を、過アセチル化N−アセチルマンノサミン(Ac
4ManNAc、200μM)の存在下で増殖させた。時間経過実験は、100μMの化合物1を処理することによって実施し(1回)、細胞を5分間隔で非洗浄および非固定化条件に曝露することによって実施した(
図8および
図12)。Ac
4ManNAzで処理した細胞は、時間依存性の蛍光強度の増大を示し、細胞標識は、1.5時間後に完了した。それとは対照的に、対照細胞は蛍光染色をほとんど呈していなかった。このことはバックグラウンド標識が無視できることを示している。さらに、生細胞におけるアジド含有複合糖質の局在を、共焦点顕微鏡によって可視化した。その後、化合物1によって標識した細胞を、フルオレセインコンジュゲートWGAレクチン(ゴルジマーカー)およびヨウ化プロピジウム(PI、核マーカー)で染色した。クマリンプローブに由来する青色蛍光シグナルは、細胞質ゾルにおいて明らかに示される標識シアリル化グリカンに由来するものであり(
図4)、これらのグリカンは、部分的にゴルジ装置染色と共局在していたが、核染色とは共局在していなかった。
【0146】
均等物および範囲
請求項において、冠詞、例えば、「a」、「an」、および「the」などは、それとは反対に示されていない限り、または文脈から別段に明白でない限り、1つまたは1つを超えるを意味し得る。群の1つまたは複数の項の間に「または」を含む請求項または記載は、それとは反対に示されていない限り、または文脈から別段に明白でない限り、群の項の1つ、1つより多くのもの、またはすべてが、所与の生成物またはプロセス内に存在し、これらの中で使用され、またはこれらと別段に関連している場合、満たされていると見なされる。本発明は、群の正確に1つの項が所与の生成物またはプロセス内に存在し、これらの中で使用され、またはこれらと別段に関連している実施形態を含む。本発明は、群の項の1つ超またはすべてが所与の生成物またはプロセス内に存在し、これらの中で使用され、またはこれらと別段に関連している実施形態を含む。
【0147】
さらに、本開示は、列挙された請求項の1つまたは複数に由来する1つまたは複数の限定事項、要素、条項、および記述用語が別の請求項に導入されているすべての変形形態、組合せ、および順序を包含する。例えば、別の請求項に従属している任意の請求項を、同じ基本請求項に従属している任意の他の請求項に見出される1つまたは複数の限定事項を含むように改変することができる。要素がリストとして、例えば、マーカッシュ群形式で提示されている場合、要素の各亜群も開示されており、任意の要素(単数または複数)をその群から除くことができる。一般に、本開示または本開示の態様が特定の要素および/または特徴を含むように言及されている場合、本開示のある特定の実施形態または本開示の態様は、このような要素および/または特徴からなり、または本質的になることが理解されるべきである。単純にする目的のために、このような実施形態は、本明細書にその通りの言葉で具体的に示されていない。用語「含む」および「含有する」は、オープンであることを意図し、追加の要素またはステップを含むことを可能にすることも留意される。範囲が与えられている場合、終点は含まれる。さらに、別段の指定のない限り、または文脈および当業者の理解から別段に明白でない限り、範囲として表現されている値は、文脈により別段に明らかに要求されない限り、その範囲の下限の単位の10分の1まで、本開示の異なる実施形態において述べられた範囲内の任意の特定の値またはサブ範囲を想定することができる。
【0148】
本願は、様々な発行済み特許、公開済み特許出願、ジャーナル論文、および他の刊行物を参照し、これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれている。組み込まれた参考文献のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、明細書が支配するものとする。さらに、先行技術の中に入る本発明の任意の特定の実施形態は、請求項の任意の1つまたは複数から明示的に除外され得る。そのような実施形態は、当業者に公知であると見なされるので、これらは、除外が本明細書で明示的に示されていなくても除外され得る。本開示の任意の特定の実施形態は、先行技術の存在に関連しているか否かにかかわらず、任意の理由で任意の請求項から除外することができる。
【0149】
当業者は、ごく日常的な実験方法を使用して、本明細書に記載の具体的な実施形態の多くの等価物を認識し、または確認することができる。本明細書に記載の本実施形態の範囲は、上記記載に限定されるように意図されておらず、むしろ、添付の特許請求の範囲に示されている通りである。当業者は、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本記載に対する様々な変更および改変を行うことができることを理解する。
(参考文献)
【数1】
【0150】
本明細書で引用したすべての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれるように具体的かつ個々に示されているように参照により本明細書に組み込まれている。
【0151】
前述の発明を、理解を明確にする目的で例示および実施例によって幾分詳細に記載してきたが、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、ある特定の変更および改変を前述の発明に対して行われ得ることが、本発明の教示を踏まえると当業者に容易に明らかとなる。