特許第6211095号(P6211095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6211095-ヒドロシリル化方法 図000018
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6211095
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】ヒドロシリル化方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 7/08 20060101AFI20171002BHJP
   B01J 35/10 20060101ALI20171002BHJP
   B01J 23/42 20060101ALI20171002BHJP
   B01J 31/06 20060101ALI20171002BHJP
   B01J 29/03 20060101ALI20171002BHJP
   C07B 61/00 20060101ALI20171002BHJP
【FI】
   C07F7/08 X
   B01J35/10 301J
   B01J23/42 Z
   B01J31/06 Z
   B01J29/03 Z
   B01J35/10 301G
   C07B61/00 300
【請求項の数】19
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-548617(P2015-548617)
(86)(22)【出願日】2013年12月20日
(65)【公表番号】特表2016-501905(P2016-501905A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】EP2013077581
(87)【国際公開番号】WO2014096306
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年11月18日
(31)【優先権主張番号】1262643
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515170632
【氏名又は名称】ブルースター シリコンズ フランス エスエーエス
(73)【特許権者】
【識別番号】515170643
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ クロード バーナード リヨン 1
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】チウリュ、 クロエ
(72)【発明者】
【氏名】サヤ エル レイエス、 レイネ
(72)【発明者】
【氏名】ザノタ、 マリー‐リヌ
(72)【発明者】
【氏名】メイリー、 ヴァレリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴィエ、 リシャール
(72)【発明者】
【氏名】マロ、 セバスティアン
【審査官】 桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0257006(US,A1)
【文献】 特開2001−058995(JP,A)
【文献】 特表2008−522799(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0068807(US,A1)
【文献】 特開2000−159781(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/142148(WO,A1)
【文献】 特表2008−535645(JP,A)
【文献】 M. BOUALLEG,JOURNAL OF CATALYSIS,2011年12月 1日,V284 N2,P184-193
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 7/08
B01J 23/42
B01J 29/03
B01J 31/06
B01J 35/10
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素原子に直接結合している少なくとも1つの水素原子を含む有機ケイ素化合物(O)の存在下、かつ、細孔と、金属ナノ粒子が含まれている酸化シリコン壁からなる無機骨格とを含む、構造化された多孔質材料(A)を含む触媒的ヒドロシリル化系の存在下、少なくとも1つの不飽和を含む少なくとも1つの化合物(C)をヒドロシリル化するための方法(P)。
【請求項2】
前記材料(A)が粉末の形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
粉末である前記材料(A)が支持体上に担持されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属ナノ粒子が白金ナノ粒子である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記材料(A)が、2〜50nmの直径を有するメソ細孔と、前記材料(A)の前記壁に存在し、2nm未満の直径を有する微孔性チャネルをもつ二重多孔性を有する、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記材料(A)が、20〜1,200m/gのBET比表面積を有する、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記金属ナノ粒子が、1〜10nmの平均径を有する、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記材料(A)の前記無機骨格の前記壁が、3nm以上の厚さを有する、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記材料(A)の前記無機骨格が、バーミキュラ構造、立方構造または六方構造を有する、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物(C)が、1または数個のアルケン官能基および2〜40個の炭素原子、あるいは1または数個のアルキン官能基および2〜40個の炭素原子、を含む、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物(C)が、以下からなる群から選択される、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の方法:
−C−Cアルキルアクリレートおよびメタクリレート;
−アクリル酸またはメタクリル酸;
−アセチレン;
−アルケン;
−非共役ジエン;
−アリルアルコール;
−アリルアミン;
−アリルおよびグリシジルエーテル;
−アリルおよびピペリジンエーテル;
−スチレン;
−1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン;
−塩素化アルケン;
−フッ素化アルケン;
【化1】

およびそれらの混合物。
【請求項12】
前記化合物(O)が以下からなる群から選択される、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の方法:
−式(III)の水素シラン化合物:
【化2】

〔式中、
−Rは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;1または数個のアリールもしくはシクロアルキル基で置換されていてもよい、1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよい、および/または1または数個のケトン官能基で置換されていてもよいアルキル基;1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基;あるいは、1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表し;
−R’は、それぞれ独立に、1または数個のアリールもしくはシクロアルキル基で置換されていてもよい、1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよい、および/または1個のケトン官能基で置換されていてもよいアルキル基;1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基;あるいは、1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表し;
−R”は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;1または数個のアリールもしくはシクロアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基;1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基;あるいは、1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表し;かつ
−m、nおよびoは、0、1、2または3の値の整数であり、m+n+o=3であり、
R、R’およびR”は、同一であっても異なっていてもよい〕;
−以下を含むポリオルガノシロキサン:
(i)少なくとも1つの式(IV)のシロキシル単位
【化3】

〔式中、
−d=1または2であり
−e=0、1または2であり
−d+e=1、2または3であり、
−1または複数の記号Zは、同一であっても異なっていてもよく、ヘテロ原子またはヘテロ原子を含むラジカルで置換されていてもよく、1〜30個の炭素原子を有していてもよい一価の炭化水素基を表す〕;ならびに
(ii)所望により少なくとも1つの式(V)のシロキシル単位
【化4】

〔式中、
−c=0、1、2または3であり;
−1または複数の記号Zは、同一であっても異なっていてもよく、ヘテロ原子またはヘテロ原子を含むラジカルで置換されていてもよい1〜30個の炭素原子を有する一価の炭化水素基を表す〕、
ならびにその混合物。
【請求項13】
モル比 R=C化合物の不飽和の数/O化合物のSiH基の数 が、0.01〜2の範囲内にある、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
金属ナノ粒子の添加量が、前記化合物(C)および(O)の総重量に対して、1〜50ppmである、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
モル比 R=C化合物の不飽和の数/O化合物のSiH基の数 が、0.01〜0.99の範囲内にある、請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
以下の工程:
a)方法(P)に従って、前記有機ケイ素化合物(O)と第1の化合物(C)を反応させる工程であって、Rが0.01〜0.99の範囲内にある工程と;
b)方法(P)に従って、工程a)で得た有機ケイ素化合物と、工程a)で加えた化合物とは異なる第2の化合物(C)とを反応させる工程であって、第2の化合物(C)の付与に関するこの工程b)の前記Rが、0.01〜1の範囲内にある工程、
を含み、
工程a)およびb)が請求項1〜請求項14に定義される触媒系の存在下で実行される、請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
連続的に実行されることを特徴とする、請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
20〜100℃の温度で実施されることを特徴とする、請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
有機ケイ素化合物(O)と、少なくとも1つの不飽和を含む化合物(C)との反応のためのヒドロシリル化触媒系としての、請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の材料(A)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不均一系触媒を適用する新規なヒドロシリル化方法、および前記方法の適用を可能にする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ケイ素原子に直接結合している少なくとも1つの水素原子(少なくとも1つのSi−H基かまたは水素シロキサン官能基)を含む有機ケイ素化合物(O)の存在下での、少なくとも1つの不飽和を含む少なくとも1つの化合物(C)のヒドロシリル化反応は、シリコーン産業においてシランおよび官能化ポリシロキサンにアクセスするために、またポリメチル水素シロキサンとポリメチルビニルシロキサン油との間の架橋によって得られるシリコーン格子を調製するためにもかなり普及している。これらの反応は、通常、均一系触媒作用機構によって、白金に基づく有機金属錯体により触媒される。周知の均一系ヒドロシリル化触媒の中で、DVTMSがジビニルテトラメチルジシロキサンを表す式Pt(DVTMS)のカールシュテット白金が言及されうる。しかし、この種類の触媒は、様々な欠点を有する。一方で、それは比較的不安定であり、反応の間にPt(0)のコロイド種を形成することによって変化する。その大きさは制御されず、それが反応媒質の着色をもたらし、得られる油は黄色から黒色の間で変動する。他方、白金を除去する工程は費用がかかり、触媒を再利用することができない。したがって、その調製、適用および活性が再現可能であり、ヒドロシリル化反応のための連続的な動作の可能性をもたらす、容易に再利用可能であり、実行できる不均一系触媒にアクセスすることに利益がある。
【0003】
不均一系触媒、特に白金に基づくヒドロシリル化反応のための触媒は、例えば米国特許第7,038,001号より公知である。
【0004】
しかし、これらの不均一系触媒に含まれる無視できない量の白金が、選り分けられて(sorted out)反応媒質に可溶化されることがあり、これはその後に均一相中の白金と呼ばれる。この現象は、様々な欠点を有する:
−触媒の白金の一部分の可溶化は、触媒の活性の変動性を誘発し、したがってヒドロシリル化反応の再現性の問題を誘発する;
−部分的ヒドロシリル化の場合、すなわち、反応媒質が反応の終わりに少なくとも1つのシリコーン原子と直接結合した少なくとも1つの水素原子を含む化合物をなお含む場合、反応媒質に可溶化された白金が、前記反応媒質が空気中に残されている場合に二次反応を触媒する可能性がある。これは、特にSiH単位と空気からの水との間の脱水素縮合反応である場合があり、この反応は、結果として起こる爆発の著しいリスクを伴う、反応媒質の表面のゲル化および二水素の発生の原因となる。そのため、反応媒質中の白金を選り分けることは、貯蔵時の安定性の問題およびSi−H基を含む媒質の安全性の問題を生じる。
【0005】
反応媒質中の均一相の中の金属ナノ粒子を選り分けることを制限するために、どのように使用前の触媒に制御雰囲気下での熱処理工程を受けさせるかは、先行技術から公知である。しかし、この熱処理工程は、通常、触媒の触媒活性を低下させる作用を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため、金属ナノ粒子が十分に担持されている一方で、反応媒質中の均一相で選り分けられないように、試薬にアクセスしやすいままでいる触媒系を適用する、少なくとも1つの不飽和を含む化合物およびオルガノシロキサン化合物のヒドロシリル化のための方法を提供することに利益がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明の目的は、溶出が少ないかまたはゼロでさえあり、再現性のある安定な不均一系触媒系を適用するヒドロシリル化方法を提供することである。
【0008】
本発明の目的はまた、連続的に適用されてよいヒドロシリル化方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、得られる生成物の著しい多用途性を許容する、特に部分的ヒドロシリル化を実行する可能性を与えるヒドロシリル化方法を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的はまた、限られた量の金属ナノ粒子を必要とするヒドロシリル化方法を提供することである。
【0011】
本発明の目的はまた、この方法の適用を可能にする装置、特に本発明の方法の連続的な適用を可能にする装置を提供することである。
【0012】
その他の目的は、以下の本発明の説明を考慮すると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に従う材料(A)を表す図である。材料(A)は、壁(1)および細孔(2)を含む。金属ナノ粒子(3)が壁(1)の中に組み込まれている。この図では、epは、壁の厚さを表し、Dpは細孔の直径を表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、ケイ素原子に直接結合している少なくとも1つの水素原子(すなわち、水素シロキサン官能基とも呼ばれる少なくとも1つのSi−H基)を含む有機ケイ素化合物(O)、ならびに細孔と、金属ナノ粒子が含まれている酸化シリコン壁からなる無機骨格とを含む、構造化された多孔質材料(A)を含むヒドロシリル化触媒系の存在下で、少なくとも1つの不飽和を含む少なくとも1つの化合物(C)をヒドロシリル化する方法(P)に関する。
【0015】
以降の考察において、「構造化された材料(A)」または「材料(A)」という表現は、細孔と、金属ナノ粒子が含まれている酸化シリコン壁からなる無機骨格とを含む、構造化された多孔質材料(A)を示すために等しく使用される。
【0016】
不飽和を含む化合物において、不飽和は、エチレン性二重結合にあってもよいし、アセチレン性三重結合にあってもよい。
【0017】
本発明に係る化合物(C)は、好ましくは芳香環の一部でない少なくとも1つの不飽和を含む化学物質である。化合物(C)は、少なくとも1つのアルケン官能基および/またはアルキン官能基を含んでいてよい。ヒドロシリル化反応を妨害するかまたは阻止さえする可能性のある反応性化学官能基を含有しない限り、少なくとも1つのアルケン官能基および/または1つのアルキン官能基を含むどんな化合物も本発明に従う方法で使用されてよい。
【0018】
一実施形態によれば、化合物(C)は、1または数個のアルケン官能基および2〜40個の炭素原子を含む。さらに、N、P、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される1〜20個のヘテロ原子を含んでいてもよい。化合物(C)が数個のアルケン官能基を含む場合、アルケン官能基は共役していてもしていなくてもよい。
【0019】
別の実施形態によれば、化合物(C)は、1または数個のアルキン官能基および2〜40個の炭素原子を含む。それは、N、P、O、S、F、Cl、BrおよびIから選択される1〜20個のヘテロ原子をさらに含んでよい。化合物(C)が数個のアルキン官能基を含む場合、アルキン官能基は共役していてもしていなくてもよい。
【0020】
化合物(C)は、式(I)または(II)の化合物から選択されてよい:
【0021】
【化1】

【0022】
〔式中、
−R、R、RおよびRは各々独立に、
・水素原子;
・フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択されるハロゲン原子;
・アルキル基;
・シクロアルキル基;
・アリール基;
・ヘテロアリール基;
・ヘテロシクロアルキル基;
・アルコキシ基
・アリールオキシ基;
・シクロアルコキシ基;
・アルキルシリル基;
・アルコキシシリル基;
・カルボン酸基;
・アルキルエステル基;
・尿素基;
・アミド基;
・スルホンアミド基;
・イミド基;
・シアノ基;
・アルデヒド基;
・アルコール基;
・チオール基;
・アミン基;
・イミン基;
・スルフィド基;
・スルホキシド基;
・スルホン基;
・アジド基;
・アリルホスホン酸基;または
・リン酸アリル基
を表し;
【0023】
これらの基は、それら自体、それらのアルキルおよび/またはシクロアルキルおよび/または(1または複数の)アリール部分を:
−ハロゲン化されていてもよい、1または数個のC−Cアルキル基;
−ハロゲン化されていてもよい、1または数個のC−Cアルコキシ基;
−ハロゲン化されていてもよい、1または数個のアリール基;
−1または数個のハロゲン原子;
−1または数個のカルボン酸基;
−1または数個のエステル基;
−1または数個のエーテル基;
−1または数個の尿素基;
−1または数個のアミド基;
−1または数個のスルホンアミド基;
−1または数個のイミド基;
−1または数個のシアノ基;
−1または数個のアルデヒド基;
−1または数個のケトン官能基;
−1または数個のアルコール基;
−1または数個のチオール基;
−1または数個のアミン基;
−1または数個のイミン基;
−1または数個のスルフィド基;
−1または数個のスルホキシド基;
−1または数個のスルホン基;
−1または数個のアジド基;
−1または数個のリン酸基;および/または
−1または数個のホスホン酸基
で置換されてよく;
【0024】
あるいは
、R、RおよびRから選択される少なくとも2つの基は、それらが結合している炭素原子と一緒に1または数個のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基を形成し、これらのシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基は、ハロゲン化されていてもよい1または数個のC−Cアルキル基;ハロゲン化されていてもよい1または数個のC−Cアルコキシ基;ハロゲン化されていてもよい、1または数個のアリール基;1または数個のハロゲン原子;1または数個のカルボン酸基;1または数個のエステル基;1または数個のエーテル基、1または数個の尿素基;1または数個のアミド基;1または数個のスルホンアミド基;1または数個のイミド基;1または数個のシアノ基;1または数個のアルデヒド基;1または数個のケトン官能基;1または数個のアルコール基;1または数個のチオール基;1または数個のアミン基;1または数個のイミン基;1または数個のスルフィド基;1または数個のスルホキシド基;1または数個のスルホン基;1または数個のアジド基;1または数個のリン酸基;および/または1または数個のホスホン酸基で置換されていてよく;R、R、RおよびRの中の残りの基は前に定義される通りである〕、ならびにその混合物。
【0025】
好ましくは、R、R、RおよびRは各々独立に:
−水素原子;
−ヒドロキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよいC−C16アルキル基、;
−C−Cアルキル基、ハロゲン、それ自体が1または数個のハロゲンで置換されていてもよいC−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基または、C−Cアルキル基で1回もしくは2回置換されていてもよいアミン官能基で置換されていてもよいフェニル;
−ピリジン;
−C−Cアルキルエステル;
−シアノ官能基;
−カルボン酸官能基;
−C−Cアシルオキシ基、特にアセチルオキシ;
−特に窒素が置換されていないか、またはC−Cアルキル基で1回もしくは2回置換されている、第一級アミド基;
−ヒドロキシまたはケトンで置換されていてもよいポリエトキシル化アルキル基
を表す。
【0026】
有利には、Rは水素原子であってよく、Rは水素原子とは異なる置換基であってよい。式(I)の化合物の場合、RおよびRは、さらに水素原子であってよい。
【0027】
好ましくは、化合物(C)は:
−C−Cアルキルアクリレートおよびメタクリレート;
−アクリル酸またはメタクリル酸;
−アセチレン;
−アルケン類、好ましくはオクテン、より優先的には1−オクテン;
−非共役ジエン類、好ましくはヘキサジエンまたはオクタジエン;
−アリルアルコール;
−アリルアミン;
−アリルおよびグリシジルエーテル;
−アリルおよびピペリジンエーテル、好ましくは立体障害アリルおよびピペリジンエーテル;
−スチレン、好ましくはα−メチル−スチレン;
−1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン;
−塩素化アルケン類、好ましくは塩化アリル;
−フッ素化アルケン類、好ましくは4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−1−ヘプテン、
ならびにその混合物からなる群からも選択される。
【0028】
化合物(C)は、数個のアルケン官能基、好ましくは2または3個のアルケン官能基を含む化合物からも選択されてよく、より好ましくは以下の化合物、およびその混合物から選択されてよい。
【0029】
【化2】
【0030】
本発明の範囲内で、アルケン官能基を含む上述の化合物(C)と、数個のアルケン官能基を含む上述の化合物(C)の混合物を含むことも可能である。
【0031】
そのため、化合物(C)は、ヒドロシリル化反応に続いて得られる化合物の化学修飾を可能にする化学官能基も含んでよい。
【0032】
1または数個のエチレン性二重結合と1または数個のアセチレン性三重結合の両方を有する化合物のヒドロシリル化も、本発明の範囲内で企図される。
【0033】
本発明の範囲内で、有機ケイ素化合物(O)は、ケイ素原子と直接結合した少なくとも1つの水素原子(すなわち、少なくとも1つのSi−H基)を含む。
【0034】
好ましくは、化合物(O)のケイ素原子は、多くて1個の水素原子に結合する。
【0035】
化合物(O)は、シラン化合物またはシロキサン化合物、特に水素シランまたはポリオルガノシロキサンであってよい。
【0036】
「水素シラン」化合物とは、本発明において、シランの群に属する化学物質を意味し、そのため、少なくとも1つのケイ素原子を含み、そのケイ素原子と結合した水素原子を少なくとも含む。好ましくは、本発明に係る水素シラン化合物は、5個未満のケイ素原子を含む。
【0037】
ヒドロシリル化反応を妨害するかまたは阻止さえする可能性のある反応性化学官能基を含有しない限り、どんな水素シラン化合物も本発明に従う方法で使用されてよい。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、水素シラン化合物は、式(III)の化合物:
【0039】
【化3】
【0040】
〔式中、
−Rは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子、好ましくは塩素;1または数個のアリールもしくはシクロアルキル基で置換されていてもよい、1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよい、および/または1または数個のケトン官能基で置換されていてもよいアルキル基;1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基;あるいは、1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表し;
−R’は、それぞれ独立に、1または数個のアリールもしくはシクロアルキル基で置換されていてもよい、1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよい、および/または1個のケトン官能基で置換されていてもよいアルキル基;、1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基;あるいは、1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表し;
−R”は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子、好ましくは塩素;1または数個のアリールもしくはシクロアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基;1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基;あるいは、1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表し;かつ
−m、nおよびoは、0、1、2または3の値の整数であり、m+n+o=3であり、
R、R’およびR”は、同一であっても異なっていてもよい〕、
およびその混合物の中から選択されてよい。
【0041】
水素シラン化合物は、記号m=0、n=0およびo=3であり、R”が水素原子、ハロゲン原子、好ましくは塩素、線状または分枝状C−Cアルキル基またはアリール基を表す、式(III)の化合物の中から選択されてよい。
【0042】
水素シラン化合物は、特にトリス(トリメチルシリル)シランであってよい。
【0043】
あるいは、水素シラン化合物は、記号m=3、n=0およびo=0であり、Rが水素原子、ハロゲン原子、好ましくは塩素、線状または分枝状C−Cアルキル基またはアリール基を表す、式(III)の化合物の中から選択されてよい。
【0044】
有機ケイ素化合物(O)はまた、
(i)少なくとも1つの式(IV)のシロキシル単位
【0045】
【化4】
【0046】
〔式中、
−d=1または2、好ましくはd=1であり
−e=0、1または2であり
−d+e=1、2または3であり、
−同一であっても異なっていてもよい、1または複数の記号Zは、ヘテロ原子またはヘテロ原子を含むラジカルで置換されていてもよく、1〜30個の炭素原子を有していてもよい一価の炭化水素基を表し、好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、およびアリール基によって形成される群から選択され、さらにより優先的にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリルおよびフェニルラジカルによって形成される群から選択され、好ましくはメチルまたはフェニル、例えばメチルである、一価の炭化水素基を表す〕;ならびに
(ii)所望により少なくとも1つの式(V)のシロキシル単位
【0047】
【化5】
【0048】
〔式中、
−c=0、1、2または3、好ましくは1、2または3であり;
−同一であっても異なっていてもよい、1または複数の記号Zは、ヘテロ原子またはヘテロ原子を含むラジカルで置換されていてもよく、1〜30個の炭素原子を有していてもよい一価の炭化水素基を表し、好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、およびアリール基によって形成される群から選択され、さらにより優先的にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリルおよびフェニルラジカルによって形成される群から選択され、好ましくはメチルまたはフェニル、例えばメチルである、一価の炭化水素基を表す〕
を含むポリオルガノシロキサンであってよい。
【0049】
ポリオルガノシロキサンは、環式分枝状、線状構造または網状構造を有してよい。
【0050】
これらの線状ポリオルガノシロキサンは、1mPa.s〜100,000mPa.sの間、優先的に10mPa.s〜5,000mPa.sの間を含む25℃の動的粘度を有する油、または、100,000mPa.sよりも大きい25℃での動的粘度を有するガムであってよい。
【0051】
本考察において言及した全ての粘度は、いわゆる25℃での「ニュートンの」動的粘度量、すなわち、測定した粘度が速度勾配とは無関係であるように、十分に低い剪断速度勾配で、それ自体公知の方法で測定される動的粘度に相当する。
【0052】
化合物(O)でありうるポリオルガノシロキサンの例は:
−水素ジメチルシリル末端を有するジメチルポリシロキサン;
−トリメチルシリル末端を有するジメチル水素メチルポリシロキサン;
−水素ジメチルシリル末端を有するジメチル水素メチルポリシロキサン;
−トリメチルシリル末端を有する水素メチルポリシロキサン;または
−環状水素メチルポリシロキサン;
およびその混合物である。
【0053】
「アルキル」とは、1〜40個の炭素原子、好ましくは1〜20個の炭素原子、より優先的には1〜10個の炭素原子を含む線状もしくは分枝状の炭化水素鎖を意味する。アルキル基は、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、tert−ブチル、イソブチル、n−ブチル、n−ペンチル、イソアミルおよび1,1−ジメチルプロピルによって形成される群から選択されてよい。
【0054】
本発明に係る「シクロアルキル」とは、好ましくは単環式もしくは二環式の、3〜20個の炭素原子、好ましくは5〜8個の炭素原子を含有する、単環式もしくは多環式飽炭化水素基を意味する。シクロアルキル基が多環式である場合、複数の環式環は、共有結合によって、かつ/またはスピナニック(spinanic)原子によって互いに結合しているか、かつ/あるいは一緒に縮合していてよい。シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンタンおよびノルボラン(norborane)によって形成される群から選択されてよい。
【0055】
本発明に係る「アリール」とは、単環式かまたは多環式の、5〜18個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素基を意味する。アリール基は、フェニル、ナフチル、アントラセニルおよびフェナントリルによって形成される群から選択されてよい。
【0056】
本発明に係る「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素によって形成される群から選択される原子を意味する。
【0057】
本発明に係る「ヘテロアリール」とは、少なくとも炭素原子が、O、N、SおよびPから選択されるヘテロ原子で置換されているアリール基を意味する。
【0058】
ヘテロアリール基は、ピラニル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリルおよびインドリルによって形成される群から選択されてよい。
【0059】
本発明に係る「ヘテロシクロアルキル」とは、少なくとも1つの炭素原子が、O、N、SおよびPから選択されるヘテロ原子で置換されているシクロアルキル基を意味する。好ましくは、ヘテロシクロアルキルは、5〜10の環員を含む。ヘテロシクロアルキル基は、特に、単環式オキシラニル基または二環式エポキシシクロヘキシル基であってよい。
【0060】
本発明に係る「アルコキシ」とは、酸素原子に結合している、本明細書中の上記で定義されるアルキル基を意味する。アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブトキシによって形成される群から選択されてよい。
【0061】
本発明に係る「アリールオキシ」とは、酸素原子に結合している、本明細書中の上記で定義されるアリール基を意味する。アリールオキシ基は、例えばフェノキシ基であってよい。
【0062】
本発明に係る「シクロアルコキシ」とは、酸素原子に結合している、本明細書中の上記で定義されるシクロアルキル基を意味する。
【0063】
本発明に係る「アルキルシリル」とは、ケイ素原子に結合している、本明細書中の上記で定義されるアルキル基を意味する。
【0064】
本発明に係る「アルコキシシリル」とは、ケイ素原子に結合している、本明細書中の上記で定義されるアルコキシ基を意味する。
【0065】
本発明の触媒は、金属ナノ粒子が組み込まれている酸化シリコン壁からなる構造化された無機骨格を含む構造化された多孔質材料(A)を含む。
【0066】
本発明の範囲内で、「構造化された材料」とは、特に小角X線粉末回折図形における少なくとも1つの回折ピークの存在によって特徴づけられる組織化された構造を有する材料を意味する(小角X線散乱(GlatterおよびKratky、Academic Press London 1982))。構造化された材料について得た小角X線粉末回折図形において観察される回折ピークは、当該材料の特徴的な反復距離に関連している。この反復距離、すなわち「構造化された形の空間的反復周期」は、多孔質材料の場合には、材料内の細孔の周期性に相当する。そのため、本発明の材料(A)において、骨格は構造化される、これが壁および細孔と呼ぶ理由である(図1)。
【0067】
小角X線回折によるかまたは顕微鏡によって決定される、最終材料(A)の組織状態は、バーミキュラ、層状、六角形(一次元または二次元)または立方形型のものでありうる。好ましくは、最終材料の組織状態は、六角形、好ましくは二次元の六角形である。
【0068】
特に小角でのX線の回折により、かつ窒素吸着/脱着測定により求められる、材料(A)の壁の厚さ(または幅)(図1)は、特に3nmよりも大きく、好ましくは5〜15nmである。壁の厚さは、2つの細孔間の距離に相当する(図1中のep)。
【0069】
金属ナノ粒子のサイズは、好ましくは材料(A)の無機骨格を形成する壁の幅以下である。このように、ナノ粒子は壁の内側に完全に統合されてよく、それによって反応媒質中のナノ粒子の選別を回避する。好ましくは、材料(A)の内部に存在する金属ナノ粒子は、ナノメートルのサイズを有する、すなわち、それらの平均径は1〜10nmであり、平均径は、例えば透過型電子顕微鏡によってサイズのヒストグラムとして、または、好ましくは広角X線回折技法(WAXS「広角X線散乱」)によって求められる。
【0070】
本発明の範囲内で、金属ナノ粒子は、ゼロ酸化状態の金属のナノ粒子を意味し、M(O)または金属(O)(Mは金属を表す)と表記されることもある。
【0071】
好ましくは、本発明の範囲内で、活性触媒種である金属は、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、鉄、銅およびパラジウムから選択され、これらの金属の2またはそれ以上の混合物も企図されうる。好ましくは、この金属は白金である。
【0072】
従来の不均一系触媒は反応触媒に塩析していたが、金属ナノ粒子は、材料(A)の壁の中に含まれており、そのため、反応媒質に塩析しない。
【0073】
本発明の材料(A)は、好ましくは粉末である。有利には、これらの粉末は、高い触媒活性を得る可能性を与える高い比表面積を有する。さらに、触媒系に本発明の材料(A)を粉末として適用することは、ヒドロシリル化反応を停止するために、および/または再使用のために、材料(A)を反応媒質から分離することができる可能性を有利に与える。この分離は、濾過によって達成されてよい。また、この粉末を支持体に堆積させることも可能である。この後者の方法は、方法を連続的に実施するために特に示される。
【0074】
有利には、かつ好ましくは、材料(A)は二重多孔性を有する。材料(A)のメソ細孔は、好ましくは、2〜50nm、好ましくは5〜30nm、例えば5〜20nmの直径を有する。材料(A)の壁に存在する微孔性チャネルは、好ましくは、2nm未満、好ましくは0.5〜2nmの直径を有する。メソ細孔のサイズは、当業者に公知の任意の方法によって、特に、例えば「Techniques de l’ingenieur」、「Technique des materiaux pulverulents ou poreux」(粉末状および多孔質材料の技法)に定義されるBJH(Barrett、JoynerおよびHalenda)法による196℃(すなわち、77K)での窒素吸着/脱着によって求めてよい。ミクロ細孔のサイズは、当業者に公知の任意の方法によって求めてよく、好ましくは、例えば「Techniques de l’ingenieur」、「Technique des materiaux pulverulents ou poreux」に定義される、「t−法」(t−プロット)による196℃での窒素吸着/脱着によって求めてよい。
【0075】
好ましくは、構造化された材料(A)は、20〜1,200m/g、好ましくは300〜1,100m/gのBET比表面積を有する。BET比表面積は、例えば「Techniques de l’ingenieur」、「Technique des materiaux pulverulents ou poreux」に定義されている。
【0076】
驚くことに、材料(A)の壁の微孔性チャネルのサイズが減少したにもかかわらず、材料(A)は、試薬(化合物(C)および化合物(O))および特に大きい分子量および粘度の有機ケイ素化合物に、金属ナノ粒子にアクセスする可能性を与える。国際公開第2010/040926号は、スチレンの水素化を許容する、無機骨格の壁の中に金属ナノ粒子を含む、本発明に記載される触媒を記載している。しかし、スチレンは水に近い粘度を有し、そのため、触媒の構成材料の壁に含まれる金属ナノ粒子に容易にアクセスする可能性がある。また、当業者は、より大きなサイズおよび粘度をもつ有機ケイ素化合物が材料(A)の細孔を塞ぎ、金属ナノ粒子にアクセスできないと予測するかもしれない。
【0077】
本発明に係る材料(A)は、マクロ構造化された触媒系を形成するために支持体の上に堆積させてよく、支持体は、例えば金属ビーズ、反応器の壁または反応器の要素(例えば、ミキサーブレード)の壁などであってよい。支持体の上への材料(A)の堆積は、当業者に公知の任意の方法によって、特に、刊行物のPerez et al.(Chemical Engineering Journal,2010,158,325−322)、Zhao et al.(Catalysis Today,2009,147,215−219)およびWei et al.(Catalysis Today,2009,147,66−70)に記載される方法によって達成されてよい。好ましくは、材料(A)を支持体(または支持材)に堆積させた後、材料(A)の細孔を塞ぐ可能性のあるどんな微量の化合物をも除去するために、得られた触媒系を焼成する。
【0078】
有利には、材料(A)は、材料(A)の総重量に対して0.05〜3重量%の金属ナノ粒子を含み、好ましくは0.1〜1重量%、例えば0.1〜0.5重量%である。
【0079】
好ましくは、本発明の方法において、触媒系は、少しの活性の損失も少しの浸出もなく、幾度も適用されてよい。
【0080】
有利には、触媒を定義する全ての好ましく有利な特徴は互いに組み合わされてよい。
【0081】
これは必須ではないが、本発明に従う触媒は、使用前にH流で処理されてもよい。
【0082】
好ましくは、本発明の範囲内で、材料(A)は、当業者が参照してよく、参照により本明細書に援用される、国際公開第2010/040926号およびBoualleg et al.の刊行物(Journal of Catalysis,2011,284,184−193)に記載される方法によって得てもよい。
【0083】
好ましくは、本発明の材料(A)は、以下の工程を含む方法によって得られる:
a)親水性をナノ粒子に与える非交換性リガンドによってゼロ安定化された、酸化状態の金属の親水性ナノ粒子の懸濁液を利用可能にする工程;および
b)細孔形成剤の存在下で、非交換性リガンドによって安定化された金属(0)ナノ粒子の周囲に酸化シリコンの無機前駆体から無機骨格を成長させる工程;および
c)細孔形成剤、および少なくとも部分的に非交換性リガンドを取り除く工程。
【0084】
「非交換性」とは、金属ナノ粒子に親水性を与えるリガンドが、細孔形成剤と交換されるべきでないことを特に意味する。実際に、そのような交換は、金属ナノ粒子を疎水性にする効果を有することになり、金属ナノ粒子はその後材料の細孔の中に置かれて無機骨格の壁には入らないことになる。
【0085】
有利には、リガンドの非交換性の性質は、リガンドが金属ナノ粒子を親水性にするという事実に加えて、前記金属ナノ粒子を壁に局在させ、細孔には局在させない。
【0086】
有利には、この方法により、触媒の無機骨格を金属ナノ粒子の周囲に直接成長させる可能性がもたらされる。このことは、十分に間隔が置かれ、得られる材料(A)の内部に分布している金属ナノ粒子の規則正しい分布をもたらし、それにより金属ナノ粒子の焼結が制限される。金属ナノ粒子はこのように材料(A)の無機骨格によって安定化される。
【0087】
親水性を金属ナノ粒子に与える非交換性の親水性リガンドの一例として、3−クロロプロピルシラン、N−(3−三水素シリルプロピル)−イミダゾール、クロロベンジルシラン、クロロジメチルシラン、N−(3−三水素シリルプロピル)アルキルイミダゾリウムの塩またはN−(3−三水素シリルプロピル)アリール−イミダゾリウムの塩、N−(ベンジル三水素シリル)−イミダゾール、N−(ベンジル三水素シリル)−アルキルイミダゾリウムの塩またはN−(ベンジル三水素シリル)−アリールイミダゾリウムの塩、およびまた、N−(ベンジル三水素シリル)トリアルキルアンモニウムの塩またはジブチル−4,7,10−トリオキサウンデシルスタンナンの塩などが言及されうる。塩は、スズまたはゲルマニウム塩、好ましくはスズ塩であってよい。そのようなリガンドは、市販のリガンドであるか、または当業者に周知の技法に従って調製されてよい。スズまたはゲルマニウム原子を含むリガンドの場合、F Ferkous,Journal of Organometallic Chemistry,1991,Volume 420,Issue 3,pages 315− 320およびP Riviere,Journal of Organometallic Chemistry,49(1973)173−189が参照されてよい。
【0088】
親水性ナノ粒子の懸濁液は、特に金属(0)前駆体、例えばPt(dba)(dba=ジベンジリデンアセトン)、Ru(COD)(COT)(COD=シクロオクタジエン;COT=シクロオクタトリエン)から当業者に周知の技法に従って調製されたコロイド懸濁液であってよく、それは従来の極性有機溶媒(例えば水、アルコール、THF、テトラヒドロフラン、エーテルなど)または従来の無極性有機溶媒(例えば飽和もしくは不飽和炭化水素)、好ましくはTHF中の、非交換性の親水性リガンドに加えられる。金属ナノ粒子の合成は、還元剤(例えばNaBH)の存在下、有利には関与する金属の1原子あたり0.2〜5当量の安定化剤リガンドとともに、水素圧力下で達成される。
【0089】
材料(A)の無機骨格の成長は、ゾルゲル法(L.L.Hench et al.,Chem.Rev.,1990,33−72およびS.Biz et al.,Catal.Rev.−Sci.Eng,1998,0(3),329−407)によって達成される。酸化シリコン前駆体の加水分解および重縮合は、無機骨格を成長させる。
【0090】
好ましくは、材料(A)の無機骨格の成長は、水性媒体中で、または、アルコール型の少なくとも1つの共溶媒(例えば線状アルコール、特にブタノール)、エーテル型の少なくとも1つの共溶媒(例えばTHF)またはジメチルホルムアミド(DMF)を含む水性混合物中で達成される。
【0091】
細孔形成剤をこの懸濁液に添加してもよい。
【0092】
材料(A)の無機骨格の成長は、以下の条件の少なくとも1つによって、単独でまたは好ましくは組合せとして達成される:
−温度が、0〜100℃、優先的に20〜65℃である、
−(金属無機前駆体)/(細孔形成剤)モル比が、30〜300である、
−(ナノ粒子の金属)/(無機前駆体の金属)重量比が、0.001〜50%、さらには10%未満、好ましくは0.001〜5%、優先的には0.005〜5%、またはさらに0.05〜5%である、
−pHが、0〜10、優先的に0〜4である、
−酸性型、例えばHCl、塩基性型、例えばNH、KOH、NaOHまたは求核型、例えばNaFまたはTBAFの加水分解−重縮合触媒の存在下。
【0093】
細孔形成剤は、好ましくは界面活性剤型の両親媒性化合物、特に共重合体である。この化合物の本質的特徴は、組織化された構造を有する無機マトリックスをもたらすように、それが反応混合物中でミセルを形成する能力があるということである。
【0094】
細孔形成剤として、以下が言及されてよい(EO=エチレンオキシドおよびPO=プロピレンオキシド):
−アニオン性テンプレート、例えばドデシル硫酸ナトリウムなど;
−カチオン性テンプレート、例えばアンモニウム塩、特にセチルトリアルキルアンモニウムまたはドデシルトリアルキルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウム塩、1−ヘキサデカン−3−メチルイミダゾリウムブロミドなどのイミダゾリウム塩、n−ヘキサデシルピリジニウムクロライドなどのピリジニウム塩;
−非イオン性テンプレート、特にアミン、例えばヘキサデシルアミンまたはドデシルアミンなど;
−アルキルポリエチレンオキシドまたはアルキルアリールポリエチレンオキシド、例えばBrij(登録商標)52(C1633O(CHCHO)H)、Tergitol(登録商標)15−S−12(C11−1523−31O(CHCHO)12H)、Triton X(登録商標)25−100(C1422O(CO)n1(n1=9〜10))、Montanox(登録商標)20(Sorbitan.20EO.モノオレイルエステル)、オクチルフェノール−10 EO(p−C17O(CHCHO)10H)、ラウリルエーテル−n EO(C1225O(CHCHO)n2H(n2=2、4、8);
−ポリソルベート型のテンプレート、例えばTween(登録商標)20(IUPAC名:ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)および30;
−両親媒性ブロックを含む共重合体、例えばトリブロック共重合体Pluronic(登録商標)P123(EO20−PO70−EO20)、Pluronic(登録商標)F127(EO77−PO29−EO77)またはPluronic(登録商標)F108(EO132−PO50−EO132);
−ポリマー(官能性または非官能性)および特にブロックポリマー、例えば、先に述べたようなPluronic(登録商標)P123、Pluronic(登録商標)F127またはF108、あるいは、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PMMA(メチルポリメタクリレート)、ポリスチレン型などのさらなる従来型ポリマー。
【0095】
そのような細孔形成剤は、既に先行技術で広く使用されている。
【0096】
細孔形成剤の除去およびリガンドの除去は、当業者に公知の任意の方法によって、特に350℃の空気中での焼成によるか、または、室温およびUV照射下で、得られた材料を硫酸の水性溶液に懸濁し、FeSO溶液を添加し、得られた溶液を空気中で混合することからなる鉄/UV処理によって達成されてよい。
【0097】
当業者は、その一般的知識のために、好ましくは、金属粒子を壁の中に挿入することができるような十分な厚さをもつ壁を得るために、実験条件(細孔形成剤の性質およびサイズ、合成のpH、(細孔形成剤)/(無機前駆体)比、温度、加水分解−重縮合触媒の種類)を選択してよい。
【0098】
より好ましくは、本発明の触媒は、以下の工程を含む方法によって得てもよい:
i)金属ナノ粒子、特にPt(0)の前駆体、例えばPt(dba)を室温の減圧下に置き、その後有機溶媒、例えばTHFおよび最後に非交換性の親水性リガンド、好ましくは3−クロロプロピルシランを有機溶媒、例えばTHF中の溶液に添加することからなる白金のコロイド溶液を調製する工程、得られた混合物は、所望により、特に白金前駆体が容易に還元できないか、またはリガンドが欠乏している場合に、水素圧力下での撹拌が適用される;
ii)細孔形成剤、例えばPluronic123(登録商標)を、NaFの存在する水中で混合することにより均質溶液を調製する工程;
iii)工程ii)で得られた溶液に工程i)のコロイド溶液を添加し、強く撹拌する工程;
iv)工程iii)で得られた溶液から有機溶媒を蒸発させる工程;
v)TEOS(テトラエチルオルトケイ酸塩)および酸性水溶液、例えばHClを混合することによって最終pHが約1.5まで低下した溶液を調製する工程;
vi)工程iv)および工程v)で得られた溶液を混合し、20〜40℃の間からなる温度で撹拌する工程;
vii)工程vi)の溶液を濾過し、得られた固体を水、エタノール、アセトンおよびエーテルで連続的に洗浄する工程;
viii)350℃での焼成によるか、または鉄(II)塩または鉄(III)塩の存在下、UV下で酸性pHの水中で処理することによって、細孔形成剤およびリガンドを除去する工程。
【0099】
酸性溶液中のTEOSは、予め加水分解され(工程v)、その後、金属ナノ粒子の存在下でNaFを添加することによって縮合が達成される(工程vi)。これらの工程の両方が無機骨格を成長させる。
【0100】
本発明に係るヒドロシリル化方法は、15〜150℃、好ましくは20〜100℃、例えば30〜80℃の温度で実施されてよい。
【0101】
本発明に係るヒドロシリル化方法は、空気中で、または不活性雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で適用されてよい。
【0102】
一般に、ヒドロシリル化反応は、溶媒中でまたは溶媒の不存在下で実現されてよい。あるいは、試薬の1つが溶媒の役割を果たしてもよく、これは例えば化合物(C)の場合でありうる。適した溶媒は、有機ケイ素化合物と混和性である溶媒である。具体的な溶媒の例は、脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ペンタメチルヘプタンまたは石油蒸留画分;芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン(オルト−、パラ−およびメタ−キシレン);ハロゲン化脂肪族または芳香族炭化水素、例えばテトラクロロエチレン;あるいはエーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサンである。
【0103】
好ましくは、本発明の方法において、化合物(C)および(O)(試薬)の総重量に対して、付与される金属ナノ粒子の量は、1〜50ppm、好ましくは5〜20ppmである。
有利には、化合物(C)および化合物(O)の相対量は制御されてよい。
【0104】
モル比 R=C化合物の不飽和の数/O化合物のSiH基の数
は、1:100から25:1まで、好ましくは1:100から10:1までの範囲内にあってよい。
【0105】
好ましくは、本発明の範囲内で、Rは、0.01から2までの範囲内である。
【0106】
特定の例において、部分的ヒドロシリル化を有し、未反応のSi−H基を常に含む反応媒質を得るために、1未満の比Rを使用することは興味深い。ヒドロシリル化方法は、そのため、部分的なものとして記載される(これは部分的官能基化と呼ばれてもよく、そのため官能基化は有機ケイ素化合物の官能基化に相当する、すなわち有機ケイ素化合物のSi−H基と少なくとも1つの不飽和を含む化合物との間の反応に相当する)。
【0107】
本発明の範囲内で適用される材料(A)は、金属ナノ粒子が無機骨格の壁の中に取り込まれているという利点を有する。壁での金属ナノ粒子のこの局在性は、反応媒質中の均一相に塩析しない金属を安定化させる。このことは、ヒドロシリル化反応を制御して、部分的に官能化された有機ケイ素化合物(未反応のSiH基を含む)を含む組成物を単に得ることができる可能性を有利に許容する。また、これにより、官能化された有機ケイ素化合物と、異なる化合物(C)とを含む組成物を得る可能性が得られる。
【0108】
また、特定の実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1つの不飽和を含む化合物(C)による有機ケイ素化合物(O)の部分的ヒドロシリル化方法(P1)である。本発明の方法のこの特定の実施形態では、Rは、0.01から0.99の範囲内にある。
【0109】
この部分的官能基化を行うために、例えば、所望の官能基化レベルを得た後に濾過によって、化合物(C)をSi−H基に対して相対的に過剰に導入して、反応媒質から触媒系を抑制することも可能である。
【0110】
また、本発明に従う方法は、所望の転化を得た後に触媒系を除去する工程を含んでよい。
【0111】
そのような部分的官能基化方法は、最新式の不均一系触媒を用いて、辛うじて企図されうる。それは、最新式の不均一系触媒が、通常白金を反応媒質中の均一相に塩析し、反応媒質を保存上あまり安定性でないものにするためである。
【0112】
別の特定の実施形態では、本発明の方法は、以下の工程を含む方法(P2)に従って有機ケイ素化合物(O)を少なくとも2つの化合物(C)で官能化する可能性を与える:
a)有機ケイ素化合物(O)と、第1の化合物(C)とを方法(P)に従って反応させる工程(Rは0.01〜0.99の範囲内にある);および
b)工程a)で得た有機ケイ素化合物と、工程a)で適用したものとは異なる第2の化合物(C)とを方法(P)に従って反応させる工程(第2の化合物(C)の適用に関するこの工程b)の比Rは、0.01〜1の範囲内にある)、
これらの工程a)およびb)は、上に定義される触媒の存在下で実現される。
【0113】
工程a)およびb)は、本発明の方法の範囲内で異なる化合物(C)を用いて数回適用されてよい。次に、当業者は、その一般的知識のために、異なる工程において、適用する異なる化合物(C)に従って、適用する異なる比Rを決定してよい。
【0114】
本発明に係る方法(P)、(P1)および(P2)は、バッチ式にまたは連続的に適用されてよい。好ましくは、それらは連続的に適用される。
【0115】
方法が連続的に適用される場合、反応器は方法を連続的に実行するための当業者に公知の反応器から選択される。特に、それは固定床反応器、マイクロ反応器および管型反応器から選択される。
【0116】
好ましくは、方法が連続的に適用される場合、材料(A)は、支持体、例えば固定床反応器の場合に使用されることになる金属ビーズに堆積させる。材料(A)は、壁に、または反応器の構成要素に堆積させてもよい。
【0117】
材料(A)の適した支持体上への堆積は、当業者に公知の任意の方法によって、特にPerez et al.(Chemical Engineering Journal,2010,158,325−322),Zhao et al.(Catalysis Today,2009,147,215−219)およびWei et al.(Catalysis Today,2009,147,66−70)の刊行物に記載される方法によって達成されてよい。
【0118】
本発明はまた、本発明に従う連続法を適用するための装置に関し、前記装置は、材料(A)を含む固定床反応器からなるか、または、その要素の少なくとも1つが、特に上記の方法によって材料(A)で覆われている反応器からなる。反応器は、好ましくは方法を連続的に実行するための当業者に公知の反応器であり、特にこれはマイクロ反応器または管型反応器である。
【0119】
本発明はまた、有機ケイ素化合物と、少なくとも1つの不飽和を含む少なくとも1つの化合物との間のヒドロシリル化触媒としての材料(A)の使用に関する。
【0120】
本願を、これから限定されない例によって説明する。
【0121】
実施例
THF=テトラヒドロフラン
【0122】
実施例1:白金のコロイド懸濁液の調製
【0123】
方法は、国際公開第2010040926号(WO2010040926)および刊行物Boualleg et al.,2009,Chem.Mater,21,775−777に記載される通りである。
【0124】
100mg(0.15mmol)のPt(dba)(dba=ジベンジリデンアセトン)をガラス反応器の中に入れ、室温で30分間減圧下に置く。その後、90mlのTHFを添加する。25mgの3−クロロプロピルシラン(0.15mmol)を含有するTHF10mlを室温で添加する。得られた溶液を、12時間撹拌しながら300kPa(3バール)の水素で加圧する。
【0125】
得られたナノ粒子の懸濁液を、二相性の水/ヘプタン混合物を含有する容器の中に入れることによって親水性試験を実施する。水は容器中でヘプタンよりも下に位置する:金属ナノ粒子は水相の中に移動するが、ヘプタン相の中には移動せず、これは金属ナノ粒子の親水性を実証する。
【0126】
実施例2:触媒の調製
【0127】
方法は、国際公開第2010040926号および刊行物Boualleg et al.,2009,Chem.Mater,21,775−777に記載される通りである。
【0128】
150mlのエルレンマイヤーの中で、0.5g(86μmol)の構成界面活性剤Pluronic(登録商標)123を、20mgのNaFを含有する50mlの蒸留水に強い撹拌下で添加する。均質な溶液を得た後、実施例1に示されるように調製した親水性白金ナノ粒子(24μmol)のTHF溶媒中のコロイド溶液20mlを添加する。混合物を2時間強く撹拌する。次に、THFを減圧下で完全に蒸発させる。第2のエルレンマイヤーの中で、5g(24mmol)のTEOSをHCl水溶液(最終pH1.5)に添加し、3時間加水分解する。両方の反応混合物を35℃にする。次に、両方の混合物を接触させ、全体を最後に35℃で24時間撹拌する。得られる灰色−ベージュ色の固体を濾過し、その後20mlの水、エタノール、アセトンおよびエーテルで2回洗浄する。
【0129】
次に、細孔形成剤およびリガンドを除去するために、得られた固体を以下の方法で処理する:
1gの得られた材料をパイレックス型のガラス管の中に置き、活性触媒を得るために350℃の乾燥空気中で(温度傾斜:2℃/分)10時間焼成する。
【0130】
実施例3:実施例で適用される触媒の説明
【0131】
様々な触媒が、これから述べる実施例4および5で適用される。これらの触媒は、以下である:
−触媒A:Pt/PS−DVB H2 160:調製後に160℃の水素による処理を受けた、前駆体Pt(acac)から得たポリスチレン−ジビニルベンゼンに担持された白金。この触媒は、1重量%の白金を含む。
−触媒B:Pt/PS−DVB H2 190:調製後に190℃の水素による処理を受けた、前駆体Pt(acac)から得たポリスチレン−ジビニルベンゼンに担持された白金。この触媒は、1重量%の白金を含む。
−触媒C:Alfa Aesar製の石炭に担持された白金(Pt/C Alfa Aesar)。この触媒は、1重量%の白金を含む。
−触媒D〜F:Evonik製の石炭に担持された白金の3種類の異なる市販のバッチ(Pt/C Evonik AZ、Pt/C Evonik L11、Evonik L12)。これらの触媒は、3重量%の白金を含む。
−触媒G:320℃の空気中で処理された無孔質シリカに担持された白金(Pt/SiO Air 320)。この触媒は、1重量%の白金を含む。
−触媒H:450℃の水素により処理された無孔質シリカに担持された白金(Pt/SiO 450)。この触媒は、1重量%の白金を含む。
−触媒I:細孔に白金ナノ粒子を含むメソポーラスシリカ(Pt/SBA(チャネル))。この触媒は、0.3重量%の白金を含む。
−触媒J:細孔に白金ナノ粒子を含むメソポーラスシリカ(Pt/SBA(チャネル))。実施例2に記載される方法によって得られた本発明に係る触媒。この触媒は、0.3重量%の白金を含む。
【0132】
触媒AおよびBは、以下の方法に従って合成した:
220mgのPt(acac)および30mlのCHClと10gのPS−DVB(300〜800μm、Aldrich、参照426989)の溶液を調製する。混合物を、室温で24時間、密閉したフラスコの中に置き、その後フラスコを開け、室温で24時間、溶媒を蒸発させる。
【0133】
次に、触媒に以下の処理を行う:
触媒A:25℃のN下30分、その後160℃のH下3時間(触媒はPt/PS−DVB 160と表記)。
触媒B:25℃のN下30分、その後190℃のH下5時間(触媒はPt/PS−DVB 190と表記)。
【0134】
触媒C〜Fは、市販されている。
【0135】
触媒GおよびHを、以下の方法に従って調製した:
シリカ(酸化シリコンAlfa Aesar、触媒担体、低表面積、参照43861)を、以下の処理に付す:空気中で5時間、6℃/分で500℃まで加熱、その後二次真空(10−5ミリバール)中で5時間。次に、シリカ1gあたり1.45mlのTHFで、THF中Pt(全部で30mgのPt、すなわち、1重量%)のコロイド溶液をシリカに含浸させる。得られた触媒をアルゴン流下で48時間乾燥させ、次に以下の処理に付す:
触媒G:空気中320℃で焼成。
触媒H:450℃の水素下での処理。
触媒Iは、刊行物Boualleg et al.,2009,Chem.Mater,21,775−777に記載の方法に従って合成した。
触媒Jは、実施例2に従って合成した。
【0136】
実施例4:ヒドロシリル化反応−ポリメチルオクチルシロキサンの合成
【0137】
以下の反応を調べた。
【0138】
【化6】
【0139】
実験は、傾斜のついたガラスブレードを備える撹拌軸を装備した300mlのガラス反応器で実施した。幅5mmのガラスの3枚のカウンターブレードは、壁に対して作製された。反応器を恒温浴の中に入れ、温度は1度の範囲内で調節されてよい。
【0140】
反応器にはコンデンサが装備され、熱電対が反応媒質の内部のガラスグローブフィンガーに置かれている。ポリ(メチル水素シロキサン)(PMHSとも表記される)を、シリンジポンプを用いて反応器の中に導入する。
【0141】
ポリ(メチル水素シロキサン)(その[SiH]基の濃度は1.58モル/100gであり、25mPa・sの粘度を有する)を、実施例3の触媒の存在下、1−オクテン(これは約1.3の比 R=C化合物の不飽和の数/O化合物のSiH基の数 と等価である)に不活性窒素雰囲気下および70℃で滴下する。
【0142】
触媒に応じた反応条件を下の表に要約する:
【0143】
【表1】

【0144】
これらの実施例は、ヒドロシリル化反応が過剰の化合物(C)(Rは1.3〜1.4の間からなる)で実施される場合の例を示す。
【0145】
PMHSの注入の終わりの時点で、第1のサンプルを採取し、水素シロキサン官能基の消費によって注入の終わりの時点での反応の進行を評価するために、気体定量的適用量(gasometric dosage)を濾過後に達成する。これは、注入の終わりの時点で達成されるTON(TON=ターンオーバー数は、白金の最初のモル数に基づく、変換されたSiHのモル数を表す)を得る可能性を与える。これらの結果は、下の表中の注入の終わりの時点のTONの列に分類される。
【0146】
並行して、反応媒質の第2のサンプルを採取する。サンプルの反応媒質を、不均一系触媒を除去するために濾過し、再び70℃で5時間置く。その後、観察される活性は、反応媒質に塩析したPt(0)のナノ粒子によるものだけである。これは、反応媒質に可溶化されていることになる白金に起因し、そのため、反応媒質における白金の塩析を示す、均一モードにおいて達成されるTONを得る可能性を与える。これらの結果は、下の表中のさらなる5時間のTON(均一)の列に分類される。
【0147】
PMHSの注入の終わりから5時間後、反応の進行とそのために5時間の総TONをたどるために反応器中の反応媒質の新しいサンプルを採取する。この総TONは、注入の終わりの時点のTON、反応媒質における白金の塩析に起因するTON(すなわち、均一の5時間のTON)および不均一系触媒の活性に起因するTONを計算に入れる。従って、総TONから、注入の終わりの時点のTONおよび均一の5時間のTONを引くことにより、不均一系触媒(不均一のさらなる5時間のTON)に起因する、達成されたTONを得ることが可能である。
【0148】
結果は白金の最初のモルあたりの転換されたSiHのモル数で表される:
【0149】
【表2】

【0150】
これらの結果は、白金ナノ粒子の浸出を避けるために熱処理されたPt/PS−DVB触媒が、確かにPtナノ粒子の塩析は少なかったが、低い触媒活性を有することを示す。
【0151】
また、これらの結果は、Pt/C触媒が繰り返しにあまり適していないことも示す。実際に、供給業者またはバッチによって、Pt/C触媒はヒドロシリル化反応に対してかなり異なる活性を有する。これに対し、本発明に係るヒドロシリル化反応は、本発明の異なる触媒の様々なバッチで実施されたが、結果は再現性があることを示した。さらに、これらの結果は、Pt/C触媒に、反応媒質へのPtナノ粒子のかなりの塩析の原因があることを示す。
【0152】
320℃で処理したPt/SiOで得られた結果は、Ptの媒質へのかなりの塩析を示す。450℃で処理した同じ触媒は、確かにPtの塩析の低下を可能にするが、活性はかなり制限されていることが分かる。
【0153】
Pt/SBA(チャネル)で得られた結果も、媒質へのPtの非常に強い塩析を示す。
【0154】
比較として、本発明に係る触媒は、Ptの媒質への低い塩析を有利に有するとともに、良好な活性を有する。実際に、本発明の触媒に関して、反応の5時間後の活性は、主に不均一系触媒に起因し、白金を反応媒質に塩析することに起因するものではなく、特に比較するとナノ粒子が細孔内に入っている触媒に起因する。このことは、Ptナノ粒子が触媒の壁の中に閉じ込められ、従って浸出から保護されるが、ヒドロシリル化を可能にするための試薬に利用可能なままであることを示すことの可能性を示す。
【0155】
また、これらの結果は、驚くことに、ナノ粒子が材料(A)の壁に十分に統合されていて、従って、たとえ試験した化合物(O)の粘度が水の約15倍大きいとしても、先験的に当業者にはアクセスすることが困難であるにもかかわらず、良好なヒドロシリル化収量が得られることを示す。
【0156】
実施例5:部分的ヒドロシリル化反応−ポリ(メチル水素シロキサン−コ−メチルオクチルシロキサン)の合成
【0157】
この実施例は、化合物(C)なしで実施されたヒドロシリル化反応の例を示す。
ポリ(メチル水素シロキサン)(その[SiH]基の濃度は1.58モル/100gであり、25mPa.sの粘度を有する)および1−オクテン(これは約0.1の比 R=C化合物の不飽和の数/O化合物のSiH基の数 と等価である)の事前混合物を、窒素雰囲気下、70℃で、トルエンに希釈した不均一系J触媒(実施例2に記載の方法によって得られる本発明に従う触媒:Pt/SBA(壁))の溶液(試薬に対して相対的に5質量ppmのPt)に滴下する。注入の終わりの時点で、反応媒質を70℃で1時間維持し、その後、反応の進行を制御するためにH NMR分析(CDCl)用にサンプルを採取する。反応媒質が経時的に変化しない場合、反応媒質を室温に戻し、その後不均一系J触媒を除去するために濾過する。次に、溶媒(15ミリバール)を80℃で除去するために、反応媒質を真空(15ミリバール)に置く。最終生成物は、その後空気中で状態調節し、室温で保存する。最終生成物は、表面にゲル化現象もなく経時的に安定している。
【0158】
比較例1:部分的ヒドロシリル化反応−ポリ(メチル水素シロキサン−コ−メチルオクチルシロキサン)の合成
【0159】
この実施例は、化合物(C)なしで実施されたヒドロシリル化反応の例を示す。
【0160】
ポリ(メチル水素シロキサン)(その[SiH]基の濃度は1.58モル/100gであり、25mPa.sの粘度を有する)および1−オクテン(これは約0.1の比 R=C化合物の不飽和の数/O化合物のSiH基の数 と等価である)の事前混合物を、窒素雰囲気下、70℃で、トルエンに希釈したカールシュテット白金均一系触媒溶液(試薬に対して相対的に5質量ppmのPt)に滴下する。注入の終わりの時点で、反応媒質を70℃で1時間維持し、その後、反応の進行を制御するためにH NMR分析(CDCl)用にサンプルを採取した。反応媒質がもはや変化しない場合、反応媒質を80℃の真空(15ミリバール)で脱揮するか、事前にカーボンブラック2S(0.5質量%/反応媒質)で2時間処理した後、溶媒を除去するために真空に置く。最終生成物は、その後空気中で状態調節し、室温で保存する。最終生成物は安定していない。最終生成物は、表面で時間とともに硬くなる2〜3センチのクラストの形成によって、15分未満で急速に変化し、これは最終生成物がカーボンブラックで処理されたかどうかを問わない。
<付記>
<項1>ケイ素原子に直接結合している少なくとも1つの水素原子を含む有機ケイ素化合物(O)の存在下、かつ、細孔と、金属ナノ粒子が含まれている酸化シリコン壁からなる無機骨格とを含む、構造化された多孔質材料(A)を含む触媒的ヒドロシリル化系の存在下、少なくとも1つの不飽和を含む少なくとも1つの化合物(C)をヒドロシリル化するための方法(P)。
<項2>前記材料(A)が粉末の形態である、項1に記載の方法。
<項3>粉末である前記材料(A)が支持体上に担持されている、項2に記載の方法。
<項4>前記金属ナノ粒子が白金ナノ粒子である、項1〜項3のいずれか一項に記載の方法。
<項5>前記材料(A)が、2〜50nmの直径を有するメソ細孔と、前記材料(A)の前記壁に存在し、2nm未満の直径を有する微孔性チャネルをもつ二重多孔性を有する、項1〜項4のいずれか一項に記載の方法。
<項6>前記材料(A)が、20〜1,200m/g、好ましくは300〜1,100m/gのBET比表面積を有する、項1〜項5のいずれか一項に記載の方法。
<項7>前記金属ナノ粒子が、1〜10nmの平均径を有する、項1〜項6のいずれか一項に記載の方法。
<項8>前記材料(A)の前記無機骨格の前記壁が、3nm以上の厚さ、好ましくは5〜15nmの厚さを有する、項1〜項7のいずれか一項に記載の方法。
<項9>前記材料(A)の前記無機骨格が、バーミキュラ構造、立方構造または六方構造、好ましくは二次元の六方構造を有する、項1〜項8のいずれか一項に記載の方法。
<項10>前記化合物(C)が、1または数個のアルケン官能基および2〜40個の炭素原子、あるいは1または数個のアルキン(alkyn)官能基および2〜40個の炭素原子、を含む、項1〜項9のいずれか一項に記載の方法。
<項11>前記化合物(C)が、以下からなる群から選択される、項1〜項10のいずれか一項に記載の方法:
−C−Cアルキルアクリレートおよびメタクリレート;
−アクリル酸またはメタクリル酸;
−アセチレン;
−アルケン、好ましくはオクテン、より優先的には1−オクテン;
−非共役ジエン、好ましくはヘキサジエンまたはオクタジエン;
−アリルアルコール;
−アリルアミン;
−アリルおよびグリシジルエーテル;
−アリルおよびピペリジンエーテル、好ましくは立体障害アリルおよびピペリジンエーテル;
−スチレン、好ましくはα−メチル−スチレン;
−1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン;
−塩素化アルケン、好ましくは塩化アリル;
−フッ素化アルケン、好ましくは4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−1−ヘプテン;
【化5】

およびそれらの混合物。
<項12>前記化合物(O)が以下からなる群から選択される、項1〜項11のいずれか一項に記載の方法:
−式(III)の水素シラン化合物:
【化6】

〔式中、
−Rは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子、好ましくは塩素;1または数個のアリールもしくはシクロアルキル基で置換されていてもよい、1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよい、および/または1または数個のケトン官能基で置換されていてもよいアルキル基;1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基;あるいは、1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表し;
−R’は、それぞれ独立に、1または数個のアリールもしくはシクロアルキル基で置換されていてもよい、1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよい、および/または1個のケトン官能基で置換されていてもよいアルキル基;1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基;あるいは、1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表し;
−R”は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子、好ましくは塩素;1または数個のアリールもしくはシクロアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基;1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基;あるいは、1または数個のアルキル基で置換されていてもよい、および/または1または数個のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表し;かつ
−m、nおよびoは、0、1、2または3の値の整数であり、m+n+o=3であり、
R、R’およびR”は、同一であっても異なっていてもよい〕;
−以下を含むポリオルガノシロキサン:
(i)少なくとも1つの式(IV)のシロキシル単位
【化7】

〔式中、
−d=1または2、好ましくはd=1であり
−e=0、1または2であり
−d+e=1、2または3であり、
−1または複数の記号Zは、同一であっても異なっていてもよく、ヘテロ原子またはヘテロ原子を含むラジカルで置換されていてもよく、1〜30個の炭素原子を有していてもよい一価の炭化水素基を表し、好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、およびアリール基によって形成される群から選択され、さらにより優先的にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリルおよびフェニルラジカル、好ましくはフェニルまたはメチル、好ましくはメチルによって形成される群から選択される、一価の炭化水素基を表す〕;ならびに
(ii)所望により少なくとも1つの式(V)のシロキシル単位
【化8】

〔式中、
−c=0、1、2または3、好ましくは1、2または3であり;
−1または複数の記号Zは、同一であっても異なっていてもよく、ヘテロ原子またはヘテロ原子を含むラジカルで置換されていてもよい1〜30個の炭素原子を有し、好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、およびアリール基によって形成される群から選択され、さらにより優先的にはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、キシリル、トリルおよびフェニルラジカル、好ましくはフェニルまたはメチル、好ましくはメチルによって形成される群から選択される、一価の炭化水素基を表す〕、
ならびにその混合物。
<項13>モル比 R=C化合物の不飽和の数/O化合物のSiH基の数 が、0.01〜2の範囲内にある、項1〜項12のいずれか一項に記載の方法。
<項14>金属ナノ粒子の添加量が、前記化合物(C)および(O)の総重量に対して、1〜50ppm、好ましくは5〜20ppmである、項1〜項13のいずれか一項に記載の方法。
<項15>モル比 R=C化合物の不飽和の数/O化合物のSiH基の数 が、0.01〜0.99の範囲内にある、項1〜項14のいずれか一項に記載の方法。
<項16>以下の工程:
a)方法(P)に従って、前記有機ケイ素化合物(O)と第1の化合物(C)を反応させる工程であって、Rが0.01〜0.99の範囲内にある工程と;
b)方法(P)に従って、工程a)で得た有機ケイ素化合物と、工程a)で加えた化合物とは異なる第2の化合物(C)とを反応させる工程であって、第2の化合物(C)の付与に関するこの工程b)の前記比Rが、0.01〜1の範囲内にある工程、
を含み、
工程a)およびb)が請求項1〜請求項14に定義される触媒系の存在下で実行される、項1〜項14のいずれか一項に記載の方法。
<項17>連続的に実行されることを特徴とする、項1〜項16のいずれか一項に記載の方法。
<項18>20〜100℃の温度で実施されることを特徴とする、項1〜項17のいずれか一項に記載の方法。
<項19>反応器を含み、前記反応器の要素の少なくとも1つが前記材料(A)で覆われている、項1〜項18のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置。
<項20>有機ケイ素化合物(O)と、少なくとも1つの不飽和を含む化合物(C)との反応のためのヒドロシリル化触媒系としての、項1〜項14のいずれか一項に記載の材料(A)の使用。
図1