特許第6211213号(P6211213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許62112131,1,1−トリフルオロアセトンからの4−アルコキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンの調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6211213
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】1,1,1−トリフルオロアセトンからの4−アルコキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンの調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 45/70 20060101AFI20171002BHJP
   C07C 49/227 20060101ALI20171002BHJP
【FI】
   C07C45/70
   C07C49/227
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-567518(P2016-567518)
(86)(22)【出願日】2015年6月24日
(65)【公表番号】特表2017-518977(P2017-518977A)
(43)【公表日】2017年7月13日
(86)【国際出願番号】EP2015064241
(87)【国際公開番号】WO2015197682
(87)【国際公開日】20151230
【審査請求日】2017年1月10日
(31)【優先権主張番号】14174009.2
(32)【優先日】2014年6月26日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】62/017,385
(32)【優先日】2014年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14176705.3
(32)【優先日】2014年7月11日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502336151
【氏名又は名称】ロンザ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サラゴサ・デールバルト,フロレンシオ
(72)【発明者】
【氏名】テシュラー,クリストフ
【審査官】 阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−531451(JP,A)
【文献】 特表2012−532182(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0051892(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 45/64
C07C 49/203
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップStepS1を含む、式(I)
【化1】
の化合物の調製方法であって、ステップStepS1が反応ReacS1を含み、反応ReacS1が、式(IV)の化合物の存在下における式(II)の化合物と1,1,1−トリフルオロアセトンとの反応であり、
【化2】
[式中、
R1は、C1−4アルキルであり、
R4およびR5は、同一であるかまたは異なり、互いに独立して、HおよびC1−4アルキルからなる群から選択される。]、
方法。
【請求項2】
R1が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびn−ブチルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R4およびR5が、同一であるかまたは異なり、互いに独立して、水素およびC1−2アルキルからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
化合物(II)のモル量が、1,1,1−トリフルオロアセトンのモル量に対して、1から20倍である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
化合物(IV)のモル量が、1,1,1−トリフルオロアセトンのモル量に対して、2から60倍である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
反応ReacS1が、0℃から250℃の温度で行われる、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
反応ReacS1の反応時間が、10分間から72時間である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,1,1−トリフルオロアセトンから、4−アルコキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンを調製する方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
式(I)の、4−アルコキシおよび4−アリールオキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンは、フッ素化複素環の調製にとって重要な合成中間体である。
【0003】
2−トリフルオロメチルピリジンおよび6−トリフルオロメチルピリジン−3−カルボン酸誘導体は、生物活性化合物の調製のための中間体である。例えば、WO00/39094A1は、除草剤としてのトリフルオロメチルピリジンを開示しており、WO2006/059103A2は、医薬品、化学品および農業化学品の生成における中間体としてのトリフルオロメチルピリジンを開示しており、WO2008/013414A1は、バニロイド受容体アンタゴニストとしてのトリフルオロメチルピリジンを開示しており、WO2012/061926A1は、カルシウムチャネル遮断薬としてのトリフルオロメチルピリジンを開示している。
【0004】
WO2005/026149A、DE2429674AおよびEP51209Aは、本発明において使用されるある特定の前駆体を開示している。
【0005】
6−トリフルオロメチルピリジン−3−カルボン酸誘導体の調製のための一般的な経路は、Okada et al、Heterocycles 1997、46、129−132頁によって初めて報告され、以来、他によっては僅かしか修正されていない。一般的な合成ストラテジーを、スキーム1に要約する。
【0006】
【化1】
【0007】
この経路は、6−トリフルオロメチルピリジン−3−カルボン酸誘導体の大規模製造にとって不都合な点を有する。これは、エチルビニルエーテルがかなり可燃性であり、それ故に取り扱いが難しく、またトリフルオロアセチル化エノールエーテルおよびトリフルオロアセチル化エナミン中間体は不安定であり、長時間保存することができないためである。また、大部分のビニルエーテルは変異原性である。
【0008】
US20130079377は、新規なバニロイド受容体リガンドの合成のための、4−アルコキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンの使用およびそのビニルエーテルからの調製について記載している。
【0009】
US20120101305は、ビニルエーテルおよびトリフルオロアセチルクロリドからの4−アルコキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンの調製について開示している。
【0010】
US20140051892A1は、トリフルオロアセチルクロリドをエチルビニルエーテルと反応させ、その後、得られた塩素化中間体を熱分解することによる、4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンの調製方法について開示している。この方法の不都合な点は、塩化水素を形成することから、腐食性であり、且つ、保存するのに難がある生成物になってしまうことである。
【0011】
WO2004/078729A1は、とりわけ、4−アルコキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンからの式(Xa)
【0012】
【化2】
の化合物の調製について開示しており、実施例P2の18ページにおいて、式(X−1)
【0013】
【化3】
の化合物の調製のための4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンの使用について開示している。
【0014】
式(Xa)の化合物および式(X−1)の化合物は、除草剤の調製のための中間体である。
【0015】
4−アルコキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンへの全ての公知の経路は、ビニルエーテルとトリフルオロアセチルクロリドまたは無水トリフルオロ酢酸との反応に基づいており、そうすると1等量のHClまたはトリフルオロ酢酸が副生成物として形成され、この副生成物は通常、酸によって媒介される生成物の分解を防止するために、塩基の添加によって捕捉されねばならない。4−アルコキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンの大規模な製造のためのこの合成ストラテジーのさらなる不都合な点は、ビニルエーテルがかなりの可燃性であり、且つ、突然変異誘発性であることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第2000/39094号
【特許文献2】国際公開第2006/059103号
【特許文献3】国際公開第2008/013414号
【特許文献4】国際公開第2012/061926号
【特許文献5】国際公開第2005/026149号
【特許文献6】独国特許出願公開第2429674号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第51209号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第20130079377号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第20120101305号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第20140051892号明細書
【特許文献11】国際公開第2004/078729号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Okada et al、Heterocycles 1997、46、129−132頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
4−アルコキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンの、改善された調製方法に対するニーズがあった。この方法は、問題となるトリフルオロアセチルクロリドおよびエチルビニルエーテルを使用しないことである。この必要性は、以下で概説される本発明の方法によって満たされた。
【0019】
従来技術と比較して、本発明の方法はいくつかの利点を提供する。本方法によれば、塩化水素の形成がなく、4−アルコキシ−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−オンを得ることができる。酢酸、酢酸エチルおよびギ酸エチルのみが副生成物として形成され、耐塩酸性でない反応器の使用が可能となる。重要なことに、問題となるビニルエーテルは必要とされない。また、本発明の方法は、1つの合成ステップしか含まず、それ故にUS20140051892A1において開示されている2ステップの手順よりもコストがかからない。
【0020】
以下の文章において、別途明言されない限り、
周囲圧力は、天候によるが通常1バールであり;
ハロゲンは、F、Cl、BrまたはIを意味し、好ましくはCl、BrまたはIを意味し;
アルキルは、直鎖または分岐アルキルを意味し、アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなどが挙げられ;
環状アルキルまたはシクロアルキルとしては、シクロ脂肪族、ビシクロ脂肪族および三環式脂肪族残基が挙げられ、「シクロアルキル」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニルおよびアダマンチルが挙げられ;
アルコキシは、アルキル−O、すなわち脂肪族アルコールから酸素に結合する水素を除去することで得られる基を意味し;
(アルコキシ)アルコキシは、中のアルキル基が1つの別のアルコキシ基で置換されているアルコキシ基を指し、(アルコキシ)アルコキシの例としては、式MeO−CH−O−で表されるメトキシメトキシ、式MeO−CH−CH−O−で表される2−(メトキシ)エトキシおよび式(C)CH−O−CH−CH−O−で表される2−(シクロプロピルメトキシ)エトキシが挙げられ;
Acは、アセチルであり;
tBuは、第三級ブチルであり;
シアヌル酸クロリドは、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンであり;
DBUは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンであり;
DABCOは、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンであり;
DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドであり;
DMAは、N,N−ジメチルアセトアミドであり;
DMSOは、ジメチルスルホキシドであり;
ハロゲンは、F、Cl、BrまたはIを意味し、好ましくはF、ClまたはBrを意味し;
ヘミアセタールは、アルコール、例えばメタノールまたはエタノールの、ケトンまたはアルデヒドとの付加体を指し、ヘミアセタールはまた、水をエノールエーテルに添加した際にも生じる場合があり、例えば、メタノールの1,1,1−トリフルオロアセトンとのヘミアセタールは、FC−C(OH)(OCH)−CHであり、
ヘキサンは、異性体のヘキサンの混合物であり;
水和物は、ケトンまたはアルデヒドとの水の付加体を指し、例えば、1,1,1−トリフルオロアセトンの水和物は、FC−C(OH)−CHであり;
LDAは、リチウムジイソプロピルアミドであり;
NMPは、N−メチル−2−ピロリドンであり;
スルファミン酸は、HO−SO−NHであり;
Tempは、温度であり;
TriFAは、1,1,1−トリフルオロアセトンであり;
THFは、テトラヒドロフランであり;
トリフルオロアセトンは、1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オンであり;
キシレンは、1,2−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼンまたはそれらの混合物である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の主題は、ステップStepS1を含む、式(I):
【0022】
【化4】
の化合物の調製方法であって、ステップStepS1が反応ReacS1を含み、反応ReacS1が、式(IV)の化合物の存在下における式(II)の化合物と1,1,1−トリフルオロアセトンとの反応であり、
【0023】
【化5】
式中、
R1はC1−4アルキルであり、
R4およびR5は、同一であるかまたは異なり、互いに独立して、HおよびC1−4アルキルからなる群から選択される、
方法である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
式(II)の化合物、1,1,1−トリフルオロアセトンおよび式(IV)の化合物は、任意の順番で、反応ReacS1のために混合することができる。
【0025】
好ましくは、R1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびn−ブチルからなる群から選択され;
より好ましくは、R1は、メチル、エチルおよびn−プロピルからなる群から選択され、
さらにより好ましくは、R1はメチルまたはエチルであり;
特に、R1はエチルである。
【0026】
好ましくは、R4およびR5は、同一であるかまたは異なり、互いに独立して、水素およびC1−2アルキルからなる群から選択され;
より好ましくは、R4およびR5は、同一であるかまたは異なり、互いに独立して、水素およびメチルからなる群から選択され;
さらにより好ましくは、R4およびR5は、同一であるかまたは異なり、互いに独立して、水素またはメチルであり;
特に、R4およびR5はメチルである。
【0027】
好ましくは、化合物(II)のモル量は、1,1,1−トリフルオロアセトンのモル量に対して1から20倍であり、より好ましくは1から10倍であり、さらにより好ましくは1から6倍である。
【0028】
好ましくは、化合物(IV)のモル量は、1,1,1−トリフルオロアセトンのモル量に対して2から60倍であり、より好ましくは2から20倍であり、さらにより好ましくは2から10倍である。
【0029】
反応ReacS1は、触媒CatS1の存在下において行うことができ;
触媒CatS1は、トリフルオロ酢酸、硫酸、ZnCl、ZnBr、ZnI、BF、BFOEt、BBr、BCl、MgClおよびCaClからなる群から選択され;
好ましくは、触媒CatS1は、トリフルオロ酢酸、硫酸、ZnCl、ZnBr、ZnI、BFOEt、BCl、MgClおよびCaClからなる群から選択され;
より好ましくは、触媒CatS1は、トリフルオロ酢酸、硫酸、ZnCl、BFOEt、MgClおよびCaClからなる群から選択され;
さらにより好ましくは、触媒CatS1は、トリフルオロ酢酸、ZnCl、BFOEtおよびMgClからなる群から選択される。
【0030】
好ましくは、触媒CatS1のモル量は、1,1,1−トリフルオロアセトンのモル量に対して0.001から2倍であり、より好ましくは0.005から1倍であり、さらにより好ましくは0.01から0.5倍である。
【0031】
好ましくは、反応ReacS1は、0℃から250℃、より好ましくは20℃から200℃、さらにより好ましくは60℃から150℃の温度で行われる。
【0032】
好ましくは、反応ReacS1は、周囲圧力から150バール、より好ましくは周囲圧力から100バール、さらにより好ましくは周囲圧力から70バールの圧力で行われる。
【0033】
好ましくは、反応ReacS1の反応時間は、10分間から72時間、より好ましくは1時間から48時間、さらにより好ましくは2時間から24時間である。
【0034】
反応(ReacS1)は、溶媒中で行うことができ;
好ましくは、この溶媒は溶媒(SolvS1)であり、溶媒(SolvS1)は、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、プロピオニトリル、DMF、DMA、DMSO、スルホラン、THF、2−メチル−THF、3−メチル−THF、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
より好ましくは、溶媒(SolvS1)は、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、DMF、DMA、DMSO、スルホラン、THF、2−メチル−THF、3−メチル−THF、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼンおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
さらにより好ましくは、溶媒(SolvS1)は、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、DMF、DMA、スルホラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、クロロベンゼンおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
特に、溶媒(SolvS1)は、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、DMF、DMA、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、クロロベンゼンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0035】
好ましくは、溶媒(SolvS1)の重量は、1,1,1−トリフルオロアセトンの重量の、0.1から100倍であり、より好ましくは1から50倍であり、さらにより好ましくは1から25倍である。
【0036】
反応ReacS1の後、いかなる触媒CatS1も濾過によって除去することができる。
【0037】
式(I)の化合物は、任意の従来型の方法、例えば減圧下での蒸留によってまたは結晶化によって、反応ReacS1後に単離することができる。好ましくは、いかなる揮発性副生成物も留去され、残留物は精製されるか、またはさらに精製しないで使用される。
【実施例】
【0038】
[実施例1]
1,1,1−トリフルオロアセトン(0.80ml、8.93mmol)、オルトギ酸トリエチル(2.23ml、13.0mmol)および無水酢酸(2.53ml、27.0mmol)の混合物を、閉鎖バイアル中で、140℃で16時間撹拌した。
【0039】
H NMR(CDCl)による試料分析によって、使用した1,1,1−トリフルオロアセトンに関して、65%の収率で式(1)
【0040】
【化6】
の化合物が形成されたことが示された。
【0041】
[実施例2から5]
実施例2から5を、表1に示されるいくつかのの差異を伴って、実施例1と同様に行った。
【0042】
【表1】
【0043】
[実施例6]
1,1,1−トリフルオロアセトン(0.20ml、2.2mmol)、オルトギ酸トリメチル(1.0ml、9.1mmol)および無水酢酸(1.6ml、16.9mmol)の混合物を、閉鎖バイアル中で、140℃で16時間撹拌した。H NMR(CDCl)による試料分析によって、使用したトリフルオロアセトンに関して、78%の収率で式(2)
【0044】
【化7】
の化合物が形成されたことが示された。
H NMR(CDCl,400MHz)δ=3.88(s,3H),5.87(d,J=12Hz,1H),7.94(d,J=12Hz,1H).
19F NMR(CDCl)δ=78.08ppm.