特許第6211288号(P6211288)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシン精機株式会社の特許一覧 ▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

特許6211288車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品
<>
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000002
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000003
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000004
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000005
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000006
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000007
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000008
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000009
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000010
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000011
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000012
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000013
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000014
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000015
  • 特許6211288-車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6211288
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/75 20150101AFI20171002BHJP
   B60R 13/04 20060101ALN20171002BHJP
【FI】
   E05F15/75
   !B60R13/04 B
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-79075(P2013-79075)
(22)【出願日】2013年4月5日
(65)【公開番号】特開2014-201968(P2014-201968A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2015年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100128657
【弁理士】
【氏名又は名称】三山 勝巳
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】関 誠雄
(72)【発明者】
【氏名】福井 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】土田 保
(72)【発明者】
【氏名】野村 祐幸
(72)【発明者】
【氏名】清水 辰弥
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−182284(JP,A)
【文献】 特開2002−106250(JP,A)
【文献】 特開2010−095975(JP,A)
【文献】 特表2003−500793(JP,A)
【文献】 特表2012−530935(JP,A)
【文献】 特開2006−232017(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0032463(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00−15/79
B60R 13/01−13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた装飾部品と、
前記装飾部品に設けられ、前記車両のドアを自動で開かせるための指令をユーザに入力させる開作動用入力部と、
前記装飾部品に設けられ、前記車両のドアを自動で閉じるための指令をユーザに入力させる前記開作動用入力部とは異なる位置に設けられた閉作動用入力部と、
前記装飾部品に設けられ、前記ドアが閉状態の場合にはユーザに前記開作動用入力部の位置を視認させ、前記ドアが開状態の場合にはユーザに前記閉作動用入力部の位置を視認させる発光部と、
前記開作動用入力部により前記指令が入力されると、前記ドアを自動で開け、前記閉作動用入力部により前記指令が入力されると、前記ドアを自動で閉じるドア駆動部と
前記装飾部品に設けられ、前記ドア駆動部の駆動により自動で動いている前記ドアを途中で停止させるための指令をユーザに入力させるための第2の入力部と
を備え
前記発光部は、
前記装飾部品に設けられ、前記第2の入力部の位置をユーザに視認させる第2の発光部を有し、
前記ドア駆動部は、前記第2の入力部により前記停止させるための指令が入力されると、前記ドアを停止し、
前記装飾部品は、
ベース部と、
前記ベース部を覆うように設けられた表面部と、
前記ベース部と前記表面部とを連結する1対のヒンジとを有し、
前記第2の入力部は、前記ベース部と前記表面部との間に設けられており、
前記1対のヒンジにより前記ベース部に支持された前記表面部は、前記1対のヒンジのヒンジ軸を中心に回動し、
前記表面部がユーザによって押下されると、該表面部は前記回動により前記ベース部側に変位して、該変位により前記第2の入力部による指令が入力される、車両用オートドア操作装置。
【請求項2】
前記装飾部品は、少なくともその一部が車両内側に向けて移動可能に構成され、該一部の移動により前記第2の入力部による指令が入力される請求項に記載の車両用オートドア操作装置。
【請求項3】
前記装飾部品は、少なくともその一部が車両内側に向けて回動可能に構成され、該一部の回動により前記第2の入力部による指令が入力される請求項またはに記載の車両用オートドア操作装置。
【請求項4】
前記装飾部品に設けられ、前記車両のドアを自動で開かせるための指令以外の前記車両の操作に関する指令をユーザに入力させるための第4の入力部をさらに備え、
前記発光部は、
前記装飾部品に設けられ、前記第4の入力部の位置をユーザに視認させる第4の発光部を有する請求項1に記載の車両用オートドア操作装置。
【請求項5】
前記発光部は、所定の表示を行なうディスプレイ部である請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両用オートドア操作装置。
【請求項6】
前記ディスプレイ部は、前記車両の状況を表示する請求項に記載の車両用オートドア操作装置。
【請求項7】
車両の外側に設けられる装飾部品であって、
前記車両のドアを自動で開かせるための指令をユーザに入力させる開作動用入力部と、
前記車両のドアを自動で閉めるための指令をユーザに入力させる前記開作動用入力部とは異なる位置に設けられた閉作動用入力部と、
前記ドアが閉状態の場合はユーザには前記開作動用入力部の位置を視認させ、前記ドアが開状態の場合にはユーザに閉作動用入力部の位置を視認させる発光部と
前記開作動用入力部により前記指令が入力されると、前記ドアを自動で開け、前記閉作動用入力部により前記指令が入力されると、前記ドアを自動で閉じるドア駆動部と、
前記ドア駆動部の駆動により自動で動いている前記ドアを途中で停止させるための指令をユーザに入力させるための第2の入力部と
を備え
前記発光部は、
前記装飾部品に設けられ、前記第2の入力部の位置をユーザに視認させる第2の発光部を有し、
前記ドア駆動部は、前記第2の入力部により前記停止させるための指令が入力されると、前記ドアを停止し、
前記装飾部品は、
ベース部と、
前記ベース部を覆うように設けられた表面部と、
前記ベース部と前記表面部とを連結する1対のヒンジとを有し、
前記第2の入力部は、前記ベース部と前記表面部との間に設けられており、
前記1対のヒンジにより前記ベース部に支持された前記表面部は、前記1対のヒンジのヒンジ軸を中心に回動し、
前記表面部がユーザによって押下されると、該表面部は前記回動により前記ベース部側に変位して、該変位により前記第2の入力部による指令が入力される、装飾部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品に関し、車両が有するドア(例えば、サイドドア、バックドア、トランクリッドなど)をユーザが車両の外から操作するための車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが車両のドアに触れずに該ドアを開閉させる技術が提案されている。特許文献1では、カメラによりユーザの手の形状を撮影し、かつドアに対するユーザの手の位置を検知し、該カメラの撮影画像および検知された手の位置に基づいてドアの開閉を自動で行うことが開示されている。例えば、ドアを開ける意思を表す手の形(オープン形)と、ドアを閉める意思を表す手の形(クローズ形)とが引用文献1に係る制御装置に設定される。該制御装置は、カメラにより取得された撮影画像を解析した結果、ユーザの手がオープン形であると判断し、かつユーザの手がドアから所定の距離以上離れていない場合、ドアを自動的に開ける。同様に、上記制御装置は、カメラにより取得された撮影画像を解析した結果、ユーザの手がクローズ形であると判断し、かつユーザの手がドアから所定の距離以上離れていない場合、ドアを自動的に閉める。特許文献1に開示された技術では、カメラによる撮影画像の解析結果、ユーザの手の形がオープン形またはクローズ形であっても、該ユーザの手がドアから所定の距離以上離れている場合は、ユーザによるジェスチャを無視し、ドアの開閉動作は行われない。
【0003】
特許文献2に開示された技術においては、車両近傍に位置するユーザの全体像を撮影するようにカメラが設けられており、制御装置が、該カメラの撮影画像に基づいてユーザの手の状態を認識し、撮影画像の解析の結果、ユーザの手が塞がっていると判断される場合は、自動的にドアを開ける。すなわち、制御装置は、カメラの撮影範囲に存在するユーザの手が塞がっている場合は、自動的にドアを開いて欲しいとユーザが意図していると判断し、ドアを自動的に開ける。一方、上記制御装置は、カメラの撮影範囲に存在するユーザの手が塞がっていない場合は、ドア開動作をユーザが自身で行えると判断し、ドアを自動的には開けない。この場合は、ユーザは、ドアハンドルをユーザ自身で操作して、ドア開動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−13824号公報
【特許文献2】特開2006−274677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、特許文献1、2においては、自動でのドア開閉の制御を行う制御装置は、カメラにて撮影された撮影画像を解析して、ユーザのドア開閉の意思を認識する。よって、ユーザのドアの開閉意思が正確に反映されない可能性がある。例えば、雨や霧が発生している場合は、カメラによる撮影画像がぼやけてしまい、対応する制御装置が、ユーザの状況(手の形状や、手の塞がり状況)を正確に認識できない場合や、ユーザの状況を間違って認識してしまう恐れがある。この場合は、自動ドア開閉における誤作動に繋がってしまう。あるいは、夜など車両の周囲が暗い場合においては、カメラにより撮影された画像も暗いものとなり、上記ユーザの状況を正確に撮影することができない場合もある。このように、特許文献1、2においては、天候や車両周囲の照度によっては、ユーザのドアの開閉意思の判別を正確に行なえ無いこともある。
また、不意な事象によりカメラの撮影領域が変わってしまったり、カメラの受光部が何かに遮られてしまう等して、ドア開閉動作すらしない状況に陥ってしまうかもしれない。
【0006】
また、特許文献1、2のいずれにおいても、ユーザのドアの開閉意思の判別のためのカメラによる撮影時に、該カメラの撮影領域に複数の人物が居る場合、カメラはその複数の人物を含んだ撮影画像を生成する。特許文献1、2のいずれにも、カメラの撮影画像に複数の人物が写っている場合、どの人物の状況を判断材料とするのかについては言及されてない。よって、特許文献1、2の各々に係る制御装置は、撮影画像に含まれる複数の人物のうちどの人物がドアの開閉意思を有しているのかを判断することは困難であろう。従って、特許文献1、2に開示された技術では、車両近傍(特に、カメラの撮影領域)における人物の人数、配置によっては、ユーザのドアの開閉の意思を正確に認識できないこともある。
【0007】
一方、特許文献1では、手の形状を認識した後に、ドアに対するユーザの手の位置の検知結果により、ユーザの手がドアに接触しないが、所定の距離未満の位置に存在しないと、ドアの自動開閉動作が行われない。よって、ドアを開ける意思を有するユーザが手をオープン形に形作っても、その手をオープン形に形作った位置が対象車両に設定された所定の距離以上の位置に存在している場合は、ドアは自動的に開かない。すなわち、ユーザが所望する開閉動作が行われない状況が発生してしまう。
【0008】
そもそも、特許文献1では、車両に設定されたオープン形、クローズ形をユーザがカメラを介して車両の制御装置に認識させる必要があり、また、ドアの動作時にユーザの手をドアから所定の距離未満に位置させる必要がある。よって、車両に設定されたオープン形、クローズ形の形状、および上記所定の距離を知らない人物(例えば、その車両に初搭乗する人物)にとっては、車両のドアを開けることすらできない。
【0009】
さらに、特許文献2では、制御装置は、ドアを自動的に開けて欲しいというユーザの意思の認識を、カメラにより撮影された撮影画像を解析して、ユーザの手が塞がっているか否かを判定することにより行っている。すなわち、ユーザの手が塞がっていると判定される場合は、制御装置は、ユーザはドアを自動的に開けて欲しいと判断し、ドアを自動で開ける動作を行う。よって、ユーザはドアを自動的に開けて欲しく無い場合であっても、カメラの撮影範囲内において、上記制御装置がユーザの手が塞がっていると判定してしまう格好をユーザがしている場合、ドアは自動的に開いてしまう。すなわち、ユーザの意図に反してドアが自動で開いてしまうことがある。
【0010】
これに対して、特許文献2には、カメラにて撮影された撮影画像において、ユーザの意思表示をより明確にするため、ユーザが正面を向いているか否かをさらに判定し、撮影画像の解析の結果、ユーザが正面を向き、かつ手が塞がっている場合にドアを自動で開ける形態が開示されている。
【0011】
しかしながら、この形態においては、ユーザが正面を向いているつもりであっても、制御装置が撮影画像においてユーザが正面を向いていないと判断する場合は、ドアは自動で開かない。また、ユーザの状況によっては、ドアを開ける意思は無いが、手が塞がった状態でドア窓を覗いて、車両内の様子を確認したい場合もあるであろう。このような場合、ユーザはカメラに対して正面を向いている可能性が高い。よって、引用文献2に係る制御装置は、カメラによる撮影画像の解析の結果、ユーザが正面を向き、かつ手が塞がっているので、ユーザはドアを開ける意思は無いのに、ドアを自動で開けてしまう。
【0012】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、車両のドア(例えば、サイドドア、バックドア、トランクリッドなど)を自動的に開くためのユーザからの指令を正確に認識可能であり、ユーザが上記車両ドアを自動的に開くための指令を正確に入力可能な車両用オートドア操作装置、および車両に設けられる装飾部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、車両用オートドア操作装置であって、車両に設けられた装飾部品と、前記装飾部品に設けられ、前記車両のドアを自動で開かせるための指令をユーザに入力させる入力部と、前記装飾部品に設けられ、前記入力部の位置をユーザに視認させる発光部と、前記入力部により前記指令が入力されると、前記ドアを自動で開けるドア駆動部とを備える。
【0014】
また、本発明の第の2態様は、車両の外側に設けられる装飾部品であって、前記車両のドアを自動で開かせるための指令をユーザに入力させる入力部と、前記入力部の位置をユーザに視認させる発光部とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車両のドアを自動で開かせるための指令の入力部、および該入力部をユーザに視認させるための通知部を、車両の外部に設けられる装飾部品(例えば、ガーニッシュやベルトモールなど)に設けている。従って、ユーザは、上記通知部により上記入力部の位置を正確に把握することができ、ユーザが該入力部を介して上記指令を入力することで、本発明に係る車両用オートドア操作装置は、ユーザからの指令を正確に認識することができる。また、ユーザがその手を所定の形状にしたり、ユーザの手が塞がっているなどの特殊な状況にユーザが無くても、ユーザは、車両のドアを自動で開かせるための指令を正確に入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る車両の側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る、ユーザインタフェース機能を有するガーニッシュを示す模式図である。
図3図2のIII−III線矢視断面図である。
図4図2のIV−IV線矢視断面図である。
図5図2のV−V線矢視断面図である。
図6】(a)は、本発明の一実施形態に係る、オートドア開作動用タッチセンサの位置に関する表示を示す図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る、オートドア閉作動用タッチセンサの位置に関する表示を示す図であり、(c)は、本発明の一実施形態に係る、停止用タッチセンサの位置に関する表示を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る車両オードドア操作装置の概略構成図である。
図8】本発明の一実施形態に係る車両用のドアの自動開動作の処理手順を示すフローチャートを示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る車両用のドアの自動閉動作の処理手順を示すフローチャートを示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る、開動作指令および閉動作指令の入力部、および該入力部を視認させる発光部を説明するための図である。
図11】本発明の一実施形態に係る、ユーザインタフェース機能を有するヒンジ式ガーニッシュを示す模式図である。
図12図11のXII−XII線矢視断面図であって、ガーニッシュが通常状態にある場合の図である。
図13図11のXII−XII線矢視断面図であって、ガーニッシュが途中停止のために押された状態を示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係る、ガーニッシュが有するユーザインタフェースを用いた車両の操作例を示す図である。
図15】本発明の一実施形態に係る、ガーニッシュが有するユーザインタフェースを用いた車両の状況の通知例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る車両の側面図である。
図1において、車両100は、開閉自在の開閉体としてのサイドドア101と、該サイドドア101を自動的に開閉させるドア開閉駆動部102とを備えている。符号103は、車両100のセンターピラーに設けられた、車両の装飾品としてのガーニッシュである。該ガーニッシュ103は、従来の装飾機能に加えて、車両100の外側に設けられたユーザインタフェース機能を有する。ドア開閉駆動部102は、例えばアクチュエータであり、制御装置104からの作動信号を受けることにより作動し、サイドドア101の自動開閉を行う。
【0019】
図2は、本実施形態に係る、ユーザインタフェース機能を有するガーニッシュを示す模式図である。
図2において、ガーニッシュ103は、車両100の前方向の右前のドアであるサイドドア101を自動で開かせるための指令をユーザが入力するためのオートドア開作動用タッチセンサ201と、サイドドア101を自動で閉じさせるための指令をユーザが入力するためのオートドア閉作動用タッチセンサ202とを備えている。また、ガーニッシュ103は、自動で動いているサイドドア101を途中で停止させるための指令をユーザが入力するための停止用タッチセンサ203a〜203cと、所定の表示を行うためのディスプレイ部204a〜204eとを備えている。なお、「サイドドア101を自動で開かせるためのユーザからの指令」を「開動作指令」と呼び、「サイドドア101を自動で閉じさせるためのユーザからの指令」を「閉動作指令」と呼び、「自動で動いているサイドドア101を途中で停止させるためのユーザからの指令」を「途中停止指令」と呼ぶことにする。
【0020】
ユーザによりオートドア開作動用タッチセンサ201が押下されると、オートドア開作動用タッチセンサ201は、ユーザからの開動作指令を検知し、該開動作指令に関する開動作指令情報を制御装置104に送信する。また、ユーザによりオートドア閉作動用タッチセンサ202が押下されると、オートドア閉作動用タッチセンサ202は、ユーザからの閉動作指令を検知し、該閉動作指令に関する閉動作指令情報を制御装置104に送信する。さらに、ユーザにより停止用タッチセンサ203a〜203cが押下されると、停止用タッチセンサ203a〜203cはそれぞれ、ユーザからの途中停止指令を検知し、該途中停止指令に関する途中停止指令情報を制御装置104に送信する。
【0021】
ディスプレイ部204a〜204eはそれぞれ、制御装置104に電気的に接続されており、所定の表示を行うことができる発光部である。ディスプレイ部204a〜204eとしてはそれぞれ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなど、所定の表示を行うことができる表示部を用いれば良い。
【0022】
図3は、図2のIII−III線矢視断面図である。
ガーニッシュ103のガーニッシュベース301には、ディスプレイ部204aを埋め込むための凹部302が形成されており、該凹部302内にディスプレイ部204aが設けられている。ガーニッシュベース301の、凹部302の縁部上には該凹部302を囲むようにセンサ搭載部303が設けられており、該センサ搭載部303上には、ディスプレイ部204aを覆うように、オートドア開作動用タッチセンサ201が設けられている。符号304は、凹部304aを有し、可撓性を有するガーニッシュ表面部である。該ガーニッシュ表面部304は、該ガーニッシュ表面部304の凹部304a側をガーニッシュベース301に対向させるようにして該ガーニッシュベース301を覆っている。よって、ガーニッシュベース301の凹部304a内に、オートドア開作動用タッチセンサ201、オートドア閉作動用タッチセンサ202、停止用タッチセンサ203a〜203c、およびディスプレイ部204a〜204eが設けられている。なお、ユーザが、ガーニッシュ表面部304の、オートドア開作動用タッチセンサ201と対向する領域を押下すると、該押下により可撓性を有するガーニッシュ表面部304は撓んで、オートドア開作動用タッチセンサ201に触れる。これにより、オートドア開作動用タッチセンサ201は、ユーザがこのセンサを押下したことを検知し、開動作指令情報を制御装置104に送信する。
【0023】
本実施形態では、オートドア開作動用タッチセンサ201は、可視光に対して透明であり、ディスプレイ204aのディスプレイ表示を透過させることができる。また、ガーニッシュ表面部304は、例えばアクリルなど可視光を透過する部材であり、ガーニッシュとして所望の色のフィルムがガーニッシュ表面部304の凹部304a側の表面に貼られている。これにより、ガーニッシュ103は、外側(凹部304aと反対側)から見ると、上記所望の色となり、本来の装飾部品としての機能を果たす。なお、本実施形態では、上記所望の色を黒色とする。よって、ガーニッシュ表面部304の凹部304a側に貼られるフィルムは可視光に対して透過性の黒色のフィルムとなり、ガーニッシュ103の色も黒色となる。
【0024】
図4は、図2のIV−IV線矢視断面図である。
ガーニッシュベース301上には、センサ搭載部303が設けられており、該センサ搭載部303上には、オートドア閉作動用タッチセンサ202が設けられている。このような構成において、ユーザが、ガーニッシュ表面部304の、オートドア閉作動用タッチセンサ202と対向する領域を押下すると、該押下によりガーニッシュ表面部304は撓んで、オートドア閉作動用タッチセンサ202に触れる。これにより、オートドア閉作動用タッチセンサ202は、ユーザがこのセンサを押下したことを検知し、閉動作指令情報を制御装置104に送信する。
【0025】
なお、オートドア閉作動用タッチセンサ202の押下時間に応じて、開動作指令に加えて、サイドドア101をロックさせるドアロック指令を入力するようにしても良い。この場合は、ユーザによるオートドア閉作動用タッチセンサ202の押下時間が閾値未満であったら、オートドア閉作動用タッチセンサ202は、閉動作指令情報のみを制御装置104に送信する。一方、オートドア閉作動用タッチセンサ202は、上記押下時間が閾値以上であったら、閉動作指令情報およびドアロック指令に関するドアロック指令情報を制御装置104に送信する。このように構成することで、ガーニッシュ103を介して、ユーザは、ドアの閉動作に加えて、ドアロック動作も指定することができる。
【0026】
図5は、図2のV−V線矢視断面図である。
ガーニッシュベース301には、ディスプレイ部204cを埋め込むための凹部302が形成されており、該凹部302内にディスプレイ部204cが設けられている。なお、ガーニッシュベース301には、ディスプレイ204b、204d、204eの各々を設けるための凹部が設けられており、それぞれの凹部内に対応するディスプレイ204b、204d、204eが設けられている。また、ガーニッシュベース301上には、センサ搭載部303が設けられており、該センサ搭載部303上には、停止用タッチセンサ203bが設けられている。このような構成において、ユーザが、ガーニッシュ表面部304の、停止用タッチセンサ203bと対向する領域を押下すると、該押下によりガーニッシュ表面部304は撓んで、停止用タッチセンサ203bに触れる。これにより、停止用タッチセンサ203bは、ユーザがこのセンサを押下したことを検知し、途中停止指令情報を制御装置104に送信する。
なお、停止用タッチセンサ203a、203cについても、停止用タッチセンサ203bと同様に設けられている。
【0027】
本実施形態では、ディスプレイ部204a上にオートドア開作動用タッチセンサ201が設けられている。すなわち、ディスプレイ部204aとオートドア開作動用タッチセンサ201とは同位置に存在している。よって、ディスプレイ部204aにより、オートドア作動用タッチセンサ201の位置をユーザに視認させる表示を行なえば、ユーザは、オートドア作動用タッチセンサ201を正確に知ることができる。本実施形態では、図6(a)に示すように、普段は黒色のガーニッシュ103において、ユーザにオートドア開作動用タッチセンサ201を視認させる際に、ディスプレイ部204aを発光させて「OPEN」という表示を行なう。ディスプレイ部204aを発光させない場合は、該ディスプレイ部204aと対向するガーニッシュ表面部304はガーニッシュの色である黒色であり、ユーザは視覚的に何処にオートドア開作動用タッチセンサ201が位置しているのかが分からない、または分かりづらい。しかしながら、ディスプレイ部204aを発光させ、例えば「OPEN」等、オードドア開作動用タッチセンサ201の位置を示す表示を行なうことによって、ユーザは、普段はその位置が視認できないオードドア開作動用タッチセンサ201の位置を正確に把握することができる。
【0028】
一方、オートドア閉作動用タッチセンサ202、および停止用タッチセンサ203a〜203cについては、ディスプレイ部と同位置には存在しないが、本実施形態では、図6(b)、(c)に示すように、それらセンサの存在を示す表示を所定のディスプレイ部にて行なう。例えば、オートドア閉作動用タッチセンサ202をユーザに視認させる場合、ディスプレイ部204aにて、「CLOSE」という表示と共に、矢印にて、該「CLOSE」という表記からオートドア閉作動用タッチセンサ202の位置を示す。上述のように、ガーニッシュ表面部304は、ガーニッシュ103の色である黒色であるので、ユーザは、オートドア閉作動用タッチセンサ202の位置を視認できない。しかしながら、ユーザにオートドア閉作動用タッチセンサ202を視認させる際に、ディスプレイ部204aにより図6(b)のような表示を行なうことにより、ユーザは、視覚的にその位置を特定することができないオートドア閉作動用タッチセンサ202の位置を正確に知ることができる。同様に、停止用タッチセンサ203bをユーザに視認させる場合、ディスプレイ部204cにて、「STOP」という表示と共に、矢印にて、該「STOP」という表記から停止用タッチセンサ203bの位置を示す。
【0029】
なお、本実施形態では、オートドア閉作動用タッチセンサ202と停止用タッチセンサ203a〜203cとを、それらが所定のディスプレイ部と同位置になるように設けていないが、それらのセンサの少なくとも1つを所定のディスプレイ部と同一になるようにしても良い。すなわち、オートドア閉作動用タッチセンサ202、および停止用タッチセンサ203a〜203cの少なくとも1つを、オードドア開作動用タッチセンサ201と同様に対応するディスプレイ部と同位置になるように設けても良い。
【0030】
図7は、本実施形態に係る車両用オードドア操作装置の概略構成図である。
図7において、車両用オードドア操作装置701は、ドア開閉駆動部102と、制御装置104と、オートドア開作動用タッチセンサ201と、オートドア閉作動用タッチセンサ202と、停止用タッチセンサ203a〜203cと、ディスプレイ部204a〜204eと、無線送信機(不図示)と無線信号の送受信を行う無線信号送受信部706と、サイドドア101の開閉状態を検知する開閉状態検知センサ707とを備えている。
【0031】
制御装置104は、車両用オートドア操作装置701全体を制御する制御手段としての制御部である。また、制御装置104は、車両100の他の構成も制御することができる。この制御装置104は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU702、およびこのCPU702によって実行される様々な制御プログラム(例えば、図8に示すプログラム)などを格納するROM703を有する。また、制御装置104には、CPU702の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM704、およびフラッシュメモリやSRAM等の不揮発性メモリ705などを有する。制御装置104には、オートドア開作動用タッチセンサ201と、オートドア閉作動用タッチセンサ202と、停止用タッチセンサ203a〜203cと、ディスプレイ部204a〜204eとが電気的に接続されている。なお、不揮発性メモリ705には、車両100を識別するためのIDが格納されている。
【0032】
無線信号送受信部706は、車両100の外に向けて、ID情報要求信号を所定時間間隔(送信時間間隔)で送信する。また、無線信号送受信部706は、所定の無線送信機から送信されたID情報信号を受信する。上記無線送信機は、無線通信等の通信機能を有する、携帯キー、スマートフォン、タブレット等、車両100とは別個の、無線通信機能を有する携帯型装置である。該無線送信機は、所定の車両のIDを示すID情報をメモリ部に保持している。該無線送信機は、ID情報要求信号を受信すると、自身のメモリ部に格納されている、所定の車両を特定するID情報を含むID情報信号を送信する。無線信号送受信部706は、該ID情報信号を受信することになる。
【0033】
開閉状態検知センサ707は、制御装置104からの検知開始コマンドに従って、サイドドア101が開いているのか(開状態)、閉じているのか(閉状態)を検知し、サイドドア101の開閉状態を示す開閉状態信号を制御装置104に送信する。
【0034】
ドア開閉駆動部102は、制御装置104から受信した作動信号に基づいて、サイドドア101の開閉動作を自動で行う。例えば、作動信号がサイドドア101を開けることを指示する信号(ドア開信号)であれば、ドア開閉駆動部102は、サイドドア101を開けるように動作する。一方、作動信号がサイドドア101を閉めることを指示する信号(ドア閉信号)であれば、ドア開閉駆動部102は、サイドドア101を閉めるように動作する。
【0035】
図8は、本実施形態に係るサイドドア101の自動開動作の処理手順を示すフローチャートを示す図である。
ステップS101では、制御装置104は、無線信号送受信部706からID情報要求信号を送信させる。ステップS102では、制御装置104は、無線信号送受信部706がID情報信号を受信したか否かを判定する。すなわち、制御装置104は、無線信号送受信部706が所定のID情報信号を受信し、該無線信号送受信部706からID情報信号が送られてきた場合は該ID情報信号を受信したと判定し、ステップS104に進む。一方、無線信号送受信部706からID情報信号が送られてこなかった場合は、制御装置104は該ID情報信号を受信していないと判定し、ステップS103に進む。ステップS103では、制御装置104は、ステップS101から送信時間間隔が経過したか否かを判定する。例えば、制御装置104は、タイマ等の経時装置を参照して、ステップS101にてID情報要求信号を送信してから送信時間間隔が経過したらステップS101に戻り、送信時間間隔が経過していない場合はステップS102に戻る。
【0036】
ステップS104では、制御装置104は、受信したID情報信号からID情報を抽出し、該ID情報と、不揮発性メモリ705に格納されているIDとを照合し、無線信号送受信部706にて受信したID情報と、自身が保持するIDとが一致するか否かを判定する。すなわち、受信したID情報信号に含まれるID情報が、車両100が保持するID情報と対応するか否かを判定する。制御装置104は、一致する場合は、ステップS105に進み、一致しない場合は、ステップS101に戻る。
【0037】
ステップS105では、制御装置104は、ディスプレイ部204aに「OPEN」表示を行なわせる。すなわち、制御装置104は、オートドア開作動用タッチセンサ201の位置をユーザに視認させる表示を行なわせるための開表示情報をディスプレイ部204aに送信する。ディスプレイ部204aは、制御装置104から開表示情報を受信すると、発光することにより「OPEN」の表示をすることで、ユーザにオートドア開作動用タッチセンサ201の位置を視覚的に通知する。
このとき、ディプレイ部204a〜204eの少なくとも1つに、所定の画像(例えば、花火やもみじなどを用いた動画)を表示させることにより、ユーザに対してウェルカム表示を行なっても良い。この場合は、制御装置104は、ROM703に格納されているウェルカム表示のためのプログラムを読み出し、該プログラムに従ってディスプレイ部204a〜204eのうち対応するディスプイ部にてウェルカム演出を表示させる。
【0038】
ステップS106では、制御装置104は、オートドア開作動用タッチセンサ201における検知結果に基づいて、オートドア開作動用タッチセンサ201を介してユーザが開動作指令を入力したか否かを判定する。ユーザがオートドア開作動用タッチセンサ201を押下すると、該オートドア開作動用タッチセンサ201は、開動作指令情報を制御装置104に送信する。よって、制御装置104は、オートドア開作動用タッチセンサ201から開動作指令情報を受信すると、ユーザにより開動作指令が入力されたと判定し、ステップS108に進む。一方、制御装置104は、オートドア開作動用タッチセンサ201から開動作指令情報を受信していない場合は、ステップS107に進む。
【0039】
ステップS107では、制御装置104は、ステップS105にてディスプレイ部204aに「OPEN」の表示をしてから所定時間経過したか否かを判定する。例えば、制御装置104は、タイマ等の経時装置を参照して、上記所定時間が経過していない場合は、ステップS106に戻り、上記所定時間が経過したらステップS101に戻る。なお、図8に示すプログラムでは、ステップS107からステップS101に戻る場合は、制御装置104は、ディスプレイ部204aの「OPEN」表示を停止させる。これにより、ディスプレイ部204aにて「OPEN」が表示されたガーニッシュ103は、黒色に戻り、本来のガーニッシュの見た目に戻る。
【0040】
ステップS108では、制御装置104は、開閉状態検知センサ707に検知開始コマンドを送信して該開閉状態検知センサ707にサイドドア101が開状態か閉状態かを検知させ、該検知結果を示す開閉状態信号を開閉状態検知センサ707から取得する。なお、開閉状態信号は、サイドドア101が開いている場合は開状態を示す信号となり、サイドドア101が閉じている場合は閉状態を示す信号となる。
【0041】
ステップS109では、制御装置104は、ステップS108にて取得した開閉状態信号に基づいて、サイドドア101が開状態であるか、あるいは閉状態であるかを判定する。閉状態である場合は、制御装置104は、ステップS110にて、ドア開閉駆動部102を制御して、サイドドア101を自動的に開けさせる。このとき、制御装置104は、サイドドア101がロックされている場合は、サイドドア101をアンロックしてから、サイドドア101を自動的に開ける制御を行う。制御装置104は、サイドドア101が全開になると、処理を終了する。一方、開状態である場合は、すでにサイドドア101は開いているので、処理を終了する。
なお、ステップS106にてユーザによりオートドア開作動用タッチセンサ201の押下を確認した後に、制御装置104は、所定のタイミングで、ディスプレイ部204aを制御して「OPEN」表示を停止する。
【0042】
図9は、本実施形態に係るサイドドア101の自動閉動作の処理手順を示すフローチャートを示す図である。
ステップS201において、制御装置104は、サイドドア101が開いているか否かを判定する。制御装置104は、所定の間隔で開閉状態検知センサ707に検知開始コマンド送信して、開閉状態検知センサ707から開閉状態信号を受信する。制御装置104は、該開閉状態信号が、サイドドア101が開いていることを示している場合、サイドドア101が開いていると判断し、ステップS202に進む。
【0043】
ステップS202では、制御装置104は、ディスプレイ部204aに「CLOSE」表示を行なわせる。すなわち、制御装置104は、オートドア閉作動用タッチセンサ202の位置をユーザに視認させる表示を行なわせるための閉表示情報をディスプレイ部204aに送信する。ディスプレイ部204aは、制御装置104から閉表示情報を受信すると、発光することにより矢印と共に「CLOSE」の表示をすることで、ユーザにオートドア閉作動用タッチセンサ202の位置を視覚的に通知する。
【0044】
ステップS203では、制御装置104は、オートドア閉作動用タッチセンサ202を介してユーザが閉動作指令を入力したか否かを判定する。ユーザがオートドア閉作動用タッチセンサ202を押下すると、該オートドア閉作動用タッチセンサ202は、閉動作指令情報を制御装置104に送信する。よって、制御装置104は、オートドア閉作動用タッチセンサ202から閉動作指令情報を受信すると、ユーザにより閉動作指令が入力されたと判定し、ステップS204に進む。一方、制御装置104は、オートドア閉作動用タッチセンサ202から閉動作指令情報を受信していない場合は、該閉動作指令情報を受信するまで、ステップS203を繰り返す。
【0045】
ステップS204では、制御装置104は、ドア開閉駆動部102を制御して、サイドドア101を自動的に閉じさせる。なお、ステップS203にてユーザによりオートドア閉作動用タッチセンサ202の押下を確認した後に、制御装置104は、所定のタイミングで、ディスプレイ部204aを制御して「CLOSE」表示を停止する。
【0046】
本実施形態では、例えば、ステップS110やステップS204など、サイドドア101の開閉を自動で行っている際に、図6(c)に示すようにディスプレイ部を発光させ、停止用タッチセンサ203a〜203cの位置をユーザに視認させる。すなわち、制御装置104は、ディスプレイ部203a〜203cを制御して「STOP」を表示させる。よって、ユーザは、ステップS110、S204中においてサイドドア101が自動で動いている際に該開動作、または閉動作中のサイドドア101を途中で止めることができる。
【0047】
なお、ユーザがオートドア開作動用タッチセンサ201(オートドア閉作動用タッチセンサ202)を押下し続ける間、サイドドア101の開動作(閉動作)を自動で行なう形態である場合は、ステップS110(S204)において、制御装置104は、ユーザがセンサから手を離した時にドアの自動動作を停止させるようにしても良い。
【0048】
なお、開動作指令および閉動作指令の入力形態は、オートドア開作動用タッチセンサ201やオートドア閉作動用タッチセンサ202に限らない。例えば、図10に示すように、ユーザの指の動きに応じて、開動作指令および閉動作指令を区別するタッチセンサ1001を用いても良い。図10において、ユーザが直接、あるいは間接的(ガーニッシュ表面部304を介して接触する)に指をドア開閉操作用タッチセンサ1001に接触しながら、該指を矢印方向Pに動かすことにより(すなわち、スワイプまたはフリックにより)、ドア開閉操作用タッチセンサ1001は、ユーザからの開動作指令の入力を受け付け、開動作指令情報を生成する。一方、ユーザが直接、あるいは間接的に指をドア開閉操作用タッチセンサ1001に接触しながら、該指を矢印方向Pと反対方向に動かすことにより、ドア開閉操作用タッチセンサ1001は、ユーザからの閉動作指令の入力を受け付け、閉動作指令情報を生成する。このような形態の場合は、ディスプレイ部204aに、図10に示すような表示を行なえば良い。
【0049】
また、本実施形態では、開動作指令用の入力部、閉動作指令用の入力部、および途中停止指令の入力部として、タッチセンサを用いているが、スイッチ等の他の形態の接触センサであっても良いし、静電容量センサ、光学センサ、熱感知センサ、超音波センサ、カメラ等の非接触検知によるセンサを用いても良い。なお、本実施形態においてカメラを用いる場合、該カメラは、ユーザの状況を判別するために用いられるものではなく、センサとしての検知領域内のユーザの存在を検知するためのものである。
【0050】
また、本実施形態では、ユーザからの所定の指令を入力する入力部(オート開作動用タッチセンサ201、オート閉作動用タッチセンサ202、停止用タッチセンサ203a〜203c)をユーザに視認させるための発光部として、ディスプレイ部を用いているが、これに限らない。本実施形態において重要なことは、発光部により、ユーザに対して上記入力部の位置を視覚的に認識させることである。よって、発光部としては、例えば、上記入力部と同位置またはその近傍に設けられたランプ、LEDなどであっても良い。これらを用いる場合は、例えば、開作動指令用の入力部、閉作動指令用の入力部、および途中停止指令用の入力部の各々を識別ために、それらを示すランプ、LEDの色を変えることが好ましい。例えば、開作動指令用の入力部をユーザに視認させるためのランプ、LEDは赤色を発光し、閉作動指令用の入力部をユーザに視認させるためのランプ、LEDは青色を発光し、途中停止指令用の入力部をユーザに視認させるためのランプ、LEDは緑色を発光するように、各入力部に各色を割り当てれば良い。また、単色(例えば白色)のLEDを使用する場合は、点滅の回数や点灯を組み合わせることで各指令用の入力部を区別すると良い。
【0051】
上述のように、本実施形態では、通常は装飾部品として機能するガーニッシュ103に、サイドドア101の開動作に関するユーザインタフェースを設けている。すなわち、ガーニッシュ103に、オート開動作用タッチセンサ201を設け、該オート開動作用タッチセンサ201の位置をユーザに視認させるための発光部としてのディスプレイ部204aを設けている。従って、ユーザは、開動作指令の入力時以外においては通常のガーニッシュの見た目となっているガーニッシュ103に対して、上記開動作指令の入力時においては、普段は視認できない、あるいは視認することが困難なオート開動作用タッチセンサ201の位置を正確に知ることができる。従って、ユーザは、装置に対して自分の意思(サイドドア101を自動で開けたい)を正確に入力することができる。
【0052】
また、制御装置104も、ユーザが入力した指令を正確に把握することができる。本実施形態では、該制御装置104は、従来のようにカメラから撮影された撮影画像を解析し、ユーザの状況を判別することなく、ユーザがオート開動作用タッチセンサ201を押下したか否かで開動作指令の入力を認識している。従って、夜などの暗がりの中や、雨や霧の中、操作をするユーザの周囲に複数の人物が居る場合であっても、ユーザによりオート開動作用タッチセンサ201が押下されるだけで、制御装置104は、ユーザから入力された指令の種類を正確に知ることができる。また、発光部により開動作指令の入力部の位置をユーザに対して視覚的に通知する。このため、暗がり、雨の中、霧の中など視界が悪い状況であっても、ユーザは、正確に開動作指令を入力することができるし、制御装置104も、ユーザから入力された指令がどんなものかを正確に特定することができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記入力部が接触型センサの場合は、ユーザが該センサ部を押下し、上記入力部が非接触型センサの場合は、ユーザが発光部によりガイドされた位置に手を移動させている。このような明確な動作により、画像処理を要さない形で開動作指令を入力する。すなわち、開動作指令が入力され、該開動作指令に基づいて自動的なドアの開動作が行われる間に、入力された情報を解析して、ユーザがドアを自動で開きたいという意思があるか否かを判別する必要が無い。従って、制御装置104がユーザの意思を誤認定してしまうことを低減することができる。
【0054】
また、ガーニッシュ103を、装飾部品として所望の色を有し、かつ可視光に対して透明になるように構成することで、開動作以外においては、通常のガーニッシュの見た目とし、開動作時には、通常では見えない、または見え難い入力部の位置をユーザに視認させることができる。よって、ガーニッシュの本来の意匠性を損なうことなく、開動作指令の入力時には、入力部の位置を視覚的に正確にユーザに認識させることができる。
【0055】
さらに、ドア開閉動作のユーザインタフェースをガーニッシュ103に設けることにより、従来ではドア開閉に用いられるアウトサイドハンドルをサイドドア101に設けなくても、ドアの開閉を行なうことができる。このように、アウトサイドハンドルを廃止することにより、車両デザインの向上を期待することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、ガーニッシュ103に持たせたユーザインタフェースによりサイドドア101を操作しているが、該ユーザインタフェースによる操作対象はこれに限定されない。例えば、バックドア、トランクリッド等についても、本実施形態に係るユーザインタフェースにより操作することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
図11は、本実施形態に係る、ヒンジ軸を有するガーニッシュを示す模式図である。
図11において、ガーニッシュ103は、オートドア開作動用タッチセンサ201と、オートドア閉作動用タッチセンサ202と、停止用タッチセンサ203a〜203cと、ディスプレイ部204a〜204eとを備えている。また、ガーニッシュ103は、互いに離間して設けられ、ガーニッシュベース301とガーニッシュ表面部304とを接続するヒンジ1101と、該ヒンジ1101のヒンジ軸1102とを備えている。
【0058】
本実施形態では、図12に示すように、ガーニッシュ103の通常時においては、ガーニッシュ表面部304のヒンジ軸1101と対向する側の凸部304bが、ガーニッシュベース301と接触しないように、ガーニッシュ表面部304は構成されている。よって、通常時においては、凸部304bとガーニッシュベース301との間には離間領域1201が形成されている。
【0059】
ヒンジ1101は、初期位置が図12に示すようにガーニッシュ103の通常の位置となり、ガーニッシュ表面部304に対して応力1202(例えば、ユーザがガーニッシュを押す力)が印加されると、ヒンジ軸1102を中心に矢印方向Qにガーニッシュ表面部304が回動するように設けられている。すなわち、ガーニッシュ表面部304は、1対のヒンジ1101によってガーニッシュベース301に支持されており、ヒンジ軸1102を中心にQ方向に回動する。該Q方向におけるガーニッシュ表面部304の回動により、凸部304bは、矢印方向Rに沿って変位する。よって、応力1202がガーニッシュ表面部304(ガーニッシュ103)に印加されると、凸部304bがガーニッシュベース301側に向かって移動することになる。該移動が続くと、ガーニッシュ表面部304の凹部304a側の表面が停止用タッチセンサ203bに接触する。この接触により、停止用タッチセンサ203bは、ユーザからの途中停止指令を検知し、制御装置104に対して途中停止指令情報を送信する。
【0060】
なお、本実施形態では、停止用タッチセンサ203a〜203cはガーニッシュベース301に設けられているが、ガーニッシュ表面部304の内側(ガーニッシュベース301側)に設けるように変更してもよい。すなわち、停止用タッチセンサ203a〜203cは、ガーニッシュベース301とガーニッシュ表面部304との間に設けられていれば良く、ガーニッシュベース301およびガーニッシュ表面部304のいずれか一方に支持されていれば良い。また、車両100のセンターピラーに停止用タッチセンサ203a〜203cを直接設けて、ガーニッシュベース301に対するガーニッシュ表面部304の回動によりガーニッシュ表面部304が停止用タッチセンサ203a〜203cに接触する構成としてもよい。また、車両100のセンターピラーに停止用タッチセンサ203a〜203cを直接設けて、ガーニッシュ103自体が車両100のセンターピラーに対して回動可能に取り付けられる構成としてもよい。すなわち、ガーニッシュ103の少なくともその一部が車両100の内側に向けて移動可能に構成されており、該一部の移動により停止用タッチセンサ203a〜203cに対して所定の部材が接触することにより、途中停止指令が入力されれば良い。
なお、上記ガーニッシュ103に係る回動動作をスライド動作に変更した構成であってもよい。
【0061】
本実施形態によれば、停止用タッチセンサ203a〜203cが位置する領域、あるいはその近傍の領域をユーザが押下しなくても、ガーニッシュを押すだけで、自動で動作しているサイドドア101の動きを停止させることができる。よって、例えば、ドアが自動で開いている場合、その動きを止めるようにガーニッシュ103を支えることにより、サイドドア101の開動作を停止させることができる。よって、よりユーザの感性に合った方法で自動的に動作しているドアを停止させることができる。
【0062】
特許文献1においても、自動で開閉しているドアを停止させる制御は開示されている。しかしながら、特許文献1では、現在行われている動作と異なる動作を示す形状に手の形状を変えなければならず、その異なる手の形状の判定についても、カメラにより取得された撮影画像の解析を行なわなければならない。従って、特許文献1に開示された技術においては、雨や霧、暗がりの中など、撮影画像における解析が困難であったり、誤検出を招く恐れがあるような状況においては、ユーザの停止意思が反映されない恐れがある。これに対して、本実施形態によれば、ユーザが物理的にガーニッシュ103を押すだけで、サイドドア101の自動動作を停止させることができる。よって、車両の取り巻く環境が如何なる環境であっても、ユーザがガーニッシュ103を押すことさえできれば、サイドドア101の自動動作を停止させることができる。また、ユーザが停止用タッチセンサ202a〜203cの位置を把握していなくても、装飾部品として機能するガーニッシュ103を押すだけで、途中停止の意思を制御装置104側に入力することができる。
【0063】
本実施形態で重要なことは、車両のドアが自動で動作している際(自動開動作や自動閉動作)、停止用の入力部(停止用タッチセンサなど)の位置に関係なくユーザがガーニッシュを押すことにより、途中停止指令を制御装置104に伝達させることである。従って、このような事が実現できるのであれば、ガーニッシュとしては、ヒンジ式ガーニッシュに限らない。例えば、ガーニッシュ表面部304の外側表面に圧電素子を設けておき、所定の値以上の応力1202でガーニッシュ表面部304が押下されると、上記圧電素子が途中停止指令情報を制御装置104に送信するようにしても良い。
【0064】
なお、本実施形態に係るヒンジ式ガーニッシュ構造などの、ユーザによる押下を検知し、途中停止指令情報を生成する構造については、サイドドアなどの車両のドアの開動作および閉動作の少なくとも一方を行える形態であれば、上記ユーザインタフェース機能を有していなくても適用することができることは言うまでもない。
【0065】
(第3の実施形態)
本実施形態では、ガーニッシュ103が有するユーザインタフェース機能により、サイドドア101の自動開動作、自動閉動作、途中停止等の操作以外の操作を行なっても良い。例えば、図14に示すように、ディスプレイ部204bと同位置にサイドドア101のウインドウを自動で開ける指令を検知するためのオードウインドウ開作動用タッチセンサ1401を設け、ディスプレイ部204cと同位置にサイドドア101のウインドウを自動で閉じる指令を検知するためのオードウインドウ閉作動用タッチセンサ1402を設けても良い。この場合は、ディスプレイ部204bには、オードウインドウ開作動用タッチセンサ1401が位置することをユーザに視認させるための表示を行い、ディスプレイ部204cには、オードウインドウ閉作動用タッチセンサ1402が位置することをユーザに視認させるための表示を行なえば良い。
【0066】
また、例えば、図14に示すように、ディスプレイ部204dと同位置にサイドドア101の開度を全開とする指令を検知するための開度全開作動用タッチセンサ1403を設け、ディスプレイ部204eと同位置にサイドドア101の開度を半開とする指令を検知するための開度半開作動用タッチセンサ1404を設けても良い。なお、開度指定については、全開、半開に限らず、他の開度であっても良く、その選択肢の数も2つに限らず、3つ以上であっても良い。
【0067】
このように、ユーザからの所定の操作指令を入力するための入力部と、該入力部をユーザに視認させるためのディスプレイ部とを、車両の外部に面するガーニッシュに設けている。よって、ユーザは、装飾部品としてのガーニッシュを介して、ドアウインドウの自動開閉動作や、ドアを自動で開閉させる際の開度を調節することができる。すなわち、車両の外側に居ながら、車両とは別個に設けた制御装置を用いなくても、車両の様々な操作を行なうことができる。
【0068】
上記の例の他にも、サイドドアのロック、アンロック操作、サイドドア101のドアロックの予約操作、車両101のユーザ選択など、様々な操作についても、本実施形態を適用することができる。
【0069】
また、本実施形態では、車両101の外側に面するガーニッシュ103にディスプレイ部204a〜204eを設けているので、ユーザによる所定の指令を入力するための入力部を視認させる機能の他に、車両101の様々な状況をユーザに通知することができる。例えば、車両101内に該車両のキーがある場合は、図15に示すように、ディプレイ部(図15では、例としてディスプレイ部204b)において、「キーが車内にあります」などの表記を行なっても良い。また、例えば、車両の車内灯やライトの消し忘れを警告したい場合は、図15に示すように、ディプレイ部(図15では、例としてディスプレイ部204c)において、「車内灯/ライトが点灯しています」などの表記を行なえば良い。さらに、サイドドア101に障害物検知センサなどを設けて、自動でドア開閉を行う際のドアが障害物に衝突する恐れがあることを事前に検知する形態の場合は、ガーニッシュ103において、その衝突に対する注意喚起を行なっても良い。すなわち、上記障害物検知センサにより障害物を検知すると、ディプレイ部(図15では、例としてディスプレイ部204d)において、障害物衝突の恐れがあることの注意喚起に関する表記を行なえば良い。
【0070】
上記の他にも、例えば、サイドドア101のドアロック状態の表記、サイドドア101の開閉がマニュアルモードか自動モードかの表記など、様々な表記をガーニッシュ103にて行なうことができる。
【0071】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ユーザインタフェース機能を持たせる装飾部品としてガーニッシュについて説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、例えば、ベルトモール、フレームモール、エンブレムなどの車両の外側に設けられる装飾部品であれば、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
100 車両
101 サイドドア
102 ドア開閉駆動部
103 ガーニッシュ
104 制御装置
201 オートドア開作動用タッチセンサ
202 オートドア閉作動用タッチセンサ
203a〜203c 停止用タッチセンサ
204a〜204e ディスプレイ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15