特許第6211650号(P6211650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6211650
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】リニア振動モーター
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/00 20060101AFI20171002BHJP
   B06B 1/04 20060101ALI20171002BHJP
【FI】
   H02K33/00 A
   B06B1/04 S
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-126086(P2016-126086)
(22)【出願日】2016年6月24日
(65)【公開番号】特開2017-79579(P2017-79579A)
(43)【公開日】2017年4月27日
【審査請求日】2016年6月24日
(31)【優先権主張番号】201510685476.8
(32)【優先日】2015年10月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515342457
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC TECHNOLOGIES PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】毛 路斌
【審査官】 森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第204392054(CN,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0177247(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0132089(US,A1)
【文献】 特開2003−024871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/00
B06B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部品と、前記弾性部品に接続される振動子と、前記弾性部品及び前記振動子を収容するケーシングとを備え、前記弾性部品によって前記振動子が前記ケーシングに片持ちで支持され、
前記弾性部品は、前記振動子に接続される固定部と、前記ケーシングに接合される接合部と、前記固定部と前記接合部とを連結する屈曲部とを備えるリニア振動モーターであって、
前記リニア振動モーターは、さらに、前記振動子の両側に対称的に設置される予圧縮されたスプリングを備え、前記スプリングは一端が前記振動子に接続され、他端が前記ケーシングに接続され、前記スプリングの予圧縮方向は、前記振動子の振動方向に直交しており、前記振動子は、対称的に設置される凹溝を備え、前記凹溝に前記スプリングが収容されることを特徴とするリニア振動モーター。
【請求項2】
前記振動子は、カウンタウエイトを備え、前記カウンタウエイトは、接続ブロックと、前記接続ブロックの両端から逆方向に延出している第1のカウンタウエイト及び第2のカウンタウエイトとを備え、前記第1のカウンタウエイトと前記第2のカウンタウエイトとが対称的に設置されるとともに、前記接続ブロックと共に対称的な前記凹溝を形成することを特徴とする請求項に記載のリニア振動モーター。
【請求項3】
前記振動子は、さらに前記第1のカウンタウエイト又は前記第2のカウンタウエイトを貫通した貫通孔を備え、前記貫通孔に永久磁石体が取り付けられることを特徴とする請求項に記載のリニア振動モーター。
【請求項4】
前記振動子と前記ケーシングとの間に設置されるコイルをさらに備え、前記コイルが前記ケーシングに固定され、前記コイルと前記永久磁石体とが相対して間隔を置いて設置されることを特徴とする請求項に記載のリニア振動モーター。
【請求項5】
前記振動子は、極片をさらに備え、前記極片が前記カウンタウエイトにおける前記コイルから離れた側の表面を被覆することを特徴とする請求項に記載のリニア振動モーター。
【請求項6】
前記接合部は、前記振動子に面する第1の表面と、前記第1の表面に相対する第2の表面とを備え、前記第2の表面が前記ケーシングに接続されることを特徴とする請求項に記載のリニア振動モーター。
【請求項7】
前記固定部は、前記振動子に接続される第3の表面と、前記第3の表面に相対する第4の表面とを備え、前記第4の表面が前記ケーシングに面することを特徴とする請求項に記載のリニア振動モーター。
【請求項8】
前記弾性部品は、ストッパーをさらに備え、前記ストッパーは、それぞれ前記第1の表面と前記第4の表面に設けられることを特徴とする請求項に記載のリニア振動モーター。
【請求項9】
前記スプリングはコイルスプリングであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のリニア振動モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動モーターの技術分野に関し、特に携帯型の消耗性電子製品に用いられるリニア振動モーターに関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展に伴い、携帯型の消耗性電子製品、例えば、携帯電話、携帯ゲーム機、ナビゲーション装置又は携帯型マルチメディア娯楽設備などは、ますます人々に好まれるようになる。これらの電子製品では、例えば携帯電話の着信提示、情報提示、ナビ提示、及びゲーム機の振動フィードバックなどのようなシステムフィードバックとして、通常に振動モーターが用いられている。振動モーターの幅広い応用とは、その性能及び使用寿命に対する要求が益々高くなることを意味している。
【0003】
従来、応用広く且つ性能が良好な振動モーターは、扁平状のリニア振動モーターであり、図1に示されるように、前記リニア振動モーター1は、収容空間を有するケーシング11と、前記ケーシング11に接続されている弾性力支持件13と、前記弾性力支持件13によって収容空間に掛けられカウンタウエイト151と永久磁石体153とからなる振動子15と、前記永久磁石体153に相対するコイルとを備え、前記コイルが前記ケーシング11に収容され、且つ前記コイルと前記永久磁石体153とが相対して間隔を置いて設置されると共に前記永久磁石体153と前記ケーシング11の底壁との間に位置している。前記弾性力支持件13の端部は、前記ケーシング11に固定され、前記振動子15が動作するときに水平方向に沿って往復移動するように前記振動子15を支持するためのものである。
【0004】
しかし、前記リニア振動モーター1には、以下の問題が存在する。前記弾性力支持件13によってX方向の剛性が提供されながら、YZ方向の支持も提供される。YZ方向の剛性値とX方向の剛性値とが特定の比例値となることは、上記の設計に次第である。X方向の剛性が比較的小さいときに、YZ方向の剛性も比較的小さく、動作が不安定となるため、前記リニア振動モーター1の性能に影響を与える。
【0005】
従って、前記欠点を解消するために、新たなリニア振動モーターを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
上記従来のリニア振動モーターにおいて存在している動作の不安定によるその性能が良くない技術的課題の解決のために、本発明は、動作が安定である且つ製品の性能がより優れたリニア振動モーターを提供する。
【0007】
本発明はリニア振動モーターを提供する。弾性部品と、前記弾性部品に接続される振動子と、前記弾性部品及び前記振動子を収容するケーシングとを備え、前記弾性部品によって前記振動子が前記ケーシング内に片持ちで支持され、
前記弾性部品は、前記振動子に接続される固定部と、前記ケーシングに接合される接合部と、前記固定部と前記接合部とを連結する屈曲部とを備え、
前記リニア振動モーターは、さらに、前記振動子の両側に対称的に設置される予圧縮されたスプリングを備え、前記スプリングは一端が前記振動子に接続され、他端が前記ケーシングに接続され、前記スプリングの予圧縮方向は、前記振動子の振動方向に直交している。
【0008】
本発明に係る前記リニア振動モーターにおいて、前記振動子は、対称的に設置される凹溝を備え、前記凹溝に前記スプリングが収容される。
【0009】
本発明に係る前記リニア振動モーターにおいて、前記振動子は、カウンタウエイトを備え、前記カウンタウエイトは、接続ブロックと、前記接続ブロックの両端から逆方向に延出している第1のカウンタウエイト及び第2のカウンタウエイトとを備え、前記第1のカウンタウエイトと前記第2のカウンタウエイトとが対称的に設置されるとともに、前記接続ブロックと共に対称的な前記凹溝を形成する。
【0010】
本発明に係る前記リニア振動モーターにおいて、前記振動子は、さらに前記第1のカウンタウエイト又は前記第2のカウンタウエイトを貫通した貫通孔を備え、前記貫通孔内に永久磁石体が取り付けられる。
【0011】
本発明に係る前記リニア振動モーターにおいて、前記振動子と前記ケーシングとの間に設置されるコイルをさらに備え、前記コイルが前記ケーシング上に固定され、前記コイルと前記永久磁石体とが相対して間隔を置いて設置される。
【0012】
本発明に係る前記リニア振動モーターにおいて、前記振動子は、極片をさらに備え、前記極片が前記カウンタウエイトにおける前記コイルから離れた側の表面を被覆する。
【0013】
本発明に係る前記リニア振動モーターにおいて、前記接合部は、前記振動子に面する第1の表面と、前記第1の表面に相対する第2の表面とを備え、前記第2の表面が前記ケーシングに接続される。
【0014】
本発明に係る前記リニア振動モーターにおいて、前記固定部は、前記振動子に接続される第3の表面と、前記第3の表面に相対する第4の表面とを備え、前記第4の表面が前記ケーシングに面する。
【0015】
本発明に係る前記リニア振動モーターにおいて、前記弾性部品は、ストッパーをさらに備え、前記ストッパーは、それぞれ前記第1の表面と前記第4の表面に設けられる。
【0016】
本発明に係る前記リニア振動モーターにおいて、前記スプリングはコイルスプリングである。
【0017】
従来技術と比較すると、本発明に係る前記リニア振動モーターが有する有益な効果は、以下の通りである。2つの予圧縮されたスプリングを装着することにより負の剛性が付与され、振動子の周波数に対する要求を確保するために、弾性部品のX方向の剛性値を増加させる必要がある。つまり、性能が変わらないように、弾性部品のX方向の剛性値を増加させる必要がある。YZ方向の剛性値とX方向の剛性値とが特定の比例値となることは、弾性部品の設計に次第である。従って、X方向の剛性値が増加したときに、対応してYZ方向の剛性値も伴って増加し、振動子の安定性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例における技術考案をより明確に説明するために、以下は実施例の説明に必要な図面について簡単に説明する。明らかに、以下の説明に使用される図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎなく、当業者によっては、進歩性の労働を実施しないことを前提にして、これらの図面からその他の図面を想到することができる。
図1】従来技術におけるリニア振動モーターの一実施例の内部構造の平面図である。
図2】本発明に係るリニア振動モーターの好適な実施例の分解斜視模式図である。
図3図2に示すリニア振動モーターの組み立て後の内部構造の平面図である。
図4図3に示すリニア振動モーターの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術考案について明確に完全に説明する。もちろん、以下に説明する実施例は本発明の一部の実施例に過ぎなく、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が、進歩性の労働を実施しないことを前提として得られた全ての他の実施例は、全て本発明の請求の範囲に含まれる。
【0020】
図2図3に示すように、図2は、本発明に係るリニア振動モーターの好適な実施例の分解斜視模式図であり、図3は、図2に示すリニア振動モーターの組み立て後の内部構造の平面図であり、図4は、図3に示すリニア振動モーターの内部構造の断面図である。前記リニア振動モーター2は、振動子21と、スプリング23と、弾性部品25と、収容空間を有するケーシング27とを備える。前記スプリング23は、前記振動子21の両側に対称設置され、その一端が前記振動子21に接続され、他端が前記ケーシング27に接続される。前記弾性部品25が前記振動子21に接続される。前記弾性部品25、前記振動子21及び前記スプリング23が共に前記ケーシング27の収容空間に収容されている。振動子21が弾性部品25によってケーシング27内に弾性支持されている。
【0021】
前記ケーシング27は、一端が開放し且つ収容空間を有するケーシング本体271と、前記ケーシング本体271の開放端をカバーするための蓋板273とを備え、前記弾性部品25、前記振動子21及び前記スプリング23が前記ケーシング27の収容空間に収容されている。前記蓋板273は取り外し可能な蓋板であり、前記ケーシング本体271と組み合わせて、前記リニア振動モーター2の内部の各部品をコンパクトに設計し、取り外しやすくする。
【0022】
前記振動子21は、カウンタウエイト211と、永久磁石体213と、極片217とを備える。前記永久磁石体213が前記カウンタウエイト211を貫通して設置され、前記コイル215と前記永久磁石体213とが相対して間隔を置いて設置されると共に前記カウンタウエイト211と前記ケーシング本体271との間に位置し、且つ、コイル215がケーシング271の内壁に固定され、前記極片217が前記カウンタウエイト211における前記コイル215から離れた側の表面を被覆する。
【0023】
前記カウンタウエイト211は、接続ブロック2111と、前記接続ブロック2111の両端から逆方向に延出している第1のカウンタウエイト2113及び第2のカウンタウエイト2115とを備え、前記第1のカウンタウエイト2113と前記第2のカウンタウエイト2115とは対称的に設置されるとともに、前記接続ブロック2111と共に対称的な凹溝2117を形成する。前記凹溝2117は、前記スプリング23をそれぞれ対応して収容する。
【0024】
前記第1のカウンタウエイト2113は、貫通して設けられる貫通孔21131を備え、前記貫通孔21131は、間隔を置いて並列に設けられる。前記永久磁石体213は、二枚であり、それぞれ前記貫通孔21131に収容され、且つ前記永久磁石体213の端面と前記カウンタウエイト211の端面とが同一の平面にある。勿論、本実施例において、前記貫通孔21131が前記第1のカウンタウエイト2113に貫通して設けられるが、その他の場合、前記貫通孔21131は、前記第2のカウンタウエイト2115に貫通して設けられてもよい。前記第2のカウンタウエイト2115は、前記第1のカウンタウエイト2113と構成が同様であるが、両者の相違は、前記貫通孔21131が設けられるか否かことにある。
【0025】
前記コイル215が前記永久磁石体213と相対して間隔を置いて設置され、前記コイル215は、扁平状のコイルであり、前記永久磁石体213と前記ケーシング本体271との間に位置しており、且つケーシング本体271の内壁に固定され、前記永久磁石体213が前記コイル215に相対する磁極の極化方向は逆である。
【0026】
前記極片217は、平板状であり、前記カウンタウエイト211における前記コイル215から離れた側の表面を被覆して設置されると共に、前記カウンタウエイト211と前記蓋板273との間に位置する。前記極片217は、前記永久磁石体213からの磁気漏れを防止するものであり、これによってより優れた電磁誘導効果を得られる。
【0027】
前記スプリング23は、ペアとして対称設置されるコイルスプリングであり、且つ前記コイルスプリングは、プリ圧縮処理が実施されて所定の予圧力が含まれ、前記凹溝2117内に対称的に取り付けられる。前記スプリング23は一端が前記振動子21に接続され、他端が前記ケーシング本体271に接続されている。前記スプリング23が前記振動子21の振動方向と直交している。図2〜4に示す実施例において、一対のスプリング23が設置され、プリ圧縮された単一スプリング23は、それぞれ対応する凹溝2117に収容され、2つのスプリング23の中心線が同一の直線上にあり、且つ前記振動子21の振動方向と直交している。前記スプリング23は、レーザスポット溶接の方法によって、一端が前記振動子21に溶接され、他端が前記ケーシング本体271に溶接され、即ち、スプリング23は一端が凹溝2117の内壁に固定され、他端がケーシング本体271に溶接固定される。
【0028】
本発明の好適な実施例において、スプリング23の数量は、一対に制限されるのではなく、2対若しくは複数対であってもい。2対と複数対のスプリングの場合、同一側のスプリングの間のショックを回避するように、各前記スプリング23は、それぞれ単独の凹溝2117内に対応して取り付けられてもよく、又は、同一側の複数のスプリングは所定のピッチで並列して同一の凹溝2117内に取り付けられてもよい。
【0029】
前記弾性部品25の数量は、2つであり、その2つの弾性部品25は構成が同様で、それぞれ前記カウンタウエイト211のX方向の両端部に設置され、前記振動子21が前記ケーシング本体271の収容空間に片持ちで支持されるためである。前記弾性部品25は、前記振動子21に接続される固定部251と、ケーシング271に接合される接合部255と、接合部255と固定部251を連結する屈曲部253とを備え、屈曲部253は、前記固定部251に沿って屈曲延在し、且つ接合部255と当接しているため、各弾性部品25は、概ね振動子21に向かって開放U字状の構成となっている。弾性部品25にはさらに複数のストッパー257が設けられる。
【0030】
前記固定部251は、前記振動子21と連結される第3の表面と、前記第3の表面に相対する第4の表面とを備え、前記第4の表面は、前記ケーシング本体271に面する。前記接合部255は、前記振動子21に面する第1の表面と、前記第1の表面に相対する第2の表面とを備え、前記第2の表面が前記ケーシング本体271に接続される。好ましくは、前記弾性部品25の接合部255と前記ケーシング本体271とがレーザスポット溶接の方法で溶接される。具体的には、前記弾性部品25の接合部255の第2の表面がレーザスポット溶接の方法で前記ケーシング本体271に溶接される。前記弾性部品25の固定部251の第3の表面がレーザスポット溶接の方法で前記第1のカウンタウエイト2113に溶接される。前記ストッパー257がそれぞれ前記第1の表面と前記第4の表面に設けられる。前記ストッパー257の形状は方形、円形及び他の適宜な形状のうちのいずれかである。
【0031】
本発明に係る前記リニア振動モーター2によって動作安定性を実現する原理は、以下の通りである。
【0032】
前記カウンタウエイト211の相対する両側には2つの前記コイルスプリング23が装着され、前記コイルスプリング23は、圧縮処理が実施されて所定の予圧量が含まれ、即ち、バランス位置にある前記コイルスプリング23は、予圧力を有してる。
【0033】
前記振動子21がX方向に沿って振動するときに、前記コイルスプリング23の予圧力は、X方向及びY方向において所定の成分の力があり、前記コイルスプリング23のY方向の成分の力が相互に相殺されるが、X方向の成分の力が同方向に重ね合わせる。このとき、前記U型の弾性部品25によるX方向の回復力と前記コイルスプリング23のX方向の成分の力とは力の方向が逆であり、即ち、動作中に、前記コイルスプリング23によるX方向の成分力と前記U型の弾性部品25の回復力とは力の方向が逆であり、つまり、前記コイルスプリング23によってX方向の負の剛性−K1が付与された。
【0034】
本発明に係る前記リニア振動モーター2のメリットは、以下の通りである。
【0035】
前記コイルスプリング23によるX方向の負の剛性が−K1であり、前記U型の弾性部品25によるX方向の正の剛性が+K2であり、前記振動子21のX方向の剛性がKである。従って、前記振動子21の剛性がK=(−K1)+(+K2)<+K2である。
【0036】
前記振動子21の質量や周波数が一定となるように要求される場合、スプリングシステムの剛性値が変化なし一定であることが要求される。つまり、そのとき、前記U型の弾性部品25のX方向の剛性値を増加させないと、負の剛性の前記コイルスプリング23による剛性値の低下の分を打ち消すことができない。つまり、性能が変わらないように、前記U型の弾性部品25のX方向の+K2値を増加させることが必要である。
【0037】
YZ方向の剛性値とX方向の剛性値とが特定の比例値となることは、前記U型の弾性部品25の設計に次第である。従って、X方向の剛性値が増加したときに、相応するYZ方向の剛性値も伴って増加する。従って、前記振動子21の安定性が向上した。つまり、負の剛性−K1を増加させるという前記コイルスプリング23の設計では、性能が変わらないことを確保できるために、前記U型の弾性部品25の剛性値を増加させる必要があり、対応してYZ方向の剛性値が増加され、動作の安定性が向上した。
【0038】
本発明に係る前記リニア振動モーター2が有する有益な効果は、以下の通りである。対称的に設置された予圧縮されたスプリングを装着することにより負の剛性が付与され、振動子の周波数に対する要求を確保するために、弾性部品のX方向の剛性値を増加させる必要がある。つまり、性能が変わらないように、弾性部品のX方向の剛性値を増加させる必要がある。YZ方向の剛性値とX方向の剛性値とが特定の比例値となることは、弾性部品の設計に次第である。従って、X方向の剛性値が増加したときに、対応してYZ方向の剛性値も伴って増加し、振動子の安定性が向上した。
【0039】
上述説明したのは、本発明の実施形態に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。本発明の明細書及び図面の内容に基づいて為さる等価構成又は等価フロー変換、あるいは他の関連技術分野へ直接又は間接な応用は、全て同様に本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4