(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の流路および第2の流路を有するカップリングアッセンブリーであって、前記第1の流路が、入力端および出口端を有し、前記入力端が、第1の液溜めから前記出口端への流体の流れをもたらすように第1の液溜めに結合すべく構成され、前記第2の流路が、流れるように相互接続された第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部が前記第1の液溜めと流体連通し、前記第2の端部が、該第2の流路を介して危険有害性溶液を前記第1の液溜めに送出するように構成される送出装置を受け入れるための取付口と流体連通するカップリングアッセンブリーと、
入力端および出口端を有するドリップチャンバであって、前記ドリップチャンバの前記入力端が、前記第1の液溜めからの前記流体を受け入れ、前記ドリップチャンバ内に第2の液溜めを形成するように、前記カップリングアッセンブリーの前記出口端に結合され、該ドリップチャンバが、前記第2の液溜めに隣接し、前記第2の液溜めと流体連通するように位置決めされたプライミングポートをさらに含み、前記ドリップチャンバの前記出口端が、患者用導管を受け入れるように構成されるドリップチャンバと、
前記第2の液溜めと前記ドリップチャンバの前記出口端との間に介在し位置決めされた膜であって、前記ドリップチャンバから前記ドリップチャンバの前記出口端までの空気の通過を妨げる膜と、
前記患者用導管に配置されたベントメンブレンであって、前記ベントメンブレンを通る空気の流速が前記膜を通る前記流体の流速以下となるように構成される、ベントメンブレンと、
を含む危険有害性溶液の静脈内送出のためのIV溶液送出システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の現在好ましい実施例は、図面を参照することによって最も良く理解され、図中、同一の参照数字は、同一、即ち、機能上同様な要素を示す。本発明の構成要素は、本明細書において全体として説明され図面において図示されるように様々な異なる構成で配置され、設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、図に示されるように、以下のより詳細な説明は、請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の現在好ましい実施例の一例にすぎない。
【0013】
そこで
図1を参照すると、(IV)静脈内送出システム10の実施が示されている。IV送出システム10のいくつかの実施例は、
図3に示すように、液溜め12に挿入するように構成されたスパイク30を有するカップリングアッセンブリー20を含む。カップリングアッセンブリー20のいくつかの実施は、ポリスチレン、ポリエステルまたはポリプロピレンなどの硬質のポリマー物質からなる。スパイク部材30のいくつかの実施例は、カップリングアッセンブリー20の液溜め12への挿入を助けるための角をそいだ端面32をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施例において、カップリングアッセンブリー20は第1の流路60をさらに含む。第1の流路60は、結合された液溜め12とIV送出システム10のドリップチャンバ40との間に液路をもたらす。第1の流路60は、入力端62および出口端64を含む。
図3を参照すると、入力端62は、液溜め12の中に位置決めされ、出口端64は、ドリップチャンバ40の入力端46に結合される。第1の流路60の出口端64は、液溜め12からの流体16が出口端64を介してドリップチャンバ40内に溜められるように、ドリップチャンバ40に隣接して位置決めされる。いくつかの実施例において、出口端64は、流体16がドリップチャンバ40内に溜められる前に液滴18を形成可能とする先細の開口部をさらに含む。
【0015】
ドリップチャンバ40は、全体として、第1の流路60の出口端64から分配される流
体16を受け入れるように構成される。上述したように、出口端64は、流体16が出口
端64を出るとき、流体16が液滴18を形成可能となるように構成される。いくつかの
実施例において、ドリップチャンバ40は、下部の軟質部72に密閉した形で結合された
上部の硬質部71を有する略円筒形である。いくつかの実施例では、ドリップチャンバ4
0の軟質部72の操作によって、液溜め12からドリップチャンバ40内への流体、即ち
、危険有害性薬物16の流れが開始される。この方法は、まず、スパイク30を密閉され
た液溜め12に挿入し、ローラークランプ(roller clamp)52または類似
のクランプデバイスによって患者用導管50を塞ぐことにより、システム10を密閉され
ることを必要とする。ドリップチャンバ40の軟質部72を圧縮および解放することによ
って、真空が、ドリップチャンバ40内に作られる。この圧縮が、ドリップチャンバ40
内の空気を液溜め12の中に移動させ、したがって、ドリップチャンバ40内に負圧、即
ち、真空を作る。ドリップチャンバ内の負圧は、危険有害性薬物16を液溜め12から
ドリップチャンバ40に引き込み、ドリップチャンバ40内に第2の液溜め42を従来通り、形成する。ローラークランプ52が一旦、解放されたならば、危険有害性流体16は、重力によって液溜め12から流れ続ける。当業者は、重力供給方法または蠕動ポンプを利用する方法などを含めたシステムにより、他の方法が、危険な流体16の流れを開始するために使用可能であることを理解するであろう。
【0016】
再び、
図1を参照すると、本発明のいくつかの実施例は、自己密封式のプライミング/フラッシングポート44をさらに含む。プライミング/フラッシングポート44は、ドリップチャンバ40の外面に結合される。いくつかの実施例では、プライミング/フラッシングポート44は、第2の液溜め42の上方に位置決めされる。他の実施例では、プライミング/フラッシングポート44は、ドリップチャンバ40の第2の液溜め42の部分に隣接して、即ち、その液溜め42の内側に位置決めされる。フラッシング/プライミングポート44は、ドリップチャンバ40の内部に流体連通し、プライミング/フラッシング溶液160を直接的にドリップチャンバ40に送出するように構成された注射器180、または他の装置を、互換可能に受け入れるように設計される。いくつかの実施例において、プライミング/フラッシングポート44は、注射器180の先端部182を受け入れるための開口部190を含む。プライミング/フラッシングポート44は、先端182を開口部190に挿入することによって開放状態に付勢される、弁、即ち、スプリットセプタム184をさらに含む。先端部182を挿入する前、弁、即ち、セプタム184が気密シールを形成し、それによって、ドリップチャンバ40内およびIV送出システム10の残りの部分における内部の圧力を維持する。
【0017】
いくつかの実施例において、ドリップチャンバ40および患者用導管50は、プライミング/フラッシングポート44を介してプライミング溶液160で予め準備的な作業が行われる。そこで
図2を参照すると、ドリップチャンバ40は、プライミング液160を収容する注射器180によって、プライミング/フラッシングポート44を介して利用される。いくつかの実施例において、プライミング液160は、塩化ナトリウムまたはぶどう糖のような危険有害性ではない添加剤を含む水の無菌溶液である。ドリップチャンバ40および患者用導管50を準備的に作業する工程は、これらの構成要素から空気を抜き、それによって、注入工程中、患者に空気が注入されないようにする。
【0018】
いくつかの実施例において、IV送出システム10は、ドリップチャンバ40内に配設された膜66をさらに含む。膜66は、空気がドリップチャンバ40を出て患者用導管50に入るのを防止するように構成される。したがって、膜66は、そうでなければドリップチャンバ40から流出して患者用導管50に入る場合がある気泡を捕えるためのバブルトラップ(bubble trap)として働く。
図1乃至
図3に示すように、ドリップチャンバ40は、患者用導管50に接続される。導管50は、ドリップチャンバ40および第1の液溜め12から患者100まで流体160を運ぶために使用される管からなる。
【0019】
膜66は、ドリップチャンバの出口端48を完全に覆うように、ドリップチャンバ40
の下部に位置決めされる。膜66をチャンバの出口端48を完全に覆うように位置決めす
ることによって、プライミング液160が膜66を通過するとき、空気が膜66と出口端
48との間で捕えられることが妨げられる。さらに、いくつかの実施例において、膜66
は、流体
160と強く相互作用するように構成された親水性物質からなり、それによって、膜66内の流体160を捕える。いくつかの実施例において、膜66は、ポリテトラフルオロエチレン、親水性ナイロン、親水性ポリプロピレン、親水性ポリエーテルスルホン、または上述の物質で被覆された不織材料のうちの少なくとも1つからなる。流体160がドリップチャンバ40から膜66を通って流れるとき、膜66内に捕えられた流体160は、流入する流体160によって移動され、移動された流体160は、患者用導管50に押し込まれる。しかしながら、ドリップチャンバ40が枯れる場合、または、ドリップチャンバ40からの流体160の供給が枯渇する場合、膜66内の流体160が保持され、患者用導管50の中の流れが、なくなる。したがって、ドリップチャンバ40内の空気が、膜66を通過し患者用導管50に入ることが防止される。
【0020】
いくつかの実施例では、ローラークランプ52または他のクランプデバイス、ならびに、流量制御用プラグ、即ち、ベントメンブレン58が、患者用導管50に取り付けられ得る。例えば、いくつかの実施例において、膜58は、ルアーコネクタ(luer connector)またはフリクションインターフェース(friction interface)のような結合手段を介して患者用導管50に結合される。クランプ52によって、ドリップチャンバ40を出る流体160の流れが、制御および停止可能とされる。いくつかの実施例において、クランプは、流体160が比速度(specific rate)で流れ得るように予め設定される。他の実施例において、クランプ52は、流体160の流量を制限するように構成されたポンプまたは他の装置(不図示)と組み合わせて使用される。
【0021】
ベントメンブレン58は、全体として、様々な機能をもたらすために必要な物質、または、物質の組み合わせからなる。いくつかの実施例において、ベントメンブレン58は、静脈内の管系50の終端部54に直接的に結合される。他の実施例において、端部54は、ケーシングのようなベントメンブレン58を受け入れるための凹部、または、他のフィーチャ(feature)を含むように構成される。他の実施例では、
図1Bに示すように、ダストキャップ56が、ベントメンブレン58を含むように変更される。ダストキャップ56は、膜58を保持し、しかも、膜58の中の空気の通過が可能にするように構成された複数の通気孔110を含むこともできる。
【0022】
ベントメンブレン58は、IV送出システム10が必要とされるような様々な機能をもたらすように構成され得る。例えば、いくつかの実施例において、ベントメンブレン58は、端部54を外部の汚染物質から保護するための汚染物質用フィルタとして設けられる。他の実施例において、ベントメンブレン58は、送出システム内の空気の排出を可能にし、しかも、流体160の通過を妨げるように構成された疎水性のエアーフィルタとして設けられる。
【0023】
いくつかの実施例において、ベントメンブレン58は、ポリテトラフルオロエチレンなどの多孔性物質からなり、空気の通過を可能にし、しかも、流体、危険有害性の溶液または危険有害性の溶質のようなより大きい分子の通過を妨げることができるように、大きさを定められ構成された複数の孔を有する。他の実施例において、ベントメンブレン58は、約0.1ミクロンから0.5ミクロンまでの大きさの複数の細孔を含み、それによって、空気が複数の細孔を通過することを可能にし、しかも、システム10内の流体、および、より大きいエーロゾル化された粒子または危険有害性薬物の分子の通過を妨げることができる。したがって、システム10の準備的な作業中、患者用導管50内の空気は、流体160および危険有害性ガス24は導管50内に保持される間、ベントメンブレン58を通って導管50を出て行くことが可能になる。その準備的な作業後、クランプ52は、導管50を塞ぐように係合される。一旦、塞がれたならば、導管50の終端部54が、カテーテル102または二次的なIVライン(不図示)を介して患者に結合される。
【0024】
いくつかの実施例において、ベントメンブレン58は、準備的な作業工程の間、プラグ58と接触するエーロゾル化した、即ち、ガス状の危険有害性薬物の通過可能性を最小限に抑えるように設計された360°の膜を備える。したがって、ベントメンブレン58は、患者用導管50内の毒性のない空気の通過を可能にするように構成され、しかも、より大きい毒性のある分子の通過を制限するための構造的または化学的な機能を含む。これらの機能は、そのような制限をもたらすことができる如何なる技術または装置を含んでもよい。
【0025】
例えば、いくつかの実施例において、ベントメンブレン58の材料は、ポリテトラフルオロエチレン、親水性ナイロン、親水性ポリプロピレン、親水性ポリエーテルスルホン、または上述の材料で被覆された不織材料のうちの少なくとも1つからなる。ベントメンブレン58は、上述したように限られた多孔度をさらに含み、それによって、より大きい分子の通過を制限する。他の実施例において、ベントメンブレン58は、危険有害性薬物の分子に結合し、それによってプラグ58内の危険な分子を隔離する活性炭のような触媒からなる。他の実施例において、ベントメンブレン58は、PTFEと活性炭または木炭の交互層からなる合成物からなる。
【0026】
導管50を通る流体160の流量は、導管内の空気がベントメンブレン58を通って流れることができる速度によって決定される。したがって、導管50を通る流体160の流れは、プラグ58の孔の数および大きさを増減することによって調節することができる。例えば、いくつかの実施例において、ベントメンブレン58の流量は、孔の直径を大きくすること、または孔の数を増やすことによって高められる。他の実施例において、ベントメンブレン58の流量は、孔の直径を小さくすること、または孔の数を減らすことによって低下される。
【0027】
いくつかの実施例において、ベントメンブレン58を通る空気の流量は、膜66を通る流体160の流量以下になるように構成される。したがって、いくつかの実施例において、膜66の流量と、ベントメンブレン58の流量とは、システム10を通る流体160が適切な気泡を含まない流れに確実になるように一致される。いくつかの実施例において、膜66およびベントメンブレン58の流量は、流体160が、空気がベントメンブレン58を通って出る速度よりわずかに遅い速度で膜66を通って流れることを確実にするように釣り合わされる。したがって、
図2乃至
図4に示すように、流体160は、第2の液溜め42にプール76を形成する。
【0028】
流体160のプール76は、ドリップチャンバ40から導管50を通って流れる、連続的で気泡を含まない流体源を形成し、導管50に閉じ込められた空気を移動させる。他の実施例では、導管50を通る流体160の流速が最適な流速まで遅くなるように、ベントメンブレン58の流速は、膜66の流速より遅くなるように構成される。いくつかの実施例において、最適な流速は、準備的な作業工程の間、流体160が効率的かつ完全に導管50内の空気を移動させる速度である。
【0029】
膜66およびベントメンブレン58を組み込むように構成されたその実施例において、システム10の準備的な作業工程は、従来のようなローラークランプ52または任意の類似のクランプデバイスの使用が不要である。むしろ、膜66とベントメンブレン58との組み合わせによって、システム10の自動的な準備的な作業を可能にする。具体的には、プライミング液160がドリップチャンバ40に注入されたならば、流体160は、ベントメンブレン58に達するまで膜66および導管50を通って自動的に流れる。いくつかの実施例において、ドリップチャンバ40は、通気孔74をさらに含み、それによってドリップチャンバ40内の負圧が、流体160が膜66を通って自動的に流れることが可能になるように等しくされる。
【0030】
ドリップチャンバ40に対する通気孔
74の位置は、第2の液溜め42の高さを決める
ように選択される。したがって、流体16がドリップチャンバ40に流入するとき、流体
16の高さが、位置決めされた通気孔
74の高さを超えることを妨げられる。第2の液溜
め42の高さが位置決めされた通気孔
74の高さを超える場合、通気孔74は、流体16
で塞がれ、それによって、逃がすこと、および/または、ドリップチャンバ40内の圧力
を等しくすることが妨げられる。したがって、正圧がドリップチャンバ40内で高まり、
第1の液溜め12からの流体の流れを妨げる。流体16が解放され、即ち、患者用導管5
0に流入するとき、第2の液溜め42の高さは通気孔
74の高さより低い位置まで戻され
、それによって、通気孔
74がドリップチャンバ40内の正圧を解放することが可能にな
る。ドリップチャンバ40内の圧力が等しくなるとき、第1の液溜め12からの流体の流
れが、再開する。
【0031】
いくつかの実施例において、通気孔
74は、ドリップチャンバ内のエーロゾル化した危
険なガス24を閉じ込めるか、または無害にするように構成されたフィルタ(図示せず)
をさらに備える。他の実施例において、通気孔
74は、危険なガス24をドリップチャン
バ40から直接第1の液溜め12の中に逃がす導管(図示せず)をさらに備える。例えば
いくつかの実施例において、カップリングアッセンブリー20は、第1の液溜め12に結
合された平行な空気の流路(図示せず)をさらに含むことができる。さらに、いくつかの
実施例において、通気孔
74は、望ましくない危険なガス24の環境への暴露を防止する
ために、危険なガス24をドリップチャンバ40からドラフト(図示せず)または他の容
器の中に逃がす導管(図示せず)を備える。
【0032】
流体160がベントメンブレン58と接触すると、流体160の流れが停止され、それによって膜66を通る流体の流れを終了させる。ベントメンブレン58を取り外す前、ローラークランプ52が、患者用導管50のプライミングされた状態を維持するようにすることができる。この自己プライミング用の構成により、はじくこと、またはシステム10の構成要素の他の手動操作によって気泡を手で移動させることを必要とせずに、システム内の空気の効率的な除去処理が行われる。
【0033】
いくつかの実施例において、端部54は、ルアー装置を端部54に結合するとベントメンブレン58が自動的に無効になり、それによって、導管を通る流体の流れを再開するように構成される。
図1Cを参照すると、ルアーによって作動されるベントメンブレン158の代表的な実施例が示されている。当業者には、この実施例が、ルアーによって作動される膜を設けることができる、多くの方法および設計の1つを示すにすぎないことが理解されるであろう。一般に、端部54は、患者用導管50の一端に挿入した形で結合されるプラグ120を備える。プラグ120と導管50の間の開口部が、その2つの構成要素間の流体連通を可能にする。プラグ120のフランジ付きの部分130が、ルアー装置(図示せず)に関連付けられたカプラ(図示せず)を固定するための手段として設けられる。プラグ120の内部の空洞140が、ベントメンブレン158およびバイアス手段152を収容するように構成される。いくつかの実施例において、バイアス手段152は、コイルばねまたは穿孔されたエラストマー材料を含む。他の実施例では、ベントメンブレン158の一部がバイアス機能をもたらすように変更される。
【0034】
いくつかの実施例では、空洞140の第1の端部が、ベントメンブレン158の外径より小さい内径を有する保持用の隆起部142を備える。空洞140は、バイアス手段152を支持するために、段付きの表面144を有する第2の端部をさらに備える。したがって、膜158およびバイアス手段152は、空洞140内で保持用の隆起部142と段付きの表面144との間に介在した形で位置決めされる。構成されるとき、バイアス手段152は、膜158を保持用の隆起部142に接するように位置決めし、その結果、膜158と保持用の隆起部142の間にシール154が形成される。したがって、準備的な作業工程の間、システム10内の空気がシステム10から膜158を通して放出されるが、膜158および/またはシール154の物理的特性によって流体の通過が妨げられる。
【0035】
図1Dを参照すると、ルアー装置170を端部54に結合すると、シール154が無効になる。ルアー装置170は、膜158を作動させることが可能な構成を有する任意の装置を含むことができる。いくつかの実施例において、ルアー装置170は、プラグ120に結合するための機構174を有する本体172を備える。ルアー装置170は、カテーテルまたはカテーテルの管系210などの下流の装置と流体連通する内部の空洞182をさらに備える。ルアー装置170は、部分的にプラグ120に挿入し、膜158に接触するように構成されたプローブ部176をさらに備える。プローブ部176と膜158の間で接触すると、膜158は、シール154が無効になるように再び位置決めされる。プローブ部176の中に配置された複数の孔またはポート178は、流体がカテーテルの管系210に流入することが可能になるように、プラグ120とルアー装置170の内部の空洞182との間に流体連通をもたらす。
【0036】
次に
図3を参照すると、ドリップチャンバ40および患者用導管50のプライミング後に、カップリングアッセンブリー20のスパイク30が第1の液溜め12に結合される。いくつかの実施例において、第1の液溜め12は、危険な化学物質または薬物16を含むIVバッグである。他の実施例において、第1の液溜め12は、IVボトルまたは他の類似のリザーバデバイスである。液溜め12は一般に、セプタム36または穴をあけることが可能な膜を含み、それを通して、スパイク30が適合した形で挿入される。挿入されると、
図4に示すように、ローラークランプ52が解放され、危険有害性薬物16がカップリングアッセンブリー20を通って流れ、ドリップチャンバ40および患者用導管50に入ることが可能になる。剛性または半剛性のIVボトルを組み込んだそうした実施例の場合には、ドリップチャンバ40の一部が、通気孔74をさらに含むことができる。いくつかの実施例において、通気孔74は、危険有害性薬物16がシステム10を通って移動するとき、IV送出システム10内の、エーロゾル化したまたはガス24の形の危険有害性薬物の通過のためのポテンシャルを最小限に抑えるように設計されたフィルタを含む。
【0037】
次に
図4を参照すると、危険有害性薬物16を注入した後、フラッシング流体160が、自己密封式のプライミング/フラッシングポート44を介してドリップチャンバ40に加えられる。いくつかの実施例において、フラッシング流体160は、プライミング溶液160と同一である。他の実施例において、フラッシング流体160は、補助的な危険のない薬物である。フラッシング流体160は、残りの危険有害性薬物16を患者に押し込み、それによって、確実に薬物16の注入を完了させる。フラッシング流体160の注入はさらに、残留する危険有害性薬物16のため、IV送出システム10のカテーテル102の部分を清浄化する、または汚染を除去するように働く。十分な体積のフラッシング流体160を注入した後、技師または患者100を危険有害性薬物16に曝すことなく、カテーテル102を挿入部位106から安全に取り外すことができる。
【0038】
本発明のいくつかの実施例において、IV送出システム10は、
図5に示すように、複
数の流路60および70を有するカップリングアッセンブリー120を含む。上述したよ
うに、第1の流路60は、結合された液溜め12とIV送出システム10のドリップチャ
ンバ40との間に、液路を形成する。いくつかの実施例において、
カップリングアッセンブリー120は、自己密封式の取付口26と結合した液溜め12との間に液路を形成する第2の流路70をさらに備える。第2の流路70は、入力端34および出口端38を含み、入力端34は取付口26の内側部分に結合され、出口端38は液溜め12の流体160と流体連通する。いくつかの実施例において、第1の流路60および第2の流路70は、流路60と70の両方の長さにわたる共通の分割壁22を共有する。いくつかの実施例において、第2の流路70は管(図示せず)であり、管の壁が第1の流路60を第2の流路70から隔てる。
【0039】
いくつかの実施例において、第2の流路70は取付口26をさらに含む。取付口26はカップリングアッセンブリー120の外面に結合され、第2の流路70と流体連通する。取付口26は、危険有害性薬物16を第2の流路70を介して液溜め12に送出するように構成された注射器80または他の送出装置を、適合した形で受け入れるように設計される。いくつかの実施例において、取付口26は、注射器80を受け入れ、非可逆的に保持するように設計される。他の実施例において、取付口26は、注射器80の一部に配置された適合する1組のねじ山(図示せず)を受け入れるように構成された1組のねじ山(図示せず)を備える。他の実施例において、取付口26および注射器80は、ルアーロック式のカップリングアッセンブリーを介して互いに結合される。
【0040】
取付口26は一般に、注射器80の先端部82を受け入れるための開口部90を含む。取付口26は、先端82を開口部90に挿入することによって開放される弁またはスプリットセプタム84さらに含む。先端部82を挿入する前、セプタム84を偏倚させて閉鎖および密閉された構成にし、それによって、プライミング液160が出口端38を介して第2の流路70の中に漏出することを防止する。いくつかの実施例において、キャリア流体は、液溜め12のプライミング液160である。先端部82および開口部90を可逆的に結合した、または可逆的に組み合わせたそうした実施例の場合、先端82を開口部90から取り外すと、セプタム84が閉鎖および密閉された構成に戻り、それによって、流体が第2の流路70から漏出することを防止する。
【0041】
本発明のいくつかの実施例では、危険有害性薬物16を取付口26を介して注入する前に、ドリップチャンバ40および患者用導管50がプライミング液160でプライミングされる。システム10をプライミングするプロセスはまず、カップリングアッセンブリー120のスパイク部30を、プライミング液160を含む第1の液溜め12に挿入することが必要である。自己プライミング用の構成として構成されたそうした実施例の場合、第1の液溜め12のプライミング液160は、ドリップチャンバ40および患者用導管50に自動的に流入し、それによって第2の液溜め42を形成し、さらには導管50内の空気を移動させる。
【0042】
いくつかの実施例において、システム10はベントメンブレン58を除くように構成され、膜66のみを備える。こうした実施例の場合、システム10をプライミングするプロセスはまず、ローラークランプ52または類似のクランプデバイスによって患者用導管50を塞ぐことを含む。塞がれた後、カップリングアッセンブリー120のスパイク部30が第1の液溜め12に挿入される。次いで、従来通り、ドリップチャンバ40の軟質部72が圧縮されるか、あるいは流体160を第1の流路60を介してドリップチャンバ40に引き込むように操作される。第2の液溜め42が形成されると、ローラークランプ52が解放され、プライミング液160によって第1のリザーバ12から患者用導管50を通る流れが再開され、導管50内の空気を除去する。
【0043】
他の実施例において、システム10は膜66を除くように構成され、ベントメンブレン58のみを備える。こうした実施例の場合、システム10をプライミングするプロセスは、患者用導管50をローラークランプ52によって塞ぐ前に、カップリングアッセンブリー120のスパイク部30を第1の液溜め12に挿入することを含む。プライミング液160は、第1の液溜め12からドリップチャンバ40および患者用導管50に自由に流入する。プライミング液160がベントメンブレン58に達すると、流体の流れが止まり、患者用導管50がローラークランプ52によって塞がれる。この時点において、システム10はプライミング液160によって完全にプライミングされ、その結果、患者用導管50内の空気が完全に移動し、除去される。いくつかの実施例では、ダストキャップ56および隣接するベントメンブレン58が、患者用導管50の終端部54から取り外され、患者用導管50は補助的な患者用導管(図示せず)に結合されるか、または
図6に示すように静脈内カテーテル102に結合される。
【0044】
次に
図6を参照すると、危険有害性薬物16が、取付口26および注射器80を介して第1の液溜め12に注入される。いくつかの実施例では、注射器80の先端部82が、先端部82がセプタム84を開放位置に偏倚させるように、取付口26の開口部90に挿入される。次いで注射器80が作動され、危険有害性薬物16を第1の液溜め12に供給する。第1の液溜めの危険有害性薬物16およびプライミング液160が混合され、プライミング液160内に危険有害性薬物16の所望の濃度をもたらす。次いで、ローラークランプ52が解放され、システム10を通り、結合されたカテーテル102を介して患者100に流入する流体16の流れを再開する。
【0045】
いくつかの実施例において、患者用導管50はフラッシュポート86をさらに含む。フラッシュポート86は一般に、患者用導管50の外面に結合されたアダプタを備える。フラッシュポート86は、注射器180の先端部182を適合した形で受け入れるように構成された開口部88を含む。いくつかの実施例において、開口部88は、注射器の先端部182を開口部88に注入することによって開放位置に偏倚させることができる、セプタム84をさらに備える。他の実施例において、開口部88は、注射器の先端182を開口部88に注入することによって開放位置に対して無効になる、穴をあけることが可能な膜をさらに備える。フラッシュポート86の他の実施例は、
図7に示すように、注射器180が患者用導管50に流動する形で接続することを可能にする弁または他の装置を含む。
【0046】
次に
図7を参照すると、危険有害性薬物16の注入後のIVシステムが示されている。いくつかの実施例では、注入処置の後、危険な蒸気24および使用されていない危険有害性薬物が、第1の液溜め12の中に残る。他の実施例では、注射器80および取付口26が、注射器80を取り外すことができないように非可逆的に組み合わされ、その結果、望ましくない残りの危険有害性薬物16への暴露が起こる。流れ止め(anti−run)の乾燥膜66を備えるそうした実施例の場合、危険有害性薬物16は、ドリップチャンバ40から完全になくなるが、膜66を通り過ぎて流れ出ることはない。むしろ、危険有害性薬物16は膜66の中に留まり、空気が患者用導管50に注入されるのを防止する。結果として、患者用導管50を通る危険有害性薬物16の流れが止まり、患者用導管50は危険有害性薬物16で満たされる。さらに、カテーテル102の挿入された部分は、依然として危険有害性薬物16で汚染された状態のままである。したがって、いくつかの実施例では、患者用導管50の外面がフラッシュポート86を含むように変更される。フラッシュポート86は、カテーテル102を患者100から取り外す前にIV送出システム10のカテーテル部102をすすぐために、プライミング液またはフラッシング流体160を含む注射器180を適合する形で受け入れるように構成される。
【0047】
患者用導管50にフラッシングポート86を介してどっと流すためのプロセスはまず、患者用導管50をローラークランプ52によって塞ぐことが必要である。いくつかの実施例において、ローラークランプ52は、患者用導管50の外面上の、ドリップチャンバ40とフラッシングポート86の間に介在した形で位置決めされる。患者用導管50が塞がれた後、注射器180がフラッシングポート86の開口部88に挿入され、注射器180と患者用導管50内の流体16との間に流体連通をもたらす。次いで、注射器180が作動され、フラッシング流体160を患者用導管50およびカテーテル102を介して患者に注入および注入する。フラッシング流体160を注入するプロセスにおいて、患者用導管50の下流部分、ならびにカテーテル102の挿入された部分は、フラッシング流体160で完全にすすがれる。したがって、カテーテル102の挿入された部分は、危険有害性薬物16による汚染が除去され、危険有害性薬物16への暴露なしに安全に取り外すことが可能になる。次いで、注射器80および180に結合されたIV送出システム10、ならびに残りの危険有害性薬物16を、危険有害性薬物16に対する局所暴露または吸入による暴露なしに安全に処理することができる。
【0048】
危険有害性薬物16を患者100に安全に投与するIV送出システム10を提供するために、本発明の様々な特徴を組み合わせて使用することができる。例えば
図8を参照すると、プライミング/フラッシングポート44と取付口26の両方を組み込んだIV送出システム10が提供される。いくつかの実施例では、第1の流路60および第2の流路70を有するカップリングアッセンブリー120が提供される。第1の流路60は、カップリングアッセンブリー120と取り付けられたドリップチャンバ40との間に流体連通をもたらす。いくつかの実施例では、カップリングアッセンブリー120のスパイク部30が、IVバッグまたはIVボトルなどの液溜め12に挿入される。したがって、カップリングアッセンブリー120の第1の流路60は、
図9に示すように、流体160が液溜め12からドリップチャンバ40に流入することを可能にする導管を形成する。
【0049】
上述したように、第2の流路70はカップリングアッセンブリー120の一部を形成し、全体的に第1の流体60に平行に延びる。第2の流路70は取付口26をさらに備え、それによって、流体16が外部から第2の流路70に注入される。いくつかの実施例では、第2の流路の開口部または出口端38が、カップリングアッセンブリー120のスパイク部30の上に配置される。したがって、
図10に示すように、カップリングアッセンブリー120のスパイク部30が第1の液溜め12に挿入されているとき、流体16を第2の流路70を介して液溜め12に注入することができる。いくつかの実施例では、取付口26の開口部90が、注射器80または他の類似の流体送出装置を適合した形で受け入れるように構成される。他の実施例において、開口部90は、注射器80および取付口26を可逆的に組み合わせるための機能を含むように変更される。さらに、いくつかの実施例において、開口部90は、注射器80および取付口26を受け入れ、永久的に組み合わせるための1つまたは複数の機能を含むように変更される。
【0050】
いくつかの実施例では、ドリップチャンバ40の一部が、プライミング/フラッシングポート44を含むように変更される。プライミング/フラッシングポート44は、前述の
図1〜4に関連して上述したように、ドリップチャンバ40への直接的な接続を行う。したがって、いくつかの実施例では、
図8に示すように、ドリップチャンバ40および患者用導管50は、注射器180およびプライミング/フラッシングポート44を介して、プライミング溶液160でプライミングされる。他の実施例では、
図9に示すように、ドリップチャンバ40および患者用導管50は、カップリングアッセンブリー120のスパイク部30を、プライミング液160を含む第1の液溜め12に挿入することによってプライミングされる。ベントメンブレン58を実装するそうした実施例の場合、プライミング液160はドリップチャンバ40に自動的に流入し、患者用導管50を通り、その中に存在する空気を移動させる。
【0051】
図8および9のプライミング処置の後、
図10に示すように、患者用導管50がローラ
ークランプ52によって塞がれ、危険有害性薬物16が、第2の流路70および取付口2
6を介して第1の液溜め12に注入される。一般的には、注射器80の先端部が取付口2
6の開口部90に挿入され、セプタム84を開放状態に偏倚させて、注射器80と第2の
流路70の間の流体連通を開始する。次いで、注射器80内の高濃度の危険有害性薬物1
6が、第2の流路70を介して第1の液溜め
12に注入される。次いで、危険有害性薬物
16が第1の液溜め12のプライミング液160と混合され、所望の濃度の危険有害性薬
物16の溶液をもたらす。次いで、ローラークランプ52が解放され、希釈された危険有
害性薬物16がドリップチャンバ40および患者用導管50に流入することが可能になる。いくつかの実施例では、ベントメンブレン58およびダストキャップ56が静脈内カテーテル102と交換され、危険有害性薬物16の患者100への静脈内注入が可能になる。
【0052】
図10の注入処置の後、
図11に示すように、フラッシング流体160をプライミング/フラッシングポート44を介してドリップチャンバに加えることによって、ドリップチャンバ40および患者用導管50内の残りの危険有害性薬物16が患者100にどっと流される。いくつかの実施例において、フラッシング流体160は、
図9におけるプライミング液160と同一である。他の実施例において、フラッシング流体160は、補助的な危険のない薬物である。フラッシング流体160は、ドリップチャンバ40、患者用導管50およびカテーテル102を通って流れるため、残留する危険有害性薬物16が患者100に注入される。さらに、構成要素40、50および102は危険有害性薬物16による汚染が除去され、それによって、薬物16または危険な蒸気24に対する局所暴露なまたは吸入による暴露の可能性を伴わずに、カテーテル102を患者100から安全に取り外すことが可能になる。カテーテル102を取り外した後、IV送出システム10、残留する薬物16、ならびに結合された注射器80および180が適当に処理される。
【0053】
本発明のいくつかの実施例において、IV送出は、流れ止めの乾燥膜66もベントメンブレン58も含まない。こうした実施例の場合、臨床医は従来通り、ドリップチャンバ40の軟質部72を圧縮することによって、液溜め12からの流れを開始する。他の実施例において、ドリップチャンバ40および患者用導管50は、製造業者によってプライミング液16で予めプライミングされる。カップリングアッセンブリー20または120を第1の液溜め12に取り付ける前に、患者用導管50がクランプ52によって塞がれる。次いで、危険有害性薬物16が取付口26を介して液溜め12に注入され、クランプ52を解放することによって、システム10を通る流れが開始される。いくつかの実施例において、クランプ12は、患者用導管50を通る所望の流量を可能にするように選択的に調整することができる。他の実施例では、第2の流路70の中に残る微量の薬物16が、注射器80を繰り返し作動させることによって第1の液溜め12の中に洗い流される。
【0054】
一般的なやり方は、臨床医に引き渡す前に、液溜め12に危険有害性薬物16を予め注入することである。危険有害性薬物16を予め注入することは、一般的には、ドラフトの下でまたは十分に換気された領域で薬剤師または他の技師によって行われる。予め注入することによって、臨床医が高濃度の危険有害性薬物を扱う必要がなくなり、さらに適切な投薬が保証される。予め注入されたリザーバは、患者に投与するために臨床医に引き渡される。本発明のいくつかの実施例は、予め注入されたリザーバ、ならびに複数のまたは連続的に接続された液溜めと共に用いられる。
【0055】
いくつかの実施例では、
図12に示すように、第2の流路70を用いて危険な蒸気24
を第1の液溜め12の中に逃がす。例えばいくつかの実施例では、予め注入された液溜め
12からの危険有害性薬物16によって導管50を直接プライミングすることによって、
患者用導管50内の空気が除去される。危険有害性薬物16がドリップチャンバ40を出
て、患者用導管50を通って進むため、危険有害性薬物16からの危険な蒸気24が導管
50を通って押し動かされる。流れ制約デバイス58は、液体の危険有害性薬物16が導
管
50を出るのを防止するが、装置58は、危険な蒸気24が容易に通過できるように二
重に設計される。したがって準備的な作業工程の間、臨床医は、望ましくないことに危険
な蒸気24に曝される恐れがある。
【0056】
したがって、本発明のいくつかの実施例では、IVセット10を危険有害性薬物16でプライミングする前に、患者用導管50の終端部54が取付口26に適合した形で挿入される。終端部が取付口26に結合されると、ローラークランプ52が解放され、危険有害性薬物16のドリップチャンバ40への流入を開始する。危険有害性薬物16が患者用導管50を通って移動するため、危険な蒸気24が、導管50から第2の流路70を介して液溜め12の中に移される。したがって、患者用導管50から捕えられた空気が除去され、危険有害性薬物16からの危険な蒸気24がガス化されて液溜め12に入り、システム10に含まれるようになる。この準備的な作業工程によって完全なプライミングが保証されると同時に、安全ではない危険有害性薬物16および蒸気24の臨床医への暴露が防止される。
【0057】
準備的な作業工程の後、導管50が再びローラークランプ52で塞がれ、終端部54が
取付口26から取り外される。次いで臨床医は、カテーテル102を介して導管50を患
者100に取り付けることが可能になるように、ダストキャップ56およびベントメンブ
レン58を取り外すことができる。いくつかの実施例において、ダストキャップ56は弁
装置をさらに備え、それによって、カテーテル102は、ダストキャップ56またはベン
トメンブレン58を取り外すことなく、直接かつ流動する形で患者用導管50に結合され
る。他の実施例では、IVカテーテル102の一部によってベントメンブレン58に穴を
あけることが可能であり、それにより、IVカテーテル102は、流れ制御装置58を取
り外すことなく、直接かつ流動する形で患者用導管50に結合される。したがって臨床医
は、患者用導管50内の危険有害性薬物16に曝されることなく、患者用導管50を患者
100に安全に取り付けることができる。さらに、いくつかの実施例において、患者用導
管50はフラッシュポート86をさらに備え、それによって、システム10の終端部54
および結合されたカテーテル102は、患者100から取り外す前にフラッシング流体
1
60でどっと流される。
【0058】
次に
図13を参照すると、患者用導管50を危険有害性薬物16でプライミングするプロセスの間の本発明の実施が示されている。いくつかの実施例において、患者用導管50の終端部54は、準備的な作業工程の間、導管50から移動した危険な蒸気24を受け入れ、収容するように構成された容器94に結合される。容器94は、望ましくない危険な蒸気24への暴露を防止することが可能な任意の装置またはシステムを含むことができる。例えばいくつかの実施例において、容器94はタンクである。他の実施例において、容器94は、通気フードまたは濾過システムである。さらに他の実施例において、容器94は使い捨てのバッグまたはバルーンである。
【0059】
いくつかの実施例において、容器94は、蒸気24を隔離するか、あるいは蒸気24と
反応してその危険性を低減する、中和剤または触媒剤をさらに備える。他の実施例では、
キャップ56またはベントメンブレン58が、臨床医を導管50内の危険な蒸気24また
は危険有害性薬物16に曝すことなく、終端部をカテーテル
102または他の装置を介し
て患者100に取り付けることができるようにさらに変更される。さらに、本発明のいく
つかのドリップチャンバ40は、プライミング/フラッシングポート44を含み、それに
よって、注入処置後、患者100から患者用導管50および結合されたカテーテル102
を取り外す前に、それらの中の危険有害性薬物16がどっと流される。
【0060】
次に
図14を参照すると、危険有害性薬物16を患者用導管50を介して患者100に供給するために、主要なIVセット200が補助的なIVセット300と組み合わされる。この実施例では、補助的なIVセット300が、インライン式(inline)の取付口202を介して主要なIVセット200に結合される。インライン式の取付口202は、第2のIVセット300の危険有害性薬物16が、患者用導管50および患者100に流入することを可能にする。いくつかの実施例において、第2のIVセット300の導管ライン150は閉鎖式のルアーチップ302を含み、ルアーチップ302は、インライン式の取付口202に取り付けられると、液路を自動的に開放する。さらに、ルアーチップ302をインライン式の取付口202から取り外すと、液路は閉鎖され、ルアーチップ302は、患者用導管50を通るプライミング液160の流れによって清浄化される。いくつかの実施例において、インライン式の取付口202は、ルアーチップ302の回転するロックナットを受け入れるための1組のねじ山を含む。こうした実施例の場合、ルアーチップ302は、ロックナットをねじ山の組のまわりに締め付けると開放され、ロックナットをねじ山の組から外すと閉鎖される。他の実施例では、インライン式の取付口202の近位部を用い、完全なまたはほぼ完全な係合によってルアーチップ302を開閉する。さらに、いくつかの実施例において、ルアーチップ302は、ルアーチップ302を通る流体の流れを開閉するために、手動のスイッチまたは弁を含む。
【0061】
危険有害性薬物16の注入後、第2のIVセット300のローラークランプ52を作動させ、第2のIVセット300の導管ライン150を塞ぐ。次いで、患者用導管50のローラークランプ52が解放され、プライミング液160が患者用導管50を通って流れることが可能になり、残りの危険有害性薬物16を患者100にどっと流す。いくつかの実施例では、ルアーチップ302がプライミング液160によってすすがれ、危険有害性薬物16を含まなくなるように、ルアーチップ302の一部が患者用導管50の流れの経路の中に位置決めされる。他の実施例において、インライン式の取付口202は、注入後に微量の危険有害性薬物16を保持するデッドスペース(deadspace)を含む。したがって、いくつかの実施例では、第2のIVセット300の導管ライン150に、フラッシュポート86が組み込まれる。フラッシュポート86は、導管ライン150の遠位部を通してプライミング液160を注入するために、注射器によって接続される。したがって、フラッシュポート86によって、インライン式の取付口202のデッドスペースを十分にどっと流して残りの危険有害性薬物16を除くことが可能である。インライン式の取付口202および患者用導管50から危険有害性薬物を完全にどっと流した後、危険有害性薬物16への暴露なしに、カテーテル102を患者100から安全に取り外すことができる。さらに、いくつかの実施例において、インライン式の取付口202はデッドスペースのないコネクタである。例えばいくつかの実施例において、デッドスペースのないコネクタは、患者用導管50の流れの経路とルアーチップ302との間のデッドスペースを除いたものである。
【0062】
本発明は、本明細書において広義に説明され、以下において請求される構造、方法または他の本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形で具体化することが可能である。したがって、説明した実施例は、すべての点において例示的なものにすぎず、限定するものではではないとみなされたい。例えば本発明のいくつかの実施例は、IVポンプと共に使用することができる。本発明の他の実施例は、ドリップチャンバ、またはローラークランプもしくはdial−a−flowなどの流れ計量装置を使用しないように構成することができる。したがって本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の趣旨および範囲の中に入るすべての変更が、特許請求の範囲内に包含される。