特許第6211936号(P6211936)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6211936-貯湯式給湯装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6211936
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】貯湯式給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/18 20060101AFI20171002BHJP
【FI】
   F24H1/18 301Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-9543(P2014-9543)
(22)【出願日】2014年1月22日
(65)【公開番号】特開2015-137802(P2015-137802A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2016年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】阿部 基
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 元泰
(72)【発明者】
【氏名】高橋 俊昭
(72)【発明者】
【氏名】樋口 正紀
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−218947(JP,A)
【文献】 特開2007−285658(JP,A)
【文献】 特開2012−207806(JP,A)
【文献】 特開2010−144955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/18
F24H 1/00
F24H 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水の温度を検出する貯湯温度センサと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱手段と、前記貯湯タンクに給水する給水管と、前記貯湯タンクから出湯する出湯管と、前記給水管から分岐された水と前記出湯管からの湯とを設定温度に混合する給湯混合弁と、前記給湯混合弁からの湯を外部に供給する給湯管と、深夜時間帯に前記貯湯タンク内の水を前記加熱手段によって沸き上げる沸き上げ制御手段と、前記貯湯タンク内の貯湯状態や設定温度を表示すると共に前記設定温度を変更操作可能なリモコンと、を備えた貯湯式給湯装置において、所定の設定操作によって、設定操作時点から予め決められた所定時刻までの間、前記貯湯タンク内を湯が満タンの状態を維持するように前記加熱手段が満タン沸き増しを繰り返し行う今日だけ満タンモードに設定する今日だけ満タン設定手段を前記リモコンに設け、前記予め決められた所定時刻が過ぎると前記今日だけ満タンモードが解除されるようにしたことを特徴とする貯湯式給湯装置。
【請求項2】
前記今日だけ満タンモードに設定されている状態では、前記リモコンの特定スイッチの操作によって前記今日だけ満タンモードが解除されることを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深夜時間帯に貯湯タンク内の水を沸き上げる貯湯式給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種の貯湯式給湯装置においては、深夜時間帯に貯湯タンク内の水をヒートポンプ式加熱手段によって満タンまで沸き上げると共に、昼間時間帯であっても貯湯量が減少すると、ヒートポンプ式加熱手段を駆動して満タンにすることで、湯切れをさせない満タン沸き上げモードを有したものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−233003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この従来のものでは、満タンモードは、一度設定すると満タンモードが継続されるものであるため、来客等による一時的な給湯量の増加に対応するために満タンモードに設定した後、通常の沸き上げモードに戻すことを忘れると、不要な満タン状態が継続されて不経済なものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水の温度を検出する貯湯温度センサと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱手段と、前記貯湯タンクに給水する給水管と、前記貯湯タンクから出湯する出湯管と、前記給水管から分岐された水と前記出湯管からの湯とを設定温度に混合する給湯混合弁と、前記給湯混合弁からの湯を外部に供給する給湯管と、深夜時間帯に前記貯湯タンク内の水を前記加熱手段によって沸き上げる沸き上げ制御手段と、前記貯湯タンク内の貯湯状態や設定温度を表示すると共に前記設定温度を変更操作可能なリモコンと、を備えた貯湯式給湯装置において、所定の設定操作によって、設定操作時点から予め決められた所定時刻までの間、前記貯湯タンク内を湯が満タンの状態を維持するように前記加熱手段が満タン沸き増しを繰り返し行う今日だけ満タンモードに設定する今日だけ満タン設定手段を前記リモコンに設け、前記予め決められた所定時刻が過ぎると前記今日だけ満タンモードが解除されるようにした。
【0006】
ここで、所定の設定操作は、今日だけ満タンモードを設定するためだけの独立した操作スイッチを設けることで1回の操作とすることが望ましいが、これに限らず既存の沸き増し動作に関する操作スイッチと兼用する構成として、2〜4回程度の複数回の操作や長押しといった設定操作としてもよい。
【0007】
また、前記今日だけ満タンモードに設定されている状態では、前記リモコンの特定スイッチの操作によって前記今日だけ満タンモードが解除されるものとした。
【0008】
ここで、特定スイッチとしては、今日だけ満タンモードを設定するときに用いたスイッチや、沸き増し動作に関係するスイッチが好ましいものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リモコン操作によって容易に満タンを維持するモードに設定することができ、急な使用湯量の増加に対して湯切れすることなく対応できると共に、予め決められた所定時刻になれば自動的に満タンを維持するモードが設定解除され、設定解除を忘れることによる不要な満タン状態が継続する事態を回避することができ、経済的な貯湯式給湯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の概略構成図
図2】同一実施形態の今日だけ満タンモードの作動を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の一実施形態の貯湯式給湯装置1について図面に基づいて説明する。
2は湯水を貯湯するステンレス製の貯湯タンク3を有した貯湯タンクユニット、4は貯湯タンク3内の湯水を主に深夜時間帯等の深夜時間帯に沸き上げる加熱手段としてのヒートポンプユニット、5は給湯設定温度を変更する等の操作を行うためのリモコンである。
【0012】
貯湯タンクユニット2には、貯湯タンク3底部に市水を給水する給水管6と、貯湯タンク3上部から出湯する出湯管7と、給水管6から分岐された給水バイパス管8と、出湯管7からの湯水と給水バイパス管8からの水とを給湯設定温度になるように混合する給湯混合弁9と、給湯混合弁9で混合された湯が流通する給湯管10と、給湯管10途中に設けられ給湯温度を検出する給湯温度センサ11と、給湯管10途中に設けられ給湯流量を検出する給湯流量センサ12と、給水バイパス管8途中に設けられ給水温度を検出する給水温度センサ13と、貯湯タンク2の側面上下に複数設けられてそれぞれ貯湯温度を検出する貯湯温度センサ14と、給水管6に設けられ市水の給水圧を一定の圧力に減圧する減圧弁15と、貯湯タンク2内の過圧を逃がす過圧逃がし弁16と、ヒートポンプユニット4で加熱するため貯湯タンク2底部から取り出した湯水を流通させる加熱往き管17と、ヒートポンプユニット4で加熱された湯水を貯湯タンク2上部へ戻すために流通させる加熱戻り管18とが設けられている。
【0013】
また、貯湯タンクユニット2には、貯湯タンク2内の湯の熱で浴槽19からの浴水を加熱するための風呂熱交換器20と、浴槽19と風呂熱交換器20とを浴水が循環可能に接続する風呂循環回路21と、風呂循環回路21途中に設けられ浴水を循環させる風呂循環ポンプ22と、風呂循環回路21を風呂熱交換器20をバイパスして接続する熱交バイパス管23と、浴槽19からの浴水を風呂熱交換器20側へ流すか熱交バイパス管23側へ流すかを切り替える三方弁24と、浴槽19から風呂熱交換器20へ流れる浴水の温度を検出する風呂温度センサ25と、風呂循環回路21の浴水の循環の有無を検知する流水スイッチ26と、浴槽19内の水位を検出するための水位センサ27とが設けられている。
【0014】
さらに、貯湯タンクユニット2には、給湯管10から分岐されて風呂循環回路21途中に接続される湯はり管28と、湯はり管27途中に設けられ湯はり流量を検出する湯はり流量センサ29と、湯はり管28途中に設けられ湯はり温度を検出する湯はり温度センサ30と、湯はり管28途中に設けられた電磁弁よりなる湯はり開閉弁31と、湯はり開閉弁31の下流に設けられ、湯はり開閉弁31上流側の給水圧よりも浴槽19からの逆流圧が高いときに浴水を外部に排水するホッパー弁32とが設けられている。
【0015】
ヒートポンプユニット4には、冷媒を圧縮する圧縮機33と、圧縮された高温冷媒と貯湯タンク3からの湯水とを熱交換する冷媒水熱交換器34と、冷媒水熱交換器34で放熱された冷媒を減圧する膨張弁35と、低温低圧の冷媒を蒸発する蒸発器36と、圧縮機33、冷媒水熱交換器34、膨張弁35、蒸発器36を環状に接続した冷凍サイクル配管37と、蒸発器36に熱源となる外気を送風する送風機38と、外気温度を検出する外気温度センサ39と、冷媒水熱交換器34の水側に貯湯タンク3からの湯水を供給する加熱循環ポンプ40と、加熱往き管16から冷媒水熱交換器34に流入する湯水の温度を検出する入水温度センサ41と、冷媒水熱交換器34から加熱戻り管17へ流出する湯水の温度を検出する沸き上げ温度センサ42とが設けられている。
【0016】
リモコン5には、給湯機に関する各種の情報(給湯設定温度、風呂設定温度、風呂設定湯量、残湯量、給湯機の作動状態等)を表示する表示部43と、給湯設定温度および風呂設定温度あるいは風呂設定湯量を設定操作するための設定スイッチ44と、浴槽19へ風呂設定湯量の湯はりを指示する湯はりスイッチ45と、昼間時間帯であってもヒートポンプユニット4を駆動して強制的な沸き増しを行わせる沸き増しスイッチ46と、操作時点以降の沸き増しを禁止する沸き増し休止スイッチ47と、貯湯式給湯装置1の詳細な設定を行う階層構造のメニュー設定画面を呼び出すメニュースイッチ48とが設けられているものである。
【0017】
49は貯湯タンクユニット2内に設けられ、給湯温度センサ11、給湯流量センサ12、給水温度センサ13、貯湯温度センサ14、風呂温度センサ25、流水スイッチ26、水位センサ27、湯はり流量センサ29、湯はり温度センサ30の検出値が入力され、給湯混合弁9、風呂循環ポンプ22、三方弁24、湯はり開閉弁31の作動を制御すると共に、ヒートポンプユニット4およびリモートコントローラ5と必要な情報を送受信可能に接続された貯湯制御手段である。ここで、貯湯制御手段49は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
【0018】
50はヒートポンプユニット4内に設けられ、外気温度センサ39、入水温度センサ41、沸き上げ温度センサ42の検出値が入力され、圧縮機33、膨張弁35、送風機38、加熱循環ポンプ40の作動を制御すると共に、貯湯制御手段49と必要な情報を送受信可能に接続された加熱制御手段である。ここで、加熱制御手段50は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
【0019】
51はリモコン5内に設けられ、各種スイッチ44〜48の操作信号や貯湯制御手段49からの信号を受け、表示部43に予め定められた必要な表示を行わせると共に、貯湯制御手段49に操作信号に基づく信号を送信するリモコン制御手段である。ここで、リモコン制御手段51は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
【0020】
ここで、貯湯制御手段49と加熱制御手段50とリモコン制御手段51は互いに必要な情報を授受して、互いに連携して貯湯式給湯機1の作動を制御する制御手段として振る舞うものである。
【0021】
次に、深夜時間帯における沸き上げ動作について説明すると、沸き上げ制御手段を構成する貯湯制御手段49は深夜時間帯になると、給湯流量センサ12や給湯温度センサ11等の各種のセンサ類の検出値に基づいて学習した一日単位の使用湯量に応じて沸き上げる量を決定し、深夜時間帯の終了時刻に沸き上がるように逆算された沸き上げ開始時刻になるとヒートポンプユニット4を駆動して沸き上げ運転を開始し、深夜時間帯の終了時刻となるとヒートポンプユニット4を停止して沸き上げ運転を終了するようにしている。
【0022】
次に、昼間時間帯の沸き増し動作について説明すると、昼間時間帯の沸き上げ動作は予め選択設定してある沸き上げモードの種類に依存し、深夜時間帯にのみ沸き上げる深夜のみモードでは、昼間時間帯の沸き増し動作は行われず、過去の学習使用湯量に基づいて深夜時間帯の沸き上げに加えて昼間時間帯にも沸き上げる通常沸き上げモードでは、過去の学習使用湯量に基づいた沸き上げる量から深夜時間帯で沸き上げた量を減算し、沸き上げ切れなかった不足湯量分を昼間時間帯の適切なタイミング(一般に給湯負荷の多い時間帯の直前)にヒートポンプユニット4を駆動して沸き増し動作を行い、深夜時間帯の沸き上げに加えて昼間時間帯にも常時貯湯タンク3内を湯で満タンに維持する満タンモードでは、昼間時間帯に給湯されることによって貯湯タンク3の下部に水が一定量以上貯められて、貯湯タンク3の下から2番目の貯湯温度センサ14が沸き増し開始所定温度以下を検出すると、ヒートポンプユニット4を駆動して貯湯タンク3最下部の貯湯温度センサ14が沸き終い所定温度(>沸き増し開始所定温度)以上を検知するまで沸き上げて、貯湯タンク3内を湯で満タンにする沸き増し動作を繰り返すようにしている。
【0023】
ここで、満タンモードにおいての沸き増し開始条件や沸き増し停止条件は、上記の一例に限定されるものでなく、貯湯タンク3内を適切に満タンに維持できればよいもので、例えば、沸き増し開始条件として貯湯タンク3の下から3番目の貯湯温度センサ14が沸き増し開始所定温度以下を検出すると沸き増し開始し、貯湯タンク3の最下部の貯湯温度センサ14が沸き増し開始所定温度と同一温度の沸き終い所定温度を検出するか、またはヒートポンプユニット4の入水温度センサ41が沸き増し開始所定温度と同一温度の沸き終い所定温度を検出すると、沸き増し動作を停止するようにしてもよい。
【0024】
この沸き上げモードは、リモコン5の設定操作によって選択設定されるもので、メニュースイッチ48と設定スイッチ44の複数回にわたる所定の操作によってリモコン制御手段51に記憶されている沸き上げモード設定画面が表示部43に表示され、設定スイッチ44の操作によって複数の沸き上げモードからいずれかひとつの沸き上げモードを選択してメニュースイッチ48の操作によって確定させるようにしているものである。なお、この沸き上げモードは頻繁に変更することがないと共に、不用意に変更されて不適切なモードが選択されると湯切れや無駄な沸き上げによる経済的損失が生じる恐れがあるため、メニュー項目の浅くない階層に設けられているものである。
【0025】
ここで通常沸き上げモードおよび満タンモードにおいては、ユーザーが現時点での貯湯タンク3内の貯湯量で十分で以後の沸き増しが不要と判断して沸き増し休止スイッチ47が操作されると、所定の時刻(ここでは深夜時間帯の開始時刻)になるまでの間、沸き増し動作を禁止するようにしている。
【0026】
一方、通常沸き上げモードや深夜のみモードにおいては、いつもよりも少し使用湯量が多い場合に、湯切れの恐れがあるとユーザーが判断してリモコン5の沸き増しスイッチ46を操作することで、一定時間あるいは一定量の強制的な沸き増し動作を行い、貯湯タンク3内の貯湯量を増大させて湯切れをさせないようにしている。
【0027】
ここで、沸き増しスイッチ46による沸き増しは、その量を選択可能としており、例えば沸き増しスイッチ46の一度の操作で1時間の沸き増し、二度の操作で2時間の沸き増しというようにしてもよい。
【0028】
また、急な来客等によっていつもよりもかなり多量の湯を必要とする場合、ユーザーがリモコン5の沸き増しスイッチ46を複数回操作して今日だけ満タンモードに設定する。
【0029】
ここで、今日だけ満タンモードは、設定操作時点から当日の所定時刻(ここでは24時)までの間、貯湯温度センサ14が沸き増し開始所定温度以下を検出すると、貯湯温度センサが検出する温度が沸き終い所定温度以上になるまでヒートポンプユニット4を駆動して満タン沸き増しを繰り返し行わせ、所定時刻になると今日だけ満タンモードが解除され、元の沸き上げモードが設定されるもので、複数の沸き上げモードの内、満タンモード以外の沸き上げモードにおいてのみ設定可能としている。なお、沸き増し動作の開始条件および停止条件は満タンモードにおける条件に準ずるものである。
【0030】
次に、今日だけ満タンモードについて図2に基づいて説明すると、ユーザーがリモコン5の沸き増しスイッチ46を操作すると、リモコン5の表示部43に沸き増し量選択画面52が表示され、選択カーソル53が沸き増し量選択画面52の一番上の選択肢に表示されるそして、複数回の沸き増しスイッチ46の操作によって選択カーソル53が次の選択肢に移動され、今日だけ満タンの選択肢を選択した状態でメニュースイッチ48を操作すると、今日だけ満タンモードが設定される。このようにリモコン制御手段51と沸き増しスイッチ46とで今日だけ満タン設定手段が構成されている。
【0031】
今日だけ満タンモードが設定された後は、給湯等によって貯湯タンク3内の湯が減る度に満タン沸き増しが繰り返されるため、湯切れの心配なく湯を使うことができる。
【0032】
そして、再度の沸き増しスイッチ46の操作、または沸き増し休止スイッチ47の操作があると、所定時刻が到来していなくとも、今日だけ満タンモードが解除され、元の沸き上げモードが設定される。このような解除操作がされなくとも、所定時刻が到来すると、自動的に今日だけ満タンモードが解除され、元の沸き上げモードが設定される。
【0033】
このように、沸き上げモードの変更操作のような手順のかかる操作を行わなくとも容易に満タンを維持するモードに設定することができ、急な使用湯量の増加に対して湯切れすることなく対応できると共に、所定時刻になれば自動的に満タンを維持するモードが設定解除され、また容易な操作にて設定解除することができ、設定解除を忘れることによる不要な満タン状態が継続する事態を回避することができ、経済的な貯湯式給湯装置を提供することができる。
【0034】
なお、今日だけ満タン設定手段は、リモコン5の操作スイッチの単純な操作で設定操作が可能に構成されることが望ましく、この実施形態では機能的に一部が共通する沸き増しスイッチ46で操作スイッチを兼用する構成としたが、これに限られず、今日だけ満タンモードを設定するためだけの独立した操作スイッチを設けるようにしてもよい。
【0035】
また、今日だけ満タンモードに設定した後に、ユーザーが解除する際に操作するスイッチとして沸き増しスイッチ46と沸き増し休止スイッチ47を例示しているが、これらのスイッチは沸き増し動作との関連性が強いため、解除するスイッチとして適切であり、直感的な操作が可能となるものであり、これ以外のスイッチは、沸き増し動作と関連性が薄いため解除のためのスイッチとしては適切ではない。
【0036】
また、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で改変可能なものであり、例えばヒートポンプユニット4を加熱手段としているが、貯湯タンク3内に直接配置した電熱ヒータを加熱手段としてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 貯湯式給湯装置
3 貯湯タンク
4 ヒートポンプユニット(加熱手段)
5 リモコン
6 給水管
7 出湯管
9 給湯混合弁
10 給湯管
14 貯湯温度センサ
46 沸き増しスイッチ
47 沸き増し休止スイッチ
49 貯湯制御手段
50 加熱制御手段
51 リモコン制御手段
図1
図2