(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6212722
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】携帯用クリーナ
(51)【国際特許分類】
A47L 9/00 20060101AFI20171005BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20171005BHJP
【FI】
A47L9/00 H
A47L9/00 103
A47L5/24 A
A47L9/00 F
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-551944(P2016-551944)
(86)(22)【出願日】2015年9月18日
(86)【国際出願番号】JP2015076711
(87)【国際公開番号】WO2016052267
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2017年1月25日
(31)【優先権主張番号】特願2014-202293(P2014-202293)
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】咲間 伸一
(72)【発明者】
【氏名】高阿田 賢一
【審査官】
大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭62−64324(JP,A)
【文献】
特開2004−65355(JP,A)
【文献】
実開昭58−145156(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00
A47L 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを収容したハウジングと、前記ハウジング内に設けられて前記モータの動力で回転する集塵ファンと、を備えた携帯用クリーナであって、
前記モータを支持するモータホルダと、前記モータホルダに設けられ、前記ハウジングに係合する第1係合部と、を有し、
前記モータホルダは、複数のリブを備え、
前記複数のリブは、前記モータの軸線を中心とする円周方向に間隔をおいて配置され、かつ、前記軸線を中心とする径方向の外側及び、前記軸線に沿った方向に延びており、前記複数のリブ同士の間に通気路が形成され、
前記第1係合部と、前記集塵ファンと、前記複数のリブとは、前記モータの軸線に沿った方向で互いに異なる位置に配置され、
前記複数のリブは、前記軸線に沿った方向で前記第1係合部と前記集塵ファンとの間に配置されている、携帯用クリーナ。
【請求項2】
前記ハウジングに塵埃を捕捉する筒形状のフィルタ装置が設けられ、前記集塵ファン及び前記フィルタ装置は、前記軸線を中心として配置され、前記集塵ファンは、前記軸線に沿った方向で、前記モータと前記フィルタ装置との間に配置されている、請求項1に記載の携帯用クリーナ。
【請求項3】
前記第1係合部は、前記モータを前記軸線に沿った方向及び前記軸線を中心とする円周方向で、前記ハウジングに対して位置決めする、請求項1または2に記載の携帯用クリーナ。
【請求項4】
前記複数のリブは、前記モータホルダの外面視で、前記軸線に対して傾斜して配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯用クリーナ。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記第1係合部に係合する第2係合部を有し、前記第1係合部と前記第2係合部とが、第1弾性体を介して係合している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯用クリーナ。
【請求項6】
前記軸線を中心とする径方向で、前記第1係合部は、前記複数のリブの外端よりも内側に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯用クリーナ。
【請求項7】
前記ハウジング内に前記モータを前記軸線に沿った方向に位置決めし、かつ、前記軸線を中心とする径方向に位置決めするモータ支持部が設けられ、前記モータ支持部は、第2弾性体を介して前記モータを支持している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯用クリーナ。
【請求項8】
前記第1係合部は、前記軸線を中心とする径方向で前記モータよりも外側に配置され、かつ、前記軸線に沿った方向で前記モータとオーバーラップして配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の携帯用クリーナ。
【請求項9】
前記ハウジングは、
前記モータ及び前記モータホルダを収容するモータケースと、
前記モータケースに取り付けられ、かつ、前記フィルタ装置が内部に設けられれるダストケースと、
を有し、
前記モータケースは、前記ダストケースが取り付けられるスリーブを有し、
前記フィルタ装置における前記軸線に沿った方向の一部は、前記スリーブの内側に配置されている、請求項2記載の携帯用クリーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモータの動力で集塵ファンを回転させる携帯用クリーナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの動力で集塵ファンを回転させる携帯用クリーナが知られており、その携帯用クリーナが特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された携帯用クリーナは、ハウジングを備えている。ハウジングは、モータを収容するモータケースと、モータケースに着脱されるダストケースと、を備えている。ダストケース内にフィルタ装置が設けられ、ダストケースの内部と外部とをつなぐ吸い込みノズルが設けられている。
【0003】
モータケース内に集塵ファンが設けられている。集塵ファンは、モータの動力で回転する。集塵ファンは、モータの軸線方向で、モータとフィルタ装置との間に配置されている。モータケース内にファンカバーが設けられており、ファンカバーは、モータ及び集塵ファンよりも外側に配置された筒部と、筒部から内側に延ばされた円板部と、を備えている。筒部は、モータケースに位置決めされている。円板部は、モータの軸線に沿った方向で、集塵ファンとフィルタ装置との間に配置されており、円板部に空気取り入れ口が設けられている。
【0004】
また、モータを支持するモータホルダが、モータケース内に設けられている。モータケースは、ファンカバーを介して、モータケースに対して軸線に沿った方向及び径方向に位置決めされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−212044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された携帯用クリーナは、モータが、モータホルダ及びファンカバーを介してハウジングに対して位置決めするため、モータの軸線を中心とする径方向において、ハウジングが大型化する問題があった。
【0007】
本発明の目的は、モータの軸線を中心とする径方向において、ハウジングが大型化することを抑制できる、携帯用クリーナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯用クリーナは、モータを収容したハウジングと、前記ハウジング内に設けられて前記モータの動力で回転する集塵ファンと、を備えた携帯用クリーナであって、前記モータを支持するモータホルダと、前記モータホルダに設けられ、前記ハウジングに係合する第1係合部と、を有し、前記
モータホルダは、複数のリブを備え、前記複数のリブは、前記モータの軸線を中心とする円周方向に間隔をおいて配置され、かつ、前記軸線を中心とする径方向の外側及び、前記軸線に沿った方向に延びており、前記複数のリブ同士の間に通気路が形成され、前記第1係合部と、前記集塵ファンと、前記複数のリブとは、前記モータの軸線に沿った方向で互いに異なる位置に配置され、前記複数のリブは、前記軸線に沿った方向で前記第1係合部と前記集塵ファンとの間に配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、軸線に沿った方向で、第1係合部が配置されている位置と、集塵ファンが配置されている位置とが異なる。したがって、ハウジングの内径を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の携帯用クリーナを示す正面断面図である。
【
図3】
図1の携帯用クリーナのモータケースを分解した平面図である。
【
図4】
図1の携帯用クリーナの部分的な正面断面図である。
【
図5】(A)は、
図1の携帯用クリーナに用いるモータホルダの斜視図、(B)は、
図1の携帯用クリーナに用いるモータホルダの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を
図1〜
図5に基づいて詳細に説明する。本発明の一実施形態である携帯用クリーナ10は、ハウジング11を備えている。ハウジング11は、モータケース12と、モータケース12に対して着脱可能なダストケース13と、を備えている。モータケース12は、
図3に示すように、第1ブロック14と第2ブロック15とを互いに固定して組み立てられている。第1ブロック14及び第2ブロック15は、共に合成樹脂で成形されている。第1ブロック14と第2ブロック15とは、分割された状態で製造され、第1ブロック14と第2ブロック15とが、ねじ部材等の固定要素により固定される。
【0012】
モータケース12内に電動モータ16が収容されている。電動モータ16は、ロータ及びステータを内蔵したモータ本体17と、ロータに接続された回転軸18と、を備えている。モータ本体17は、円筒形状のケーシングである。回転軸18は、軸線A1を中心として回転可能であり、回転軸18は、軸線A1に沿った方向で、着脱部19とは反対側に向けてモータ本体17から突出されている。モータケース12に着脱部19が設けられており、電池パック20は、着脱部19に着脱される。電池パック20は、電池セルを収容している。電池パック20は電池側端子を有し、着脱部19はハウジング側端子を有する。電池パック20が着脱部19に取り付けられると、電池側端子はハウジング側端子に接続される。
【0013】
モータケース12にグリップ21が設けられており、グリップ21にトリガ22が設けられている。トリガ22は、作業者により操作される。また、グリップ21にトリガスイッチ23が設けられている。トリガスイッチ23は、トリガ22に操作力が加えられるとオンし、トリガ22に操作力が加えられなければオフする。また、電動モータ16を、ハウジング側端子及びトリガスイッチ23にそれぞれ接続する電力ケーブル24が設けられている。
【0014】
モータケース12内に集塵ファン25が設けられている。集塵ファン25は、軸線A1に沿った方向で、電動モータ16の配置位置とは異なる位置に配置されている。軸線A1に沿った方向で、電動モータ16は、着脱部19と集塵ファン25との間に配置されている。
【0015】
集塵ファン25は回転軸18に固定されている。集塵ファン25は、回転軸18の動力で軸線A1を中心として回転する。集塵ファン25は遠心ファンであり、吸い込み口26と、吸い込み口26に接続された通気路27と、通気路27に接続された吐出口28と、を備えている。吐出口28は、軸線A1を中心とする径方向で、吸い込み口26よりも外側に配置されている。なお、モータケース12は、モータケース12の内部と外部とをつなぐ排気口29を備えている。排気口29は、第1ブロック14及び第2ブロック15の両方に設けられている。
【0016】
モータケース12において、軸線A1に沿った方向で着脱部19とは反対の箇所に、開口部30を形成する円筒状のスリーブ31が設けられている。スリーブ31内の外周に、溝32及び突起33が設けられている。溝32は、軸線A1に沿った方向で突起33と電動モータ16との間に配置されている。スリーブ31、溝32、突起33は、第1ブロック14及び第2ブロック15の両方に亘って設けられている。
【0017】
ダストケース13は、開口部30を塞ぐようにモータケース12に取り付けられている。ダストケース13は、合成樹脂を筒形状に一体成形した部材である。ダストケース13は、軸線A1に沿った方向の端部がモータケース12に接続される。ダストケース13の開口端45の内面に突起34が設けられている。ダストケース13の開口端45がスリーブ31の外側に配置されて、突起34が溝32内に挿入され、かつ、突起33と突起34とが係合すると、ダストケース13とモータケース12とが固定される。つまり、ダストケース13はモータケース12に対して、軸線A1に沿った方向に位置決め固定される。また、ダストケース13をモータケース12に対して、軸線A1を中心として回転させて、突起34を溝32から抜き出すことができる。突起34を溝32から抜き出すと、ダストケース13はモータケース12から取り外される。
【0018】
ダストケース13は吸い込みノズル35を備えている。吸い込みノズル35は、軸線A1に沿った方向で、開口端45とは反対側に設けられている。吸い込みノズル35は、軸線A1と同心状に配置された筒体であり、吸い込みノズル35は吸気路36を形成する。吸気路36は、ダストケース13の内部と外部とをつなぐ。
【0019】
ダストケース13の内部にフィルタ装置37が設けられている。フィルタ装置37は、プレフィルタ38と濾材39と補強部材40とを備えている。プレフィルタ38は、外郭をなす樹脂製メッシュを筒状に配置したものであり、かつ、通気性を備えている。濾材39は、プレフィルタ38の内側に配置され、かつ、不織布を筒状に成形したものである。不織布に形成された通気孔の開口径は、樹脂製のメッシュに形成された通気孔の開口径よりも小さい。補強部材40は、濾材39の内側に配置され、かつ、濾材39が内側に潰れることを防止する。補強部材40は、合成樹脂製を骨格状に配置したものであり、骨格の隙間を空気が通る。プレフィルタ38であって、軸線A1に沿った方向にける集塵ファン25に近い側の端に、環状部42が設けられている。環状部42に、円周方向に間隔をおいて複数の固定部43が設けられている。固定部43は、環状部42から径方向で外側に向けて突出されている。また、スリーブ31の内面に取付け溝44が設けられており、固定部43を取り付け溝44に配置されて、フィルタ装置37がモータケース12に固定されている。このように、フィルタ装置37がモータケース12に固定されると、フィルタ装置37における軸線A1に沿った方向の一部は、スリーブ31の内側に配置される。
【0020】
次に、モータケース12が、電動モータ16を支持する構造を説明する。モータケース12内にモータホルダ46が設けられている。モータホルダ46は、合成樹脂製である。モータホルダ46は、円筒状の内筒部47と、円筒状の外筒部48と、内筒部47と外筒部48とを接続する接続部50と、内筒部47と外筒部48との間に配置した複数の補強板49と、を備えている。内筒部47の内径は、モータ本体17の外径よりも大きい。外筒部48は、軸線A1を中心とする径方向で、内筒部47の外側に配置されている。複数の補強板49は、軸線A1を中心とする円周方向に、等間隔で配置されている。接続部50により接続された内筒部47及び外筒部48は、軸線A1を中心として同心状に配置されている。また、接続部50は、軸線A1を中心とする支持孔51を備えた円板形状である。支持孔51の内径は、内筒部47の内径未満である。
【0021】
軸線A1に沿った方向でモータ本体17の一部は、内筒部47内に配置されている。モータ本体17の端面から、軸線A1に沿った方向に突出したスリーブ52が設けられている。スリーブ52は、回転軸18を回転可能に支持している。また、スリーブ52は、支持孔51に配置されている。そして、接続部50に取り付けた複数のねじ部材53により、モータ本体17がモータホルダ46に固定されている。
【0022】
さらに、軸線A1に沿った方向で、内筒部47は外筒部48よりも長い。そして、複数の補強板49は、径方向の外端に突出部54をそれぞれ備えている。複数の突出部54は、軸線に沿った方向で外筒部48が配置されている箇所とは異なる箇所に配置されている。複数の突出部54の外接円の直径は、外筒部48の外径及び集塵ファン25の外径よりも大きい。また、外筒部48の外径は、集塵ファン25の外径よりも小さい。
【0023】
一方、モータケース12の内部に支持部55が設けられており、支持部55に支持溝56が設けられている。軸線A1に沿った方向で、複数の突出部54及び支持部55の配置範囲は、電動モータ16の配置範囲とオーバーラップしている。支持溝56は、軸線A1を中心とする同一円周上に、複数、本実施形態では4箇所設けられている。支持部55は、4箇所の支持溝56を全て備えるように環状に一体に設けられている構造、または、4箇所の支持溝56をそれぞれ単独で備えるように、4つの支持部55を設ける構造のいずれでもよい。4箇所の支持溝56の底に対応する外接円の直径は、集塵ファン25の外径よりも大きい。なお、支持部55及び4箇所の支持溝56は、第1ブロック14及び第2ブロック15の両方に亘って設けられている。
【0024】
そして、4つの突出部54は、それぞれ支持溝56に配置されている。本実施形態では、4つの突出部54は、ブッシュ57を介して支持溝56に配置されている。ブッシュ57は、ゴム状弾性体で一体成形されている。
【0025】
さらに、モータ本体17は、軸線A1に沿った方向で、スリーブ52を設けた端面とは反対側の端面から突出した突出部58を備えている。突出部58は、軸線A1を中心とする円柱形状である。また、モータケース12内に筒形状の支持部59が設けられている。支持部59は、第1ブロック14及び第2ブロック15の両方に亘って設けられている。支持部59の内径は、突出部58の外径よりも大きく、突出部58はブッシュ60を介して支持部59により支持されている。ブッシュ57は、ゴム状弾性体で一体成形されている。
【0026】
一方、モータホルダ46は、モータケース12の内部を軸線A1に沿った方向で、集塵ファン25が配置された第1空間B1と、電動モータ16が配置された第2空間B2と、に区画している。また、外筒部48の外周面に、円周方向に沿って複数のリブ61が設けられている。軸線A1に沿った方向で、複数のリブ61の配置範囲は、電動モータ16の配置範囲とオーバーラップしている。複数のリブ61は、外筒部48の外周面から、径方向の外側に向けて突出されている。複数のリブ61は、軸線A1に沿った方向で、集塵ファン25と突出部54との間に配置されている。そして、外筒部48の径方向で外側において、リブ61同士の間に通気路62が形成されている。通気路62は、第1空間B1と第2空間B2とをつなぐ。
【0027】
モータホルダ46を外面視した
図5(B)において、リブ61の厚さ方向の中心線D1は、軸線A1に対して傾斜し、かつ、軸線A1と垂直な平面C1に対して傾斜するように延びている。複数のリブ61同士は互いに平行である。さらに、複数のリブ61の外接円の外径は、複数の突出部54の外接円の外径よりも大きい。つまり、複数の突出部54は、軸線A1を中心とする径方向で、リブ61の外端よりも内側に配置されている。
【0028】
本実施形態の携帯用クリーナ10は、トリガ22に操作力が加えられてトリガスイッチ23がオンされると、電池パック20の電力が電動モータ16に供給され、回転軸18が回転する。これに対して、トリガ22に操作力が加えられていなければ、トリガスイッチ23がオフされ、電池パック20の電力は電動モータ16に供給されず、回転軸18は停止する。回転軸18と共に集塵ファン25が回転すると、ダストケース13内が負圧となり、吸引力が発生する。このため、モータケース12の外部の空気及び異物は、吸い込みノズル35の吸気路36を通りダストケース13内に吸い込まれる。
【0029】
ダストケース13内に吸い込まれた空気は、フィルタ装置37を通過し、かつ、集塵ファン25に吸い込まれる。ダストケース13内に吸い込まれた空気がフィルタ装置37を通過する際に、ゴミ、塵埃等の異物が捕捉される。集塵ファン25の吐出口28から吐出された空気は、通気路62を通り第2空間B2へ流れ込み、第2空間B2に流れ込んだ空気は、排気口29を経由してハウジング11の外部に排出される。
【0030】
携帯用クリーナ10は、軸線A1に沿った方向で、突出部54が配置されている位置と、集塵ファン25が配置されている位置とが異なる。このため、軸線A1を中心とする径方向で、突出部54が集塵ファン25の外側に配置されずに済む。したがって、モータケース12の内径を小さくすることができる。
【0031】
また、第1空間B1から第2空間B2に至る空気の流れを、モータホルダ46に設けた複数のリブ61により整流することができる。複数のリブ61は、整流板として作用する。つまり、モータケース12内で空気が滞留することを抑制できる。したがって、フィルタ装置37における集塵効率が向上する。
【0032】
また、複数のリブ61の厚さ方向の中心線D1は、軸線A1及び平面C1に対して傾斜している。この為、集塵ファン25の回転によって形成された円周方向の流れの向きを、複数のリブ61の傾斜の向きと同じにすることで、空気の流れをスムーズに形成できる。さらに、軸線A1を中心とする径方向で、突出部54は、複数のリブ61の外端よりも内側に配置されている。したがって、突出部54は、軸線A1を中心とする径方向で、複数のリブ61の外側に配置されずに済み、モータケース12は、径方向において小型化される。
【0033】
携帯用クリーナ10の電動モータ16は、ねじ部材53によりモータホルダ46に固定されている。また、モータホルダ46の突出部54は、ブッシュ57を介して支持溝56に配置されている。このように、電動モータ16及びモータホルダ46は、軸線A1に沿った方向、軸線A1を中心とする円周方向、軸線A1を中心とする径方向、の全てにおいてモータケース12に対して位置決め固定されている。したがって、電動モータ16の回転軸18が、径方向に振動することを抑制できる。
【0034】
さらに、モータケース12は、第1ブロック14と第2ブロック15とを組み合わせて構成されている。このため、第1ブロック14と第2ブロック15との間に、モータホルダ46を挟み付けて固定することができる。
【0035】
さらにまた、軸線A1に沿った方向で、突出部54の配置範囲と、電動モータ16の配置範囲とがオーバーラップしている。したがって、電動モータ16の重心と、突出部54とを、軸線A1に沿った方向でなるべく近づけることができ、電動モータ16を強固に保持することができる。また、電動モータ16の振動を抑制できる。さらに、突出部54と支持部55との間に、ゴム状弾性体により形成されたブッシュ57が介在されている。したがって、電動モータ16の振動がモータケース12に伝達されることを抑制できる。さらに、突出部58と支持部59との間に、ゴム状弾性体により形成されたブッシュ60が介在されている。したがって、電動モータ16の振動がモータケース12に伝達されることを抑制できる。
【0036】
本実施形態において説明した構成と、本発明の構成との対応関係を説明すると、電動モータ16が、本発明のモータに相当し、ハウジング11が、本発明のハウジングに相当し、集塵ファン25が、本発明の集塵ファンに相当し、モータホルダ46が、本発明のモータホルダに相当し、突出部54が、本発明の第1係合部に相当し、フィルタ装置37が、本発明のフィルタ装置に相当し、リブ61が、本発明のリブに相当し、支持部55が、本発明の第2係合部に相当し、ブッシュ57が、本発明の第1弾性体に相当し、支持部59が、本発明のモータ支持部に相当し、ブッシュ60が、本発明の第2弾性体に相当する。
【0037】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明は、モータケースに設けた突出部と、モータホルダに設けた保持溝とを備え、突出部を保持溝に配置してモータをハウジングに対して位置決めする携帯用クリーナを含む。また、本発明の携帯用クリーナは、モータケースに突出部及び保持溝を設け、モータホルダに設けた保持溝及び突出部を設けた携帯用クリーナを含む。つまり、本発明の第1係合部及び第2係合部は、互いに係合することにより、モータをハウジングに対して位置決め固定する要素である。つまり、第1係合部は、突出部及び保持溝を含み、第2係合部は、保持溝及び突出部を含む。
【0038】
本発明は、商用電源と電動モータとを接続する電力ケーブルが、ハウジングの外部に配索される携帯用クリーナを含む。本発明のモータは、電動モータの他、油圧モータ、空気圧モータを含む。本発明の携帯用クリーナにおける「携帯用」は、作業者がクリーナを持って移動可能であること、を意味する。
【符号の説明】
【0039】
10…携帯用クリーナ、11…ハウジング、16…電動モータ、25…集塵ファン、37…フィルタ装置、46…モータホルダ、54…突出部、55,59…支持部、57,60…ブッシュ、61…リブ。