(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
他の通信装置から送信されたパケットのデータ、及び前記他の通信装置から送信された割込パケットに基づいて中央処理装置が割込処理を実施する際に参照する参照データを記憶部に書き込む書込手段と、
前記参照データが前記書込手段により書き込まれる前記記憶部のアドレスが格納される格納手段と、
前記割込パケットが送信された際に、前記書込手段が前記参照データを書き込んだ前記記憶部の書込アドレスと、前記格納手段に格納された前記記憶部のアドレスとが一致した場合に、前記中央処理装置に対して割込を、前記他の通信装置から送信された前記割込パケットに基づいて通知し、一致しない場合は一致するまで待機する制御を行う割込制御手段と、
を備えた通信装置。
前記割込制御手段は、前記中央処理装置が前記記憶部に記憶されている前記参照データを参照せずに前記割込処理を行う場合は、前記書込アドレスと前記格納手段に格納された前記記憶部のアドレスとが一致したか否かにかかわらず前記中央処理装置に対して割込を通知する制御を行う、
請求項1に記載の通信装置。
前記割込制御手段は、前記書込アドレスと前記格納手段に格納された前記記憶部のアドレスとを比較する比較回路を備え、前記比較回路の比較結果に基づいて前記中央処理装置に対して割込を通知する制御を行う、
請求項2に記載の通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0015】
まず、本発明の通信装置である主制御装置及び本発明のその他の通信装置または従制御装置である機器制御装置を有する制御装置を備えた画像形成装置について説明する。
図1には、画像形成装置10の一例の概略構成を表す構成図を示す。画像形成装置10は、通信装置である主制御装置12及び機器制御装置14がシリアルバス40を介して接続された制御装置11と、機器制御装置14に接続された各種機器を含む機器群16とを備えている。シリアルバス40は、主制御装置12から見た場合には送信用となる信号線Tx、及び受信用となる信号線Rxを備えた全二重の伝送路である。
【0016】
機器群16に含まれる各機器は、画像形成を行なうための機器であって、例えば、感光体や現像ロール等を回転させるモータ、用紙検出のためのセンサ、或いはトナー濃度を検出するためのセンサ等が含まれる。なお、ここでは画像形成装置10を、電子写真方式で画像形成を行なう画像形成装置として説明したが、インクジェット方式で画像形成を行なう画像形成装置であってもよい。
【0017】
主制御装置12は、画像形成装置10全体、及び機器制御装置14を制御する機能を有している。主制御装置12は、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)20、シリアライザ・デシリアライザ制御部22(以下、「SerDes制御部22」という)、及び複写レジスタ群24を備えている。
【0018】
CPU20は、不揮発性の記憶部(図示省略)に記憶されたプログラムを実行することにより、画像形成装置10全体及び機器制御装置14を制御する。なお、CPU20が実行するプログラムを記憶するための記憶部は、HDD(ハードディスクドライブ)、フレキシブルディスク、DVD(Digital Versatile Disk)、光磁気ディスク、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等であってもよい。また当該記憶部は、通信IF(Interface)(図示省略)を介して接続された他の装置の記憶媒体であってもよい。
【0019】
CPU20は、CPUバス26を介してSerDes制御部22と接続されている。CPUバス26は、複数の信号線を備えたパラレルバスである。
【0020】
SerDes制御部22は、CPU20からCPUバス26を介して機器制御装置14に送信する情報(パラレル信号)を受け取ると、受け取ったパラレル信号をパケット化し、各パケットをシリアル信号に変換してシリアルバス40を介して機器制御装置14に送信する。また、SerDes制御部22は、機器制御装置14からシリアルバス40を介してシリアル形式のパケットを受信すると、受信したパケットをパラレル形式のパケットに変換し、変換したパラレル形式のパケットをデコードして、該パケットに含まれるデータを取り出す。
【0021】
複写レジスタ群24は、複数のレジスタ(記憶領域)を含むメモリで構成されている。機器制御装置14に含まれる入出力制御レジスタ群32の各レジスタの記憶内容が、複写レジスタ群24に複写される。ここで、複写とは、入出力制御レジスタ群32からレジスタに記憶されたデータを読出して、読出したデータをシリアルバス40を介して主制御装置12に送信し、複写レジスタ群24の各レジスタに書込む一連の処理をいう。
【0022】
機器制御装置14は、シリアライザ・デシリアライザ制御部30(以下、「SerDes制御部30」という)、入出力制御レジスタ群32、及び駆動・受信回路34を備えている。
【0023】
SerDes制御部30は、主制御装置12からシリアルバス40を介してシリアル形式のパケットを受信すると、受信したパケットをパラレル形式のパケットに変換し、パラレル形式のパケットをデコードして、該パケットに含まれるデータを取り出す。また、SerDes制御部30は、主制御装置12に送信する情報(パラレル信号)をパケット化し、各パケットをシリアル信号に変換してシリアルバス40を介して主制御装置12に送信する。
【0024】
入出力制御レジスタ群32は、複数のレジスタ(記憶領域)を含むメモリで構成されている。入出力制御レジスタ群32の複数のレジスタは、入力レジスタと、出力レジスタとを含んでいる。入力レジスタには、各機器の状態を示すデータが書込まれる。出力レジスタには、主制御装置12のCPU20から送信された各機器を制御するデータが書込まれる。また、入出力制御レジスタ群32には、割込の発生を示すデータが書込まれるレジスタ、及び割込要因を示すデータが書込まれるレジスタも含まれる。
【0025】
入出力制御レジスタ群32の各レジスタに記憶された記憶内容は、前述したように、主制御装置12の複写レジスタ群24に複写される。本実施の形態では、CPU20は、複写レジスタ群24に複写されたデータを読み出すことにより、入出力制御レジスタ群32に書込まれたデータと同じデータを参照することができる。この他、本実施の形態では、CPU20は、シリアルバス40を介して入出力制御レジスタ群32に書込まれたデータを読出して取得することもできる。なお、本実施の形態において、複写レジスタ群24のメモリサイズ、及び入出力制御レジスタ群32のメモリサイズは、互いに等しく、入出力制御レジスタ群32から複写レジスタ群24への複写の際には、入出力制御レジスタ群32から読み出されたデータは、当該データが記憶されていた入出力制御レジスタ群32のレジスタに対応する複写レジスタ群24のレジスタに書込まれるものとする。
【0026】
駆動・受信回路34は、画像形成装置10を構成する機器群16の各機器に接続される。駆動・受信回路34は、入出力制御レジスタ群32の出力レジスタに機器を制御するためのデータが書込まれると、そのデータに応じた駆動信号を当該出力レジスタに対応する機器に出力する。機器は出力された駆動信号に応じて駆動される。また、接続された機器から当該機器の状態を示す信号が入力されると、その信号に応じたデータを当該機器の状態を示すデータ用の入力レジスタに書込む。状態を示すデータは、例えば、機器がセンサである場合には、センサの検出結果を示すデータであってもよい。また例えば、機器がモータである場合には、モータの回転状態を示すデータであってもよい。
【0027】
画像形成装置10全体を制御するCPU20は、入力レジスタに書込まれたデータから機器の状態を把握し、出力レジスタに制御用のデータを書込むことにより各機器の駆動を制御している。
【0028】
本実施の形態の主制御装置12のSerDes制御部22では、機器制御装置14から割込の発生を通知する割込パケットを受信すると、複写レジスタ群24の更新状態を監視してCPU20に対して割り込みを通知する処理(以下、「割込通知処理」という)を行う。例えば、本実施の形態では、割込パケットは、予め定められた個数のデータのキャプチャが完了すると機器制御装置14から主制御装置12に送信される。
【0029】
割込通知処理に関する機能及び動作について詳細に説明する。
【0030】
機器制御装置14のSerDes制御部30では、入出力制御レジスタ群32からデータを読み出して複写レジスタ群24に複写するときの、データの読出元のアドレスを生成してアドレスカウンタ(図示省略)に出力する。複写レジスタ群24へのデータの複写は、予め定められたサイズのデータを入出力制御レジスタ群32から読み出して順次、主制御装置12に転送することにより行なわれるため、予め定められたサイズのデータが入出力制御レジスタ群32から読み出される毎に、当該サイズ分インクリメントされたアドレスが出力される。アドレスカウンタは、複写レジスタ群24への複写のための入出力制御レジスタ群32からのデータの読出しが終了したとき或いはデータの読出しを開始する際にリセットされる。
【0031】
機器制御装置14のSerDes制御部30は、入出力制御レジスタ群32の各レジスタに書込まれているデータを複写レジスタ群24に複写するため、入出力制御レジスタ群32からデータを読み出して、複写レジスタ群24に書込ませるためのパケット(以下、「複写パケット」という)を生成する。複写パケットは、パラレルシリアル変換回路(図示省略)によりシリアル変換され、シリアルバス40を介して主制御装置12に転送される。
【0032】
また、機器制御装置14のSerDes制御部30は、入出力制御レジスタ群32の割込レジスタに割込の発生を示すデータが書込まれると、割込発生を通知する割込パケットを生成する。生成された割込パケットは、パラレルシリアル変換回路(図示省略)でシリアル形式のパケットに変換されて、主制御装置12に送信される。
【0033】
主制御装置12のSerDes制御部22は、割込パケットを受信すると、割込を通知する割込通知信号を発生する。CPU20は割込通知信号を受け取ると、割込が発生したことを把握し、複写レジスタ群24から割込要因を示すデータを読み出して割込要因に応じた処理(割込処理)を行なう。
【0034】
図2には、主制御装置12の割込通知処理機能に関するSerDes制御部22の構成の一例を示す。本実施の形態のSerDes制御部22は、パケット受信部41、複写レジスタ群制御部42、割込制御部44、レジスタ46、及びCPUバス47を備えている。なお、
図2では、図示の便宜上、複写レジスタ群24をSerDes制御部22内に記載しているが、実際には複写レジスタ群24は、SerDes制御部22の外部に設けられている。
【0035】
パケット受信部41は、機器制御装置14から受信したシリアル形式のパケットをパラレル形式に変換してデータを取り出す機能を有している。パケット受信部41は、図示を省略したシリアルパラレル変換回路(デシリアライザ)、バッファ、及びパケットデコード回路を備えている。シリアルパラレル変換回路は、機器制御装置14からシリアルバス40を介して受信したシリアル形式のパケットをパラレル形式のパケットに変換する機能を有している。バッファは、シリアルパラレル変換回路で変換されたパラレル形式のパケットを一時的に記憶する機能を有している。パケットデコード回路は、バッファに一時的に記憶されたパラレル形式のパケットをデコードして、当該パケットに含まれるデータを取り出す機能を有している。
【0036】
パケット受信部41は、複写パケットを受信すると、複写パケットから取り出した複写レジスタ群パケットデータを複写レジスタ群制御部42に出力する。また、パケット受信部41は、割込パケットを受信すると、割込パケットデータを割込制御部44に出力する。
【0037】
複写レジスタ群制御部42は、複写レジスタ群パケットデータを複写レジスタ群24に書き込むための制御を行う機能を有している。複写レジスタ群制御部42は、複写レジスタ群アドレス(該アドレスを示す信号)と、複写レジスタ群ライト信号とを複写レジスタ群24及び割込制御部44に出力する。複写レジスタ群アドレスは、複写レジスタ群パケットデータの書込場所(アドレス)を示す信号である。複写レジスタ群ライト信号は、複写レジスタ群への書込を許可するか否かを示す信号である。複写レジスタ群24には、複写レジスタ群パケットデータが、複写レジスタ群ライト信号に基づいたタイミングで、複写レジスタ群制御部42から指示された複写レジスタ群アドレスに書き込まれる。
【0038】
レジスタ46は、CPUバスインタフェース(図示省略)を介してCPU20とCPUバス47により接続されている。
【0039】
レジスタ46には、CPU20が割込処理を行う際に参照する参照データが書き込み(格納)された複写レジスタ群24の格納場所(参照データ格納アドレス)が、システムの起動時等所定のタイミングにおいて、予めCPU20により設定される。参照データ格納アドレスは、割込制御部44に出力される。
【0040】
割込制御部44は、複写レジスタ群ライト信号及び割込パケットデータに応じたタイミングで、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとを比較して一致すると、割込通知をCPU20に出力する機能を有している。本実施の形態の割込制御部44は、比較回路等のハードウエア資源により実現されている。
図3には、本実施の形態の割込制御部44の具体的一例の構成図を示す。
【0041】
図3に示した割込制御部44は、シーケンサ50及び比較器52を備える。
【0042】
シーケンサ50には、割込パケットデータ及び複写レジスタ群ライト信号が入力される。シーケンサ50は、割込パケットデータが入力されると、比較器52の比較を有効にする(比較を行う)ためのアドレス比較有効信号を比較器52に出力する。
【0043】
比較器52は、比較回路であり、アドレス比較有効信号に基づいて、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとの比較を行い、比較結果(
図3、「比較一致」参照)をシーケンサ50に出力する。
【0044】
シーケンサ50は、当該比較結果に基づいて、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとが一致する場合は、割込通知をCPU20に出力する。また、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとが一致した場合は、比較器52の比較を無効にする(比較を終了する)ためのアドレス比較有効信号を比較器52に出力する。
【0045】
なお、割込制御部44の構成は、
図3に示したものに限らず、その他の構成であってもよい。
図4には、本実施の形態の割込制御部44のその他の具体的一例の構成図を示す。
【0046】
図4に示した割込制御部44は、ラッチ54及び比較器56を備える。
【0047】
ラッチ54には、割込パケットデータ及び割込通知が入力される。ラッチ54は、割込パケットデータの入力後から割込通知の出力までの期間、比較器56の比較を有効にする(比較を行わる)ためのアドレス比較有効信号を比較器56に出力する。
【0048】
比較器56は、比較回路を備え、アドレス比較有効信号に基づいたタイミングで、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとの比較を行う。比較器56は、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとが一致する場合は、複写レジスタ群ライト信号に基づいたタイミングで割込通知をCPU20に出力する。
【0049】
次に本実施の形態のSerDes制御部22における割込通知処理動作について詳細に説明する。
図5には、割込通知処理の一例の全体の流れを表すフローチャートを示す。また、
図6には、割込通知処理の一例のタイミングチャートを示す。
【0050】
なお、本実施の形態では、CPU20が、予めレジスタ46に、割込要因(もしくはパケットの種類)毎に、割込処理においてCPU20が参照する参照データが書き込まれる複写レジスタ群24のアドレスを格納させておく。
図7には、レジスタ46に格納されるアドレスの一例を示す。
図7に示すように、本実施の形態では、レジスタ46の格納部46Aには、複写レジスタ群24の更新(書き込み終了)を待って、割込を通知するか否かに関する設定を格納しておく。例えば、主制御装置12は、機器制御装置14から機器群16の測定値等のデータに関して割込パケットを受信した場合は、CPU20は、複写レジスタ群24に書き込まれた参照データを参照せずに割込処理を行う。そのため、このような場合は、複写レジスタ群24の更新を待たずに割込を通知するように設定しておく。
【0051】
また、レジスタ46の格納部46Bには、割込要因毎に、割込要因の処理に必要なデータを格納する複写レジスタ群アドレスを格納しておく。なお、
図7に示した具体的一例では、割込要因0〜割込要因13まで、14種類の割込要因に対応する複写レジスタ群アドレスが格納されている場合を示している。
【0052】
割込通知処理は、SerDes制御部22のパケット受信部41がパケットデータを受信すると開始される。
【0053】
まず、ステップS100では、受信したパケットが割込パケットであるか否か判断する。複写パケット等、割込パケットではない場合は、CPU20に対して割込通知を行わないため、本処理を終了する。一方、割込パケットである場合は、ステップS102へ進む。
【0054】
ステップS102では、割込処理においてCPU20が複写レジスタ群24の参照データを参照するか否か判断する。参照しない場合は、ステップS110へ進む。一方、参照する場合は、ステップS104へ進む。
【0055】
ステップS104では、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとの比較を開始する。
図6のタイミングチャートに示すように、割込パケットデータを受信すると、割込制御部44は、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとの比較を行わせるようにHレベル(有効)のアドレス比較有効信号を内部の比較器(
図3の比較器52、
図4の比較器56参照)に出力する。
【0056】
次のステップS106では、割込制御部44により、複写レジスタ群アドレスと受信した割込パケットの割込要因に応じた参照データ格納アドレスとを比較し、一致するか否か判断する。なお、
図6では、具体的一例として、参照データ格納アドレスが「N」である場合を示している。
【0057】
一致しない場合は、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとの比較を繰り返す。一方、一致する場合は、ステップS108へ進む。次のステップS108では、割込制御部44は、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとの比較を終了するようにLレベル(無効)のアドレス比較有効信号を内部の比較器(
図3の比較器52、
図4の比較器56参照)に出力する。次のステップS110では、割込制御部44がCPU20に割込を通知した後、本処理を終了する。
【0058】
本実施の形態の割込制御部44では、
図6のタイミングチャートに示すように、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレス「N」とが一致すると、複写レジスタ群ライト信号を受信した(複写レジスタ群ライト信号がHレベルからLレベルに立ち下がった)タイミングで、CPU20に割込を通知する。
【0059】
より具体的には、割込制御部44がCPU20に割込を通知するタイミングは、パケット受信部41が割込パケットを受信した際の複写レジスタ群24のアドレス(複写レジスタ群アドレス)によって異なる。以下に三種類の異なる場合の割込を通知するタイミングについて
図8〜
図10を参照して説明する。なお、
図8〜
図10は、機器制御装置14の入出力制御レジスタ群32のデータを主制御装置12に転送する周期が1msの場合を示している。また、
図8〜
図10では、
図6と同様に、照データ格納アドレスが「N」である場合を示している。
【0060】
まず、割込パケットを受信した際の複写レジスタ群アドレスが、参照データ格納アドレス未満の場合について説明する。
図8には、割込パケットを受信した際の複写レジスタ群アドレスが、参照データ格納アドレス未満の場合の一例のタイムチャートを示す。
【0061】
パケット受信部41が複写パケット(Mirror_PKT、参照)を受信すると、受信した複写パケットの複写レジスタ群24への書き込みに応じて、複写レジスタ群アドレスカウンタ(図示省略)のカウンタ値の増加に伴い、複写レジスタ群アドレスが増加する。複写パケットの受信後、次周期の複写パケットの受信までは、待機状態となり、複写レジスタ群アドレスの値は「0」になる。
【0062】
予め定められた数のデータのキャプチャが完了すると、パケット受信部41が割込パケット(IRQ_PKT、参照)を受信する。
図8では、パケット受信部41が割込パケットを受信した際の複写レジスタ群アドレスのアドレスが「N−x」の場合を示している。当該複写レジスタ群アドレスは、参照データ格納アドレスよりも小さい。複写レジスタ群24への書き込みが進み、複写レジスタ群アドレスの値が「N」になると、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとが一致し、割込制御部44がCPU20に対して割込(IRQ:Interrupt ReQuest)を通知する。CPU20は、当該割込の通知を受け取ると、複写レジスタ群24から割込処理用の読み出し(参照)を行う。
【0063】
次に、割込パケットを受信した際の複写レジスタ群アドレスが、参照データ格納アドレス以上の場合について説明する。
図9には、割込パケットを受信した際の複写レジスタ群アドレスが、参照データ格納アドレス以上の場合の一例のタイムチャートを示す。
【0064】
図9では、パケット受信部41が割込パケットを受信した際の複写レジスタ群アドレスの値が「N+x」の場合を示している。当該複写レジスタ群アドレスは、参照データ格納アドレスよりも大きい。この場合は、現在データの書き込みを行っている複写パケットの書き込みが完了し、複写レジスタ群24の値が「0」に戻り、次周期に受信した複写パケットに応じて複写レジスタ群24の値が増加し「N」になると、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとが一致する。複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとが一致すると、割込制御部44がCPU20に対して割込(IRQ:Interrupt ReQuest)を通知する。CPU20は、当該割込の通知を受け取ると、複写レジスタ群24から割込処理用の読み出し(参照)を行う。なお、本実施の形態では、割込パケットを受信した際の複写レジスタ群アドレスが、参照データ格納アドレスと同じ場合も、同様に、次周期において複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとが一致した後、割込を通知する。
【0065】
次に、割込パケットを受信した際の複写レジスタ群アドレスの値が、「0」の場合について説明する。
図10には、割込パケットを受信した際の複写レジスタ群アドレスが、「0」の場合の一例のタイムチャートを示す。複写レジスタ群アドレスの値が「0」とは、上述したように、SerDes制御部22は、次周期の複写パケットの受信までの待機状態にある。
【0066】
複写レジスタ群24の値が「0」の場合は、次周期に受信した複写パケットに応じて複写レジスタ群24の値が増加し「N」になると、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとが一致する。複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとが一致すると、割込制御部44がCPU20に対して割込(IRQ:Interrupt ReQuest)を通知する。CPU20は、当該割込の通知を受け取ると、複写レジスタ群24から割込処理用の読み出し(参照)を行う。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態の主制御装置12のSerDes制御部22は、パケット受信部41、複写レジスタ群制御部42、割込制御部44、及びレジスタ46を備えている。レジスタ46には、予めCPU20により、割込処理においてCPU20が参照する参照データが複写レジスタ群24に書き込まれるアドレスが参照データ格納アドレスとして格納される。パケット受信部41が割込パケットを受信すると、割込制御部44が、複写レジスタ群ライト信号と割込パケットデータを受信したタイミングとに基づいたタイミングで、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとを比較する。複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとが一致すると、割込制御部44は、CPU20に対して割込を通知する。CPU20は当該割込の通知に応じて割込処理を実行する。
【0068】
このように本実施の形態の主制御装置12では、複写レジスタ群アドレスと参照データ格納アドレスとを比較することにより複写レジスタ群24の更新完了を判断している。これにより、割込パケットを受信した後、複写レジスタ群24の更新完了を待ってから割込制御部44により、CPU20に対して割り込みが通知される。
【0069】
主制御装置12から機器制御装置14に対して、複写パケットの転送と、割り込みパケットの通知とは、非同期である。そのため、従来の主制御装置では、主制御装置のCPUが割込処理において複写レジスタ群に書き込まれた参照データを参照する場合は、複写レジスタ群のデータ更新の完了を当該CPUで実行されるソフトウエア処理により待ってから割込処理を行っていた。そのため、CPUの負荷が増加する懸念があった。
【0070】
これに対して本実施の形態の主制御装置12では、SerDes制御部22の割込制御部44が複写レジスタ群24の複写レジスタ群アドレスを監視し、更新が完了するとCPU20に割込を通知するため、CPU20の負荷を低減することができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、割込制御部44をハードウエア資源で実現しているが、これに限らず、ソフトウエア処理により実現してもよい。なお、本実施の形態のように、割込制御部44をハードウエア資源で実現することにより、CPU20の負荷をより低減することができる。また、ソフトウエア処理により実現する場合は、CPU20とは別途にマイコン等の処理部を設け、当該処理部によって実行されるソフトウエア処理により割込制御部44を実現することがCPU20の負荷の低減の観点から好ましい。
【0072】
また、本実施の形態では、本発明の通信装置を主制御装置12に適用した場合について説明したが、これに限らず、いわゆるマスタとスレイブとの関係にある通信装置のマスタに対して適用すればよく、特に限定されるものではない。同様に、制御装置11以外の通信システムであってもよい。
【0073】
また、上記各実施の形態は本発明の一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。本実施の形態で説明した画像形成装置10、制御装置11、主制御装置12、及び機器制御装置14等の構成や動作等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。