特許第6213034号(P6213034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6213034
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20171005BHJP
   H04N 5/44 20110101ALI20171005BHJP
   H04N 21/426 20110101ALI20171005BHJP
   H04N 5/761 20060101ALI20171005BHJP
【FI】
   H04B1/16 A
   H04N5/44 K
   H04N21/426
   H04N5/761
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-166415(P2013-166415)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-35748(P2015-35748A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100137730
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 武志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 琢也
【審査官】 大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−278195(JP,A)
【文献】 特開2004−343210(JP,A)
【文献】 特開2014−027453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04N 5/44
H04N 5/761
H04N 21/426
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ャンネルの信号を受信する複数の受信部と、
前記複数の受信部を用いて受信する複数のチャンネルの選択を受け付ける操作部と、
前記信号の強度を検出する信号強度検出部と、
前記信号のエラー情報を検出するエラー情報検出部と、
前記操作部が選択を受け付けた前記複数のチャンネルの信号について前記信号強度が第1所定値以上で、前記エラー情報が第2所定値以下となる条件を満たす前記受信部と前記チャンネルとの組合せを導出する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記組合せに係る前記受信部と前記チャンネルとを入れ替えて、前記組合せ毎に前記条件を満たすか否かの判別を繰り返すことを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記信号の周波数の間隔が互いに最も近接する2つの前記チャンネルを構造上の距離が最も遠い2個の前記受信部に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記制御部は、予め測定した前記複数の受信部各々が受けるノイズの影響に基づいて、前記信号強度と前記エラー情報とが低レベルである前記チャンネルから順次、前記ノイズの影響が少ない前記受信部から順に割り当てることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記信号強度と前記エラー情報とが各々前記条件を満たすよう導出済みの前記組合せに係る予め記憶した組合せデータを利用することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の受信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記組合せデータと前記組合せの導出当時の気象条件とを関連付けして予め記憶した気象相関データに基づいて、前記受信部が受信する気象情報に対応する前記気象相関データのなかの前記組合せを利用することを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
一定期間毎に前記組合せを導出することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受信機やレコーダなどの電気機器には放送信号の受信を行う受信装置を備えたものがある。受信装置には複数の受信部を備えたものがあり、そのような従来の受信装置が例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に記載された従来の受信装置は複数の受信部(チューナ)を備え、視聴に使用していない受信部を用いて、受信した放送信号の信号レベルと比較するための基準電圧レベルの設定の更新を実行するようにしている。これにより、その更新を視聴に影響しないタイミングで実行することができ、最適な受信状態で放送を視聴することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−50585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、受信装置が受信する信号はその品質に関して周りの環境の影響を受け易いことがある。そして、複数の受信部(チューナ)を用いて複数のチャンネルの信号を受信する場合、それら信号どうしが互いに干渉し合って信号の品質が低下する可能性がある。特に、昨今受信装置の小型化が進み、受信部どうしの間隔が狭くなり、信号どうしの干渉が発生し易くなっていることが懸念される。これにより、例えばユーザが受信コンテンツを好適に視聴することができなくなる虞がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、複数の受信部を用いて複数のチャンネルの信号を受信する場合に、複数のチャンネルの信号各々が所定の品質を保持することが可能な受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の受信装置は、複数のチャンネルの信号を受信する複数の受信部と、前記複数の受信部を用いて受信する前記複数のチャンネルの選択を受け付ける操作部と、前記信号の強度を検出する信号強度検出部と、前記信号のエラー情報を検出するエラー情報検出部と、前記操作部が選択を受け付けた前記複数のチャンネルの信号について前記信号強度と前記エラー情報とが各々所定の条件を満たす前記複数の受信部と前記複数のチャンネルとの組合せを導出する制御部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、受信装置はユーザの所望により選択され受信する複数のチャンネルの信号について各々信号強度とエラー情報とを取得する。そして、それら信号強度とエラー情報とが各々所定の条件を満たすように複数の受信部と複数のチャンネルとの組合せを導出する。したがって、受信装置は信号どうしが互いに干渉し合って信号の品質が低下することを回避する。ユーザは受信コンテンツを好適に視聴することができる。
【0009】
また、上記構成の受信装置において、前記制御部は、前記組合せに係る前記複数の受信部と前記複数のチャンネルとを順次入れ替えながら前記組合せ毎に前記信号強度と前記エラー情報とが各々前記所定の条件を満たすか否かの判別を繰り返し、前記信号強度と前記エラー情報とが各々前記所定の条件を満たす前記組合せを導出することを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、受信装置は複数の受信部と複数のチャンネルとを順次入れ替えながらそれらの組合せ毎に信号強度とエラー情報とが各々所定の条件を満たすか否かの判別を繰り返す。したがって、受信装置はすべてのチャンネルの信号について品質が低下することを回避し得る。
【0011】
また、上記構成の受信装置において、前記制御部は、前記複数のチャンネルの信号の周波数の間隔が互いに最も近接する2つの前記チャンネルを構造上の距離が最も遠い2個の前記受信部に割り当てることを特徴としている。
【0012】
互いの信号の周波数の間隔が比較的接近している2つのチャンネルは信号どうしの干渉が発生し易いことが分かっている。そこでこの構成によれば、受信装置は信号どうしの干渉が発生し易いことが想定されるチャンネル各々を、構造上の距離ができるだけ遠くなるよう各受信部に割り当てる。したがって、受信装置は信号強度とエラー情報とが各々所定の条件を満たす複数の受信部と複数のチャンネルとの組合せを迅速に導出する。
【0013】
また、上記構成の受信装置において、前記制御部は、予め測定した前記複数の受信部各々が受けるノイズの影響に基づいて、前記信号強度と前記エラー情報とが低レベルである前記チャンネルから順次、前記ノイズの影響が少ない前記受信部から順に割り当てることをすべての前記チャンネルについて繰り返すことを特徴としている。
【0014】
受信装置の受信部は近隣の他の構成要素から発生するノイズの影響を受ける場合がある。そこでこの構成によれば、受信装置は信号強度とエラー情報とが低レベルであるチャンネルから順次、ノイズの影響が少ない受信部から順に割り当てる。したがって、受信装置はノイズの影響を考慮しながら、複数のチャンネルの信号について品質が低下することを回避し得る。
【0015】
また、上記構成の受信装置において、前記制御部は、前記信号強度と前記エラー情報とが各々前記所定の条件を満たすよう導出済みの前記組合せに係る予め記憶した組合せデータを利用することを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、受信装置は信号強度とエラー情報とが各々所定の条件を満たす複数の受信部と複数のチャンネルとの組合せをより一層迅速に導出する。
【0017】
また、上記構成の受信装置において、前記制御部は、前記組合せデータと前記組合せの導出当時の気象条件とを関連付けして予め記憶した気象相関データに基づいて、前記受信部が受信する気象情報に対応する前記気象相関データのなかの前記組合せを利用することを特徴としている。
【0018】
受信部が受信する信号は気象条件の影響を受ける場合がある。そこでこの構成によれば、受信装置は気象条件が信号の品質に悪影響を及ぼさないように各チャンネルを各受信部に割り当てる。したがって、受信装置は気象条件の影響を考慮しながら、複数のチャンネルの信号について品質が低下することを回避し得る。
【0019】
また、上記構成の受信装置において、一定期間毎に前記信号強度と前記エラー情報とが各々前記所定の条件を満たす前記組合せを導出することを特徴としている。
【0020】
この構成によれば、受信装置は時間の経過とともに変化する信号の品質に対応する。したがって、受信装置は複数のチャンネルの信号各々を所定の品質に維持する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の構成によれば、複数の受信部を用いて複数のチャンネルの信号を受信する場合に、複数のチャンネルの信号各々が所定の品質を保持することが可能な受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態の受信装置の一例である録画装置を示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態の録画装置における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を示すフローチャートである。
図3】本発明の第2実施形態の録画装置における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を示すフローチャートである。
図4】本発明の第3実施形態の録画装置における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の第4実施形態の録画装置における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の第5実施形態の録画装置における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図1図6に基づき説明する。なおここでは、本発明の受信装置の一例としてテレビジョン放送の録画装置を掲げてその実施形態を説明する。受信装置を内蔵するとともに、モニタ及びスピーカを用いてテレビジョン放送の視聴が可能なテレビジョン受信機も同様である。
【0024】
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態の受信装置の一例である録画装置について、図1を用いてその構成を説明する。図1は録画装置を示すブロック図である。
【0025】
録画装置1は、図1に示すようにチューナ部20、信号処理部3、記録部4、出力部5、操作部6、制御部7、メインメモリ8、フラッシュメモリ9、信号強度検出部10及びエラー情報検出部11を備える。録画装置1は不図示のアンテナやモニタ、或いはテレビジョン受信機に電気的に接続され、テレビジョン放送の録画のために利用される。
【0026】
チューナ部20はテレビジョン放送局から提供される放送信号の受信に利用される。チューナ部20は不図示のアンテナから受信した放送信号の選局及び復調を行う。録画装置1はチューナ部20に第1チューナ21から第6チューナ26までの6個のチューナ(受信部)を備える。それら6個のチューナを用いることで、録画装置1は同じ時間帯に提供される6つの放送信号を受信することができる。すなわち、録画装置1は同じ時間帯に提供される6つのテレビ番組(以下単に「番組」と称す)を録画することができる。なお、図1に示すように、第1チューナ21と第6チューナ26とが構造上の距離が最も遠く、続いて第2チューナ22と第5チューナ25とが遠くなるよう配置される。
【0027】
信号処理部3はチューナ部20から受け取った放送信号を記録部4、出力部5または制御部7に送信する。また、信号処理部3は再生処理がなされた記録部4の録画番組に係る映像音声信号を出力部5に送信する。信号処理部3は放送信号やそれに含まれる映像音声信号に対して分離、復号などといった処理を実行する。
【0028】
記録部4はチューナ部20及び信号処理部3を介して放送信号として取得した番組を録画する。記録部4は複数の番組を録画することができる。記録部4はHDD(Hard disk drive)や光ディスク装置などからなり、録画装置1に内蔵されているもののほか、外付けされていても良い。
【0029】
出力部5は信号処理部3から受け取った映像音声信号や、メニュー画面、電子番組ガイド等の画像信号を外部に出力する。出力部5の出力信号は録画装置1に電気的に接続される例えばモニタ(図示せず)に送出される。モニタは出力部5の出力信号に基づく映像及び画面データを画面に出力し、音声をスピーカから出力する。
【0030】
操作部6は録画装置1の筐体表面や不図示のリモコンに設けられた複数の各種操作キーを備える。例えば、操作部6はユーザによる視聴チャンネルの選局に係る操作や、番組の録画予約に係る操作などを受け付ける。
【0031】
制御部7は不図示の演算部やその他の電子部品で構成される。制御部7はメインメモリ8やフラッシュメモリ9等に記憶、入力されたプログラム、データに基づき、録画装置1の各構成要素から情報を得るとともにそれら構成要素の動作を制御して一連の放送信号の受信処理、録画処理及び出力処理を実現する。
【0032】
メインメモリ8は各種データを記憶する記憶媒体であり、例えば書き込み可能なRAM(Random Access Memory)等で構成される。メインメモリ8は、例えば制御部7によって各種情報処理が行われる際の処理データやユーザから受け付けた指令命令等を一時的に記憶しておくためのバッファメモリとしての役割を持つ。
【0033】
フラッシュメモリ9はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)の一種で、ユーザによるデータの書き込み、消去が可能な記憶媒体である。フラッシュメモリ9は回路基板に実装したままで書き込み、消去が可能である。フラッシュメモリ9は録画装置1の利用時に書き換えが必要な用途、例えば装置の動作設定データやユーザ固有の情報を記憶するために用いられる。
【0034】
信号強度検出部10は放送信号の強度を検出する。エラー情報検出部11は放送信号のエラー情報を検出する。エラー情報としては例えばビットエラーレート(BER:Bit error rate)であり、エラー情報検出部11は例えば受信した信号の復調時のビットエラーレートを検出する。
【0035】
そして、制御部7は、操作部6がユーザから選択を受け付けた複数のチャンネルの信号について信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たす複数のチューナ(第1チューナ21〜第6チューナ26)と複数のチャンネルとの組合せを導出する。
【0036】
このような録画装置1における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理について、図2に示すフローに沿って説明する。図2は録画装置1における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を示すフローチャートである。なお、以下で説明する複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理において、例えばユーザがch1〜ch6の6チャンネル分の番組の録画を所望しているものとする。
【0037】
録画装置1は操作部6からユーザによる録画チャンネルの選択を受け付けると(図2のスタート)、制御部7はch1〜ch6の録画チャンネルを第1チューナ21〜第6チューナ26に割り当てる(ステップ#101)。第1チューナ21〜第6チューナ26とch1〜ch6の録画チャンネルとの組合せは720通り存在する。制御部7はこの720通りの組合せのうち1つを選出し、選出した組合せに基づきch1〜ch6の録画チャンネルを第1チューナ21〜第6チューナ26に割り当てる。
【0038】
次に、録画装置1は第1チューナ21〜第6チューナ26各々に割り当てたch1〜ch6の録画チャンネルについて、信号強度とビットエラーレートとを検出する(ステップ#102)。なお、信号強度は信号強度検出部10が検出し、ビットエラーレートはエラー情報検出部11が検出する。
【0039】
続いて、制御部7は信号強度が第1所定値以上であるか否かと、ビットエラーレートが第2所定値以下であるか否かを判別する(ステップ#103)。信号強度が第1所定値以上であり、ビットエラーレートが第2所定値以下である場合(ステップ#103のYes)、制御部7は記録部4への録画を開始する(ステップ#104)。そして、制御部7は録画装置1の複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を終了する(図2のエンド)。
【0040】
一方、信号強度が第1所定値未満であり、ビットエラーレートが第2所定値を超える場合(ステップ#103のNo)、制御部7はチューナとチャンネルとを入れ替えて組合せを変更する(ステップ#105)。そして、制御部は6個のチューナと6つのチャンネルとを順次入れ替えながら組合せ毎に信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たすか否かの判別(ステップ#102及びステップ#103)を繰り返し、信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たす組合せを導出する。
【0041】
上記のように、録画装置1は、6つのチャンネルの信号を受信する6個のチューナと、6個のチューナを用いて受信する6つのチャンネルの選択を受け付ける操作部6と、信号の強度を検出する信号強度検出部10と、信号のビットエラーレートを検出するエラー情報検出部11と、操作部6が選択を受け付けた6つのチャンネルの信号について信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たす6個のチューナと6つのチャンネルとの組合せを導出する制御部7と、を備える。これにより、録画装置1はユーザの所望により選択され受信する6つのチャンネルの信号について各々信号強度とビットエラーレートとを取得する。そして、それら信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たすように6個のチューナと6つのチャンネルとの組合せを導出する。したがって、録画装置1は信号どうしが互いに干渉し合って信号の品質が低下することを回避することが可能である。ユーザは受信コンテンツを好適に視聴することができる。
【0042】
また、制御部7は、組合せに係る6個のチューナと6つのチャンネルとを順次入れ替えながら組合せ毎に信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たすか否かの判別を繰り返し、信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たす組合せを導出する。これにより、録画装置1はすべてのチャンネルの信号について品質が低下することを回避することが可能である。
【0043】
また、録画装置1は一定期間毎に信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たす組合せを導出する。この構成によれば、録画装置1は時間の経過とともに変化する信号の品質に対応することができる。したがって、録画装置1は複数のチャンネルの信号各々を所定の品質に維持することが可能である。
【0044】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の録画装置について、図3を用いて説明する。図3は録画装置における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を示すフローチャートである。なお、この実施形態の基本的な構成は図1及び図2を用いて説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
【0045】
第2実施形態の録画装置1では、操作部6からユーザによる録画チャンネルの選択を受け付けると(図3のスタート)、制御部7が、周波数が最も近接する2つのチャンネル各々を構造上の距離が最も遠い第1チューナ21と第6チューナ26とに割り当てる(ステップ#201)。
【0046】
続いて、制御部7は次に周波数が近接する2つのチャンネル各々を次に構造上の距離が遠い第2チューナ22と第5チューナ25とに割り当てる(ステップ#202)。このとき、第2チューナ22と第5チューナ25とに割り当てるチャンネルの周波数が、既に第1チューナ21と第6チューナ26とに割り当てたチャンネルの周波数にできるだけ接近しないよう組合せに配慮する。
【0047】
そして、制御部7は未割り当てのチャンネルがなくなったか否かを判別する(ステップ#203)。引き続き、制御部7はステップ#202とステップ#203とを繰り返し、周波数の間隔が互いに近接する2つのチャンネルを構造上の距離が比較的遠い2個のチューナに割り当てる。
【0048】
未割り当てのチャンネルがなくなると(ステップ#203のYes)、制御部7は記録部4への録画を開始する(ステップ#204)。そして、制御部7は録画装置1の複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を終了する(図3のエンド)。
【0049】
互いの信号の周波数の間隔が比較的接近している2つのチャンネルは信号どうしの干渉が発生し易いことが分かっている。そこでこの構成によれば、録画装置1は信号どうしの干渉が発生し易いことが想定されるチャンネル各々を、構造上の距離ができるだけ遠くなるよう各チューナに割り当てる。したがって、録画装置1は信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たす6個のチューナと6つのチャンネルとの組合せを迅速に導出することが可能である。
【0050】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態の録画装置について、図4を用いて説明する。図4は録画装置における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を示すフローチャートである。なお、この実施形態の基本的な構成は図1及び図2を用いて説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
【0051】
第3実施形態の録画装置1では、操作部6からユーザによる録画チャンネルの選択を受け付けると(図4のスタート)、各チャンネルの信号強度とビットエラーレートとを検出する(ステップ#301)。なお、信号強度は信号強度検出部10が検出し、ビットエラーレートはエラー情報検出部11が検出する。
【0052】
続いて、制御部7は第1チューナ21〜第6チューナ26の各々に固有のノイズ影響データを取得する(ステップ#302)。ここで、ノイズ影響データは第1チューナ21〜第6チューナ26が受ける記録部4や制御部7などの他の構成要素から発生するノイズの影響について予め測定したデータである。ノイズ影響データはメインメモリ8やフラッシュメモリ9などといった記憶部に予め記憶される。
【0053】
次に、制御部7はステップ#301で検出した各チャンネルの信号強度とビットエラーレートとが最も低レベルである、すなわち信号レベルが最も低いチャンネルをノイズの影響が最も少ないチューナに割り当てる(ステップ#303)。
【0054】
続いて、制御部7は次に信号レベルが低いチャンネル各々を次にノイズの影響が最も少ないチューナに割り当てる(ステップ#304)。そして、制御部7は未割り当てのチャンネルがなくなったか否かを判別する(ステップ#305)。引き続き、制御部7はステップ#304とステップ#305とを繰り返し、信号強度とビットエラーレートとが低レベルであるチャンネルから順次、ノイズの影響が少ないチューナから順に割り当てる。
【0055】
未割り当てのチャンネルがなくなると(ステップ#305のYes)、制御部7は記録部4への録画を開始する(ステップ#306)。そして、制御部7は録画装置1の複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を終了する(図4のエンド)。
【0056】
記録装置1の各チューナは近隣の他の構成要素から発生するノイズの影響を受ける場合がある。そこでこの構成によれば、記録装置1は信号強度とビットエラーレートとが低レベルであるチャンネルから順次、ノイズの影響が少ないチューナから順に割り当てる。したがって、記録装置1はノイズの影響を考慮しながら、複数のチャンネルの信号について品質が低下することを回避することが可能である。
【0057】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態の録画装置について、図5を用いて説明する。図5は録画装置における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を示すフローチャートである。なお、この実施形態の基本的な構成は図1及び図2を用いて説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
【0058】
第4実施形態の録画装置1では、操作部6からユーザによる録画チャンネルの選択を受け付けると(図5のスタート)、制御部7が、既に導出済みの組合せデータを参照する(ステップ#401)。導出済みの組合せデータは信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たすよう予め導出された第1チューナ21〜第6チューナ26と6つのチャンネルとの組合せデータである。導出済みの組合せデータはメインメモリ8やフラッシュメモリ9などといった記憶部に予め記憶される。
【0059】
続いて、制御部7はユーザが選択した6つの録画チャンネルに対応する導出済みの組合せがあるか否かを判別する(ステップ#402)。導出済みの組合せがある場合(ステップ#402のYes)、制御部7は6個のチューナと6つのチャンネルとの既存の組合せを採用する(ステップ#403)。
【0060】
一方、ユーザが選択した6つの録画チャンネルに対応する導出済みの組合せがない場合(ステップ#402のNo)、制御部7は6個のチューナと6つのチャンネルとの組合せの導出処理を実行する(ステップ#404)。組合せの導出処理としては、例えば第1〜第3実施形態で説明した処理方法が採用される。
【0061】
そして、ステップ#403或いはステップ#404の後、制御部7は録画装置1の複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を終了する(図5のエンド)。
【0062】
このようにして、制御部7は信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たすよう導出済みの組合せに係る予め記憶した組合せデータを利用する。この構成によれば、録画装置1は信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たす複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せをより一層迅速に導出ことが可能である。
【0063】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態の録画装置について、図6を用いて説明する。図6は録画装置における複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を示すフローチャートである。なお、この実施形態の基本的な構成は図1及び図2を用いて説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
【0064】
第5実施形態の録画装置1では、操作部6からユーザによる録画チャンネルの選択を受け付けると(図6のスタート)、制御部7がチューナ部20を介してテレビジョン放送局から提供される放送信号に含まれる現在の気象情報データを取得する(ステップ#501)。
【0065】
さらに、制御部7は気象相関データを参照する(ステップ#502)。気象相関データは信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たすよう予め導出された第1チューナ21〜第6チューナ26と6つのチャンネルとの組合せデータであって、導出当時の気象条件が関連付けされている。気象相関データはメインメモリ8やフラッシュメモリ9などといった記憶部に予め記憶される。
【0066】
続いて、制御部7はユーザが選択した6つの録画チャンネルに関して、気象相関データのなかに現在の気象情報に対応する導出済みの組合せがあるか否かを判別する(ステップ#503)。導出済みの組合せがある場合(ステップ#503のYes)、制御部7は6個のチューナと6つのチャンネルとの既存の組合せを採用する(ステップ#504)。
【0067】
一方、ユーザが選択した6つの録画チャンネルに関して、気象相関データのなかに現在の気象情報に対応する導出済みの組合せがない場合(ステップ#503のNo)、制御部7は6個のチューナと6つのチャンネルとの組合せの導出処理を実行する(ステップ#505)。組合せの導出処理としては、例えば第1〜第3実施形態で説明した処理方法が採用される。
【0068】
そして、ステップ#504或いはステップ#505の後、制御部7は録画装置1の複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理を終了する(図6のエンド)。
【0069】
チューナが受信する信号は気象条件の影響を受ける場合がある。そこでこの構成によれば、録画装置1は気象条件が信号の品質に悪影響を及ぼさないように各チャンネルを各チューナに割り当てる。したがって、録画装置1は気象条件の影響を考慮しながら、複数のチャンネルの信号について品質が低下することを回避することが可能である。
【0070】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0071】
ここで、第1〜第3実施形態各々で説明した、信号強度とビットエラーレートとが各々所定の条件を満たす複数のチューナと複数のチャンネルとの組合せの導出処理方法について、信号強度とビットエラーレートとの必要条件が第1〜第3実施形態において同じであっても良いし、異なっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は受信装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 録画装置(受信装置)
7 制御部
10 信号強度検出部
11 エラー情報検出部
20 チューナ部
21 第1チューナ(受信部)
22 第2チューナ(受信部)
23 第3チューナ(受信部)
24 第4チューナ(受信部)
25 第5チューナ(受信部)
26 第6チューナ(受信部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6