(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御手段は、入力機能と出力機能の両方を副機能として有する外部装置が前記入力装置設定手段により入力装置として設定され、当該設定された入力装置が複数の入力機能を副機能として有する場合、当該複数の入力機能の中から、前記機能設定手段による設定の対象とする入力機能を前記選択画面に表示し、
前記機能設定手段は、前記表示制御手段により表示された前記選択画面に基づき選択された入力機能を、前記複数の入力機能を有する外部装置に対し、主機能を実行する場合に利用する副機能として設定することを特徴とする請求項1記載の情報処理プログラム。
前記表示制御手段は、前記利用できる状態の副機能に関する表示を、操作部に対する操作を受付可能に表示する一方で、前記利用できない状態の副機能に関する表示を、前記操作を受付不可能に表示し、
前記機能設定手段は、前記利用できる状態の副機能のみを設定の対象として、入力機能または出力機能を設定することを特徴とする請求項4記載の情報処理プログラム。
前記入力装置記憶手段は、前記入力装置の候補に対し、前記入力機能判断手段により前記入力機能を有すると判断された外部装置の入力機能に設定されるパラメータの設定範囲を関連付けて記憶し、
前記出力装置記憶手段は、前記出力装置の候補に対し、前記出力機能判断手段により前記出力機能を有すると判断された外部装置の出力機能に設定されるパラメータの設定範囲を関連付けて記憶することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の情報処理プログラムの一実施形態であるアプリケーション12bを搭載する端末10の電気的構成を示すブロック図である。なお、以下では「アプリケーション」を「アプリ」と称することがある。
【0023】
本実施形態の端末10は、スマートフォンなどの携帯端末として構成される。端末10には、CPU11、フラッシュメモリ12、RAM13、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、メモリカードインタフェース(メモリカードI/F)18、音声入出力部19、電話網通信部20、無線通信部21が設けられる。これらの各部は、バスライン22を介して互いに接続される。
【0024】
CPU11は、フラッシュメモリ12等に記憶される固定値やプログラム等に従って、バスライン22と接続された各部を制御する。フラッシュメモリ12は、書換可能な不揮発性のメモリである。フラッシュメモリ12には、オペレーティングシステム12a、アプリ12bが格納される。なお、以下では「オペレーティングシステム」を「OS」と称することがある。また、以下では、アプリケーションやオペレーティングシステムなどのプログラムを実行するCPU11のことを、単にプログラム名で記載する場合もある。例えば「アプリケーション」という記載が「アプリケーションを実行するCPU11」を意味する場合もある。OS12aは、端末10の標準機能を実現するための基本ソフトウェアである。本実施形態のOS12aは、アンドロイド(登録商標)OSである。
【0025】
アプリ12bは、各種デバイスのベンダによって提供されるアプリケーションである。アプリ12bは、ユーザによって端末10にインストールされ、端末10から、対応するデバイスの利用を可能とする。本実施形態のアプリ12bは、パーソナルコンピュータなどを経由せずに、端末10から、無線LANネットワーク500に接続された、スキャナ60、プリンタ70、MFP80などの各種デバイスの利用を可能とする。
【0026】
また、詳細は後述するが、本実施形態のアプリ12bは、無線LANネットワーク500に接続される各種デバイス、および、インターネット800に接続される各種サービスを提供するサービス提供サーバ100からなる群のうち、ユーザにより適宜選択された入力装置と出力装置を用いた所定の機能を実現可能に構成される。より詳細には、アプリ12bは、入力装置が有する入力機能と、出力装置が有する出力機能とを連係させることによって、入力機能と出力機能とから構成される所定の機能を実現させることができる。特に、本実施形態のアプリ12bは、複数の機能を有するMFP80を、入力機能と出力機能とから構成される所定の機能を実現するための、入力装置または出力装置としての利用を可能にする。後述する
図2から
図6のフローチャートに示す各処理は、CPU11がアプリ12bに従い実行する処理である。
【0027】
なお、入力装置が実行する「入力機能」とは、アプリ12bを搭載する端末10が入力データとして受け取るデータを取り込む機能、または、当該データを、当該データが記憶される記憶部から読み出す機能を示す。例えば、原稿画像を読み取るスキャン機能や、画像データを外部装置から受信するファクシミリ受信機能などは、入力機能に相当する。また、内部メモリや、メモリカードなどの記録メディアや、データベースなどの記憶部からデータを読み出す機能もまた、入力機能に相当する。
【0028】
一方、出力装置が実行する「出力機能」とは、アプリ12bを搭載する端末10が出力データとして出力したデータに基づく出力を行う機能、または、当該データを記憶部に記憶する(保存する)機能を示す。例えば、出力データが画像データである場合に、当該画像データに基づく印刷画像を出力するプリント機能や、当該画像データを外部装置へ送信するファクシミリ送信機能もまた、出力機能に相当する。また、内部メモリや、メモリカードなどの記録メディアや、データベースなどの記憶部にデータを記憶する機能もまた、出力機能に相当する。
【0029】
以下では、「入力機能と出力機能とから構成される所定の機能」を、特に「主機能」と称することがある。例えば、入力装置および出力装置として、それぞれ、スキャナ60およびプリンタ70が選択された場合、アプリ12bは、スキャナ60が有するスキャン機能と、プリンタ70が有するプリント機能とを連係させることによって、スキャナ60が読み込んだ原稿画像の画像データを、プリンタ70から印刷画像として出力させる、所謂コピー機能を、主機能として実現させることができる。
【0030】
また、フラッシュメモリ12には、アプリ用記憶領域12cが設けられる。アプリ用記憶領域12cは、アプリ12bが使用する、アプリ12bに割り当てられた記憶領域である。アプリ用記憶領域12cには、例えば、入力装置または出力装置の選択候補として登録されたデバイス(以下、このデバイスを「登録デバイス」と称す)や、ユーザが登録したアクションなどが記憶される。なお、「アクション」は、主機能の集合体である。本実施形態では、1のアクションに対し、1または複数の主機能を対応付けることができる。1のアクションに対する実行指示を行うことにより、当該アクションに対応付けられている1または複数の主機能が実行される。
【0031】
RAM13は、CPU11がアプリ12b等を実行するにあたり、各種データを一時的に記憶するためのテンポラリエリアを有する書換可能な揮発性のメモリである。RAM13のテンポラリエリアには、例えば、主機能を実行する場合に、入力装置から受け取ったデータ(すなわち、入力データ)や、当該入力データから生成された、出力装置に出力するデータ(すなわち、出力データ)が記憶される。
【0032】
操作キー15は、端末10に指示などを入力するためのメカニカルキーであり、例えば、端末10の筺体に設けられる。LCD16は、各種画面を表示する液晶表示装置である。タッチパネル17は、LCD16に重ねて設けられ、指や棒などの指示体を接触または接近させることによって、端末10に指示などを入力する。メモリカードI/F18は、書換可能な不揮発性のメモリカードMCが装着されるインタフェースであり、メモリカードMCに対する、データやファイルの書き込み又は読み出しを制御する。音声入出力部19は、マイクやスピーカなどで構成された音声入出力用デバイスである。電話網通信部20は、携帯電話網(図示せず)を介した通話を行うための回路である。
【0033】
無線通信部21は、無線LANによる無線通信を行うためのインタフェースである。本実施形態では、無線通信部21が行う通信は、IEEE802.11b/gの規格に準拠した無線LANによる無線通信である。本実施形態において、無線通信部21は、中継装置であるアクセスポイント(AP)50を介して、無線LANネットワーク500に接続される。これにより、端末10は、AP50を介して接続される無線LANネットワーク500上の、スキャナ60などの各種デバイスと通信可能に接続できる。
【0034】
また、AP50は、ブロードバンドルーター機能を有し、インターネット800に接続できる。よって、端末10は、インターネット800に接続された各種のサービス提供サーバ100にアクセスし、アクセス先のサービス提供サーバが提供するサービスを利用できる。サービス提供サーバが提供するサービスとしては、Dropbox(登録商標)や、Evernote(登録商標)などの各種サービスが例示される。例えば、
図1に示すように、インターネット800に、サービス提供サーバ100として、サーバ100a,100b,100cが接続されている場合、端末10は、各サーバ100a〜100cにアクセスし、各サーバ100a〜100cが提供するサービスA、サービスB、およびサービスCを利用できる。
【0035】
スキャナ60およびプリンタ70は、それぞれ、スキャン機能およびプリント機能を有する単機能装置である。本実施形態において、スキャン機能を単独で有するスキャナ60は、入力装置としてのみ選択可能である。また、プリント機能を単独で有するプリンタ70は、出力装置としてのみ選択可能である。
【0036】
MFP80は、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ機能などの各種機能を有する多機能周辺装置である。本実施形態では、MFP80は、スキャン機能や、ファクシミリ機能のうちファクシミリ受信機能を利用する場合に、入力装置として選択可能である。また、MFP80は、プリント機能や、ファクシミリ機能のうちファクシミリ送信機能を利用する場合に、出力装置として選択可能である。つまり、多機能周辺装置であるMFP80は、本実施形態のアプリ12bにおいて、入力装置としても、出力装置としても選択可能である。
【0037】
スキャナ60、プリンタ70、およびMFP80などのデバイスには、それぞれ、簡易ネットワーク管理プロトコル(Simple Network Management Protocol;以下「SNMP」と称す)において利用される管理情報ベース(Management Information Base;以下「MIB」と称す)が設けられている。各デバイスのMIBには、デバイスのモデル名、デバイスが有する機能、各機能に設定されるパラメータの設定範囲(すなわち、設定可能値)、IPアドレス、MACアドレス、ノード名などの各種情報が格納されている。
【0038】
図1に示す例では、デバイスとして、モデル名がS−111であるスキャナ60と、モデル名がP−222であるプリンタ70と、モデル名がMFC−333であるMFP80とが1台ずつ接続されている。本実施形態では、無線LANネットワーク500に接続される各デバイスは、デバイスのモデル名と、デバイスに割り当てられたIPアドレスとから、各々独立して特定される。
【0039】
図2は、アプリ12bに従って端末10のCPU11が実行するメイン処理を示すフローチャートである。本処理は、アプリ12bの起動指示をCPU11が受け付けた場合に開始される。CPU11は、まず、デバイス/サービス画面(図示せず)をLCD16に表示する、より詳細には、フォアグラウンドに表示する(S201)。デバイス/サービス画面は、スキャナ60などのデバイスや、サービス提供サーバ100を、入力装置または出力装置の選択候補として登録するための画面である。デバイス/サービス画面がフォアグラウンドに表示されている場合、ユーザが実行を所望する主機能を選択するためのアクション画面(図示せず)がバックグラウンドに表示される。
【0040】
なお、「フォアグラウンドに表示」とは、実際にLCD16に描画される表示を示す。一方、「バックグラウンドに表示」とは、バックグラウンドでLCD16に表示させるための表示処理を行っていることを示し、LCD16に描画されない表示を示す。LCD16に表示される、各画面に対応するタブの切り替えに応じて、デバイス/サービス画面およびアクション画面のうち、いずれ一方の画面がフォアグランドに表示され、他方の画面がバックグラウンドに表示される。
【0041】
よって、デバイス/サービス画面がフォアグラウンドに表示されている状態で、CPU11が、タブを切り替える指示を受け付けた場合(S202:Yes)、CPU11は、アクション画面をフォアグラウンドに表示し、デバイス/サービス画面をバックグラウンドに表示する(S206)。さらに、アクション画面がフォアグラウンドに表示されている状態で、CPU11が、タブを切り替える指示を受け付けた場合(S209:Yes)、CPU11は、処理をS201に移行し、デバイス/サービス画面をフォアグラウンドに表示し、アクション画面をバックグラウンドに表示する(S201)。
【0042】
デバイス/サービス画面には、デバイスを登録するためのデバイス登録ボタンと、サービスを登録するためのサービス登録ボタンとが表示される。よって、デバイス/サービス画面がフォアグラウンドに表示されている状態において、CPU11は、デバイス登録ボタンまたはサービス登録ボタンに対するタップ操作の受け付けを待機する(S202:No,S203:No)。
【0043】
CPU11が、デバイス登録ボタンに対するタップ操作を受け付けた場合(S203:デバイス登録)、CPU11は、LCD16に表示する画面を、デバイス/サービス画面から、デバイスを登録するためのデバイス登録画面(図示せず)に切り替える(S204)。次に、CPU11は、デバイス登録画面に対するユーザ操作に基づき、デバイスの登録を行うデバイス登録処理を実行する(S205)。デバイス登録処理(S205)の詳細な処理については、
図3を参照して後述する。CPU11は、デバイス登録処理(S205)の実行後、処理をS201に移行し、LCD16に表示する画面を、デバイス登録画面から、デバイス/サービス画面に切り替える。
【0044】
一方、CPU11が、サービス登録ボタンに対するタップ操作を受け付けた場合(S203:サービス登録)、CPU11は、LCD16に表示する画面を、デバイス/サービス画面から、サービスを登録するためのサービス登録画面(図示せず)に切り替える(S206)。次に、CPU11は、サービス登録画面に対するユーザ操作に基づき、サービス、より詳細には、サービス提供サーバ100の登録を行うサービス登録処理を実行する(S207)。以下、S207において登録されたサービス提供サーバ100を「登録サービス」と称するなど、サービス提供サーバ100を便宜上「サービス」と称することがある。CPU11は、サービス登録処理(S207)の実行後、LCD16に表示する画面を、処理をS201に移行し、サービス登録画面から、デバイス/サービス画面に切り替える。
【0045】
アクション画面には、ユーザが、1または複数の主機能を含むアクションを登録するためのボタン(以下、このボタンを「アクション登録ボタン」と称す)と、ユーザが登録した各アクションに対応するボタン(以下、このボタンを「アクション選択ボタン」と称す)とが表示される。よって、アクション画面がフォアグラウンドに表示されている状態において、CPU11は、アクション登録ボタンまたはアクション選択ボタンに対するタップ操作の受け付けを待機する(S209:No,S210:No)。
【0046】
CPU11が、アクション登録ボタンに対するタップ操作を受け付けた場合(S210:アクション登録)、CPU11は、アクション名登録処理を実行する(S214)。具体的に、アクション名登録処理(S214)において、CPU11は、LCD16に表示する画面を、アクション画面から、アクション名登録画面(図示せず)に切り替え、当該アクション名登録画面に対するユーザ操作に基づき、新たに登録するアクションに付与する名称(以下、この名称を「アクション名」と称す)を登録する。
【0047】
CPU11は、アクション名登録処理(S214)の実行後、LCD16に表示する画面を、アクション名登録画面から、入出力登録画面(図示せず)に切り替える(S215)。入出力登録画面は、登録された1のアクション名に対し、当該アクション名より特定されるアクションに対応づける1または複数の主機能を実現するための入力装置および出力装置を登録するための画面である。
【0048】
次に、CPU11は、入出力登録画面に対するユーザ操作に基づき、入力装置または出力装置を登録する入出力登録処理を実行する(S216)。入出力登録処理(S216)の詳細な処理については、
図4を参照して後述する。なお、入出力登録処理(S216)において、入力装置および出力装置は、デバイス登録処理(S205)またはサービス登録処理(S206)で登録されたデバイスまたはサービス提供サーバ100の中から選択されたものが登録される。
【0049】
本実施形態のアプリ12bでは、1のアクション名により特定されるアクションに対し、1または複数の入力装置と、1または複数の出力装置とを登録できるよう構成される。つまり、1のアクションに対し、登録された入力装置の入力機能と出力装置の出力機能との1対1の組み合わせから構成される1の主機能を、登録された入力装置と出力装置との組み合わせの数だけ対応付けることができる。よって、1のアクション名を選択した場合に、当該1のアクション名により特定されるアクションに対し、複数の主機能が対応付けられている場合には、それら複数の主機能をそれぞれ実行させることができる。
【0050】
CPU11は、入出力登録処理(S216)の実行後、LCD16に表示する画面を、入出力登録画面から、アクション実行画面(図示せず)に切り替える(S211)。アクション実行画面は、登録されたアクションのうち、1のアクションを実行させるための画面である。より詳細には、入出力登録処理(S216)の実行後にLCD16に表示されたアクション実行画面は、入出力登録処理(S216)において登録されたアクションを実行させるための画面である。
【0051】
一方、CPU11が、アクション画面内の、1のアクション選択ボタンに対するタップ操作を受け付けた場合(S210:アクション選択)、CPU11は、処理をS211に移行し、LCD16に表示する画面を、アクション画面から、アクション実行画面に切り替える。より詳細には、アクション選択ボタンの操作に基づきLCD16に表示されたアクション実行画面は、操作されたアクション選択ボタンに対応するアクションを実行させるための画面である。
【0052】
アクション実行画面には、実行対象のアクションにて、主機能を実現するために使用する入力装置または出力装置を追加登録するためのボタン(以下、このボタンを「入出力追加ボタン」と称す)が表示される。また、アクション実行画面には、アクションの開始を指示する実行ボタンが表示される。
【0053】
よって、アクション実行画面が表示されている状態において、CPU11は、入出力追加ボタンまたは実行ボタンに対するタップ操作の受け付けを待機する(S212:No)。CPU11が、入出力追加ボタンに対するタップ操作を受け付けた場合(S212:入出力追加)、CPU11は、処理をS215に移行し、LCD16に表示する画面を、アクション実行画面から、入出力登録画面に切り替える。
【0054】
一方、CPU11が、実行ボタンに対するタップ操作を受け付けた場合(S212:実行)、CPU11は、表示中のアクション実行画面に対応するアクションを実行するアクション実行処理を実行し(S213)、本処理を終了する。
【0055】
図3は、上述したデバイス登録処理(S205)を示すフローチャートである。CPU11は、無線LANネットワーク500に接続されているデバイスの検索を行う(S301)。具体的に、CPU11は、検索パケットを無線通信部21から、無線LANネットワーク500にブロードキャスト送信し、その返信として受信した、デバイスのモデル名とIPアドレスとに基づいて、無線LANネットワーク500に接続されているデバイスを特定する。
【0056】
次に、CPU11は、S301の検索により特定されたデバイスと、アプリ用記憶領域12cに登録デバイスとして記憶されているデバイスとを比較する(S302)。具体的に、CPU11は、検索されたデバイス、すなわち、S301において特定されたデバイスのモデル名およびIPアドレスを、登録デバイスのモデル名およびIPアドレスと比較する。CPU11は、検索されたデバイスのうち、登録デバイスを、デバイス登録画面にグレーアウト表示する(S303)。その一方で、CPU11は、検索されたデバイスのうち、未登録デバイスを、選択可能にデバイス登録画面に表示する(S304)。
【0057】
上記S302〜S304の処理によれば、無線LANネットワーク500から検索されたデバイスのうち、未登録デバイスのみが選択可能に表示されるので、登録デバイスとして既に記憶されているデバイスが、重複して記憶されることを防止できる。また、無線LANネットワーク500から検索されたデバイスのうち、登録デバイスについても、グレーアウト表示されるので、ユーザは、無線LANネットワーク500に登録デバイスが存在することを把握できる。
【0058】
CPU11は、選択可能に表示されたデバイスのうち、1のデバイスの選択を、タッチパネル17を介して受け付けるまで待機する(S305:No)。S305において、デバイスの選択をCPU11が受け付けた場合(S305:Yes)、CPU11は、選択デバイスが有する機能と、各機能に設定されるパラメータの設定範囲(すなわち、設定可能値)とを、MIBから取得する(S306)。具体的に、CPU11は、選択デバイスに対し、MIBに格納される情報の取得要求をSNMPによって送信する。取得要求を受信したデバイスは、当該デバイスのMIBに格納されている各種情報を、端末10に返信する。よって、CPU11は、S306において、取得要求の送信先のデバイスから受信した各種情報に含まれる、選択デバイスが有する機能と、各機能に設定されるパラメータの設定範囲(以下、単に「設定範囲」と称す)とを取得する。
【0059】
次に、CPU11は、S306で取得した選択デバイスの機能に、入力機能が含まれているかを判断する(S307)。アプリ用記憶領域12cには、各機能を、入力機能または出力機能のいずれかに割り当てたテーブル(図示せず)が設けられている。よって、CPU11は、S307において、当該テーブルを参照して、S306で取得した選択デバイスの機能に、入力機能が含まれているかを判断する。なお、上記テーブルにおいて、例えば、スキャン機能や、ファクシミリ機能(より詳細には、ファクシミリ受信機能)や、メモリカードMCからのデータの読み出し機能などは、入力機能に割り当てられている。一方、プリント機能や、ファクシミリ機能(より詳細には、ファクシミリ送信機能)や、メモリカードMCへのデータの書き込み機能などは、出力機能に割り当てられている。
【0060】
S307において、選択デバイスに入力機能が含まれていると、CPU11が判断した場合(S307:Yes)、CPU11は、選択デバイスに入力機能として含まれる機能をLCD16に表示する(S308)。選択デバイスが複数の入力機能を有する場合、CPU11は、それら複数の入力機能を並べて表示する。また、CPU11は、S308において、選択デバイスが有する入力機能の先頭にチェックボックスを表示する。当該チェックボックスにチェックが入っている入力機能を、登録対象として選択できる。本実施形態では、初期状態において、選択デバイスが有する全ての入力機能が登録対象として選択され、全てのチェックボックスにチェックが入れられるものとする。ユーザは、適宜、チェックボックスからチェックを外したり、入れたりすることにより、選択デバイスが有する機能のうち、自身が所望する入力機能を登録対象として選択できる。
【0061】
また、CPU11は、S308において、入力機能に隣接する位置にラジオボタンを表示するとともに、デフォルトとして設定される入力機能に対応するラジオボタンにチェックを入れる。デフォルトにする入力機能の優先順位が決められており、選択デバイスに含まれる入力機能のうち、前記入力機能の優先順位が最上位である入力機能が、デフォルトとして設定される。選択デバイスが複数の入力機能を有する場合、ユーザは、ラジオボタンのチェックを入れ替えることにより、デフォルトの入力機能を変更することができる。なお、本実施形態では、登録対象として選択されたデバイス、すなわち、チェックボックスにチェックが入れられたデバイスに限り、ラジオボタンにチェックを入れることができるものとする。
【0062】
次に、登録対象として1の入力機能が選択された状態で、CPU11が、登録指示をタッチパネル17を介して受け付けた場合(S309:1)、CPU11は、登録対象の入力機能と、当該入力機能に対応する設定範囲と、当該1の入力機能をデフォルトに規定するデフォルト値とを、登録対象のデバイスを特定するデバイス情報に関連付けて記憶し(S310)、処理をS311に移行する。S310の処理の結果、選択デバイスは、登録デバイス、より詳細には、入力装置の候補となり得る登録デバイスとして、アプリ用記憶領域12cに記憶される。なお、本実施形態において、「デバイス情報」は、デバイスのモデル名とIPアドレスとから構成される。
【0063】
一方、登録対象として複数の入力機能が選択された状態で、CPU11が、登録指示をタッチパネル17を介して受け付けた場合(S309:複数)、CPU11は、登録対象として選択されている複数の入力機能のうち、ラジオボタンにチェックが入っている1の入力機能をデフォルトに規定するデフォルト値を取得する(S315)。次に、CPU11は、処理をS310に移行し、登録対象の各入力機能と、当該各入力機能に対応する設定範囲と、S315において取得したデフォルト値とを、登録対象のデバイスを特定するデバイス情報に関連付けて、登録デバイスとしてアプリ用記憶領域12cに記憶する。
【0064】
S309において、入力機能が登録されなかった場合(S309:登録しない)、または、S307において、選択デバイスに入力機能が含まれていない場合(S307:No)、CPU11は、処理をS311に移行する。なお、入力機能が登録されなかった場合としては、登録対象とする入力機能が全く選択されていない状態で、登録指示が入力された場合、または、入力機能の登録をキャンセルする指示が入力された場合が例示される。
【0065】
S311において、S306で取得した選択デバイスの機能に、出力機能が含まれているかを判断する。S311の判断は、入力機能を出力機能とする以外は、上述したS307の判断と同様に行われる。S311において、選択デバイスに出力機能が含まれていると、CPU11が判断した場合(S311:Yes)、CPU11は、選択デバイスに出力機能として含まれる機能をLCD16に表示する(S312)。選択デバイスが複数の出力機能を有する場合、CPU11は、それら複数の出力機能を並べて表示する。
【0066】
また、CPU11は、S311において、選択デバイスが有する出力機能の先頭にチェックボックスを表示する。また、CPU11は、出力機能に隣接する位置にラジオボタンを表示し、デフォルトとして設定される出力機能に対応するラジオボタンにチェックを入れる。S311にて表示されるチェックボックスおよびラジオボタンは、「入力機能」を「出力機能」と読み換える以外、上述したS308にて説明したチェックボックスおよびラジオボタンと同様のものである。
【0067】
次に、登録対象として1の出力機能が選択された状態で、CPU11が、登録指示をタッチパネル17を介して受け付けた場合(S313:1)、CPU11は、登録対象の出力機能と、当該出力機能に対応する設定範囲と、当該1の出力機能をデフォルトに規定するデフォルト値とを、登録対象のデバイスを特定するデバイス情報に関連付けてアプリ用記憶領域12cに記憶し(S314)、本処理を終了する。S314の処理の結果、選択デバイスは、登録デバイス、より詳細には、出力装置の候補となり得る登録デバイスとして、アプリ用記憶領域12cに記憶される。
【0068】
一方、登録対象として複数の出力機能が選択された状態で、CPU11が、登録指示をタッチパネル17を介して受け付けた場合(S313:複数)、CPU11は、登録対象として選択されている複数の出力機能のうち、ラジオボタンにチェックが入っている1の出力機能をデフォルトに規定するデフォルト値を取得する(S316)。次に、CPU11は、処理をS314に移行し、登録対象の各出力機能と、当該各出力機能に対応する設定範囲と、S316において取得したデフォルト値とを、登録対象のデバイスを特定するデバイス情報に関連付けて、登録デバイスとしてアプリ用記憶領域12cに記憶する。
【0069】
S313において、出力機能が登録されなかった場合(S313:登録しない)、または、S311において、選択デバイスに出力機能が含まれていない場合(S311:No)、CPU11は、本処理を終了する。なお、出力機能が登録されなかった場合としては、登録対象とする出力機能が全く選択されていない状態で、登録指示が入力された場合、または、出力機能の登録をキャンセルする指示が入力された場合が例示される。
【0070】
上述したデバイス登録処理(S205)によれば、無線LANネットワーク500に接続されるデバイスが、入力機能と出力機能との両方を有する場合に、当該デバイスを、ユーザの所望に応じて、入力装置の候補になり得るデバイス、および/または、出力装置の候補になり得るデバイスとして登録できる。よって、入力機能と出力機能との両方を有するデバイスを、入力装置または出力装置のいずれとしても利用できる。
【0071】
1のデバイスが、複数の入力機能を有する場合には、それら複数の入力機能のうち、ユーザが所望する入力機能だけを、登録デバイスが利用可能な入力機能として登録できる。同様に、ユーザが所望する出力機能だけを、登録デバイスが利用可能な出力機能として登録できる。
【0072】
登録デバイスには、入力機能または出力機能に対応する設定範囲が関連付けられるので、登録デバイスが、入力装置または出力装置として利用される場合に、当該登録デバイスが有する入力機能または出力機能が、利用不可能なパラメータで実行されることを防止できる。さらには、各登録デバイスには、デフォルトの入力機能または出力機能を規定する値(すなわち、デフォルト値)が関連付けられるので、複数の入力機能または出力機能から、主機能を実行する場合に利用する入力機能または出力機能を設定する場合に、その手間を軽減できる。
【0073】
図4は、上述した入出力登録処理(S216)を示すフローチャートである。CPU11は、本処理(入出力登録処理)を終了するか判断する(S400)。具体的に、入出力登録画面には、入力装置または出力装置の登録の終了を指示する登録終了ボタンが設けられており、CPU11が、タッチパネル17を介して登録終了ボタンに対するタップ操作を受け付けた場合、CPU11は、S400において、本処理を終了すると判断する。よって、CPU11が、S400の判断を肯定した場合、CPU11は、本処理を終了する。
【0074】
一方、CPU11が、S400の判断を否定した場合、CPU11は、入力装置または出力装置のいずれかの登録の指示を、タッチパネル17を介して受け付けたかを判断する(S401)。CPU11が、当該指示を受け付けていない場合(S401;No)、CPU11は、処理をS400に移行する。
【0075】
S401において、入力装置の登録の指示を受け付けたとCPU11が判断した場合(S401:入力)、CPU11は、
図5(a)を参照して後述する、入力装置の候補を表示する処理を実行する(S402)。S402の処理によれば、入力装置の候補となるデバイス、サービス、および自端末10が、入出力登録画面に表示される。CPU11は、S402の処理によって入出力登録画面に表示された入力装置の候補から、現在の対象である1のアクションに対して登録する入力装置が選択されるまで待機する(S403:No)。
【0076】
現在の対象である1のアクションに対して登録する入力装置として、デバイスが選択された場合(S403:デバイス)、CPU11は、選択されたデバイスが有する入力機能のうち、主機能を実行する場合に利用する入力機能を選択する処理を実行する(S404)。S404の詳細な処理については、
図6(a)を参照して後述する。
【0077】
次に、CPU11は、S404において選択された入力機能の設定値を表示し(S405)、設定値を、選択された入力機能の設定範囲内で、ユーザの所望する値に変更する処理を実行し(S406)、処理をS407に移行する。なお、ユーザが、S405により表示された設定値を利用する場合には、S406の処理は省略される。CPU11は、入力装置として選択されたデバイスを、現在の対象である1のアクションに対する入力装置として登録する指示を、タッチパネル17を介して受け付けるまで待機する(S407:No)。
【0078】
当該指示を受け付けた場合(S407:Yes)、CPU11は、S402において選択されたデバイスを、現在の対象である1のアクションに対する入力装置として登録する(S408)。具体的に、CPU11は、S402において選択されたデバイスに対応するデバイス情報と、S404において選択された入力機能と、当該入力機能の設定値とを、現在の対象である1のアクションに対する入力装置として、アプリ用記憶領域12cに記憶する。CPU11は、S408の処理後、処理をS409に移行する。
【0079】
一方、現在の対象である1のアクションに対して登録する入力装置として、サービス(すなわち、サービス提供サーバ100)または自端末10が選択された場合(S403:サービス,端末)、CPU11は、ファイル指定受付処理を実行する(S411)。ファイル指定受付処理(S411)は、入力装置として選択されたサービス提供サーバ100のデータベース、または、自端末10のメモリカードI/F18に装着されたメモリカードMCに記憶されているファイルの中から、入力データとして読み出す1または複数のファイルを、ユーザが指定した場合に、当該指定を受け付ける処理である。
【0080】
ファイル指定受付処理(S411)の処理後、CPU11は、入力装置として選択されたサービス提供サーバ100または端末10を、現在の対象である1のアクションに対する入力装置として登録する指示を、タッチパネル17を介して受け付けるまで待機する(S412:No)。当該指示を受け付けた場合(S412:Yes)、CPU11は、S402において選択されたサービス提供サーバ100または自端末10を、現在の対象である1のアクションに対する入力装置として登録する(S413)。具体的に、CPU11は、S402において選択されたサービス提供サーバ100または自端末10に対応するサービス名または端末10を示す名称と、S411にて指定された1または複数のファイルの各ファイル名とを、現在の対象である1のアクションに対する入力装置として、アプリ用記憶領域12cに記憶する。CPU11は、S413の処理後、処理をS409に移行する。
【0081】
S409において、CPU11は、現在の対象である1のアクションに対し、少なくとも1の出力装置が登録されているかを判断する。少なくとも1の出力装置が登録されていると、CPU11が判断した場合(S409:Yes)、アクション実行画面において実行ボタンを表示するモードに設定し(S410)、処理をS400に移行する。かかる場合、本処理の終了後、出力登録画面に代えてLCD16に表示されるアクション実行画面には、実行ボタンが表示される。
【0082】
一方、出力装置が全く登録されていないと、CPU11が判断した場合(S409:No)、アクション実行画面において実行ボタンを非表示にするモードに設定し(S414)、処理をS400に移行する。かかる場合、本処理の終了後、入出力登録画面に代えてLCD16に表示されるアクション実行画面には、実行ボタンが表示されない。
【0083】
S401において、出力装置の登録の指示を受け付けたとCPU11が判断した場合(S401:出力)、CPU11は、
図5(b)を参照して後述する、出力装置の候補を表示する処理を実行する(S415)。S415の処理によれば、出力装置の候補となるデバイス、サービス、および自端末10が、入出力登録画面に表示される。CPU11は、S415の処理によって入出力登録画面に表示された出力装置の候補から、現在の対象である1のアクションに対して登録する出力装置が選択されるまで待機する(S416:No)。
【0084】
現在の対象である1のアクションに対して登録する出力装置として、デバイスが選択された場合(S416:デバイス)、CPU11は、選択されたデバイスが有する出力機能のうち、主機能を実行する場合に利用する出力機能を選択する処理を実行する(S417)。S417の詳細な処理については、
図6(b)を参照して後述する。次に、CPU11は、S418〜S421の処理を実行し、処理をS422に移行する。なお、S418〜S421の処理は、それぞれ、上述したS405〜S408の処理における「入力」を「出力」に読み換えた処理であるので、具体的な説明は省略する。
【0085】
一方、現在の対象である1のアクションに対して登録する出力装置として、サービス(すなわち、サービス提供サーバ100)または自端末10が選択された場合(S416:サービス,端末)、CPU11は、フォルダ指定受付処理を実行する(S423)。フォルダ指定受付処理(S423)は、出力装置として選択されたサービス提供サーバ100のデータベース、または、自端末10のメモリカードI/F18に装着されたメモリカードMCに設けられたフォルダを、ユーザが、出力データの記憶先として指定した場合に、当該指定を受け付ける処理である。
【0086】
フォルダ指定受付処理(S423)の処理後、CPU11は、S424,S425の処理を実行し、処理をS422に移行する。なお、S424,S425の処理は、それぞれ、上述したS412,S413の処理における「入力」を「出力」に読み換えるとともに、「ファイル」を「フォルダ」に読み換えた処理であるので、具体的な説明は省略する。
【0087】
S422において、CPU11は、現在の対象である1のアクションに対し、少なくとも1の入力装置が登録されているかを判断する。少なくとも1の入力装置が登録されていると、CPU11が判断した場合(S422:Yes)、CPU11は、処理をS410に移行する。一方、入力装置が全く登録されていないと、CPU11が判断した場合(S422:No)、CPU11は、処理をS414に移行する。
【0088】
上述した通り、本処理(入出力登録処理)は、CPU11が、S400において、本処理を終了すると判断するまで、終了せず実行される。よって、登録終了ボタンが操作されるまでの間、ユーザは、必要に応じて、1のアクションに対し、複数の入力装置または出力装置を登録することができる。
【0089】
S409,S410,S414,S422の処理によれば、1のアクションに対し、少なくとも一対の入力装置および出力装置が登録されていることを条件として、当該アクションの開始を指示する実行ボタンが、アクション実行画面に表示される。つまり、実行ボタンは、少なくとも1の主機能が実行可能な状態であることを条件として、アクション実行画面に表示される。よって、入力装置または出力装置のいずれか一方が登録されていない状態において、実行ボタンは表示されないので、主機能を実行できないにもかかわらず、ユーザが主機能を実行させようとして実行ボタンを操作することを防止できる。
【0090】
図5(a)は、上述した入力装置の候補を表示する処理(S402)を示すフローチャートである。CPU11は、アプリ用記憶領域13cに登録デバイスとして記憶されているデバイス情報のうち、入力機能を有する1のデバイス情報を、処理対象デバイスのデバイス情報として取得する(S501)。次に、CPU11は、処理対象デバイスと通信可能であるかを判断する(S502)。具体的に、CPU11は、デバイス情報に含まれるIPアドレスを宛先としてパケットを送信し、当該パケットに対する返信を端末10が受信した場合に、CPU11は、処理対象デバイス、すなわち、パケットの送信先のデバイスと通信可能であると判断する。
【0091】
処理対象デバイスと通信可能であるとCPU11が判断した場合(S502:Yes)、CPU11は、処理対象デバイスに対し、入力機能が利用可能であるかを問い合わせる(S504)。処理対象デバイスは、当該問い合わせに対する結果、すなわち、処理対象デバイスが有する各入力機能が利用できる状況であるか否かを示す情報を、端末10に返信する。なお、入力機能が利用できない状況としては、例えば、スキャナ60やMFP80のカバーが開けられており、スキャン機能を利用できない状況や、MFP80のメモリに記憶可能な残りの容量が少なく、ファクシミリ受信機能を利用できない等の、対象のデバイスが通信可能であるが入力機能に何らかのエラーが発生している状況が例示される。また、入力機能が処理対象デバイスの管理者により利用制限されている状況も、入力機能が利用できない状況の一例である。
【0092】
CPU11は、端末10が処理対象デバイスから問い合わせ結果を受信することを待機する(S505:No)。端末10が処理対象デバイスから問い合わせ結果を受信した場合(S505:Yes)、CPU11は、受信した問い合わせ結果に基づき、入力機能に対する表示設定を、入力機能が利用可能か否かに応じて設定する(S506)。具体的に、CPU11は、利用可能な入力機能に対する表示設定をオンに設定し、入力不可能な入力機能に対する表示設定をオフに設定する。
【0093】
少なくとも1つの入力機能が利用可能である場合(S507:Yes)、CPU11は、処理対象デバイスを表示対象に設定し(S508)、処理をS509に移行する。一方、全ての入力機能が利用不可である場合(S507:No)、CPU11は、処理対象デバイスを非表示対象に設定し(S511)、処理をS509に移行する。また、S502において、処理対象デバイスと通信可能でないとCPU11が判断した場合(S502:No)、CPU11は、処理をS509に移行し、処理対象デバイスを非表示対象に設定する。
【0094】
全ての登録デバイスに対する確認が完了していなければ(S509:No)、CPU11は、処理をS501に移行し、未処理の登録デバイスのうち、入力機能を有する1のデバイスを対象として、S501〜S508,S511の処理を実行する。一方、全ての登録デバイスに対する確認が完了した場合(S509:Yes)、CPU11は、入力機能を有する登録デバイスのうち、表示対象に設定されたデバイスと、登録サービスと、自端末10とを、入力装置の候補として、各々選択可能に入出力登録画面に表示し(S510)、本処理を終了する。
【0095】
上述した入力装置の候補を表示する処理(S402)によれば、入力機能を有する登録デバイスのうち、通信可能であり、かつ、少なくとも1の入力機能を利用可能なデバイスのみが、入力装置の候補として表示される。つまり、1のアクションに対する入力装置として、現在に利用可能なデバイスのみが表示される。
【0096】
図5(b)は、上述した出力装置の候補を表示する処理(S415)を示すフローチャートである。本処理において、CPU11は、S521〜S531の処理を実行するが、これらの処理は、それぞれ、上述したS501〜S511処理における「入力」を「出力」に読み換えた処理であるので、具体的な説明は省略する。
【0097】
なお、本処理のS525において、CPU11は、処理対象デバイスから、出力機能が利用可能であるかの問い合わせに対する結果、すなわち、処理対象デバイスが有する各出力機能が利用できる状況であるか否かを示す情報を受信する。この「出力機能が利用できない状況」としては、例えば、プリンタ70やMFP80において用紙詰まりが発生しており、プリンタ機能を利用できない状況や、MFP80に装着されたメモリカードに記憶可能な残りの容量が少なく、メモリカードにデータを書き込む機能を利用できない状況等の、対象のデバイスが通信可能であるが出力機能に何らかのエラーが発生している状況が例示される。また、出力機能が処理対象デバイスの管理者により利用制限されている状況も、出力機能が利用できない状況の一例である。
【0098】
上述した出力装置の候補を表示する処理(S415)によれば、出力機能を有する登録デバイスのうち、通信可能であり、かつ、少なくとも1の出力機能を利用可能なデバイスのみが、出力装置の候補として表示される。つまり、1のアクションに対する出力装置として、その時点で利用可能なデバイスのみが表示される。
【0099】
図6(a)は、上述した、利用する入力機能を選択する処理(S404)を示すフローチャートである。CPU11は、アプリ用記憶領域12cを参照し、入力装置として選択されたデバイスに対応するデバイス情報に対応付けられている入力機能を、入出力登録画面に表示する(S601)。また、S601において、CPU11は、入力機能に隣接する位置にラジオボタンを表示する。
【0100】
次に、CPU11は、アプリ用記憶領域12cを参照し、デバイス情報に対応付けられている入力機能のデフォルト値に基づき、S601において表示された入力機能のうち、デフォルトの入力機能を選択状態に設定する(S602)。これにより、S601の処理によって表示されたラジオボタンのうち、デフォルトの入力機能に対応するラジオボタンにチェックが表示される。
【0101】
次に、CPU11は、表示設定がオフに設定されている入力機能に対し、ユーザに注意を促すためのマーク、例えば、「!」マークを表示する(S603)。なお、S603において参照される表示設定は、入力装置として選択されたデバイスが有する入力機能に対し、入力装置の候補を表示する処理(
図5(a))のS506において設定された表示設定である。
【0102】
S601において表示された入力機能が複数ある場合(S604:複数)、CPU11は、複数の入力機能のうち、1の入力機能の選択を、タッチパネル17を介して受け付けるまで待機する(S605:No)。なお、複数の入力機能がある場合、ラジオボタンのチェックを適宜変更することにより、所望の入力機能を選択できる。1の入力機能が選択された場合(S605:Yes)、CPU11は、処理をS606に移行する。一方、S601において表示された入力機能が単数である場合(S604:1)、CPU11は、処理をS606に移行する。
【0103】
S606において、CPU11は、複数の入力機能の中から選択された1の入力機能、または、入力装置として選択されたデバイスが唯一有する入力機能が、現在に利用可能であるかを判断する(S606)。当該判断は、S603と同様、入力装置として選択されたデバイスが有する入力機能に対し、S506において設定された表示設定を参照することによって行う。
【0104】
対象となる入力機能が現在に利用可能であるとCPU11が判断した場合(S606:Yes)、CPU11は、対象となる入力機能を、利用する入力機能として設定し(S607)、本処理を終了する。
【0105】
一方、対象となる入力機能が現在に利用不可能であるとCPU11が判断した場合(S606:No)、CPU11は、その旨を報せる警告表示(図示せず)を表示する(S608)。警告表示にはOKボタンが含まれており、CPU11は、OKボタンに対する操作を、タッチパネル17を介して受け付けるまで待機する(S609:No)。OKボタンに対する操作をCPU11が受け付けた場合(S609:Yes)、CPU11は、処理をS607に移行する。
【0106】
よって、対象となる入力機能が現在に利用不可能であっても、当該入力機能を利用する入力機能として設定できる。S608において警告表示が表示されるので、ユーザは、当該表示から、利用する入力機能として設定された入力機能が、現在に利用不可能であることを把握しているので、必要に応じて、デバイスに赴き、利用不可能となっている原因を解消することによって、当該入力機能を利用可能な状態に戻すことができる。
【0107】
上述した利用する入力機能を選択する処理(S404)によれば、入力装置として選択されたデバイスが、複数の入力機能を有する場合に、それら複数の入力機能が選択可能に入出力登録画面に表示されるので、ユーザは、複数の入力機能の中から、所望に応じた1の入力機能を、主機能を実行する場合に利用する入力機能として選択できる。
【0108】
特に、S603の処理によれば、現在に利用できない入力機能に対し、ユーザに注意を促すためのマークが表示されるので、ユーザは、選択可能に表示されている入力機能が、現在に利用可能か否かを区別して把握できる。よって、ユーザは、複数の入力機能の中から、主機能を実行する場合に利用する1の入力機能を、その入力機能が現在に利用可能か否かを知った上で選択できる。
【0109】
図6(b)は、上述した、利用する出力機能を選択する処理(S417)を示すフローチャートである。本処理において、CPU11は、S621〜S629の処理を実行するが、これらの処理は、それぞれ、上述したS601〜S609の処理における「入力」を「出力」に読み換えた処理であるので、具体的な説明は省略する。なお、S623、S626において参照される表示設定は、出力装置として選択されたデバイスが有する出力機能に対し、出力装置の候補を表示する処理(
図5(b))のS526において設定された表示設定である。
【0110】
上述した、利用する出力機能を選択する処理(S417)によれば、出力装置として選択されたデバイスが、複数の出力機能を有する場合に、それら複数の出力機能が選択可能に入出力登録画面に表示されるので、ユーザは、複数の出力機能の中から、所望に応じた1の出力機能を、主機能を実行する場合に利用する出力機能として選択できる。
【0111】
特に、S623の処理によれば、現在に利用できない出力機能に対し、ユーザに注意を促すためのマークが表示されるので、ユーザは、選択可能に表示されている出力機能が、現在に利用可能か否かを区別して把握できる。よって、ユーザは、複数の出力機能の中から、主機能を実行する場合に利用する1の出力機能を、その出力機能が現在に利用可能か否かを知った上で選択できる。
【0112】
上述した通り、本実施形態によれば、無線LANネットワーク500に接続されるデバイスが、複数の入力機能または複数の出力機能を有するものであったとしても、当該デバイスに対し、主機能を実行する場合に利用する入力機能と出力機能とを各々独立して設定できる。よって、MFP80のような多機能周辺装置であっても、主機能を実現するための入力装置または出力装置として利用できる。
【0113】
複数の入力機能または複数の出力機能を有するデバイスについては、当該デバイスが、入力装置として選択された場合には、入力機能のみが選択可能に表示される。よって、デバイスが入力装置として選択されたにもかかわらず、入力装置としては利用できない出力機能が、主機能を実行する場合に利用する入力機能として誤って選択されることを防止できる。同様に、当該デバイスが、出力装置として選択された場合には、出力機能のみが選択可能に表示されるので、デバイスが出力装置として選択されたにもかかわらず、入力機能が、主機能を実行する場合に利用する出力機能として誤って選択されることを防止できる。
【0114】
上記実施形態において、アプリ12bが、情報処理プログラムの一例である。端末10が、端末装置の一例である。スキャナ60、プリンタ70、MFP80、サービス提供サーバ100が、外部装置の一例である。スキャナ60、MFP80、サービス提供サーバ100が、入力装置の一例である。プリンタ70、MFP80、サービス提供サーバ100が、出力装置の一例である。CPU11が、制御部の一例である。LCD16が、表示部の一例である。タッチパネル17が操作部の一例である。フラッシュメモリ12が、記憶部の一例である。無線LANネットワーク500、インターネット800が、ネットワークの一例である。
【0115】
S306の処理を実行するCPU11が、第1情報取得手段の一例である。S403の処理を実行するCPU11が、入力装置設定手段の一例である。S416の処理を実行するCPU11が、出力装置設定手段の一例である。S604〜S607,S624〜S627の処理を実行するCPU11が、機能設定手段の一例である。S213の処理を実行するCPU11が、指示出力手段の一例である。S601,S621の処理を実行するCPU11が、表示制御手段の一例である。S505,S525の処理を実行するCPU11が、第2情報取得手段の一例である。S301の処理を実行するCPU11が、特定手段の一例である。S307の処理を実行するCPU11が、入力機能判断手段の一例である。S311の処理を実行するCPU11が、出力機能判断手段の一例である。S310の処理を実行するCPU11が、入力装置記憶手段の一例である。S314の処理を実行するCPU11が、出力装置記憶手段の一例である。S309の処理を実行するCPU11が、第1対象設定手段の一例である。S313の処理を実行するCPU11が、第2対象設定手段の一例である。S315の処理を実行するCPU11が、第1デフォルト設定手段の一例である。S316の処理を実行するCPU11が、第2デフォルト設定手段の一例である。S303,S304の処理を実行するCPU11が、特定表示手段の一例である。
【0116】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施形態では、アプリ12bを端末10に搭載する構成としたが、当該アプリ12bを搭載させる端末としては、上記例示した端末10に限定されず、タブレット端末や、デジタルカメラや、パーソナルコンピュータなどを採用することも可能である。上記実施形態では、端末10に搭載されるOS12aとして、アンドロイド(登録商標)を例示したが、他のOSも利用できる。
【0117】
また、サーバにアプリ12bを搭載し、上記実施形態の端末10と同等に機能させる構成としてもよい。つまり、アプリ12bを搭載するサーバが、スマートフォンなどの端末に対する操作に基づいて、
図2〜
図6のフローチャートに示す各処理を行う構成としてもよい。かかる場合、表示に係る処理は、サーバから、表示に対応するデータを、スマートフォンなどの端末に送信し、端末の表示部に表示させる構成であってもよい。
【0118】
上記実施形態では、入力装置の候補となるデバイスとして、スキャナ60と、MFP80とを例示したが、入力機能、すなわち、アプリ12bを搭載する端末が入力データとして受け取るデータを取り込む機能、または、当該データが記憶される記憶部から読み出す機能を実行可能なデバイスであれば利用可能である。例えば、入力データとしてのファクシミリデータを受信するファクシミリや、入力データとしての読み出し対象となるデータを記憶するデータベースサーバなどを、入力装置として利用できる。同様に、出力機能を実行可能なデバイスであれば、出力装置の候補となるデバイスとして利用可能である。例えば、出力データとしての3次元印刷用の印刷データに基づく3次元印刷を行う3Dプリンタや、出力データとしての刺繍データに基づいて刺繍を行うミシンや、出力データとしての投影データに基づく画像投影を行う投影装置などを、出力装置として利用できる。
【0119】
上記実施形態では、S404またはS417において、現在に利用不可能な入力機能または出力機能に対し、ユーザに注意を促すためのマークを表示するものの、そのような入力機能または出力機能であっても選択可能に表示する構成とした。これに代えて、現在に利用不可能な入力機能または出力機能は、グレーアウト表示など、選択不可能に表示する構成としてもよい。かかる変形例によれば、現在に利用不可能な入力機能または出力機能が存在することをユーザに報せつつ、ユーザが、そのような入力機能または出力機能を選択し、それによって、主機能の実行にエラーが発生することを抑制できる。
【0120】
あるいは、現在に利用不可能な入力機能または出力機能を、表示しない構成といてもよい。かかる変形例によれば、ユーザが、現在に利用不可能な入力機能または出力機能を選択し、それによって、主機能の実行にエラーが発生すること抑制できる。
【0121】
上記実施形態では、デバイスに対してのみ、通信できない場合、または、通信できたとしても、全ての入力機能または全ての出力機能が利用不可能である場合には、当該デバイスを、入力装置の候補または出力装置の候補として表示させない構成とした。サービスや、自端末10についても、通信できない場合、または、通信できたとしても、全ての入力機能または全ての出力機能が利用不可能である場合には、当該デバイスを、入力装置の候補または出力装置の候補として表示させない構成としてもよい。
【0122】
上記実施形態では、デバイス登録処理(
図3)において、選択デバイスが入力機能を有する場合、すなわち、S307においてYesと判断される場合には、CPU11は、S308,S309,S310,S315の処理を実行し、選択デバイスに対し、ユーザの所望に応じた入力機能を関連付けて記憶する構成した。これに代えて、選択デバイスが入力機能を有する場合に、S308,S309,S310,S315の処理を省略し、CPU11は、選択デバイスに対し、当該デバイスが有する入力機能を全て関連付けて記憶する構成としてもよい。同様に、選択デバイスが出力機能を有する場合に、S312,S313,S314,S316の処理を省略し、CPU11は、選択デバイスに対し、当該デバイスが有する出力機能を全て関連付けて記憶する構成としてもよい。
【0123】
あるいは、選択デバイスが、特定の入力機能、例えば、スキャン機能を有することを条件として、当該デバイスに対し、当該デバイスが有する出力機能を全て関連付けて記憶する構成としてもよい。同様に、選択デバイスが、特定の出力機能、例えば、プリント機能を有することを条件として、当該デバイスに対し、当該デバイスが有する入力機能を全て関連付けて記憶する構成としてもよい。かかる場合、当該特定の入力機能または出力機能のみを、選択デバイスに対して関連付けて記憶する構成としてもよい。
【0124】
上記実施形態では、検索パケットをブロードキャスト送信することによって、無線LANネットワーク500に接続されているデバイスを特定する構成としたが、無線LANネットワーク500に接続されているデバイスを特定する方法としては、他の方法も利用可のである。例えば、無線LANネットワーク500に接続される各デバイスを管理する管理サーバを、インターネット800または無線LANネットワーク500上に準備し、端末10が、当該管理サーバに問い合わせることによって、無線LANネットワーク500に接続される各デバイスを特定する構成としてもよい。かかる変形例では、管理サーバへの問い合わせに基づいて、無線LANネットワーク500に接続される各デバイスを特定することが、特許請求の範囲における「特定手段」の一例となる。
【0125】
上記変形例で利用する管理サーバを、各デバイスが有する機能や、各機能の設定範囲なども管理する構成とした場合、上述したS306のように、これらの情報をデバイスのMIBから取得することに代えて、管理サーバから取得することが可能となる。かかる場合、デバイスが有する機能を管理サーバから取得することが、特許請求の範囲における「第1情報取得手段」の一例となる。
【0126】
上記実施形態では、S306において、入力機能および出力機能を含む全ての機能をMIBから取得する構成としたが、MIBが、デバイスが有する機能を、入力機能と出力機能とを区別して記憶する場合には、S307にて入力機能の有無を判断する前に、MIBから、デバイスが有する機能のうち、入力機能だけを取得する構成としてもよい。同様に、S311にて出力機能の有無を判断する前に、MIBから、デバイスが有する機能のうち、出力機能だけを取得する構成としてもよい。
【0127】
上記実施形態では、入力装置として、サービスまたは自端末10が選択された場合には、ファイル指定受付処理(S411)が実行され、入力データとして読み出すファイルを指定する構成としたが、フォルダを指定する構成としてもよい。かかる場合、入力データをフォルダ単位で指定することができる。一方、出力装置として、サービスまたは自端末10が選択された場合には、フォルダ指定受付処理(S423)が実行され、出力データの記憶先にするフォルダを指定する構成としたが、ファイルを指定する構成としてもよい。
【0128】
上記実施形態では、CPU11が、
図2〜
図6に記載される各処理を実行する構成として説明したが、これら各図に記載される各処理を、複数のCPUが協同的に実行する構成としてもよい。また、ASICなどのICが、単独で、または、複数によって協働的に、上記各図に記載される各処理を実行する構成してもよい。また、CPU11とASICなどのICとが協同して、上記各図に記載される各処理を実行する構成してもよい。