(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
互いに通信可能に接続された複数のセンサ装置、中央処理装置および端末装置を備え、前記複数のセンサ装置それぞれがその被監視者における所定の行動を画像に基づいて検知して前記中央処理装置を介して前記端末装置へ報知する被監視者監視システムの前記中央処理装置であって、
前記端末装置へ送信した画像の送信履歴を、前記画像を取得したセンサ装置のセンサ識別子に対応付けて画像送信履歴情報として記憶する画像送信履歴情報記憶部と、
前記端末装置へ画像を送信した場合に、その画像送信履歴情報を前記画像送信履歴情報記憶部に記憶する画像送信履歴情報記憶処理部と、
前記検知による報知を除いた処理であって、前記複数のセンサ装置それぞれから取得される複数の画像を順次に前記端末装置へ報知する画像見回り処理を実行する画像見回り処理部とを備え、
前記画像見回り処理部は、前記画像見回り処理を実行する際に、前記複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置のセンサ識別子に対応付けられた前記画像送信履歴情報に基づいて報知の許否を判定してその判定結果に応じて当該画像を前記端末装置へ報知する、
被監視者監視システムの中央処理装置。
前記画像見回り処理部は、前記判定結果が前記報知の許可である場合に、さらに、当該画像が被監視者の像を含むか否かを判定してその第2判定結果に応じて当該画像を前記端末装置へ報知する、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の被監視者監視システムの中央処理装置。
互いに通信可能に接続された複数のセンサ装置、中央処理装置および端末装置を備え、前記複数のセンサ装置それぞれがその被監視者における所定の行動を画像に基づいて検知して前記中央処理装置を介して前記端末装置へ報知する被監視者監視システムの中央処理方法であって、
前記端末装置へ送信した画像の送信履歴を、前記画像を取得したセンサ装置のセンサ識別子に対応付けて画像送信履歴情報として画像送信履歴情報記憶部に記憶する画像送信履歴情報記憶工程と、
前記端末装置へ画像を送信した場合に、その画像送信履歴情報を前記画像送信履歴情報記憶部に記憶する画像送信履歴情報記憶処理工程と、
前記検知による報知を除いた処理であって、前記複数のセンサ装置それぞれから取得される複数の画像を順次に前記端末装置へ報知する画像見回り処理を実行する画像見回り処理工程とを備え、
前記画像見回り処理工程は、前記画像見回り処理を実行する際に、前記複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置のセンサ識別子に対応付けられた前記画像送信履歴情報に基づいて報知の許否を判定してその判定結果に応じて当該画像を前記端末装置へ報知する、
被監視者監視システムの中央処理方法。
互いに通信可能に接続された複数のセンサ装置、中央処理装置および端末装置を備え、前記複数のセンサ装置それぞれがその被監視者における所定の行動を画像に基づいて検知して前記中央処理装置を介して前記端末装置へ報知する被監視者監視システムであって、
前記中央処理装置は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の中央処理装置である、
被監視者監視システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0016】
図1は、実施形態における被監視者監視システムの構成を示す図である。
図2は、実施形態の被監視者監視システムにおけるセンサ装置の構成を示す図である。
図3は、実施形態の被監視者監視システムにおける管理サーバ装置の構成を示す図である。
図4は、前記管理サーバ装置に記憶される画像送信履歴情報テーブルの構成を示す図である。
図5は、実施形態の被監視者監視システムにおける携帯端末装置の構成を示す図である。
【0017】
実施形態における被監視者監視システムは、監視すべき(見守るべき)監視対象(見守り対象)である被監視者(見守り対象者)Obを複数の装置を用いて監視するものであり、互いに通信可能に接続された複数のセンサ装置、中央処理装置および端末装置を備え、前記複数のセンサ装置それぞれがその監視対象である被監視者における所定の行動を画像に基づいて検知して前記中央処理装置を介して前記端末装置へ報知するシステムである。前記中央処理装置は、前記端末装置へ送信した画像の送信履歴を、前記画像を取得したセンサ装置のセンサ識別子に対応付けて画像送信履歴情報として記憶する画像送信履歴情報記憶部と、前記端末装置へ画像を送信した場合に、その画像送信履歴情報を前記画像送信履歴情報記憶部に記憶する画像送信履歴情報記憶処理部と、前記検知による報知を除いた処理であって、前記複数のセンサ装置それぞれから取得される複数の画像を順次に前記端末装置へ報知する画像見回り処理を実行する画像見回り処理部とを備える。前記画像見回り処理部は、前記画像見回り処理を実行する際に、前記複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置のセンサ識別子に対応付けられた前記画像送信履歴情報に基づいて報知の許否を判定してその判定結果に応じて当該画像を前記端末装置へ報知する。
【0018】
このような被監視者監視システムMSは、より具体的には、例えば、
図1に示すように、複数のセンサ装置SU(SU−1〜SU−4)と、管理サーバ装置SVと、固定端末装置SPと、1または複数の携帯端末装置TA(TA−1、TA−2)とを備え、これらは、有線や無線で、LAN(Local Area Network)、電話網およびデータ通信網等の網(ネットワーク、通信回線)NWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWには、通信信号を中継する例えばリピーター、ブリッジ、ルーターおよびクロスコネクト等の中継機が備えられても良い。
図1に示す例では、これら複数のセンサ装置SU−1〜SU−4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SPおよび複数の携帯端末装置TA−1、TA−2は、アクセスポイントAPを含む無線LAN(例えばIEEE802.11規格に従ったLAN等)NWによって互いに通信可能に接続されている。
【0019】
なお、後述から分かるように、管理サーバ装置SVは、前記中央処理装置の一例に相当し、固定端末装置SPは、前記端末装置の一例に相当し、携帯端末装置TAは、前記端末装置の他の一例に相当する。これら固定端末装置SPと携帯端末装置TAとの主な相違は、固定端末装置SPが固定的に運用される一方、携帯端末装置TAが例えば看護師や介護士等の監視者(ユーザ)に携行されて運用される点であり、これら固定端末装置SPと携帯端末装置TAとは、略同様であるので、本実施形態では、携帯端末装置TAを主に説明する。
【0020】
被監視者監視システムMSは、被監視者Obに応じて適宜な場所に配設される。被監視者(見守り対象者)Obは、例えば、病気や怪我等によって看護を必要とする者や、身体能力の低下等によって介護を必要とする者や、一人暮らしの独居者等である。特に、早期発見と早期対処とを可能にする観点から、被監視者Obは、例えば異常状態等の所定の不都合な事象がその者に生じた場合にその発見を必要としている者であることが好ましい。このため、被監視者監視システムMSは、被監視者Obの種類に応じて、病院、老人福祉施設および住戸等の建物に好適に配設される。
図1に示す例では、被監視者監視システムMSは、複数の被監視者Obが入居する複数の居室RMや、ナースステーション等の複数の部屋を備える介護施設の建物に配設されている。
【0021】
センサ装置SUは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAと通信する通信機能等を備え、被監視者Obにおける所定の行動を画像に基づいて検知してその検知結果を前記画像と共に管理サーバ装置SVへ報知し、ナースコールを受け付けてその旨を管理サーバ装置SVへ通知し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、そして、動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAへ動画を配信する装置である。このようなセンサ装置SUは、例えば、
図2に示すように、撮像部11と、センサ側音入出力部(SU音入出力部)12と、ナースコール受付操作部13と、センサ側制御処理部(SU制御処理部)14と、センサ側通信インターフェース部(SU通信IF部)15と、センサ側記憶部(SU記憶部)16とを備える。
【0022】
撮像部11は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、画像(画像データ)を生成する装置である。前記画像には、静止画(静止画データ)および動画(動画データ)が含まれる。撮像部11は、被監視者Obが所在を予定している空間(所在空間、
図1に示す例では配設場所の居室RM)を監視可能に配置され、前記所在空間を撮像対象としてその上方から撮像し、前記撮像対象を俯瞰した画像(画像データ)を生成し、前記撮像対象の画像をSU制御処理部14へ出力する。好ましくは、被監視者Ob全体を撮像できる蓋然性が高いことから、撮像部11は、被監視者Obが横臥する寝具(例えばベッド等)における、被監視者Obの頭部が位置すると予定されている予め設定された頭部予定位置(通常、枕の配設位置)の直上から撮像対象を撮像できるように配設される。センサ装置SUは、この撮像部11によって、被監視者Obを、被監視者Obの上方から撮像した画像、好ましくは前記頭部予定位置の直上から撮像した画像を取得する。
【0023】
このような撮像部11は、可視光の画像を生成する装置であって良いが、比較的暗がりでも被監視者Obを監視できるように、本実施形態では、赤外線の画像を生成する装置である。このような撮像部11は、例えば、本実施形態では、撮像対象における赤外の光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記撮像対象における赤外の光学像を電気的な信号に変換するイメージセンサ、および、イメージセンサの出力を画像処理することで前記撮像対象における赤外の画像を表すデータである画像データを生成する画像処理部等を備えるデジタル赤外線カメラである。撮像部11の前記結像光学系は、本実施形態では、その配設された居室RM全体を撮像できる画角を持つ広角な光学系(いわゆる広角レンズ(魚眼レンズを含む))であることが好ましい。
【0024】
SU音入出力部12は、SU制御処理部14に接続され、外部の音を取得してセンサ装置SUに入力するための回路であって、SU制御処理部14の制御に従って音を表す電気信号に応じた音を生成して出力するための回路である。SU音入出力部12は、例えば、音の音響振動を電気信号に変換するマイクロホン等と、音の電気信号を音の音響振動に変換するスピーカ等とを備えて構成される。SU音入出力部12は、外部の音を表す電気信号をSU制御処理部14へ出力し、また、SU制御処理部14から入力された電気信号を音の音響振動に変換して出力する。
【0025】
ナースコール受付操作部13は、SU制御処理部14に接続され、ナースコールを当該センサ装置SUに入力するための例えば押しボタン式スイッチ等のスイッチ回路である。なお、ナースコール受付操作部13は、有線でSU制御処理部14に接続されて良く、また、例えばBluetooth(登録商標)規格等の近距離無線通信でSU制御処理部14に接続されて良い。
【0026】
SU通信IF部15は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って通信を行うための通信回路である。SU通信IF部15は、SU制御処理部14から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この被監視者監視システムMSのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号をネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAへ送信する。SU通信IF部15は、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータをSU制御処理部14が処理可能な形式のデータに変換してSU制御処理部14へ出力する。SU通信IF部15は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0027】
SU記憶部16は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、センサ装置SUの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSU制御プログラムや、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するSU監視処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記SU監視処理プログラムには、被監視者Obにおける所定の行動を画像に基づいて検知して前記画像と共に管理サーバ装置SVへ報知する行動検知処理プログラムや、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた場合にその旨を管理サーバ装置SVへ通報し、SU音入出力部12等を用いることで端末装置SP、TAとの間で音声通話を行うSUナースコール処理プログラム、および、撮像部11で生成した動画を、その動画を要求した端末装置SP、TAへストリーミングで配信するSUストリーミング処理プログラム等が含まれる。前記各種の所定のデータには、自機の、センサ装置SUを特定し識別するための識別子であるセンサ識別子(センサID)、および、管理サーバ装置SVの通信アドレス等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。SU記憶部16は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。そして、SU記憶部16は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆるSU制御処理部14のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。
【0028】
SU制御処理部14は、センサ装置SUの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、被監視者Obにおける所定の行動を画像に基づいて検知してその検知結果を前記画像と共に管理サーバ装置SVへ報知し、ナースコールを受け付けてその旨を管理サーバ装置SVへ通知し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、そして、動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAへ動画を配信するための回路である。SU制御処理部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。SU制御処理部14は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、センサ側制御部(SU制御部)141、行動検知処理部142、センサ側ナースコール処理部(SUナースコール処理部)143およびセンサ側ストリーミング処理部(SUストリーミング処理部)144を機能的に備える。
【0029】
SU制御部141は、センサ装置SUの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUの全体制御を司るものである。
【0030】
行動検知処理部142は、被監視者Obにおける、予め設定された所定の行動を画像に基づいて検知して前記画像と共に管理サーバ装置SVへ報知するものである。より具体的には、本実施形態では、前記所定の行動は、例えば、被監視者Obが起きた起床、被監視者Obが寝具から離れた離床、被監視者Obが寝具から落ちた転落、および、被監視者Obが倒れた転倒の4つの行動である。行動検知処理部142は、例えば、撮像部11で撮像した対象画像に基づいて被監視者Obの頭部を検出し、この検出した被監視者Obの頭部における大きさの時間変化に基づいて被監視者Obの起床、離床、転倒および転落を検知する。より詳しくは、まず、寝具BTの所在領域、および、第1ないし第3閾値Th1〜TH3が前記各種の所定のデータの1つとして予めSU記憶部16が記憶される。前記第1閾値Th1は、寝具BTの所在領域内における横臥姿勢の頭部の大きさと座位姿勢の頭部の大きさとを識別するための閾値である。前記第2閾値Th2は、寝具BTの所在領域を除く居室RM内における立位姿勢の頭部の大きさであるか否かを識別するための閾値である。前記第3閾値Th3は、寝具BTの所在領域を除く居室RM内における横臥姿勢の頭部の大きさであるか否かを識別するための閾値である。そして、行動検知処理部142は、まず、対象画像から例えば背景差分法やフレーム差分法によって被監視者Obの人体領域として動体領域を抽出する。次に、行動検知処理部142は、この抽出した動体領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、また例えば予め用意された頭部のモデルを用いたパターンマッチングによって、また例えば頭部検出用に学習したニューラルネットワークによって、被監視者Obの頭部領域を抽出する。そして、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置および大きさから起床、離床、転倒および転落を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置が寝具BTの所在領域内であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第1閾値Th1を用いることによって横臥姿勢の大きさから座位姿勢の大きさへ時間変化した場合には、起床と判定し、前記起床を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置が寝具BTの所在領域内から寝具BTの所在領域外へ時間変化した場合であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第2閾値Th2を用いることによって或る大きさから立位姿勢の大きさへ時間変化した場合には、離床と判定し、前記離床を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置が寝具BTの所在領域内から寝具BTの所在領域外へ時間変化した場合であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第3閾値Th3を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへ時間変化した場合には、転落と判定し、前記転落を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置が寝具BTの所在領域を除く居室RM内であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第3閾値Th1を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへ時間変化した場合には、転倒と判定し、前記転倒を検知する。このように前記所定の行動を検知すると、行動検知処理部142は、この検知結果とこの検知結果を得る際に用いられた前記対象画像とを、SU通信IF部15で管理サーバ装置SVへ報知する。より詳しくは、行動検知処理部142は、自機のセンサID、検知結果(本実施形態では、起床、離床、転落および転倒のうちの1または複数)、前記所定の行動の検知に用いられた対象画像を収容した通信信号(第1監視情報通信信号)を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。前記画像は、静止画および動画のうちの少なくとも一方であって良く、本実施形態では、後述するように、まず、静止画が報知され、ユーザの要求に応じて動画が配信される。なお、まず、動画が配信されても良く、また、静止画および動画が送信され、画面分割で静止画および動画が端末装置SP、TAに表示されても良い。
【0031】
SUナースコール処理部143は、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた場合にその旨を管理サーバ装置SVへ通報し、SU音入出力部12等を用いることで端末装置SP、TAとの間で音声通話を行うものである。より具体的には、SUナースコール処理部143は、ナースコール受付操作部13が入力操作されると、ナースコールを受け付けた旨を表すナースコール受付情報および自機のセンサIDを収容した通信信号(ナースコール通報通信信号)を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。そして、SUナースコール処理部143は、SU音入出力部12等を用い、端末装置SP、TAとの間で例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)によって音声通話を行う。
【0032】
SUストリーミング処理部144は、通信IF部3を介して固定端末装置SPまたは携帯端末装置TAから動画の配信の要求があった場合に、この要求のあった固定端末装置SPまたは携帯端末装置TAへ、撮像部11で生成した動画(例えばライブの動画)をストリーミング再生でSU通信IF部15を介して配信するものである。
【0033】
図1には、一例として、4個の第1ないし第4センサ装置SU−1〜SU−4が示されており、第1センサ装置SU−1は、被監視者Obの一人であるAさんOb−1の居室RM−1(不図示)に配設され、第2センサ装置SU−2は、被監視者Obの一人であるBさんOb−2の居室RM−2(不図示)に配設され、第3センサ装置SU−3は、被監視者Obの一人であるCさんOb−3の居室RM−3(不図示)に配設され、そして、第4センサ装置SU−4は、被監視者Obの一人であるDさんOb−4の居室RM−4(不図示)に配設されている。
【0034】
管理サーバ装置SVは、ネットワークNWを介して他の装置SU、SP、TAと通信する通信機能等を備え、センサ装置SUから前記検知結果の報知を受信すると被監視者Obに対する監視に関する情報(監視情報)を管理し、前記検知結果を所定の端末装置SP、TAへ報知(再報知、転送、送信)し、クライアント(本実施形態では端末装置SP、TA等)の要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視システムMS全体を管理する装置である。本実施形態における管理サーバ装置SVは、前記検知による報知(前記検知結果の報知)を除いた処理であって、複数のセンサ装置SUそれぞれから取得される複数の画像を順次に所定の端末装置SP、TAへ報知する画像見回り処理を実行する。この画像見回り処理を実行する際に、本実施形態における管理サーバ装置SVは、前記複数のセンサ装置SUそれぞれから取得される前記複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置SUのセンサIDに対応付けられた画像送信履歴情報に基づいて報知の許否を判定してその判定結果に応じて当該画像を前記所定の端末装置へ報知する。このような管理サーバ装置SVは、例えば、
図3に示すように、サーバ側通信インターフェース部(SV通信IF部)21と、サーバ側制御処理部(SV制御処理部)22と、サーバ側記憶部(SV記憶部)23とを備える。
【0035】
SV通信IF部21は、SU通信IF部15と同様に、SV制御処理部22に接続され、SV制御処理部22の制御に従って通信を行うための通信回路である。SV通信IF部21は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0036】
SV記憶部23は、SV制御処理部22に接続され、SV制御処理部22の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSV制御プログラムや、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するSV監視処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記SV監視処理プログラムには、センサ装置SUから前記検知結果の報知を受信すると被監視者Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記検知結果を所定の端末装置SP、TAへ報知するSV監視処理プログラムや、前記検知による報知(前記検知結果の報知)を除いた処理であって、複数のセンサ装置SUそれぞれから取得される複数の画像を順次に前記所定の端末装置SP、TAへ報知する画像見回り処理を実行する画像見回り処理プログラムや、前記所定の端末装置SP、TAへ画像を送信した場合に、その画像の送信に関する画像送信履歴情報を後述の画像送信履歴情報記憶部233に記憶する画像送信履歴情報記憶処理プログラムや、時刻を測る時計プログラム等が含まれる。なお、この画像送信履歴情報記憶処理プログラムにおける、前記所定の端末装置SP、TAへ画像を送信した場合には、前記SV監視処理プログラムが後述のように画像を送信する場合や、前記画像見回り処理プログラムが画像を送信する場合等が含まれる。前記各種の所定のデータには、自機の、管理サーバ装置SVを特定し管理サーバ装置SVを識別するための識別子であるサーバ識別子(サーバID)や、被監視者Obに対する監視に関する監視情報や、前記検知結果の報知先等の装置SU、SP、TA間の情報を表す装置間情報や、画像の送信に関する画像送信履歴情報等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。これら監視情報、装置間情報および画像送信履歴情報それぞれを記憶するために、SV記憶部23は、サーバ側監視情報記憶部(SV監視情報記憶部)231、装置間情報記憶部232および画像送信履歴情報記憶部233を機能的に備える。
【0037】
SV監視情報記憶部231は、前記監視情報として、本実施形態では、センサ装置SUから受信した第1監視情報通信信号に収容されたセンサID、検知結果および画像(前記対象画像)、ならびに、当該第1監視情報通信信号の受信時刻等を互いに対応付けて記憶するものである。そして、本実施形態では、SV監視情報記憶部231は、前記画像見回り処理プログラムによってセンサ装置SUから受信した画像、この画像を受信した前記センサ装置SUのセンサID、および、この画像の受信時刻や、センサ装置SUから受信したナースコール通報通信信号に収容されたナースコール受付情報、センサIDおよび当該ナースコール通報通信信号の受信時刻等の、被監視者Obの監視に関し、各装置SU、SP、TAそれぞれとの間で送受信した被監視者Obの監視情報を記憶する。
【0038】
装置間情報記憶部232は、前記装置間情報として、本実施形態では、通報先対応関係や通信アドレス対応関係等を記憶するものである。前記通報先対応関係は、センサ装置SUから送信された第1監視情報通信信号やナースコール通報通信信号等の報知先(再報知先、転送先、送信先)を示す、送信元であるセンサIDと報知先である端末IDとの対応関係である。前記通信アドレス対応関係は、各装置SU、SP、TAのID(センサID、端末ID)とその通信アドレスとの対応関係である。前記端末ID(端末識別子)は、端末装置SP、TAを特定し端末装置SP、TAを識別するための識別子である。なお、センサID、サーバIDおよび端末IDそれぞれは、例えば所定の記号列から成るシリアル番号等であって良く、また例えば通信アドレスであって良い(この場合通信アドレス対応関係は省略できる)。前記通報先対応関係は、本実施形態では、後述するように、画像見回り処理によってセンサ装置SUから受信した画像の通知先(見回り画像通知通信信号の送信先)の決定にも利用される(前記画像を受信したセンサ装置SUのセンサIDに対応する端末IDが通知先(送信先)となる)。
【0039】
画像送信履歴情報記憶部233は、前記画像送信履歴情報を記憶するものである。本実施形態では、前記画像送信履歴情報は、所定の端末装置SP、TAへ送信した画像の送信履歴を、この画像を取得したセンサ装置SUのセンサIDに対応付けた情報である。
【0040】
このような画像送信履歴情報は、本実施形態では、テーブル形式で画像送信履歴情報記憶部233に記憶される。より具体的には、画像送信履歴情報テーブルLTは、例えば、
図4に示すように、前記画像を端末装置SP、TAへ送信した送信時刻を登録する送信時刻フィールド2331と、前記画像を送信した前記端末装置SP、TAの端末IDを登録する送信先端末装置フィールド2332と、前記画像を受信(取得)したセンサ装置SUのセンサIDを登録する取得センサ装置フィールド2333と、前記画像のファイルネームを登録するファイルネームフィールド2334と、前記画像に関する備考を登録する備考フィールド2335とを備え、画像見回り処理で端末装置SP、TAへ前記画像を送信するごとにレコードを備える。前記備考フィールド2335には、適宜な任意の情報(データ)が登録される。例えば、画像の送信の原因が登録され、前記画像の送信の原因が前記検知結果の報知に伴う画像の送信である場合には、前記備考フィールド2335には、「検知」が登録され、前記画像の送信の原因が画像見回り処理による画像の送信である場合には、前記備考フィールド2335には、「見回り」が登録される。
【0041】
例えば、
図4に示す例では、1行目のレコードにおいて、送信時刻フィールド2331には、「06:10」が登録され、送信先端末装置フィールド2332には、「TA−1」が登録され、取得センサ装置フィールド2333には、「SU−1」が登録され、ファイルネームフィールド2334には、「SU1001.jpg」が登録され、備考フィールド2335には、「検知」が登録されている。
【0042】
なお、送信先端末装置フィールド2332に登録される端末IDは、前記通報先対応関係によってセンサIDと対応付けられているので、送信先端末装置フィールド2332は、省略されても良い。
【0043】
SV制御処理部22は、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUから前記検知結果の報知を受信すると被監視者Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記検知結果を所定の端末装置SP、TAへ報知し、クライアントの要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、画像見回り処理に従って画像を所定の端末装置SP、TAへ通知し、被監視者監視システムMS全体を管理するための回路である。SV制御処理部22は、例えば、CPUおよびその周辺回路を備えて構成される。SV制御処理部22は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、サーバ側制御部(SV制御部)221、サーバ側監視処理部(SV監視処理部)222、画像見回り処理部223、画像送信履歴情報記憶処理部224および時計部225を機能的に備える。
【0044】
SV制御部221は、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、管理サーバ装置SVの全体制御を司るものである。
【0045】
SV監視処理部222は、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するものである。より具体的には、SV監視処理部222は、センサ装置SUから前記第1監視情報通信信号を受信した場合に、この受信した第1監視情報通信信号に収容された、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をSV監視情報記憶部231に記憶(記録)する。SV監視処理部222は、前記受信した第1監視情報通信信号を送信したセンサ装置SUに対応する通報先(再通報先、転送先、送信先)を装置間情報記憶部232に記憶された前記通報先対応関係から選定(検索)し、この選定した端末装置SP、TAへ第2監視情報通信信号を送信する。この選定(検索処理)は、前記受信した第1監視情報通信信号を送信したセンサ装置SUに対応するセンサIDに基づいて実施される。前記第2監視情報通信信号には、第1監視情報通信信号に収容されたセンサID、検知結果および画像、ならびに、動画のダウンロード先として、第1監視情報通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUに対応する通信アドレスが収容される。この通信アドレスは、前記受信した第1監視情報通信信号を送信したセンサ装置SUに対応するセンサIDに基づいて通信アドレス対応関係から選定(検索)される。SV監視処理部222は、センサ装置SUからナースコール通報通信信号を受信した場合に、この受信したナースコール通報通信信号に収容された、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をSV監視情報記憶部231に記憶(記録)する。SV監視処理部222は、前記受信したナースコール通報通信信号を送信したセンサ装置SUに対応する通報先(再通報先、転送先、送信先)を装置間情報記憶部232に記憶された前記通報先対応関係から選定(検索)し、この選定した端末装置SP、TAへナースコール通報通信信号を転送する。
【0046】
画像見回り処理部223は、前記検知による報知(前記検知結果の報知、すなわち、前記第1監視情報通信信号の受信に因る第2監視情報通信信号の送信)を除いた処理であって、前記複数のセンサ装置それぞれから取得される複数の画像を順次に前記端末装置へ報知する画像見回り処理を実行するものである。より具体的には、画像見回り処理部223は、センサ装置SUに画像を生成させてセンサ装置SUから前記画像を通信IF部21で取得し、この画像を取得したセンサ装置SUのセンサIDに対応する通知先(通報先)を装置間情報記憶部232に記憶された前記通報先対応関係から選定(検索)し、この選定した端末装置SP、TAへ見回り画像通知通信信号を送信する。前記見回り画像通知通信信号には、前記画像、前記画像を取得したセンサ装置SUのセンサID、および、動画のダウンロード先として、前記画像を取得したセンサ装置SUに対応する通信アドレスが収容される。そして、このような処理を、画像見回り処理部223は、全てのセンサ装置SUについて実行する。ここで、この画像見回り処理を実行する際に、画像見回り処理部223は、前記複数のセンサ装置SUそれぞれから順次に取得される複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置SUのセンサIDに対応付けられた、画像送信履歴情報記憶部233に記憶された画像送信履歴情報に基づいて報知の許否を判定し、その判定結果(第1判定結果)に応じて当該画像を前記送信先の端末装置SP、TAへ報知する。この報知の許否の判定では、例えば、当該画像が取得されるセンサ装置SUのセンサIDに対応付けられた画像送信履歴情報において、前回、画像を送信した時刻からの経過時間が、予め設定された送信許否判定閾値(例えば、5分、10分、20分、30分等)以下である場合には、画像見回り処理部223は、前記報知を許可しないと判定し、前記経過時間が前記送信許否判定閾値を越えている場合には、画像見回り処理部223は、前記報知を許可すると判定する。
【0047】
例えば、一態様では、画像見回り処理部223は、予め設定された所定の時刻に、前記画像見回り処理を実行する。好ましくは、前記所定の時刻は、所定の時間間隔(例えば、30分、1時間、3時間、6時間等)ごとの時刻であり、画像見回り処理部223は、当該画像が取得されるセンサ装置SUのセンサIDに対応付けられた画像送信履歴情報において、前回、画像を送信した時刻からの経過時間が前記所定の時間間隔の半分以下である場合には、前記報知を許可しないと判定し、前記経過時間が前記所定の時間間隔の半分を越えている場合には、前記報知を許可すると判定する。また好ましくは、前記所定の時刻は、毎正時である。なお、正時は、例えば1時ちょうど(1時零分零秒)や2時ちょうど(2時零分零秒)等のように、分および秒に端数のつかない時刻である。このような態様では、設定時刻に自動的に前記画像見回り処理が実行できる。
【0048】
また、例えば、他の一態様では、画像見回り処理部223は、画像見回り処理の実行を要求する通信信号(画像見回り処理要求通信信号)を端末装置SP、TAから受信した場合に、前記画像見回り処理を実行する。このような態様では、前記端末装置SP、TAのユーザ(監視者)における要求に応じて前記画像見回り処理が実行できる。
【0049】
そして、画像見回り処理部223は、前記判定結果(前記第1判定結果)が前記報知の許可である場合に、さらに、当該画像が被監視者Obの像を含むか否かを判定し、その第2判定結果に応じて当該画像を前記所定の端末装置SP、TAへ報知する。この画像が被監視者Obの像を含むか否かの判定では、画像見回り処理部223は、例えば、背景差分法やフレーム差分法によって動体領域を抽出する処理を前記画像に対して実行し、この処理の結果、動体領域を含む場合には、前記画像が被監視者Obの像を含むと判定し、動体領域を含まない場合には、前記画像が被監視者Obの像を含まないと判定する。また例えば、撮像部11は、前記画像としてサーモグラフィー(熱分布画像)を生成するサーモグラフィー装置であって、画像見回り処理部223は、前記対象領域のサーモグラフィーに、人間の体温に相当する所定の温度範囲以内(例えば35℃〜40℃の範囲等)の領域が存在するか否かを判定し、前記所定の温度範囲以内の領域が存在する場合には、前記サーモグラフィーが被監視者Obの像を含むと判定し、前記所定の温度範囲以内の領域が存在しない場合には、前記サーモグラフィーが被監視者Obの像を含まないと判定する。
【0050】
画像送信履歴情報記憶処理部224は、端末装置SP、TAへ画像を送信した場合に、その画像送信履歴情報を画像送信履歴情報記憶部233に記憶するものである。より具体的には、本実施形態では、画像送信履歴情報記憶処理部224は、この送信した画像における、送信時刻、送信先の端末装置SP、TAの端末ID、取得先のセンサ装置SUのセンサID、ファイルネームおよび備考それぞれを、画像送信履歴情報テーブルLTに新たに追加したレコードにおける送信時刻フィールド2331、送信先端末装置フィールド2332、取得センサ装置フィールド2333、ファイルネームフィールド2334および備考フィールド2335それぞれに登録する。
【0051】
時計部225は、時分の時刻を測るものである。なお、時計部は、送信時刻フィールド2331に登録される送信時刻に応じて、さらに、曜日や、日付を測っても良い。
【0052】
なお、管理サーバ装置SVは、
図3に破線で示すように、必要に応じて、さらに、SV制御処理部22に接続され例えば各種コマンドや各種データ等を入力するサーバ側入力部(SV入力部)24、SV入力部24で入力された各種コマンドや各種データおよび被監視者Obに対する監視に関する監視情報等を出力するサーバ側出力部(SV出力部)25、および、外部機器との間でデータの入出力を行うサーバ側インターフェース部(SVIF部)26等を備えても良い。
【0053】
このような管理サーバ装置SVは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0054】
固定端末装置SPは、ネットワークNWを介して他の装置SU、SV、TAと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、および、所定の指示やデータを入力する入力機能等を備え、管理サーバ装置SVや携帯端末装置TAに与える所定の指示やデータを入力したり、センサ装置SUで得られた監視情報を表示したり等することによって、被監視者監視システムMSのユーザインターフェース(UI)として機能する機器である。このような固定端末装置SPは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。なお、前記端末装置の一例としての固定端末装置SPは、携帯端末装置TAと同様に動作するが、本明細書では、前記端末装置の他の一例である携帯端末装置TAについて説明される。
【0055】
携帯端末装置TAは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、SUと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、所定の指示やデータを入力する入力機能、および、音声通話を行う通話機能等を備え、管理サーバ装置SVやセンサ装置SUに与える所定の指示やデータを入力したり、管理サーバ装置SVからの報知によってセンサ装置SUで得られた監視情報(動画を含む)を表示したり、管理サーバ装置SVによる画像見回り処理でセンサ装置SUから得られた画像(見回り画像)を表示したり、管理サーバ装置SVへ画像見回り処理を要求したり、センサ装置SUとの間で音声通話によってナースコールの応答や声かけしたり等するための機器である。このような携帯端末装置TAは、本実施形態では、例えば、
図5に示すように、端末側通信インターフェース部(TA通信IF部)31と、端末側制御処理部(TA制御処理部)32と、端末側記憶部(TA記憶部)33と、端末側音入出力部(TA音入出力部)34と、端末側入力部(TA入力部)35と、端末側表示部(TA表示部)36と、端末側インターフェース部(TAIF部)37とを備える。
【0056】
TA音入出力部34は、TA制御処理部32に接続され、外部の音を取得して携帯端末装置TAに入力するための回路であって、TA制御処理部32の制御に従って音を表す電気信号に応じた音を生成して出力するための回路である。TA音入出力部34は、SU音入出力部12と同様に、例えば、音響振動を電気信号に変換するマイクロホン等と、音の電気信号を音の音響振動に変換するスピーカ等とを備えて構成される。TA音入出力部34は、外部の音を表す電気信号をTA制御処理部32へ出力し、また、TA制御処理部32から入力された電気信号を音の音響振動に変換して出力する。
【0057】
TA入力部35は、TA制御処理部32に接続され、例えば、所定の操作を受け付け、携帯端末装置TAに入力する回路であり、例えば、所定の機能を割り付けられた複数の入力スイッチ等である。前記所定の操作には、例えば、ログインするためのIDの入力操作や、画像見回り処理の要求操作や、音声通話の要求操作およびその終了操作や、ライブでの動画の要求操作およびその終了操作や、前記報知された被監視者Obに対する前記検知結果の対応の意思がある旨の入力操作等の、監視する上で必要な各種操作等が含まれる。TA表示部36は、TA制御処理部32に接続され、TA制御処理部32の制御に従って、TA入力部35から入力された所定の操作内容や、被監視者監視システムMSによって監視されている被監視者Obに対する監視に関する前記監視情報(例えばセンサ装置SUで検知した所定の行動の種類や被監視者Obの画像(静止画および動画)等)や、画像見回り処理でセンサ装置SUから得られた画像(見回り画像)や、ナースコールの受付等を表示する回路であり、例えばLCD(液晶ディスプレイ)および有機ELディスプレイ等の表示装置である。本実施形態では、TA入力部35およびTA表示部36からタッチパネルが構成されている。この場合において、TA入力部35は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力デバイスである。このタッチパネルでは、TA表示部36の表示面上に位置入力デバイスが設けられ、TA表示部36に入力可能な1または複数の入力内容の候補が表示され、例えば看護師や介護士等のユーザ(監視者)が、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、位置入力デバイスによってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として携帯端末装置TAに入力される。
【0058】
TAIF部37は、TA制御処理部32に接続され、TA制御処理部32の制御に従って、外部機器との間でデータの入出力を行う回路であり、例えば、Bluetooth(登録商標)規格を用いたインターフェース回路、IrDA規格等の赤外線通信を行うインターフェース回路、および、USB規格を用いたインターフェース回路等である。
【0059】
TA通信IF部31は、SU通信IF部15と同様に、TA制御処理部32に接続され、TA制御処理部32の制御に従って通信を行うための通信回路である。TA通信IF部31は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0060】
TA記憶部33は、TA制御処理部32に接続され、TA制御処理部32の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、携帯端末装置TAの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するTA制御プログラムや、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するTA監視処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記TA監視処理プログラムには、管理サーバ装置SVから検知結果の報知を受信すると被監視者Obに対する監視に関する監視情報を記憶(記録)し、管理サーバ装置SVから見回り画像の通知を受信するとこの通知された見回り画像を記憶(記録)し、TA入力部35から画像見回り処理の要求操作を受け付けると後述の画像見回り処理要求通信信号を管理サーバ装置SVへ通知するTA監視処理プログラムや、TA音入出力部12等を用いることでセンサ装置SUとの間で音声通話を行うTAナースコール処理プログラムや、センサ装置SUから動画の配信を受け、前記配信を受けた動画をストリーミング再生でTA表示部36に表示するストリーミング処理プログラム等が含まれる。前記各種の所定のデータでは、自機の端末ID、TA表示部36に表示される画面情報、通知を受けた見回り画像、および、被監視者Obに対する監視に関する前記監視情報等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。この監視情報を記憶するために、TA記憶部33は、端末側監視情報記憶部(TA監視情報記憶部)331を機能的に備える。
【0061】
TA監視情報記憶部331は、前記監視情報として、本実施形態では、管理サーバ装置SVから受信した第2監視情報通信信号に収容されたセンサID、検知結果、画像および動画のダウンロード先のセンサ装置SUの通信アドレス、ならびに、当該第2監視情報通信信号の受信時刻等を互いに対応付けて記憶するものである。本実施形態では、TA監視情報記憶部331は、被監視者Obの監視に関し、各装置SU、SV、TAそれぞれとの間で送受信した被監視者Obの監視情報を記憶する。この監視情報には、例えば、管理サーバ装置SVから受信した見回り画像通知通信信号に収容されたセンサID、画像および動画のダウンロード先のセンサ装置SUの通信アドレス、ならびに、当該見回り画像通知通信信号の受信時刻や、センサ装置SUから管理サーバ装置SVを介して受信したナースコール通報通信信号に収容されたナースコール受付情報およびセンサID、ならびに、当該ナースコール通報通信信号の受信時刻等が含まれる。
【0062】
TA制御処理部32は、携帯端末装置TAの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、被監視者Obに対する前記監視情報を受けて表示し、見回り画像の通知を受けて表示し、画像見回り処理の要求を受け付けて管理サーバ装置SVへ送信し、ナースコールの応答や声かけするための回路である。TA制御処理部32は、例えば、CPUおよびその周辺回路を備えて構成される。TA制御処理部32は、制御処理プログラムが実行されることによって、端末側制御部(TA制御部)321、端末側監視処理部(TA監視処理部)322、端末側ナースコール処理部(TAナースコール処理部)323および端末側ストリーミング処理部(TAストリーミング処理部)324を機能的に備える。
【0063】
TA制御部321は、携帯端末装置TAの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、携帯端末装置TAの全体制御を司るものである。
【0064】
TA監視処理部322は、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するものである。より具体的には、TA監視処理部322は、管理サーバ装置SVから第2監視情報通信信号を受信した場合に、この受信した第2監視情報通信信号に収容された各情報(各データ)に基づき、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をTA監視情報記憶部331に記憶(記録)する。TA監視処理部322は、前記受信した第2監視情報通信信号に収容された各情報に応じた画面をTA表示部36に表示する。TA監視処理部322は、管理サーバ装置SVから見回り画像通知通信信号を受信した場合に、この受信した見回り画像通知通信信号に収容された各情報(各データ)に基づき、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をTA監視情報記憶部331に記憶(記録)する。TA監視処理部322は、前記受信した見回り画像通知通信信号に収容された各情報に応じた画面をTA表示部36に表示する。そして、TA監視処理部322は、TA入力部35から所定の入力操作を受け付けると、その入力操作に応じた所定の処理を実行する。
【0065】
TAナースコール処理部323は、TA音入出力部34等を用いることでセンサ装置SUとの間で音声通話を行うものである。より具体的には、TAナースコール処理部323は、TA音入出力部34等を用い、ナースコール通報通信信号を管理サーバ装置SVへ送信した送信元のセンサ装置SUとの間で例えばVoIPによって音声通話を行う。
【0066】
TAストリーミング処理部324は、センサ装置SUから動画の配信を受け、前記配信を受けた動画をストリーミング再生でTA表示部36に表示するものである。
【0067】
このような携帯端末装置TAは、例えば、いわゆるタブレット型コンピュータやスマートフォンや携帯電話機等の、持ち運び可能な通信端末装置によって構成可能である。
【0068】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図6は、実施形態の被監視者監視システムにおける管理サーバ装置の動作を示すフローチャートである。
図7は、
図6に示すフローチャートにおける画像見回り処理の動作を示すフローチャートである。
図8は、実施形態の被監視者監視システムにおける携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。
図9は、実施形態の被監視者監視システムにおける携帯端末装置に表示される待受け画面の一例を示す図である。
図10は、実施形態の被監視者監視システムにおける携帯端末装置に表示される監視情報画面の一例を示す図である。
図11は、実施形態の被監視者監視システムにおける携帯端末装置に表示される見回り画像画面の一例を示す図である。
図12は、実施形態の被監視者監視システムにおける携帯端末装置に表示される監視設定メニュー画面の一例を示す図である。
【0069】
このような被監視者監視システムMSでは、各装置SU、SV、SP、TAは、電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。センサ装置SUでは、その制御処理プログラムの実行によって、SU制御処理部14には、SU制御部141、行動検知処理部142、SUナースコール処理部143およびSUストリーミング処理部144が機能的に構成される。管理サーバ装置SVでは、その制御処理プログラムの実行によって、SV制御処理部22には、SV制御部221、SV監視処理部222、画像見回り処理部223、画像送信履歴情報記憶処理部224および時計部225が機能的に構成される。携帯端末装置TAでは、その制御処理プログラムの実行によって、TA制御処理部32には、TA制御部321、TA監視処理部322、TAナースコール処理部323およびTAストリーミング処理部324が機能的に構成される。
【0070】
管理サーバ装置SVは、その稼働を始めると、まず、
図6において、SV制御処理部22のSV制御部221によって、画像見回り処理を実行すべき所定の時刻になったか否かを判定する(S11)。より具体的には、SV制御部221は、時計部225から現在時刻を読み出し、この読み出した現在時刻が前記所定の時刻になったか否かを判定する。この判定の結果、前記現在時刻が前記所定の時刻になっている場合(Yes)には、SV制御部221は、次の処理S14を実行し、一方、前記現在時刻が前記所定の時刻になっていない場合(No)には、SV制御部221は、次の処理S12を実行する。なお、時計部225は、計時中にその現在時刻が前記所定の時刻になった場合に、前記現在時刻が前記所定の時刻になった旨をSV制御部221へ通知しても良い。SV制御部221は、この通知によって前記現在時刻が前記所定の時刻になっていると判定できる。
【0071】
処理S12では、管理サーバ装置SVは、SV制御部221によって、SV通信IF部21で通信信号を受信したか否かを判定する。この判定の結果、通信信号を受信していない場合(No)には、管理サーバ装置SVは、処理をS11に戻し、前記判定の結果、通信信号を受信している場合(Yes)には、管理サーバ装置SVは、次の処理S13を実行する。
【0072】
処理S13では、管理サーバ装置SVは、SV制御部221によって、この受信した通信信号の種類を判定する。この判定の結果、管理サーバ装置SVは、前記受信した通信信号が画像見回り処理要求通信信号である場合(画像見回り処理要求通知)には、処理S14を実行し、前記受信した通信信号が第1監視情報通信信号である場合(第1監視情報)には、処理S15を実行し、そして、前記受信した通信信号がこれら画像見回り処理要求通信信号および第1監視情報通信信号ではない場合(その他)には、処理S17を実行する。
【0073】
なお、携帯端末装置TAによる画像見回り処理要求通信信号の送信については、
図8および
図12を用いて後述する。
【0074】
一方、第1監視情報通信信号は、センサ装置SUの大略、次の動作によって送信される。すなわち、センサ装置SUは、所定のサンプリング周期で撮像部11によって撮像対象の画像を生成し、行動検知処理部142によって、この画像に基づいて被監視者Obにおける所定の行動(状態、状況)を検知する検知処理を実行し、この結果、被監視者Obにおける前記所定の行動(例えば、本実施形態では起床、離床、転落および転倒)を検知すると、行動検知処理部142によって、自機のセンサID、前記検知結果、前記所定の行動の検知に用いられた前記画像を収容した第1監視情報通信信号を生成し、この生成した第1監視情報通信信号をSU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。なお、複数のセンサ装置SUそれぞれは、同様に動作している。
【0075】
処理S14では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22の画像見回り処理部223によって、画像見回り処理を実行し、その後、処理S18を実行する。この画像見回り処理の動作については、後述する。
【0076】
処理S15では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22のSV監視処理部222によって、第1監視情報の処理を実行する。より具体的には、SV監視処理部222は、前記処理S12で受信した第1監視情報通信信号に収容された、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をSV監視情報記憶部231に記憶(記録)する。なお、SV監視処理部222は、前記処理S12で受信した第1監視情報通信信号に収容された画像に適宜なファイルネームを付してSV記憶部23に記憶する。そして、SV監視処理部222は、前記処理S12で受信した第1監視情報通信信号を送信したセンサ装置SUに対応する通報先の端末装置SP、TAへ、第1監視情報通信信号に収容されたセンサID、検知結果および画像、ならびに、動画のダウンロード先として、第1監視情報通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUに対応する通信アドレスを収容した第2監視情報通信信号を送信する。これによって被監視者Obにおける所定の行動が、センサ装置SUから管理サーバ装置SVを介して端末装置SP、TAに報知され、そして、端末装置SP、TAを介して例えば看護師や介護士等の監視者に報知される。
【0077】
上述の処理S15の次に、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22の画像送信履歴情報記憶処理部224によって、前記処理S15で前記第2監視情報通信信号によって送信された画像(すなわち、前記第2監視情報通信信号に収容された前記画像、言い換えれば、前記処理S12で受信した第1監視情報通信信号に収容された前記画像)における画像送信履歴情報を画像送信履歴情報記憶部233に記憶し(S16)、その後、処理S18を実行する。より具体的には、本実施形態では、画像送信履歴情報記憶処理部224は、送信時刻として時計部225から現在時刻を取得し、この取得した現在時刻、前記処理S15で送信した第2監視情報通信信号における送信先の端末装置SP、TAの端末ID、前記処理S15で送信した第2監視情報通信信号に収容されたセンサID(すなわち、前記処理S12で受信した第1監視情報通信信号に収容されたセンサID)、前記処理S15で付したファイルネームおよび適宜な備考それぞれを、画像送信履歴情報テーブルLTに新たに追加したレコードにおける送信時刻フィールド2331、送信先端末装置フィールド2332、取得センサ装置フィールド2333、ファイルネームフィールド2334および備考フィールド2335それぞれに登録する。
【0078】
前記処理S17では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、処理S12で受信した通信信号に応じた適宜な処理を実行し、その後、処理S18を実行する。
【0079】
処理S18では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、その稼働が終了(停止)か否かを判定する。この判定の結果、稼働の終了(停止)である場合(Yes)には、管理サーバ装置SVは、本処理を終了し、一方、稼働の終了(停止)ではない場合(No)には、管理サーバ装置SVは、処理を処理S11に戻す。なお、この処理S18で処理を処理S11に戻す前に、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、所定の時間だけ待機(Wait処理)しても良い。前記所定の時間は、上述の処理S11ないし処理S17の各処理を繰り返す繰り返し間隔であり、例えば1秒、5秒、10秒等の適宜な時間に設定される。
【0080】
次に、上述の処理S14で実行される画像見回り処理の動作について、説明する。この画像見守り処理では、管理サーバ装置SVは、複数のセンサ装置SUそれぞれに対し、
図7に示す処理S141ないし処理S145の各処理を、順次に実行する。
【0081】
すなわち、
図7に示す処理S141ないし処理S145の各処理を、前記複数のセンサ装置SUの中で最初に実行すべきセンサ装置SU(例えば第1センサ装置SU−1)について、まず、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22の画像見回り処理部223によって、このセンサ装置SUのセンサIDに対応付けられた、画像送信履歴情報記憶部233に記憶された画像送信履歴情報に基づいて送信の許否を判定する(S141)。より具体的には、画像見回り処理部223は、前記センサ装置SUのセンサIDに対応付けられた画像送信履歴情報において、前回、前記センサ装置SUから取得した画像を送信した送信時刻からの経過時間が、予め設定された送信許否判定閾値以下であるか否かを判定する。より詳しくは、画像見回り処理部223は、まず、画像送信履歴情報記憶部233に記憶されている画像送信履歴情報テーブルLTから、前記センサ装置SUのセンサIDを、取得センサ装置フィールド2333に登録しているレコードを選定(検索)する。なお、画像見回り処理部223は、前記センサ装置SUのセンサIDに対応する送信先の端末IDを前記通報先対応関係から選定し、この選定した端末IDおよび前記センサ装置SUのセンサIDそれぞれを、送信先端末装置フィールド2332および取得センサ装置フィールド2333それぞれに登録しているレコードを選定しても良い。次に、画像見回り処理部223は、この選定したレコードの中から直近の送信時刻(現在時刻に最も近い送信時刻)を、送信時刻フィールド2331に登録しているレコードを選定し、この選定したレコードの送信時刻フィールド2331に登録している送信時刻を読み出す。そして、画像見回り処理部223は、この読み出した送信時刻からの経過時間が、前記送信許否判定閾値以下であるか否かを判定する。この判定の結果、前記経過時間が前記送信許否判定閾値以下である場合には、画像見回り処理部223は、前記送信を許可しないと判定し(No)、処理S146を実行する。したがって、この場合では、前記センサ装置SUから取得されるべき画像は、所定の端末装置SP、TAへ送信されない。一方、前記判定の結果、前記経過時間が前記送信許否判定閾値を越えている場合には、画像見回り処理部223は、前記送信を許可すると判定し(Yes)、処理S142を実行する。
【0082】
処理S142では、管理サーバ装置SVは、画像見回り処理部223によって、前記センサ装置SUに画像を生成させ、この生成させた画像を前記センサ装置SUから取得する。画像見回り処理部223は、この取得した画像に適宜なファイルネームを付してSV記憶部23に記憶する。
【0083】
この処理S142の次に、管理サーバ装置SVは、画像見回り処理部223によって、この取得した画像が被監視者Obの像を含むか否かを判定し、被監視者Obが居室RMに居るか否かを判定する(S143)。より具体的には、画像見回り処理部223は、例えば、背景差分法やフレーム差分法によって動体領域を抽出する処理を前記取得した画像に対して実行し、この処理の結果、動体領域を含む場合には、前記画像が被監視者Obの像を含むと判定し(被監視者Obが居室RMに居ると判定し)(Yes)、処理S144を実行し、前記処理の結果、動体領域を含まない場合には、前記画像が被監視者Obの像を含まないと判定し、(被監視者Obが居室RMに居ないと判定し)(No)、処理S146を実行する。したがって、前記画像が被監視者Obの像を含まないと判定された場合(No)には、前記センサ装置SUから取得した前記画像は、所定の端末装置SP、TAへ送信されない。
【0084】
処理S144では、管理サーバ装置SVは、画像見回り処理部223によって、見回り画像通知通信信号を生成し、この生成した見回り画像通知通信信号を送信する。より具体的には、画像見回り処理部223は、前記センサ装置SUのセンサIDに対応する通知先(通報先)を装置間情報記憶部232に記憶された前記通報先対応関係から選定(検索)し、この選定した端末装置SP、TAへ、前記処理S142で取得した画像、前記画像を取得した前記センサ装置SUのセンサID、および、動画のダウンロード先として、前記画像を取得した前記センサ装置SUに対応する通信アドレスを収容した見回り画像通知通信信号を送信する。
【0085】
この処理S144の次に、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22の画像送信履歴情報記憶処理部224によって、前記処理S144で前記見回り画像通知通信信号によって送信された画像における画像送信履歴情報を画像送信履歴情報記憶部233に記憶し(S145)、その後、処理S146を実行する。より具体的には、本実施形態では、画像送信履歴情報記憶処理部224は、送信時刻として時計部225から現在時刻を取得し、この取得した現在時刻、前記処理S144で送信した見回り画像通知通信信号における送信先の端末装置SP、TAの端末ID、前記処理S144で送信した見回り画像通知通信信号に収容されたセンサID(すなわち、前記センサ装置SUのセンサID、言い換えれば、前記処理S142で画像を取得したセンサ装置SUのセンサID)、前記処理S142で付したファイルネームおよび適宜な備考それぞれを、画像送信履歴情報テーブルLTに新たに追加したレコードにおける送信時刻フィールド2331、送信先端末装置フィールド2332、取得センサ装置フィールド2333、ファイルネームフィールド2334および備考フィールド2335それぞれに登録する。
【0086】
そして、処理S146では、管理サーバ装置SVは、画像見回り処理部233によって、全てのセンサ装置SUについて、上述の処理S141ないし処理S145の各処理を実行したか否かを判定する。この判定の結果、全てのセンサ装置SUについて、上述の処理S141ないし処理S145の各処理を実行していない場合(No)には、次のセンサ装置SU(例えば、第2センサ装置SU−2)について、上述の処理S141ないし処理S145の各処理を実行すべく、画像見回り処理部233は、処理を処理S141に戻す。一方、判定の結果、全てのセンサ装置SUについて、上述の処理S141ないし処理S145の各処理を実行している場合(Yes)には、画像見回り処理部233は、本処理を終了する。なお、処理S146において、前記判定の結果、全てのセンサ装置SUについて、上述の処理S141ないし処理S145の各処理を実行していない場合(No)に、画像見回り処理部233は、携帯端末装置TAから後述の対応通知通信信号を受信した後に、処理を処理S141に戻しても良い。
【0087】
このように上述の処理S14における画像見回り処理が実行される。
【0088】
次に、端末装置SP、TAの動作について説明する。ここでは、代表的に、携帯端末装置TAの動作について説明する。上述したように、その稼働を始めると、携帯端末装置TAでは、例えば看護師や介護士等の監視者(ユーザ)によるログイン操作が受け付けられ、TA監視処理部322によって、自機宛の通信信号を待ち受ける待受け画面がTA表示部36に表示される。この待受け画面51は、例えば、
図9に示すように、メニューバーを表示するメニューバー領域511と、待ち受け中であることを表すメッセージ(例えば「通知はありません」)およびアイコンを表示する待受けメイン領域512と、現在時刻を表示する時刻領域513と、今日の年月日曜日を表示する年月日曜日領域514と、今、当該携帯端末装置TAにログインしているユーザ名を表示するユーザ名領域515とを備える。
【0089】
そして、
図8において、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32のTA制御部321によって、TA通信IF部31で通信信号を受信したか否かを判定する(S31)。この判定の結果、通信信号を受信していない場合(No)には、携帯端末装置TAは、処理をS31に戻し、前記判定の結果、通信信号を受信している場合(Yes)には、携帯端末装置TAは、次の処理S32を実行する。すなわち、携帯端末装置TAは、通信信号の受信を待ち受けている。
【0090】
処理S32では、携帯端末装置TAは、TA制御部321によって、この受信した通信信号の種類を判定する。この判定の結果、携帯端末装置TAは、前記受信した通信信号が第2監視情報通信信号である場合(第2監視情報)には、次の処理S33および処理S34を順次に実行した後に、その次の処理S37を実行し、前記受信した通信信号が見回り画像通知通信信号である場合(見回り画像通知)には、次の処理S35および処理S36を順次に実行した後に、その次の処理S37を実行し、前記受信した通信信号が第2監視情報通信信号でも見回り画像通知通信信号でもない場合(その他)には、処理S31で受信した通信信号に応じた適宜な処理を行う処理S39を実行した後に本処理を終了する。
【0091】
処理S33では、TA監視処理部322は、処理S31で受信した第2監視情報通信信号に収容された各情報(各データ)に基づき、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をTA監視情報記憶部331に記憶(記録)する。
【0092】
次に、処理S34では、TA監視処理部322は、前記受信した第2監視情報通信信号に収容された各情報に応じた画面を、例えば
図10に示す監視情報画面52aをTA表示部36に表示する。
【0093】
この監視情報画面52aは、被監視者Obの監視に関する前記監視情報を表示するための画面である。前記監視情報画面52aは、例えば、
図10に示すように、メニューバー領域511と、処理S31で受信した第2監視情報通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUの配設場所および前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって監視される被監視者Obの名前を表示する被監視者名領域521と、処理S31で受信した第2監視情報通信信号の受信時刻(または前記所定の行動の検知時刻)からの経過時間、および、処理S31で受信した第2監視情報通信信号に収容された前記検知結果を表示する検知情報表示領域522aと、処理S31で受信した第2監視情報通信信号に収容された画像(すなわち、前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって撮像された画像)(ここでは静止画)を表示する画像領域523と、「対応する」ボタン524と、「話す」ボタン525と、「LIVEを見る」ボタン526とを備える。
【0094】
被監視者名領域521に、センサIDを持つセンサ装置SUの配設場所および前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって監視される被監視者Obの名前を表示するために、TA記憶部33には、センサID、前記センサIDを持つセンサ装置SUの配設場所および前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって監視される被監視者Obの名前が互いに対応付けられて予め記憶される。検知情報表示領域522aには、処理S31で受信した第2監視情報通信信号に収容された検知結果(本実施形態では、起床、離床、転落および転倒の各名称)がそのまま表示されても良いが、本実施形態では、前記検知結果を象徴的に表すアイコンで表示されている。このアイコンで表示するために、TA記憶部33には、各行動およびその行動を象徴的に表すアイコンが互いに対応付けられて予め記憶される。
図10に示す例では、検知情報表示領域522aには、起床を象徴的に表す起床アイコンが表示されている。「対応する」ボタン524は、監視情報画面52aでは、この監視情報画面52aに表示された検知結果に対し例えば救命、看護、介護および介助等の所定の対応(応対、対処)を実施する意思が当該携帯端末装置TAのユーザにある旨を表す実施意思情報を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンである。「話す」ボタン525は、音声通話を要求するためのボタンであって、前記センサIDの前記センサ装置SUと当該携帯端末装置TAとをネットワークNWを介して通話可能に接続する指示を入力するためのボタンである。「LIVEを見る」ボタン526は、ライブでの動画を要求するためのボタンであって、前記センサIDの前記センサ装置SUによって撮像される動画を表示させる指示を入力するためのボタンである。
【0095】
一方、処理S35では、携帯端末装置TAは、TA監視処理部322によって、前記処理S31で管理サーバ装置SVから受信した見回り画像通知通信信号に収容された各情報(各データ)に基づき、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をTA監視情報記憶部331に記憶(記録)する。
【0096】
次に、処理S36では、TA監視処理部322は、前記受信した見回り画像通知通信信号に収容された各情報に応じた画面を、例えば
図11に示す見回り情報画面52bをTA表示部36に表示する。
【0097】
この見回り情報画面52bは、管理サーバ装置SVで実行される画像見回り処理によってセンサ装置SUから取得された画像を表示するための画面である。前記見回り情報画面52bは、例えば、
図11に示すように、上述の
図10に示す監視情報画面52aに類似し、メニューバー領域511と、処理S31で受信した見回り画像通知通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUの配設場所および前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって監視される被監視者Obの名前を表示する被監視者名領域521と、画像領域523に表示されている画像が管理サーバ装置SVで実行される画像見回り処理によってセンサ装置SUから取得された画像であることを表すメッセージ(例えば「見回り画像です。」等)を表示する見回り画像明示表示領域522bと、処理S31で受信した見回り画像通知通信信号に収容された画像(すなわち、前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって撮像された画像)(ここでは静止画)を表示する画像領域523と、「対応する」ボタン524と、「話す」ボタン525と、「LIVEを見る」ボタン526と、スクロールボタン528(528−1、528−2)とを備える。すなわち、
図11に示す見回り情報画面52bは、
図10に示す監視情報画面52aの検知情報表示領域522aに代えて見回り画像明示表示領域522bを備え、さらに、スクロールボタン528を備える。なお、見回り画像明示表示領域522bには、処理S31で受信した見回り画像通知通信信号の受信時刻からの経過時間がさらに表示されても良い。ここで、見回り情報画面52bでは、「対応する」ボタン524は、この見回り情報画面52bに表示された画像に含まれる被監視者Obに対し例えば救命、看護、介護および介助等の所定の対応(応対、対処)を実施する意思が当該携帯端末装置TAのユーザにある旨を表す実施意思情報を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンである。スクロールボタン528は、現在、TA表示部36に表示されている、画像見回り処理によってセンサ装置SUから取得された画像を表示する見回り情報画面52bとは別の、前記画像見回り処理によって他のセンサ装置SUから取得された画像を表示する他の見回り情報画面52bをTA表示部36に表示させるために、画面のスクロールを入力するためのボタンである。このスクロールボタン528は、
図11に示す例では、画面を右へスクロールする右向き三角形ボタン528−1と、画面を左へスクロールする左向き三角形ボタン528−2とを備える。なお、このようなスクロールボタン528が監視情報画面52aに設けられても良い。
【0098】
そして、処理S37では、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、TA入力部35およびTA表示部36を備えて成るタッチパネルで入力操作を受け付けたか否かを判定する。この判定の結果、入力操作を受け付けていない場合(No)には、携帯端末装置TAは、処理を処理S37に戻し、一方、前記判定の結果、入力操作を受け付けている場合には、携帯端末装置TAは、次の処理S38を実行する。
【0099】
この処理S38では、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、入力操作の内容に応じた適宜な処理を実行し、この画面表示の動作を終了する。
【0100】
例えば、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、監視情報画面52aや見回り情報画面52bにおいて、「対応する」ボタン524の入力操作を受け付けると(すなわち、前記実施意思情報を受け付けると)、現在、TA表示部36に表示している被監視者Obの監視情報に、実施意思情報を付してTA監視情報記憶部331に記憶し、TA表示部36に表示している被監視者Obの監視情報に対応するセンサIDおよび実施意思情報を収容した通信信号(対応通知通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する。この対応通知通信信号を受信した管理サーバ装置SVは、この受信した対応通知通信信号に収容されたセンサIDの監視情報に、実施意思情報を付してSV監視情報記憶部231に記憶する。なお、前記センサIDを持つセンサ装置SUに対応する被監視者Obに対し実施意思情報が付されたことを、被監視者監視システムMSの端末装置SP、TAに周知するために、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、この受信した対応通知通信信号に収容されたセンサIDおよび実施意思情報を収容した通信信号(対応受付周知通信信号)を同報通信で端末装置SP、TAへ送信しても良い。
【0101】
また例えば、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、「話す」ボタン525の入力操作を受け付けると、TAナースコール処理部323によって、TA表示部36に表示している被監視者Obを監視するセンサ装置SUへ、音声通話を要求する旨等の情報を収容した通信信号(通話要求通信信号)を送信し、これに応じたセンサ装置SUとネットワークNWを介して音声通話可能に接続する。これによって携帯端末装置TAとセンサ装置SUとの間で音声通話が可能となる。なお、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、音声通話の終了の指示を入力するためのボタンである図略の「終了」ボタンの入力操作を受け付けると、TAナースコール処理部323によって、TA表示部36に表示している被監視者Obを監視するセンサ装置SUへ、音声通話の終了を要求する旨等の情報を収容した通信信号(通話終了通信信号)を送信する。これによって携帯端末装置TAとセンサ装置SUとの間での音声通話が終了される。
【0102】
また例えば、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、「LIVEを見る」ボタン526の入力操作を受け付けると、TAストリーミング処理部324によって、現在、TA表示部36に表示している被監視者Obを監視するセンサ装置SUへ、ライブでの動画の配信を要求する旨等の情報を収容した通信信号(動画配信要求通信信号)を送信し、これに応じたセンサ装置SUとネットワークNWを介して動画のダウンロード可能に接続し、前記センサ装置SUからライブでの動画の配信を受け、この配信を受けた動画をストリーミング再生でTA表示部36に表示する。このライブでの動画を表示する監視情報画面52aおよび見回り情報画面52bでは、画像領域523に動画が表示され、そして、「LIVEを見る」ボタン526に代え図略の「LIVE終了」ボタンが表示される。これによって携帯端末装置TAには、ライブでの動画が表示される。前記図略の「LIVE終了」ボタンは、動画の終了を要求するためのボタンであって、前記センサIDの前記センサ装置SUによって撮像される動画の配信を終了(停止)させ表示を終了(停止)させる指示を入力するためのボタンである。携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、「LIVE終了」ボタンの入力操作を受け付けると、TAストリーミング処理部324によって、現在、TA表示部36に表示している被監視者Obを監視するセンサ装置SUへ、動画配信の終了を要求する旨等の情報を収容した通信信号(動画配信終了通信信号)を送信し、静止画をTA表示部36に表示する。これによって携帯端末装置TAは、ライブでの動画の表示を終了する。
【0103】
また例えば、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、右向き三角形ボタン528−1の入力操作を受け付けると、画面を右へスクロールし、画像見回り処理によって他のセンサ装置SUから取得された画像を表示する他の見回り情報画面52bをTA表示部36に表示する。携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、左向き三角形ボタン528−2の入力操作を受け付けると、画面を左へスクロールし、画像見回り処理によって他のセンサ装置SUから取得された画像を表示する他の見回り情報画面52bをTA表示部36に表示する。なお、いわゆるフリックで画面がスクロールされても良い。
【0104】
また例えば、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、メニューバー領域511における監視設定メニューボタン5111の入力操作を受け付けると、監視の設定を行うための監視設定メニュー画面を、例えば
図12に示す監視設定メニュー画面53をTA表示部36に表示する。監視設定メニューボタン5111は、前記監視設定メニュー画面の表示の要求を入力するためのボタンである。監視設定メニュー画面53は、「全室チェック」ボタン531と、「監視オン/オフ」ボタン532(532−1〜532−5)と、スクロールボタン533(533−1、533−2)とを備える。「全室チェック」ボタン531は、管理サーバ装置SVによる画像見回り処理の実行の要求を入力するためのボタンである。「監視オン/オフ」ボタン532は、センサ装置SUによる監視の入り切り(オンオフ)を入力するためのボタンであり、センサ装置SUの個数に応じた個数を備える。スクロールボタン533(533−1、533−2)は、画面のスクロールを入力するためのボタンであり、画面を上へスクロールする上向き三角形ボタン(「▲」ボタン)533−1と、画面を下へスクロールする下向き三角形ボタン(「▼」ボタン)533−2とを備える。
【0105】
携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、「全室チェック」ボタン531の入力操作を受け付けると、自機の端末IDおよび画像見回り処理の実行を要求する命令(指令、コマンド)を収容した通信信号(画像見回り処理要求通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する。この画像見回り処理要求通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、上述したように、画像見回り処理S14、すなわち、処理S141ないし処理S146の各処理を全てのセンサ装置SUそれぞれに対して実行する。携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、「監視オン/オフ」ボタン532の入力操作を受け付けると、「監視オン/オフ」ボタン532に対応付けられたセンサ装置SUによる監視のオンオフを切り換える。より具体的には、TA制御処理部32は、現在、「監視オン/オフ」ボタン532に対応付けられたセンサ装置SUによる監視がオンである場合には、前記監視をオフに切り換えるために、「監視オン/オフ」ボタン532に対応付けられたセンサ装置SUのセンサID、および、「監視オン/オフ」ボタン532に対応付けられたセンサ装置SUによる監視をオフに切り換える命令を収容した通信信号(監視オンオフ切換要求通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する。この監視オンオフ切換要求通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、この受信した監視オンオフ切換要求通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUによる監視を停止する。例えば、管理サーバ装置SVは、第2監視情報通信信号の送信を停止する。一方、TA制御処理部32は、現在、「監視オン/オフ」ボタン532に対応付けられたセンサ装置SUによる監視がオフである場合には、前記監視をオンに切り換えるために、「監視オン/オフ」ボタン532に対応付けられたセンサ装置SUのセンサID、および、「監視オン/オフ」ボタン532に対応付けられたセンサ装置SUによる監視をオンに切り換える命令を収容した監視オンオフ切換要求通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。この監視オンオフ切換要求通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、この受信した監視オンオフ切換要求通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUによる監視を実施する。例えば、管理サーバ装置SVは、第2監視情報通信信号の送信を実施する。携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、上向き三角形ボタン(「▲」ボタン)532−1の入力操作を受け付けると、画面を上へスクロールする。携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、下向き三角形ボタン(「▼」ボタン)532−2の入力操作を受け付けると、画面を下へスクロールする。なお、いわゆるフリックで画面がスクロールされても良い。
【0106】
以上説明したように、本実施形態における被監視者監視システムMS、被監視者監視システムMSの中央処理装置の一例としての管理サーバ装置SV、ならびに、これに実装された中央処理方法は、画像送信履歴情報記憶処理部224と画像見回り処理部223(画像見回り処理S14)とを備えるので、画像送信履歴情報を画像送信履歴情報記憶部233に自動的に記憶でき、画像見回り処理を実行する際に、複数のセンサ装置SUそれぞれから順次に取得される複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置SUのセンサIDに対応付けられた、前記自動的に記憶された画像送信履歴情報に基づいて送信の許否を判定し、その判定結果に応じて当該画像を前記所定の端末装置SP、TAへ報知できる。したがって、上記被監視者監視システムMS、管理サーバ装置SVおよび中央処理方法は、例えば、前回、画像を送信した時点からの経過時間が比較的短い場合に前記送信を許可しない等の処理を採ることができ、被監視者Obのプライバシーに配慮しつつ、見回り業務を支援(アシスト)できる。
【0107】
上記被監視者監視システムMS、管理サーバ装置SVおよび中央処理方法は、当該画像が被監視者Obの像を含むか否かを判定してその第2判定結果に応じて当該画像を前記所定の端末装置SP、TAへ送信するので、例えば、被監視者Obが居ない場合には前記報知しない処理や、逆に被監視者Obが居る場合には前記報知しない処理等の処理を採ることができ、被監視者Obのプライバシーに配慮しつつ、見回り業務を支援(アシスト)できる。
【0108】
なお、上述の実施形態では、見回り画像通知通信信号は、画像を取得したセンサ装置SUのセンサIDに対応する端末IDを持つ端末装置SP、TAへ通知(送信)されたが、同報通信(ブロードキャストまたはマルチキャスト)されても良い。
【0109】
また、上述の実施形態では、管理サーバ装置SVは、処理S143における判定の結果、被監視者Obが居ないと判定された場合には前記見回り画像通知通信信号を送信しないように構成されたが、逆に、管理サーバ装置SVは、処理S143における判定の結果、被監視者Obが居ると判定された場合には前記見回り画像通知通信信号を送信しないように構成されても良い。被監視者Obのプライバシーを配慮しつつ、被監視者Obに用事がある場合等に、前記用事を一時保留すればよいことや、居室以外で被監視者Obを探せばよいことが認識できる。
【0110】
また、上述の実施形態では、管理サーバ装置SVは、処理S143における判定の結果、被監視者Obが居室RMに居ると判定された場合には前記見回り画像通知通信信号を送信したが、管理サーバ装置SVは、処理S143と処理S144との間に、複数人であるか否かを判定する処理を行っても良く、この判定の結果、管理サーバ装置SVは、1人である場合には処理S144を実行し、複数のである場合には処理S146を実行する。すなわち、居室RMに複数人が居る場合には、前記見回り画像通知通信信号は、送信されない。なお、画像に複数人が含まれているか否かは、動体領域が複数であるか否かや、頭部領域として検出した丸形状(楕円形状を含む)の領域が複数であるか否かで判定できる。このように報知の許否の判定における判定結果が報知の許可である場合に、さらに、当該画像が複数の像を含むか否かを判定してその第3判定結果に応じて当該画像を前記端末装置へ報知するように管理サーバ装置SVが構成されても良い。居室RMに複数人が居る場合では、看護師や介護士等の監視者が被監視者Obをケア中であったり、被監視者Obの他に訪問者が居たり等するため、見回りの必要が無いと判断されるためである。したがって、このような管理サーバ装置SVは、被より適切に、監視者Obのプライバシーに配慮しつつ、見回り業務を支援できる。
【0111】
また、上述の実施形態において、見回り画像通知通信信号の送信は、上述の処理S141によって規制されるが、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、前回の「全室チェック」ボタン531の入力操作の受け付けから、予め設定された所定の時間の経過前に、さらに、「全室チェック」ボタン531の入力操作を受け付けた場合、この今回の「全室チェック」ボタン531の入力操作を受け付けを無効にしても良い(すなわち、携帯端末装置TAは、画像見回り処理要求通信信号を管理サーバ装置SVへ送信しない)。これによって画像見回り処理が比較的短時間で繰り返し実行されることを防止でき、プライバーに配慮できる。
【0112】
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0113】
一態様にかかる被監視者監視システムの中央処理装置は、互いに通信可能に接続された複数のセンサ装置、中央処理装置および端末装置を備え、前記複数のセンサ装置それぞれがその被監視者における所定の行動を画像に基づいて検知して前記中央処理装置を介して前記端末装置へ報知する被監視者監視システムの前記中央処理装置である。この中央処理装置は、前記端末装置へ送信した画像の送信履歴を、前記画像を取得したセンサ装置のセンサ識別子に対応付けて画像送信履歴情報として記憶する画像送信履歴情報記憶部と、前記端末装置へ画像を送信した場合に、その画像送信履歴情報を前記画像送信履歴情報記憶部に記憶する画像送信履歴情報記憶処理部と、前記検知による報知を除いた処理であって、前記複数のセンサ装置それぞれから取得される複数の画像を順次に前記端末装置へ報知する画像見回り処理を実行する画像見回り処理部とを備える。この画像見回り処理部は、前記画像見回り処理を実行する際に、前記複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置のセンサ識別子に対応付けられた前記画像送信履歴情報に基づいて報知の許否を判定してその判定結果に応じて当該画像を前記端末装置へ報知する。
【0114】
このような被監視者監視システムの中央処理装置は、前記画像送信履歴情報記憶処理部と前記画像見回り処理部とを備えるので、前記画像送信履歴情報を前記画像送信履歴情報記憶部に自動的に記憶でき、前記画像見回り処理を実行する際に、前記複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置のセンサ識別子に対応付けられた、前記自動的に記憶された前記画像送信履歴情報に基づいて報知の許否を判定し、その判定結果に応じて当該画像を前記端末装置へ報知できる。したがって、上記中央処理装置は、例えば、前回、画像を送信した時点からの経過時間が比較的短い場合に前記報知を許可しない等の処理を採ることができ、被監視者のプライバシーに配慮しつつ、見回り業務を支援できる。
【0115】
他の一態様では、上述の被監視者監視システムの中央処理装置において、前記画像見回り処理部は、予め設定された所定の時刻に、前記画像見回り処理を実行する。好ましくは、上述の被監視者監視システムの中央処理装置において、前記所定の時刻は、所定の時間間隔ごとの時刻であり、前記画像見回り処理部は、当該画像が取得されるセンサ装置のセンサ識別子に対応付けられた前記画像送信履歴情報において、前回、画像を送信した時刻からの経過時間が前記所定の時間間隔の半分以下である場合には、前記報知を許可しない。好ましくは、上述の被監視者監視システムの中央処理装置において、前記所定の時刻は、毎正時である。なお、正時は、例えば1時ちょうど(1時零分零秒)や2時ちょうど(2時零分零秒)等のように、分および秒に端数のつかない時刻である。
【0116】
このような被監視者監視システムの中央処理装置は、設定時刻に自動的に前記画像見回り処理を実行できる。
【0117】
他の一態様では、これら上述の被監視者監視システムの中央処理装置において、前記画像見回り処理部は、前記画像見回り処理の実行を要求する通信信号を前記端末装置から受信した場合に、前記画像見回り処理を実行する。
【0118】
このような被監視者監視システムの中央処理装置は、前記端末装置のユーザ(監視者)における要求に応じて前記画像見回り処理を実行できる。
【0119】
他の一態様では、これら上述の被監視者監視システムの中央処理装置において、前記画像見回り処理部は、前記判定結果が前記報知の許可である場合に、さらに、当該画像が被監視者の像を含むか否かを判定してその第2判定結果に応じて当該画像を前記端末装置へ報知する。
【0120】
このような被監視者監視システムの中央処理装置は、例えば、被監視者が居ない場合には前記報知しない処理や、逆に被監視者が居る場合には前記報知しない処理等の処理を採ることができる。
【0121】
他の一態様にかかる被監視者監視システムの中央処理方法は、互いに通信可能に接続された複数のセンサ装置、中央処理装置および端末装置を備え、前記複数のセンサ装置それぞれがその被監視者における所定の行動を画像に基づいて検知して前記中央処理装置を介して前記端末装置へ報知する被監視者監視システムの中央処理方法である。この中央処理方法は、前記端末装置へ送信した画像の送信履歴を、前記画像を取得したセンサ装置のセンサ識別子に対応付けて画像送信履歴情報として画像送信履歴情報記憶部に記憶する画像送信履歴情報記憶工程と、前記端末装置へ画像を送信した場合に、その画像送信履歴情報を前記画像送信履歴情報記憶部に記憶する画像送信履歴情報記憶処理工程と、前記検知による報知を除いた処理であって、前記複数のセンサ装置それぞれから取得される複数の画像を順次に前記端末装置へ報知する画像見回り処理を実行する画像見回り処理工程とを備える。この画像見回り処理工程は、前記画像見回り処理を実行する際に、前記複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置のセンサ識別子に対応付けられた前記画像送信履歴情報に基づいて報知の許否を判定してその判定結果に応じて当該画像を前記端末装置へ報知する。
【0122】
このような被監視者監視システムの中央処理方法は、前記画像送信履歴情報記憶処理工程と前記画像見回り処理工程とを備えるので、前記画像送信履歴情報を前記画像送信履歴情報記憶部に自動的に記憶でき、前記画像見回り処理を実行する際に、前記複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置のセンサ識別子に対応付けられた、前記自動的に記憶された前記画像送信履歴情報に基づいて報知の許否を判定し、その判定結果に応じて当該画像を前記端末装置へ報知できる。したがって、上記中央処理方法は、例えば、前回、画像を送信した時点からの経過時間が比較的短い場合に前記報知を許可しない等の処理を採ることができ、被監視者のプライバシーに配慮しつつ、見回り業務を支援できる。
【0123】
他の一態様にかかる被監視者監視システムは、互いに通信可能に接続された複数のセンサ装置、中央処理装置および端末装置を備え、前記複数のセンサ装置それぞれがその被監視者における所定の行動を画像に基づいて検知して前記中央処理装置を介して前記端末装置へ報知する被監視者監視システムであって、前記中央処理装置は、これら上述のいずれかの中央処理装置である。
【0124】
このような被監視者監視システムは、これら上述のいずれかの中央処理装置を用いるので、被監視者のプライバシーに配慮しつつ、見回り業務を支援できる。
【0125】
この出願は、2015年12月14日に出願された日本国特許出願特願2015−243492を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0126】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明にかかる被監視者監視システムの中央処理装置および中央処理方法、ならびに、被監視者監視システムでは、端末装置へ送信した画像の送信履歴が、前記画像を取得したセンサ装置に対応付けて画像送信履歴情報として記憶され、複数のセンサ装置それぞれから取得される複数の画像を順次に前記端末装置へ報知する画像見回り処理が実行され、この画像見回り処理の実行の際に、前記複数の画像それぞれについて、当該画像が取得されるセンサ装置に対応付けられた前記画像送信履歴情報に基づいて報知の許否が判定され、その判定結果に応じて当該画像が前記端末装置へ報知される。