(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
他装置との間で情報を送受信する通信手段を備え、推奨情報を抽出する抽出手段と、抽出した推奨情報を前記通信手段により前記他装置宛てに送信する推奨情報送信装置において、
前記推奨情報は、前記他装置を利用するユーザに商品情報を提供する情報提供装置から提供される商品情報のうち、当該ユーザの要望又は嗜好に合致する推奨されるべき商品情報であり、
当該推奨情報送信装置を識別する推奨情報送信装置識別情報と、前記他装置を利用するユーザを識別するユーザ識別情報と、前記情報提供装置が提供する情報を識別する情報提供装置識別情報と、推奨情報を抽出する際の抽出条件を特定する抽出パラメータが挿入される画像の送信要求とを含む電子メールを受信した他装置から、当該電子メールに含まれた前記ユーザ識別情報と、前記情報提供装置識別情報と、前記画像の送信要求を受け付ける受付手段と、
該受付手段が送信要求を受け付けた時点で、前記抽出手段が抽出した推奨情報に対応する品名、価格、又は説明の文字情報を画像化した画像を作成する作成手段と、
をさらに備え、
前記抽出手段は、
行動情報記憶部に予め記憶され、前記情報提供装置識別情報に対応する行動情報から、前記ユーザ識別情報で識別されるユーザの行動内容を抽出し、
商品情報記憶部に予め記憶される商品情報から、抽出した前記ユーザの行動内容と相関があり、前記抽出条件に合致し、さらに、在庫がある商品の商品情報を推奨情報として抽出し、
前記作成手段が作成した画像を前記通信手段により他装置宛てに送信するとともに、前記ユーザによる画像の選択に応じて当該画像に対応する前記情報提供装置識別情報を提供するようにしてあることを特徴とする推奨情報送信装置。
コンピュータに、他装置との間で情報を送受信させ、前記他装置向けの推奨情報を抽出させ、抽出された推奨情報を前記他装置宛てに送信させるコンピュータプログラムにおいて、
前記推奨情報は、前記他装置を利用するユーザに商品情報を提供する情報提供装置から提供される商品情報のうち、当該ユーザの要望又は嗜好に合致する推奨されるべき商品情報であり、
前記コンピュータに、
前記他装置を利用するユーザを識別するユーザ識別情報と、前記情報提供装置が提供する情報を識別する情報提供装置識別情報と、推奨情報を抽出する際の抽出条件を特定する抽出パラメータが挿入される画像の送信要求とを含む電子メールを受信した他装置から、当該電子メールに含まれた前記ユーザ識別情報と、前記情報提供装置識別情報と、前記画像の送信要求を受け付ける受付手段、
行動情報記憶部に予め記憶され、前記情報提供装置識別情報に対応する行動情報から、前記ユーザ識別情報で識別されるユーザの行動内容を抽出し、
商品情報記憶部に予め記憶される商品情報から、抽出した前記ユーザの行動内容と相関があり、前記抽出条件に合致し、さらに、在庫がある商品の商品情報を推奨情報として抽出する抽出手段、及び
該受付手段が送信要求を受け付けた時点で、前記抽出手段が抽出した推奨情報に対応する品名、価格、又は説明の文字情報を画像化した画像を作成する作成手段
として機能させ、
作成された画像を他装置宛てに送信させるとともに、前記ユーザによる画像の選択に応じて当該画像に対応する前記情報提供装置識別情報を提供させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
画像を表示する表示部、画像を含む電子メールを受信し、受信した電子メールの内、選択された電子メールに含まれる画像を前記表示部へ表示させる電子メール表示部を有する端末装置と、該端末装置との間で情報を送受信する通信手段、及び前記端末装置への推奨情報を抽出する抽出手段を備え、抽出した推奨情報を前記通信手段により前記端末装置宛てに送信する推奨情報送信装置とを含む推奨情報表示システムにおいて、
前記推奨情報は、前記端末装置を利用するユーザに商品情報を提供する情報提供装置から提供される商品情報のうち、当該ユーザの要望又は嗜好に合致する推奨されるべき商品情報であり、
前記電子メール表示部は、
前記推奨情報送信装置から送信されるべき画像が含まれるとともに、当該推奨情報送信装置を識別する推奨情報送信装置識別情報と、前記端末装置を利用するユーザを識別するユーザ識別情報と、前記情報提供装置が提供する情報を識別する情報提供装置識別情報と、推奨情報を抽出する際の抽出条件を特定する抽出パラメータが挿入される画像の送信要求とを含む電子メールを受信するようにしてあり、
前記電子メールに含まれる画像を表示させる時点で、ユーザ識別情報と共に前記推奨情報送信装置へ前記画像の送信を要求する手段をさらに備え、
要求に応じて前記推奨情報送信装置から送信された画像を前記表示部に表示させるようにしてあり、
前記推奨情報送信装置は、
前記端末装置から画像の送信要求を前記ユーザ識別情報と共に受け付ける受付手段と、
該受付手段が送信要求を受け付けた時点で、前記抽出手段が抽出した推奨情報に対応する品名、価格、又は説明の文字情報を画像化した画像を作成する作成手段と
を備え、
前記抽出手段は、
行動情報記憶部に予め記憶され、前記情報提供装置識別情報に対応する行動情報から、前記ユーザ識別情報で識別されるユーザの行動内容を抽出し、
商品情報記憶部に予め記憶される商品情報から、抽出した前記ユーザの行動内容と相関があり、前記抽出条件に合致し、さらに、在庫がある商品の商品情報を推奨情報として抽出し、
前記作成手段が作成した画像を前記通信手段により前記端末装置宛てに送信するとともに、前記ユーザによる画像の選択に応じて当該画像に対応する前記情報提供装置識別情報を提供するようにしてある
ことを特徴とする推奨情報表示システム。
画像を表示する表示部を備え、電子メールを受信し、受信した電子メールの内、選択された電子メールに含まれる画像を前記表示部へ表示させる端末装置と、該端末装置との間で情報を送受信する通信手段を備え、推奨情報を抽出し、抽出した推奨情報を前記通信手段により前記端末装置宛てに送信する推奨情報送信装置とを含むシステムにて、前記端末装置にて推奨情報を表示させる推奨情報表示方法において、
前記推奨情報は、前記端末装置を利用するユーザに商品情報を提供する情報提供装置から提供される商品情報のうち、当該ユーザの要望又は嗜好に合致する推奨されるべき商品情報であり、
前記端末装置は、
前記推奨情報送信装置から送信されるべき画像が含まれるとともに、当該推奨情報送信装置を識別する推奨情報送信装置識別情報と、前記端末装置を利用するユーザを識別するユーザ識別情報と、前記情報提供装置が提供する情報を識別する情報提供装置識別情報と、推奨情報を抽出する際の抽出条件を特定する抽出パラメータが挿入される画像の送信要求とを含む電子メールを受信するようにしてあり、
前記電子メールに含まれる画像を表示させる時点で、ユーザ識別情報と共に前記推奨情報送信装置に前記画像の送信を要求し、
前記推奨情報送信装置は、
前記端末装置から画像の送信要求を前記ユーザ識別情報と共に受け付け、
行動情報記憶部に予め記憶され、前記情報提供装置識別情報に対応する行動情報から、前記ユーザ識別情報で識別されるユーザの行動内容を抽出し、
商品情報記憶部に予め記憶される商品情報から、抽出した前記ユーザの行動内容と相関があり、前記抽出条件に合致し、さらに、在庫がある商品の商品情報を推奨情報として抽出し、
該送信要求を受け付けた時点で、前記抽出条件に基づいて抽出された推奨情報に対応する品名、価格、又は説明の文字情報を画像化した画像を作成し、
作成した画像を前記端末装置宛てに送信するとともに、前記ユーザによる画像の選択に応じて当該画像に対応する前記情報提供装置識別情報を提供し、
前記端末装置は、要求に応じて前記推奨情報送信装置から送信された画像を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする推奨情報表示方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザが特定のWebページを能動的に閲覧している最中に推奨情報を抽出する仕組みは上述したようにWebブラウザがクッキー情報を推奨情報抽出装置へ送信し、閲覧中のWebページのドメイン内の他のWebページ閲覧履歴、またドメインに関連する購入履歴等の行動情報に基づく抽出によって実現される。更に、Webブラウザで特定のドメイン内におけるWebページを閲覧している間は、Webブラウザが解釈するスクリプトによって、アクセスすべきWebページ名を書き換える処理が可能なため、リアルタイムで作成された情報へアクセスさせることが容易に実現できる。また、特定のドメインのWebページを提供するWebサーバと、推奨情報抽出装置との間で情報を送受信し合ってからWebサーバにてWebページ内の情報を書き換えることも可能である。しかしながらいずれの処理も、ユーザが該当するWebページを能動的に閲覧していないときには勿論実現することができない。
【0006】
特定のドメインのWebページの閲覧へユーザを誘導するための手法として、推奨される商品等の情報へのリンクが埋め込まれた電子メールの配信が実施されている。しかしながら予め推奨情報へのリンクが埋め込まれた電子メールの配信では、Webページを管理する管理者側で、推奨情報を抽出する対象のユーザのリスト化工程、リスト化されたユーザへの推奨情報の抽出処理を推奨情報抽出エンジン管理者へ依頼する工程、抽出された推奨情報をユーザの識別情報と対応付ける工程、ユーザ毎の電子メールへの推奨情報の差し込みを管理者自身又は電子メール配信ベンダで実施する工程等を経る必要がある。これらの工程をバッチ処理で進捗させた場合、推奨情報の抽出から電子メールの受信までには例えば1週間が経過するなどのタイムラグの問題がある。更に電子メールの場合、開封されるタイミングはユーザ依存であるから、推奨情報の抽出から電子メールが開封されるまでのタイムラグは更に大きくなり、ユーザが電子メール内に埋め込まれたリンクからWebページにアクセスした時点では推奨される商品の在庫が無い状態であるなど、推奨情報を電子メールにて個別に送信することにはデメリットがあった。また、電子メール内に推奨情報を差し込む場合には上述のような多数の工程を経るため、管理者の負担が大きい。
【0007】
電子メールとしては、HTML(Hyper Text Markup Language)で記述されたHTMLメールを汎用的なメーラで利用することができるが、電子メールのメーラはWebブラウザと違い、HTMLにて埋め込まれたスクリプトを解釈しない場合が多く、メーラによって表示される内容をリアルタイムに書き換えることは困難である。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、電子メールの内容を表示する時点でのリアルタイムな推奨情報を表示させることを容易に実現する推奨情報送信装置、コンピュータプログラム、推奨情報表示システム及び推奨情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る推奨情報送信装置は、他装置との間で情報を送受信する通信手段を備え、前記他装置向けの推奨情報を抽出する抽出手段と、抽出した推奨情報を前記通信手段により前記他装置宛てに送信する推奨情報送信装置において、電子メールに含まれる画像の送信要求を受け付ける受付手段と、該受付手段が送信要求を受け付けた時点で、推奨される推奨情報に対応する
品名、価格、又は説明の文字情報を画像化した画像を作成する作成手段とを更に備え、該作成手段が作成した画像を前記通信手段により他装置宛てに送信するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る推奨情報送信装置は、前記受付手段は、送信すべき推奨情報に関連する1又は複数のWebページに対応付けられている
提供者識別情報及び前記1又は複数のWebページの閲覧者を識別する情報を前記送信要求と共に受け付け、前記抽出手段は、前記1又は複数のWebページにおける閲覧者の行動情報に基づき推奨情報を抽出するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る推奨情報送信装置は、前記受付手段は、HTMLにおける画像タグに基づき前記
提供者識別情報及び閲覧者を識別する情報、並びに前記送信要求を受け付けるようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る推奨情報送信装置は、前記電子メールには、前記画像が選択された場合のリンク情報が含まれており、前記通信手段は、前記リンク情報に基づくWebページの送信要求を前記通信手段により受信するようにしてあり、前記通信手段により受信したWebページの送信要求に応じて、選択された画像に関する前記送信要求に係るWebページとは異なるWebページへの接続情報を前記通信手段により前記
他装置宛てに送信する手段を更に備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、他装置との間で情報を送受信させ、前記他装置向けの推奨情報を抽出させ、抽出された推奨情報を前記他装置宛てに送信させるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータに、電子メールに含まれる画像の送信要求を受け付ける受付手段、及び該受付手段が送信要求を受け付けた時点で、推奨される推奨情報に対応する
品名、価格、又は説明の文字情報を画像化した画像を作成する作成手段として機能させ、作成された画像を他装置宛てに送信させることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る推奨情報表示システムは、画像を表示する表示部、画像を含む電子メールを受信し、受信した電子メールの内、選択された電子メールに含まれる画像を前記表示部へ表示させる電子メール表示部を有する端末装置と、該端末装置との間で情報を送受信する通信手段、及び前記端末装置への推奨情報を抽出する抽出手段を備え、抽出した推奨情報を前記通信手段により前記端末装置宛てに送信する推奨情報送信装置とを含む推奨情報表示システムにおいて、前記電子メール表示部は、前記推奨情報送信装置から送信されるべき画像が含まれる電子メールを受信するようにしてあり、前記電子メールに含まれる画像を表示させる時点で、ユーザ識別情報と共に前記推奨情報送信装置へ前記画像の送信を要求する手段を更に備え、要求に応じて前記推奨情報送信装置から送信された画像を前記表示部に表示させるようにしてあり、前記推奨情報送信装置は、前記端末装置から画像の送信要求を前記ユーザ識別情報と共に受け付ける受付手段と、該受付手段が要求を受け付けた時点で、前記ユーザ識別情報に基づき推奨される推奨情報に対応する
品名、価格、又は説明の文字情報を画像化した画像を作成する作成手段とを備え、
前記作成手段が作成した画像を
前記通信手段により前記端末装置宛てに送信するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る推奨情報表示方法は、画像を表示する表示部を備え、電子メールを受信し、受信した電子メールの内、選択された電子メールに含まれる画像を前記表示部へ表示させる端末装置と、該端末装置との間で情報を送受信する通信手段を備え、推奨情報を抽出し、抽出した推奨情報を前記通信手段により前記端末装置宛てに送信する推奨情報送信装置とを含むシステムにて、前記端末装置にて推奨情報を表示させる推奨情報表示方法において、前記端末装置は、前記推奨情報送信装置から送信されるべき画像が含まれる電子メールを受信するようにしてあり、前記電子メールに含まれる画像を表示させる時点で、ユーザ識別情報と共に前記推奨情報送信装置に前記画像の送信を要求し、前記推奨情報送信装置は、前記端末装置からの画像の送信要求を前記ユーザ識別情報と共に受け付け、該送信要求を受け付けた時点で、前記ユーザ識別情報に基づき推奨される推奨情報に対応する
品名、価格、又は説明の文字情報を画像化した画像を作成し、作成した画像を前記端末装置宛てに送信し、前記端末装置は、要求に応じて前記推奨情報送信装置から送信された画像を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0016】
本発明では、端末装置(他装置)宛てに送信された電子メールが端末装置にて表示される際に、電子メールに含まれる画像の送信要求を推奨情報送信装置へ送信するようにしてあり、送信要求に応じて推奨情報送信装置にて推奨情報が抽出され、画像として端末装置宛てに返信される。これにより、電子メールが発信された時点ではなく、受信された時点でもなく、電子メールが開封された時点における推奨情報を端末装置にて表示させることが可能となる。
【0017】
本発明では、電子メールに含まれる画像の送信要求には、推奨情報に関する1又は複数のWebページを識別するための情報と、前記Webページの閲覧者を識別する情報が含まれている。閲覧者の行動履歴を、1又は複数のWebページ毎に、閲覧者を識別する情報と対応付けて記録しておく処理を推奨情報送信装置にて実行しておくことにより、端末装置から画像の送信要求と共に、前記1又は複数のWebページに対応付けられている情報及び閲覧者の識別情報を受け取ることで個別に、送信要求があった時点で推奨情報を抽出し、返信することが可能となる。
【0018】
本発明では、電子メール内の画像の送信要求はHTMLに基づく画像タグに基づいて行なわれるようにしてある。画像の送信要求を推奨情報送信サーバ画像タグの属性として端末装置を使用するユーザを識別する情報を含めることが可能であり、電子メールのソースを変換することなしに、電子メールの開封時点における情報の提示が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による場合、ユーザが閲覧するべく電子メールを開封させた時点における推奨情報が推奨情報送信装置で抽出され、抽出された推奨情報が電子メール内の画像として表示される。電子メールを開封させる直前までのユーザの行動、例えば購買履歴、及びWebページの閲覧履歴に基づく推奨情報、更には電子メールの送信後に情報提供が開始された推奨情報についてもリアルタイムに抽出してユーザへ提示することが可能である。
【0020】
本発明による場合、電子メールにおいても開封時点のリアルタイムな推奨情報を提示することが可能であるから、在庫切れが起こりやすい商品若しくは旅行パッケージ等の商品情報、更には求人情報等の提示期間が比較的短い情報について効果的な推奨情報を送信することができる。したがって、商品の購入又は情報入手の契機として電子メールの配信の効果を高めることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態における推奨情報表示システムの構成を示すブロック図である。推奨情報表示システムは、複数の端末装置1、情報提供装置2、推奨情報送信装置3及びメールサーバ装置4で構成される。端末装置1、情報提供装置2、推奨情報送信装置3、及びメールサーバ装置4は、いずれもインターネットを含むネットワークNに接続されており、相互にネットワークNを介して情報を送受信することが可能である。
【0024】
端末装置1は、ユーザが使用するパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer )であり、デスクトップ型PC、ノートPC(ラップトップ型PC)、タブレット端末、又はスマートフォン等の種々の情報端末を用いてよい。
【0025】
情報提供装置2は、ユーザへWebベースの情報を提供するWebサーバを用いた装置である。情報提供装置2は例えば、電子商取引を取り扱うマーチャントが管理し、情報提供装置2では、商品の内容を紹介する詳細情報がWebページにより提供される。商品としては例えば物品(食料品、日用品、衣料品、医薬品、書籍等)、学習援助、映画若しくは演劇等の娯楽の提供、旅行パッケージの提供、又は法律相談等のサービス、又は証券等の金融商品であってもよい。なお情報提供装置2はマーチャントのみならず、求人情報、広告を提供するサービス提供者によって管理されてもよい。
【0026】
推奨情報送信装置3は、Webサーバを用いた装置であり、情報提供装置2から提供される情報の内、ユーザの要望、嗜好に合致する推奨されるべき情報を抽出して提供する装置である。推奨情報送信装置3は、推奨情報の抽出をサービスとして提供するレコメンドサービス提供者によって管理される。
【0027】
メールサーバ装置4は、ユーザのメールアドレス宛に電子メールを送信する装置である。メールサーバ装置4は、情報提供装置2を管理するマーチャント等によって管理される。なおメールサーバ装置4は、第三者のメールベンダによって管理されてもよいし、推奨情報送信装置3の管理者によって管理されてもよい。
【0028】
図1に示すように構成される本実施の形態における推奨情報表示システムでは、情報提供装置2にて扱う商品についての推奨情報を表示させるための電子メールをメールサーバ装置4から送信し、電子メールが端末装置1にて開封された時点での推奨情報が推奨情報送信装置3から端末装置1へ送信される。電子メールによる推奨情報の端末装置1への送信を実現するための構成について以下に詳細を説明する。なお以下では情報提供装置2が扱う商品の例として衣料品を挙げて説明する。
【0029】
端末装置1は、制御部10、記憶部11、一時記憶部12、表示部13、操作部14及び通信部15を備える。
【0030】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )を用いる。制御部10は、記憶部11に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、端末装置1に多様な機能を発揮させる。一時記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のRAMを用いる。一時記憶部12は、制御部10の処理によって生成される情報を一時的に記憶する。
【0031】
記憶部11は、ハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を用いる。記憶部11には、電子メールを送受信し、電子メールに含まれる文字又は画像を表示部13へ表示させる電子メール表示部の機能を制御部10に発揮させるメーラプログラム110が記憶されている。記憶部11には、HTMLベースのWebページを受信し、Webページに含まれる文字、画像、又は動画像を表示部13へ表示させるWebブラウザ機能を制御部10に発揮させるブラウザプログラム111が記憶されている。また記憶部11には、Webブラウザとして機能する制御部10により、Webページの配信元の他装置から送信されるcookie情報112が記憶される。
【0032】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイを用いる。勿論他の種類のディスプレイを用いてもよい。制御部10は、表示部13へ文字又は画像を含む各種画面を表示させる。操作部14は、キーボード及びポインティングデバイス等の入力インタフェースを用いる。制御部10は、入力インタフェースによって入力した操作情報に基づいて各構成部を制御する。なお表示部13及び操作部14は、タッチパネル内蔵型ディスプレイとして一体的に構成されてもよい。
【0033】
通信部15は、インターネットを含むネットワークNに接続されており、ネットワークNを介した他装置との間での情報の送受信を実現する。制御部10は通信部15によって、電子メールを送受信し、情報提供装置2からWebページを受信し、更に推奨情報送信装置3から推奨情報を受信し、各装置宛てに後述で説明する各種情報を送信する。
【0034】
情報提供装置2は、制御部20、記憶部21、一時記憶部22、及び通信部23を備える。
【0035】
制御部20は、CPUを用いる。制御部20は記憶部21に記憶されている図示しないサーバプログラムを読み出して実行することにより、Webサーバ機能を発揮し、ネットワークNを介して複数の端末装置1にWebページを提供する。Webページのリソースは記憶部21に記憶されている。一時記憶部22は、DRAM等のRAMを用いる。一時記憶部22は、制御部20の処理によって生成される情報を一時的に記憶する。
【0036】
記憶部21は、ハードディスク等の不揮発性の記憶媒体を用いる。記憶部21には、サーバプログラムが記憶されているほか、Webページのリソース(HTMLを始めとする各種言語にて各ページを記述したソース、静止画像、及び動画像等)が記憶されている。更に記憶部21には、情報提供装置2を管理するマーチャントにて電子商取引を行なうために登録されている各ユーザのユーザID、氏名、電子メールアドレス等を含むユーザ情報210と、提供するアイテム(衣料品)の品名、品番、価格、又は品数等を含むアイテム情報211とが記憶されている。情報提供装置2から提供されるWebページは、アイテム情報2から動的に生成されるようにしてもよい。
【0037】
通信部23は、ネットワークNに接続されており、ネットワークNを介した他装置との間での情報の送受信を実現する。制御部20は通信部23によってWebページの要求を受信し、また他装置へWebページを送信する。
【0038】
推奨情報送信装置3は、制御部30、記憶部31、一時記憶部32、及び通信部33を備える。
【0039】
制御部30は、CPUを用いる。制御部30は記憶部31に記憶されている推奨情報送信プログラム3Pを含むサーバプログラムを読み出して実行することにより、Webサーバ機能及びを発揮し、更に後述する処理を実行して端末装置1からのHTMLベースの要求を受け付けて推奨情報を送信することが可能である。一時記憶部32は、DRAM等のRAMを用いる。一時記憶部32は、制御部30の処理によって生成される情報を一時的に記憶する。
【0040】
記憶部31は、ハードディスク等の不揮発性の記憶媒体を用いる。記憶部31には、サーバコンピュータを本発明に係る推奨情報送信装置として機能させる推奨情報送信プログラム3Pが記憶されているほか、所定のアルゴリズムに基づき推奨情報を抽出するレコメンドエンジン310、情報提供装置2にて提供されるアイテムの画像、タイトル、商品説明、価格、及び在庫数を含むアイテム情報311、及び、ユーザの行動履歴を記録した行動情報312が記憶される。アイテム情報311は所定の頻度(例えば、日毎、12時間毎、又は一週間毎等)で更新される。また、アイテム情報311及び行動情報312は、異なるマーチャントにより夫々管理される複数の情報提供装置2毎、即ち異なるドメイン別に記憶されている。なお、1つのマーチャントにより管理されるドメインは複数あってもよい。
【0041】
通信部33は、ネットワークNに接続されており、ネットワークNを介した他装置との間での情報の送受信を実現する。制御部30は、通信部33によって端末装置1からのコンテンツ要求等を受け付けて推奨情報を端末装置1宛てに送信することが可能である。また制御部30は通信部33によって外部装置からアイテム情報311の更新を受け付けてもよい。
【0042】
次に、情報提供装置2の記憶部21に記憶されるユーザ情報210の例を、図面を参照して説明する。
図2は、情報提供装置2にて記憶されているユーザ情報210の内容例を示す説明図である。ユーザ情報210には
図2に示すように、各ユーザを識別するユーザIDと、ユーザの氏名、性別、年齢、住所等の情報と、更に電子メールのアドレスとが対応付けて記憶されている。更に各ユーザIDには、情報提供装置2から端末装置1へ初めてWebページが送信される際に端末装置1へ送信され、端末装置1の記憶部11に記憶されるcookie情報112のcookie ID が対応付けて記憶されている。ユーザIDとの対応付けは、ユーザ情報210の登録を受け付ける際に、端末装置1のWebブラウザから送信されたcookie情報112のcookie ID を対応付けるようにしてもよいし、ユーザIDと図示しないパスワードにてログインがなされた時に、端末装置1のWebブラウザから送信されたcookie情報112のcookie ID を対応付けるようにしてもよい。同一のユーザが複数の端末装置1を使用する場合、又は異なるWebブラウザを使用する場合を考慮して、同一のユーザIDに複数のcookie ID を対応付けるようにしてもよい。なお、ユーザ情報210においてはcookie IDは必須ではなく、cookie IDは推奨情報送信装置3にて管理されている構成としてもよい。
【0043】
更に推奨情報送信装置3の記憶部31に記憶される行動情報の例を、図面を参照して説明する。
図3は、推奨情報送信装置3にて記憶されている行動情報312の内容例を示す説明図である。
図3に示す行動情報312の内容例は、
図2に示したユーザ情報210と対応する。即ち
図2のユーザ情報210と同一のドメインにおける行動情報312である。行動情報312には
図3に示すように、ユーザを識別するユーザIDと、Webページの閲覧中にブラウザから送信されるcookie情報112と、各商品の詳細ページの閲覧の履歴又は各商品の購入の履歴等の行動内容とが対応付けて記録されている。また各履歴には時間情報(TS:Time Stamp)が対応付けられているとよい。これにより、古い行動情報は破棄したり、同時期の行動内容間を関連付けさせたり、最新の履歴に基づいた抽出をしたりすることが可能である。なお、ユーザIDではなく[cookie ID ]のみが行動内容と対応付けられて記録されるようにしてもよいし、ユーザIDのみが行動内容と対応付けられて記録してログイン時の行動内容のみを行動情報312として記録するようにしてもよい。
【0044】
このように構成される推奨情報表示システムにおいて、端末装置1にて電子メールが開封された時点での推奨情報が端末装置1にて表示されるまでの処理手順について説明する。
図4及び
図5は、端末装置1及び推奨情報送信装置3で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0045】
まず端末装置1において、メーラプログラム110に基づく制御部10のメーラ機能により、メールサーバ装置4から配信された電子メールを受信する(ステップS101)。情報提供装置2からメールサーバ装置4経由で配信される電子メールはHTMLメールであり、後述するように、宛先の電子メールアドレスにユーザ情報210にて対応付けられているユーザID及びcookie ID 、配信の依頼元である情報提供装置2を管理するマーチャントの識別情報(マーチャントID)が含まれている。マーチャントの識別情報は、情報提供装置2が提供するWebページのドメインを示す情報(ドメイン名又は識別情報)であってもよい。
【0046】
図6は、電子メール内に含まれる画像タグの記載例を示す説明図である。HTMLメールには
図6に示す如く、ユーザへ推奨されるアイテムの画像が画像タグ(<img> )にて含まれている。しかしながら、電子メールがメールサーバ装置4から送信される時点では、どのようなアイテムが推奨されるか不明であるため、画像タグ内のリソース属性(src=”...” )内に、画像の要求先のドメイン名(推奨情報送信装置3のドメイン)、宛先であるユーザを識別する情報(暗号化されたユーザID又はcookie ID )、配信の依頼元である情報提供装置2を管理するマーチャントの識別情報(マーチャントID)が少なくとも含まれている。そして、画像タグは
図6に示すようにアンカータグ(<a> )内に含まれており、画像が選択された場合に関係するコンテンツ要求が送信されるようにしてある。
【0047】
図6に示す例では、ユーザを識別する情報及びマーチャントの識別情報のみならず、マーチャントを配信元として複数の電子メールが送信される場合に、いずれの電子メールが開封されたかを識別するためのメール識別情報(camp変数)、電子メールに複数の画像が含まれる場合に、いずれの画像が選択されたかを示すための位置情報(pos 変数及びspec変数)が含まれている。なお、リソース属性の中身には、どのような推奨情報を送信させるかのフィルタ情報、例えば、推奨情報の検索キーとなるアイテムID、除外すべきアイテムのアイテムID、推奨すべきカテゴリの識別情報、除外すべきカテゴリの識別情報、最低金額、又は最高金額等を含むようにしてもよい。発売開始又は終了に関する日時、人気順位等のフィルタ情報であってもよい。
【0048】
なお各画像タグは、テーブルタグ(<table> )又はDIVタグ(<div> )を用いて配置されるとよい。画像の表示位置、色等の電子メールのデザインをスタイルシートで変更することが可能なようにテンプレート化させることができ、マーチャント側での管理を容易化できる。
【0049】
図4及び
図5に戻り、説明を続ける。端末装置1において、メーラプログラム110に基づく制御部10のメーラ機能により、受信済みの電子メールのリストが表示部13に表示される(ステップS102)。制御部10は、操作部14により、リストから情報提供装置2からの電子メールが選択されたか否か判断する(ステップS103)。選択されていないと判断された場合(S103:NO)、制御部10は処理をステップS102へ戻し、上述の電子メールが選択されるまで待機する。電子メールが選択されるまでに、メーラプログラム110に基づくメーラ機能は終了及び再起動を繰り返してもよいことは勿論であり、長らく選択されずに未開封のままであっても以下の処理は可能である。
【0050】
ステップS103において電子メールが選択されたと判断された場合(S103:YES)、電子メールのソース(HTML)に基づき、電子メールに含まれる画像の送信要求を推奨情報送信装置3宛てに送信する(ステップS104)。このとき制御部10は詳細には、画像タグ内のリソース属性に含まれる画像の要求先のドメイン(推奨情報送信装置3)へ、該ドメイン以下の情報(ユーザを識別する情報、及びマーチャントの識別情報)を送信する。なおステップS104の処理は、電子メールが選択されたと判断され、更にメーラのセキュリティ機能により、画像の表示が許可された場合に初めて実行されるようにしてもよい。
【0051】
推奨情報送信装置3において制御部30は、端末装置1からの画像の送信要求を受信する(ステップS201)。制御部30は、受信した送信要求に含まれるマーチャントの識別情報に対応する行動情報312を、マーチャント別に記憶部31に記憶してある行動情報312の内から読み出す(ステップS202)。制御部30は、受信した送信要求に含まれるユーザを識別する情報により、ステップS202にて読み出された行動情報312からユーザの行動内容を抽出する(ステップS203)。
【0052】
次に制御部30は、レコメンドエンジン310を用い、ステップS203で抽出された行動内容に基づき、送信要求を受信した時点においてユーザへ推奨される商品の情報(アイテムID)を特定する(ステップS204)。
【0053】
ステップS204において推奨される商品の特定は例えば以下のように行なう。例えば画像の送信要求に含まれるユーザの識別情報がユーザID「0012345 」であるとする。この場合、制御部30は、まず
図3における「ユーザID」が「0012345 」のユーザの「商品005閲覧」の行動情報から、同一の行動内容「商品005閲覧」と相関のある行動情報を抽出する。例えば、各ユーザの行動内容によって、商品同士の相関が形成され、記憶されている。ユーザID「0034567 」というユーザが「商品005」を閲覧し、且つ「商品008」を購入したことによって、「商品005」と「商品008」との相関が形成される。これにより、「商品005閲覧」の行動情報と相関のある「商品008」が抽出される。これにより、キーになる商品(ここでは「商品005」)を閲覧した他のユーザが結果的に購入したものが推奨情報として抽出される。
【0054】
なおどのように推奨情報を抽出すべきかの条件を、端末装置1からの画像の送信要求に含めるようにしてもよい。即ち、メールサーバ装置4から送信される電子メールに含まれる画像タグ内に、抽出条件を示すパラメータを挿入しておくとよい(
図6のspec属性)。例えば、(1)対象のユーザが過去に「閲覧した商品」を「閲覧した他のユーザ」が次によく「閲覧した商品」を抽出するのか、(2)対象のユーザが過去に「閲覧した商品」を「閲覧した他のユーザ」が結果的に「購入した商品」を抽出するのか(上述の例)、(3)対象のユーザが過去に「閲覧した商品」を「購入した他のユーザ」が「共に購入した他の商品」を抽出するのか、(4)対象のユーザが過去に「閲覧した商品」を「購入した他のユーザ」がその後「購入した商品」を抽出するのか、(5)対象のユーザが過去に「購入した商品」を「閲覧した他のユーザ」が次によく「閲覧した他の商品」を抽出するのか、(6)対象のユーザが過去に「購入した商品」を「閲覧した他のユーザ」が結果的に「購入した他の商品」を抽出するのか、(7)対象のユーザが過去に「購入した商品」を「購入した他のユーザ」が「共に購入した他の商品」を抽出するのか、(8)対象のユーザが過去に「購入した商品」を「購入した他のユーザ」がその後「購入した他の商品」を抽出するのか、を夫々示すパラメータを指定することで、抽出条件を変更することができる。このように、送信する電子メール内に含めるパラメータを変更することで容易に推奨情報の抽出条件を変更することができる。したがって、情報提供装置2を管理するマーチャント側で、電子メールを配信するタイミング毎に抽出条件を変更したり、配信先のユーザのカテゴリ別に抽出条件を変更したりすることが容易になる。
【0055】
制御部30は、ステップS204で特定された相関のある商品の情報(アイテムID)から、詳細な商品の情報(商品画像、品名、価格、説明テキスト等)をアイテム情報311から抽出する(ステップS205)。このとき、アイテム情報311に「商品008」が存在している(在庫が有る)場合に該商品の情報が抽出される。価格等の詳細な情報もその時点での最新の情報が抽出される。制御部30は、抽出した商品の情報を一時記憶部32に記憶する(ステップS206)。なおステップS206にて制御部30は、画像の送信要求と対応付けて記憶しておく。これにより、何れの端末装置1から要求された画像のデータを後述の処理で送信するかを識別することが可能である。複数の画像を送信する場合は、何れの位置に表示される画像であるかを識別して記憶する。
【0056】
制御部30は、ステップS205で抽出した商品の情報に基づき、商品の内容を示す画像を作成する(ステップS207)。制御部30は、作成された画像の画像データをステップS206で記憶した商品の情報と対応付けて一時記憶部32に記憶し(ステップS208)、作成された画像の画像データを画像の送信要求元の端末装置1宛てに送信する(ステップS209)。
【0057】
端末装置1の制御部10は、ステップS104にて送信した送信要求へのレスポンスとしてステップS208により送信された画像データを受信する(ステップS105)。制御部10は、ステップS103にて選択された電子メールのソースに基づき、電子メールに含まれる文字及び受信した画像データに基づく画像をレイアウトした電子メールの表示画面を表示部13に表示させる(ステップS106)。
【0058】
図7は、端末装置1における電子メールの表示画面例を示す説明図である。電子メールの表示画面には、推奨情報送信装置3から送信された画像データに基づく画像が表示される。画像には
図7内の破線で示すように、商品名、価格、商品説明が画像化されて含まれている。ユーザ毎に推奨される情報が異なる場合が多いために、ユーザ毎に表示される画像の内容は変わり得る。つまり、端末装置1の制御部10は、画像の送信要求に応じて画像データを受信し、受信した画像データに基づく画像を画像タグに基づいて表示させるのみであって、商品名等の文字情報を受信しない。制御部10は、メーラの機能によって電子メールのHTMLソースを書き換える処理を行なうことなしに、ユーザ個別のコンテンツを電子メール内に表示させることができる。
【0059】
図4及び
図5に戻り説明を続ける。
制御部10は、表示部13に表示されている電子メールの表示画面において画像の選択を受け付ける(ステップS107)。電子メール内の画像を表示するための画像タグは、上述したように所定のドメイン(推奨情報送信装置3内)へのアンカータグ(<a> )に含まれているため、制御部10は、選択された画像が埋め込まれているアンカータグ内のリンク先情報(href属性)に基づき、ブラウザプログラム111によるブラウザを起動させ(ステップS108)、該ブラウザにて表示させるコンテンツ要求を推奨情報送信装置3へ送信する(ステップS109)。
【0060】
推奨情報送信装置3の制御部30は、通信部33により、画像に関係するコンテンツ要求を受信する(ステップS210)。制御部30は、コンテンツ要求に含まれるリンク属性の情報に基づき、選択された画像の商品について詳細を示す情報提供装置2におけるWebページへのリダイレクトレスポンスをアイテム情報311に基づき抽出して返信する(ステップS211)。ステップS211において制御部30は、ステップS206にて、何れの端末装置1から要求された画像であって、何れの位置に表示される画像であるかを識別して記憶しておいた商品の情報に基づいて、いずれの商品に対応する画像が選択されたかを特定し、情報提供装置2におけるWebページのリダイレクトレスポンスを作成して返信する。なおこのとき制御部30は、画像が選択された回数を計測しておいてもよいし、計数を商品別に行なうようにしてもよい。
【0061】
端末装置1の制御部10は、推奨情報送信装置3からのレスポンスを通信部15により受信し(ステップS110)、ステップS108にて起動させたブラウザの機能により、受信したレスポンスに基づき、情報提供装置2へ詳細ページのコンテンツ要求を送信し(ステップS111)、コンテンツ要求に応じて情報提供装置2から送信されたWebページを受信し(ステップS112)、受信したWebページに基づきブラウザ画面を表示部13に表示させ(ステップS113)、処理を終了する。
【0062】
上述の処理手順により、受信された電子メールの内容を表示するべく推奨情報送信装置3へ画像の送信が要求された時点で、推奨情報送信装置3にて推奨情報が抽出される。推奨情報送信装置3におけるアイテム情報311を適宜更新(日次更新)することにより、情報提供装置2における提示期間を超過してしまった商品が抽出されることを回避することができる。
【0063】
なお、上述の処理手順の内、ステップS207及びS208の画像の生成処理は、推奨情報送信装置3とは異なる他装置で実施される構成としてもよい。この場合制御部30は、ステップS207において、画像の生成を行なう他装置へのリダイレクト要求として抽出された詳細な商品の情報を端末装置1へ返信する。端末装置1からのリダイレクト要求に基づくアクセスによって他装置側で画像の作成処理が実行され、電子メール内に表示されるべき画像が他装置から端末装置1へ送信される。画像の生成を他装置にて実行することにより、負荷分散が可能である。
【0064】
このように本実施の形態における推奨情報表示システムでは、電子メールの本文内で表示される場合であっても、電子メールが開封された時点における推奨情報をリアルタイムに抽出するので、在庫切れの商品又は開示期間が終了した情報等が推奨情報として送信される事態が回避される。また、電子メールが開封された日から売り出した商品、その日、週に人気である商品を推奨情報として表示させることができる。
【0065】
従来、HTMLベースでのリアルタイムな情報の表示は例えば、WebページであればJavascript(登録商標)を用いてソースの書き換えを行なうことで実現することができた。更に、JSONP(JavaScript(登録商標) Object Notation with Padding )等の技術を用いることも可能である。しかしながら汎用的なメーラプログラム110に基づいて電子メールの内容(文字及び画像)を表示する場合、HTMLメールであっても、ソースの書き換えがセキュリティの問題で困難であり、また画像のレイアウト制御が困難である。そこで本実施の形態における推奨情報表示システムのように、HTMLの画像タグ(<img> )を用い、src 属性で種々のパラメータを設定可能に構成してHTMLメールのソースに埋め込むことにより、画像を推奨情報送信装置3側で作成し、リアルタイムな推奨情報の提示を実現することができる。更に、推奨情報送信装置3側で、何れの電子メール宛て、何れの商品の画像の画像データを何れの位置(何番目)に表示するべく送信したかを記憶しておくことで、端末装置1からのコンテンツ要求に応じて情報提供装置2からWebページを送信させるリダイレクトレスポンスを実現し、直接的に情報提示装置2へのアクセスにつなげることが可能である。
【0066】
更に本実施の形態における推奨情報表示システムでは、電子メールに各ユーザの識別情報と、情報提供装置2の管理者(マーチャント)の識別情報とを含ませることで推奨情報の提示が実現されるため、各ユーザ向けに予め抽出した推奨情報を電子メール内に差し込むなどの工程が不要である。またテンプレート化された電子メールを送信させることで実現するので、情報提供装置2を管理する管理者が特別な工程をメールベンダに依頼することが不要となり、管理者自身で推奨情報を含む電子メールの配信を管理することが可能であり、更に、管理者自身で抽出条件を適宜設定することも容易である。
【0067】
(変形例)
変形例として推奨情報送信装置3では、以下のような処理手順を実行するようにしてもよい。
図8及び
図9は、変形例における端末装置と推奨情報送信装置との間で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8及び
図9のフローチャートに示す処理手順は、
図4及び
図5のフローチャートに示した処理手順と同一の手順を含むので、これらの同一の手順には同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
変形例において推奨情報送信装置3の制御部30は、ステップS205で商品を抽出した後、抽出された商品に基づき作成されるべき画像データが一時記憶部32に記憶されている画像データと同一になるか否かを判断する(ステップS220)。制御部30は、同一と判断した場合(S220:YES)、一時記憶部32に記憶されている画像データを読み出し(ステップS221)、画像を作成、記憶する処理(ステップS207,S208)を省略して画像データを画像の送信要求元の端末装置1宛てに送信する(S209)。ステップS220にて同一でないと判断した場合(S220:NO)、画像を作成、記憶する処理(S207,S208)を行なってから送信する。ステップS220の判断により、同一の商品であっても、画像、価格等の詳細な情報が更新されていれば新しい画像が作成されるが、同一の画像となる場合には画像化の処理が省略される。これにより、推奨情報送信装置3における処理負荷を低減し、更に端末装置1への応答速度を高速化することができる。
【0069】
本実施の形態においては、メールサーバ装置4から配信される電子メールは、ユーザ情報210にて電子商取引を行なうために登録されているユーザ向けに送信される構成とした。しかしながら、他サービスで管理されているメールアドレス宛に送信されたものであって実現可能である。メールアドレスに紐づけられるユーザID又はcookie ID毎の行動情報の記録を推奨情報送信装置3にて行なっておき、他サービスで管理されているメールアドレス宛の電子メールにcookie ID(又はユーザID)と、及び推奨情報の対象であるマーチャントの識別情報が含まれていれば、電子メール受信者の行動情報に基づき、電子メール開封時における推奨情報の表示が可能になる。
【0070】
なお、上述のように開示された本実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。