特許第6215054号(P6215054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルセロールミタル・メジエール・リサーチ・エス・アの特許一覧

特許6215054コークスプラントおよび同プラントを制御する方法
<>
  • 特許6215054-コークスプラントおよび同プラントを制御する方法 図000002
  • 特許6215054-コークスプラントおよび同プラントを制御する方法 図000003
  • 特許6215054-コークスプラントおよび同プラントを制御する方法 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6215054
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】コークスプラントおよび同プラントを制御する方法
(51)【国際特許分類】
   C10B 27/06 20060101AFI20171005BHJP
【FI】
   C10B27/06 Z
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-532239(P2013-532239)
(86)(22)【出願日】2011年10月5日
(65)【公表番号】特表2013-542287(P2013-542287A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】FR2011000541
(87)【国際公開番号】WO2012045926
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2014年4月28日
【審判番号】不服2016-3287(P2016-3287/J1)
【審判請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】PCT/FR2010/000663
(32)【優先日】2010年10月5日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513082247
【氏名又は名称】アルセロールミタル・メジエール・リサーチ・エス・ア
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲレ,ジヤン−ポール
(72)【発明者】
【氏名】プチ,エチエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】イスレル,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ドウランシヤン,ジユリエツト
【合議体】
【審判長】 國島 明弘
【審判官】 井上 能宏
【審判官】 日比野 隆治
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公告第371282号明細書(GB,A)
【文献】 実公昭57−45227号公報(JP,Y2)
【文献】 特開昭58−38785号公報(JP,A)
【文献】 特開2000−198986号公報(JP,A)
【文献】 特開2001−152157号公報(JP,A)
【文献】 特開平09−310072号公報(JP,A)
【文献】 社団法人 日本エネルギー学会等編集、「コークス・ノート2004年版」、社団法人 日本エネルギー学会発行、2004年3月31日、第21版改訂版、第97〜第102頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連のコークス炉(2)を含むタイプのコークスプラント(1)であって、各コークス炉(2)は側面取り出し扉(3、4)が設けられたコークス化チャンバを含み、前記コークス化チャンバはコークス化ガスの排出管(7)が設けられたライザー管(5)と連通しており、各コークス炉(2)の排出管(7)は収集バレル(8)につながっており、収集バレル(8)はコークス化ガス処理回路(12、13、14)に接続されており、前記コークス炉のうちの1つの少なくとも1つの排出管(7)は、前記排出管(7)の壁上に、コークス化チャンバを出るガスの流れる方向に対して逆流する加圧液体を吐出する吐出手段(11)をさらに含み、
前記排出管(7)が、安全手段を含み、該安全手段が、前記収集バレル(8)の上方に位置して、吐出手段(11)によって吐出される加圧液体が前記ライザー管(5)に到達しないようなサイズである、コークスプラント。
【請求項2】
前記吐出手段(11)が、中空円錐の形に加圧液体を吐出するノズルを備える、請求項1に記載のコークスプラント。
【請求項3】
前記吐出手段(11)によって吐出される加圧液体が、収集バレル(8)に接続されたタンク内に注がれ、加圧液体の吐出手段(11)はその後、ポンプに接続された前記タンクによって前記加圧液体を供給される、請求項1または2に記載のコークスプラント。
【請求項4】
前記コークス炉(2)の圧力を測定する圧力測定手段をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載のコークスプラント。
【請求項5】
前記コークス炉(2)の圧力測定手段に接続された、前記加圧液体の吐出手段(11)の圧力を制御する手段をさらに含む、請求項に記載のコークスプラント。
【請求項6】
前記加圧液体が水性である、請求項1からのいずれか一項に記載のコークスプラント。
【請求項7】
前記排出管(7)は、前記加圧液体の吐出手段(11)を起動することによって少なくとも部分的に閉鎖される、請求項1からのいずれか一項に記載のコークスプラント(1)を制御する方法。
【請求項8】
前記加圧液体の吐出手段(11)が、所定の計画にしたがって、コークス化サイクルの後半から起動される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記排出管(7)が、前記コークス炉(2)のコークス化チャンバ内の圧力が負圧になると、前記加圧液体の吐出手段(11)を起動することによって少なくとも部分的に閉鎖される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記加圧液体の吐出手段(11)が、コークスが取り出されるまで前記コークス炉の圧力が+5Paから+10Paの間で維持されるように起動される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄生産反応炉における還元剤を製鋼高炉に提供するために、石炭からコークスを製造する炉を含むコークスプラント、ならびにこのような設備を管理するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
石炭は、炉団に配列された耐火炉内で空気の不存在下で焼成されると、コークスに転換する。この転換プロセスは、焼成段階の初期において大量の高温ガス(およそ700〜750℃)を放出し、これはプロセスが進むにつれて徐々に減少する。
【0003】
各炉内で、これらのガスは、上部で弁によって閉鎖されているライザー管を通じて排出される。各ライザー管は湾曲排出管を通じてバレル内に向かって開放しており、これは炉団からガスを収集してそれらを処理回路に送る、大径の管である。各湾曲排出管は、バレル、およびバレルとの交差部に配置されており、および2つの位置を取ることができる封止板(または板)に流入する前に、ガスを約80℃まで冷却するためのアンモニア水ノズルを含む。開放位置では、板は垂直であって、ガスのために通路を完全に開けておく。閉鎖位置では、板は水平であって、バレルに向かうガスの通路を完全に封鎖できるようにする。
【0004】
コークス化段階の間、各炉のライザー管弁は閉鎖され、バレルへのガスの排出を可能にする。炉の封止板は、この時開放位置にある。
【0005】
コークス化が完了して炉からコークスが取り出されるとき、弁は開放されて炉板が閉鎖され、これによりバレルを隔離し、ライザー管を通じて残留ガスを排出できるようにする。
【0006】
ほとんどのコークスプラントにおいて、バレルにかかる圧力のみが、炉の高さに応じて70から150Paの間で異なる設定点あたりで調節される。焼成段階の初期において、炉内のガス圧力が高いと、そのメンテナンスおよび漏れ防止に注意が払われているにも関わらず、炉扉を通じてガスが放出される結果となる。これらの放出は、微粒子、一酸化炭素、および多環式芳香族炭化水素(PAH)を含んでおり、作業条件および周囲空気の質に対して著しい影響を有する。
【0007】
焼成の終わりには、炉は低圧力状態となり、外部から空気が入って、最終的には炉の入り口付近での燃焼のため、耐火レンガの劣化を招く可能性がある。
【0008】
炉のライフサイクルを優先させているいくつかのコークスプラントは、これが扉での放出を生じるとしても、焼成の終わりに炉内の陽圧を維持するために、高いバレル圧で稼働する。その他のコークスプラントは、排気ガス規制法を有する米国など、厳しい環境要件が課せられており、炉の入り口の劣化および炉のライフサイクルへの悪影響がある危険性がありながら、非常に低いバレル圧で稼働している。
【0009】
装填中の煙の放出を低減するために、湾曲排出管の中に配置されたアンモニア水ノズルがガスの流れる方向に加圧水(30から40バール)を吐出し、こうして処理回路へのこれらのガスの吸引効果を生じる、第一のタイプのコークスプラントがある。このノズルは、石炭が炉に投入されるときに2分間だけ、およびこの投入の後の5分間だけ高圧で稼動するが、一方で焼成は16から20時間かかる。高いバレル圧が維持されれば、この技術は炉の焼成の最初の数時間の間の放出をなくすことができない。
【0010】
これらのガス放出の管理を改善するために、各炉内の圧力が個別に制御される第二のタイプのコークスプラントがある。これは具体的には国際公開第02/094966号に記載されている。このプラントは、ガスが通過するギザギザの切り込みを備える直管によってバレルの内部に延在する、湾曲排出管を含む。この管は、サイフォンのように水で満たされたドームにつながっており、ドームは、ドームの高さおよびガスの通路の表面を調整するために使用される、空気圧シリンダに接続されている。空気圧シリンダは、炉内で得られる圧力測定値に応じて制御され、バレルは炉の焼成サイクルの間ずっと吸引されたままになっている。このシステムは、炉圧が効率的に調整されるように、具体的には焼成の終わりにわずかな陽圧を維持できるようにする。
【0011】
しかしながら、これは機械的に複雑であり、そのため著しいメンテナンスを要するという不都合を有している。これはまた、既存設備のかなりの改造も必要とする。最後に、機器の全ては安全上の理由から二重にされなくてはならず、その使用はコークス化の開始時に炉扉のガス漏れを防止しない。
【0012】
各炉内の圧力が個別に制御され得ない、最後のタイプのコークスプラントもある。このシステムは、炉板を連接してその位置を制御することによって第一のタイプのプラントを変更したものであり、そのため開放垂直位置と閉鎖水平位置との間で可能な全ての中間位置を取ることができる。このため、各ライザー管の底部で測定された圧力にしたがって板を部分的に閉鎖することによって、各炉内の圧力を調整することが可能である。板はまた、特に完全に閉鎖されたときに、システム感度を最適化するために、その上部でベルの形状を取るように改造されることも可能である。しかしながら、このシステムは、圧力のわずかな変化にも非常に敏感であって精密な制御を必要とするので、実際にはいくつかの不都合もあり、実現するのが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2002/094966号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上述の問題を解決することである。具体的には、これらプラントのライフサイクルを短縮することなくコークス化ガス放出を低減できるようにする、コークスプラントおよびそのようなコークスプラントの制御方法を提供することを目指す。また、頻繁な停止時間または高度な調整システムを必要としない、低メンテナンスのコークス化の簡素化された制御を可能にすることも、目指している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的のため、本発明の第一の対象は、側面取り出し扉が設けられたコークス化チャンバをその各々が含む、一連のコークス炉を含むタイプのコークスプラントであり、前記チャンバはコークス化ガス排出管が設けられたライザー管と連通しており、各炉の排出管は収集バレル内につながっており、これはその結果コークス化ガス処理回路に接続されており、前記炉のうちの1つの前記排出管の少なくとも1つは前記排出管の壁上に加圧液体を吐出する手段をさらに含み、前記液体は、チャンバを出るガスの流れる方向に対して逆流する。
【0016】
本発明によるプラントは、個別にまたは組み合わせて取り入れられる、以下の特徴をさらに提供してもよい:
−加圧液体の吐出手段は、中空円錐の形に液体を吐出するノズルを備え、
−排出管は、収集バレルの上方に位置して、吐出手段によって吐出される加圧液体がライザー管に到達しないようなサイズの、安全手段を含み、
−液体吐出手段によって吐出される液体は、バレルに接続されたタンク内に注がれ、液体吐出手段はその後、ポンプに接続されたタンクによって供給され、
−プラントは炉内の圧力を測定する手段をさらに含み、
−プラントは、炉圧測定手段に接続された、液体吐出手段の圧力を制御する手段をさらに含み、
−吐出液は水性であり、
−プラントはバレルの封止板を含み、液体吐出手段がこの板の上に配置されている。
【0017】
本発明の別の対象は、本発明によるコークスプラントの制御方法であり、排出管は加圧液体を吐出する手段を起動することによって少なくとも部分的に閉鎖される。
【0018】
好適な実施形態において、液体吐出手段は、所定の計画にしたがって、コークス化サイクルの後半から起動される。
【0019】
別の好適な実施形態において、排出管は、炉チャンバ内の圧力が負圧になると、好ましくは取り出し時まで炉圧が+5Paから+10Paの間で維持されるように、加圧液体を吐出する手段を起動することによって少なくとも部分的に閉鎖される。
【0020】
本発明の別の特徴および利点は、例示が与えられ添付の図1から図3を参照する、以下の説明より明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明によるコークス炉団の断面を示す図である。
図2】ノズルによって形成された中空円錐の形状の水カーテンを示す図である。
図3】コークス化時間に依存する炉内の圧力曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明によるコークス炉団1の断面を示す。
【0023】
これはまず、前扉3および後扉4を含む炉2を示す。炉チャンバ2は、弁6が上に載っているライザー管5と連通している。ライザー管5は、部分的に水で満たされた収集バレル8内につながる、横方向湾曲排出管7(ホースヘッドと称される)によって延長される。
【0024】
湾曲排出管7は、蒸留ガスを冷却してバレル内のタールの一部を凝縮するために、投入物の焼成期間全体にわたって低圧で水を吐出する従来型ノズル9を備えている。ノズルはまた、炉チャンバからガスが流出する方向に、30から40バールの間の高圧での水の吐出も可能であり、これにより炉2の外部のこれらガスの吸引効果を生み出す。吐出水は通常、プラントで生成されて再生されるアンモニア水である。
【0025】
いくつかのプラントにおいて、加圧アンモニア水の吐出の代わりに、10から15バールのスチームの吐出が利用される。
【0026】
バレルには、図示されるような開放位置を取ることができ、水平になるまで閉鎖位置に向かって旋回させられることが可能な、従来型封止板10が設けられている。本発明の枠内で、第二ノズル11が、湾曲排出管7とバレル8との接続点の上方、したがって封止板10の上方に位置づけられる。このノズル11はここで、最大5バールまで上昇し得る低圧水に提供される。ここでも、使用される水は再生アンモニア水である。
【0027】
図1に示される特定の実施形態において、ノズル11は、図2に示されるタイプの、中空円錐の形状の水カーテンを形成できるようにする。この中空円錐は、炉2からバレル8へのガスの通過に対してある程度透過性であり、排出管7を少なくとも部分的に閉鎖できるようにする。吐出水の圧力がどうあれ、これは排出管7の壁と接触するようになり、水カーテンは水圧に応じてある程度ガスを透過させる。
【0028】
当然ながら、たとえば実質的に平らな大きく広がった円錐状のカーテンを形成するサイドオリフィス付きのノズルなど、別の形状のカーテンを形成する別のタイプのノズルを用いることも、可能である。
【0029】
ノズルタイプおよび逆流方向のノズル11の出力圧は、関連する炉の特定の構成に依存し、当業者はこれらを相応に選択することができるだろう。圧力はいずれの場合においても、ガスの通過を少なくとも部分的に遮断する、厚くて規則的な水カーテンを形成するのに十分でなければならない。こうして形成された水カーテンが、耐火レンガを損傷しないように炉2の内部に向かって突起せず、炉内への圧力低下を最悪にすることによって非生産的となるベンチュリ効果の発生を回避するために、チャンバ内から出るガスの流れる方向にも突起しないことも、必須である。
【0030】
好適な実施形態において、湾曲排出管7には、たとえノズル11の圧力が最大値に設定されても、ノズル11から吐出される液体がいかなる状況でもライザー管5に、とりわけ炉2にも到達できないことを保証するために、安全手段が設けられてもよい。
【0031】
これらの安全手段はいずれの適切な形状を取ってもよく、具体的には、バレル8のすぐ上に位置し、湾曲していない管状部を備え、その後下方に向けられる、湾曲排出管7の延長部の形態を取ってもよい。これらはまた、排出管7とライザー管5との間の接合部で排出管7の断面を部分的に封止する、横方向フランジの形態を取ってもよい。
【0032】
バレル8はその後、ガス処理領域13につながるガス排出管12に接続され、その末端で、ガスは再利用される前にガスタンク14まで搬送される。
【0033】
新しいコークス化サイクルの始めに、炉2の扉3および4は閉鎖され、新しい石炭が装填穴15を用いて炉の上部から重力によって投入され、弁6は閉鎖水平位置にある。バレル8の板10は、開放垂直位置にある。炉内の圧力低下を形成し、それによって全ての投入ガスを捕捉するために、投入の間、およびそれに続く数分の間、ノズル9には高圧が印加される。
【0034】
投入プロセスの終わりには、ノズルにはもはや加圧アンモニア水は供給されないが、しかしバレル8に流入する前にガスを冷却するために、代わりに低圧アンモニア水が供給される。炉圧が高い(数百Pa)時、焼成の最初の数時間焼成の間に扉での漏れを防止するために、本発明によれば、バレル8の内部の圧力は、40から50Paの間の低い正の値に設定される。バレル8内の圧力がこれほど低いと、投入後の最初の数分間の扉3および4における放出を大幅に減少させることができ、あるいはこれらを完全に抑制することさえできる。
【0035】
焼成プロセスの終わりに、炉2の内部の圧力が負圧になると、ノズル11は、吐出されるガスに逆流するように低圧の水を吐出することによって起動され、これは炉2を5から10Paの陽圧で維持できるようにする。
【0036】
これは、扉からの空気の流入を招いて最終的に炉の入り口を劣化させる可能性のある、炉2の内部のいかなる圧力低下も回避する。
【0037】
取り出しの際、次のコークス化サイクルまで、ノズル11の動作は中断され、板10は閉鎖水平位置にされる。
【0038】
ノズル11によって吐出された水は、凝縮液とともにバレル8内に収集され、ノズル9からの水はその後、処理および再生される前に採集タンク(図示せず)内に放出される。
【0039】
本発明の枠内において、ノズル9ですでに使用されたアンモニア水は、好ましくは吐出液として利用されることになる。
【0040】
本発明による逆流ノズル11は、いずれか適切な締め具を用いて湾曲排出管7に固定されてもよい。
【0041】
BEXタイプの逆流ノズルまたは同等物が設けられたコークス炉内で本発明による方法を実行することにより、全面的な試験が実行された。これらは、コークス化時間に依存する炉内の圧力曲線を示す図3のグラフに見られるように、炉内の圧力を正確に調整することが可能であることを確認した。
【0042】
具体的には、ノズル11がオンにされて水圧に様々な変化が起きてからから1時間4分後に、ノズル出口における2バールの圧力レベル(ポンプレベルでの3バールに相当)が炉内のわずかな陽圧に到達するのに必要十分であると証明され、これは炉扉を通じて炉内に空気が流入するのを防止することができる。
【0043】
逆流ノズルによって吐出された水の圧力をこのように調節することによって、各コークス炉の圧力は精密に調節されることが可能である。
【0044】
本発明の範囲内に含まれたままで、本発明による逆流ノズルの使用が、コークス炉のその他個別の調整手段と組み合わせられてもよいことは、言うまでもない。
【0045】
本発明によるプロセスを自動化するためには、関連する各炉内の圧力を連続的に測定し、測定された圧力レベルに応じてノズル11を作動するプロセス管理コンピュータに情報を送るだけで、十分である。石炭からコークスへの変換が完了するにつれて同時に炉2内の圧力がさらに低下する、第二の時間に、なされなければならないことは、関連する炉の圧力を望ましい圧力範囲内に維持するために吐出水の圧力を増加することだけである。
【0046】
炉の圧力を連続的に測定することが望ましくないときは、単純に、圧力閾値の超過を通知して、その後湾曲排出管7の封止手段を起動することが可能な装置を、炉に設けることも考えられるだろう。
【0047】
炉団内の圧力を測定しないで、通常のコークス化サイクルの圧力を事前に決定し、所定時間に所定圧力で液体を吐出するようにノズル制御機器11を調節することも可能であり、これらは所定の構成にしたがって変更可能である。したがって、液体の吐出は、たとえばコークス化サイクルの最後の1/4(the last quarter)に到達したときに開始すると定義することができる。
【0048】
必要であれば、プロセス管理コンピュータによって送信された情報を収集する場合があるオペレータによってシステムを制御することも、可能である。
図1
図2
図3