特許第6215055号(P6215055)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6215055-熱線を具備した組立式歩道ブロック 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6215055
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】熱線を具備した組立式歩道ブロック
(51)【国際特許分類】
   E01C 5/00 20060101AFI20171005BHJP
   E01C 11/26 20060101ALI20171005BHJP
【FI】
   E01C5/00
   E01C11/26 A
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-543087(P2013-543087)
(86)(22)【出願日】2011年10月17日
(65)【公表番号】特表2013-544998(P2013-544998A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】KR2011007688
(87)【国際公開番号】WO2012077904
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2014年10月16日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0126098
(32)【優先日】2010年12月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513144693
【氏名又は名称】リ ジュン‐ウォク
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】リ ジュン‐ウォク
【審査官】 竹村 真一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−049805(JP,U)
【文献】 特開平10−306404(JP,A)
【文献】 特開平10−237804(JP,A)
【文献】 特開2001−085145(JP,A)
【文献】 特開2010−107090(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/087596(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 1/00−11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に多数の第1溝部が形成された下部ブロックと、前記下部ブロックの第1溝部に挿入結合されるように下方に突出される多数の第2溝部が形成され、隣り合う第2溝部の間の上面に長さ方向の第1熱線挿入溝が形成された緩衝板と、下面が前記緩衝板の第2溝部に挿入結合されるように下方に突出される多数の突出部が形成され、隣り合う突出部の間の下面に前記第1熱線挿入溝に対応する第2熱線挿入溝が形成された上部ブロックと、前記第1熱線挿入溝と第2熱線挿入溝との間に挿入される熱線と、を含む熱線を具備した組立式歩道ブロックであって、
前緩衝板の上面の大きさは、前記上部ブロックの下面の大きさに等しく、
前緩衝板の下面の大きさは、前記下部ブロックの上面の大きさに等しく、
前記緩衝板には、
前記隣り合う第2溝部の間の上面に各々一方の端部と他方の端部とを有する長さ方向の複数の前記第1熱線挿入溝と、前記長さ方向と交差する交差方向に沿って配置された複数の一方の第1曲線状挿入溝及び前記交差方向に沿って配置された複数の他方の第1曲線状挿入溝からなる複数の第1曲線状挿入溝と、が形成され、
前記複数の一方の第1曲線状挿入溝の各々は、各隣り合う2つの前記第1熱線挿入溝の各々の前記一方の端部を連結し、
前記複数の他方の第1曲線状挿入溝の各々は、各隣り合う2つの前記第1熱線挿入溝の各々の前記他方の端部を連結し、
前記上部ブロックには、
前記複数の第1熱線挿入溝に対応する複数の第2熱線挿入溝と、
前記複数の一方の第1曲線状挿入溝に対応する複数の一方の第2曲線状挿入溝及び前記複数の他方の第1曲線状挿入溝に対応する複数の他方の第2曲線状挿入溝からなる複数の第2曲線状挿入溝が形成され、
前記熱線は、
前記複数の第1熱線挿入溝と前記複数の第2熱線挿入溝との間、前記交差方向に沿って配置された複数の一方の第1曲線状挿入溝の内の一つ飛ばしで選択された一方の第1曲線状挿入溝と当該一方の第1曲線状挿入溝に対応する一方の第2曲線状挿入溝との間、及び前記交差方向に沿って配置された複数の他方の第1曲線状挿入溝の内、前記一つ飛ばしで選択された他方の第1曲線状挿入溝に対応する他方の第1曲線状挿入溝が選択されないように、一つ飛ばしで選択された他方の第1曲線状挿入溝と当該他方の第1曲線状挿入溝に対応する他方の第2曲線状挿入溝との間に挿入される、
組立式歩道ブロック。
【請求項2】
前記第1溝部及び第2溝部の周縁は斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の熱線を具備した組立式歩道ブロック。
【請求項3】
前記緩衝板はシリコーン又はPVC材質で形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱線を具備した組立式歩道ブロック。
【請求項4】
隣り合う前記第1熱線挿入溝の端部及び隣り合う前記第2熱線挿入溝の端部は曲線状の挿入溝を介して連結されることを特徴とする請求項1に記載の熱線を具備した組立式歩道ブロック。
【請求項5】
前記上部ブロックの厚さは150〜250mmであることを特徴とする請求項1に記載の熱線を具備した組立式歩道ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組立式歩道ブロックに関するものであり、特に熱線から発熱される熱が地面に損失されずに歩道ブロックの上部に効率的に伝達されるようにし、組立が容易で歩行の際の衝撃を吸収する熱線を具備した組立式歩道ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、歩道ブロックとは路面にブロック状の板材を覆って雨によって歩道の土が流失されるか損傷されることを防止し、歩行者の歩行を楽にするためのものであって、道路沿いの歩道などには同じ形状を有する歩道ブロックが連続して設置される。
【0003】
従来の歩道ブロックは砂とセメント及び顔料を混合して製造したセメントブロックが主に使用されていたが、セメントブロックは硬いため歩行者の足の裏や足首に衝撃を与える。
【0004】
最近は、歩行者に与える衝撃を緩和するために廃ビニルや廃タイヤなどを利用した歩道ブロックを設置している。
【0005】
このような従来の歩道ブロックは表面が比較的滑らかであるため、冬場に雪が積もるか結氷する場合歩行者が滑って傷害を負う恐れがある問題がある。
【0006】
そのため、通常冬場には歩行者の安全を確保するために歩道ブロックに塩化カルシウムを散布して除氷作業を行うか、歩道ブロックの下部に熱線を設置して歩道ブロックの上の雪や結氷を除去している。
【0007】
ところで、従来の歩道ブロックの下部に熱線を設置した構造の場合、熱線の熱が上部の歩道ブロックに全て伝達されずに地面に吸収されてしまう短所があり、熱線が歩道ブロックと地面との間に設置されるため損傷する短所があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
背景技術の短所を解消するための本発明の目的は、下部ブロックの上面に溝部を形成し、緩衝板に下部ブロックの溝部に対応するように下側に突出された溝部を形成し、上部ブロックに緩衝板の溝部に挿入されるように下部に突出された突出部を形成し、緩衝板の溝部の間の上面と上部ブロックの突出部の間の下面に熱線挿入溝を形成して下部ブロックと緩衝板と熱線及び上部ブロックを順次に積層して組み立てるようにする熱戦が具備された組立式歩道ブロックを提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、下部ブロックと上部ブロックとの間に断熱機能をする緩衝板を積層し、緩衝板と上部ブロックとの間に熱線を設置することで熱線から発熱された熱が地面に損失されないようにする熱線が具備された組立式歩道ブロックを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、下部ブロックと緩衝板及び上部ブロックの溝部の周縁を斜面に形成して荷重を分散させるようにする熱線が具備された組立式歩道ブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題を解決するための本発明の熱線が具備された組立式歩道ブロックは、上面に多数の第1溝部が形成された下部ブロックと、下部ブロックの第1溝部に挿入結合されるように下方に突出される多数の第2溝部が形成され、隣り合う第2溝部の間の上面に長さ方向の第1熱線挿入溝が形成された緩衝板と、下面が緩衝板の第2溝部に挿入結合されるように下方に突出される多数の突出部が形成され、隣り合う突出部の間の下面に第1熱線挿入溝に対応する第2熱線挿入溝が形成された上部ブロックと、第1熱線挿入溝と第2熱線挿入溝との間に挿入される熱線と、を含む。
【0012】
ここで、第1溝部及び第2溝部の周縁は斜面を有し、緩衝板はシリコーン又はPVC材質で形成されてもよい。
【0013】
また、隣り合う第1熱線挿入溝の端部及び隣り合う第2熱線挿入溝の端部は曲線状の挿入溝を介して連結される。
【0014】
また、上部ブロックは熱線から発熱される熱が上部に円滑に伝達されるように150〜250mmの厚さを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、地面に設置される下部ブロックの上面に形成された溝部に緩衝板の溝部及び上部ブロックの突出部を順次に挿入して積層結合することで、組立を容易にする利点がある。
【0016】
また、本発明は、上部ブロックと下部ブロックとの間に緩衝板を積層して上部ブロックと下部ブロックとの間の衝撃による破損を防止し、歩行者に与える衝撃を緩和する利点がある。
【0017】
また、本発明は、熱線から発熱された熱が緩衝板によって遮断されて下部ブロックを介して地面に損失されないようにすることで、上部ブロックの上部面に熱が効率的に伝達されるようにして除氷効率を高める利点がある。
【0018】
また、本発明は、下部ブロックと緩衝板の溝部の周縁を斜面に形成して荷重を分散し、過度な荷重による破損を防止して歩道ブロックの交換周期を増加させる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による熱線が具備された組立式歩道ブロックの平面図である。
図2】本発明による熱線が具備された組立式歩道ブロックの分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい一実施例を更に詳しく説明する。
【0021】
図1は本発明による熱線が具備された組立式歩道ブロックの分解斜視図であり、図2は本発明による熱線が具備された組立式歩道ブロックの分解断面図である。
【0022】
図1及び図2を参照すると、本発明による熱線が具備された組立式歩道ブロックは下部ブロック1と、緩衝板2と、上部ブロック3と、熱線4を含む。
【0023】
ここで、下部ブロック1は地面の上部に設置されるものであって、下部ブロック1の上面に多数の第1溝部11が形成される。ここで、第1溝部11は周縁が所定の傾斜角を有する斜面を有することが好ましい。即ち、第1溝部11の周縁が傾斜した構造を有するため、後述する上部ブロック3と組み立てた後歩行者による荷重が加えられる場合、荷重が地面と直角に加えられずに斜面に分散されるため過度な荷重による破損が防止される。
【0024】
緩衝板2は下部ブロック1と上部ブロック3との間に結合されて下部ブロック1と上部ブロック3の衝突による破損を防止し、歩行者に与える衝撃を緩和し、熱線4を保護するためのものであって、緩衝板2には第1溝部11に挿入結合される多数の第2溝部21が下方に突出形成される。
【0025】
そして、緩衝板2の第2溝部21の間の上面には長さ方向に延長された半円状の第1熱線挿入溝22が形成される。また、緩衝板2の前後の端部には隣り合う第1熱線挿入溝22の端部を連結する第1曲線状挿入溝23が形成される。このように、本発明は隣り合う第1熱線挿入溝22の間を第1曲線状挿入溝23で連結することで、前後の端部の近くで熱線が曲がらずに緩慢な曲線を成して挿入されるようにする。
【0026】
また、緩衝板2はシリコーン又はPVC材質で形成されることで、熱線4から発熱された熱が下部ブロック1を介して地面に損失されないように断熱機能をし、上部ブロック3への熱伝達効率を高める。
【0027】
一方、上部ブロック3は歩行者の足が当たる表面層を形成するものであって、上部ブロックの下面には第2溝部21に挿入結合される多数の突出部31が下方に突出形成される。
【0028】
そして、上部ブロック3の突出部31の間の下面には長さ方向に延長された半円状の第2熱線挿入溝32が形成される。ここで、第2熱線挿入溝32は第1熱線挿入溝22に対応する形状で形成されて緩衝板2の上部に上部ブロック3が組み立てられる場合円形の溝を形成し、この円形の溝に熱線が挿入されるようにする。
【0029】
また、上部ブロック3の前後の端部には上述した緩衝板2と同じく隣り合う第2熱線挿入溝32の端部を連結する第2曲線状挿入溝33が形成されることが好ましい。即ち、隣り合う第2熱線挿入溝32の間を第2曲線状挿入溝33で連結することで、前後の端部の近くで熱線が曲がらずに緩慢な曲線を成して挿入されるようにする。
【0030】
また、上部ブロック3は150〜250mmの厚さを有する。即ち、上部ブロック3の厚さが薄い場合には熱線4から伝達された熱がよく伝達されて上部ブロック3の上の雪や結氷がよく溶けるが、荷重や外部の衝撃によって損傷して熱線が露出される恐れがある。一方、上部ブロック3の厚さが厚すぎる場合には熱線4から発熱された熱が上部面までよく伝達されなくて雪や結氷がよく溶けなくなるため、150〜250mmの厚さ、好ましくは200mmの厚さを有するようにする。
【0031】
以下、本発明による熱線が具備された組立式歩道ブロックの組立過程を上述した図1及び図2を参照して説明する。
【0032】
まず、下部ブロック1の上面に形成された第1溝部11に緩衝板2の下面に突出形成された第2溝部21を挿入し、下部ブロック1の上部に緩衝板2を積層して結合させる。
【0033】
そして、緩衝板2の上面に形成された第1熱線挿入溝22と第1曲線状挿入溝23に熱線を挿入する。
【0034】
次に、緩衝板2の第2溝部21に上部ブロック3の下面に突出形成された突出部31を挿入し、緩衝板2の上に上部ブロック3を積層して結合させる。この際、緩衝板2と上部ブロック3を積層して組み立てると、第1熱線挿入溝22に挿入された熱線4の上部が第2熱線挿入溝32に挿入される。
【0035】
このように本発明は、緩衝板2の下面に上部ブロック3の下面に下部ブロック1の上面に形成された第1溝部11に対応する形状の突出部を形成し、それを順次に積層することで組立を容易にする。
【0036】
本発明は前記言及された好ましい実施例について説明されているが、発明の要旨と範囲から逸脱しない多様な修正や変更が可能である。よって、添付した特許請求の範囲は、本明細書の要旨に属するこのような修正や変更を含む。
図1
図2