特許第6215064号(P6215064)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6215064
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】重量測定機能付きラップマシーン
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/10 20060101AFI20171005BHJP
   B65B 25/14 20060101ALI20171005BHJP
   A01F 15/08 20060101ALI20171005BHJP
   A01F 25/13 20060101ALI20171005BHJP
   G01G 5/06 20060101ALI20171005BHJP
【FI】
   G01G19/10 B
   B65B25/14 B
   A01F15/08 R
   A01F25/13 Z
   G01G5/06
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-6302(P2014-6302)
(22)【出願日】2014年1月16日
(65)【公開番号】特開2015-135260(P2015-135260A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2016年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132909
【氏名又は名称】株式会社タカキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】福田 博
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭48−027704(JP,B1)
【文献】 特開2013−245962(JP,A)
【文献】 特開2009−236752(JP,A)
【文献】 特開2001−258385(JP,A)
【文献】 特開平4−086528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/08, 19/10
A01F 15/08, 25/13
B65B 25/14
G01G 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールベールを載置するベール支持台を備えたダンプフレームと、
当該ダンプフレームを傾動させて圃場のロールベールの拾い上げや放出を行う傾動機構と、
当該ダンプフレームを水平状態のままリフトアップさせる傾動可能な油圧シリンダを備えたリフトアップ機構と、を備え、
前記油圧シリンダを用いてダンプフレームを水平状態のままリフトアップさせ、一旦、当該ダンプフレームのリフトアップを、油圧シリンダが水平状態から傾斜角度45度以下の範囲内で停止させて油圧を計測して重量を測定する重量測定手段と、
を設けるようにしたことを特徴とする重量測定機能付きラップマシーン。
【請求項2】
前記重量測定手段が、油圧シリンダのボトム側油圧室およびロッド側油圧室のいずれか一方をシャットオフバルブでシャットオフするとともに他方側を開放し、シャットオフされた側の油圧を油圧センサーで計測することによって重量を測定するようにしたものである請求項1に記載の重量測定機能付きラップマシーン。
【請求項3】
前記重量測定手段が、シャットオフバルブをシャットオフした後、所定時間経過後に重量を測定するようにしたものである請求項に記載の重量測定機能付きラップマシーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラップマシーンに関するものであり、より詳しくは、ベール支持台に載置されたロールベールの重量を測定できるようにしたラップマシーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロールベールの重量を測定できるようにしたラップマシーンが提案されている。例えば、下記の特許文献1には、ロールベールを載置したベール支持台を傾斜させる際に、ロールベールの重心が思案点(最上点)を超える位置でロードセルで重量を測定できるようにしたものが提案されている。このような重量測定機能を備えるようにすれば、別途新たに設けられた重量計にロールベールを移し替えて重量を測定する必要がなく、移し替えの手間を省くことができるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−245962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような方法で重量を測定しようとすると次のような問題を生じる。
【0005】
すなわち、上述のような重量測定のためにロードセルを用いる方法では、ベール支持台などの重量にも耐えられるようなロードセルを用いる必要があり、コストが高くなってしまう。特に、特許文献1では回転支軸の下方にロードセルを設けるようにしているが、より正確に重量を測定するために、ベール支持台の四隅にロードセルを設けようとすると、よりコストが高くなってしまう。また、ロールベールの上昇と下降の中間位置である思案点で重量を測定しようとすると、高速でロールベールを持ち上げる際、ロールベールの慣性力によって重量測定に誤差を生じてしまう。
【0006】
一方、フォークリフトなどの分野においては、フォークを持ち上げるための油圧シリンダの油圧を計測して重量を測定できるようにした方法が提案されている(特開2004−91079号公報など)。この方法は、フォークを持ち上げるための油圧シリンダを鉛直軸方向に固定し、その油圧シリンダの油圧によって荷物の重量を測定できるようにしたものである。しかしながら、このようなフォークリフトは常に鉛直方向に油圧シリンダが固定されているため、常に同じ油圧で重量を測定することができるものの、ラップマシーンのように、ロールベールを持ち上げることに伴って油圧シリンダの角度が変わるような場合、その角度によって油圧が変化してしまうために重量の測定が難しくなる。
【0007】
そこで、本発明は、ロードセルを用いることなく重量を測定できるようにするとともに、ロールベールの持ち上げに伴って油圧シリンダの角度が変わる場合であっても、正確にロールベールの重量を測定できるようにしたラップマシーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明のラップマシーンは、上記課題を解決するために、ロールベールを載置するベール支持台を備えたダンプフレームと、当該ダンプフレームを傾動させて圃場のロールベールの拾い上げや放出を行う傾動機構と、当該ダンプフレームを水平状態のままリフトアップさせる傾動可能な油圧シリンダを備えたリフトアップ機構と、を備え、前記油圧シリンダを用いてダンプフレームを水平状態のままリフトアップさせ、一旦、当該ダンプフレームのリフトアップを、油圧シリンダが水平状態から傾斜角度45度以下の範囲内で停止させて油圧を計測して重量を測定する重量測定手段と、を設けるようにしたものである。
【0009】
また、このような発明において、重量を測定する際、油圧シリンダのボトム側油圧室およびロッド側油圧室のいずれか一方をシャットオフバルブでシャットオフするとともに他方側を開放し、シャットオフされた側の油圧を計測することによって重量を測定する。
【0010】
さらに、このように重量を測定する際、シャットオフバルブをシャットオフした後、所定時間経過後に重量を測定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、油圧が最も大きく変化する45度以下の範囲内で油圧を計測することができるため、その油圧から正確に重量を測定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態を示すラップマシーンの概略図
図2】同形態におけるダンプフレームを傾斜させる動作図
図3】同形態におけるリフトアップ機構の動作例を示す図
図4】同形態における油圧シリンダの角度と油圧を示す図
図5】同形態における油圧シリンダの制御弁を示す回路図
図6】同形態におけるリフトアップ停止後の油圧の変化を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
この実施の形態におけるラップマシーン1は、図1に示すように、圃場に放出されたロールベール7を積み込む積込機構2と、この積込機構2によって積み込まれたロールベール7を載置するベール支持台3と、このベール支持台3に載置されたロールベール7にラップフィルム41を巻き付けるラッピング機構4とを備えて構成されている。そして、特徴的に、ラッピング機構4によってラップされたロールベール7をトラックなどに移し替える際に、X字状に設けられたリンク部材51(図3参照)を起立させながらロールベール7を持ち上げ、その際、重量測定手段6によって、油圧シリンダ52の油圧の変化量が最も大きい傾斜角45度の範囲内で油圧を計測してラップマシーン1の重量を測定するようにしたものである。以下に、本実施の形態におけるラップマシーン1の構造について詳細に説明する。
【0015】
まず、このラップマシーン1の積込機構2は、圃場からロールベール7を拾い上げてベール支持台3に載置するとともに、ラッピングの終了したロールベール7を圃場などに放出する機能を有する。具体的には、この積込機構2は、ダンプフレーム26から立設するリフトアーム21と、そのリフトアーム21の先端側に設けられた回転フレーム22に取り付けられたL字状のベール支持アーム23と、リフトアーム21の基端側でL字状に屈曲する基端アーム24と、これらのダンプフレーム26などを一体的に傾動させる傾動手段25などを備えて構成されている。このダンプフレーム26を傾斜させてロールベール7を拾い上げる場合、図2に示すように、ダンプフレーム26の下方に設けられた油圧シリンダ27を伸ばすことによってダンプフレーム26を前方側に傾斜させ(図2(a))、そして、水平状態になったリフトアーム21の先端側のベール支持アーム23を回転させて近づけ(図2(b))、そのベール支持アーム23と基端アーム24とによって下側からロールベール7を持ち上げてベール支持台3側に移し替えられるようにしている。
【0016】
一方、このベール支持台3は、前後一定間隔をもって設けられた回転体31の間にベルト32を張架させてなるものであって、回転体31を回転させることによって、ベルト32上に載置された円筒状のロールベール7を自転させるようになっている。このベール支持台3の下方には、鉛直軸方向を中心にベール支持台3を回転させるモーター33が取り付けられており、このモーター33を回転させるとともに、前後の回転体31を回転させることによって、ラッピング機構4を用いてロールベール7の全体にラップフィルム41を巻き付けられるようにしている。
【0017】
このロールベール7にラップフィルム41を巻き付けるためのラッピング機構4は、ロールベール7に対して、ラップフィルム41をストレッチさせながら巻き付けられるようにしたものであって、立設した支柱の上端に一または二本のラップフィルム41を取り付けられるように構成されている。このラップフィルム41を二本取り付ける場合は、互いに段違いとなるようにラップフィルム41を取り付け、一度に幅広い面積のロールベール7にラップフィルム41をストレッチさせながら巻き付けられるようにしている。
【0018】
このように巻き付けられたラップフィルム41は切断機構42によって切断される。この切断機構42は、ベール支持台3の後方側に設けられており、ベール支持台3を前方に傾斜させることによって、カッターを有する切断機構42を上方に持ち上げ、ラップフィルム41を挟み込んで切断できるようにしている。この切断機構42には、ラップフィルム41を保持するための図示しないクランプ機構が設けられており、切断されたラップフィルム41を保持できるようになっている。なお、ここでは、カッターを有する切断機構42を上方に持ち上げてラップフィルム41を切断する構造を用いているが、図示しないアームを上から降ろすことによってラップフィルム41を束ねて切断する構造などを採用することもできる。
【0019】
また、この実施の形態では、ダンプフレーム26をリフトアップさせるリフトアップ機構5が設けられている。このリフトアップ機構5は、ロールベール7をリフトアップさせてトラックの荷台などに移し替えられるようにしたものであって、左右のクローラーの内側に設けられたX字状のリンク部材51を油圧シリンダ52によってリフトアップさせる構造になっている。このリフトアップ機構5について図3を用いて説明すると、リフトアップ機構5を構成するX字状の二本のリンク部材51の前端側は、それぞれベースフレーム10およびダンプフレーム26に回転可能に軸支されており、後端側については、それぞれフレームおよびダンプフレーム26の内側に沿ってスライド可能に支持されている。一方、油圧シリンダ52は、下端側をベースフレーム10の前方下方位置に取り付けており、上端側であるピストンロッドの先端側をリンク部材51の後端と交叉軸との間に回転可能に取り付けている。そして、ダンプフレーム26を最も低位置に設けた状態(以下、「初期状態」という)で油圧シリンダ52を若干傾斜させておき、その状態から油圧を加えることによってピストンロッドを伸ばしてダンプフレーム26をリフトアップさせるようになっている。
【0020】
このような構成のもと、本実施の形態では、この油圧シリンダ52の油圧を油圧センサー53で計測し、その計測値からロールベール7の重量を測定する重量測定手段6を設けている。
【0021】
油圧シリンダ52に油圧をかけると、図4の「傾斜角度―油圧」グラフに示されるように、ダンプフレーム26が初期状態にあるとき、油圧が最大の状態となる。これは、ロールベール7からの鉛直方向の荷重に対して、ほぼ直交状態に近い油圧シリンダ52によってその荷重を支えようとするからである。そして、その初期状態から油圧シリンダ52に油圧をかけていくと、油圧シリンダ52やリンク部材51がそれぞれ起立していく(図3(b))。このとき、油圧シリンダ52にかかる油圧は、図4に示すように、初期状態から大きな曲率を描いて低下していき、油圧シリンダ52の角度が45度の範囲内で油圧が大きく変化して、そこから変化が徐々に変化量が小さくなっていく。このように油圧が小さくなるのは、油圧シリンダ52の起立に伴ってロールベール7の荷重をリンク部材51で支持するようになり、油圧シリンダ52にかかる力が少なくなるからである。
【0022】
このような動作状態で油圧を計測して重量を測定する場合、油圧の変化量の大きい45度の範囲内で油圧を計測して重量を測定すると測定誤差を小さくすることができる。油圧シリンダ52の角度が初期状態に近い場合は、荷重方向と油圧シリンダ52の角度がほぼ直交状態に近いため、その油圧からロールベール7の荷重をうまく測定できず、一方、油圧シリンダ52が起立状態に近くなると、ロールベール7の荷重をリンク部材51で支えてしまうために油圧から荷重をうまく測定することができない。このため、好ましくは、油圧シリンダ52の角度が水平状態から10度〜35度の範囲内で油圧を油圧センサー53で計測し、その計測値から重量を測定するのが好ましい。この油圧センサー53による計測値から重量を測定する場合、リンク部材51や油圧シリンダ27の角度から計算された測定値や、もしくは、実際の錘を載せて計測したサンプリング値などを用いて重量を測定する。
【0023】
また、油圧から重量を測定する場合、リフトアップさせている動作途中では、ロールベール7の慣性力がかかってしまうため、測定誤差を生じてしまう。そこで、リフトアップの途中に設置されたリミットスイッチSW(図3(b)参照)がONになった時に停止させ、その状態で油圧を計測する。このリミットスイッチSWは、油圧シリンダ52の傾斜角度が45度(10〜35度)の状態にあるときにONになるように設けられる。
【0024】
このように油圧を計測する際、リフトアップの停止に伴って油圧シリンダ52の油圧室の油が逃げてしまい、油圧を正確に計測することができない可能性がある。このため、図5の回路図に示すように、油圧シリンダ52のボトム側油圧室55をシャットオフバルブ54aでシャットオフするとともにロッド側油圧室56のバルブ54bを開放し、図6の油圧シリンダ52の「時間−油圧」グラフに示すように、リフトアップ動作を停止させてから所定時間後(例えば、2〜3秒後)にボトム側油圧室55の油圧を油圧センサー53で計測する。このようなシャットオフやロッド側油圧室56を開放する場合、ソレノイドを用いてシャットオフバルブ54a、54bを切り換えられるようにする。このとき、シャットオフバルブ54aでシャットオフする場合は、ソレノイドを用いてバルブを(a)の方向に移動させてシャットオフし、これと同時にロッド側油圧室56のバルブについても(b)の方向に移動させてバルブを開放する。逆に、油圧シリンダ52を複動させる場合は、それぞれのバルブを逆の方向に移動させてピストンロッドを伸ばせるようにする。
【0025】
次に、このように構成されたラップマシーン1による一連の動作について説明する。
【0026】
まず、圃場に放置されたロールベール7をピックアップしてラップフィルム41を巻き付ける場合、ダンプフレーム26を前方に傾斜させて、ロールベール7をベール支持アーム23と基端アーム24との間に挟み込み、下からロールベール7を持ち上げる(図2)。そして、ダンプフレーム26を元の状態に戻し、ベール支持台3の上にロールベール7を移し替える。
【0027】
次に、このようにベール支持台3に載置されたロールベール7に対してラップフィルム41を巻き付ける。このラップフィルム41を巻き付ける際には、ベール支持台3の回転部材を回転させるとともに鉛直軸方向にモーター33を回転させ、ラッピング機構4に保持されていたラップフィルム41を全体に巻き付けていく。
【0028】
そして、ラップフィルム41の巻き付けが終わった状態で、ダンプフレーム26を再び前方へ傾斜させ、そのラップフィルム41を切断機構42で切断した後、ロールベール7を圃場に放出する。以下、同様に圃場に放置されたロールベール7を順次積み込んでラップフィルム41を巻き付けて圃場に放出していく。
【0029】
次に、このようにラップフィルム41の巻き付けられたロールベール7をトラックに移し替える動作について説明する。
【0030】
ラップフィルム41の巻き付けられたロールベール7をトラックに移し替える場合、再び圃場に放置されたロールベール7を積込機構2を用いて拾い上げる。このときの積み込み作業は、前述と同様の動作で行われる。そして、リフトアップ機構5の油圧シリンダ52に油圧をかけてX字状のリンク部材51を起立方向に傾動させ(図3)、ダンプフレーム26を水平状態に保ったままリフトアップさせる。そして、油圧シリンダ52の傾斜角度が45度の範囲内(好ましくは10度〜35度の範囲内)で一旦リフトアップを停止させ、油圧シリンダ52のボトム側油圧室55の油圧をシャットオフするとともに、ロッド側油圧室56を開放する。そして、油圧が安定する所定時間経過後に、ボトム側油圧室55の油圧を油圧センサー53で計測し、その計測値からロールベール7の重量を測定する。
【0031】
そして、その測定された重量をロールベール7に記載し(もしくはラベルを貼り)、ダンプフレーム26を前方へ傾斜させてトラックの荷台に移し替えられるようにする。
【0032】
このように上記実施の形態によれば、

ロールベール7を載置するベール支持台3を備えたダンプフレーム26と、当該ダンプフレーム26を傾動させて圃場のロールベー7ルの拾い上げや放出を行う傾動機構25と、当該ダンプフレーム26を水平状態のままリフトアップさせる傾動可能な油圧シリンダ52を備えたリフトアップ機構5と、を備え、前記油圧シリンダ52を用いてダンプフレーム26を水平状態のままリフトアップさせ、一旦、当該ダンプフレーム26のリフトアップを、油圧シリンダ52が水平状態から傾斜角度45度以下の範囲内で停止させて油圧を計測して重量を測定する重量測定手段6とを設けるようにしたので、油圧が大きく変化する45度以下の範囲内で油圧を計測することができ、その油圧から正確に重量を測定することができるようになる。
【0033】
また、重量を測定する際、油圧シリンダ52のボトム側油圧室55およびロッド側油圧室56のいずれか一方をシャットオフバルブでシャットオフするとともに他方側を開放し、シャットオフされた側の油圧を油圧センサー53で計測することによって重量を測定するようにしたので、油圧室内の油の抜けによる測定誤差を小さくすることができるようになる。
【0034】
さらに、このように重量を測定する際、シャットオフバルブ54aをシャットオフした後、所定時間経過後に重量を測定するようにしたので、油圧室の油が停止して安定した状態で油圧を計測することができるため、より正確に重量を測定することができるようになる。
【0035】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0036】
例えば、上記実施の形態では、X字状に交叉させたリンク部材51に油圧シリンダ52を取り付けて油圧を計測するようにしたが、油圧シリンダ52の角度を変化させながらロールベール7を持ち上げるものであればどのような構造であってもよく、例えば、図2に示すように、ダンプフレーム26の油圧シリンダ27でロールベール7の重量を測定するようにしてもよい。この場合も、図2(a)に示すような、油圧シリンダ52の傾斜角度が45度(好ましくは10度〜35度)の範囲内で油圧を計測して、重量を測定するようにしておくのが好ましい。
【0037】
また、上記実施の形態では、一旦ロールベール7にラップフィルム41を巻き付けて圃場に放置し、その後、再びロールベール7を拾い上げて重量を測定するようにしたが、ラップフィルム41の巻き付けた時点で重量を測定するようにしてもよい。
【0038】
さらに、上記実施の形態で説明した積込機構2やベール支持台3、ラッピング機構4は、本発明の一例を示すものであって、ロールベール7を積み込んでラップフィルム41を巻き付けるようにするものであれば、どのような構成のものであってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1・・・ラップマシーン
2・・・積込機構
21・・・リフトアーム
22・・・回転フレーム
23・・・ベール支持アーム
24・・・基端アーム
25・・・傾動手段
26・・・ダンプフレーム
27・・・油圧シリンダ
3・・・ベール支持台
31・・・回転体
32・・・ベルト
33・・・モーター
4・・・ラッピング機構
41・・・ラップフィルム
42・・・切断機構
5・・・リフトアップ機構
51・・・リンク部材
52・・・油圧シリンダ
53・・・油圧センサー
54a、54b・・・シャットオフバルブ
55・・・ボトム側油圧室
56・・・ロッド側油圧室
6・・・重量測定手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6