特許第6215067号(P6215067)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルパイン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6215067-無線通信装置およびその通信設定方法 図000002
  • 特許6215067-無線通信装置およびその通信設定方法 図000003
  • 特許6215067-無線通信装置およびその通信設定方法 図000004
  • 特許6215067-無線通信装置およびその通信設定方法 図000005
  • 特許6215067-無線通信装置およびその通信設定方法 図000006
  • 特許6215067-無線通信装置およびその通信設定方法 図000007
  • 特許6215067-無線通信装置およびその通信設定方法 図000008
  • 特許6215067-無線通信装置およびその通信設定方法 図000009
  • 特許6215067-無線通信装置およびその通信設定方法 図000010
  • 特許6215067-無線通信装置およびその通信設定方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6215067
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】無線通信装置およびその通信設定方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/14 20090101AFI20171005BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20171005BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20171005BHJP
【FI】
   H04W16/14
   H04W88/02 140
   H04W88/06
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-12438(P2014-12438)
(22)【出願日】2014年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-142159(P2015-142159A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】富樫 一之
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−261894(JP,A)
【文献】 特開2005−328520(JP,A)
【文献】 特開2008−028739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信方式としてのブルートゥース方式を用いて第1の外部装置との間で通信を行うとともに、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式としての無線LAN方式であって同一周波数帯域の電波を用いて第2の外部装置との間で通信を行う無線通信装置であって、
互いに異なる位置に設置された第1および第2のアンテナと、
前記第1の無線通信方式を用いて前記第1の外部装置との間で通信を行う第1の通信手段と、
前記第2の無線通信方式を用いて前記第2の外部装置との間で通信を行う第2の通信手段と、
前記第1および第2のアンテナのそれぞれと前記第1および第2の通信手段のそれぞれを1対1に接続するとともに相互の接続状態を切り替える接続切替手段と、
前記接続切替手段による接続状態の切替によって、前記第1および第2のアンテナのそれぞれが順番に前記第1の通信手段に接続されたときに、前記第1の外部装置と前記第1の通信手段との間の通信状態を監視する通信状態監視手段と、
前記通信状態監視手段による監視結果に基づいて、前記第1および第2のアンテナのそれぞれと前記第1の外部装置との距離の差が大きい非干渉領域に前記第1の外部装置が含まれることが判定されたときに、前記第1の外部装置に近い前記第1および第2のアンテナのいずれか一方を前記第1の通信手段に接続する設定を行い、前記第1および第2のアンテナのそれぞれと前記第1の外部装置との距離の差が小さい干渉領域に前記第1の外部装置が含まれることが判定されたときに、前記第1および第2のアンテナのいずれか一方を前記第1の通信手段に接続する設定を行う接続設定手段と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記通信状態監視手段による監視結果に基づいて、時分割制御の要否を判定する時分割要否判定手段と、
前記時分割要否判定手段によって時分割制御が必要である旨の判定が行われたときに、前記第1および第2の通信手段を交互に動作させて通信を行う時分割制御を行う時分割制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
請求項またはにおいて、
前記通信状態監視手段は、通信状態としてのエラー率および電界強度を監視することを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
請求項のいずれか一項において、
前記同一周波数帯域は、2.4GHzのISM帯であることを特徴とする無線通信装置。
【請求項5】
請求項のいずれか一項において、
前記第1の無線通信方式を用いて前記第1の外部装置と前記第1の通信手段との間で行われる通信は、非蓄積型のデータ通信であることを特徴とする無線通信装置。
【請求項6】
請求項において、
前記非蓄積型のデータ通信は、ストリーミング形式で行われるオーディオデータの送受信であることを特徴とする無線通信装置。
【請求項7】
請求項において、
前記非蓄積型のデータ通信は、前記第1の外部装置を用いてハンズフリー電話を実現する際に前記第1の外部装置との間で行われる音声データの送受信であることを特徴とする無線通信装置。
【請求項8】
請求項のいずれか一項において、
前記通信状態監視手段、前記接続設定手段、前記時分割要否判定手段、前記時分割制御手段の各動作は、ブルートゥースのペアリングが行われた前記第1の外部装置を対象に行われることを特徴とする無線通信装置。
【請求項9】
請求項において、
前記通信状態監視手段、前記接続設定手段、前記時分割要否判定手段、前記時分割制御手段の各動作は、ペアリング終了時点、ストリーミング形式でのデータ通信が終了した時点、電界強度およびエラー率の少なくとも一方が悪化した時点のいずれかにおいて行われることを特徴とする無線通信装置。
【請求項10】
第1の無線通信方式としてのブルートゥース方式を用いて第1の外部装置との間で通信を行う第1の通信手段と、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式としての無線LAN方式であって同一周波数帯域の電波を用いて第2の外部装置との間で通信を行う第2の通信手段を有する無線通信装置における通信設定方法であって、
接続切替手段によって、互いに異なる位置に設置された第1および第2のアンテナのそれぞれと前記第1および第2の通信手段のそれぞれを1対1に接続するとともに相互の接続状態を切り替える接続切替ステップと、
前記接続切替手段による接続状態の切替によって、前記第1および第2のアンテナのそれぞれが順番に前記第1の通信手段に接続されたときに、前記第1の外部装置と前記第1の通信手段との間の通信状態を通信状態監視手段によって監視する通信状態監視ステップと、
接続設定手段によって、前記通信状態監視手段による監視結果に基づいて、前記第1および第2のアンテナのそれぞれと前記第1の外部装置との距離の差が大きい非干渉領域に前記第1の外部装置が含まれることが判定されたときに、前記第1の外部装置に近い前記第1および第2のアンテナのいずれか一方を前記第1の通信手段に接続する設定を行い、前記第1および第2のアンテナのそれぞれと前記第1の外部装置との距離の差が小さい干渉領域に前記第1の外部装置が含まれることが判定されたときに、前記第1および第2のアンテナのいずれか一方を前記第1の通信手段に接続する設定を行う接続設定ステップと、
を有することを特徴とする無線通信装置における通信設定方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記通信状態監視手段による監視結果に基づいて、時分割制御の要否を時分割要否判定手段によって判定する時分割制御判定ステップと、
前記時分割要否判定手段によって時分割制御が必要である旨の判定が行われたときに、、前記第1および第2の通信手段を交互に動作させて通信を行う時分割制御を時分割制御手段によって行う時分割制御ステップと、
をさらに有することを特徴とする無線通信装置における通信設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブルートゥース(登録商標)と無線LAN(Local Area Network)の両方の通信方式を併用してデータの送受信を行う無線通信装置およびその通信設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブルートゥースと無線LANの両方の機能を有する無線通信装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この無線通信装置では、データ誤り率に基づいてブルートゥースと無線LANの電波干渉の有無を判定し、干渉が発生している場合には、これらの間の干渉が発生していない代替の装置に切り替えたり、さらに必要に応じてブルートゥースと無線LANを時分割で制御して交互に動作させてデータ通信を行ったりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−191593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車載装置にブルートゥースと無線LANの機能を搭載し、これらによるデータ通信を併用したい場合がある。例えば、携帯端末装置からブルートゥースのストリーミング形式でオーディオデータを取得してオーディオ再生を行う動作と、無線LANによってモバイルルータ経由でインターネット接続を行う動作を並行して行う場合などが考えられる。このような場合を想定すると、車室内は狭いため、ブルートゥースと無線LANを同時に使用する場合には車室内のほとんどのエリアで程度の差はあるが電波の干渉が発生することになる。また、使用中の車載装置において電波の干渉が生じているからといって、電波の干渉が生じていない代替の車載装置は通常存在しない。このように、車載装置のような使用方法を前提とした場合には、特許文献1に開示された無線通信装置をそのまま適用することはできず、車載装置あるいはこれに類似した使用環境に適した無線通信装置が望まれる。具体的には、電波干渉が存在する場合であってもブルートゥースのストリーミング形式でオーディオ再生を行う場合などにおいて発生する音切れを防止することができ、しかも、無線LANのスループットをできるだけ向上させることができる無線通信装置が望まれている。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、ブルートゥースにより取得したデータを再生した際の音切れの発生を防止するとともに、無線LANによりデータを取得する際のスループットを向上させることができる無線通信装置およびその通信設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の無線通信装置は、第1の無線通信方式としてのブルートゥース方式を用いて第1の外部装置との間で通信を行うとともに、第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式としての無線LAN方式であって同一周波数帯域の電波を用いて第2の外部装置との間で通信を行う無線通信装置であって、互いに異なる位置に設置された第1および第2のアンテナと、第1の無線通信方式を用いて第1の外部装置との間で通信を行う第1の通信手段と、第2の無線通信方式を用いて第2の外部装置との間で通信を行う第2の通信手段と、第1および第2のアンテナのそれぞれと第1および第2の通信手段のそれぞれを1対1に接続するとともに相互の接続状態を切り替える接続切替手段と、接続切替手段による接続状態の切替によって、第1および第2のアンテナのそれぞれが順番に第1の通信手段に接続されたときに、第1の外部装置と第1の通信手段との間の通信状態を監視する通信状態監視手段と、通信状態監視手段による監視結果に基づいて、第1および第2のアンテナのそれぞれと第1の外部装置との距離の差が大きい非干渉領域に第1の外部装置が含まれることが判定されたときに、第1の外部装置に近い第1および第2のアンテナのいずれか一方を第1の通信手段に接続する設定を行い、第1および第2のアンテナのそれぞれと第1の外部装置との距離の差が小さい干渉領域に第1の外部装置が含まれることが判定されたときに、第1および第2のアンテナのいずれか一方を第1の通信手段に接続する設定を行う接続設定手段とを備えている。
【0007】
また、上述した通信状態監視手段による監視結果に基づいて、時分割制御の要否を判定する時分割要否判定手段と、時分割要否判定手段によって時分割制御が必要である旨の判定が行われたときに、第1および第2の通信手段を交互に動作させて通信を行う時分割制御を行う時分割制御手段と、をさらに備えることが望ましい。
【0008】
また、本発明の無線通信装置における通信設定方法は、第1の無線通信方式としてのブルートゥース方式を用いて第1の外部装置との間で通信を行う第1の通信手段と、第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式としての無線LAN方式であって同一周波数帯域の電波を用いて第2の外部装置との間で通信を行う第2の通信手段を有する無線通信装置における通信設定方法であって、接続切替手段によって、互いに異なる位置に設置された第1および第2のアンテナのそれぞれと第1および第2の通信手段のそれぞれを1対1に接続するとともに相互の接続状態を切り替える接続切替ステップと、接続切替手段による接続状態の切替によって、第1および第2のアンテナのそれぞれが順番に第1の通信手段に接続されたときに、第1の外部装置と第1の通信手段との間の通信状態を通信状態監視手段によって監視する通信状態監視ステップと、接続設定手段によって、通信状態監視手段による監視結果に基づいて、第1および第2のアンテナのそれぞれと第1の外部装置との距離の差が大きい非干渉領域に第1の外部装置が含まれることが判定されたときに、第1の外部装置に近い第1および第2のアンテナのいずれか一方を第1の通信手段に接続する設定を行い、第1および第2のアンテナのそれぞれと第1の外部装置との距離の差が小さい干渉領域に第1の外部装置が含まれることが判定されたときに、第1および第2のアンテナのいずれか一方を第1の通信手段に接続する設定を行う接続設定ステップとを有している。
【0009】
また、上述した通信状態監視手段による監視結果に基づいて、時分割制御の要否を時分割要否判定手段によって判定する時分割制御判定ステップと、時分割要否判定手段によって時分割制御が必要である旨の判定が行われたときに、第1および第2の通信手段を交互に動作させて通信を行う時分割制御を時分割制御手段によって行う時分割制御ステップとをさらに有することが望ましい。
【0011】
これにより、ブルートゥース方式で通信を行う第1の外部装置に近い側のアンテナをブルートゥース用に用いることができるため、良好な通信環境でブルートゥース方式の通信を行うことが可能となり、ブルートゥースにより取得したデータを再生した際の音切れの発生を防止することができる。また、音切れ防止のために常に時分割制御を行うのではなく、時分割制御を本当に必要なときのみ実施することができるため、それ以外のときに無線LANによりデータを取得する際のスループットを向上させることができる。
【0012】
また、上述した通信状態監視手段は、通信状態としてのエラー率および電界強度を監視することが望ましい。エラー率と電界強度を用いることにより、通信状態を確実に把握することが可能となる。
【0013】
また、上述した同一周波数帯域は、2.4GHzのISM帯であることが望ましい。これにより、2.4GHzの同じISM帯の電波を使用する際に生じる電波干渉による影響を低減することが可能となる。
【0014】
また、上述した第1の無線通信方式を用いて第1の外部装置と第1の通信手段との間で行われる通信は、非蓄積型のデータ通信であることが望ましい。具体的には、上述した非蓄積型のデータ通信は、ストリーミング形式で行われるオーディオデータの送受信であることが望ましい。あるいは、上述した非蓄積型のデータ通信は、第1の外部装置を用いてハンズフリー電話を実現する際に第1の外部装置との間で行われる音声データの送受信であることが望ましい。これにより、電波干渉により生じるブルートゥース方式の通信のスループット低下による音切れを防止することが可能となる。
【0015】
また、上述した通信状態監視手段、接続設定手段、時分割要否判定手段、時分割制御手段の各動作は、ブルートゥースのペアリングが行われた第1の外部装置を対象に行われることが望ましい。また、上述した通信状態監視手段、接続設定手段、時分割要否判定手段、時分割制御手段の各動作は、ペアリング終了時点、ストリーミング形式でのデータ通信が終了した時点、電界強度およびエラー率の少なくとも一方が悪化した時点のいずれかにおいて行われることが望ましい。これにより、ブルートゥース方式の通信に影響を与えることなく、必要な設定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態の車載装置の構成を示す図である。
図2】車室内空間においてブルートゥースの電波と無線LANの電波が干渉する干渉エリアと干渉しない非干渉エリアの説明図である。
図3】車室内に携帯端末装置が置かれた場合に車載装置において検出されるブルートゥースの電界強度とBERの関係を示す図である。
図4】携帯端末装置が含まれるエリアA1と電界強度およびエラーの有無との関係を示す図である。
図5】携帯端末装置が含まれるエリアA2と電界強度およびエラーの有無との関係を示す図である。
図6】携帯端末装置が含まれるエリアB1と電界強度およびエラーの有無との関係を示す図である。
図7】携帯端末装置が含まれるエリアB2と電界強度およびエラーの有無との関係を示す図である。
図8】携帯端末装置が含まれるエリアCと電界強度およびエラーの有無との関係を示す図である。
図9】携帯端末装置が含まれるエリアDと電界強度およびエラーの有無との関係を示す図である。
図10】2つのアンテナの接続切替および時分割制御の設定を行う動作手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の無線通信装置を適用した一実施形態の車載装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態の車載装置の構成を示す図である。図1に示すように、車載装置1は、操作部10、タッチパネル12、入力制御部14、表示処理部20、表示装置22、デジタル−アナログ変換器(D/A)30、スピーカ32、マイクロホン40、アナログ−デジタル変換器(A/D)42、制御部50、無線LAN/BT(ブルートゥース)モジュール80、切替スイッチ(SW)82、アンテナ84、86を備えている。
【0018】
操作部10は、車載装置1に対する利用者による操作を受け付けるためのものであり、表示装置22の周囲に配置された各種の操作キー、操作スイッチ、操作つまみ等を含んで構成されている。また、表示装置22に各種の操作画面や入力画面が表示された時点で、これらの操作画面や入力画面の一部を利用者が指などで直接指し示すことにより、操作画面や入力画面の表示項目を選択することができるようになっており、このような操作画面や入力画面を用いた操作を可能とするために、指し示された指などの位置を検出するタッチパネル12が備わっている。なお、タッチパネルを用いる代わりに、リモートコントロールユニット等を用いて操作画面や入力画面の一部を利用者の指示に応じて選択するようにしてもよい。入力制御部14は、操作部10やタッチパネル12を監視しており、それらの操作内容を決定する。
【0019】
表示処理部20は、各種の操作画面や入力画面等を表示する映像信号を出力して表示装置22にこれらの画面を表示するとともに、インターネット画面や動画に対応する映像画面等を表示する映像信号を出力して表示装置22にこれらの画面を表示する。表示装置22は、運転席と助手席の中央前方に設置されており、例えば液晶表示装置(LCD)を用いて構成されている。
【0020】
デジタル−アナログ変換器30は、動画再生や音楽再生に伴って生成されるオーディオデータをアナログの音声信号に変換してスピーカ32から出力する。なお、実際には、デジタル−アナログ変換器30とスピーカ32の間には信号を増幅する増幅器が接続されているが、図1ではこの増幅器は省略されている。また、デジタル−アナログ変換器30とスピーカ32との組合せは再生チャンネル数分備わっているが、図1では一組のみが図示されている。
【0021】
マイクロホン40は、運転者が発生する音声を集音する。アナログ−デジタル変換器42は、マイクロホン40で集音された音声信号をデジタルデータに変換する。なお、実際には、マイクロホン40とアナログ−デジタル変換器42との間には音声信号を増幅する増幅器が接続されており、増幅後の音声信号がデジタルデータに変換されるが、図1ではこの増幅器は省略されている。
【0022】
制御部50は、車載装置1の全体を制御するとともに、インターネット接続やメール送受信およびオーディオ再生などの各種処理を行うためのものであり、ROMやRAMなどに格納された所定のアプリケーション(プログラム)をCPUで実行することにより各種処理部が実現される。
【0023】
無線LAN/BTモジュール80は、2.4GHzのISM(Industrial Scientific and Medical)帯を使用して無線LANおよびブルートゥースによるデータ送受信を行う。なお、本実施形態では、無線LANモジュールとブルートゥースモジュールとが一体となった無線LAN/BTモジュール80が用いられているが、無線LANモジュールとブルートゥースモジュールとを別々に備えるようにしてもよい。無線LAN/BTモジュール80には、無線LAN用のアンテナ端子Aとブルートゥース用のアンテナ端子Bとが備わっている。
【0024】
切替スイッチ82は、無線LAN/BTモジュール80の2つのアンテナ端子A、Bのそれぞれと2つのアンテナ84、86のそれぞれとを1対1に対応させて接続するとともに、この接続状態を切り替える。すなわち、切替スイッチ82を通すことにより、無線LAN用のアンテナ端子Aをアンテナ84に、ブルートゥース用アンテナ端子Bをアンテナ86に接続する接続状態と、無線LAN用のアンテナ端子Aをアンテナ86に、ブルートゥース用アンテナ端子Bをアンテナ84に接続する接続状態とを相互に切り替えることができる。
【0025】
2つのアンテナ84、86は、車載装置1の筐体前面の左右端部近傍に所定の間隔で離した状態で配置されている。なお、接続や取り付けは複雑になるが、車載装置1の筐体の外部に所定の間隔で左右に離した状態でアンテナ84、86を取り付けるようにしてもよい。
【0026】
また、上述した制御部50は、インターネット処理部51、メール処理部52、ナビゲーション処理部53、オーディオ処理部54、ハンズフリー処理部55、無線LAN処理部61、ブルートゥース(BT)処理部62、通信状態監視部63、接続設定部64、時分割要否判定部65、時分割制御部66を有する。
【0027】
インターネット処理部51は、インターネット接続用アプリケーションを実行することにより実現される。このインターネット処理部51は、ウェブブラウザの機能を有し、無線LAN/BTモジュール80を介して無線LANによるインターネット接続を行い、各種のサーバとの間でデータの送受信を行う。なお、無線LANによるインターネット接続は、例えば利用者が携帯しているモバイルルータ100を介して、あるいは、所定の場所に設置されたアクセスポイントを介して行う場合が考えられる。
【0028】
メール処理部52は、メール処理用アプリケーションを実行することにより実現される。このメール処理部52は、メールを作成したり、無線LAN/BTモジュール80を介して無線LAN経由でメールサーバに接続してメールを送受信する処理を行う。
【0029】
ナビゲーション処理部53は、ナビ用アプリケーションを実行することにより実現される。このナビゲーション処理部53は、例えば、自車位置周辺の地図画像表示に必要な地図データを無線LAN/BTモジュール80を介して無線LAN経由でサーバから取得し、表示装置22に地図画像を表示する。
【0030】
オーディオ処理部54は、例えば、携帯端末装置110からブルートゥースによってストリーミング形式で送られてくるデータを無線LAN/BTモジュール80によって受信し、オーディオデータを生成(再生)する。例えば、一般オーディオ/ビデオ配信プロファイル(GAVDP:General Audio/Video Distribution Profile)にしたがって、携帯端末装置110から送られてくるオーディオデータが取得され、デジタル−アナログ変換器30によってアナログのオーディオ信号に変換されてスピーカ32から出力される。
【0031】
ハンズフリー処理部55は、車載装置1に備わったマイクロホン40を用いて音声入力を行い、携帯端末装置100の電話機能を利用して通話相手と通話を行う車載装置1側の一連のハンズフリー処理を行う。例えば、ブルートゥースのハンズフリープロファイル(HFP:Hands-Free Profile)にしたがって、携帯端末装置110から送られてくる音声データが取得され、デジタル−アナログ変換器30によってアナログの音声信号に変換されてスピーカ32から出力される。
【0032】
無線LAN処理部61は、モバイルルータ100等との間で無線LANによるデータの送受信を行うために必要な設定、例えば、パスワード設定などを行う。ブルートゥース処理部62は、携帯端末装置110等との間でブルートゥースによるデータの送受信を行うために必要な設定、例えばペアリング設定などを行う。
【0033】
通信状態監視部63は、切替スイッチ82による切り替えの前後で、ペアリングが終了している携帯端末装置100等を対象にして通信状態を監視する。例えば、通信状態の具体例として、電界強度とBER(Bit Error Rate)が検出される。なお、BERの代わりに他のエラー率を用いるようにしてもよい。
【0034】
接続設定部64は、通信状態監視部63による通信状態の監視結果に基づいて、アンテナ84、86と無線LAN/BTモジュール80との間の接続状態(アンテナ84、8とアンテナ端子A、Bを接続する際の組合せ)を設定する。
【0035】
時分割要否判定部65は、通信状態監視部63による監視結果に基づいて、時分割(TDM:Time Division Multiplexing)制御実施の要否を判定する。この時分割制御は、「Co−existence」と称される電波干渉を抑える機能であって、無線LANによるデータ通信とブルートゥースによるデータ通信とが交互に行われる。時分割制御部66は、時分割要否判定部65によって時分割制御の実施が必要である旨の判定が行われると、時分割制御を実施する。
【0036】
上述した無線LAN/BTモジュール80が第1および第2の通信手段に、携帯端末装置110が第1の外部装置に、モバイルルータ100が第2の外部装置に、切替スイッチ82、接続設定部64が接続切替手段に、通信状態監視部63が通信状態監視手段に、接続設定部64が接続設定手段に、時分割要否判定部65が時分割要否判定手段に、時分割制御部66が時分割制御手段にそれぞれ対応する。
【0037】
本実施形態の車載装置1はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。図2は、車室内空間においてブルートゥースの電波と無線LANの電波が干渉する干渉エリアと干渉しない非干渉エリアの説明図である。なお、車室内空間は狭いため、実際にはそのほぼ全エリアで電波の干渉が発生するが、車載装置1との間でブルートゥースを用いてストリーミング形式でデータ通信を行う携帯端末装置110とブルートゥース用のアンテナ84(あるいは86)との距離が近く、他方のアンテナとの距離に対して比較的大きな差がある場合には電波の干渉による影響が少ないことが知られている。したがって、本実施形態では、携帯端末装置110と2つのアンテナ84、86の距離の差が大きい場合を「非干渉エリア」、これらの距離の差が小さい場合を「干渉エリア」として説明を行うものとする。
【0038】
図2に示すように、車室内空間は、2つの非干渉エリアA(A1、A2)、B(B1、B2)と2つの干渉エリアC、Dに区分される。
【0039】
非干渉エリアAは、2つのアンテナ84、86に近いが、これら2つのアンテナ84、86のそれぞれとの距離に差があるエリアであり、アンテナ84に近いエリアA1と、アンテナ86に近いエリアA2が含まれる。
【0040】
非干渉エリアBは、2つのアンテナ84、86から遠く、しかも、これら2つのアンテナ84、86のそれぞれとの距離に差があるエリアであり、アンテナ84に近いエリアB1と、アンテナ86に近いエリアB2が含まれる。
【0041】
干渉エリアCは、2つのアンテナ84、86に近く、これら2つのアンテナ84、86のそれぞれとの距離に差がないエリアである。干渉エリアDは、2つのアンテナ84、86から遠く、これら2つのアンテナ84、86のそれぞれとの距離に差がないエリアである。
【0042】
図3は、車室内に携帯端末装置110が置かれた場合に車載装置1において検出されるブルートゥースの電界強度とBERの関係を示す図である。
【0043】
干渉エリアでは、電界強度がE2以上でエラーなし(BER=0)、電界強度がE2より低下するとエラーが増加する。しかし、実際には、電界強度がE2以上であっても、E2に近い場合(E1(>E2)以下の場合)には、ブルートゥースによりストリーミング形式でオーディオデータを受信してオーディオ再生を行うと音切れが生じるおそれがある。このため、本実施形態では、携帯端末装置110が干渉エリアに含まれ、かつ、電界強度がE1とE2の間にある場合には、時分割制御を実施するものとする。
【0044】
同様に、非干渉エリアでは、電界強度がE4以上でエラーなし(BER=0)、電界強度がE4より低下するとエラーが増加する。しかし、実際には、電界強度がE4以上であっても、E4に近い場合(E3(>E4)以下の場合)には、ブルートゥースによりストリーミング形式でオーディオデータを受信してオーディオ再生を行うと音切れが生じるおそれがある。このため、本実施形態では、携帯端末装置110が非干渉エリアに含まれ、かつ、電界強度がE3とE4の間にある場合には、時分割制御を実施するものとする。
【0045】
本実施形態では、切替スイッチ82によって接続状態を切り替えるとともにその切り替えの前後においてブルートゥースの電界強度とBERが検出され、これらの切替前後の検出結果に基づいて、携帯端末装置110が図2に示すどのエリアに含まれているかが判定される。さらに、この判定結果に基づいて、アンテナ82、84のどちらをブルートゥース用とするか、時分割制御を実施するか否かが決定される。
【0046】
次に、携帯端末装置110が含まれるエリアを判定する具体的な方法について説明する。図4図9は、携帯端末装置110が含まれるエリアと電界強度およびエラーの有無との関係を示す図である。
【0047】
(ケース1)非干渉エリアAに含まれる場合
図4(A)に示すように、携帯端末装置110が非干渉エリアA1に含まれる場合であって、アンテナ84にブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されている場合には、ブルートゥース用のアンテナ84と携帯端末装置110との距離が近くなる。したがって、この場合の電界強度はE3(図3)以上でエラーなし(BER=0)となる。
【0048】
また、この状態で切替スイッチ82を切り替えると、図4(B)に示すように、アンテナ86にブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されるため、ブルートゥース用のアンテナ86と携帯端末装置110との距離が遠くなる。したがって、この場合の電界強度はE3以下で、エラーなしあるいはエラーあり(電界強度がE4以下となった場合)となる。
【0049】
切り替えの前後で、電界強度とエラーの組合せがこのようになった場合には、非干渉エリアA1に携帯端末装置110が含まれていると判定することができる。この場合には、アンテナ84をブルートゥース用とするための接続切替が行われるとともに、ストリーミング形式で送られてくるオーディオデータを用いた再生動作を時分割制御を実施せずに行っても音切れは生じないため、時分割制御は行われない。また、時分割制御が行われないため、並行して行われる無線LANを用いた通信では高いスループットを確保することができる。
【0050】
携帯端末装置110が非干渉エリアA2に含まれる場合も同様の要領で判定することができる。すなわち、図5(A)に示すように、携帯端末装置110が非干渉エリアA2に含まれる場合であって、アンテナ84にブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されている場合には、ブルートゥース用のアンテナ84と携帯端末装置110との距離が遠くなる。したがって、この場合の電界強度はE3以下で、エラーなしあるいはエラーあり(電界強度がE4以下となった場合)となる。
【0051】
また、この状態で切替スイッチ82を切り替えると、図5(B)に示すように、アンテナ86にブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されるため、ブルートゥース用のアンテナ86と携帯端末装置110との距離が近くなる。したがって、この場合の電界強度はE3以上でエラーなし(BER=0)となる。
【0052】
切り替えの前後で、電界強度とエラーの組合せがこのようになった場合には、非干渉エリアA2に携帯端末装置110が含まれていると判定することができる。この場合には、アンテナ86をブルートゥース用とするための接続切替が行われるとともに、ストリーミング形式で送られてくるオーディオデータを用いた再生動作を時分割制御を実施せずに行っても音切れは生じないため、時分割制御は行われない。また、時分割制御が行われないため、並行して行われる無線LANを用いた通信では高いスループットを確保することができる。
【0053】
なお、上述した例では、切替前にブルートゥース用のアンテナ端子Bをアンテナ84に接続したが、アンテナ86に接続するようにしてもよい。その場合には、切替の順番と電界強度、エラーとの関係を反対にすればよい。
【0054】
(ケース2)非干渉エリアBに含まれる場合
図6(A)に示すように、携帯端末装置110が非干渉エリアB1に含まれる場合であって、アンテナ84にブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されている場合には、ブルートゥース用のアンテナ84と携帯端末装置110との距離が遠くなる。したがって、この場合の電界強度はE4からE3(図3)の間でエラーなし(BER=0)となる。
【0055】
また、この状態で切替スイッチ82を切り替えると、図6(B)に示すように、アンテナ86にブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されるため、ブルートゥース用のアンテナ86と携帯端末装置110との距離がさらに遠くなる。したがって、この場合の電界強度はE4以下で、エラーありとなる。
【0056】
切り替えの前後で、電界強度とエラーの組合せがこのようになった場合には、非干渉エリアB1に携帯端末装置110が含まれていると判定することができる。この場合には、アンテナ84をブルートゥース用とするための接続切替が行われるとともに、ストリーミング形式で送られてくるオーディオデータを用いた再生動作を時分割制御を実施して行うことにより、オーディオ再生時の音切れの発生を防止することができる。
【0057】
携帯端末装置110が非干渉エリアB2に含まれる場合も同様の要領で判定することができる。すなわち、図7(A)に示すように、携帯端末装置110が非干渉エリアB2に含まれる場合であって、アンテナ84にブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されている場合には、ブルートゥース用のアンテナ84と携帯端末装置110との距離がさらに遠くなる。したがって、この場合の電界強度はE4以下でエラーありとなる。
【0058】
また、この状態で切替スイッチ82を切り替えると、図7(B)に示すように、アンテナ86にブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されるため、ブルートゥース用のアンテナ86と携帯端末装置110との距離が遠くなる。したがって、この場合の電界強度はE4からE3の間でエラーなしとなる。
【0059】
切り替えの前後で、電界強度とエラーの組合せがこのようになった場合には、非干渉エリアB2に携帯端末装置110が含まれていると判定することができる。この場合には、アンテナ86をブルートゥース用とするための接続切替が行われるとともに、ストリーミング形式で送られてくるオーディオデータを用いた再生動作を時分割制御を実施して行うことにより、オーディオ再生時の音切れの発生を防止することができる。
【0060】
なお、上述した例では、切替前にブルートゥース用のアンテナ端子Bをアンテナ84に接続したが、アンテナ86に接続するようにしてもよい。その場合には、切替の順番と電界強度、エラーとの関係を反対にすればよい。
【0061】
(ケース3)干渉エリアCに含まれる場合
図8(A)に示すように、携帯端末装置110が干渉エリアCに含まれる場合であって、アンテナ84のブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されている場合には、ブルートゥース用のアンテナ84と携帯端末装置110との距離が非常に近くなる。したがって、この場合の電界強度はE1(図3)以上でエラーなしとなる。
【0062】
また、この状態で切替スイッチ82を切り替えると、図8(B)に示すように、アンテナ86にブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されるが、ブルートゥース用のアンテナ86と携帯端末装置110との距離は、切替前と同様に非常に近い値を維持する。したがって、この場合の電界強度はE1以上でエラーなしとなる。
【0063】
切り替えの前後で、電界強度とエラーの組合せがこのようになった場合には、干渉エリアCに携帯端末装置110が含まれていると判定することができる。この場合には、アンテナ84(あるいは86)をブルートゥース用とするための接続切替が行われるとともに、ストリーミング形式で送られてくるオーディオデータを用いた再生動作を時分割制御を実施せずに行っても音切れは生じないため、時分割制御は行われない。また、時分割制御が行われないため、並行して行われる無線LANを用いた通信では高いスループットを確保することができる。
【0064】
(ケース4)干渉エリアDに含まれる場合
図9(A)に示すように、携帯端末装置110が干渉エリアDに含まれる場合であって、アンテナ84のブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されている場合には、ブルートゥース用のアンテナ84と携帯端末装置110との距離が少し遠くなる。したがって、この場合の電界強度はE2からE1(図3)の間でエラーなしとなる。
【0065】
また、この状態で切替スイッチ82を切り替えると、図9(B)に示すように、アンテナ86にブルートゥース用のアンテナ端子Bが接続されるが、ブルートゥース用のアンテナ86と携帯端末装置110との距離は、切替前と同様に少し遠い値を維持する。したがって、この場合の電界強度はE2からE1の間でエラーなしとなる。
【0066】
切り替えの前後で、電界強度とエラーの組合せがこのようになった場合には、干渉エリアDに携帯端末装置110が含まれていると判定することができる。この場合には、アンテナ84(あるいは86)をブルートゥース用とするための接続切替が行われるとともに、ストリーミング形式で送られてくるオーディオデータを用いた再生動作を時分割制御を実施して行うことにより、オーディオ再生時の音切れの発生を防止することができる。
【0067】
図10は、アンテナ84、86の接続切替および時分割制御の設定を行う動作手順を示す流れ図である。通信状態監視部63は、接続切替および時分割制御の設定を行うタイミングか否かを判定する(ステップ100)。例えば、ブルートゥース処理部62によるペアリングが終了した携帯端末装置110を対象に、ペアリングが終了した時点や、携帯端末装置110との間でストリーミング形式でのデータ通信が終了した時点、携帯端末装置110に対する電界強度およびBERの少なくとも一方が悪化した時点などが設定を行うタイミングとして考えられる。設定のタイミングが到来しない場合にはステップ100の判定において否定判断が行われ、この判定が繰り返される。
【0068】
また、設定のタイミングが到来するとステップ100の判定において肯定判断が行われる。次に、接続設定部64は、無線LAN/BTモジュール80に指示を送って、無線LAN/BTモジュール80のブルートゥース用のアンテナ端子Bを一方のアンテナ84に、無線LAN用のアンテナ端子Aを他方のアンテナ86に接続する(ステップ102)。通信状態監視部63は、この接続状態においてブルートゥース端末(携帯端末装置110)の電界強度およびBERを検出する(ステップ104)。なお、ブルートゥースの電界強度およびBERは無線LAN/BTモジュール80によって検出され、通信状態監視部63は、その検出結果を取得することにより、ステップ104の動作(後述するステップ108の動作も同様)を行う。
【0069】
次に、接続設定部64は、接続設定部64は、無線LAN/BTモジュール80に指示を送って、無線LAN/BTモジュール80のブルートゥース用のアンテナ端子Bを他方のアンテナ86に、無線LAN用のアンテナ端子Aを一方のアンテナ84に接続する接続切替を行う(ステップ106)。通信状態監視部63は、この接続状態においてブルートゥース端末(携帯端末装置110)の電界強度およびBERを検出する(ステップ108)。
【0070】
次に、接続設定部64は、ステップ104、108によって検出した切替前後の電界強度およびBERに基づいて、無線LAN/BTモジュール80の2つのアンテナ端子A、Bとアンテナ84、86の相互の接続状態を設定する(ステップ110)。具体的には、上述したケース1〜4で説明した内容にしたがって携帯端末装置110が非干渉エリアA、Bおよび干渉エリアC、Dのいずれのエリアに含まれるかが判定されてアンテナ84、86の接続状態が設定される。
【0071】
また、接続設定部64は、この設定内容に応じた指示を無線LAN/BTモジュール80に送って、無線LAN/BTモジュール80の2つのアンテナ端子A、Bとアンテナ84、86の相互の接続状態を切り替える(ステップ112)。なお、直前の接続状態がステップ110で設定した接続状態と同じ場合にはこのステップ112の切替動作は省略される。
【0072】
また、時分割要否判定部65は、ステップ104、108によって検出した切替前後の電界強度およびBERに基づいて、時分割制御の実施が必要か否かを判定する(ステップ114)。具体的には、上述したケース2、4に対応する非干渉エリアBおよび干渉エリアDのいずれのエリアに含まれる場合に時分割制御が必要であり、それ以外のエリアに含まれる場合には時分割制御が不要となる。時分割制御の実施が必要な場合にはステップ114の判定において肯定判断が行われ、時分割制御部66は、無線LAN/BTモジュール80に指示を送って時分割制御を開始する(ステップ116)。また、時分割制御が不要の場合にはステップ114の判定において否定判断が行われ、時分割制御が開始されずに一連の設定処理が終了する。
【0073】
このように、本実施形態の車載装置1では、ブルートゥース方式で通信を行う携帯端末装置110に近い側のアンテナ84あるいは86をブルートゥース用に用いることができるため、良好な通信環境でブルートゥース方式の通信を行うことが可能となり、ブルートゥースにより取得したデータを再生した際の音切れの発生を防止することができる。また、音切れ防止のために常に時分割制御を行うのではなく、時分割制御を本当に必要なときのみ実施することができるため、それ以外のときに無線LANによりデータを取得する際のスループットを向上させることができる。
【0074】
特に、通信状態としてエラー率と電界強度を用いることにより、通信状態を確実に把握することが可能となる。また、2.4GHzの同じISM帯の電波を使用する際に生じる電波干渉による影響を低減することが可能となる。
【0075】
また、ブルートゥース方式で行う通信を、非蓄積型のデータ通信(具体的には、ストリーミング形式で行われるオーディオデータの送受信など)とすることにより、電波干渉により生じるブルートゥース方式の通信のスループット低下による音切れを防止することが可能となる。
【0076】
また、本発明における各種の設定を、ブルートゥースのペアリングが行われた携帯端末装置110を対象にして、ペアリング終了時点、ストリーミング形式でのデータ通信が終了した時点、電界強度およびエラー率の少なくとも一方が悪化した時点のいずれかにおいて行うことにより、ブルートゥース方式の通信に影響を与えることなく、必要な設定を行うことが可能となる。
【0077】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、ブルートゥース方式で行う通信としてストリーミング形式で行われるオーディオデータの送受信を考えたが、携帯端末装置110やハンズフリー処理部55などを用いてハンズフリー電話を実現する際に携帯端末装置110との間で行われる音声データの送受信に本発明を適用し、発話音声や受話音声の音切れを防止するようにしてもよい。
【0078】
また、上述した実施形態では、モバイルルータ100との間で無線LANによる通信を行い、携帯端末装置110との間でブルートゥースによる通信を行うようにしたが、これら以外の装置との間で通信を行うようにしてもよい。
【0079】
また、上述した実施形態では、車載装置1に本発明を適用したが、車両以外で用いられる、例えば室内あるいは室外で用いられる無線通信装置に本発明を適用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
上述したように、本発明によれば、ブルートゥース方式で通信を行う第1の外部装置に近い側のアンテナをブルートゥース用に用いることができるため、良好な通信環境でブルートゥース方式の通信を行うことが可能となり、ブルートゥースにより取得したデータを再生した際の音切れの発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 車載装置
10 操作部
12 タッチパネル
22 表示装置
50 制御部
51 インターネット処理部
52 メール処理部
53 ナビゲーション処理部
54 オーディオ処理部
55 ハンズフリー処理部
61 無線LAN処理部
62 ブルートゥース(BT)処理部
63 通信状態監視部
64 接続設定部
65 時分割要否判定部
66 時分割制御部
80 無線LAN/BTモジュール
82 切替スイッチ(SW)
84、86 アンテナ
100 モバイルルータ
110 携帯端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10