(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2のセンサーが、位置センサーと、力覚センサーと、温度センサーと、電位を測定するように構成された電極と、を含むリストから選択される、請求項1に記載の装置。
前記プロセッサーが、前記提示された測定値の更に1つを選択する追加の入力を受け入れて、追加で選択された測定値を生成し、前記ディスプレイ上で前記追加で選択された測定値の追加の提示内容の強調表示を解除するように構成される、請求項1に記載の装置。
前記ハンドルに固着された追加の触覚フィードバックデバイスを具備し、前記追加の触覚フィードバックデバイスが、前記プロセッサーからの指示の下で、前記追加で選択された測定値に応じて追加の触覚フィードバックを提供するように構成される、請求項4に記載の装置。
前記選択された測定値を前記ディスプレイから除去することと、所定のフォントサイズを使用して前記選択された測定値を提示することと、所定の色を使用して前記選択された測定値を提示することと、所定の輝度を使用して前記測定値を提示することと、を含むリストから選択された属性を適用することによって、前記選択された測定値の強調表示を解除するように前記プロセッサーが構成される、請求項1に記載の装置。
前記プロセッサーが、前記可撓性挿入チューブの外部にあるデバイスから第3の信号を受信し、前記第3の信号に対応する第3の測定値を前記ディスプレイに提示するように構成されており、前記第3の測定値が前記入力によって選択される、請求項1に記載の装置。
前記デバイスが、血圧モジュールと、潅注モジュールと、焼灼モジュールと、心電図検査モジュールと、タイマーモジュールと、を含むリストから選択される、請求項7に記載の装置。
前記第1及び前記第2のセンサーが、位置センサーと、力覚センサーと、温度センサーと、電位を測定するように構成された電極と、を含むリストから選択される、請求項9に記載の方法。
前記提示された測定値の更に1つを選択する追加の入力を受け入れ、それにより、追加で選択された測定値を生成することと、前記ディスプレイ上で前記追加で選択された測定値の追加の提示内容の強調表示を解除することと、を含む、請求項9に記載の方法。
前記ハンドルに固着された追加の触覚フィードバックデバイスを介して、前記追加で選択された測定値に応じて追加の触覚フィードバックを提供することを含む、請求項12に記載の方法。
前記選択された測定値の強調表示を解除することが、前記選択された測定値を前記ディスプレイから除去することと、所定のフォントサイズを使用して前記選択された測定値を提示することと、所定の色を使用して前記選択された測定値を提示することと、所定の輝度を使用して前記測定値を提示することと、を含むリストから選択された属性を適用すること、を含む、請求項9に記載の方法。
前記可撓性挿入チューブの外部にあるデバイスから第3の信号を受信することと、前記第3の信号に対応する第3の測定値を前記ディスプレイに提示することと、を含み、前記第3の測定値が前記入力によって選択される、請求項9に記載の方法。
前記デバイスが、血圧モジュールと、潅注モジュールと、焼灼モジュールと、心電図検査モジュールと、タイマーモジュールと、を含むリストから選択される、請求項15に記載の方法。
プログラム命令が格納される非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を備えるコンピュータソフトウェア製品であって、コンピュータによって命令が読み込まれると、前記コンピュータに、医療処置中に、体腔に挿入されるように構成された可撓性挿入チューブの遠位端上に載置された第1及び第2のセンサーから受信される第1及び第2の信号に対応する第1及び第2の測定値を生成させ、前記第1及び前記第2の測定値をディスプレイ上に提示させ、前記提示された測定値の一方を選択する入力を受け入れさせて、選択された測定値を生成させ、前記ディスプレイ上で前記選択された測定値の提示内容の強調表示を解除する間に、前記可撓性挿入チューブの近位端に連結されたハンドルに固定して取り付けられた触覚フィードバックデバイスを介して、前記選択された測定値に応じ、触覚フィードバックを提供させる、コンピュータソフトウェア製品。
【発明を実施するための形態】
【0013】
概論
医療処置中に、カテーテルを患者の体内に配置する際、カテーテルを操縦するオペレータは通常、多数のパラメータ(本明細書中で測定値とも呼ばれる)に注意を払う。パラメータは(カテーテルの内部及び外部の)様々なセンサーを介して追跡できるようになっていて、パラメータの値は通常1つ以上のディスプレイ上でオペレータに提示される。
【0014】
追跡可能なパラメータの例としては、カテーテルの遠位先端部の位置及び方向、カテーテルによって登録される温度及び/又は力、遠位先端部上の1つ以上の電極で測定される電位、並びに1つ以上の電極によって放散される電力が挙げられる。追跡対象パラメータの数に応じて(例えば、医療処置では、複数のカテーテルが利用可能)、パラメータを1つの大画面又は複数の小型画面に提示でき、パラメータの数が増えるほどパラメータの追跡が困難になり得る。
【0015】
本発明の実施形態は、少なくとも1つのパラメータの値をオペレータに触覚的に提示し、それによって、オペレータがディスプレイ上で追跡対象パラメータの数を少なく抑えるための方法及びシステムを提供する。一部の実施形態において、触覚フィードバックシステムは、オペレータがカテーテルの操縦に使用するカテーテルハンドルに組み込まれていて、システムがオペレータに提供する触覚フィードバックは、追跡対象パラメータのうちの1つの大きさに従い変化し得る。触覚フィードバックの提供に使用されるパラメータは、オペレータが選択できる。
【0016】
例えば、力パラメータの選択が可能になっていて、力の変化に応じて周波数が変化する振動を提供するように触覚フィードバックを構成できて、また、その後で、ディスプレイ上に提示された力測定値の強調表示を解除するか、又はディスプレイ上の力測定値を除去することさもえできる。同様な方法で追跡できる代替パラメータは、オペレータが選択した機能の温度、又はオペレータが選択した機能への近接度を含む。
【0017】
一部の実施形態においては、ハンドルに複数の触覚フィードバックシステムを組み込めるようになっていて、触覚フィードバックシステムのそれぞれに別のパラメータを割り当てることができる。本発明に係る実施形態は、ディスプレイ上で強調表示解除の対象となるパラメータの数を増やして、複数のパラメータの追跡を大幅な軽減を可能にするオペレータ制御式混在モダリティフィードバックを提供することによって、オペレータが医療処置を行う際の精度及び効率を向上できる。
【0018】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態に従ってオペレータ制御式混在モダリティフィードバックを実施する医療システム20の概略図である。システム20は例えば、バイオセンスウェブスター社(Biosense Webster Inc.)(カリフォルニア州ダイアモンド・バー)製造のCARTO(商標)システムに基づくことができる。システム20は、カテーテル等のプローブ22及び制御操作卓24を備える。以降で説明する実施形態では、プローブ22は、診断処置又は治療処置のため、例えば、心臓26内の電位をマッピングするため、若しくは心臓組織の焼灼を実行するために使用されると想定される。また、プローブ22は、必要な変更を加えて心臓又は他の体内の臓器において他の治療及び/又は診断目的で使用することもできる。
【0019】
プローブ22は、可撓性挿入管28と、挿入管の近位端に連結されたハンドル30と、を具備する。オペレータ32は、ハンドル30を操縦して、患者34の脈管系を通してプローブ22を挿入できて、プローブ22の遠位端36が心臓26の室に入り、所望の位置(1つ又は複数)にて心内膜組織に係合されるようになっている。プローブ22は通常、その近位端において適切なコネクターによって操作卓24に接続される。
【0020】
システム20は通常、磁気位置検知を用いて、心臓26の内側における遠位端36の位置座標を判定する。位置座標を決定するために、操作卓24内の駆動回路40が磁場発生装置42を駆動して、患者34の身体内で磁場を生成する。通常、磁場発生器42はコイルを備え、コイルは患者胴体下方の、患者34外部の既知の位置に設置される。これらのコイルは、心臓26を包含する既定の作業ボリューム内に磁場を生成する。プローブ22の遠位端36内の磁場センサー44(本明細書中で位置センサーとも呼ばれる。このセンサーの詳細を
図2に示す)が、コイルから生じたこれらの磁場に応答して電気信号を発生させ、それによって、心腔内における遠位端36の位置を操作卓24で判別できるようになっている。
【0021】
本発明の例では、システム20は磁気ベースのセンサーを使用して遠位端36の位置を測定するが、他の位置追跡技術を使用してもよい(例えば、インピーダンスベースのセンサー)。磁気的位置追跡技術については、例えば上記に参照した米国特許第5,391,199号及び同第6,690,963号、並びに、参照によりその開示内容が本出願に組み込まれる米国特許第5,443,489号、同第6,788,967号、同第5,558,091号、同第6,172,499号及び同第6,177,792号に述べられている。インピーダンスに基づく位置追跡技術については、例えば、その開示内容を参照により本明細書に援用する米国特許第5,983,126号、同第6,456,864号、及び同第5,944,022号に述べられている。
【0022】
信号プロセッサー46は、センサー44からの信号を処理して、遠位端36の位置座標を判別する。この位置座標には、典型的に、場所及び方向の座標の両方が含まれる。以上で説明した位置検知の方法は、上述のCARTO(商標)システムにおいて実装され、また上記の特許及び特許出願で詳細に説明されている。
【0023】
信号プロセッサー46は、典型的には、プローブ22からの信号を受信し、操作卓24の他の構成要素を制御するための、適切なフロントエンド回路及びインターフェース回路を備えた、汎用コンピュータを含む。プロセッサー46は、本明細書に記述されている機能を実行するよう、ソフトウェアにプログラムすることができる。このソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態で操作卓24にダウンロードするか、又は光学的、磁気的、又は電子的記録媒体などの、非一過性の実体のある媒体上に提供することができる。別の方法として、プロセッサー46の機能の一部分又は全部を、専用又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素により実行することもできる。
【0024】
入出力(I/O)インターフェース48は、操作卓24とプローブ22との相互作用を可能とする。プローブ22から(インターフェース48、及びシステム20の他の構成要素を介して)受信した信号に基づいて、プロセッサー46がディスプレイ50を駆動し、操作者32に、患者の身体内の遠位端36の位置を示す画像52、並びに進行中の処置に関するステータス情報及びガイダンスを提示する。
【0025】
プロセッサー46は、ディスプレイ上にイメージ52を提示するほか、処置中にオペレータ32が監視できる測定値のリスト60を表示することもできる。測定値は、プローブ22が心臓26から捕捉して操作卓24に運搬する信号に基づくこともあり得る。プローブ22によって捕捉される測定値の例としては、電位、力、温度、1つ以上の定義済み位置からの距離(例えば、マップ上の点からの距離、及び/又は食道などの解剖学的組織体からの距離)、及び或る場所での時間(通常は、遠位先端部38が相対的に静止しているとき)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
加えて又は代わりに、測定値は、プローブ22の外部にあるデバイスから操作卓24が受信する信号に基づくこともあり得る。そのような外部デバイスの例としては、血圧が測定値に示される血圧監視モジュール、潅注流速が測定値に示される潅注モジュール、焼灼力及び/又は焼灼が実行される時限が測定値に示される焼灼モジュール、心臓26の電気的活性が測定値に示される心電図検査(ECG)モジュール、並びにタイマーモジュールが挙げられるが、これらに限定されない。他の型式のモジュールは当業者にとって明らかであり、そのような全ての型式が本発明の範囲内に包含されるものと想定される。
【0027】
一部の実施形態では、プロセッサー46は、カテーテルが心臓26の心内膜組織に押し当てられていると考えられる間中、遠位端36内部の位置センサー44及び力覚センサー54(力覚センサー54は
図2に更に詳細に示される)から受信される測定値を監視する。プロセッサー46は、画像52を表わすデータをメモリ56内に格納する。一部の実施形態において、オペレータ32は1つ以上の入力デバイス58を使用してイメージ52を操縦し、かつ/又は与えられた測定値をリスト60から選択できる。
【0028】
これに代え又はこれに加えて、システム20は、プローブ22を患者34の体内で動かし操作する自動機構(図示せず)を備えていてもよい。そのような機構は、典型的には、プローブ22の長手方向の動き(前進/後退)、及びプローブの遠位端36の横方向の動き(偏向/操舵)の双方を制御することが可能である。そのような実施形態では、プロセッサー46は、プローブ内の磁場センサーによって提供される信号に基づいて、プローブ22の動きを制御するための制御入力を生成する。
【0029】
図1では特定のシステム構成を示しているが、本発明の実施形態の実行には別のシステム構成も使用でき、したがって、それらは本発明の趣旨及び範囲内であると考えられる。例えば、本明細書にて以下で説明する方法は、インピーダンス式の位置センサー又は超音波位置センサーなど、上述した磁場センサー以外のタイプの位置変換器を使用して適用されてもよい。本明細書で用いる際の「位置変換器」という用語は、プローブ22上に取り付けられる素子であって、その素子の座標を示す信号を操作卓24に受信させるものを指す。したがって、位置変換器は、プローブ上に、変換器が受信したエネルギーに基づいて制御装置に対し位置信号を発生する受信器を含むことができ、又は、プローブ外部の受信器で検知されるエネルギーを発する送信機を含むことができる。更に、本明細書にて以下で説明する方法は、心臓内で、また他の体組織及び領域内で、カテーテルだけでなく他のタイプのプローブも使用する治療及び診断の用途で同様に適用されてもよい。
【0030】
図2は、本発明の実施形態によるプローブ22の概略断面図である。
図2は、具体的には、プローブの機能素子を示す。プローブの遠位先端部38の焼灼電極70は、一般的には、プラチナ/イリジウム合金などの金属材料、又は別の好適な材料で作製される。別の方法として、複数の電極(図示せず)がプローブの全長に沿って設けられてもよい。
【0031】
位置センサー44は、遠位端36の位置座標を示す信号を操作卓24に送信する。位置センサー44は、1つ又は2つ以上の小形コイルを備えていてもよく、通常、種々の軸線に沿って方向付けられた複数のコイルを備えている。別の方法として、位置センサー44は、別のタイプの磁気センサー、つまり位置センサーとして機能する電極か、又はインピーダンスベース又は超音波位置センサーなどの他のタイプの位置センサーであってもよい。
【0032】
代替の実施形態においては、位置センサー44及び磁場発生器42の役割は逆にされてもよい。換言すれば、駆動回路40が遠位端36内の磁場発生器を駆動して、1つ又は2つ以上の磁場を発生させてもよい。発生器42内のコイルは、磁場を検知し、それらの磁場の成分の振幅を示す信号を発生させるように構成されてもよい。プロセッサー46は、心臓26内における遠位端36の位置座標を判定するために、これらの信号を受信及び処理する。
【0033】
力覚センサー54は、遠位先端部が身体内組織に対して及ぼす力を示す信号を、操作卓に伝達することによって、遠位先端部38が心臓26の心内膜組織に加える力を測定する。一実施形態において、力覚センサーは、遠位端36内のバネによって連結された磁場送信器と受信器を備えていてもよく、バネのたわみの測定に基づいて力の指標を生成し得る。この種のプローブ及び力覚センサーの詳細は、前述の米国特許出願公開第2009/0093806号及び同第2009/0138007号に記述されている。別の方法として、遠位端36は別のタイプの力覚センサーを備えていてもよい。
【0034】
ハンドル30はオペレータ32が掴めるように構成され、挿入管28の近位端72及びケーブル76の遠位端74に連結されている。ケーブル76の近位端78は、入出力インターフェース48に連結されている。ケーブル76の遠位端は、位置センサー44、力覚センサー54及び電極70に、挿入管28及びハンドル30に内包された接続ケーブル80を介して連結されている。
図2は(図解の便宜上)電極とセンサーをケーブル76に連結する単一の接続ケーブル80を示しているが、一般的には挿入管とハンドルの内部には複数の接続ケーブルが存在する。接続ケーブル80は一般的には金属導体及び/又は光ファイバーを具備する。
【0035】
本発明の実施形態において、1つ以上の触覚フィードバックデバイス(HFD)82は、ハンドル30に固定して取り付けられていて、処置中にオペレータ32に触覚フィードバックを提供するように構成されている。触覚フィードバックには、振幅(即ち、振動強度)及び/又は周波数(即ち、1分当たりの振動/脈拍)ごとの振動数が含まれ得る。触覚フィードバックデバイス82は、Artificial Muscle Inc.(Sunnyvale,California)製のViviTouch(商標)システムに使用されているものなどのように、電気活性ポリマー(EAP)を主成分としていてもよい。
【0036】
特定のHFD 82によって提供される触覚フィードバックは一般的に、上述した測定値のうちの1つに基づく。例えば、プロセッサー46では、特定のHFD 82を、遠位先端部38と体腔内の組織(例えば、心臓26)との間の接触圧に基づいて振動の振幅が設定されるように構成できる。代わりに、特定のHFDを、遠位先端部が圧力を印加する延時間に基づいて振動の周波数が生成されるように、プロセッサー46で構成することもできる。
【0037】
図2に示される例では、ハンドル30は2つの触覚フィードバックデバイス82を具備する。例えば、第1の触覚フィードバックデバイス82をハンドルの近位端に位置決めすると、オペレータの掌に触覚フィードバックを伝達できるようになり、本明細書中で追加の触覚フィードバックデバイス82とも呼ばれる、第2の触覚フィードバックデバイス82をハンドルの遠位端に位置決めすると、オペレータの指に触覚フィードバックを伝達できるようになる。
【0038】
一部の実施形態において、2つの触覚フィードバックデバイスのそれぞれは、操作卓24から受信された第1及び第2の信号に基づいて触覚フィードバックを伝達するように構成できる。例えば、プロセッサー46では、力を第1の測定値として選択でき、焼灼力を第2の測定値として選択できる。この場合、プロセッサー46では、力覚センサー54(第1のセンサーに対応)からコンソール24が受信する第1の信号に基づいて触覚フィードバックが伝達されるように、第1の触覚フィードバックデバイス82を構成することもできると共に、電極70(第2のセンサーに対応)経由でコンソール24が施行する焼灼の力に基づいて触覚フィードバックが伝達されるように、第2の触覚フィードバックデバイス82を構成することもできる。
【0039】
図2に示すプローブ22は、単一の位置センサー44を具備するが、本発明の実施形態では、2つ以上の位置センサーを具備するプローブを利用することができる。加えて又は代わりに、温度センサーなどの追加のセンサー、又は潅注施行システムなどのデバイスが、プローブ22に具備されていてもよい。
【0040】
オペレータ制御式視覚及び触覚フィードバック
図3は、医療処置中にオペレータ制御式混在モダリティフィードバックを提供する方法を概略的に示す流れ図であり、
図4は、本発明の実施形態に従って心臓26の心内膜組織110と接触する遠位先端部38を示す図式的詳細図である。以下に記載されている流れ図においては、工程98〜104が工程94〜96と同時に実行される。
【0041】
提示工程90において、プロセッサー46はディスプレイ50上に測定値のリスト60を提示する。本明細書に記載されている実施例において、リスト60は第1及び第2の測定値を含み、これらの測定値は、2つの別個のデバイス(例えば、位置センサー44、及び力覚センサー54)から受信された第1及び第2の信号に対応している。入力工程92において、オペレータ32が入力デバイス58を操作して、提示された測定値の1つを触覚フィードバックの適用に使う目的に選択すると、プロセッサー46は測定値を選択する入力を受け入れる。例えば、オペレータ32は触覚フィードバック対象として力測定値を選択することができる。
【0042】
位置決め工程94でオペレータ32がプローブ22を位置決めし、施行工程でプローブが心臓26に対して治療を施行する。
図4に示す例において、オペレータ32がプローブ22を前進させると、プローブの遠位先端部38が心内膜組織110に係合し、遠位先端部が心内膜組織に力Fが及ぶ。遠位先端部38は心内膜組織110に係合すると即座に、治療(例えば、心内膜組織の焼灼)を施行できる。
【0043】
オペレータがプローブを位置決めして治療を施行する間、それと同時に下掲の工程98〜104が実行される。捕捉工程98において、プロセッサー46は第1の信号を位置センサー44から捕捉し、力Fを示す第2の信号を力覚センサー54から捕捉する。生成工程100においてプロセッサーは第1及び第2の信号から第1及び第2の測定値(即ち、位置及び力の測定値)を生成し、提示工程102においてプロセッサー46はデイスプレイ50上に第1及び第2の測定値を提示する。
【0044】
本発明の実施形態において、プロセッサー46は工程92で選択される測定値の強調表示を解除する。例えば、第1及び第2の測定値に位置及び力の測定値が含まれる場合、工程92においてオペレータ32が力測定値を選択すると、プロセッサー46は、次の属性のいずれか1つ以上を適用することによって、ディスプレイ50上で力測定値の強調表示を解除できる:
・プロセッサー46は、力測定値の提示に用いられる輝度よりも高い所定の輝度を使用して、位置測定値を提示できる。
・プロセッサー46は、ディスプレイ上で力測定値の輝度を所定量だけ低減するか、又は力測定値をディスプレイから除去できる。
・プロセッサー46は、位置測定値を黄色などの所定の色で提示でき、力測定値を緑色などの別の所定の色で提示できる。
・プロセッサー46は、位置測定の提示に使用されるフォントサイズよりも小さい所定のフォントサイズを使用して、力測定値を提示できる。
【0045】
他の型式の強調表示解除は当業者にとって明らかであり、そのような全ての型式が本発明の範囲内に包含されるものと想定される。
【0046】
フィードバック工程104において、ディスプレイ50上で力測定値の強調表示を解除されている間、プロセッサー46は、力測定値(即ち、選択された測定値)に基づいてフィードバック信号を触覚フィードバックデバイス82に伝達し、触覚フィードバックデバイスは受信された信号に基づいて触覚フィードバックを生成する。前掲のように、触覚フィードバックには、振幅及び/又は周波数ごとの振動数が含まれ得る。
【0047】
ハンドル30が追加の触覚フィードバックデバイス82を具備する実施形態では、工程92においてプロセッサー46は、追加で選択された測定値を示す追加の入力を受け入れることができる。プロセッサー46は、追加の入力を受けると即座に、ディスプレイ上で追加で選択された測定値の強調表示を解除することができ、追加で選択された測定値に応じて追加の触覚フィードバックを提供するように、追加の触覚フィードバックデバイスに指示することもできる。
【0048】
加えて又は代わりに、プロセッサー46がプローブ22の外側にあるデバイス(例えば、血圧監視モジュール)から信号を受信する実施形態において、プロセッサー46はデバイスから第3の信号を受信して、その第3の信号に対応する第3の測定値をディスプレイ上に提示できる。工程92において、受信された入力は、第3の測定値を選択された測定値として指示できる。
【0049】
上述した実施形態は一例として記載されたものであり、本発明は、本明細書において上に具体的に図示及び説明した内容に限定されないことが明らかとなろう。寧ろ本発明の範囲には、上記に述べた様々な特徴の組み合わせ及び下位の組み合わせ、並びに当業者であれば上記の説明文を読むことで想到されるであろう、先行技術に開示されていないそれらの変更及び改変が含まれるものである。
【0050】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
体腔内に挿入するための遠位端を備える可撓性挿入チューブと、
前記遠位端に載置された第1の内部センサーであって、医療処置中に前記体腔から第1の信号を捕捉するように構成された第1の内部センサーと、
前記遠位端に載置された第2の内部センサーであって、前記医療処置中に前記体腔から第2の信号を捕捉するように構成された第2の内部センサーと、
ディスプレイと、
前記第1及び第2の信号に対応する第1及び第2の測定値を前記ディスプレイ上に提示し、前記提示された測定値の一方を選択する入力を受け入れ、選択された測定値を生成するように構成されたプロセッサーと、
前記可撓性挿入チューブの近位端に連結されたハンドルと、
前記ハンドルに固定して取り付けられた触覚フィードバックデバイスであって、前記ディスプレイ上で前記選択された測定値の提示内容の強調表示が解除される(deemphasized)間に、前記プロセッサーの指示の下で、前記選択された測定値に応じ、触覚フィードバックを提供するように構成された触覚フィードバックデバイスと、を備える、装置。
(2) 前記第1及び第2のセンサーが、位置センサーと、力覚センサーと、温度センサーと、電位を測定するように構成された電極と、を含むリストから選択される、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記触覚フィードバックが振動を含み、前記振動の周波数及び振幅の一方を変動するように前記触覚フィードバックデバイスが構成される、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記プロセッサーが、前記提示された測定値の更に1つを選択する追加の入力を受け入れて、追加で選択された測定値を生成し、前記ディスプレイ上で前記追加で選択された測定値の追加の提示内容の強調表示を解除するように構成される、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記ハンドルに固着された追加の触覚フィードバックデバイスを具備し、前記追加の触覚フィードバックデバイスが、前記プロセッサーからの指示の下で、前記追加で選択された測定値に応じて追加の触覚フィードバックを提供するように構成される、実施態様4に記載の装置。
【0051】
(6) 前記選択された測定値を前記ディスプレイから除去することと、所定のフォントサイズを使用して前記選択された測定値を提示することと、所定の色を使用して前記選択された測定値を提示することと、所定の輝度を使用して前記測定値を提示することと、を含むリストから選択された属性を適用することによって、前記選択された測定値の強調表示を解除するように前記プロセッサーが構成される、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記プロセッサーが、前記可撓性挿入チューブの外部にあるデバイスから第3の信号を受信し、前記第3の信号に対応する第3の測定値を前記ディスプレイに提示するように構成されており、前記第3の測定値が前記入力によって選択される、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記デバイスが、血圧モジュールと、潅注モジュールと、焼灼モジュールと、心電図検査モジュールと、タイマーモジュールと、を含むリストから選択される、実施態様7に記載の装置。
(9) 方法であって、
医療処置中に、体腔内に挿入されるように構成された可撓性挿入チューブの遠位端上に載置された第1及び第2のセンサーから受信される第1及び第2の信号に対応する第1及び第2の測定値を生成することと、
前記第1及び前記第2の測定値をディスプレイ上に提示することと、
前記提示された測定値の一方を選択する入力を受け入れ、それにより、選択された測定値を生成することと、
前記ディスプレイ上で前記選択された測定値の提示内容の強調表示を解除する間に、前記可撓性挿入チューブの近位端に連結されたハンドルに固定して取り付けられた触覚フィードバックデバイスを介して、前記選択された測定値に応じ、触覚フィードバックを提供することと、を含む、方法。
(10) 前記第1及び前記第2のセンサーが、位置センサーと、力覚センサーと、温度センサーと、電位を測定するように構成された電極と、を含むリストから選択される、実施態様9に記載の方法。
【0052】
(11) 前記触覚フィードバックが振動を含み、前記触覚フィードバックデバイスは、前記振動の周波数及び振幅の一方を変動するように構成される、実施態様9に記載の方法。
(12) 前記提示された測定値の更に1つを選択する追加の入力を受け入れ、それにより、追加で選択された測定値を生成することと、前記ディスプレイ上で前記追加で選択された測定値の追加の提示内容の強調表示を解除することと、を含む、実施態様9に記載の方法。
(13) 前記ハンドルに固着された追加の触覚フィードバックデバイスを介して、前記追加で選択された測定値に応じて追加の触覚フィードバックを提供することを含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記選択された測定値の強調表示を解除することが、前記選択された測定値を前記ディスプレイから除去することと、所定のフォントサイズを使用して前記選択された測定値を提示することと、所定の色を使用して前記選択された測定値を提示することと、所定の輝度を使用して前記測定値を提示することと、を含むリストから選択された属性を適用すること、を含む、実施態様9に記載の方法。
(15) 前記可撓性挿入チューブの外部にあるデバイスから第3の信号を受信することと、前記第3の信号に対応する第3の測定値を前記ディスプレイに提示することと、を含み、前記第3の測定値が前記入力によって選択される、実施態様9に記載の方法。
【0053】
(16) 前記デバイスが、血圧モジュールと、潅注モジュールと、焼灼モジュールと、心電図検査モジュールと、タイマーモジュールと、を含むリストから選択される、実施態様15に記載の方法。
(17) プログラム命令が格納される非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を備えるコンピュータソフトウェア製品であって、コンピュータによって命令が読み込まれると、前記コンピュータに、医療処置中に、体腔に挿入されるように構成された可撓性挿入チューブの遠位端上に載置された第1及び第2のセンサーから受信される第1及び第2の信号に対応する第1及び第2の測定値を生成させ、前記第1及び前記第2の測定値をディスプレイ上に提示させ、前記提示された測定値の一方を選択する入力を受け入れさせて、選択された測定値を生成させ、前記ディスプレイ上で前記選択された測定値の提示内容の強調表示を解除する間に、前記可撓性挿入チューブの近位端に連結されたハンドルに固定して取り付けられた触覚フィードバックデバイスを介して、前記選択された測定値に応じ、触覚フィードバックを提供させる、コンピュータソフトウェア製品。