特許第6216401号(P6216401)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6216401
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】フレキシブル管及びその継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 11/08 20060101AFI20171005BHJP
   F16L 33/01 20060101ALI20171005BHJP
   F16L 33/34 20060101ALI20171005BHJP
   F16L 47/02 20060101ALI20171005BHJP
   B29C 65/70 20060101ALI20171005BHJP
【FI】
   F16L11/08 B
   F16L33/01
   F16L33/34
   F16L47/02
   B29C65/70
【請求項の数】38
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-37736(P2016-37736)
(22)【出願日】2016年2月29日
(62)【分割の表示】特願2015-543523(P2015-543523)の分割
【原出願日】2013年11月22日
(65)【公開番号】特開2016-156505(P2016-156505A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2016年3月14日
(31)【優先権主張番号】1221034.0
(32)【優先日】2012年11月22日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515137244
【氏名又は名称】マンタレイ イノベーションズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MANTARAY INNOVATIONS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ ジャスパート
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第02329439(GB,A)
【文献】 特開平09−164598(JP,A)
【文献】 特開2009−204144(JP,A)
【文献】 特開2001−279207(JP,A)
【文献】 特表平03−504632(JP,A)
【文献】 国際公開第97/025564(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/053141(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0192641(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0189698(US,A1)
【文献】 米国特許第06315002(US,B1)
【文献】 米国特許第05829795(US,A)
【文献】 英国特許出願公開第02453845(GB,A)
【文献】 英国特許出願公告第01409096(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L9/00−11/26,13/10,33/00−33/34,
47/00−49/08
B29C65/00−65/82
B32B1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧及び/又は高温の炭化水素液又は炭化水素ガスの輸送用の合成ポリマーフレキシブル管であって、
(i)内側ライナー層と、
ii)該フレキシブル管の端を包囲する外装層と、
iii)前記管の前記端に配置され前記外装層を包囲する管継手と、
iv)前記管継手の凹部によって画定されるシール領域と、
)前記シール領域に配置されたシール材料と
を備え、前記管の前記内側ライナー層は前記シール領域まで延びて前記シール材料に結合される、合成ポリマーフレキシブル管において、前記シール材料は非エラストマー性であり、前記シール材料及び該フレキシブル管の前記内側ライナー層の両方は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を含む群から選択される同類の合成ポリマーを含むことを特徴とする、合成ポリマーフレキシブル管。
【請求項2】
請求項1に記載のフレキシブル管において、該フレキシブル管及び前記シール材料は、それぞれが半結晶性熱可塑性材料を含むフレキシブル管。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフレキシブル管において、前記シール材料は、注入可能な流動性又は溶融合成ポリマーとして設けられるフレキシブル管。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のフレキシブル管において、前記シール材料は、固形溶融性シールとして設けられるフレキシブル管。
【請求項5】
請求項4に記載のフレキシブル管において、前記固形溶融性シールは、繊維、粗粒子、チップ又は微粉を含む群の1つ又は複数から選択される金属粒子を含むフレキシブル管。
【請求項6】
請求項5に記載のフレキシブル管において、種々のサイズの金属粒子が前記固形溶融性シールに分布するフレキシブル管。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、該フレキシブル管の前記内側ライナー層のみが、前記シール領域まで延びる半結晶性熱可塑性材料を含むフレキシブル管。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、補強材料が前記内側ライナー層内に収まるように設けられるが、該内側ライナー層の半結晶性熱可塑性材料には結合されないフレキシブル管。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、補強材料が前記内側ライナー層内に収まるように設けられ、接着接合層によって前記内側ライナー層の半結晶性熱可塑性材料に完全に結合されるフレキシブル管。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のフレキシブル管において、前記補強材料は、螺旋巻回スチールコード及び/又はスチールワイヤーを含むフレキシブル管。
【請求項11】
請求項10に記載のフレキシブル管において、2つ以上の別個の螺旋巻回スチールコード及び/又はスチールワイヤーが相互連結配置されるフレキシブル管。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、前記補強材料は、該フレキシブル管の長手軸に対して25°〜85°の角度で前記内側ライナー層内に巻回配置されるフレキシブル管。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、前記補強材料は、ガラス繊維、炭素繊維、UHmwPE(超高分子量ポリエチレン)繊維及びアラミド繊維を含むリストから選択される1つ又は複数の繊維ストランド及び/又はロービングを含むフレキシブル管。
【請求項14】
請求項7〜13のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、電気発熱体が前記内側ライナー層内に設けられるフレキシブル管。
【請求項15】
請求項14に記載のフレキシブル管において、前記電気発熱体は、導電線、導電ケーブル、導電布又は導電性複合材を含むリストから選択される1つ又は複数の材料を含むフレキシブル管。
【請求項16】
請求項7〜15のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、前記内側ライナー層の半結晶性熱可塑性材料は、ポリマー間結合によって前記シール材料の半結晶性熱可塑性材料に直接結合されるフレキシブル管。
【請求項17】
請求項7〜16のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、前記シール材料の半結晶性熱可塑性材料は、ポリマー・金属間結合によって前記管継手に直接結合されるフレキシブル管。
【請求項18】
請求項7〜16のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、前記シール材料の半結晶性熱可塑性材料は、中間接着接合層を介して前記内側ライナー層及び/又は前記管継手に間接的に結合されるフレキシブル管。
【請求項19】
請求項18に記載のフレキシブル管において、前記接着接合層も半結晶性熱可塑性材料を含むフレキシブル管。
【請求項20】
請求項2〜19のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、前記内側ライナー層及び/又は前記シール材料の半結晶性熱可塑性材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)材料であるフレキシブル管。
【請求項21】
請求項2〜19のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、前記内側ライナー層及び/又は前記シール材料の半結晶性熱可塑性材料は、架橋ポリエチレン(PEX)材料であるフレキシブル管。
【請求項22】
請求項2〜19のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、前記内側ライナー層及び/又は前記シール材料の半結晶性熱可塑性材料は、パーフルオロアルコキシ(PFA)材料であるフレキシブル管。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、前記管継手は、金属又は合金から形成されるフレキシブル管。
【請求項24】
請求項2〜23のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、円筒形スリーブ部材が、該フレキシブル管の前記端で前記内側ライナーの下に配置され、前記シール領域に近接した前記管継手と協働して該シール領域まで延びる前記内側ライナー層の一部を支持するフレキシブル管。
【請求項25】
請求項24に記載のフレキシブル管において、前記円筒形スリーブ部材の外面が、該管の中心長手軸に対して鋭角で傾斜しているフレキシブル管。
【請求項26】
請求項2〜25のいずれか1項に記載のフレキシブル管において、前記内側ライナー層は、圧着又は加締め接続によって前記管継手に連結されるフレキシブル管。
【請求項27】
高圧及び/又は高温の炭化水素液又は炭化水素ガスの輸送用の合成ポリマーフレキシブル管を製造する方法であって、
(i)シール領域を画定する凹部を備えた管継手を用意するステップと、
(ii)内側ライナー層を有するフレキシブル管及び該管を包囲する外装層を用意するステップと、
(iii)前記シール領域に導入するシール材料を用意するステップと、
(iv)前記管の前記内側ライナー層が前記シール領域内まで延びると共に前記管継手が前記管端で前記外装層を包囲するように、前記管継手を前記ホースの端に嵌めるステップと、
(v)前記管端と前記シール材料との間及び前記管継手と前記シール材料との間それぞれの前記シール領域内で永久的なポリマー間及びポリマー・金属間化学結合を形成するステップと
を含み、前記シール材料は、非エラストマー性であり、前記シール材料及び前記フレキシブル管の少なくとも一部の両方が、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を含む群から選択される同類の合成ポリマーからなる方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、前記フレキシブル管内に収まるように補強手段を設けるさらなるステップを含む方法。
【請求項29】
請求項27又は28に記載の方法において、前記管継手を前記管端に嵌めるステップの前又は後に、支持部材を前記管端の内面の下に導入する方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、前記支持部材は、前記管端の直径を拡大するために前記管継手を嵌める前に導入され、前記管継手を嵌めると拡大部が前記シール領域に近接して支持される方法。
【請求項31】
請求項27〜30のいずれか1項に記載の方法において、前記シール領域内に永久的な化学結合を形成するステップは、前記シール領域を前記管継手の外部につなげる通路を通した注入によって前記シール材料を前記シール領域に導入することを含む方法。
【請求項32】
請求項29又は30のいずれか1項に記載の方法において、前記シール領域内に永久的な化学結合を形成するステップは、前記管継手を前記管端に嵌める前に、該管端に近接して固形溶融性シールを前記管に取り付けることによって前記シール材料を前記シール領域に導入することを含む方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、前記管継手を前記管端に嵌めるステップの次に、前記管端の内面の下に前記支持部材を導入するステップが続き、前記支持部材は、前記シール領域内で前記固形溶融性シールを溶融させる加熱器を組み込む方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、前記支持部材を導入するステップは、永久的な化学結合を形成したまま前記管端の前記内面に対して一時的に膨張させられる膨張式支持部材を用いることを含む方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法において、前記支持部材を導入するステップの次に、該支持部材を前記管端の前記内面に対して永久的に加締めることが続く方法。
【請求項36】
請求項33〜35のいずれか1項に記載の方法において、前記シール領域内で前記固形溶融性シールを溶融させるステップは、負圧を与えて実質的に全ての空気を前記シール領域から除去するステップを伴う方法。
【請求項37】
請求項27〜36のいずれか1項に記載の方法において、前記フレキシブル管を用意するステップ及び前記シール材料を用意するステップはそれぞれ、半結晶性熱可塑性材料を含む管及びシール材料を用意することを含む方法。
【請求項38】
請求項27〜37のいずれか1項に記載の方法において、前記永久的な化学結合を形成するステップは、前記シール材料を冷却することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧用又は高圧/高温用のフレキシブル管又はフレキシブルホース、特に、
限定的ではないが、管又はホースと金属継手部材との間のシール接続の構成に関する。本
発明の一実施形態では、補強手段がフレキシブル管又はフレキシブルホースの内側ライナ
ーに組み込まれる。本発明のフレキシブル管又はフレキシブルホースは、炭化水素液若し
くは炭化水素ガス及び/又は水の輸送に適することが主に意図される。上記特性を有する
フレキシブル管又はフレキシブルホースを製造する方法も開示される。用語「管」及び「
ホース」は、本開示において概して同義で用いられるが、文脈により許される場合は、管
はホースよりも比較的可撓性が低いものと理解され得る。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル管又はフレキシブルホースは、主に流体及びガスの輸送のために石油及び
ガス探査の分野で陸上及び海上両方の用途で用いられる。用語「フレキシブル」は、鋼管
等の実質的に剛性の構成を除外すると理解されたい。フレキシブル管又はフレキシブルホ
ースは、加圧された高温の原油及び粗ガスを海底ベースの坑口から浮遊しているプラット
フォーム又は処理施設へ輸送するために通常は用いられる。しかしながら、フレキシブル
管又はフレキシブルホースは、生産高の向上及び維持を目的とした広範囲の圧入又は用役
流体を搬送するのにも適している。結果として、フレキシブル管又はフレキシブルホース
は、内部及び外部両方の温度及び圧力の幅広い変動を受ける。
【0003】
通常の管又はホースの圧力定格及び温度定格は、例えばアメリカ石油協会(API)規
格7K−第5版、2010年6月、「掘削及び坑井サービス装置」(9.6.1項、9.
6.3.1項、及び表9を参照)に開示されている。フレキシブル管又はフレキシブルホ
ース(通常は直径3インチ以上)で生じる圧力条件及び/又は温度条件に関するさらなる
指針は、API規格、16C(表3.4.1、表3.4.2、表3.4.3、及び表3.
5.2.1を参照)、OCIMF、17J、及び17Kに見ることができる。フレキシブ
ル管又はフレキシブルホースは、用途に応じて約−40℃〜+132℃の典型的な温度条
件に耐えることができなければならない。
【0004】
フレキシブル管は、結合及び非結合という2つの範疇に分けることができる。非結合フ
レキシブル管は、通常は複数の金属外装層及びポリマー耐摩耗/減摩層を備え、少なくと
も2つの隣接層管間のある程度の相対滑りが可能となっている。1つの層が別の層に埋め
込まれている場合でも、例えばスチールコード補強層をその周囲のポリマーマトリクスか
ら引き抜く単純な引き抜き試験によって非結合特性を実証することができる。この試験は
、「ゴム特性の標準試験方法−スチールコードへの付着」(ASTMD2229−85)
の改訂版に基づくものである。
【0005】
結合管は、非結合管と同様の応用範囲に一般に用いられるが、隣接層間の滑りを妨げる
。結合管は、エラストマー又は熱可塑性の内側ライナー管を用い、これは下にある金属カ
ーカスの上に押し出し成形されるか又はこれに結合され、外装層によって包囲されること
がある。管全体は、結合金属ケーブル又はワイヤー(真鍮被覆又は亜鉛めっき済み)及び
エラストマー層の複合材と考えることができ、下記のような熱可塑性内側ライナー層を含
む可能性がある。結合管を試験して、最内層に膨れ現象を引き起こし得る急速なガス減圧
事象に耐えることが可能であることを確実にする。結合フレキシブル管タイプは、フレキ
シブルライザー、ローディングホース(loading hoses:荷役ホース)、又は探査用ホー
ス(ロータリーホース、チョーク及びキルホース、泥及びセメントホース)として用いる
ことができる。
【0006】
液体及びガスの透過損失を回避するために、熱可塑性管、又は熱可塑性内側ライナーを
有する管を用いて、その全体的なシール能力を高める場合が多い。しかしながら、いくつ
かの流体又はガスは、非常に攻撃的で、特に高温で特定のポリマー又はプラスチックライ
ナーの急速な劣化を引き起こし得る。この問題に対処するために、管及び/又はその内側
ライナー(ある場合)内で化学的により不活性のポリマータイプ、例えば架橋ポリエチレ
ン(PEX)、ポリアミド11/12(PA11/PA12)、エチレンテトラフルオロ
エチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)等を用いることが知られている。これらの工学的ポリマーには、耐熱
性、耐サワー性、耐クラック挙動、低いガス/液体透過性等に関して多くの利点があるが
、ホース継手(すなわち、管同士又は管と端金具との間の接続)での良質なシールの確保
にあまり効果的でないことが知られている。多くの場合、これらのライナーは、内側(ス
テンレス鋼)カーカスで補強される。
【0007】
管又はその内側ライナーと継手との間の確実なシール(すなわち、管同士又は管と端金
具との間の接続)を確保するために、全ての「漏れ経路」をなくさなければならない。漏
れ経路は、加圧された流体又はガスを低圧状態と等しくさせる経路である。布、空気ポケ
ット、外装ケーブル、又は管構造内の隣接する層又は材料間の任意の連続的な結合不良の
全てが、このような「漏れ経路」をもたらし、局所的なガス/液体溜まりを引き起こして
フレキシブル管の膨れ及び最終的には故障につながる。確実で効果的なシールが、高圧高
温結合管の基本的な安全要件である。本発明者が知っている限りでは、全ての結合ホース
製造業者が、例えば特許文献1(Antal他)に開示されているようなエラストマー系シー
ル剤をこれまで用いてきた。
【0008】
エラストマーは、3種類の非金属ポリマー材料の中で最も可撓性、変形性、及び弾性の
あるものを構成する。全てのエラストマーの挙動特性は、ガス及び蒸気に対して本質的に
透過性であることである。高温/高圧用のフレキシブル管内で用いる場合、溶解ガスがエ
ラストマー構造内のマイクロボイドを透過することで、急速な減圧事象中に管がより破裂
しやすくなる。すなわち、管の外部の圧力が低下するとマイクロボイド内で気泡が形成さ
れるようになる。このタイプの管故障は、「爆発的減圧」として知られており、管のシー
ル及び/又はライニングの壊損を招く。
【0009】
「爆発的減圧」の例を最小限に抑えるために、高温/高圧用のフレキシブル管は、通常
は熱可塑性内側ライナーを用いて液体/ガス透過の可能性を減らし、熱可塑性ライナーの
径方向内側に位置する内側ストリップ巻回鋼カーカスを用いて膨れの可能性を減らす。こ
のような予防装置は、概して管の長さに沿って効果的だが、管とその継手との間のシール
接続(すなわち、管同士又は管と端金具との間の接続)は、シール応力の対象のままとな
る領域である。このような応力は、機械的に加えられた圧縮及び/又はシールされている
流体の静水圧から生じる圧縮から生じる。
【0010】
機能特性に関しては、エラストマーは、軟質であり、実質的に弾性であり、実質的に非
圧縮性である。このような特性が、エラストマーを管及びその継手の境界面における主要
なシールとしての使用に適したものにする。エラストマーの本質的な非圧縮性は、エラス
トマー材料が高度に拘束されている場合に、高応力に抵抗することができ、高圧力に適応
することができることを意味する。したがって、エラストマーシールは、高温/高圧用に
自動的に選択される。とはいえ、非特許文献1の表1及び表2に要約されているように、
いくつかのエラストマー不良又は劣化モードが十分に立証されている。表1において、「
急速なガス減圧又は爆発的減圧(ED)」の不良モードが以下のように記載されている。
「高圧条件下でエラストマーに溶解したガスは、外圧が低下すると溶液から出て材料に気
泡を形成する。気泡は、材料(例えば、シール)又は境界面(例えば、ホースのライナー
と隣接層との間)の破損を引き起こすのに十分なほど成長し得る。」
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】英国特許第2329439号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】保健安全局報告書320号(2005年)「海上石油及びガス生産における流体閉じ込め用のエラストマー:指針及び概説」(Health & Safety Executive Report No. 320 (2005) titled: 'Elastomers for fluid containment in offshore oil and gas production: Guidelines and review')(ISBN0717629694)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
1つのみを上述したが、既知のエラストマー不良又は劣化モードを考慮して、本発明者
は、全体的な管構造及び製造法を単純化しつつ現在のシール性に比べてはっきりとした改
善をもたらす代替的なフレキシブル管構成の要件があると結論付けた。特に、フレキシブ
ル管又はフレキシブルホース及び任意の関連する継手が長期にわたって悪条件に耐える能
力に関して、さらなる改善が非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1態様によれば、
合成ポリマーフレキシブル管であって、
(i)フレキシブル管の端を包囲する外装層と、
(ii)管の端に配置され外装層を包囲する管継手と、
(iii)管継手の凹部によって画定されるシール領域と、
(iv)シール領域に配置されたシール材料と
を備え、上記管端はシール領域まで延びてシール材料に結合される、合成ポリマーフレキ
シブル管において、シール材料は非エラストマー性であり、シール材料及びフレキシブル
管の両方は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を含む群から選択される同類の合成ポリマー
を含むことを特徴とする、合成ポリマーフレキシブル管が提供される。
【0015】
任意に、フレキシブル管及びシール材料は、それぞれが半結晶性熱可塑性材料を含む。
【0016】
一実施形態では、シール材料は、注入可能な流動性又は溶融合成ポリマーとして設けら
れる。
【0017】
代替的な実施形態では、シール材料は、固形溶融性シールとして設けられる。
【0018】
任意に、固形溶融性シールは、繊維、粗粒子、チップ又は微粉を含む群の1つ又は複数
から選択される金属粒子を含む。
【0019】
任意に、種々のサイズの金属粒子が固形溶融性シールに分布する。
【0020】
任意に、フレキシブル管の内側ライナー層のみが、シール領域まで延びる半結晶性熱可
塑性材料を含む。
【0021】
任意に、補強材料が内側ライナー層内に設けられるが、その半結晶性熱可塑性材料には
結合されない。
【0022】
代替的に、補強材料が内側ライナー層内に設けられ、接着接合層によって内側ライナー
層の半結晶性熱可塑性材料に完全に結合される。
【0023】
任意に、補強材料は、螺旋巻回スチールコード及び/又はスチールワイヤーを含む。
【0024】
任意に、2つ以上の別個の螺旋巻回スチールコード及び/又はスチールワイヤーが相互
連結配置される。
【0025】
任意に、補強材料は、フレキシブル管の長手軸に対して25°〜85°の角度で内側ラ
イナー層内に巻回配置される。
【0026】
任意に、補強材料は、ガラス繊維、炭素繊維、UHmwPE(超高分子量ポリエチレン
)繊維及びアラミド繊維を含むリストから選択される1つ又は複数の繊維ストランド及び
/又はロービングを含む。
【0027】
任意に、電気発熱体が内側ライナー層内に設けられる。
【0028】
任意に、電気発熱体は、導電線、導電ケーブル、導電布又は導電性複合材を含むリスト
から選択される1つ又は複数の材料を含む。
【0029】
任意に、内側ライナー層の半結晶性熱可塑性材料は、ポリマー間結合によってシール材
料の半結晶性熱可塑性材料に直接結合される。
【0030】
任意に、シール材料の半結晶性熱可塑性材料は、ポリマー・金属間結合によって管継手
に直接結合される。
【0031】
代替的に、シール材料の半結晶性熱可塑性材料は、中間接着接合層を介して内側ライナ
ー層及び/又は管継手に間接的に結合される。
【0032】
任意に、接着接合層も、半結晶性熱可塑性材料を含む。
【0033】
任意に、内側ライナー層及び/又はシール材料の半結晶性熱可塑性材料は、ポリフッ化
ビニリデン(PVDF)材料である。
【0034】
代替的に、内側ライナー層及び/又はシール材料の半結晶性熱可塑性材料は、架橋ポリ
エチレン(PEX)材料である。
【0035】
代替的に、内側ライナー層及び/又はシール材料の半結晶性熱可塑性材料は、パーフル
オロアルコキシ(PFA)材料である。
【0036】
任意に、管継手は、金属又は合金から形成される。
【0037】
任意に、円筒形スリーブ部材が、フレキシブル管の端で内側ライナーの下に配置され、
シール領域に近接した管継手と協働してシール領域まで延びる内側ライナー層の一部を支
持する。
【0038】
任意に、円筒形スリーブ部材の外面が、管の中心長手軸に対して鋭角で傾斜している。
【0039】
任意に、内側ライナー層が、圧着又は加締め接続によって管継手に連結される。
【0040】
本発明の第2態様によれば、合成ポリマーフレキシブル管を製造する方法であって、
(i)シール領域を画定する凹部を備えた管継手を用意するステップと、
(ii)フレキシブル管及び管を包囲する外装層を用意するステップと、
(iii)シール領域に導入するシール材料を用意するステップと、
(iv)管継手をホースの端に嵌めるステップと、
(v)上記管端とシール材料との間及び管継手とシール材料との間それぞれのシール領
域内で永久的なポリマー間及びポリマー・金属間化学結合を形成するステップと
を含み、シール材料は、非エラストマー性であり、シール材料及びフレキシブル管の少な
くとも一部の両方が、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を含む群から選択される同類の合成
ポリマーからなる方法が提供される。
【0041】
任意に、本方法は、フレキシブル管内に補強手段を設けるさらなるステップを含む。
【0042】
任意に、管継手を上記管端に嵌めるステップの前又は後に、支持部材を管端の内面の下
に導入する。
【0043】
一実施形態では、支持部材は、管端の直径を拡大するために管継手を嵌める前に導入さ
れ、管継手を嵌めると拡大部がシール領域に近接して支持される。
【0044】
任意に、シール領域内に永久的な化学結合を形成するステップは、シール領域を管継手
の外部につなげる通路を通した注入によってシール材料をシール領域に導入することを含
む。
【0045】
代替的な実施形態では、シール領域内に永久的な化学結合を形成するステップは、管継
手を管端に嵌める前に、管端に近接して固形溶融性シールを管に取り付けることによって
シール材料をシール領域に導入することを含む。
【0046】
任意に、管継手を管端に嵌めるステップの次に、上記管端の内面の下に支持部材を導入
するステップが続き、支持部材は、シール領域内で固形溶融性シールを溶融させる加熱器
を組み込む。
【0047】
任意に、支持部材を導入するステップは、永久的な化学結合を形成したまま上記管端の
内面に対して一時的に膨張させられる膨張式支持部材を用いることを含む。
【0048】
代替的に、支持部材を導入するステップの次に、支持部材を上記管端の内面に対して永
久的に加締めることが続く。
【0049】
任意に、シール領域内で固形溶融性シールを溶融させるステップは、負圧を与えて実質
的に全ての空気をシール領域から除去するステップを伴う。
【0050】
任意に、フレキシブル管を用意するステップ及びシール材料を用意するステップはそれ
ぞれ、半結晶性熱可塑性材料を含む管及びシール材料を用意することを含む。
【0051】
任意に、永久的な化学結合を形成するステップは、シール材料を冷却することを含む。
【0052】
本発明の第3態様によれば、
エラストマーフレキシブルホースであって、
(i)半結晶質熱可塑性内側ライナー層と、
(ii)フレキシブルホースの端で内側ライナー層を包囲する外装層と、
(iii)ホースの端に配置され外装層を包囲するホース継手と、
(iv)ホース継手の凹部によって画定されるシール領域と、
(v)シール領域に配置された半結晶性熱可塑性シール材料又は架橋エラストマーシー
ル材料と
を備え、上記ホース端における内側ライナー層の一部はシール領域まで延びてシール材料
に結合される、エラストマーフレキシブルホースにおいて、補強材料が内側ライナー層内
に設けられることを特徴とするエラストマーフレキシブルホースが提供される。
【0053】
任意に、補強材料は、半結晶性熱可塑性材料に結合されない。
【0054】
任意に、補強材料は、螺旋巻回スチールコード及び/又はスチールワイヤーを含む。
【0055】
任意に、2つ以上の別個の螺旋巻回スチールコード及び/又はスチールワイヤーが相互
連結配置される。
【0056】
任意に、補強材料は、フレキシブルホースの長手軸に対して25°〜85°の角度で内
側ライナー層内に巻回配置される。
【0057】
任意に、補強材料は、ガラス繊維、炭素繊維、UHmwPE(超高分子量ポリエチレン
)繊維及びアラミド繊維を含むリストから選択される1つ又は複数の繊維ストランド及び
/又はロービングを含む。
【0058】
任意に、電気発熱体が内側ライナー層内に設けられる。
【0059】
任意に、円筒形スリーブ部材が、フレキシブルホースの端で内側ライナーの下に配置さ
れ、シール領域に近接したホース継手と協働してシール領域まで延びる内側ライナー層の
一部を支持する。
【0060】
一実施形態では、シール材料は、注入可能な流動性又は溶融合成ポリマーとして設けら
れる。
【0061】
代替的な実施形態では、シール材料は、固形溶融性シールとして設けられる。
【0062】
任意に、固形溶融性シールは、繊維、粗粒子、チップ又は微粉を含む群の1つ又は複数
から選択される金属粒子を含む。
【0063】
任意に、種々のサイズの金属粒子が固形溶融性シールに分布する。
【0064】
任意に、内側ライナー層は、圧着又は加締め接続によってホース継手に連結される。
【0065】
任意に、フレキシブルホースの全ての隣接層が、永久接続で部分的又は完全に結合され
る。
【0066】
任意に、外側被覆層が外装層を包囲し、半結晶性熱可塑性材料を含む。
【0067】
任意に、補強材料が外側被覆層内に設けられる。
【0068】
任意に、補強材料は、スチールコード、スチールストランド、繊維ストランド及び繊維
ロービングを含むリストから選択される1つ又は複数の材料を含む。
【0069】
任意に、繊維ストランド又は繊維ロービングは、ガラス繊維、炭素繊維、UHmwPE
(超高分子量ポリエチレン)繊維及びアラミド繊維を含むリストから選択される1つ又は
複数の繊維を含む。
【0070】
任意に、外側被覆内の補強材料は、一方向、二方向又は多方向に整列させられる。
【0071】
任意に、外側被覆層内の補強材料は、布又はプライテープ内に設けられる。
【0072】
任意に、ステンレス鋼相互連結被覆層がフレキシブルホースの外部を包囲する。
【0073】
本発明の第4態様によれば、エラストマーフレキシブルホースを製造する方法であって

(i)シール領域を画定する凹部を備えたホース継手を用意するステップと、
(ii)半結晶性熱可塑性内側ライナー層及びフレキシブルホースの端で内側ライナー
層を包囲する外装層を備えたホースを用意するステップと、
(iii)シール領域に導入するための半結晶性熱可塑性シール材料又は架橋エラスト
マーシール材料を用意するステップと、
(iv)内側ライナー層内に補強材料を設けるステップと、
(v)管継手をホースの端に嵌めるステップと、
(vi)ホース端とシール材料との間及びホース継手とシール材料との間それぞれのシ
ール領域内で永久的な化学結合を形成するステップと
を含む方法が提供される。
【0074】
任意に、シール領域内で永久的な化学結合を形成するステップは、ホース継手をホース
端に嵌める前に、ホースに近接して固形溶融性シールを取り付けることによってシール材
料をシール領域に導入することを含む。
【0075】
任意に、ホース継手をホース端に嵌めるステップの次に、上記ホース端の内面の下に支
持部材を導入するステップが続き、支持部材は、シール領域内で固形溶融性シールを溶融
させる加熱器を組み込む。
【0076】
任意に、支持部材を導入するステップは、永久的な化学結合を形成したまま上記ホース
端の内面に対して一時的に膨張させられる膨張式支持部材を用いることを含む。
【0077】
代替的に、支持部材を導入するステップの次に、支持部材を上記ホース端の内面に対し
て永久的に加締めることが続く。
【0078】
任意に、シール領域内で固形溶融性シールを溶融させるステップは、負圧を与えて実質
的に全ての空気をシール領域から除去するステップを伴う。
【0079】
用語「が先行する」、「が続く」、「前」、「後」は、文脈で要求のない限りは直「前
」等を意味することが必ずしも意図されない。
【0080】
次に、本添付図面を参照して、発明の実施形態をごく一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】フレキシブル管又はフレキシブルホースの端に外嵌された管継手又はホース継手を示す概略断面図である。
図2a図1のシール領域をより詳細に示す概略断面図である。
図2b】非エラストマー性シール材料を充填した図2aのシール領域を示す概略断面図である。
図3a】より機械的な把持を可能にする代替的なシール領域を示す概略断面図である。
図3b】非エラストマー性シール材料を充填した図3aの代替的なシール領域を示す概略断面図である。
図4a】内側ライナー内の補強のレイ角度を示す概略断面図である。
図4b】内側ライナー内の代替的なレイ角度及び加熱手段を示す概略断面図である。
図5】代替的な外側補強構造を有するフレキシブル管又はフレキシブルホースの端に外嵌されたホース継手を示す概略断面図である。
図6】管/ホース継手の嵌着に備えて構成層が管/ホース端に向かって徐々に剥き返されている(stripped back)管又はホースのビルドアップを示す概略断面図である。
図7】溶融性シールリングが自由端に取り付けられた図6の管又はホースのビルドアップを示す概略断面図である。
図8a図7の溶融性シールリングの端に外嵌された管継手又はホース継手を示す概略断面図である。
図8b】代替的なL字形の溶融性シールリングの端に外嵌された管継手又はホース継手を示す概略断面図である。
図9】誘導加熱器を組み込んだ支持部材を示す図8aに対応する概略断面図である。
図10図9に示す支持部材の取り外し後のシール領域における化学結合の形成を示す図8aに対応する概略断面図である。
図11a図8aのシール領域をより詳細に示す概略断面図である。
図11b図10のシール領域をより詳細に示す概略断面図である。
図12a】誘導加熱器の起動前の図8bのシール領域をより詳細に示す概略断面図である。
図12b】誘導加熱器の起動後の図8bのシール領域をより詳細に示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図1は、環状のホース継手13によって包囲されたフレキシブルホースの端の概略断面
図を示す。フレキシブルホースの最内層は、補強材料2が埋め込まれた半結晶性ポリマー
内側ライナー1である。いくつかの実施形態(図示せず)では、フレキシブルステンレス
鋼の相互連結体又はカーカスが、内側ライナー1内に(すなわち下に)径方向に配置され
、内側ライナー1に化学結合又は圧着されて最内層を形成し得る。
【0083】
内側ライナー1は、任意の適当なタイプの半結晶性熱硬化性樹脂、例えばポリオレフィ
ン由来のポリマーから形成され得る。可能な選択肢として、必ずしも限定はされないが、
ポリプロピレン;完全又は部分架橋ポリエチレン;ポリアミド−ポリアミド等のポリアミ
ド;ポリイミド(PI)(PA6、PA11、又はPA12);ポリウレタン(PU);
ポリウレア;ポリエステル;ポリアセタール;ポリエーテルスルフォン(PES)等のポ
リエーテル;ポリオキサイド;ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のポリサルファ
イド;ポリアリールスルホン(PAS)等のポリスルホン;ポリアクリレート;ポリエチ
レンテレフタレート(PET);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリビニル
;ポリアクリロニトリル;ポリエーテルケトンケトン(PEKK)が挙げられる。さらに
他の選択肢として、フルオラスポリマー等の上記のもののコポリマー;例えばトリフルオ
ロエチレン(VF3)又はテトラフルオロエチレンのホモポリマー又はコポリマー;VF
2、VF3、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプ
ロペン、又はヘキサフルオロエチレンから選択される2つ以上の異なるメンバーを含むコ
ポリマー又はターポリマー;上記ポリマー及び複合材料の1つ又は複数を含むポリマーブ
レンド、例えばガラス繊維及び/又は炭素繊維及び/又はアラミド繊維等の強化繊維と配
合された上記ポリマーが挙げられる。所与の用途のための半結晶性熱可塑性樹脂の選択は
、フレキシブル管の特定の予想使用条件及びおそらく製造し易さ及び費用等の他の考慮事
項に応じて変わる。
【0084】
内側ライナー1は、固結布層8によって包囲される。布層8は、ゴムを含み得るもので
あり、フレキシブルホースの端に向かって厚みが増す鋼スリーブ7によって包囲される。
鋼スリーブ7は、1つ又は複数の外装層9によって包囲され、外装層9は、例えば、ゴム
緩衝層10内に埋め込まれたスチールコード、スチールワイヤー、又はガラス/炭素/ア
ラミド繊維ストランド若しくはロービングの1つ又は複数の螺旋巻回層からなる。外装層
9及び緩衝層10は、1層又は複数層で内側ライナー1に巻回されたテープの形態で設け
ることができる。異なる層数を異なる巻き角度で巻き付けてもよい。
【0085】
内側ライナー1内の補強材料2がある場合、これは、フレキシブルホースの長手軸10
0に対して25°〜85°の巻き角度で螺旋巻回スチールコード、スチールワイヤー、又
は繊維ストランド若しくはロービングの形態をとり得る(図4a参照)。好ましくは、巻
き角度は、54°〜55°の中立角度にできる限り近いものとする。巻き角度は、特定の
要件に応じて調整することができる。しかしながら、巻き角度は、制御された曲げ挙動を
確保するために普通は25°以上又は85°以下とする。例外的に、用途によって内側ラ
イナー1を圧潰可能にする必要がある場合、巻き角度は25°未満であり得る(図4b参
照)。この特定の場合、埋め込まれた補強層は、内側ライナー1の補剛材として働き、内
側ライナーの熱可塑性材料の伸び閾値未満の値に伸びを制限する。一実施形態では、同じ
補強材料2の1つ又は複数の追加層を、適合する熱可塑性材料が各追加補強層を完全に埋
め込むようにオーバー押出されるようにして、異なる角度で巻き付けることができる。
【0086】
スチールコード及び/又はスチールワイヤーは、隣接する巻線が相互連結するように巻
き付けられ得る。補強材料2は、ガラス繊維、炭素繊維、UHmwPE(超高分子量ポリ
エチレン)繊維(Dyneema)及びアラミド繊維を含むリストから選択される繊維ス
トランド及び/又はロービングも含み得る。このリストが非限定的であることを理解され
たい。補強材料は、上記材料の1つ又は複数から構成された織物組織又は布であり得る。
補強材料2は、上記材料の1つ又は複数を含有するテープの形態で設けることができる。
補強材料2には、内側ライナー1を作るのと同じ半結晶性熱可塑性材料をオーバー押出す
ることができる。補強材料2は、例えば曲げた際に荷重が加わることによって生じる剪断
変形に対応できることが好ましい。したがって、補強材料2は、場合によっては、これを
埋め込む内側ライナー1の熱可塑性材料に結合されない。
【0087】
例えば電熱トレース層を補強材料2の上及び/又は下及び/又は間に加えることによっ
て、熱源を内側ライナー1に組み込むことができる(図4bにも示す)。発生した熱が内
側ライナー1の熱可塑性材料の融点をはるかに下回って維持されることが必須である。熱
トレース素子は、別個の導電線を備えていてもよく、又は補強材料2自体のスチールケー
ブル又は鋼系織物又は複合材料を利用してもよい。
【0088】
環状のホース継手13の内径は、図1で見ると左から右へ概ね段階的に増加する。凹部
3が、ホース継手13の最小内径付近でその本体の一端に設けられる。用語「凹部」は、
ホース継手本体、円筒形スリーブ6、及びフレキシブルホースの最内層1、8で囲まれた
内側の拡径空間を画定するものとして、すなわち、図1及び図5に細かい斜線で示すもの
として、この状況では理解されるものとする。
【0089】
フレキシブルホースの端部は、例えば硬化させ剥き返してその下の層を徐々に露出させ
ることによって、ホース継手を従来通りに受け入れるよう準備される。円筒形の内側スリ
ーブ6は、フレキシブルホースの端部内に配置される。内側スリーブ6によって画定され
る内径は、フレキシブルホースの内側ライナー1によって画定される内径とほぼ等しくな
るよう選択される。内側スリーブ6の外面は、長手軸100に向かってテーパー状になっ
ている。内側スリーブ6がフレキシブルホースの端に挿入されると、そのテーパー部分(
単数又は複数)が内側ライナー1の最内面と係合する。内側スリーブ6をフレキシブルホ
ースに徐々に挿入することで、内側ライナー1が内側スリーブ6のテーパー面(単数又は
複数)の上に押し上げられるので、内側ライナー1の内径が拡大する。
【0090】
ホース継手13の凹部3は、ホース継手をフレキシブルホースの広がった端に外嵌する
と内側スリーブ6によって部分的に閉じられる。フレキシブルホースの端を覆って位置決
めされたら、ホース継手は、場合によっては外側からフレキシブルホースに圧着すること
ができる。エポキシ樹脂11が、エンドキャップ12を介して、ホース継手本体13の内
面とフレキシブルホースの剥き返し層との間の領域に導入される。
【0091】
したがって、ホース継手が所定位置に来ると、内側スリーブ6は、周囲の布層8及び鋼
スリーブ7の端と共にホース継手本体13の凹部3内で内側ライナー1の広がった端部を
支持する。3つの層は全て、凹部3とフレキシブルホース及び継手本体13の円筒形の内
容積との間の経路を閉鎖するように、内側スリーブ6の外面とホース継手本体13の対向
面との間で、例えば内側からの圧着又は加締めによって圧縮される。
【0092】
凹部3の内容積、以下「シール領域」は、継手本体13の内壁と、好適な実施形態では
内側スリーブ6の径方向外面とによって囲まれる。継手本体13の内壁の一表面部分は、
フレキシブルホースの長手軸100に対して鋭角で傾斜している。鋭角は約45°であり
得る。フレキシブルホースの端部、すなわちその内側ライナー1及び布層8は、図2aに
より詳細に示すようにシール領域3まで延びる。
【0093】
図3a及び図3bは、継手本体13の内壁及び内側スリーブ6の径方向外面にセレーシ
ョン(serrated:鋸歯状)表面プロファイル16を設けた代替的なシール領域3を示す。
セレーション16は、シール領域3の表面とシール材料15との間の機械的接続を強化す
る。図3bに示すように、セレーション16の存在は、接合層14をシール領域3内の非
セレーション面に施すだけでよいことを意味する。シール領域3内の継手本体13の内壁
の一表面部分は、フレキシブルホースの長手軸100に対して鈍角で傾斜している。鈍角
は約135°であり得る。これは、シール材料15と継手本体13との間のシール結合の
表面積を増やし、ひいてはさらに結合を強化する役割を果たす。
【0094】
ホース継手本体13の外面に、取り外し可能なエンドキャップ5を介してシール領域3
へのアクセスを提供するための通路が設けられる。一実施形態では、内蔵のニップルコネ
クター4を用いて、通路を通して非エラストマー性シール材料をシール領域3に導入する
ことができる。図2bに示すように、シール材料15は、シール領域3を完全に満たし、
内側ライナー1の端部とシール材料15との間及びホース継手本体13の表面とシール材
料15との間それぞれで永久的なポリマー間及びポリマー・金属間化学結合を形成するよ
う硬化され得る。図2a及び図3aに最もよく示すように、エラストマーシール面22を
担持した鋼又は合成ポリマーリング25が、ホース継手本体13の内面とフレキシブルホ
ースの内側層1との間に設けられる。これは、(ii)エンドキャップ12を介して導入
されたエポキシ樹脂がシール領域に入るのを防止し、且つ(ii)ポリマーリング25と
内側スリーブ6との間の層に(すなわち、内側ライナー1及び補強材料2がある場合はこ
れらを介して)圧縮力を与えるという二重機能を果たす。
【0095】
シール材料15のタイプによっては、シール領域3内の各面間の完全な結合には、シー
ル材料15の導入前に各面を接合層14で覆う必要がある。接合層は、従来の静電塗装技
法を用いて施すことができる。接合層を施すことで、シール領域3内の接続に熱絶縁及び
機械的強度も加えることができる。
【0096】
一実施形態では、シール材料15は、インジェクショングレードのポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)、パーフルオロアルコキシ(PFA)又は架橋ポリエチレン(PEX)等
の非エラストマー性の半結晶性熱可塑性材料を含む。一実施形態では、シール材料15、
内側ライナー1及び接合層14のそれぞれが、非エラストマー性の半結晶性熱可塑性材料
を含む。理想的には、内側ライナー1、接合層14及びシール材料15は、シール領域1
5内のホース継手本体13と内側ライナー1との間の最良の化学結合をもたらす単一の均
質なポリマー構造を作り出すために同じ非エラストマー性の半結晶性熱可塑性材料から形
成される。
【0097】
例えば上述のPVDF、PFA又はPEX材料に基づく均質なポリマー構造は、約5b
ar〜10barの圧力差で実質的に不透液性となる。結果として、内側ライナー1内に
埋め込まれた補強材料2は、腐食から保護される。選択されたポリマー構造が、液体透過
性のより高い熱可塑性材料から形成される場合、繊維系補強材料2(上述)を鋼の代わり
に利用してもよい。繊維系材料が望ましくない場合、腐食に対する保護手段として亜鉛め
っき鋼線又は亜鉛めっき鋼ケーブルを用いることができる。
【0098】
フレキシブルホースの全ての隣接層が、当該技術分野において既知の方法で相互に永久
的に化学結合される。しかしながら、好適な実施形態では、用いる結合プロセスがフレキ
シブルホースの内側ライナー1内の補強材料2の非結合特性に影響しないことが重要であ
る。例えば、熱可塑性材料、例えばPEXは、補強材料2の添加時に架橋し得る。
【0099】
内側ライナー1の熱可塑性材料は、周囲のゴム被覆外装層9、10に永久且的かつ完全
に化学結合される。結果として、曲げ及び複合荷重が加わった際の内側ライナー1の熱可
塑性材料の剪断変形を最小化することができる。上述のPVDF、PFA又はPEX材料
は、高圧用途で十分な結合特性及び機械特性を有する。部分フッ素化又は全フッ素化熱可
塑性樹脂のようなより不活性且つ耐熱性の材料が用いられる場合、十分な結合を得るため
に付加的な生産ステップが必要であり得る。十分な結合という用語は、エラストマーゴム
の機械的強度限界又は熱可塑性樹脂層の機械的強度限界を超えた後で結合が切断されるこ
とを意味すると理解されたい。十分に結合された管に対する変形及び複合荷重は、内側ラ
イナー1及び周囲のゴム被覆外装層9、10の両方によって吸収されるので、これは、既
知の故障メカニズムを回避し且つフレキシブルホースの著しい性能向上をもたらすのに役
立つ。
【0100】
ゴム被覆外装層9、10を包囲するフレキシブルホースの外層は、耐摩耗層17及び外
側カバー18を備える。これらの層は、テープの形態で施すことができ、すでに上述した
タイプの1つ又は複数から選択される一方向、二方向又は多方向の補強材料を含み得る。
外層には、最終熱可塑性樹脂層をオーバー押出することができる。例えば、UHmwPE
(超高分子量ポリエチレン)テープの形態の耐衝撃層19を施して、追加の耐衝撃特性及
び耐摩耗特性を与えることができる。代替的な構成(図8bに示す)は、耐衝撃層として
のテープに加えて又はその代わりに、繊維強化又はハイブリッド鋼/繊維布層26を用い
ることができる。外層は、取着されたホース継手の継手本体13の上に延びる。
【0101】
フレキシブルホースの外層の代替的な構成を図5に示し、これは、ステンレス鋼相互連
結体21を中間ゴム緩衝層20の上で用いるものである。この構成は、図1に示す代替的
な構成よりも掘削船又はプラットフォームのムーンプール領域内で損傷を受けやすい可能
性がある。
【0102】
次に、ホースと金属継手部材との間のシール接続を行う代替的な方法を図6図12
を参照して説明する。図6は、図1及び図5に示すものと実質的に同様のホースの構成層
を示す概略断面図である。構成層は、後述するようにホース継手を嵌めるのに備えて、ホ
ースの自由端(すなわち、図6の左側にある)に向かって徐々に剥き返されている。
【0103】
フレキシブルホースの最内層は、補強材料2’を埋め込んだ半結晶性ポリマー内側ライ
ナー1’である。内側ライナー1’は、ホースの自由端で露出しており、その遠位端には
、ホース継手13’に形成された環状シートと相補的な形状の傾斜面取り部が形成される
図11a〜図12bの凹部の左側を参照)。内側ライナー1’は、任意の適当なタイプ
の半結晶性熱可塑性樹脂、例えば、図1の実施形態に関してすでに上述したポリオレフィ
ン由来のポリマーから形成することができる。内側ライナー1’を包囲する種々の層も、
図1の実施形態に関して上述されており、ここでは繰り返す必要がない。しかしながら、
図6図12bに示すように、布層8(図1図5の実施形態で示す)の構造機能を担う
よう内側補強材料2’を設計できるので、布層8を除去することが可能である。
【0104】
図7は、ホースの自由端で内側ライナー1’の露出部分に摺動可能に取り付けられた溶
融性シールリング23を示す。溶融性シールリング23は、半結晶性熱可塑性材料(好ま
しくは内側ライナーと同じタイプ)と、繊維、粗粒子、チップ又は微粉を含む群の1つ又
は複数から選択される金属粒子とのハイブリッドである。粒子を異なるサイズの混合物と
して提供して、固形溶融性シール全体での均一な分布を確保することができる。
【0105】
図8aは、ホースの自由端に被せて押し嵌められて中心長手軸100’と適切に位置合
わせされた環状のホース継手13’を示す。ホース継手13’は、フレキシブルホースの
剥き返し層に結合することができる。これは、最初にホース継手13’を(例えば、誘導
コイルによって)加熱し、エンドキャップ12’を通してエポキシ樹脂を導入することに
よって、既知の方法で行われる。エポキシ樹脂がシール領域に入るのを防止するために、
エラストマーシール面22’を担持した金属又はポリマーリング25’が、鋼スリーブ7
’に隣接して内側ライナー1’の上に取り付けられる。凹部3’が、ホース継手13’の
本体の最小内径の最も近くでその一端に設けられ、シール領域を画定する。
【0106】
用語「凹部」は、ホース継手本体及びフレキシブルホースの内側ライナー1’で囲まれ
た、すなわち固形溶融性シールリング23が着座する容積を含む内側の拡径空間を画定す
るものとしてこの状況では理解されるものとする。エンドキャップ5’によって閉じられ
る径方向通路は、図11aにより明確に示すように最初は空である。ニップルコネクター
4’がこの通路内に設けられることで、真空ホースの接続を可能にする。凹部には、固形
溶融性シールリング23の端部を受け入れることができる環状シートが設けられ得る(図
8a〜図12bで凹部23’の左側を参照)。これにより、環状のホース継手13’と後
述するような加熱前の溶融性シールリング23との間の確実な機械的ロックが確保される
【0107】
図8bは、図8aと同様だが、ホースの自由端における内側ライナー1’の外面及び遠
位端の両方の上に延びるように溶融性シールリング23’の断面がL字形である代替的な
構成を示す。この構成は、誘導加熱器の起動前及び起動後それぞれで図12a及び図12
bにより詳細に示す。
【0108】
図9は、加熱式誘導コイルを組み込んだ密封シリコーンゴムホースの形態の支持部材を
内側ライナー1’の下に導入した、図8aと同じ構成を示す。使用の際、内側ライナー1
’の円筒内壁に対して径方向の支持圧力を加えるように、空気供給ライン29を用いて密
封シリコーンゴムホースを膨張させる。電気接続28を介した加熱式誘導コイルの起動前
及び/又は起動中に、実質的に全ての空気が凹部3’から除去される。加熱式誘導コイル
の起動時にニップルコネクター4’を通して凹部3’内の真空条件を維持することによっ
て、全ての気泡が除去される。図11bにより明確に示すように固形溶融性シールリング
23が溶融し容積を増して凹部3’を所定のレベルまで満たすまで、加熱プロセスは続く
。エンドキャップ5’を通してシール材料のレベルを調べることによって、これを視覚的
に確認することができる。加熱の持続時間及び温度は、ホースの設計及び材料の選択に応
じて変わる。このプロセスの間、膨張したゴムホースは、硬化したシールが正確に位置合
わせされることを確実にする。
【0109】
接合層14’をホース継手13’の内面に施して、シール材料と金属(例えば鋼)ホー
ス継手との間により確実な粘着結合をもたらすことができる。接合層14’の選択は、シ
ール材料で用いられる熱可塑性材料の化学組成に応じて変わる。シール領域内のシール材
料とホース継手13’の表面との間の粘着結合は、高温及び/又は高圧下での内側ライナ
ー1’のクリープの傾向に耐えることができなければならない。
【0110】
図10は、図8bに対応する概略断面図であり、ここでは、図9に示す加熱式誘導コイ
ルを組み込んだ密封シリコーンゴムホースの除去後のシール領域における化学結合の形成
を示す。
【0111】
本発明の種々の実施形態が、フレキシブルホースをホース継手に接続する既存の構成に
比べて多くの利点をもたらすことが理解されるであろう。最も重要なことに、フレキシブ
ルホースの内側ライナーのものと同じ(又は化学的に同様の)非エラストマー性の半結晶
性シール材料をシール領域内に設けることによって、均質なポリマー構造がフレキシブル
ホースからホース継手までずっと延びる、すなわちライナーがシールになり、シールがラ
イナーになる。この構造は、既知の従来技術の製品よりも過酷な生産環境に耐えることが
可能な防湿且つ気密のバリアをもたらす。
【0112】
また、フレキシブルホースの内側ライナー層内に補強材料を埋め込むことによって、ホ
ース継手とのその接続をさらに強化及び向上させることができる。フレキシブルホースの
芯の近くで内側ライナー層に補強材料を組み込むことで、結合後のホースの強度が高まり
、したがって所望の場合は外側の外装層の縮小が可能になる。例えば、外側ゴム補強層数
又はそのサイズを減らすことができる。結果として、より軽量且つ/又は可撓性の高いホ
ースシステムを得ることが可能になる。適切に設計された補強内側層も、内側カーカスの
必要性に取って代わることができるが、それは支持機能が内側ライナー層自体に組み込ま
れているからである。
【0113】
図6図11bの実施形態は、全ての空気ポケットをシール領域から排除するというさ
らなる利点をもたらす。この構成は、図1図3b及び図5に示す内側の円筒形支持スリ
ーブ6を挿入する必要性もなくす。スリーブを広げてそれを覆うシール領域を加締めるプ
ロセスもなくなる。その代わりに、フレキシブルホースの内側ライナー1’がシールの一
部となるので、プロセスステップが大幅に簡略化及び短縮される。
【0114】
本発明の種々の実施形態は、エラストマーシールに関連する以下の問題の1つ又は複数
を克服又は少なくとも改善するシール構成を提供する。第1に、高温がエラストマーの軟
化を引き起こすことで、液体/ガス拡散の速度を上昇させ、したがって化学的劣化を加速
させる。高圧は当然ながら問題をさらに悪化させるが、この温度関連問題は高圧面での考
慮事項とは無関係に生じ得る。
【0115】
添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱せずに、上記に変更及び改良を加
えることができる。例えば、上記溶融性シールに対して考えられる代替案は、ホース継手
を嵌める前にフレキシブルホース及びそのライナーの外面に巻き付けることができるサセ
プターテープである。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11a
図11b
図12a
図12b