(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記(1)式に示すように、波長可変干渉フィルターに対して広い波長帯域の光を入射させると、複数のピーク波長に対応した光が透過されることとなり、特定のピーク波長に対する光のみを抽出したい場合に不都合となるという課題があった。
また、波長可変干渉フィルターでは、各反射膜に対して、垂直に光を入射させる必要がある。特に、波長可変干渉フィルターを用いて分光画像を取得する分光測定装置などでは、各画素に対する波長を、取得したい分光画像の波長に揃える必要があり、光入射角度が垂直とならない場合、所望の波長に光が取り出されず分解能の低下を招くという課題があった。
【0007】
本発明は、所望の波長の光を高分解能で取得可能な分光測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の分光測定装置は、測定対象光が入射されるテレセントリック光学系と、前記テレセントリック光学系を透過した光から所定波長の光を取り出す波長可変干渉フィルターと、透過波長が異なる複数のバンドパスフィルターと、前記複数のバンドパスフィルターの各々の位置を切り替えるフィルター切替手段と、を有する波長切替部と、前記波長可変干渉フィルターおよび前記波長切替部を透過した光を受光する受光部と、を含み、前記波長可変干渉フィルターは、第一基板と、前記第一基板に対向して配置された第二基板と、前記第一基板に設けられた第一反射膜と、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜と、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ量変更部と、を含み、前記波長切替部は、前記測定対象光の測定対象光光路、前記テレセントリック光学系と前記波長可変フィルターとの間、または、前記波長可変フィルターと前記受光部との間に配置され、前記ギャップ量が変更され、変更された値になる毎に、前記複数のバンドパスフィルターのうちの1つが光路に配置され、前記ギャップ量が前記変更された値に対応する、前記波長可変干渉フィルターからの光のうちの第1光を前記受光部が受光する状態と、前記複数のバンドパスフィルターのうちの他の1つが前記光路に配置され、前記ギャップ量が前記変更された値に対応する、前記波長可変干渉フィルターからの光のうちの前記第1光とは波長が異なる第2光を前記受光部が前記受光部が前記受光部が受光する状態とを切り替えることを特徴とする。
上記の本発明に係る分光測定装置は、測定対象光が入射されるテレセントリック光学系と、前記テレセントリック光学系を透過した光から所定波長の光を取り出す波長可変干渉フィルターと、透過波長が異なる複数のバンドパスフィルターと、前記複数のバンドパスフィルターの各々の位置を切り替えるフィルター切替手段と、を有する波長切替部と、前記波長可変干渉フィルターおよび前記波長切替部を透過した光を受光する受光部と、を含み、前記波長可変干渉フィルターは、第一基板と、前記第一基板に対向して配置された第二基板と、前記第一基板に設けられた第一反射膜と、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜と、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ量変更部と、を含み、前記波長切替部は、前記測定対象光の測定対象光光路、前記テレセントリック光学系と前記波長可変フィルターとの間、または、前記波長可変フィルターと前記受光部との間に配置され、前記ギャップ量変更部に印加される電圧が切り替えられるときに、前記複数のバンドパスフィルターのうちの1つが光路に配置される状態と、前記複数のバンドパスフィルターのうちの他の1つが前記光路に配置される状態とを切り替えることを特徴とする。
上記の本発明に係る分光測定装置は、測定対象光が入射されるテレセントリック光学系と、前記テレセントリック光学系を透過した光から所定波長の光を取り出す波長可変干渉フィルターと、透過波長が異なる複数のバンドパスフィルターと、前記複数のバンドパスフィルターの各々の位置を切り替えるフィルター切替手段と、を有する波長切替部と、前記波長可変干渉フィルターおよび前記波長切替部を透過した光を受光する受光部と、を含み、前記波長可変干渉フィルターは、第一基板と、前記第一基板に対向して配置された第二基板と、前記第一基板に設けられた第一反射膜と、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜と、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ量変更部と、を含み、前記波長切替部は、前記測定対象光の測定対象光光路、前記テレセントリック光学系と前記波長可変フィルターとの間、または、前記波長可変フィルターと前記受光部との間に配置され、前記ギャップ量変更部に印加される電圧が切り替えられる度に、前記複数のバンドパスフィルターのうちの1つが光路に配置される状態と、前記複数のバンドパスフィルターのうちの他の1つが前記光路に配置される状態とを切り替えることを特徴とする。
また、上記の本発明に係る分光測定装置は、測定対象光が入射されるテレセントリック光学系と、前記テレセントリック光学系を透過した光から所定波長の光を取り出す波長可変干渉フィルターと、透過波長が異なる複数のバンドパスフィルターと、前記バンドパスフィルターを前記測定対象光の光路内に配置、または、前記光路から取り出すフィルター切替手段と、を有する波長切替部と、前記波長可変干渉フィルターおよび前記波長切替部を透過した光を受光する受光部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明では、入射光学系から入射した測定対象光は、波長切替部及び波長可変干渉フィルターに入射される。ここで、波長可変干渉フィルターからは、上述のように、入射光から複数の次数に対応したピーク波長が取り出される。これに対して、本発明では、取り出された複数のピーク波長の光のうち、波長切替部における光路上に配置されたバンドパスフィルターを透過した光のみが抽出され、その他の波長の光が遮光される構成となる。したがって、入射光が広い波長帯域を有する場合であっても、所望の波長の光のみを抽出できる。
また、波長可変干渉フィルターに入射される測定対象光は、テレセントリック光学系により波長可変干渉フィルターに導かれる。なお、テレセントリック光学系とは、射出瞳が無限遠にある光学系である。このようなテレセントリック光学系から射出された光は、主光線が光軸に対して平行となるため、波長可変干渉フィルターにおける分解能の低下を抑制できる。
【0010】
本発明の分光測定装置では、前記バンドパスフィルターは、可視光域を透過し、その他の波長域の光を遮断する可視光域バンドパスフィルターと、近赤外域を透過し、その他の波長域を遮断する近赤外域ハイパスフィルターとを有することが好ましい。
本発明によれば、近赤外域ハイパスフィルターを使用した場合には、波長可変干渉フィルターの近赤外域に現れるピーク波長の光を透過させ、可視光域や紫外域に現れるピーク波長の光を遮断することができる。また、可視光域バンドパスフィルターを使用した場合には、波長可変干渉フィルターの可視光域に現れるピーク波長の光を透過させ、近赤外域や紫外域に現れる光を遮断することができる。
つまり、波長切替部を制御して、光路内に配置されるバンドパスフィルターを切り替えることで、1つの測定対象光に含まれる近赤外光及び可視光の光量をそれぞれ測定することができる。
【0011】
本発明の分光測定装置では、前記波長可変干渉フィルターは、第一基板と、前記第一基板に対向して配置された第二基板と、前記第一基板に設けられた第一反射膜と、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜と、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ量変更部と、を備えることが好ましい。
【0012】
本発明では、波長可変干渉フィルターは、第一基板及び第二基板にそれぞれ第一反射膜及び第二反射膜を配置し、ギャップ量変更部により反射膜間ギャップのギャップ量を変更可能にした構成となる。このような構成では、波長可変干渉フィルターの厚み寸法を、第一基板及び第二基板の厚み寸法分に抑えることができる。したがって、分光測定装置の構成の簡略化、小型化を図れる。
【0013】
本発明の分光測定装置では、前記テレセントリック光学系は、入射光の主光線を前記第一反射膜の面に対して垂直に導くよう配置されていることが好ましい。
本発明では、テレセントリック光学系により、入射光の主光線が第一反射膜の面に対して垂直に入射させることができる。したがって、反射膜間ギャップのギャップ量に応じた所望の波長の光を精度よく波長可変干渉フィルターから取り出すことができ、正確な分光測定を実施することができる。また、入射光の入射位置(画素位置)によらず、第一反射膜に対して垂直に入射光を入射させることができるため、画素位置によらず波長が一定となる分光画像を取得することができる。
【0014】
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記テレセントリック光学系は、入射光の主光線を前記第二反射膜の面に対して垂直に導くよう配置されていることが好ましい。
本発明では、テレセントリック光学系により、入射光の主光線が第二反射膜の面に対して垂直に入射させることができる。したがって、本発明においても、反射膜間ギャップのギャップ量に応じた所望の波長の光を精度よく波長可変干渉フィルターから取り出すことができ、正確な分光測定を実施することができる。また、入射光の入射位置(画素位置)によらず、第一反射膜に対して垂直に入射光を入射させることができるため、画素位置によらず波長が一定となる分光画像を取得することができる。
【0015】
本発明の分光測定装置では、前記フィルター切替手段は、前記バンドパスフィルターを光路内外に移動する移動部と、前記移動部を制御する切替回路部とを有することが好ましい。
本発明では、切替回路部により移動部を制御することで、容易にバンドパスフィルターを光路内外に移動させることができる。したがって、構成の簡略化、バンドパスフィルターの駆動制御の簡略化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る一実施形態の分光カメラ1の概略構成を示す図である。
分光カメラ1は、本発明の分光測定装置に相当し、対象物Xで反射された測定対象光(画像光)から各波長に対する分光画像を取得する装置である。
この分光カメラ1は、
図1に示すように、テレセントリック光学系11(入射光学系)と、波長切替部12と、波長可変干渉フィルター5と、撮像部13(検出部)と、I−V変換器14と、アンプ15と、A/D変換器16と、電圧制御回路17と、フィルター切替回路18と、制御回路部20と、を備えている。
【0018】
撮像部13は、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光し、受光した光の光強度(光量)に応じた検出信号(電流)を出力する。
I−V変換器14は、撮像部13から入力された検出信号を電圧値に変換し、アンプ15に出力する。
アンプ15は、I−V変換器14から入力された検出信号に応じた電圧(検出電圧)を増幅する。
A/D変換器16は、アンプ15から入力された検出電圧(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、制御回路部20に出力する。
電圧制御回路17は、制御回路部20の制御に基づいて、波長可変干渉フィルター5の後述する静電アクチュエーター56に対して電圧を印加する。
【0019】
[テレセントリック光学系の構成]
図2は、テレセントリック光学系11により導かれた光の光路の例を示す図である。なお、
図2では、波長切替部12を省略するが、実際には、テレセントリック光学系11と波長可変干渉フィルター5との間には、可視光域バンドパスフィルター121もしくは、近赤外域ハイパスフィルター122が配置されている。
【0020】
テレセントリック光学系11は、
図2に示すように、複数のレンズ等の光学部品により構成されている。
テレセントリック光学系11は、分光カメラ1により撮像可能な範囲(画角)から入射された光を、複数のレンズを通して波長可変干渉フィルター5に導光する。この時、テレセントリック光学系11は、主光線が光軸に対して平行となり、かつ、後述する波長可変干渉フィルター5の固定反射膜54及び可動反射膜55に対して直交するように、入射光を撮像部13に導く。
【0021】
なお、ここで述べる直交とは、波長可変干渉フィルター5を透過した透過光のピーク波長にずれが生じない程度の角度であればよい。波長可変干渉フィルター5から透過された透過光のピーク波長は、入射角度の変動量が大きくなるに従って、大きく変化する。また、波長が大きくなるに従って、ピーク波長の変動量も増大する。したがって、テレセントリック光学系11のレンズ設計においては、波長可変干渉フィルター5により透過させたい波長域に対して、どの程度のピーク波長の変動量を許容できるかにより、適宜設定されればよい。
例えば、1100nmの光を波長可変干渉フィルター5に入射させる場合、入射角度が2.7度ずれることで、ピーク波長が1nm変動してしまう。したがって、1100nm以下の波長域に対して波長可変干渉フィルター5により分光させる際、主光線の入射角度によるピーク波長の変動量を1nm以下に抑えたい場合では、テレセントリック光学系11により導かれる光束の主光線の傾きを2.7度以内に抑える必要がある。
【0022】
[波長切替部と撮像部の構成]
波長切替部12は、可視光域バンドパスフィルター121と、近赤外域ハイパスフィルター122と、フィルター切替回路18と、フィルター移動部(図示略)と、を備える。
可視光域バンドパスフィルター121と、近赤外域ハイパスフィルター122には、図示しない光路内外に進退移動させるためのモーターが設けられていて、後述する制御回路部20からの信号によるフィルター切替回路18の制御により、モーターが駆動されて、光路内に配置されるフィルターは切り替えられる。
【0023】
図5は、可視光域バンドパスフィルター121の透過特性を示す図であり、
図6は、近赤外域ハイパスフィルター122の透過特性を示す図である。
可視光域バンドパスフィルター121は、
図5に示すように、可視光域の光を透過させ、その他の波長域の光を遮断する。本実施形態では、可視光域バンドパスフィルター121は、450nmから650nmの光に対して透過特性を有する。
近赤外域ハイパスフィルター122は、
図6に示すように、近赤外域の光を透過させ、その他の波長域の光を遮断する。本実施形態では、近赤外域ハイパスフィルター122は、760nmから1200nmの光に対して透過特性を有する。
なお、
図5及び
図6に示す可視光域バンドパスフィルター121や近赤外域ハイパスフィルター122の透過特性は、本発明における一例であり、その他の波長域に対して透過特性を有するものであってもよい。例えば、可視光域バンドパスフィルター121として、360nmから700nm程度のより広い波長帯域の光に対して透過特性を有するフィルターを用いてもよい。
【0024】
なお、波長切替部12は、バンドパスフィルターである可視光域バンドパスフィルター121と近赤外域ハイパスフィルター122の切り替え可能な構造であれば、フィルター移動部の構造は問わない。
例えば、波長切替部12として、回転駆動部により中心が回転可能に軸支された回転板を備え、この回転板に可視光域バンドパスフィルター121と近赤外域ハイパスフィルター122が配置される構成としてもよい。つまり、後述する制御回路部20からの信号によって回転駆動部を駆動させることで回転板を回転させ、光路内に配置するフィルターを切り替える構成としてもよい。
【0025】
撮像部13は、波長可変干渉フィルター5から射出された光(画像光)を撮像(検出)し、分光画像を取得する。
【0026】
[波長可変干渉フィルターの構成]
次に波長可変干渉フィルター5について、図面に基づいて説明する。
図3は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。
図4は、
図3のIV-IV線を断面した際の波長可変干渉フィルター5の断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、
図3に示すように、例えば矩形板状の光学部材である。この波長可変干渉フィルター5は、
図4に示すように、固定基板51および可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。そして、これらの固定基板51及び可動基板52は、固定基板51の第一接合部513及び可動基板の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。
【0027】
固定基板51には、本発明の第一反射膜を構成する固定反射膜54が設けられ、可動基板52には、本発明の第二反射膜を構成する可動反射膜55が設けられている。これらの固定反射膜54および可動反射膜55は、反射膜間ギャップG1(本発明のギャップ)を介して対向配置されている。そして、波長可変干渉フィルター5には、この反射膜間ギャップG1のギャップ量を調整(変更)するのに用いられる静電アクチュエーター56が設けられている。この静電アクチュエーター56は、本発明におけるギャップ量変更部に相当する。この静電アクチュエーター56は、固定基板51に設けられた固定電極561と、可動基板52に設けられた可動電極562とにより構成されている。これらの固定電極561,可動電極562は、電極間ギャップG2を介して対向する。ここで、これらの電極561,562は、それぞれ固定基板51及び可動基板52の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。ここで、電極間ギャップG2のギャップ量は、反射膜間ギャップG1のギャップ量より大きい。
また、波長可変干渉フィルター5を固定基板51(可動基板52)の基板厚み方向から見た
図3に示すようなフィルター平面視において、固定基板51及び可動基板52の平面中心点Oは、固定反射膜54及び可動反射膜55の中心点と一致し、かつ後述する可動部521の中心点と一致する。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51または可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。
【0028】
(固定基板の構成)
固定基板51には、エッチングにより電極配置溝511および反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561および可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
また、固定基板51の頂点C1には、切欠部514が形成されており、波長可変干渉フィルター5の固定基板51側に、後述する可動電極パッド564Pが露出する。
【0029】
電極配置溝511は、フィルター平面視で、固定基板51の平面中心点Oを中心とした環状に形成されている。反射膜設置部512は、前記平面視において、電極配置溝511の中心部から可動基板52側に突出して形成されている。この電極配置溝511の溝底面
は、固定電極561が配置される電極設置面511Aとなる。また、反射膜設置部512の突出先端面は、反射膜設置面512Aとなる。
また、固定基板51には、電極配置溝511から、固定基板51の外周縁の頂点C1,頂点C2に向かって延出する電極引出溝511Bが設けられている。
【0030】
電極配置溝511の電極設置面511Aには、固定電極561が設けられている。より具体的には、固定電極561は、電極設置面511Aのうち、後述する可動部521の可動電極562に対向する領域に設けられている。また、固定電極561上に、固定電極561及び可動電極562の間の絶縁性を確保するための絶縁膜が積層される構成としてもよい。
そして、固定基板51には、固定電極561の外周縁から、頂点C2方向に延出する固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563の延出先端部(固定基板51の頂点C2に位置する部分)は、制御回路部20に接続される固定電極パッド563Pを構成する。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、平面中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。
【0031】
反射膜設置部512は、上述したように、電極配置溝511と同軸上で、電極配置溝511よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成され、当該反射膜設置部512の可動基板52に対向する反射膜設置面512Aを備えている。
この反射膜設置部512には、
図4に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO
2、低屈折層をSiO
2とした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiO
2やSiO
2等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
【0032】
また、固定基板51の光入射面(固定反射膜54が設けられない面)には、固定反射膜54に対応する位置に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、固定基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
【0033】
そして、固定基板51の可動基板52に対向する面のうち、エッチングにより、電極配置溝511、反射膜設置部512、及び電極引出溝511Bが形成されない面は、第一接合部513を構成する。この第一接合部513には、第一接合膜531が設けられ、この第一接合膜531が、可動基板52に設けられた第二接合膜532に接合されることで、上述したように、固定基板51及び可動基板52が接合される。
【0034】
(可動基板の構成)
可動基板52は、
図3に示すようなフィルター平面視において、平面中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、保持部522の外側に設けられた基板外周部525と、を備えている。
また、可動基板52には、
図3に示すように、頂点C2に対応して、切欠部524が形成されており、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た際に、固定電極パッド563Pが露出する。
【0035】
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、可動基板52の厚み寸法と同一寸法に形成されている。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも反射膜設置面512Aの外周縁の径寸法よりも大きい
径寸法に形成されている。そして、この可動部521には、可動電極562及び可動反射膜55が設けられている。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
【0036】
可動電極562は、電極間ギャップG2を介して固定電極561に対向し、固定電極561と同一形状となる環状に形成されている。また、可動基板52には、可動電極562の外周縁から可動基板52の頂点C1に向かって延出する可動引出電極564を備えている。この可動引出電極564の延出先端部(可動基板52の頂点C1に位置する部分)は、制御回路部20に接続される可動電極パッド564Pを構成する。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54と反射膜間ギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
なお、本実施形態では、上述したように、電極間ギャップG2のギャップ量が反射膜間ギャップG1のギャップ量よりも大きい例を示すがこれに限定されない。例えば、測定対象光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定対象光の波長域によっては、反射膜間ギャップG1のギャップ量が、電極間ギャップG2のギャップ量よりも大きくなる構成としてもよい。
【0037】
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。この際、可動部521が保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、保持部522が静電引力により固定基板51側に引っ張られた場合でも、可動部521の形状変化が起こらない。したがって、可動部521に設けられた可動反射膜55の撓みも生じず、固定反射膜54及び可動反射膜55を常に平行状態に維持することが可能となる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、平面中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
【0038】
基板外周部525は、上述したように、フィルター平面視において保持部522の外側に設けられている。この基板外周部525の固定基板51に対向する面は、第一接合部513に対向する第二接合部523を備えている。そして、この第二接合部523には、第二接合膜532が設けられ、上述したように、第二接合膜532が第一接合膜531に接合されることで、固定基板51及び可動基板52が接合されている。
【0039】
[波長可変干渉フィルターの動作]
以上のような波長可変干渉フィルター5では、固定電極パッド563P及び可動電極パッド564Pがそれぞれ電圧制御回路17を介して後述する制御回路部20に接続される。
したがって、制御回路部20により、固定電極パッド563P及び可動電極パッド564Pを介して、固定電極561及び可動電極562間に電圧が印加されることで、静電引力により可動部521が固定基板51側に変位する。これにより、反射膜間ギャップG1のギャップ量を所定量に変更することが可能となる。
【0040】
また、上述したように、テレセントリック光学系11により、波長可変干渉フィルター5に入射する光は、固定反射膜54や可動反射膜55の面に対して直交し、かつ主光線が光軸に対して平行となる。したがって、固定反射膜54や可動反射膜55の面内の位置(画素位置)によって入射光の角度が変わることがない。このため、測定対象光(画像光)の画素位置によらず、反射膜間ギャップG1のギャップ量に基づいた所望の測定対象波長の光を取り出すことができる。これにより、撮像部13により、測定対象波長に対応した分光画像を撮像することが可能となる。
【0041】
[制御回路部の構成]
図1に戻り、分光カメラ1の制御回路部20について、説明する。
制御回路部20は、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光カメラ1の全体動作を制御する。この制御回路部20は、
図1に示すように、バンドパスフィルター切替部21と、フィルター駆動部22と、撮像画像取得部23と、を備える。
また、制御回路部20は、各種データを記憶する記憶部(図示略)を備え、当該記憶部には、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧に対する、当該波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長の関係を示すV−λデータが記憶される。
【0042】
バンドパスフィルター切替部21は、波長切替部12のフィルター切替回路18に信号を送ることで、可視光域バンドパスフィルター121および近赤外域ハイパスフィルター122に設けられたモーターを制御し、光路内に配置するフィルター121、122を切り替える。
【0043】
フィルター駆動部22は、記憶部に記憶されるV−λデータに基づいて、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する電圧を順次切り替えて、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長を順次切り替える。
撮像画像取得部23は、撮像部13により撮像された撮像画像(分光画像)を取得する。
【0044】
[分光画像の取得方法]
次に、上述したような分光カメラ1による分光画像の取得方法について、具体例を挙げて説明する。
分光カメラ1は、操作者の操作に従って所望波長の分光画像を取得する手動撮像処理と、撮像対象に対する複数波長に対応した分光画像を自動的に取得する自動撮像処理とを実施する。
まず、手動撮像処理による分光画像の取得について説明する。
操作者により撮像する分光画像の波長が指定されると、フィルター駆動部22は、記憶部に記憶されたV−λデータに基づいて波長可変干渉フィルター5に印加する電圧を設定する。これにより、電圧制御回路17から波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に設定された電圧が印加され、反射膜間ギャップG1のギャップ量が所定の値に設定される。
また、バンドパスフィルター切替部21は、フィルター切替回路18を制御して、可視光域バンドパスフィルター121及び近赤外域ハイパスフィルター122のうち、指定された波長に対して透過特性を有する一方を光路内に配置させる。
【0045】
例えば、赤色(610nm)の分光画像を取得する場合、反射膜間ギャップG1のギャップ量を610nmに設定する。
図7は、反射膜間ギャップG1のギャップ量が610nmに設定された場合における波長可変干渉フィルター5の分光特性を示す図である。
図7に示すように、この例の場合、波長可変干渉フィルター5の分光特性において、1220nm付近に1次ピーク波長が現れ、610nm付近に2次ピーク波長が現れ、406nm付近に3次ピーク波長が現れる。この場合、波長可変干渉フィルター5に入射させる光から、1次ピーク波長及び3次ピーク波長の光を遮断することで、目的となる2次ピーク波長(610nm)の光が波長可変干渉フィルター5から射出される。すなわち、本例では、バンドパスフィルター切替部21は、
図5に示すような450nmから650nmの光に対して分光特性を有する可視光域バンドパスフィルター121を光路内に配置する。これにより、1次ピーク波長の光及び3次ピーク波長の光を遮断することができ、撮像部13において、2次ピーク波長(赤色光)に対する分光画像を撮像することができる。
【0046】
また、例えば、青色(460nm)の分光画像を取得する場合、反射膜間ギャップG1のギャップ量を460nmに設定する。
図8は、反射膜間ギャップG1のギャップ量が460nmに設定された場合における波長可変干渉フィルター5の分光特性を示す図である。
図8に示すように、この例の場合、波長可変干渉フィルター5の分光特性において、920nm付近に1次ピーク波長が現れ、460nm付近に2次ピーク波長が現れる。この場合、波長可変干渉フィルター5に入射させる光から、1次ピーク波長の光を遮断することで、目的となる2次ピーク波長(460nm)の光が波長可変干渉フィルター5から射出される。すなわち、本例では、バンドパスフィルター切替部21は、
図5に示すような450nmから650nmの光に対して分光特性を有する可視光域バンドパスフィルター121を光路内に配置する。これにより、1次ピーク波長の光を遮断することができ、撮像部13において、2次ピーク波長(青色光)に対する分光画像を撮像することができる。
【0047】
更に、例えば、波長が760nmの近赤外光を取得する場合、反射膜間ギャップG1のギャップ量を380nmに設定する。
図9は、反射膜間ギャップG1のギャップ量が380nmに設定された場合における波長可変干渉フィルター5の分光特性を示す図である。
図9に示すように、この例の場合、波長可変干渉フィルター5の分光特性において、760nm付近に1次ピーク波長が現れ、380nm付近に2次ピーク波長が現れる。ここで、波長760nmの光は、
図6に示す近赤外域ハイパスフィルター122を使用した場合に透過可能な最短波長の光である。したがって、バンドパスフィルター切替部21は、近赤外域ハイパスフィルター122を光路内に配置することで、1次ピーク波長である760nmの光を透過させ、2次ピーク波長以降の光を遮断することができる。これにより、撮像部13において、1次ピーク波長(760nm)に対する分光画像を撮像することができる。
【0048】
次に、可視光域から近赤外域に対する各波長の分光画像を自動的に取得する自動撮像処理について、以下説明する。
自動撮像処理では、フィルター駆動部22は、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する電圧を順次切り替えて、波長可変干渉フィルター5を透過するピーク波長の光を順次切り替える。また、バンドパスフィルター切替部21は、フィルター駆動部22により静電アクチュエーター56に印加する電圧が切り替えられる度に、バンドパスフィルター切替部21を制御して、光路内に可視光域バンドパスフィルター121が配置される状態と、近赤外域ハイパスフィルター122が配置される状態とを交互に切り替える。
これにより、波長可変干渉フィルター5における反射膜間ギャップG1のギャップ量を変更する毎に、2つのピーク波長の光を取得することが可能となる。例えば
図7に示すように、反射膜間ギャップG1のギャップ量が610nmに設定される場合では、可視光域バンドパスフィルター121が光路内に配置される状態において、撮像部13は、2次ピーク波長(610nm)に対応した分光画像を撮像することができる。また、近赤外域ハイパスフィルター122が光路内に配置される状態において、撮像部13は、1次ピーク波長(1220nm)に対応した分光画像を撮像することができる。
【0049】
[実施形態の作用効果]
本実施形態の分光カメラ1では、波長可変干渉フィルター5に光を導く入射光学系としてテレセントリック光学系11が用いられ、入射した測定対象光(画像光)は、波長可変干渉フィルター5の固定反射膜54や可動反射膜55に対して、常に垂直に入射する。このため、波長可変干渉フィルター5を透過した画像光は、各画素において同じ波長を有する画像光となり、所望波長に対応した分光画像を撮像することができる。
また、波長切替部12により、光路内に可視光域バンドパスフィルター121を配置する状態と、近赤外域ハイパスフィルター122を配置する状態とを切り替える。したがって、波長可変干渉フィルター5の分光特性として複数のピーク波長を有する場合であっても、波長切替部12により光路内に配置されたバンドパスフィルターに対応した特定のピーク波長を抽出し、その他のピーク波長の光を遮光することができる。これにより、測定対象光(画像光)として、例えば450nmから1300nm程度の広い波長帯域の光が入射した場合であっても、特定のピーク波長に対応した分光画像を撮像することができる。
【0050】
さらに、本実施形態において、バンドパスフィルターは、可視光域を透過し、その他の波長域の光を遮断する可視光域バンドパスフィルター121と、近赤外域を透過し、その他の波長域を遮断する近赤外域ハイパスフィルター122とを有する。一般に、2次ピーク波長として可視光が透過される状態に波長可変干渉フィルター5の反射膜間ギャップを制御すると、1次ピーク波長として近赤外域の光が透過される。ここで、可視光域バンドパスフィルター121を用いることで、近赤外域の光の1次ピーク波長を遮断することができ、近赤外域ハイパスフィルター122を用いることで、可視光域の2次ピーク波長を遮断することができる。以上に示すように、本実施形態では、波長切替部12を制御して、光路内に配置されるバンドパスフィルターを切り替えることで、1つの測定対象光(画像光)から、近赤外域の分光画像と、可視光域の分光画像をそれぞれ撮像することができる。
【0051】
また、波長切替部12は、可視光域バンドパスフィルター121と、近赤外域ハイパスフィルター122と、フィルター切替回路18と、フィルター移動部とを備える。そして、フィルター切替回路18は、バンドパスフィルター切替部21からの信号に基づいて、フィルター移動部を駆動させることで、光路内に配置されるバンドパスフィルター(可視光域バンドパスフィルター121又は近赤外域ハイパスフィルター122)を切り替える。このような構成では、波長切替部12の構成を簡略化でき、移動部を駆動させるだけで容易に波長可変干渉フィルター5から取り出すピーク波長を切り替えることができる。
【0052】
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0053】
例えば、上記実施形態では、バンドパスフィルターとして、可視光域バンドパスフィルター121及び近赤外域ハイパスフィルター122を例示したが、これに限定されない。本発明におけるバンドパスフィルターとしては、特定の波長域の光を透過させ、その他の波長域に光を遮断可能なフィルターであればいかなるフィルターを用いてもよい。例えば、波長切替部12は、可視光域バンドパスフィルター121及び近赤外域ハイパスフィルター122に加え、更に、紫外線域を透過し、その他の波長域の光を遮断するローパスフィルター等を備える構成としてもよい。このような構成では、撮像部13として、紫外域の光に対して感度を有する撮像素子を設けることで、紫外域の分光画像を取得することができる。
また、1つの可視光域バンドパスフィルター121を用いる例を示したが、例えば、青色フィルター、緑色フィルター、及び赤色フィルターを用いる構成としてもよい。この場合、例えば、波長可変干渉フィルター5を透過する光のピーク波長の間隔が狭い場合(可視光域に、3次ピーク波長や4次ピーク波長が現れる場合)であっても、所望ピーク波長に対応した分光画像を取得することができる。
【0054】
また、上記実施形態において、波長切替部12を透過した光を波長可変干渉フィルター5に入射させる構成としたが、これに限定されない。本発明における波長切替部12は、分光カメラ1内の光路上のいかなる位置に配置されていてもよい。例えば、波長切替部12は、波長可変干渉フィルター5と撮像部13との間に配置されていてもよい。この場合、波長可変干渉フィルター5から複数のピーク波長の光が透過されるが、後段の波長切替部12のフィルターにより、所望波長以外の光を遮断させることが可能となる。
また、波長切替部12の配置位置としては、その他、テレセントリック光学系11を構成する複数のレンズ間に、配置される構成としてもよく、入射光学系の前段に設けられる構成としてもよい。
【0055】
上記各実施形態では、波長可変干渉フィルター5のギャップ量変更部として、電圧印加により静電引力により反射膜間ギャップG1のギャップ量を変動させる静電アクチュエーター56を例示したが、これに限定されない。
例えば、固定電極561の代わりに、第一誘電コイルを配置し、可動電極562の代わりに第二誘電コイルまたは永久磁石を配置した誘電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。
さらに、静電アクチュエーター56の代わりに圧電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。この場合、例えば保持部522に下部電極層、圧電膜、および上部電極層を積層配置させ、下部電極層および上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませることができる。
【0056】
また、本発明の分光測定装置として、分光カメラ1を例示したが、入射光学系に入射した測定対象光の色を測定する測色装置などにも本発明を適用することができる。
【0057】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等に適宜変更できる。