特許第6216942号(P6216942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6216942
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】プラグインブレーカの接続相表示機構
(51)【国際特許分類】
   H02B 3/00 20060101AFI20171016BHJP
   H01H 73/08 20060101ALI20171016BHJP
   H02B 1/40 20060101ALI20171016BHJP
【FI】
   H02B3/00 P
   H01H73/08
   H02B1/40 A
   H02B1/40 D
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-29415(P2014-29415)
(22)【出願日】2014年2月19日
(65)【公開番号】特開2015-154696(P2015-154696A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】荻澤 裕也
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4118100(JP,B2)
【文献】 特開2002−199514(JP,A)
【文献】 特開2012−95398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 3/00
H01H 73/08
H01R 9/00
H01R 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグ端子金具の位置を変更することにより、3段に積層された母線バーとの接続相を変更することができるプラグインブレーカの接続相表示機構であって、
前記プラグ端子金具が、前記3段に積層された母線バーのうち、
何れか2段の母線バーと接続する位置に配置された際、各々の位置で、プラグ端子金具の存在を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段による検出結果を電気的信号として受け取り、
その信号の組み合わせパターンにより、プラグインブレーカの接続相を判定する判定部と、
該判定部の判定結果を、電気的に表示する表示手段
を備えることを特徴とするプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項2】
前記表示手段を、
前記プラグインブレーカの筐体外部に設けた
ことを特徴とする請求項1記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項3】
プラグインブレーカの接続相表示機構は、
該プラグインブレーカに流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記表示手段の表示対象を、該電流検出手段の検出結果に切替え可能とする切替えスイッチを備え、
前記表示手段に、
前記判定部の判定結果もしくは前記電流検出手段の検出結果の何れかを表示する
ことを特徴とする請求項1または2記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項4】
プラグインブレーカの接続相表示機構は、
該プラグインブレーカに流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
前記表示手段に、前記判定部の判定結果および該電流検出手段の検出結果を表示する
ことを特徴とする請求項1または2記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項5】
前記判定部は、
前記プラグインブレーカが収容された分電盤内において、母線バーごとの電流を参照し、
分電盤内で、電流の不平衡率が所定値以上となっている場合、
相切替の要否を判定する機能も備え、
前記表示手段には、該相切替の要否判定結果も表示させる
ことを特徴とする請求項4記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【請求項6】
前記判定部は、
該判定部を備えたプラグインブレーカの遮断要因を判定する機能も備え、
前記表示手段には、該プラグインブレーカの遮断要因も表示させることを特徴とする
請求項4記載のプラグインブレーカの接続相表示機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグインブレーカの接続相表示機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電源側のプラグを回転させることによりプラグの接続相を変更することができるプラグインブレーカにおいて、プラグインされた状態でプラグの接続相を把握する技術として、一方のプラグを保持するプラグ固定部材と係合して揺動される電圧表示部材をケース上面付近に設ける技術(特許文献1)が開示されている。
【0003】
しかし、特許文献1の技術は、単相3線式のブレーカにおいて、2つのプラグの内、上方のプラグ位置を検出して100Vと200Vの識別のみを行うものであり、プラグの接続相を具体的に(3相3線式のブレーカでは「R相−S相」、「S相−T相」、「R相−T相」の各組み合わせの何れか、単相3線式のブレーカでは、「L1相−N相」、「L2相−N相」、「L1相−L2相」の各組み合わせの何れか)識別することができず、不都合である。また、分電盤全体としての電圧不平衡を把握することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4118100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は前記問題を解決し、電源側のプラグの位置を変更することによりプラグの接続相を変更することができるプラグインブレーカにおいて、プラグインされた状態でプラグの接続相を具体的に識別可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明のプラグインブレーカの接続相表示機構は、プラグ端子金具の位置を変更することにより、3段に積層された母線バーとの接続相を変更することができるプラグインブレーカの接続相表示機構であって、前記プラグ端子金具が、前記3段に積層された母線バーのうち、何れか2段の母線バーと接続する位置に配置された際、各々の位置で、プラグ端子金具の存在を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段による検出結果を電気的信号として受け取り、その信号の組み合わせパターンにより、プラグインブレーカの接続相を判定する判定部と、該判定部の判定結果を、電気的に表示する表示手段を備えることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、前記表示手段を、前記プラグインブレーカの筐体外部に設けたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、プラグインブレーカの接続相表示機構は、該プラグインブレーカに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記表示手段の表示対象を、該電流検出手段の検出結果に切替え可能とする切替えスイッチを備え、前記表示手段に、前記判定部の判定結果もしくは前記電流検出手段の検出結果の何れかを表示することを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、プラグインブレーカの接続相表示機構は、該プラグインブレーカに流れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記表示手段に、前記判定部の判定結果および該電流検出手段の検出結果を表示することを特徴とするものである。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、前記判定部は、前記プラグインブレーカが収容された分電盤内において、母線バーごとの電流を参照し、 分電盤内で、電流の不平衡率が所定値以上となっている場合、相切替の要否を判定する機能も備え、前記表示手段には、該相切替の要否判定結果も表示させることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項4記載のプラグインブレーカの接続相表示機構において、前記判定部は、該判定部を備えたプラグインブレーカの遮断要因を判定する機能も備え、前記表示手段には、該プラグインブレーカの遮断要因も表示させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のように、プラグ端子金具の位置を変更することにより、3段に積層された母線バーとの接続相を変更することができるプラグインブレーカの接続相表示機構において、前記プラグ端子金具が、前記3段に積層された母線バーのうち、何れか2段の母線バーと接続する位置に配置された際、各々の位置で、プラグ端子金具の存在を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段による検出結果を電気的信号として受け取り、その信号の組み合わせパターンにより、プラグインブレーカの接続相を判定する判定部と、該判定部の判定結果を、電気的に表示する表示手段を備えるものとすることにより、
母線バーに接続された状態で、電圧だけでなくプラグインブレーカの接続相を具体的に識別可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】プラグインブレーカの全体斜視図である。
図2】プラグインブレーカのカバーを一部取り外した状態における全体斜視図である。
図3】本実施形態のプラグインブレーカの要部断面図である。
図4】本実施形態のプラグインブレーカの要部正面図である。
図5】他の実施形態におけるプラグインブレーカの要部断面図である。
図6】他の実施形態におけるプラグインブレーカを分電盤内に配置した状態の側面図である。
図7】他の実施形態におけるプラグインブレーカを分電盤内に配置した状態の上面図である。
図8】他の実施形態におけるプラグインブレーカを分電盤内に配置した状態の上面図である。
図9】プラグインブレーカの取り付け構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
【0015】
図1図2に示すように、本発明の接続相表示機構を組み込んだプラグインブレーカの筺体1の内部には、プラグ端子金具2,3が上下2段に設けられている。
これらのプラグ端子金具2,3を回転させることにより、上下3段に積層された母線バーとの接続相を、3相3線式の分電盤では「R相−S相」、「S相−T相」、「R相−T相」の各組み合わせの何れか、単相3線式の分電盤では、「L1相−N相」、「L2相−N相」、「L1相−L2相」の各組み合わせの何れかに変更することができる。
【0016】
図2に示すように、プラグ端子金具2,3は、金属片を図示の通りの略U字形状に折り曲げ、母線バーに接続できる形状となっている。
また各プラグ端子金具2,3は、プラスチックからなる絶縁性のプラグ固定部材4の片面(上下何れかの面)に固定されている。
このプラグ固定部材4は断面U字状のもので、両側に備えた軸部を筺体1に形成した軸受部に支持させることによって回転できるようになっており、この回転操作を行うための操作部5が形成されている。
【0017】
プラグ端子金具2,3の回転操作は、筺体1の前面カバーを開放し、プラグ端子金具2,3とプラグ固定部材4を露出させた後、プラグ固定部材4の操作部5に工具を挿入して行われる。
なお、プラグ端子金具2,3の上下移動は、回転によらず、摺動によるものとすることもできる。
【0018】
図3図4に示すように、プラグインブレーカの筺体1の内部には、前記上下3段に積層された母線バーのうち、上下2段の母線バーと接続する位置に配置された際、各々の位置で、プラグ端子金具の存在を検出する位置検出手段としてマイクロスイッチ6,7が配置されている。
マイクロスイッチ6は、上側のプラグ端子金具2が、前記上下3段に積層された母線バーのうち、上段の母線バーと接続する位置に配置された際に、プラグ端子金具2の背面で押圧されて、プラグ端子金具2が前記上下3段に積層された母線バーのうち、上段の母線バーと接続する位置にあることを検出する。
マイクロスイッチ7は、下側のプラグ端子金具3が、前記上下3段に積層された母線バーのうち、下段の母線バーと接続する位置に配置された際に、プラグ端子金具2の背面で押圧されて、プラグ端子金具3が前記上下3段に積層された母線バーのうち、下段の母線バーと接続する位置にあることを検出する。
【0019】
マイクロスイッチ6,7の押圧情報は、電気的信号として、リード線8を介して、判定部9に送信される。本実施形態では、図3に示すように、判定部9及び表示部10を、プラグインブレーカの筺体1の内部に設けているが、図5に示すように、判定部9及び表示部10を、プラグインブレーカの筺体1の外部に設けることもできる。
【0020】
判定部9は、マイクロスイッチ6,7の押圧情報は、電気的信号として受け取り、その信号の組み合わせパターンにより、プラグインブレーカの接続相を判定する。
例えば、前記上下3段に積層された母線バーが、上から順に、N相、L1相、L2相の場合、下記のようにして、「L1相−N相による100V」、「L2相−N相による100V」、「L1相−L2相による200V」が判定される。
(ケース1):「マイクロスイッチ6がON、マイクロスイッチ7もON」の場合、「プラグ端子金具2は上段の母線バー(N相)と接続する位置に配置され、プラグ端子金具3は下段の母線バー(L2相)と接続する位置に配置されている」ため、「L2相−N相」による100Vであると判定される。
(ケース2):「マイクロスイッチ6がON、マイクロスイッチ7はOFF」の場合、「プラグ端子金具2は上段の母線バー(N相)と接続する位置に配置され、プラグ端子金具3は下段の母線バー(L2相)と接続する位置に配置されていない(=中段の母線バー(L1相)と接続する位置に配置されている)」ため、「L1相−N相」による100Vであると判定される。
(ケース3):「マイクロスイッチ6がOFF、マイクロスイッチ7はON」の場合、「プラグ端子金具2は上段の母線バー(N相)と接続する位置に配置されていない(=中段の母線バー(L1相)と接続する位置に配置されている)、プラグ端子金具3は下段の母線バー(L2相)と接続する位置に配置されている」ため、「L1相−L2相」による200Vであると判定される。
【0021】
判定部9による判定結果は、電気的信号として、表示手段10に送信される。本実施形態では、判定部9は、判定結果を、発色命令として表示手段10として使用するLEDに送信し、LEDの発色により、接続相を識別可能としている。
【0022】
本実施形態では、図3に示すように、表示手段10を、プラグインブレーカの筺体1の上部に設けているが、図6図7に示すように、表示手段10を、プラグインブレーカの筺体1の外部に設けることもできる。また、遠隔地に設置され通信線で接続された監視モニタ(PC等)を、表示手段10として用いることもできる。
【0023】
その他、図5図8に示すように、表示手段10として使用するLEDを、ブレーカ外部の表示基板11に設けることもできる。
【0024】
図5に示す実施形態では、図5図8に示すように、ブレーカ外部の表示基板11に、LEDと、各LEDに対応した判定部9を設けている。表示基板11は母線バーの保護部レートを兼用したものであってもよい。
LEDは、分電盤のパネル面に露出するように配置されている。判定部9及びLEDの電源は母線バーより供給される。
また、図9に示すように、ブレーカの取付基板12にはリード線接続装置13が設けられ、リード線接続装置13は物理的にブレーカを固定するブレーカ取付具14の上下動と連動して取付基板12上に接続と切り離しがなされている。
【0025】
(他の実施形態1)
図5に示すように、プラグインブレーカの筺体1の内部に、プラグインブレーカに流れる電流を検出する電流検出手段15(CT)を設けることもできる。接続相表示機構は切替えスイッチ17を備えており、プラグインブレーカの接続相の表示を切り替えて、CTの測定値を、例えば、下記の4段階で色分けして、表示手段10に表示させることができる。
<定格100%>・・・赤
<定格80%>・・・・オレンジ
<定格70%>・・・・緑
<定格60%以下>・・青
これにより、必要に応じてブレーカごとの使用電流を表示手段10にて把握することが可能である。
【0026】
(他の実施形態2)
表示手段10を、通信線で接続された監視モニタとして接続相および使用電流、双方の表示を同時に表示させることにより、負荷電流の偏りを遠隔地からも確認することが可能となる。接続相と使用電流とを同時に監視することにより100V負荷の不平衡が検出された場合、相切替を推奨する回路の特定が可能となる。
例えば相電流差が30%以上となった場合には、不平衡と判定し、各相の所定時間の使用電流が高い分岐ブレーカあるいは各相の所定時間の使用電流が低い分岐ブレーカを特定し、特定された分岐ブレーカをPC画面上に表示することができる。この場合には母線ごとに電流を計測する電流検出手段16(CT)を設けておくものとする。
なお、表示手段10をブレーカの近傍に設置したLEDとした場合には、特定された分岐ブレーカのLEDを点滅表示させることもできる。
【0027】
(他の実施形態3)
プラグインブレーカの筺体1の内部に漏電検出装置を備え、判定部9にはプラグインブレーカの遮断要因を判定する機能を持たせ、その判定結果を例えば、下記の3段階で色分けして、表示手段10に表示させることができる。
<過電流によるトリップ>・・青点滅
<漏電によるトリップ>・・・赤点滅
<それ以外>・・・・・・・・緑点滅
【符号の説明】
【0028】
1 筺体
2,3 プラグ端子金具
4 プラグ固定部材
5 操作部
6,7 マイクロスイッチ
8 リード線
9 判定部
10 表示手段(LED)
11 表示基板
12 取付基板
13 リード線接続装置
14 ブレーカ取付具
15 電流検出手段
16 電流検出手段
17 切替えスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9