(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の光源装置は、蛍光層の第1光源とは反対側に励起光を照射するために副励起光を射出する第2光源装置や、副励起光を導くレンズ、励起光反射ミラーを備える構成のため、部品点数の増加や、装置が大型化するという課題がある。また、励起光反射ミラーは、副励起光を透過するために一部に励起光を透過する領域が設けられているため、第1光源からの励起光の一部が有効に使用されないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係る光源装置は、第1発光領域と第2発光領域とを有し、第1の波長帯の励起光を射出する光源と、平面視において前記第1発光領域と重なるように設けられ、前記第1発光領域から射出された第1の励起光の照射により、前記第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光を発する蛍光体層と、前記第2の波長帯の光を透過し、前記第1の波長帯の光を反射する波長選択素子と、前記光源と前記波長選択素子との間の光路中に配置され、前記第2発光領域から射出された第2の励起光および前記蛍光体層から射出された光を透過し、前記波長選択素子にて反射した前記第2の励起光のうち少なくとも一部が前記蛍光体層に入射するように前記第2の励起光を導く集光光学系と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、光源の第1発光領域から射出された第1の励起光は、蛍光体層に照射され、光源の第2発光領域から射出された第2の励起光の少なくとも一部は、波長選択素子にて反射し、集光光学系によって蛍光体層に照射される。すなわち、蛍光体層には、光源側、および光源とは反対側の両側から励起光が照射されることとなる。これによって、光源とは反対側から励起光を蛍光体層に照射するための複雑な構造を採用することなく、蛍光体層の両側に励起光を照射することができる。これによって第2の波長帯の光を効率的に射出する光源装置の提供が可能となる。また、部品の増加を抑制することができる。
また、光源の発光領域の全ての領域に蛍光体層が重なる構成に比べ、小さな面積の領域から第2の波長帯の光を発することとなるので、単位面積当たりの光束量を高めることができる。
したがって、簡素な構成や小型化を図ると共に、励起光を効率良く利用して高輝度の第2の波長帯の光、例えば白色光や、赤色光、緑色光等の可視光の射出が可能な光源装置を提供できる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に係る光源装置において、前記第1発光領域は、前記光源の発光領域の片側の領域に設けられ、前記第2発光領域は、前記発光領域の残りの領域に設けられていることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、簡素な構成の集光光学系を用いて、第2発光領域から射出される第2の励起光を効率良く蛍光体層に導くことが可能となる。また、蛍光体層が発光領域の片側に設けられるという簡素な構造なので、蛍光体層を所望の位置に容易に設けることや、光源装置製造のさらなる簡素化が可能となる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に係る光源装置において、前記蛍光体層は、前記集光光学系の光軸に対し、前記第2発光領域と対称な領域を含むように設けられていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、第2発光領域から射出される第2の励起光を無駄なく、光源とは反対側から蛍光体層に照射することが可能となる。よって、さらに高輝度の第2の波長帯の光の射出が可能な光源装置を提供できる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に係る光源装置において、前記波長選択素子から射出された前記第2の波長帯の光の進行方向を補正する補正部を備えることが好ましい。
【0014】
蛍光体層は、光源の発光領域の一部となる第1発光領域に設けられているので、波長選択素子から射出された光の光軸は、集光光学系の光軸に対し傾いたものとなる。
この構成によれば、光源装置は、補正部を備えているので、光軸に対する傾きを補正することができる。これによって、光源装置は、光の損失を抑制し、照明対象に効率良く第2の波長帯の光を照射することが可能となる。
【0015】
[適用例5]上記適用例に係る光源装置において、前記第1発光領域は、前記光源の発光領域の片側の領域に設けられ、前記第2発光領域は、前記発光領域の残りの領域に設けられ、前記補正部は、前記蛍光体層に対向する側が前記第2発光領域に対向する側より厚みが厚い楔状の形状を有することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、光源装置は上述した楔状の補正部を備えているので、波長選択素子から射出される光の光軸を集光光学系の光軸に沿った方向に補正することができる。また、補正部は、楔状という簡素な形状なので、製造の簡素化が図れる。
【0017】
[適用例6]上記適用例に係る光源装置において、前記波長選択素子の光射出側に配置され、複数の第1レンズを有する第1レンズアレイと、前記第1レンズアレイの光射出側に配置され、前記複数の第1レンズに対応する複数の第2レンズを有する第2レンズアレイと、をさらに備え、前記第1発光領域は、前記光源の発光領域の片側の領域に設けられ、前記第2発光領域は、前記発光領域の残りの領域に設けられ、前記複数の第1レンズ各々の光軸は、対応する前記第2レンズの光軸に対して偏心しており、前記第1レンズが前記補正部に相当することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、光源装置は、第1レンズアレイおよび第2レンズアレイを備えているので、照明対象の表面における面内光強度分布を略均一なものとすることができる。また、補正部は、第1レンズアレイから構成されるため、部品点数を増加することなく波長選択素子から射出される光の光軸の傾きを補正できる。
【0019】
[適用例7]上記適用例に係る光源装置において、前記第1発光領域および前記第2発光領域は、前記集光光学系の光軸に沿う方向から見て矩形状であることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、光源装置から射出される光は、射出される光に直交する面において矩形状に照射される。よって、光源装置は、被照射面が矩形状の照明対象を効率良く照明することができる。
【0021】
[適用例8]上記適用例に係る光源装置において、前記第1発光領域と前記第2発光領域とは、前記集光光学系の光軸に直交する平面における面積が互いに等しいことが好ましい。
【0022】
この構成によれば、第2発光領域から射出される第2の励起光を有効に蛍光体層に照射することが可能となる。よって、さらに高輝度の第2の波長帯の光の射出が可能な光源装置が図れる。
【0023】
[適用例9]上記適用例に係る光源装置において、前記第1発光領域と前記第2発光領域とは、前記集光光学系の光軸に直交する平面における形状が相似形であることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、集光光学系に対する第2発光領域と蛍光体層との距離が異なっても、第2発光領域から射出された第2の励起光を効率良く蛍光体層に照射することが可能となる。よって、集光光学系に対する光源および蛍光体層の配置位置の自由度の向上を図りつつ、第2発光領域から射出される第2の励起光を効率良く蛍光体層に照射することが可能となる。
【0025】
[適用例10]上記適用例に係る光源装置において、前記第2の波長帯の光は、黄色光、緑色光および赤色光の少なくともいずれかを有する波長帯の光であることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、蛍光体層は、黄色光、緑色光および赤色光の少なくともいずれかを有する光を発するので、光源装置は、蛍光体層が発する色光を射出できる。
【0027】
[適用例11]上記適用例に係る光源装置において、前記第1の波長帯の励起光は、青色光、紫色光および紫外光の少なくともいずれかを有する波長帯の光であることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、光源は、青色光、紫色光および紫外光の少なくともいずれかを有する波長帯の励起光を射出するので、蛍光体層を効率良く発光させることができる。
【0029】
[適用例12]上記適用例に係る光源装置において、前記光源は、前記励起光を射出する発光ダイオードまたは半導体レーザーを有することが好ましい。
【0030】
この構成によれば、発光ダイオードは小型かつ発光効率が高く、また、半導体レーザーは、集光性が高い光を射出するので、励起光の利用効率を高めて蛍光体層を発光させることができる。
【0031】
[適用例13]本適用例に係るプロジェクターは、上記記載の光源装置と、前記光源装置から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光を投写する投写レンズと、を備えることを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、プロジェクターは、上述した光源装置を備えるので、小型化、および明るい画像の投写が可能なプロジェクターの提供が図れる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源装置から射出された光を画像情報に応じて変調し、変調した光をスクリーン等の投写面に拡大投写する。
【0035】
図1は、本実施形態のプロジェクター1における光学ユニット3を示す模式図である。
プロジェクター1は、
図1に示すように、光源装置2を有する光学ユニット3、および図示は省略するが、制御部、電源装置、冷却装置、およびこれらの装置を内部に収納する外装筐体を備えている。
【0036】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、コンピューターとして機能するものであり、プロジェクター1の動作の制御、例えば、画像の投写に関わる制御等を行う。
電源装置は、光源装置2や制御部等に電力を供給する。
冷却装置は、光源装置2や電源装置を冷却する。
外装筐体は、詳細な説明は省略するが、複数の部材で構成され、外気を取り込む吸気口、および内部の温まった空気を外部に排気する排気口等が設けられている。
【0037】
〔光学ユニットの構成〕
光学ユニット3は、制御部による制御の下、光源装置2から射出された光を光学的に処理して投写する。
光学ユニット3は、
図1に示すように、光源装置2に加え、インテグレーター照明光学系32、ダイクロイックミラー331,332、反射ミラー34B,34G、フィールドレンズ35B,35G,35R、光変調装置としての液晶ライトバルブ361、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム362、および投写レンズ37を備える。
【0038】
液晶ライトバルブ361は、赤色光(以下「R光」という)を画像情報に応じて変調する液晶ライトバルブ361R、緑色光(以下「G光」という)を画像情報に応じて変調する液晶ライトバルブ361G、青色光(以下「B光」という)を画像情報に応じて変調する液晶ライトバルブ361Bを備える。
【0039】
各液晶ライトバルブ361は、透過型の液晶パネル、および液晶パネルの光入射側に配置された入射側偏光板と、液晶パネルの光射出側に配置された射出側偏光板を有している。
液晶ライトバルブ361は、図示しない複数の微小画素がマトリックス状に設けられた矩形状の画像形成領域を有する。各画素が表示画像信号に応じた光透過率に設定され、画像形成領域内に表示画像を形成する。そして、各色光は、液晶ライトバルブ361にて変調された後、クロスダイクロイックプリズム362に射出される。
【0040】
クロスダイクロイックプリズム362は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム362は、誘電体多層膜が液晶ライトバルブ361R,351Bにて変調された色光を反射し、液晶ライトバルブ361Gにて変調された色光を透過して、各色光を合成する。
【0041】
投写レンズ37は、複数のレンズ(図示省略)を備え、クロスダイクロイックプリズム362にて合成された光をスクリーン上に拡大投写する。
【0042】
光源装置2は、第1光源装置4および第2光源装置5を備える。
第1光源装置4は、発光ダイオードを有する光源41、および光源41の発光領域の一部に塗布された蛍光体層42を備える。光源41から射出された励起光により、蛍光体層42は、R光とG光とを含むY光を射出する。
第2光源装置5は、B光を射出する発光ダイオードを有する光源51、および平行化レンズ52を備え、光源51から射出されたB光を平行化レンズ52にて略平行化して射出する。
なお、第1光源装置4の構成については、後で詳細に説明する。
【0043】
インテグレーター照明光学系32は、第1光源装置4に対応する第1インテグレーター照明光学系321、および第2光源装置5に対応する第2インテグレーター照明光学系322を備えている。
第1インテグレーター照明光学系321は、第1レンズアレイ3211、第2レンズアレイ3212、偏光変換素子3213、および重畳レンズ3214を備えている。
第1レンズアレイ3211は、複数の第1レンズを有し、第1光源装置4から射出された光を複数の部分光に分割する。第2レンズアレイ3212は、第1レンズアレイ3211の光射出側に配置され、第1レンズに対向する複数の第2レンズを有している。第2レンズアレイ3212は、重畳レンズ3214とともに、部分光を液晶ライトバルブ361G,361R上で重畳させる。
偏光変換素子3213は、第2レンズアレイ3212から射出された非偏光の光を直線偏光光に変換する。
【0044】
第2インテグレーター照明光学系322は、第1インテグレーター照明光学系321と同様に、第1レンズアレイ3221、第2レンズアレイ3222、偏光変換素子3223、および重畳レンズ3224を備え、第2光源装置5から射出されたB光を複数の部分光に分割し、後述する液晶ライトバルブ361Bの表面に重畳させる。
第2インテグレーター照明光学系322から射出されたB光は、反射ミラー34Bにて反射し、フィールドレンズ35Bを介して液晶ライトバルブ361Bに入射する。
【0045】
ダイクロイックミラー331は、第1インテグレーター照明光学系321から射出されたY光のうち、画像形成に利用するG光を反射し、残りの光を透過する。
ダイクロイックミラー331で反射したG光は、反射ミラー34Gにて反射し、フィールドレンズ35Gを介して液晶ライトバルブ361Gに入射する。
ダイクロイックミラー332は、ダイクロイックミラー331を透過した光のうち画像形成に利用するR光を反射し、不要な光を透過する。そして、ダイクロイックミラー332にて反射したR光は、フィールドレンズ35Rを介して液晶ライトバルブ361Rに入射する。
【0046】
〔第1光源装置の構成〕
ここで、第1光源装置4について、詳細に説明する。
図2は、第1光源装置4を説明するための模式図であり、(a)は、第1光源装置4の構成を示す図、(b)は、第1光源装置4における光源41を発光側から見た平面図である。
【0047】
第1光源装置4は、
図2(a)に示すように、光源41および蛍光体層42に加え、集光光学系43、波長選択素子44、および補正部45を備える。集光光学系43は、光源41と波長選択素子44との間の光路中に設けられている。
光源41は、第1の波長帯の励起光を射出する。本実施形態では、第1の波長帯として青色光を有する波長帯の光を発する発光ダイオードが用いられている。なお、第1の波長帯の励起光としては、青色光に限らず、紫色光や紫外光を有する波長帯の光を用いてもよい。
【0048】
光源41は、
図2(b)に示すように、矩形状の発光領域41Aを備えている。また、発光領域41Aは、第1発光領域411と第2発光領域412とを有する。第1発光領域411は、発光領域41Aの片側の略半分の領域に設けられ、第2発光領域412は、発光領域41Aの残りの領域に設けられている。なお、本明細書では、便宜上、第1発光領域411から射出される励起光を第1の励起光と呼び、第2発光領域412から射出される励起光を第2の励起光と呼ぶ。
光源41と集光光学系43とは、集光光学系43の光軸43Cが発光領域41Aの略中心に位置するように配置される。また、蛍光体層42は、平面視において第1発光領域411と重なるように設けられている。具体的に、蛍光体層42は、
図2(b)において、光軸43Cを通る上下方向に延出する直線を境界にして発光領域の片側に設けられている。言い換えれば、発光領域41Aのうち、蛍光体層42が設けられている領域が第1発光領域411であり、蛍光体層42が設けられていない領域が第2発光領域412である。
【0049】
第1発光領域411および第2発光領域412は、それぞれ矩形状であり、双方の面積が略等しい。第1発光領域411および第2発光領域412は、光軸43Cに対して軸対称であることが好ましい。この理由については、
図3を用いて後で説明する。
なお、第1レンズアレイ3211および第2レンズアレイ3212が備える各レンズの形状は、液晶ライトバルブ361の画像形成領域の形状と相似である。そして、矩形状の第1発光領域411(蛍光体層42)は、各レンズの半分の形状に対応するように長手方向(短手方向)の向きが設定されている。
【0050】
蛍光体層42は、例えば、セリウム付活YAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体(YAG:Ce3+)を含有する材料で形成され、光源41の光射出側に塗布されている。
蛍光体層42は、光源41からの励起光によりR光とG光とを含むY光を発する。Y光は、第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光に相当する。
【0051】
集光光学系43は、
図2(a)に示すように、レンズ431,432を有して構成され、第1発光領域411に設けられた蛍光体層42から発せられた光、および第2発光領域412から射出された第2の励起光を略平行化して透過させる。
【0052】
波長選択素子44は、第2の波長帯の光を透過し、第1の波長帯の光を反射する。つまり、波長選択素子44は、集光光学系43の光射出側に配置され、蛍光体層42から発せられたY光を透過し、第2発光領域412から射出された第2の励起光41aを反射する。
波長選択素子44を透過したY光は、補正部45に入射する。そして、第2発光領域412から射出され、波長選択素子44で反射した第2の励起光41bのうち少なくとも一部は、集光光学系43を介して蛍光体層42に入射する。すなわち、集光光学系43は、光源41の第2発光領域412から射出され、波長選択素子44にて反射した第2の励起光41bのうち少なくとも一部が蛍光体層42に入射するように、第2の励起光を導く機能を有している。
【0053】
図3は、第2発光領域412から射出された第2の励起光41aの進行経路を説明するための模式図である。
図3に示すように、第2発光領域412から射出された第2の励起光41aは、集光光学系43に向かって広がるように進行し、レンズ431,432によって略平行化されて波長選択素子44に入射する。そして、第2の励起光41aは、波長選択素子44にて反射する。波長選択素子44にて反射した第2の励起光41bのうち少なくとも一部は、レンズ432,431によって進行方向が変更され、光軸43Cに対して第2発光領域412に対称となる領域を照射する。従って、蛍光体層42が設けられている第1発光領域411は、光軸43Cに対して第2発光領域412と軸対称であることが好ましい。
【0054】
このように、光源41の第2発光領域412から射出された第2の励起光は、光軸43Cに対して対称となる位置に設けられた蛍光体層42に入射する。そして、蛍光体層42は、第2の励起光が入射することにより、Y光を発する。
すなわち、蛍光体層42は、第1発光領域411から射出され、光源41側から入射する第1の励起光、および第2発光領域412から射出され、集光光学系43、波長選択素子44を介して光源41とは反対側から入射する第2の励起光によりY光を発する。そして、Y光は波長選択素子44を透過する。
【0055】
ところで、蛍光体層42は、光軸43Cに対して片側に設けられているため、波長選択素子44から射出される光は、光軸43Cに対して傾いて進行する。
補正部45は、波長選択素子44から射出されるこの光の進行方向(光軸)の傾きを補正する機能を有している。
図4は、補正部45の機能を説明するための模式図であり、(a)は、補正部45が配置されていない場合の図、(b)は、補正部45が配置された場合の図である。
【0056】
図4(a)に示すように、補正部45が配置されていない場合、蛍光体層42から射出され、集光光学系43および波長選択素子44を透過した光は、光軸43Cに対して蛍光体層42が設けられている側とは反対側に向かって進行する。
【0057】
補正部45は、
図4(b)に示すように、蛍光体層42に対向する側が第2発光領域412に対向する側より厚みが厚い楔状の形状を有し、波長選択素子44の光射出側に配置される。
そして、補正部45が配置された場合、蛍光体層42から射出され、集光光学系43および波長選択素子44を透過した光は、補正部45によって進行方向が補正され、光軸43Cに略沿うように進行する。
【0058】
このように、蛍光体層42は、光源41の発光領域41Aの略半分の領域であって平面視にて光軸43Cの片側に設けられ、蛍光体層42には、両側(光源41側、および光源41とは反対側)から励起光が照射される。そして、第1光源装置4は、蛍光体層42から発せられ、波長選択素子44を透過した後光軸43Cに対して傾いて進行する光の進行方向を、補正部45によって修正して射出する。
第1光源装置4から射出された光は、前述したように、ダイクロイックミラー331,332によってG光とR光に分離されて、G光とR光はそれぞれ液晶ライトバルブ361G,361Rによって変調される。そして、変調されたG光とR光は、第2光源装置5から射出され、液晶ライトバルブ361Bによって変調されたB光と合成されて投写レンズ37により投写される。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第1光源装置4を複雑な構造にすることなく、光源41から射出された励起光を蛍光体層42の両側(光源41側、および光源41とは反対側)に照射できる。また、部品の増加を抑制することができる。
また、光源41の発光領域の全ての領域(第1発光領域411および第2発光領域412)に重なるように蛍光体層42が設けられる構成に比べ、小さな面積から光を発することができるので、第1光源装置4の単位面積当たりの光束量を高めることができる。
したがって、簡素な構成や小型化を図ると共に、励起光を効率良く利用して高輝度のY光の射出が可能な第1光源装置4の提供が可能となる。また、この第1光源装置4を搭載するプロジェクター1は、小型であり、かつ明るい画像の投写が可能となる。
【0060】
(2)蛍光体層42は、光源41の発光領域の片側に設けられているので、第2発光領域412から射出される第2の励起光を効率良く蛍光体層42に導く構成、つまり、集光光学系43の構成を簡素化することが可能となる。また、蛍光体層42が発光領域の片側に重なるという簡素な構造なので、蛍光体層42を所望の位置に容易に設けることや、第1光源装置4製造のさらなる簡素化が可能となる。
【0061】
(3)蛍光体層42は、光軸43Cに対し、第2発光領域412と対称の第1発光領域411に設けられているので、第2発光領域412から射出される第2の励起光を無駄なく、光源とは反対側から蛍光体層42に照射することが可能となる。よって、さらに高輝度のY光の射出が可能な第1光源装置4が図れる。
【0062】
(4)第1光源装置4は、補正部45を備えているので、射出される光の光軸の光軸43Cに対する傾きを補正することができる。これによって、第1光源装置4は、光の損失を抑制し、照明対象となる液晶ライトバルブ361R,361Gに効率良くR光、G光を照射することが可能となる。
また、補正部45は、楔状という簡素な形状なので、製造の簡素化が図れる。
【0063】
(5)第1発光領域411および第2発光領域412は、光軸43Cに沿う方向から見て矩形状なので、照明対象が矩形状の液晶ライトバルブ361の画像形成領域を効率良く照明することができる。
【0064】
(6)第1光源装置4は、1つの光源41でR光およびG光を含むY光を射出するので、R光、G光に対応して個別に光源41を設ける構成に比べ、第1光源装置4の小型化、ひいてはプロジェクター1の小型化が可能となる。
【0065】
(7)光源41は、小型かつ発光効率が高い発光ダイオードを備えこの発光ダイオードが射出する光を励起光として用いているので、第1光源装置4の更なる小型化や、励起光の利用効率を高めて蛍光体層42を発光させることができる。
【0066】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態のプロジェクター1と同様の構成および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図5は、本実施形態のプロジェクターにおける光学ユニット13を示す模式図である。
本実施形態のプロジェクターは、
図5に示すように、第1実施形態のプロジェクター1における第1光源装置4と構成の異なる第1光源装置6を備えている。
【0067】
第1実施形態の第1光源装置4が1つの光源41を備えて構成されていることに対し、本実施形態の第1光源装置6は、R光用の光源41、およびG光用の光源41を備えている。光源41は第1の波長帯の光である励起光を射出する。
本実施形態の第1光源装置6は、R光用の光源41を有するR系光源部61R、G光用の光源41を有するG系光源部61G、ダイクロイックミラー63、および補正部64を備えている。
【0068】
R系光源部61Rは、光源41に加え、蛍光体層62R、集光光学系43、および波長選択素子44を備えている。
蛍光体層62Rは、光源41からの励起光によりR光を発する。R光は、第2の波長帯の光に相当する。
蛍光体層62Rは、
図5に示すように、第1実施形態における蛍光体層42と同様に、光源41の発光領域のうちの略半分に設けられている。具体的に、蛍光体層62Rは、赤色蛍光体(例えば、CaAlSiN
3−Si
2N
2O:Euを含有する材料)で形成されている。そして、蛍光体層62Rは、R系光源部61Rにおける集光光学系43の光軸43Crに対し、光源41の発光領域の片側に塗布されている。
光源41から射出された励起光は、第1実施形態で説明したと同様に、集光光学系43および波長選択素子44によって蛍光体層62Rの両側に照射されてR光に変換され、波長選択素子44からダイクロイックミラー63に射出される。
【0069】
G系光源部61Gは、光源41に加え、蛍光体層62G、集光光学系43、および波長選択素子44を備えている。
蛍光体層62Gは、光源41からの励起光によりG光を発する。G光は、第2の波長帯の光に相当する。
蛍光体層62Gは、
図5に示すように、R系光源部61Rにおける蛍光体層62Rと同様に、光源41の発光領域のうちの略半分に設けられている。具体的に、蛍光体層62Gは、緑色蛍光体(例えば、Ba
3Si
6O
12N
2:Euを含有する材料)で形成されている。そして、蛍光体層62Gは、G系光源部61Gにおける集光光学系43の光軸43Cgに対し、光源41の発光領域の片側に塗布されている。
光源41から射出された励起光は、第1実施形態で説明したと同様に、集光光学系43および波長選択素子44によって蛍光体層62Gの両側に照射されてG光に変換され、波長選択素子44からダイクロイックミラー63に射出される。
【0070】
なお、R系光源部61RとG系光源部61Gとは、
図5に示すように、光軸43Crと光軸43Cgとが略直交するように配置される。そして、
図5の図面視において、蛍光体層62Rは、光軸43Crの上側に設けられ、蛍光体層62Gは、光軸43Cgの右側に設けられる。
【0071】
ダイクロイックミラー63は、光軸43Crと光軸43Cgとが交差する位置に設けられている。ダイクロイックミラー63は、R光を第1インテグレーター照明光学系321に向けて反射し、G光を第1インテグレーター照明光学系321に向けて透過するように、光軸43Cr,43Cgに対して略45°の角度を有するように配置される。
そして、ダイクロイックミラー63は、R系光源部61Rから射出されたR光と、G系光源部61Gから射出されたG光を合成して、補正部64に射出する。
【0072】
補正部64は、
図5に示すように、第1実施形態の補正部45と同様に、断面が楔状に形成されており、光軸43Cg上におけるダイクロイックミラー63の光射出側に配置される。また、補正部64は、厚みが厚い側が蛍光体層62Gに対向するように配置される。なお、補正部64は、蛍光体層62Rに対しては、R光を反射するダイクロイックミラー63を介して厚みが厚い側が蛍光体層62Rの側となるように配置される。
そして、第1実施形態で説明したように、ダイクロイックミラー63から射出されたR光の進行方向とG光の進行方向は、補正部64によって修正され、第1インテグレーター照明光学系321が備える第1レンズアレイ3211に対して略垂直に入射する。
第1インテグレーター照明光学系321から射出された光は、第1実施形態で説明したと同様に、G光、R光に分離され、液晶ライトバルブ361G,361Rにそれぞれ入射する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクターによれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
第1光源装置6は、R光を射出するR系光源部61RとG光を射出するG系光源部61Gとを備えているため、R光の輝度およびG光の輝度を独立に制御することができる。そのため、画像のホワイトバランスを容易に調整することができる。
【0074】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態、第2実施形態のプロジェクターと同様の構成および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
【0075】
図6は、本実施形態のプロジェクターにおける光学ユニット23を示す模式図である。
第1実施形態のプロジェクターはY光を射出する第1光源装置4を備え、第2実施形態のプロジェクターは、R光およびG光を射出する第1光源装置6を備えているが、本実施形態のプロジェクターは、
図6に示すように、R光、G光、およびB光を有する光を射出する光源装置7を備えている。
また、本実施形態のプロジェクターは、第1実施形態、第2実施形態の光学系とは異なるインテグレーター照明光学系81、色分離光学系82、およびリレー光学系83を備えている。
【0076】
光源装置7は、第2実施形態におけるR系光源部61R、G系光源部61Gと、第1実施形態における第2光源装置5と、補正部71R,71Gと、クロスダイクロイックプリズム72とを備えている。
補正部71Rは、R系光源部61Rの光射出側に配置され、R系光源部61Rから射出されるR光の光軸の傾きを補正し、クロスダイクロイックプリズム72に向けて射出する。補正部71Gは、G系光源部61Gの光射出側に配置され、G系光源部61Gから射出されるG光の光軸の傾きを補正し、クロスダイクロイックプリズム72に向けて射出する。
第2光源装置5は、クロスダイクロイックプリズム72を介してR系光源部61Rに対向して配置され、B光をクロスダイクロイックプリズム72に向けて射出する。
【0077】
クロスダイクロイックプリズム72は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム72は、誘電体多層膜がR系光源部61Rから射出されたR光、および第2光源装置5から射出されたB光を反射し、G系光源部61Gから射出されたG光を透過して、R光とG光とB光とを合成し、合成した光をインテグレーター照明光学系81に向けて射出する。
【0078】
インテグレーター照明光学系81は、第1実施形態における第1インテグレーター照明光学系321を備えている。そして、インテグレーター照明光学系81は、各液晶ライトバルブ361の表面における照明光の面内光強度分布が均一となるように、入射する光を変換する。
【0079】
色分離光学系82は、ダイクロイックミラー821,822、および反射ミラー823を備え、インテグレーター照明光学系81から射出された光をB光、R光、G光の3つの色光に分離する。具体的に、ダイクロイックミラー821は、インテグレーター照明光学系81から射出された光のうち、B光を反射し、G光およびR光を透過する。ダイクロイックミラー822は、ダイクロイックミラー821を透過したG光およびR光のうち、G光を反射し、R光を透過する。
ダイクロイックミラー821で反射したB光は、反射ミラー823で反射し、フィールドレンズ35Bを介して液晶ライトバルブ361Bに入射する。ダイクロイックミラー822で反射したG光は、フィールドレンズ35Gを介して液晶ライトバルブ361Gに入射する。
【0080】
リレー光学系83は、入射側レンズ831、リレーレンズ832、および反射ミラー833,834を備え、色分離光学系82で分離されたR光をフィールドレンズ35Rまで導く。そして、フィールドレンズ35Rに入射したR光は、液晶ライトバルブ361Rに入射する。なお、色分離光学系82およびリレー光学系83は、リレー光学系83がR光を導く構成としているが、これに限らず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
液晶ライトバルブ361B,361G,361Rに入射した各色光は、第1実施形態で説明したと同様に、画像情報に応じて変調された後、クロスダイクロイックプリズム362によって合成され、投写レンズ37から投写される。
【0081】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクターによれば、第1実施形態、および第2実施形態の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
第1実施形態、および第2実施形態においては、第1インテグレーター照明光学系321と第2インテグレーター照明光学系322とが必要であったが、本実施形態においては第2インテグレーター照明光学系322が不要であるため、光学ユニット23の小型化、ひいてはプロジェクターの小型化が可能となる。
【0082】
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
前記実施形態では、蛍光体層42は、一体的に構成された光源41に塗布されているが、例えば
図7に示したように、光源を別体の2個の発光素子から構成し、2個の発光素子のうち、一方の発光素子に蛍光体層を塗布するように構成してもよい。
【0083】
図7は、変形例1の光源10、および蛍光体層20を示す模式図であり、(a)、(b)は、複数の発光素子の配置する位置を変えた場合の図である。
光源10は、
図7に示すように、2つの発光素子10a,10bを有し、発光素子10a,10bは、基板200の上に設けられている。基板200は、光軸43Cと直交する基準面200aを有している。
【0084】
発光素子10a,10bは、発光領域の形状および面積おのおのが互いに同等に形成されている。蛍光体層20は、発光素子10aの発光領域に塗布されている。
そして、発光素子10aと発光素子10bとは、光軸43Cを挟んで配置され、蛍光体層20は、光源10の片側に設けられることとなる。
【0085】
図7(a)に示した光源10では、発光素子10aの発光面10asの基準面200aからの高さが、発光素子10bの発光面10bsの基準面200aからの高さと等しい。一方、
図7(b)に示した光源10では、発光素子10bの発光面10bsの基準面200aからの高さが、蛍光体層20の光入射面20sの基準面200aからの高さと等しい。
図7(b)に示すように、発光素子10a,10bを配置することで、発光素子10bから射出され、集光光学系43および波長選択素子44を介して蛍光体層20に導かれる第2の励起光をより効率的に蛍光体層20に照射することが可能となる。また、光源10は、2つに限らず3つ以上の発光素子で構成してもよい。
【0086】
(変形例2)
前記実施形態では、蛍光体層42は、光源41に塗布されているが、光源41とは別体の透明部材に設けるように構成してもよい。
図8は、変形例2の光源30、および蛍光体層40を示す模式図である。
蛍光体層40は、光源30の発光領域の面積の略半分の面積を有する板状の透明部材50に塗布され、光軸43Cの一方の側、つまり光源30の発光領域の片側に配置される。
【0087】
(変形例3)
前記実施形態では、補正部として、断面が楔状に形成された補正部45,64,71R,71Gを用いているが、この構成に限らず、例えば、第1レンズアレイ3211に補正部の機能を盛り込むように構成してもよい。
図9は、変形例3の補正部を説明するための模式図であり、(a)は、補正部の機能を盛り込んでいない第1レンズアレイ3211を示す図、(b)は、補正部の機能を盛り込んだ第1レンズアレイ90を示す図である。
第1レンズアレイ3211は、複数の第1レンズ3211aを有し、第1レンズアレイ90は、複数の第1レンズ90aを有している。なお、
図9は、第1レンズ3211a,90aを明瞭に説明するため、それぞれ1つを記載した図である。
【0088】
第1レンズアレイ90の第1レンズ90aの光軸は、
図9の図面視において、第1レンズアレイ3211の第1レンズ3211aの光軸より、下方、つまり光軸43Cに対し、蛍光体層42が形成されている側に偏心している。また、図示は省略するが、第1レンズ90aの光軸は、第1レンズ90aが対応している第2レンズアレイ3212の第2レンズの光軸に対しても偏心している。
【0089】
図9(a)に示すように、補正部の機能が盛り込まれていない第1レンズアレイ3211を用いた場合、蛍光体層42から射出され、集光光学系43、波長選択素子44および第1レンズアレイ3211を透過した光は、光軸43Cに対して蛍光体層42が設けられている側とは反対側に向かって進行する。
【0090】
一方、
図9(b)に示すように、補正部の機能が盛り込まれている第1レンズアレイ90を用いた場合、蛍光体層42から射出され、集光光学系43、波長選択素子44および第1レンズアレイ90を透過した光は、その光軸が修正される。
このように、第1レンズアレイ90の第1レンズ90aは、補正部の機能を有し、補正部が第1レンズアレイ90に設けられることで、部品点数を増加することなく波長選択素子44から射出される光の光軸の傾きを補正できる。
【0091】
(変形例4)
前記実施形態のプロジェクターは、光変調装置として液晶パネルを用いているが、光変調装置としてマイクロミラー型の光変調装置、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものであってもよい。
図10は、変形例4のプロジェクターにおける光学ユニット100を示す模式図である。
光学ユニット100は、第3実施形態の光源装置7、重畳レンズ101、ロッドインテグレーター102、集光光学系103、反射ミラー104、光変調装置としてのマイクロミラーデバイス105および投写レンズ106を備えている。
光源装置7は、画像情報に応じて時分割でR光、G光、B光を射出する。
光源装置7から射出された光は、重畳レンズ101によってロッドインテグレーター102の入射面に導光され、ロッドインテグレーター102の内面で多重反射することによって均一化されて射出面から射出する。
ロッドインテグレーター102から射出された光は、集光光学系103によって略平行化され、反射ミラー104にて反射し、マイクロミラーデバイス105に射出される。
マイクロミラーデバイス105に入射した光は、画像情報に応じて各画素に対応するマイクロミラーで反射することにより、画像を表す光に変調されて投写レンズ106から投写される。
このように、光源41の発光領域の一部に蛍光体層62R,62Gが設けられた光源装置7は、マイクロミラー型の光変調装置を備えるプロジェクターの光源装置にも用いることができ、前記実施形態で説明したと同様の効果を奏する。
また、変形例4においては、第3実施形態の光源装置7を用いて説明したが、第1実施形態における光源装置2や第2実施形態における光源装置(第1光源装置6および第2光源装置5)をマイクロミラー型の光変調装置を備えるプロジェクターに用いることも可能である。
【0092】
(変形例5)
前記実施形態のプロジェクター1は、光変調装置として透過型の液晶パネルを用いているが、反射型の液晶パネルを利用したものであってもよい。
【0093】
(変形例6)
前記実施形態では、光源41として発光ダイオードを用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、半導体レーザーや有機EL(Electro Luminescence)素子、UVランプ等を用いてもよい。
【0094】
(変形例7)
前記実施形態の光源41は、発光領域が矩形状に形成されているが、矩形状に限らず他の形状、例えば、円形や楕円形であってもよい。
【0095】
(変形例8)
前記実施形態の蛍光体層42は、光軸43Cに対して第2発光領域412に対称となる第1発光領域411に形成されているが、対称性は必須ではない。要は、光軸43Cに対して第2発光領域412に対称となる領域を含むように、蛍光体層42を設ければよい。第2発光領域412から射出され、波長選択素子44によって反射された第2の励起光の光路上に蛍光体層42が設けられていればよい。
また、第1発光領域411と第2発光領域412とが、光軸43Cに直交する平面における形状が相似形となるように形成してもよい。
この構成によれば、集光光学系43に対する第2発光領域412と蛍光体層42との距離が異なっても、第2発光領域412から射出された第2の励起光を効率良く蛍光体層42に導くことが可能となる。よって、集光光学系43に対する光源41および蛍光体層42の配置位置の自由度の向上を図りつつ、第2発光領域412から射出される第2の励起光を効率良く蛍光体層42に照射することが可能となる。