(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器において、便座及び便蓋を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置の内部構造を前方斜め上方から見た斜視図である。
【
図3】
図2の排水弁装置の中央断面図であり、本発明の第1実施形態による排水弁装置の小洗浄モード及び大洗浄モードにおける排水開始前の状態を示している。
【
図4】本発明の第1実施形態による操作装置を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による操作装置を上方から見た側面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態を示す平面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態で駆動ユニットの内部構造を下方から見た斜視図ある。
【
図9】
図9(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置の回転軸の側面図である。
図9(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置の回転軸を軸方向から見た正面図である。
【
図10】
図10(a)は、発明の第1実施形態による操作装置の第一回転歯車部材の斜視図である。
図10(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置の第一回転歯車部材を軸方向から見た正面図である。
【
図11】
図11(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置の回転巻取部材を軸方向から見た正面図である。
図11(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置の回転巻取部材の斜視図である。
【
図12】
図12(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置の第二回転歯車部材の斜視図である。
図12(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置の第二回転歯車部材を軸方向から見た正面図である。
【
図13】本発明の第1実施形態による操作装置の第三回転歯車部材の正面図である。
【
図14】
図14(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置の回転当接部材の斜視図である。
図14(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置の回転当接部材を軸方向から見た正面図である。
図14(c)は、本発明の第1実施形態による操作装置の回転当接部材の側面図である。
【
図15】
図15(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態で、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す正面図である。
図15(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態で、操作ハンドルが大洗浄動作を行うように正回転操作されて、回転巻取部材が第1の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す正面図である。
【
図16】
図16(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のA−A線に沿った断面図である。
図16(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが大洗浄動作を行うように正回転操作されて、回転巻取部材が第1の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のA−A線に沿った断面図である。
【
図17】
図17(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のB−B線に沿った断面図である。
図17(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが大洗浄動作を行うように正回転操作されて、回転巻取部材が第1の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のB−B線に沿った断面図である。
【
図18】
図18(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のC−C線に沿った断面図である。
図18(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが大洗浄動作を行うように正回転操作されて、回転巻取部材が第1の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のC−C線に沿った断面図である。
【
図19】
図19(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態で、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す正面図である。
図19(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態で、操作ハンドルが小洗浄動作を行うように正回転操作されて、回転巻取部材が第2の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す正面図である。
【
図20】
図20(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のA−A線に沿った断面図である。
図20(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが小洗浄動作を行うように逆回転操作されて、回転巻取部材が第2の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のA−A線に沿った断面図である。
【
図21】
図21(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のB−B線に沿った断面図である。
図21(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが小洗浄動作を行うように逆回転操作されて、回転巻取部材が第2の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のB−B線に沿った断面図である。
【
図22】
図22(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のC−C線に沿った断面図である。
図22(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが小洗浄動作を行うように逆回転操作されて、回転巻取部材が第2の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図6のC−C線に沿った断面図である。
【
図23】本発明の第2実施形態による操作装置を示す分解斜視図である。
【
図24】本発明の第2実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外し、駆動ユニットの内部構造を、駆動ユニットの第二回転歯車部材、第三回転歯車部材、第五回転歯車部材及び回転当接部材における外歯に形成された歯車を簡略化した表示方法により図示している斜視図である。
【
図25】本発明の第2実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外し、駆動ユニットの内部構造を、駆動ユニットの第二回転歯車部材、第三回転歯車部材、第五回転歯車部材及び回転当接部材における外歯に形成された歯車を簡略化した表示方法により図示し、上方から見た側面図である。
【
図26】本発明の第2実施形態による操作装置において、駆動ユニットにおける第二回転歯車部材、第三回転歯車部材、第五回転歯車部材、回転当接部材及び回転巻取部材の位置関係を示す概略図である。
【
図27】
図27(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置の回転軸の斜視図である。
図27(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置の回転軸を貯水タンク内側から軸方向に沿って見た正面図である。
【
図28】
図28(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置の回転巻取部材の斜視図である。
図28(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置の回転巻取部材を貯水タンク内側から軸方向に沿って見た正面図である。
【
図29】
図29(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置の第二回転歯車部材の斜視図である。
図29(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置の第二回転歯車部材を貯水タンク外側から軸方向に沿って見た正面図である。
【
図30】
図30(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置の第三回転歯車部材の斜視図である。
図30(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置の第三回転歯車部材を貯水タンク内側から軸方向に沿って見た正面図である。
【
図31】本発明の第2実施形態による操作装置の第五回転歯車部材の正面図である。
【
図32】
図32(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置の第五回転歯車部材の斜視図である。
図32(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置の第五回転歯車部材を貯水タンク外側から軸方向に沿って見た正面図である。
【
図33】
図33(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態で、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す正面図である。
図33(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態で、操作ハンドルが大洗浄動作を行うように正回転操作されて、回転巻取部材が第1の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す正面図である。
【
図34】
図34(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のD−D線に沿った断面図である。
図34(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、操作ハンドルが大洗浄動作を行うように正回転操作されて、回転巻取部材が第1の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のD−D線に沿った断面図である。
【
図35】
図35(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のE−E線に沿った断面図である。
図35(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、操作ハンドルが大洗浄動作を行うように正回転操作されて、回転巻取部材が第1の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のE−E線に沿った断面図である。
【
図36】
図36(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のF−F線に沿った断面図である。
図36(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが大洗浄動作を行うように正回転操作されて、回転巻取部材が第1の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のF−F線に沿った断面図である。
【
図37】
図37(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態で、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す正面図である。
図37(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態で、操作ハンドルが小洗浄動作を行うように逆回転操作されて、回転巻取部材が第2の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す正面図である。
【
図38】
図38(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のD−D線に沿った断面図である。
図38(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、操作ハンドルが小洗浄動作を行うように逆回転操作されて、回転巻取部材が第2の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のD−D線に沿った断面図である。
【
図39】
図39(a)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のE−E線に沿った断面図である。
図39(b)は、本発明の第2実施形態による操作装置において、操作ハンドルが小洗浄動作を行うように逆回転操作されて、回転巻取部材が第2の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のE−E線に沿った断面図である。
【
図40】
図40(a)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが回転操作される前の待機状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のF−F線に沿った断面図である。
図40(b)は、本発明の第1実施形態による操作装置において、操作ハンドルが小洗浄動作を行うように逆回転操作されて、回転巻取部材が第2の回転角度まで回転された状態の駆動ユニットの内部構造を示す、
図25のF−F線に沿った断面図である。
【
図41】従来の水タンクの排水のための操作装置を示す分解斜視図である。
【
図42】従来の水タンクの排水のための操作装置を示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
つぎに、添付図面により、本発明の第1実施形態による操作装置について説明する。
まず、
図1により、本発明の第1実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器において、便座、便蓋及び洗浄水タンク装置の蓋体を取り外した状態を示す斜視図である。
【0021】
図1に示すように、符号1は、サイホン作用を利用してボウル部内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式の水洗大便器であり、この水洗大便器1は、陶器製の便器本体2を備え、この便器本体2には、ボウル部4と、このボウル部4の下部と連通するトラップ管路6がそれぞれ形成されている。
便器本体2のボウル部4の上縁部には、内側にオーバーハングしたリム8と、便器本体2の後方側の内部に形成される導水路(図示せず)から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口10が形成され、この第1吐水口10から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部4を洗浄するようになっている。
【0022】
ボウル部4の下方には、溜水面が鎖線W0で示された溜水部12が形成されている。この溜水部12の下方には、排水トラップ管路6の入口6aが開口し、この入口6aから後方の排水トラップ管路6は排水ソケット(図示せず)を介して床下の排出管(図示せず)に接続されている。
また、ボウル部4の溜水面W0の上方位置には、便器本体2の後方側の内部に形成される導水路(図示せず)から供給される洗浄水を吐水する第2吐水口14が形成され、この第2吐水口14から吐水される洗浄水が溜水部12の溜水を上下方向に旋回させる旋回流を生じさせるようになっている。
【0023】
便器本体2の後方側の上面には、便器本体2に供給する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置16が設けられている。
なお、本実施形態では、上述したサイホン式の水洗大便器に洗浄水タンク装置16を適用した例について説明するが、このようなサイホン式の水洗大便器に限定されず、ボウル部内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、洗い落し式の水洗大便器等の他のタイプの水洗便器にも適用可能である。
【0024】
つぎに、
図2により、洗浄水タンク装置16の内部構造について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態による排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置の内部構造を前方斜め上方から見た斜視図である。
図2に示すように、洗浄水タンク装置16は、水洗大便器1を洗浄する洗浄水を貯水する貯水タンク18を備え、この貯水タンク18の底部18aには、便器本体2の導水路(図示せず)と連通する排水口20が形成され、貯水タンク18内の洗浄水が便器本体2の導水路(図示せず)へと供給されるようになっている。また、貯水タンク18は、便器の種類に応じて、貯水する洗浄水の量が異なっている。また、貯水タンク18は、例えば、ローシルエットタイプの貯水タンクである。
【0025】
図2に示すように、洗浄水タンク装置16の貯水タンク18内には、この貯水タンク18内に洗浄水を供給する給水装置22と、貯水タンク18に貯えられた洗浄水について排水口20を開放して便器本体2の導水路(図示せず)に流出させる排水弁装置24と、貯水タンク18の外部に取り付けられた操作ハンドル26を洗浄操作を実行させる方向に回動操作を行うことにより操作ハンドル26に連結された操作ワイヤ28が連動して排水弁装置24の弁体56(
図3)を物理的に引き上げる操作装置30と、が設けられている。
【0026】
給水装置22は、外部の給水源(図示せず)に接続され貯水タンク18の底部から上方に延びる給水管32と、この給水管32の上端部に取り付けられ、給水管32から給水される洗浄水の貯水タンク18内への吐水と止水を切り替える給水バルブ34と、貯水タンク18内の水位の変動に応じて上下動して給水バルブ34による吐水と止水を切り替えるフロート36とを備えている。
【0027】
給水管32の外周側下端部には、吐水口38が開口し、給水バルブ34からの洗浄水がこの吐水口38から貯水タンク18内に吐水されるようになっている。
給水装置22は、更に、給水バルブ34に接続されたリフィール管40を備え、このリフィール管40の下流端部は、後述する排水弁装置24のオーバーフロー管42の上端開口の上方近傍に位置するように、リフィール管40の一部がオーバーフロー管42又は貯水タンク18内の所定箇所に固定されている。
【0028】
給水装置22においては、後述する排水弁装置24により、貯水タンク18内の洗浄水が便器に排水されると、洗浄水の水位が低下してフロート36が下降し、それにより給水バルブ34が開き、吐水口38からの吐水が開始し、洗浄水タンク装置16の外部の給水源(図示せず)から貯水タンク18内への吐水が開始されるようになっている。
さらに、吐水が継続されて貯水タンク18内の水位が上昇すると、フロート36が上昇し、それにより給水バルブ34が閉じ、吐水口38からの吐水が止水される。これにより、貯水タンク18内の洗浄水の水位が満水時の所定水位に維持されるようになっている。
【0029】
つぎに、
図1〜
図3を参照して、本発明の第1実施形態による操作装置に取り付けられるいわゆる直動式の排水弁装置24について説明する。
図3は、
図2の排水弁装置の中央断面図であり、本発明の第1実施形態による排水弁装置の小洗浄モード及び大洗浄モードにおける排水開始前の状態を示している。
【0030】
排水弁装置24は、
図1乃至
図3に示すように、貯水タンク18の底面18aに取り付けられ且つ便器本体2の導水路44に連通する排水口46を形成する排水口ユニット48と、この排水口ユニット48の上端に取り付けられた排水弁ユニット50を備えている。
【0031】
排水弁装置24の排水弁ユニット50は、貯水タンク18の底面18aの所定位置に取り付けられて排水口46を形成する排水口形成部材52を備えている。この排水口形成部材52の下端部は、貯水タンク18の底面18aに固定されている。また、排水口形成部材52の外周の一部には、オーバーフロー管42が取り付けられ、オーバーフロー管42が排水口形成部材52の内部の排水口46と連通するようになっている。
【0032】
さらに、排水口形成部材52は、排水口46の上縁に沿って全周に亘って形成された弁座54を備え、この弁座54と排水弁ユニット50の弁体56が当接することにより、排水口46が閉鎖されるようになっている。また、排水口形成部材52は、排水弁装置24の外側の洗浄水を排水口46へ流入させるための複数の連通口58を形成している。
【0033】
つぎに、
図3に示すように、排水弁装置24の排水弁ユニット50は、弁体56と、この弁体56に下端部が取り付けられて上下方向に延びる樹脂製の主軸部材60と、排水口ユニット48の排水口形成部材52の上端部62に取り付けられて弁体56の動きを制御する内側制御筒部材64と、流量調整用の開口64aが形成された内側制御筒部材64の側周壁部64bの外側に取り付けられる遮蔽部材66と、大洗浄モードにおける閉弁動作を開始させる樹脂製の大洗浄用フロート部材68と、小洗浄モードにおける閉弁動作を開始させる樹脂製の小洗浄用フロート部材70及び樹脂製のカム部材72と、これらの部材70,72を支持する樹脂製の支持部材74と、これらの部材60〜74を外側から取り囲む外側制御筒部材76と、外側制御筒部材76を上方から保持すると共に操作ワイヤ28の上下動をガイドするガイド部材80と、を備えている。
【0034】
排水弁装置24においては、操作ワイヤ28が主軸部材60の上端部60aに取り付けられて主軸部材60の引き上げ操作による弁体56の開弁操作を操作するようになっている。以下、操作ワイヤ28による弁体56の開弁操作について説明する。
図3に示すように、排水弁装置24の大洗浄モードにおける開弁時の状態では、使用者が操作ハンドル26を所定の大洗浄モードを実行する方向に回動操作すると、操作装置30が作動し、操作ワイヤ28が所定の最大量の巻き取り量で巻き取られ、排水弁ユニット50の主軸部材60及び弁体56がそれぞれの最高高さ位置h1まで引き上げられる。このとき、弁座54に対する弁体56の上昇高さ(ストローク)Hが小洗浄モード時の引き上げ高さH2よりも高い最大高さ(最大ストローク)H1となり(H1>H2)、洗浄水タンク装置16の排水弁装置24による水洗大便器1の便器本体2への大洗浄モードの排水が開始される。
図3に示すように、排水弁装置24の小洗浄モードにおける開弁時の状態では、使用者が操作ハンドル26を所定の小洗浄モードを実行する方向に回動操作すると、操作装置30が作動し、操作ワイヤ28が大洗浄モードの場合の最大巻き取り量よりも少ない巻き取り量で巻き取られ、排水弁ユニット50の主軸部材60及び弁体56がそれぞれの最高高さ位置よりも低い所定の高さ位置h2まで引き上げられ、排水口46が開放される。このとき、弁座54に対する弁体56の上昇高さ(ストローク)Hが、大洗浄モードの最大ストロークH1よりも低いH2となり、洗浄水タンク装置16の排水弁装置24による水洗大便器1の便器本体2への小洗浄モードの排水が開始される。
【0035】
排水弁装置24においては、上述の様に、弁体56が大洗浄モード又は小洗浄モードの各々の引き上げ量に応じて引き上げられた後、所定の動作をしながら、主軸部材60及び弁体56が水位の低下と共にさらに下降し、
図3に示すように、弁体56が弁座54に当接して、待機位置(開始位置)h0に戻り、排水口46が閉止された状態となり、排水弁装置24の大洗浄モード又は小洗浄モードにおける排水が終了する。このときの洗浄水の満水水位をWLで示している。
【0036】
つぎに、
図4乃至
図9を参照して、本発明の第1実施形態による操作装置の詳細について説明する。
図4は本発明の第1実施形態による操作装置を示す分解斜視図であり、
図5は本発明の第1実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態を示す斜視図であり、
図6は本発明の第1実施形態による操作装置を上方から見た側面図であり、
図7は本発明の第1実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態を示す平面図であり、
図8は本発明の第1実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外した状態で駆動ユニットの内部構造を下方から見た斜視図あり、
図9(a)は本発明の第1実施形態による操作装置の回転軸の側面図であり、
図9(b)は本発明の第1実施形態による操作装置の回転軸を軸方向から見た正面図である。
【0037】
本発明の第1実施形態による操作装置30は、使用者によって2つの回転方向に操作される操作装置である。
図4乃至
図8に示すように、本発明の操作装置30は、便器前方から見て貯水タンク18の左側側面18aに配置され且つ使用者が正回転、またはその逆回転の回転操作を選択することにより大洗浄モード、または小洗浄モードのいずれかの洗浄モードを選択することができる操作ハンドル26と、貯水タンク18の外側に配置された操作ハンドル26の回転を貯水タンク18の内側まで伝達するように形成され、この操作ハンドル26の回転操作により正回転方向またはその逆回転方向に回転される回転軸82と、回転軸82と操作ハンドル26と駆動ユニット84とを締結する止め輪86と、駆動ユニット84と排水弁装置24とを連結し、自身の移動量に応じて弁体56を物理的に移動させ、便器本体2へ供給される洗浄水量を、大洗浄水量または小洗浄水量に切り替えるように弁体56を開閉させる操作ワイヤ28と、貯水タンク18の内側に配置され、回転軸82及び操作ワイヤ28に連結されて、回転軸82の回転動作を受けて操作ワイヤ28を引き上げる動作を行う駆動ユニット84と、を有している。
【0038】
操作ハンドル26は、貯水タンク18の左側側面18aに取付けられる左側操作ハンドルであり、貯水タンク18の側面から鉛直方向下方に延び、使用者が手指等で手前側又は奥側に回転操作するための持ち手部分26aと、操作ハンドル26の回転を支持する操作ハンドルガイド部26bとを備えている。従って、使用者が持ち手部分26aを便器本体2の手前側に回転させるように引く操作、又は持ち手部分26aを便器本体2の奥側に回転させるように押す操作により、操作ハンドル26が回転軸82の正回転動作又はその逆回転動作を発生させるようになっている。なお、操作ハンドル26は、貯水タンク18の右側側面に取付けられる右側操作ハンドルであってもよい。
【0039】
なお、本発明の変形例として、操作装置の回転軸が、モーター等の電動駆動装置に接続され、この電動駆動装置を制御部により駆動制御することにより、回転軸が正回転方向またはその逆回転方向に自在に回転されるように設けられていてもよい。
【0040】
なお、本発明の第1実施形態においては、
図7に示すように、使用者が操作ハンドル26の持ち手部分26aを手前側に回転させる方向を正回転方向D0とし、使用者が操作ハンドル26を正回転方向D0に回転させるとき大洗浄動作を行い、使用者が操作ハンドル26の持ち手部分26aを奥側に回転させる方向を逆回転方向d0とし、使用者が操作ハンドル26を逆回転方向d0に回転させるとき小洗浄動作を行うように設定している。この操作ハンドル26の正回転方向及び逆回転方向は変更することが可能である。例えば、本発明は、使用者が操作ハンドル26の持ち手部分26aを手前側に回転させる方向を正回転方向とし、使用者が操作ハンドル26を正回転方向に回転させるとき小洗浄動作を行い、使用者が操作ハンドル26の持ち手部分26aを奥側に回転させる方向を逆回転方向とし、使用者が操作ハンドル26を逆回転方向に回転させるとき大洗浄動作を行うように設定してもよい。さらに、例えば、本発明は、使用者が操作ハンドル26の持ち手部分26aを手前側に回転させる方向を逆回転方向とし、使用者が操作ハンドル26を逆回転方向に回転させるとき小洗浄動作を行い、使用者が操作ハンドル26の持ち手部分26aを奥側に回転させる方向を正回転方向とし、使用者が操作ハンドル26を正回転方向に回転させるとき大洗浄動作を行うように設定してもよい。
【0041】
回転軸82は、貯水タンク18の外側から内側まで貫通して延びるように形成され、貯水タンク18の左右方向に水平に配置されている。回転軸82は、貯水タンク18の外部において操作ハンドル26と嵌合され、貯水タンク18の内部において駆動ユニット84に接続され、駆動ユニット84内部に延びている。
この回転軸82は、その外周面上に台状に突出するように形成された第一掛かり部88と、第一掛かり部88よりも貯水タンク18の内側方向の位置における外周面上に台状に突出するように形成された第二掛かり部90と、を有している。
第一掛かり部88は、回転軸82が正回転する際に、突出した台状部分の正回転側側部88aが後述する第一内側突出部100bと当接し、回転軸82と第一回転歯車部材100とが連動して回転するように形成されている。
第二掛かり部90は、回転軸82が逆回転する際に、突出した台状部分の逆回転側側部90aが後述する第二内側突出部106bと当接し、回転軸82と第二回転歯車部材106とが連動して回転するように形成されている。
【0042】
操作ワイヤ28は、駆動ユニット84内部から排水弁装置24内部まで延びる可撓性のチューブ92の中を通され、駆動ユニット84内部に向けて開放されるチューブ92の一端から駆動ユニット84内部に延ばされている。操作ワイヤ28は、チューブ92内を摺動可能に配置されている。
【0043】
先ず、
図4乃至
図9を参照して、本発明の第1実施形態による操作装置30の駆動ユニット84について概略的に説明する。
本発明の第1実施形態による操作装置30の駆動ユニット84は、
図4に示すように、回転軸82の回転半径より大きな回転半径を有し、共通の回転方向Dco、dcoに沿って操作ワイヤ28を巻き上げる回転巻取機構94と、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のいずれの場合にも、回転巻取機構94の回転方向Dco、dcoが同じ所定の回転方向となるように回転軸82から回転巻取機構94に伝達される回転方向を変換する回転方向変換機構96と、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合における回転巻取機構94の回転角度が、いずれか他方の場合における回転巻取機構94の回転角度よりも小さくなるように、回転巻取機構94の回転角度を規制する規制機構98と、を有している。
【0044】
次に、
図4乃至
図14を参照して、本発明の第1実施形態による操作装置の駆動ユニットの回転巻取機構94、回転方向変換機構96、及び規制機構98を実現する構造について詳細に説明する。
図10(a)は本発明の第1実施形態による操作装置の第一回転歯車部材の斜視図であり、
図10(b)は本発明の第1実施形態による操作装置の第一回転歯車部材を軸方向から見た正面図であり、
図11(a)は本発明の第1実施形態による操作装置の回転巻取部材を軸方向から見た正面図であり、
図11(b)は本発明の第1実施形態による操作装置の回転巻取部材の斜視図であり、
図12(a)は本発明の第1実施形態による操作装置の第二回転歯車部材の斜視図であり、
図12(b)は本発明の第1実施形態による操作装置の第二回転歯車部材を軸方向から見た正面図であり、
図13は本発明の第1実施形態による操作装置の第三回転歯車部材の正面図であり、
図14(a)は本発明の第1実施形態による操作装置の回転当接部材の斜視図であり、
図14(b)は本発明の第1実施形態による操作装置の回転当接部材を軸方向から見た正面図であり、
図14(c)は本発明の第1実施形態による操作装置の回転当接部材の側面図である。
【0045】
駆動ユニット84は、回転方向変換機構96に組み込まれる第一回転歯車部材100と、回転巻取機構94、回転方向変換機構96及び規制機構98に組み込まれる回転巻取部材102と、回転巻取部材102が回転された場合に、回転巻取部材102を待機状態の位置に戻すように取付けられている戻りばね104と、回転方向変換機構96に組み込まれる第二回転歯車部材106と、回転方向変換機構96に組み込まれる第三回転歯車部材108と、回転方向変換機構96及び規制機構98に組み込まれる回転当接部材110と、これら第一回転歯車部材100、回転巻取部材102、戻りばね104、第二回転歯車部材106、第三回転歯車部材108及び回転当接部材110の外周側を覆うように貯水タンク18内方に向かって立ち上がる壁面状のカバー部材112と、カバー部材112に貯水タンク18内方側から蓋をするように組み合わさり、カバー部材112とともに駆動ユニット84の外周を形成するカバー蓋114とを備えている。
【0046】
本発明の第1実施形態による操作装置30は、貯水タンク18の右側側面18bに取付けられる操作装置であってもよい。本発明の第1実施形態による操作装置30を、貯水タンク18の右側側面18bに取付けられる操作装置として適用する場合には、操作装置30を、使用者が操作レバーを手前側に回転させる場合に大洗浄動作を行えるようにするために、操作装置の内部中心に対して前後反転して形成することができる。
【0047】
カバー部材112は、カバー部材112の上部に形成された第一ストッパー部112aと、カバー部材112の下部に形成された第二ストッパー部112bと、チューブ92を取付けるチューブ取付部112cと、第三回転歯車部材108を回転可能に支持する第三回転歯車部材軸112dと、回転巻取部材102を回転可能に支持する巻取部材軸112eと、を備えている。第二ストッパー部112bは、回転巻取部材102が待機位置から巻取り方向(上昇する方向)と逆に回転することを防ぐことができる。第二ストッパー部112bが回転巻取部材102が戻り回転をするときに、回転巻取部材102を待機位置に停止させるように配置されているので、回転巻取部材102の回転の初期位置を一定にさせることができる。
【0048】
第一回転歯車部材100は、円形のギヤを形成し、外周上に外歯が形成された第一歯車部100aと、内周面上に内側に向かって突出する第一内側突出部100bと、を備えている。第一回転歯車部材100は、回転軸82を中心とした回転をするように回転軸82に取付けられる。
第一回転歯車部材100の第一内側突出部100bは、
図16(a)に示すように、回転軸82が正回転をするときに回転巻取部材102を回転させたい場合には、回転軸82の第一掛かり部88に対して回転軸82の正回転側に配置されている。
【0049】
第一回転歯車部材100は、回転軸82の第1掛かり部88が回転し、この第一内側突出部100bと接して組み合う(引っ掛かる)状態となるときに、第1掛かり部88が第一内側突出部100bを第1掛かり部88の回転方向に押すように作用し、回転軸82と第一回転歯車部材100とが連動して同じ回転方向への回転を行うこととなる。
このように、第一回転歯車部材100は、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合、例えば回転軸82の回転方向が正回転方向である場合において、回転軸82と連動して正回転する。他方で、いずれか他方の場合、例えば回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合においては、回転軸82の第1掛かり部88が逆回転し、この第一内側突出部100bと接して組み合う(引っ掛かる)状態とならないので、回転軸82のみが回転し、第一回転歯車部材100は回転していない状態で維持されることとなる。従って、第一回転歯車部材100は、選択された正回転方向のみに回転軸82と連動して回転するように構成されている。
【0050】
回転巻取部材102は、自身の回転方向(巻取り方向)Dco、dcoに沿って操作ワイヤ28を巻き上げる部材である。この回転巻取部材102は、円周弧の約3分の1ほどの長さに形成され、自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き取るプーリー部102aと、円周弧の約3分の2ほどの長さの扇形に形成され、第一歯車部100aと噛み合うように外歯に形成された巻取部材歯車部102bと、プーリー部102a上の円周弧の上端に形成され且つ操作ワイヤ28をプーリー部102a上に沿わせるように取付ける取付部102cと、巻取部材軸112eより外側のプーリー部102aに設けられ、自身を回転させる力を受けることができる回転巻取部材受動部102dと、プーリー部102aの上端の一部を形成し且つ回転巻取部材102が第1の回転角度A1まで回転するとき第一ストッパー部112aと当接する第1規制部102eと、を備えている。
【0051】
回転巻取部材102は、巻取部材軸112eが中心部に挿入された状態で、巻取部材軸に取付けられ、巻取部材軸112eを中心として回転することができる。回転巻取部材102は、プーリー部102aと、巻取部材歯車部102bとが共通の巻取部材軸112eを有する一体の回転部材として形成されている。回転巻取部材102は、一体の回転部材として構成されるので、巻取部材歯車部102bの回転方向とプーリー部102aの回転方向とが同じ方向となる。
回転巻取部材102は、プーリー部102aの曲率半径(回転半径)が、巻取部材歯車部102bの曲率半径(回転半径)よりも大きく形成され、さらに、回転軸82の曲率半径(回転半径)よりも大きく形成されている。
【0052】
さらに、プーリー部102aには、外周に沿って半径方向内側に凹まされた溝部102fが形成されている。従って、操作ワイヤ28が溝部102f内に収められながら、プーリー部102aに沿って確実に巻き取られることが可能になる。
取付部102cは、プーリー部102aの外縁の上端において、操作ワイヤ28の駆動ユニット側端部28aを嵌合するように形成され、取付部102cは、溝部102fと連続して形成され、
図7に示すように、平面視で見て、回転巻取部材102の外側に向かうコの字形状の開口を形成している。従って、操作ワイヤ28の駆動ユニット側端部28aが取付部102cに嵌合して固定でき、且つ操作ワイヤ28をプーリー部102aに沿うように巻き上げること及び操作ワイヤ28をプーリー部102aの溝部から離れるように下方に巻き下ろすことが可能になっている。
【0053】
回転巻取部材受動部102dは、プーリー部102aの上面から立ち上がるように形成された壁状の面を有している。従って、回転当接部材110が巻取り方向に回転するとき、回転当接部材110の第1当接部110cが回転巻取部材受動部102dと当接して係合するようになっている。
【0054】
第1規制部102eは、プーリー部102aの上端の一部に形成され、プーリー部102aが巻取り方向に回転するとき、第一ストッパー部112aと当接するようになっている。第1規制部102eが第一ストッパー部112aと当接することにより、自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き上げる回転範囲が第1の回転範囲に規制される。
【0055】
戻りばね104は、回転巻取部材102とカバー部材112との間において巻取部材軸112eの外周外側に取付けられるコイル形状ばねである。この戻りばね104は、回転巻取部材102を、例えば
図15(b)に示すように、待機状態の位置から回転させた後に、回転巻取部材102を再び待機状態の位置に戻すように回転巻取部材102に戻り方向の力を作用させるようになっている。
戻りばね104は、回転巻取部材102の回転方向が同じ所定の回転方向となる回転方向変換機構96と合わせて用いられることにより、回転巻取部材の回転方向が2方向となる場合と比べても、回転巻取部材102を所定の待機位置に比較的精確に復帰させることができる。
【0056】
第二回転歯車部材106は、円形のギヤを形成し、外周上に外歯が形成された第二歯車部106aと、内周面上に内側に向かって突出する第二内側突出部106bと、を備えている。第二回転歯車部材106は、回転軸82を中心とした回転をするように回転軸82に取付けられている。本発明の第1実施形態におけるように回転軸82が逆回転をするときに第二回転歯車部材106を介して回転巻取部材102を回転させたい場合には、第二回転歯車部材106の第二内側突出部106bは、回転軸82の第二掛かり部90に対して回転軸の逆回転側に配置されている。これに対し、回転軸82が正回転をするときに第二回転歯車部材106を介して回転巻取部材102を回転させたい場合には、第二内側突出部106bは、回転軸82の第二掛かり部90に対して回転軸の正回転側に配置することができる。
【0057】
第二内側突出部106bは、第二回転歯車部材106が回転軸82に取付けられ、回転軸82の第二掛かり部90が逆回転し、この第二内側突出部106bと接して組み合う(引っ掛かる)状態となるときに、第二掛かり部90が第二内側突出部106bを第二掛かり部90の回転方向(逆回転方向)に押すように作用し、回転軸82と第二回転歯車部材106とが連動して同じ回転方向への回転を行うこととなる。このように、第二回転歯車部材106は、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合、例えば回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合において、回転軸82と連動して回転するように回転軸82に取付けられている。
他方で、第二回転歯車部材106は、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか他方の場合、例えば回転軸82の回転方向が正回転方向である場合においては、回転軸82の第二掛かり部90が正回転し、この第二内側突出部106bと接して組み合う(引っ掛かる)状態とならないので、回転軸82のみが空回転し、第二回転歯車部材106は回転していない状態で維持されることとなる。
従って、第二回転歯車部材106は、逆回転方向のみに回転軸82と連動して回転するように構成されている。
【0058】
第三回転歯車部材108は、外歯が形成された第三歯車部108aを備え、この第三歯車部108aが第二歯車部106aと係合し、第三回転歯車部材軸112dを中心として回転するようになっている。第三回転歯車部材108は、第三回転歯車部材軸112dに取付けられ、第三回転歯車部材軸112dを中心として回転することができる。第三回転歯車部材108の第三歯車部108aの回転方向は、第二歯車部106aの回転方向と逆の方向となる。
【0059】
回転当接部材110は、外周の約4分の3ほどの長さにわたる円弧上に形成され、第三歯車部108aと噛み合うように外歯に形成された当接部材歯車部110aと、
外周の約4分の1ほどの長さにわたる円弧領域中に形成された回転当接部110bと、を備えている。
さらに、この回転当接部110bには、自身の回転方向と同じ方向に回転巻取部材102を回転させるように、回転巻取部材102の回転巻取部材受動部102dと当接する第1当接部110cと、
自身が第1の回転角度A1よりも小さい第2の回転角度A2まで回転するとき第一ストッパー部112aと当接する第2規制部110dとが形成されている。
回転当接部材110は、回転巻取部材102の上方に配置され、巻取部材軸112eが中心部に挿入された状態で、巻取部材軸112eに取付けられ、巻取部材軸112eを中心として回転することができる。回転当接部材110は、当接部材歯車部110aと、第1当接部110cと、第2規制部110dとが共通の巻取部材軸112eを有する一体の回転部材として形成されている。回転当接部材110は、一体の回転部材として構成されるので、当接部材歯車部110aの回転方向と回転当接部110bの回転方向とが同じ方向となる。
【0060】
当接部材歯車部110aは、円形から切り欠いたような切り欠け形状(扇形形状又は一部円形状)のギヤを形成している
第1当接部110cは、巻取部材軸112eから第1当接部110cまでの半径が、回転巻取部材102上における巻取部材軸112eから回転巻取部材受動部102dまでの半径とほぼ同じになる部分を有するように形成され、さらに、回転当接部102から巻取部材軸112eの貯水タンク外側方向(回転巻取部材の向かう方向)に突出するように形成されている。従って、詳細は後述する
図21に示すように、第1当接部110cは、回転当接部材110が正回転するとき回転巻取部材受動部102dに当接して、回転巻取部材受動部102dを引掛けるようにして回転巻取部材102を正回転させるようになっている。
【0061】
第2規制部110dは、回転当接部材110の上端の上端壁面を形成し、この上端壁面が、上述のように回転当接部材110が回転巻取部材102とともに連動して正回転する場合に、回転巻取部材102の上端の第1規制部102eよりも回転の前方側に突出した状態となる。すなわち、第2規制部110dは、回転当接部材110と回転巻取部材102とが組み合った状態で、第1規制部102eよりもさらに回転方向前方側の規制部を形成する。従って、回転当接部材110が回転巻取部材102とともに連動して正回転する場合、第2規制部110dが、第一ストッパー部112aと当接し、回転当接部材110及び回転巻取部材102の回転が停止及び規制される。従って、回転巻取部材102の回転範囲を規制することにより、操作ワイヤ28が移動する大きさの範囲を規制している。
【0062】
なお、駆動ユニット84は上述の歯車部材の組合せのみならず、他の歯車部材又は他の機構と組合わせることにより回転巻取部材102を同一の回転方向Dco、dcoに回転させるものも含んでいる。
【0063】
第一回転歯車部材100及び回転巻取部材102は、操作ハンドル26の回転角度に対して回転巻取部材102の回転角度を増加させる増速機構に組み込まれることができる。増速機構においては、第一歯車部100aと巻取部材歯車部102bとのギヤ比(ギヤの歯数の比)が、操作ハンドル26により回転される回転軸82及び第一回転歯車部材100の回転角度に対して、回転巻取部材102の回転角度を増加させるように形成されている。
また、第二回転歯車部材106、第三回転歯車部材108、回転当接部材110及び回転巻取部材102は、操作ハンドル26の回転角度に対して回転巻取部材102の回転角度を増加させる増速機構に組み込まれることができる。増速機構においては、第二歯車部106aと巻取部材歯車部102bとのギヤ比(ギヤの歯数の比)が、操作ハンドル26により回転される回転軸82及び第二回転歯車部材106の回転角度に対して、回転巻取部材102の回転角度を増加させるように形成されている。
【0064】
逆に、第一回転歯車部材100及び回転巻取部材102は、操作ハンドル26の回転角度に対して回転巻取部材102の回転角度を減少させる減速機構に組み込まれることができる。減速機構においては、第一歯車部100aと巻取部材歯車部102bとのギヤ比(ギヤの歯数の比)が、操作ハンドル26により回転される回転軸82及び第一回転歯車部材100の回転角度に対して、回転巻取部材102の回転角度を減少させるように形成されている。
また、第二回転歯車部材106、第三回転歯車部材108、回転当接部材110及び回転巻取部材102は、操作ハンドル26の回転角度に対して回転巻取部材102の回転角度を減少させる減速機構に組み込まれることができる。減速機構においては、第二歯車部106aと巻取部材歯車部102bとのギヤ比(ギヤの歯数の比)が、操作ハンドル26により回転される回転軸82及び第二回転歯車部材106の回転角度に対して、回転巻取部材102の回転角度を減少させるように形成されている。
【0065】
駆動ユニット84は、回転巻取部材102の巻取部材軸112eが、回転軸82とは別軸に構成されているので、上述のように、第一回転歯車部材100及び回転巻取部材102を増速機構又は減速機構に組み込むことができ、さらに、第二回転歯車部材106、第三回転歯車部材108、回転当接部材110及び回転巻取部材102を増速機構又は減速機構に組み込むことができる。従って、操作ハンドル26を正回転、またはその逆回転のいずれの回転方向に回転させた場合も、駆動ユニット84は、増速機構又は減速機構のいずれかの機構を備えることができるようになっている。
【0066】
つぎに、
図15〜
図18を参照して、本発明の第1実施形態による操作装置の動作(作用)を説明する。
先ず、
図15〜
図18により、本発明の第1実施形態による操作装置を備えた貯水タンク装置及びこの貯水タンク装置が適用された水洗大便器により実行される大洗浄モードについて説明する。
【0067】
図15(a)に示すように、使用者が操作ハンドル26の操作を開始する前の待機状態においては、操作ハンドル26は鉛直方向下方に延びる待機位置にあり、
図3及び
図15(a)に示すように、駆動ユニット84は、回転巻取部材102が待機位置(初期位置)にあり、操作ワイヤ28に連結された弁体56が排水口46を閉止している状態となっている。このとき貯水タンク18内の初期水位が満水水位WL(
図3)となっている。
【0068】
図15(a)に示す待機状態において、使用者が大洗浄操作を開始させるとき、使用者は操作ハンドル26の待機状態から操作ハンドル26の持ち手部分26aを手前に引き上げるように正回転方向D0に回転させる。操作ハンドル26が正回転されると、操作ハンドル26に連結された回転軸82が正回転される。
図16(a)及び(b)に示すように、回転軸82が回転方向D0で正回転するとき、回転軸82の第一掛かり部88が第一回転歯車部材100の第一内側突出部100bに係合し、回転軸82と第一回転歯車部材100とが連動して回転方向D0で正回転する。第一歯車部100aと噛み合う巻取部材歯車部102bは、第一歯車部100aと逆回転で回転する。従って、回転巻取部材102は、回転軸82の正回転方向D0の回転に対し、逆回転方向D1(=Dco)の回転動作を行う。この逆回転方向D1が共通の回転方向Dcoとなる。以下説明するように、回転巻取部材102は、操作ハンドル26の回転方向によらず、常に同一且つ共通の回転方向(巻取り方向)Dcoに操作ワイヤ28の巻取りを行うようになっている。
【0069】
このように回転軸82が正回転するとき、
図18(a)及び(b)に示すように、回転軸82の第二掛かり部90は第二回転歯車部材106の第二内側突出部106bと係合せずに空回転する。よって、
図17(b)及び
図18(b)等に示すように、第二回転歯車部材106は回転されず、第二回転歯車部材106と噛み合う第三回転歯車部材108も回転せず、第三回転歯車部材108と噛み合う回転当接部材110も回転せずに待機位置で停止したまま維持されている。このとき回転当接部材110は回転巻取部材102に作用せず、回転巻取部材102が回転当接部材110とは独立して回転方向Dcoに巻取り動作を行っている。
【0070】
回転巻取部材102が回転方向Dcoに回転するに伴い、プーリー部102aは、取付部102cに取付けられた操作ワイヤ28を巻き上げるように回転方向Dcoの方向に上昇回転する。操作ワイヤ28の駆動ユニット側端部28aはプーリー部102aの外周に沿った溝部102fに沿って引き上げられ、操作ワイヤ28を介して排水弁側端部28bに物理的に連結された弁体56が引き上げられ貯水タンク18からの排水動作が行われる。
【0071】
図16(b)及び
図17(b)等に示すように、プーリー部102aの回転は、第1規制部102eが第一ストッパー部112aと当接することにより規制され、停止される。すなわち、プーリー部102aは、第1の回転範囲に対応する第1の回転角度A1まで回転され、プーリー部102aの回転角度によって決まる操作ワイヤ28の引き上げ量は比較的大きく設定されている。従って、排水弁装置24の弁体56の引き上げ高さも比較的高い位置h1になり、貯水タンク18から便器に供給される洗浄水の量が比較的大容量となる大洗浄モードの洗浄動作を行う。
このように、排水弁装置24の弁体56を操作ワイヤ28によって直接引き上げる場合には、操作ワイヤ28の引き上げ量がばらつく場合、貯水タンク18から排水される洗浄水量がばらついてしまうので、操作ワイヤ28の引き上げ量を正確に規定することが必要となる。本発明においては、回転巻取部材102の巻取り方向Dco、dcoを常に同一方向にすることにより、回転巻取部材102の待機位置(初期位置)への戻りを比較的精確にすることができ、各洗浄動作ごとの回転巻取部材102の回転量のばらつきを低減し、操作ワイヤ28の引き上げ量のばらつきを低減し、操作ワイヤ28の引き上げ量の比較的精確な制御を可能にした。
また、第一ストッパー部112aと第二ストッパー部212bにより回転巻取部材102の回転量のばらつきを抑制できている。
【0072】
使用者が操作ハンドル26から手を放すと、回転巻取部材102は戻りばねにより元の待機状態に戻るように戻り回転する。回転巻取部材102が戻り回転すると第一回転歯車部材100が同様に戻り回転して操作ハンドル26が元の待機状態に戻る。回転巻取部材102が元の待機状態に戻り、操作ワイヤ28に接続された弁体56が排水口46を閉止すると排水弁装置24の排水動作が終了し、所定の給水動作を行って、貯水タンク18内に満水水位WLまで給水して、使用者が操作ハンドル26を操作する前の待機状態に戻る。
【0073】
つぎに、
図19〜
図22により、本発明の第1実施形態による操作装置を備えた貯水タンク装置及びこの洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器により実行される小洗浄モードについて説明する。
図19(a)に示されるような使用者が小洗浄モードの洗浄を行わせる操作ハンドル26の操作を開始する前の待機状態における洗浄水タンク装置16及び駆動ユニット84の状態おいては、上述した
図15(a)に示されている大洗浄モードの場合と同様であるため、説明は省略する。
【0074】
図19(a)に示す待機状態において、使用者が小洗浄モードによる排水を行う手動操作を開始させるとき、使用者は操作ハンドル26の待機状態から操作ハンドル26の持ち手部分26aを便器本体2の奥側に引き上げる(押し込む)ように逆回転させる。操作ハンドル26が回転方向d0の方向に逆回転されると、操作ハンドル26に連結された回転軸82が逆回転される。
図22(a)(b)に示すように、回転軸82が逆回転するとき、回転軸82の第二掛かり部90が第二回転歯車部材106の第二内側突出部106bに係合し、回転軸82と第二回転歯車部材106とが連動して回転方向d0の方向に逆回転する。第二回転歯車部材106の第二歯車部106aと噛み合う第三回転歯車部材108の第三歯車部108aは、第二歯車部106aと逆の回転で回転方向d1に回転する。さらに、第三回転歯車部材108の第三歯車部108aと噛み合う回転当接部材110の当接部材歯車部110aは、第三歯車部108aと逆の回転で回転方向d0に回転する。このように小洗浄モードの場合に、大洗浄モードの場合と比べて、回転を伝達する歯車の数を異ならせることで回転当接部材110及び回転巻取部材102の回転方向を大洗浄モードの場合と同一にすることができる。
従って、回転当接部材110は、回転軸82の逆回転方向の回転に対し、第二回転歯車部材106、第三回転歯車部材108及び回転当接部材110により回転方向を変換した結果、同様の逆回転方向d0(=dco)の回転動作を行う。
回転当接部材110が逆回転方向に回転するとき、回転当接部材110の第1当接部110cは、回転巻取部材102の回転巻取部材受動部102dと当接して係合した状態となり、回転当接部材110が回転巻取部材102とともに連動して逆回転する。このように、回転巻取部材102は、操作ハンドル26の回転方向によらず、常に同一且つ共通の逆回転方向(巻取り方向)Dco、dcoに操作ワイヤ28の巻取りを行うようになっている。
【0075】
図20(a)及び
図20(b)に示すように、回転軸82が逆回転するとき、回転軸82の第一掛かり部88は第一回転歯車部材100の第一内側突出部100bと係合せずに空回転する。よって、
図20(b)に示すように、第二回転歯車部材106は回転軸82によっては回転されない。しかしながら、回転巻取部材102が、第二回転歯車部材106、第三回転歯車部材108及び回転当接部材110により逆回転方向に回転される結果、巻取部材歯車部102bと噛み合う第一歯車部100aも回転されることとなる。但し、この場合においても、第一掛かり部88は第一内側突出部100bと係合しないようになっている。
【0076】
回転巻取部材102が逆回転方向dco(=d0)に回転するに伴い、プーリー部102aは、取付部102cに取付けられた操作ワイヤ28を巻き上げるように上昇回転する。操作ワイヤ28の駆動ユニット側端部28aはプーリー部102aの外周に沿った溝部102fに沿って引き上げられ、操作ワイヤ28を介して排水弁側端部28bに物理的に連結された弁体56が引き上げられ貯水タンク18からの排水動作が行われる。
【0077】
図22(b)に示すように、プーリー部102aの回転は、回転当接部110bの第2規制部110dが第一ストッパー部112aと当接することにより規制され、停止される。すなわち、プーリー部102aは、第2の回転範囲に対応する第2の回転角度A2まで回転され、プーリー部102aの回転角度によって決まる操作ワイヤ28の引き上げ量は比較的小さく設定されている。第2の回転角度A2は、第1の回転角度A1よりも小さくされている。従って、排水弁装置24の弁体56の引き上げ高さも比較的低い位置h2になり、貯水タンク18から便器に供給される洗浄水の量が比較的小量に抑えられている小洗浄モードの洗浄動作を行う。
【0078】
使用者が操作ハンドル26から手を放して操作ハンドル26が元の待機状態に戻ると、回転巻取部材102は戻りばね104により元の待機状態に戻るように戻り回転する。回転巻取部材102が元の待機状態に戻り、操作ワイヤ28に接続された弁体56が排水口46を閉止すると排水弁装置24の排水動作が終了し、所定の給水動作を行って、貯水タンク18内に満水水位WLまで給水して、使用者が操作ハンドル26を操作する前の待機状態に戻る。
【0079】
上述した本発明の第1実施形態による操作装置30によれば、使用者が正回転、またはその逆回転の回転操作を選択することにより大洗浄、または小洗浄を選択することができる操作ハンドル26を操作し、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のいずれの場合にも、回転方向変換機構96が、回転巻取機構94の回転方向が同じ所定の回転方向Dco、dcoとなるように回転軸82から回転巻取機構94に伝達される回転方向を変換することができる。従って、回転巻取機構94が自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き上げる巻き上げ量のばらつきを抑制することができ、弁体56を適切に作動させ、適切な洗浄水量により便器を洗浄させることができる。
また、使用者が操作ハンドル26を正回転、またはその逆回転の回転操作を選択して操作するだけで、規制機構98が、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合における回転巻取機構94の回転角度A1が、いずれか他方の場合における回転巻取機構94の回転角度A2よりも小さくなるように、回転巻取機構94の回転角度を規制することができる。よって、回転巻取機構94が自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き上げる量を適切に変更することができる。従って、使用者が操作ハンドル26の正回転またはその逆回転の回転操作を選択するだけで、簡単に大洗浄、または小洗浄を選択して、弁体56を適切に作動させ、適切な洗浄水量により便器を洗浄させることができ、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0080】
また、本発明の第1実施形態による操作装置30によれば、使用者が正回転、またはその逆回転の回転操作を選択することにより大洗浄、または小洗浄を選択することができる操作ハンドル26を操作し、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のいずれの場合にも、駆動ユニット84の回転方向変換機構96が、回転巻取部材94の回転方向が同じ所定の回転方向Dco、dcoとなるように回転軸82から回転巻取部材94に伝達される回転方向を変換することができる。
すなわち、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合においては、第一回転歯車部材100は、回転軸82と連動して同じ方向に回転する。第一回転歯車部材100の第一歯車部100aは、巻取部材歯車部102bと係合し、回転巻取部材102は、回転軸82の回転方向と逆の方向に回転する。このようにして、回転巻取部材102は、回転軸82の回転方向と逆の方向の回転により操作ワイヤ28を巻き上げることができる。
一方、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか他方の場合においては、第二回転歯車部材106が、回転軸82と連動して同じ方向に回転する。第二回転歯車部材106の第二歯車部106aは、第三回転歯車部材108の第三歯車部108aと係合しながら回転し、第三回転歯車部材108は、第二回転歯車部材106の回転方向と逆の方向に回転する。さらに、第三回転歯車部材108の第三歯車部108aは、回転当接部材110の当接部材歯車部110aと係合しながら回転し、回転当接部材110は、第三回転歯車部材108の回転方向と逆の方向に回転する。回転当接部材110の第1当接部110cは、回転巻取部材102の回転巻取部材受動部102dと係合し、回転当接部材110の回転方向と同じ方向に回転巻取部材102を回転させる。よって、回転巻取部材102は、回転軸82の回転方向と同じ回転方向に回転する。このようにして、回転巻取部材102は、回転軸82の回転方向と同じ回転方向の回転により操作ワイヤ28を巻き上げることができる。
従って、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のいずれの場合にも、回転方向変換機構96が、回転巻取部材102の回転方向が同じ所定の回転方向となるように回転軸82から回転巻取部材102に伝達される回転方向を変換することができ、比較的簡易な構造により、回転巻取部材102の回転方向を同一にすることができる。
従って、使用者が操作ハンドル26を正回転、またはその逆回転のいずれの方向に操作した場合にも、回転巻取部材102が自身の回転方向に沿って適切に操作ワイヤ28を巻き上げることができ、弁体56を適切に作動させることができる。
【0081】
さらに、本発明の第1実施形態による操作装置30によれば、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合においては、第一回転歯車部材100が、回転軸82と連動して回転する。第一回転歯車部材100の第一歯車部100aは、巻取部材歯車部102bと係合し、回転巻取部材102が回転する。このとき、第二回転歯車部材106は回転せずに当初の位置に維持された状態であるため、回転当接部材110も当初の位置に維持された状態のままである。回転巻取部材102が第1の回転角度A1まで回転するとき、第1規制部102eがカバー部材112の第一ストッパー部112aと当接し、回転巻取部材102が操作ワイヤ28を巻き上げる回転範囲が第1の回転範囲に規制される。
また、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか他方の場合においては、第二回転歯車部材106が、回転軸82と連動して回転する。第二回転歯車部材106の第二歯車部106aは、第三回転歯車部材108の第三歯車部108aと係合しながら回転し、第三回転歯車部材108が回転する。さらに、第三回転歯車部材108の第三歯車部108aは、回転当接部材110の当接部材歯車部110aと係合しながら回転し、回転当接部材110が回転する。このとき、回転当接部材110の第1当接部110cは、回転巻取部材102の回転巻取部材受動部102dと係合し、回転当接部材110の回転方向と同じ方向に回転巻取部材102を連動して回転させる。回転当接部材110及び回転巻取部材102が第2の回転角度A2まで回転するとき、回転当接部材110の第2規制部110dがカバー部材112の第一ストッパー部112aと当接し、回転巻取部材102が操作ワイヤ28を巻き上げる回転範囲が第1の回転範囲よりも小さい第2の回転範囲に規制される。
従って、使用者が操作ハンドル26を正回転、またはその逆回転の回転操作を選択して操作するだけで、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合における回転巻取部材102の回転角度に対して、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸82の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか他方の場合における回転巻取部材102の回転角度が小さくなるように、駆動ユニット84の規制機構98が、回転巻取部材102の回転範囲を規制することができる。よって、回転巻取部材102が自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き上げる量を適切に変更することができる。従って、使用者が操作ハンドル26の正回転またはその逆回転の回転操作を選択するだけで、簡単に大洗浄、または小洗浄を選択することができ、使用者の使い勝手が向上する。
【0082】
また、本発明の第1実施形態による操作装置30によれば、回転巻取部材102を所定の回転角度まで回転させるために必要な回転軸82の回転角度を低減させることができ、この回転軸82を回転させる操作ハンドル26の回転角度を低減することができる。したがって、使用者が操作ハンドル26を大きく回転させる必要がなくなるので、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0083】
さらに、本発明の第1実施形態による操作装置30によれば、回転巻取部材102を所定の回転角度まで回転させるために必要な回転軸82の回転に必要な操作力を低減させることができ、操作ハンドル26の回転操作に必要な操作力を低減することができる。したがって、使用者が操作ハンドル26を比較的小さな操作力で回転させることができるので、使用者が操作ハンドル26を容易に操作することができる。
【0084】
また、本発明の第1実施形態による操作装置30によれば、戻りばね104が使用者の回転操作後に回転巻取部材102を所定の待機位置に復帰させるため、弁体56を開弁したままの状態になることがない。また、回転巻取部材102の回転方向が同じ所定の回転方向となる回転方向変換機構96と合わせて用いられることにより、戻りばね104が回転巻取部材102を所定の待機位置に比較的精確に復帰させることができる。よって、次回の使用者の回転操作時に、適切に洗浄動作を行うことができる。
【0085】
また、本発明の第1実施形態による操作装置30によれば、操作ハンドル26を正回転、またはその逆回転のいずれの回転方向に回転させた場合も、増速機構又は減速機構のいずれかの機構を備えることができ、使用者の使い勝手が向上する。
【0086】
また、本発明の第1実施形態による操作装置30によれば、回転巻取機構94の回転の軸が回転軸82と同軸に構成されているので、駆動ユニット84全体をコンパクトに構成することができる。
【0087】
また、本発明は、上記操作装置30を備えたことと特徴とする洗浄水タンク装置16である。
このように構成された本発明においては、操作装置30を備えた洗浄水タンク装置16を提供することができる。
【0088】
また、本発明は、上記洗浄水タンク装置16を備えたことを特徴とする水洗大便器1である。
このように構成された本発明においては、操作装置30を備えた洗浄水タンク装置16を備えている水洗大便器1を提供することができる。
【0089】
つぎに、
図23乃至
図27を参照して、本発明の第2実施形態による操作装置について説明する。
図23は本発明の第2実施形態による操作装置を示す分解斜視図であり、
図24は本発明の第2実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外し、駆動ユニットの内部構造を、駆動ユニットの第二回転歯車部材、第三回転歯車部材、第五回転歯車部材及び回転当接部材における外歯に形成された歯車を簡略化した表示方法により図示している斜視図であり、
図25は本発明の第2実施形態による操作装置において、カバー蓋を取り外し、駆動ユニットの内部構造を、駆動ユニットの第二回転歯車部材、第三回転歯車部材、第五回転歯車部材及び回転当接部材における外歯に形成された歯車を簡略化した表示方法により図示し、上方から見た側面図であり、
図26は本発明の第2実施形態による操作装置において、駆動ユニットにおける第二回転歯車部材、第三回転歯車部材、第五回転歯車部材、回転当接部材及び回転巻取部材の位置関係を示す概略図である。
図27(a)は本発明の第2実施形態による操作装置の回転軸の斜視図であり、
図27(b)は本発明の第2実施形態による操作装置の回転軸を貯水タンク内側から軸方向に沿って見た正面図である。
なお、本発明の第2実施形態における各図において、上述した本発明の第1実施形態による操作装置の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明は省略する。なお、本発明の第2実施形態においては、図面の簡略化の目的で、JIS等の規定に基づき、各歯車部の外歯の形状を簡略化して、これらの全部又は一部を外形の円又は円弧等の線により概略で示している。
以下、本発明の第2実施形態による操作装置が、上述した本発明の第1実施形態による操作装置と異なる部分を説明し、上述した本発明の第1実施形態による操作装置の部分と同一部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。本発明の第2実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置及びその洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器については、本発明の第1実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置及びその洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器と同一であるので、これらの説明は省略する。
【0090】
本発明の第2実施形態による操作装置230は、使用者によって2つの回転方向に操作される操作装置である。本発明の操作装置30は、便器前方から見て貯水タンク18の左側側面18aに配置され且つ使用者が正回転、またはその逆回転の回転操作を選択することにより大洗浄、または小洗浄を選択することができる操作ハンドル226と、貯水タンク18の外側に配置された操作ハンドル226の回転を貯水タンク18の内側まで伝達するように形成され、この操作ハンドル226の回転操作により正回転方向またはその逆回転方向に回転される回転軸282と、貯水タンク18の内側に配置され、回転軸282及び操作ワイヤ28に連結されて、回転軸282の回転動作を受けて操作ワイヤ28を引き上げる動作を行う駆動ユニット284と、を有している。
【0091】
なお、本発明の第2実施形態においては、第1実施形態とは異なり、
図24に示すように、使用者が操作ハンドル226の持ち手部分26aを奥側に回転させる方向を正回転方向D0とし、使用者が操作ハンドル226を正回転方向D0に回転させるとき大洗浄動作を行い、使用者が操作ハンドル226の持ち手部分26aを手前側に回転させる方向を逆回転方向d0とし、使用者が操作ハンドル226を逆回転方向d0に回転させるとき小洗浄動作を行うように設定している。操作ハンドルの正回転方向及び逆回転方向は自由に変更することが可能であり、本発明は、使用者が操作ハンドルの持ち手部分を手前側に回転させる方向を正回転方向とし、使用者が操作ハンドルを正回転方向に回転させるとき小洗浄動作を行い、使用者が操作ハンドルの持ち手部分を奥側に回転させる方向を逆回転方向とし、使用者が操作ハンドルを逆回転方向に回転させるとき大洗浄動作を行うように設定してもよい。
なお、操作ハンドル226は、貯水タンク18の右側側面に取付けられる右側操作ハンドルであってもよい。
【0092】
回転軸282は、外周面上から半径方向外側に突出し、一定の厚みを有する扇形形状に形成されている第一掛かり部283を有している。
第一掛かり部283は、回転軸282が正回転する際に、突出した扇形形状部分の正回転側側部283aが後述する回転巻取部材受動部202dと当接し、回転軸282と回転巻取部材202とが連動して回転するように形成されている。また、第一掛かり部283は、回転軸282が逆回転する際に、突出した扇形形状部分の逆回転側側部283bが後述する第二回転歯車受動部206bと当接し、回転軸282と第二回転歯車部材206とが連動して回転するように形成されている。
【0093】
先ず、
図23乃至
図27を参照して、本発明の第2実施形態による操作装置230の駆動ユニット284について概略的に説明する。
本発明の第2実施形態による操作装置230の駆動ユニット284は、回転軸282の回転半径より大きな回転半径を有し、共通の回転方向Dco、dco(
図33(b))に沿って操作ワイヤ28を巻き上げる回転巻取機構294と、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のいずれの場合にも、回転巻取機構294の回転方向が同じ所定の回転方向Dco、dcoとなるように回転軸282から回転巻取機構294に伝達される回転方向を変換する回転方向変換機構296と、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合における回転巻取機構294の回転角度が、いずれか他方の場合における回転巻取機構294の回転角度よりも小さくなるように、回転巻取機構294の回転角度を規制する規制機構298と、を有している。
【0094】
次に、
図23乃至
図32を参照して、本発明の第2実施形態による操作装置230の駆動ユニット284の回転巻取機構294、回転方向変換機構296、及び規制機構298を実現する構造について詳細に説明する。
図28(a)は本発明の第2実施形態による操作装置の回転巻取部材の斜視図であり、
図28(b)は本発明の第2実施形態による操作装置の回転巻取部材を貯水タンク内側から軸方向に沿って見た正面図であり、
図29(a)は本発明の第2実施形態による操作装置の第二回転歯車部材の斜視図であり、
図29(b)は本発明の第2実施形態による操作装置の第二回転歯車部材を貯水タンク外側から軸方向に沿って見た正面図であり、
図30(a)は本発明の第2実施形態による操作装置の第三回転歯車部材の斜視図であり、
図30(b)は本発明の第2実施形態による操作装置の第三回転歯車部材を貯水タンク内側から軸方向に沿って見た正面図であり、
図31は本発明の第2実施形態による操作装置の第五回転歯車部材の正面図であり、
図32(a)は本発明の第2実施形態による操作装置の第五回転歯車部材の斜視図であり、
図32(b)は本発明の第2実施形態による操作装置の第五回転歯車部材を貯水タンク外側から軸方向に沿って見た正面図である。
【0095】
駆動ユニット284は、回転巻取機構294、回転方向変換機構296及び規制機構298に組み込まれる回転巻取部材202と、回転巻取部材202が回転された場合に、回転巻取部材202を待機状態の位置に戻すように取付けられている戻りばね104と、回転方向変換機構296に組み込まれる第二回転歯車部材206と、回転方向変換機構296に組み込まれる第三回転歯車部材208と、回転方向変換機構296に組み込まれる第五回転歯車部材209と、回転方向変換機構296及び規制機構298に組み込まれる回転当接部材210と、これら回転巻取部材202、第二回転歯車部材206、第三回転歯車部材208、第五回転歯車部材209及び回転当接部材210の外周側を覆うように貯水タンク18内方に向かって立ち上がる壁面形状の第一ストッパー部212aを備えたカバー部材212と、カバー部材212に貯水タンク18内方側から蓋をするように組み合わさり、カバー部材212とともに駆動ユニット284の外周を形成するカバー蓋214とを備えている。
【0096】
本発明の第2実施形態による操作装置230は、使用者が主に左手によって操作しやすいように貯水タンク18の左側側面18aに取付けられる操作装置であるが、使用者が主に右手によって操作しやすいように貯水タンク18の右側側面18bに取付けられる操作装置であってもよい。本発明の第2実施形態による操作装置230を、貯水タンク18の右側側面18bに取付けられる右手操作用の操作装置として適用する場合には、操作装置230を、使用者が操作レバーを奥側に回転させる場合に大洗浄動作を行えるようにするために、操作装置の中心に対して左右反転した構造により形成することができる。
【0097】
カバー部材212は、カバー部材212の上部に形成された第一ストッパー部212aと、カバー部材212の下部に形成された第二ストッパー部212bと、第三回転歯車部材208を回転可能に支持する第三回転歯車部材軸212dと、第五回転歯車部材209を回転可能に支持する第五回転歯車部材軸212fと、を備えている。第二ストッパー部212bは、回転巻取部材202が待機位置から巻取り方向(上昇する方向)と逆に回転することを防ぐことができる。第二ストッパー部212bが回転巻取部材202が戻る回転をするときに、回転巻取部材202を待機位置に停止させるように配置されているので、回転巻取部材202の回転の初期位置を一定にさせることができる。
【0098】
回転巻取部材202は、プーリー部において回転軸より外側且つ外周よりも内側に設けられ、自身を回転させる力を受けることができる回転巻取部材受動部202dと、プーリー部202aの上端の一部を形成し且つ回転巻取部材202が第1の回転角度A1まで回転するとき第一ストッパー部212aと当接する第1規制部202eと、を備えている。駆動ユニット284は、回転巻取部材202が自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き上げるためにその一定の回転半径及び回転範囲を含む大きさに形成されるが、この回転巻取部材202の回転の軸が回転軸282と同軸に構成されているので、自身の回転の軸が回転軸282と別軸に構成されている場合と比べて、駆動ユニット284全体をコンパクトに構成することができ、さらに、回転巻取部材202の半径を比較的大きく形成することができる。
【0099】
回転軸282の第1掛かり部283が回転し、回転巻取部材受動部202dと接して組み合う(引っ掛かる)状態となるときに、第1掛かり部283が回転巻取部材受動部202dを第1掛かり部283の回転方向に押すように作用し、回転軸282と回転巻取部材202とが連動して同じ回転方向への回転を行うこととなる。
このように、回転巻取部材202は、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合、例えば回転軸282の回転方向が正回転方向である場合において、回転軸282と連動して正回転する。他方で、回転巻取部材202は、回転軸82の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか他方の場合、例えば回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合においては、回転軸282の第1掛かり部283が逆回転し、回転巻取部材受動部202dと接して組み合う(引っ掛かる)状態とならないので、回転軸282が回転することに対し、回転巻取部材202は直接回転されない(後述するように、回転巻取部材202は回転当接部材210等により回転されることとなる)。
【0100】
回転巻取部材受動部202dは、は、プーリー部102aの巻取り方向の上端からプーリー部102aの内側(回転軸282の軸方向に沿った貯水タンク内側)に向かって一定の高さまで立ち上がるように形成された突出部を形成している。また、回転当接部材210が巻取り方向に回転するとき、回転当接部材210の第1当接部210cが回転巻取部材受動部202dと当接して係合するようになっている。
【0101】
第1規制部202eは、プーリー部102aの上端の一部に形成され、プーリー部102aが巻取り方向に回転するとき、第一ストッパー部212aと当接するようになっている。第1規制部202eが第一ストッパー部212aと当接することにより、自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き上げる回転範囲が第1の回転範囲に規制される。
【0102】
第1規制部202eは、プーリー部102aの巻取り方向の前端を形成する扇形突出部を形成し、この扇形突出部は、プーリー部102aの内側面より高い高さに形成され、プーリー部102aが巻取り方向に回転するとき、第一ストッパー部212aと当接するようになっている。第1規制部202eが第一ストッパー部212aと当接することにより、自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き上げる回転範囲が第1の回転範囲に規制される。
【0103】
戻りばね104は、回転巻取部材202の回転方向が同じ所定の回転方向となる回転方向変換機構296と合わせて用いられることにより、回転巻取部材の回転方向が2方向となる場合と比べても、回転巻取部材202を所定の待機位置に比較的精確に戻すことができる。
【0104】
第二回転歯車部材206は、円形のギヤを形成し、外周上に外歯が形成された第二歯車部206aと、駆動ユニット284に取付けられた状態で、回転軸282の第一掛かり部283の逆回転側の近傍領域に向かって突出する第二回転歯車受動部206bと、を備えている。第二回転歯車部材206は、回転軸282を中心として回転するようになっている。第二回転歯車部材206の第二回転歯車受動部206bは、回転軸282の第一掛かり部283に対して回転軸の逆回転側に配置されている。
第二回転歯車部材206が回転軸282に取付けられ、回転軸の第一掛かり部283が逆回転し、この第二回転歯車受動部206bと接して組み合う(引っ掛かる)状態となるときに、第一掛かり部283が第二回転歯車受動部206bを第一掛かり部283の回転方向(逆回転方向)に押すように作用し、回転軸282と第二回転歯車部材206とが連動して同じ回転方向への回転を行うこととなる。このように、第二回転歯車部材206は、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合、例えば回転軸の回転方向が逆回転方向である場合において、回転軸282と連動して回転するように回転軸282に取付けられている。
他方で、第二回転歯車部材206は、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか他方の場合、例えば回転軸282の回転方向が正回転方向である場合においては、回転軸282の第一掛かり部283が正回転し、この第二回転歯車受動部206bと接して組み合う(引っ掛かる)状態とならないので、回転軸282のみが正回転し、第二回転歯車部材206は回転していない状態で維持されることとなる。
従って、第二回転歯車部材206は、逆回転方向のみに回転軸282と連動して回転するように構成されている。
【0105】
第三回転歯車部材208は、外歯が形成された第三歯車部208aと、第三歯車部208aと連動して回転するように一体に形成され第三歯車部208aから軸方向にずれた位置に外歯が形成された第四歯車部208bと、を備え、この第三歯車部208aが第二歯車部206aと係合し、第三歯車部208aと連動して同じ方向に回転する第四歯車部208bは第五歯車部209aと係合するようになっている。第三歯車部208a及び第四歯車部208bは、第三回転歯車部材軸212dに取付けられ、第三回転歯車部材軸212dを中心として回転することができる。
【0106】
第五回転歯車部材209は、外歯が形成された第五歯車部209aを備え、この第五歯車部209aが第四歯車部208bと係合し、第五回転歯車部材軸212fを中心として回転するようになっている。第五回転歯車部材209の第五歯車部209aの回転方向は、第三歯車部208aの回転方向と逆の逆回転方向となる。
【0107】
回転当接部材210は、外周の約4分の3ほどの長さにわたる円弧上に形成され、第五歯車部209aと噛み合うように外歯に形成された当接部材歯車部210aと、外周の一部からさらに半径方向外側に延び、この外側に延びた部分から回転軸282を中心とする円弧の一部を形成するように弧形状壁が形成されている回転当接部210bと、を備えている。
この回転当接部210bには、弧形状壁の一部が回転当接部材210の外側から第二回転歯車部材206の半径方向外方を越えて回転巻取部材202の内側面の近傍まで延び、自身の回転方向と同じ方向に回転巻取部材202を回転させるように、回転巻取部材202の回転巻取部材受動部202dと当接する第1当接部210cと、弧形状壁の一部が回転当接部材210の半径方向外側から回転巻取部材202に向かって第一ストッパー部212aと対応する高さ位置まで延び、自身が第1の回転角度A1よりも小さい第2の回転角度A2まで回転するとき第一ストッパー部212aと当接することができるようになっている第2規制部210dとが形成されている。
【0108】
回転当接部材210は、回転巻取部材202及び第二回転歯車部材206の上方に配置され、回転軸282を中心として回転することができる。回転当接部材210は、当接部材歯車部210aと、第1当接部210cと、第2規制部210dとが共通の回転軸282を中心とした一体の回転部材として形成されている。回転当接部材210は、一体の回転部材として構成されるので、当接部材歯車部210aの回転方向と回転当接部210bの回転方向とが同じ方向となる。
【0109】
当接部材歯車部210aは、円形の全周から一部を切り欠いたような切り欠け形状(扇形形状又は一部円形状)のギヤを形成している。
回転軸282から第1当接部210cまでの半径(距離)は、回転巻取部材202上における回転軸282から回転巻取部材受動部202dまでの半径(距離)とほぼ同じになる部分を有するように形成されている。第1当接部210cは、回転当接部材210が正回転するとき回転巻取部材受動部202dに当接して、回転巻取部材受動部202dを引掛けるようにして回転巻取部材202を正回転させるようになっている。
【0110】
第2規制部210dは、回転当接部材210の上端の上端壁面を形成し、この上端壁面が、上述のように回転当接部材210が回転巻取部材202とともに連動して逆回転する場合に、回転巻取部材202の上端の第1規制部202eよりも回転の前方側に突出した状態となる。すなわち、第2規制部210dは、回転当接部材210と回転巻取部材202とが組み合った状態で、第1規制部202eよりもさらに回転方向前方側の規制部を形成する。従って、回転当接部材210が回転巻取部材202とともに連動して正回転する場合、第2規制部210dが、第一ストッパー部212aと当接し、回転当接部材210及び回転巻取部材202の回転が停止及び規制される。
【0111】
第二回転歯車部材206、第三回転歯車部材208、第五回転歯車部材209、回転当接部材210及び回転巻取部材202は、操作ハンドル226の回転角度に対して回転当接部材210及び回転巻取部材202の回転角度を増加させる増速機構に組み込まれることができる。増速機構においては、第二歯車部206aと当接部材歯車部210aとのギヤ比(ギヤの歯数の比)が、操作ハンドル226により回転される回転軸282及び第二回転歯車部材206の回転角度に対して、回転当接部材210及び回転巻取部材202の回転角度を増加させるように形成されている。
【0112】
逆に、第二回転歯車部材206、第三回転歯車部材208、第五回転歯車部材209、回転当接部材210及び回転巻取部材202は、操作ハンドル226の回転角度に対して回転当接部材210及び回転巻取部材202の回転角度を減少させる減速機構に組み込まれることができる。減速機構においては、第二歯車部206aと当接部材歯車部210aとのギヤ比(ギヤの歯数の比)が、操作ハンドル226により回転される回転軸282及び第二回転歯車部材206の回転角度に対して、回転当接部材210及び回転巻取部材202の回転角度を減少させるように形成されている。
【0113】
つぎに、
図33乃至
図40を参照して、本発明の第2実施形態による操作装置、この操作装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器の動作(作用)を説明する。
本発明の第2実施形態による操作装置の動作以外の、洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器の動作については、本発明の第1実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器の動作と同様であるので説明は省略する。
【0114】
先ず、
図33〜
図36により、本発明の第2実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置及びこの洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器により実行される大洗浄モードについて説明する。
【0115】
使用者が操作ハンドル226の操作を開始する前の待機状態においては、操作ハンドル226は鉛直方向下方に延びる待機位置にあり、
図33(a)に示すように、駆動ユニット284は、回転巻取部材202及び回転巻取部材202に取付けられた操作ワイヤ28が待機位置(初期位置)にあり、操作ワイヤ28に連結された弁体56が排水口46を閉止している状態となっている。このとき貯水タンク18内の初期水位が満水水位WL(
図3)となっている。
【0116】
図33(a)に示す待機状態において、使用者が大洗浄操作を開始させるとき、使用者は操作ハンドル226の待機状態から操作ハンドル226の持ち手部分26aを奥側に引き上げる(押し上げる)ように回転方向D2に正回転させる。操作ハンドル226が正回転されると、操作ハンドル226に連結された回転軸282が回転方向D2に正回転される。
図34(a)及び
図34(b)に示すように、回転軸282が正回転するとき、回転軸282の第一掛かり部283が回転巻取部材202の回転巻取部材受動部202dに係合し、回転軸282と回転巻取部材202とが連動して回転方向D2に正回転する。従って、回転巻取部材202は、操作ハンドル226及び回転軸282の正回転方向の回転に対し、正回転方向D2(=Dco)の回転動作を行う。以下説明するように、回転巻取部材202は、操作ハンドル226の回転方向によらず、常に同一且つ共通の回転方向(巻取り方向)Dco、dcoに巻取りを行うようになっている。
【0117】
図34(a)及び
図34(b)に示すように、回転軸282が正回転するとき、回転軸282の第一掛かり部283は正回転方向D2に回転するので、第二回転歯車部材206の第二回転歯車受動部206bと係合せずに回転する。よって、
図35乃至
図36に示すように、第二回転歯車部材206は回転されず、第二回転歯車部材206と噛み合う第三回転歯車部材208も回転しない。さらに、第三歯車部208aと連動して回転する第四歯車部208bも回転しないため、第四歯車部208bと噛み合う第五回転歯車部材209も回転せず、第五歯車部209aと噛み合う当接部材歯車部210aも回転しないから、回転当接部材210も回転せずに待機位置で停止したまま維持されている。このとき回転当接部材210は回転巻取部材202に作用せず、回転巻取部材202が回転当接部材210とは独立して正回転方向に巻取り動作を行っている。
【0118】
回転巻取部材202が正回転方向D2に回転するに伴い、プーリー部102aは、取付部102cに取付けられた操作ワイヤ28を巻き上げるように上昇回転する 。操作ワイヤ28の駆動ユニット側端部28aはプーリー部102aの外周に沿った溝部102fに沿って引き上げられ、操作ワイヤ28を介して排水弁側端部28bに物理的に連結された弁体56が引き上げられ貯水タンク18からの排水動作が行われる。
【0119】
図34(b)に示すように、プーリー部102aの回転は、第1規制部202eが第一ストッパー部212aと当接することにより規制され、停止される。すなわち、プーリー部102aは、第1の回転範囲に対応する第1の回転角度A1まで回転され、プーリー部102aの回転角度によって決まる操作ワイヤ28の引き上げ量は比較的大きく設定されている。従って、排水弁装置24の弁体56の引き上げ高さも比較的高い位置h1になり、貯水タンク18から便器本体2に供給される洗浄水の量が比較的大量となる大洗浄モードの洗浄動作を行う。
【0120】
使用者が操作ハンドル226から手を放すと、回転巻取部材202は戻りばね104により元の待機状態に戻るように戻り回転する。回転巻取部材202が元の待機状態に戻ると操作ハンドル226が同じく戻るように回転して元の待機状態に戻る。回転巻取部材202が元の待機状態に戻り、操作ワイヤ28に接続された弁体56が排水口46を閉止すると排水弁装置24の排水動作が終了し、所定の給水動作を行って、貯水タンク18内に満水水位WLまで給水して、使用者が操作ハンドル226を操作する前の待機状態に戻る。
【0121】
つぎに、
図37乃至
図40により、本発明の第2実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置及びこの洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器により実行される小洗浄モードについて説明する。
図37(a)に示されるような使用者が小洗浄モードの洗浄を行わせる操作ハンドル26の操作を開始する前の待機状態における洗浄水タンク装置及び駆動ユニットの状態おいては、上述した
図33(a)に示されている大洗浄モードの場合と同様であるため、説明は省略する。
【0122】
図37(a)に示す待機状態において、使用者が小洗浄モードによる排水を行う手動操作を開始させるとき、使用者は操作ハンドル226の待機状態から操作ハンドル226の持ち手部分26aを便器本体2の手前側に引き上げるように回転方向d2に逆回転させる。操作ハンドル226が逆回転されると、操作ハンドル226に連結された回転軸282が回転方向d2に逆回転される。
図38(b)に示すように、回転軸282が逆回転方向d2に回転するとき、回転軸282の第一掛かり部283が第二回転歯車部材206の第二回転歯車受動部206bに係合し、回転軸282と第二回転歯車部材206とが連動して回転方向d2に逆回転する。
図39(a)及び
図39(b)に示すように第二回転歯車部材206の第二歯車部206aと噛み合う第三回転歯車部材208の第三歯車部208aは、第二歯車部206aと逆の正回転方向d3で回転する。
図40(a)及び
図40(b)に示すように第三回転歯車部材208の第三歯車部208a及び第四歯車部208bは、連動して同じ正回転方向d3で回転するので、第四歯車部208bと係合する第五歯車部209aは、第四歯車部208bと逆の逆回転の回転方向d2で回転する。さらに、
図40(a)に示すように、第五回転歯車部材209の第五歯車部209aと噛み合う回転当接部材210の当接部材歯車部210aは、第五歯車部209aと逆の正回転の回転方向d3で回転する。
図38(a)及び
図38(b)に示すように、回転当接部材210が正回転方向d3に回転するとき、回転当接部材210の第1当接部210cは、回転巻取部材202の回転巻取部材受動部202dと当接して係合した状態となり、回転当接部材210が回転巻取部材202とともに連動して正回転する。
従って、回転巻取部材202は、回転軸282が逆回転方向d2に回転するのに対し、第二回転歯車部材206、第三回転歯車部材208、第五回転歯車部材209及び回転当接部材210により回転方向を変換した結果、正回転方向d3(=dco)の回転動作を行う。このように小洗浄モードの場合に、大洗浄モードの場合と比べて、回転を伝達する歯車の数を異ならせることで回転当接部材210及び回転巻取部材202の回転方向を大洗浄モードの場合と同一にすることができる。
このように、回転巻取部材202は、使用者が小洗浄モードによる排水を行うために操作ハンドル226を逆回転させる場合にも、操作ハンドル226の回転方向によらず、常に同一且つ共通の逆回転方向(巻取り方向)Dco、dcoに操作ワイヤ28の巻取りを行うようになっている。
【0123】
この回転において、
図38(b)に示すように、回転軸282が逆回転するので、回転軸282の第一掛かり部283は回転巻取部材202の回転巻取部材受動部202dに係合しないようになっている。よって、
図38(b)に示すように、第二回転歯車部材206は回転軸282によって直接に回転巻取部材受動部202dが作動されているわけではない。しかしながら、回転巻取部材202は、第二回転歯車部材206、第三回転歯車部材208、第五回転歯車部材209及び回転当接部材210により間接的に回転されるようになっている。
【0124】
回転巻取部材202が正回転方向d3(=dco)に回転するに伴い、プーリー部102aは、取付部102cに取付けられた操作ワイヤ28を巻き上げるように上昇回転する。操作ワイヤ28の駆動ユニット側端部28aはプーリー部102aの外周に沿った溝部102fに沿って引き上げられ、操作ワイヤ28を介して排水弁側端部28bに物理的に連結された弁体56が引き上げられ貯水タンク18からの排水動作が行われる。
【0125】
図40(b)に示すように、プーリー部102aの回転は、回転当接部材210の第2規制部210dが第一ストッパー部212aと当接することにより規制され、停止される。すなわち、プーリー部102aは、
図40(a)に示すような、第2の回転範囲に対応する第2の回転角度A2まで回転され、プーリー部の回転角度によって決まる操作ワイヤ28の引き上げ量は比較的小さく設定されている。第2の回転角度A2は、第1の回転角度A1よりも小さくされている。従って、排水弁装置24の弁体56の引き上げ高さも比較的低い位置h2になり、貯水タンク18から便器本体2に供給される洗浄水の量が比較的小量に抑えられている小洗浄モードの洗浄動作を行う。
【0126】
使用者が操作ハンドル226から手を放すと、回転巻取部材202は戻りばね104により元の待機状態に戻るように戻り回転する。回転巻取部材202が元の待機状態に戻るとき操作ハンドル226が同じく戻るように回転して元の待機状態に戻る。回転巻取部材202が元の待機状態に戻り、操作ワイヤ28に接続された弁体56が排水口46を閉止すると排水弁装置24の排水動作が終了し、所定の給水動作を行って、貯水タンク18内に満水水位WLまで給水して、駆動ユニット284内の各歯車部も
図37(a)に示すような使用者が操作ハンドル226を操作する前の待機状態に戻る。
【0127】
上述した本発明の第2実施形態による操作装置230によれば、使用者が正回転、またはその逆回転の回転操作を選択することにより大洗浄、または小洗浄を選択することができる操作ハンドル226を操作し、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のいずれの場合にも、回転方向変換機構296が、回転巻取機構294の回転方向が同じ所定の回転方向Dco、dcoとなるように回転軸282から回転巻取機構294に伝達される回転方向を変換することができる。従って、回転巻取機構294が自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き上げる巻き上げ量のばらつきを抑制することができ、弁体56を適切に作動させ、適切な洗浄水量により便器を洗浄させることができる。
また、使用者が操作ハンドル226を正回転、またはその逆回転の回転操作を選択して操作するだけで、規制機構298が、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合における回転巻取機構294の回転角度A1が、いずれか他方の場合における回転巻取機構294の回転角度A2よりも小さくなるように、回転巻取機構294の回転角度を規制することができる。よって、回転巻取機構294が自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き上げる量を適切に変更することができる。従って、使用者が操作ハンドル226の正回転またはその逆回転の回転操作を選択するだけで、簡単に大洗浄、または小洗浄を選択して、弁体56を適切に作動させ、適切な洗浄水量により便器を洗浄させることができ、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0128】
さらに、本発明の第2実施形態による操作装置230によれば、使用者が正回転、またはその逆回転の回転操作を選択することにより大洗浄、または小洗浄を選択することができる操作ハンドル226を操作し、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のいずれの場合にも、駆動ユニット284の回転方向変換機構296が、回転巻取部材202の回転方向が同じ所定の回転方向となるように回転軸282から回転巻取部材202に伝達される回転方向を変換することができる。
すなわち、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合においては、回転巻取部材202は、回転軸282と連動して回転軸282の回転方向と同じ方向に回転する。よって、回転巻取部材202は、回転軸282の回転方向と同じ方向の回転により操作ワイヤ28を巻き上げることができる。
一方、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか他方の場合においては、第二回転歯車部材206が、回転軸282と連動して同じ方向に回転する。第二回転歯車部材206の第二歯車部206aは、第三回転歯車部材208の第三歯車部208aと係合しながら回転し、第三回転歯車部材208は、第二回転歯車部材206の回転方向と逆の方向に回転する。第三歯車部208aと第四歯車部208bとはともに連動して同じ方向に回転する。さらに、第三回転歯車部材208の第四歯車部208bは、第五回転歯車部材209の第五歯車部209aと係合しながら回転し、第五回転歯車部材209は、第三回転歯車部材208の回転方向と逆の方向に回転する。次に、第五回転歯車部材209の第五歯車部209aは、回転当接部材210の当接部材歯車部210aと係合しながら回転し、回転当接部材210は、回転軸282の回転とは独立して、第五回転歯車部材209の回転方向と逆の方向に回転する。回転当接部材210の第1当接部210cは、回転巻取部材202の回転巻取部材受動部202dと係合し、回転当接部材210の回転方向と同じ方向に回転巻取部材202を回転させる。よって、回転巻取部材202は、回転軸282の回転方向と逆の回転方向に回転する。このようにして、回転巻取部材202は、回転軸282の回転方向と逆の回転方向の回転により操作ワイヤ28を巻き上げることができる。
従って、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のいずれの場合にも、回転方向変換機構296が、回転巻取部材202の回転方向が同じ所定の回転方向となるように回転軸282から回転巻取部材202に伝達される回転方向を変換することができ、比較的簡易な構造により、回転巻取部材202の回転方向を同一にすることができる。
従って、使用者が操作ハンドル226を正回転、またはその逆回転のいずれの方向に操作した場合にも、回転巻取部材202が自身の回転方向に沿って適切に操作ワイヤ28を巻き上げることができ、弁体56を適切に作動させることができる。
【0129】
さらに、本発明の第2実施形態による操作装置230によれば、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合においては、回転軸282の第一掛かり部283が、回転巻取部材受動部202dと当接し、回転巻取部材202が回転する。回転巻取部材202が第1の回転角度A1まで回転するとき、第1規制部202eがカバー部材212の第一ストッパー部212aと当接し、回転巻取部材202が操作ワイヤ28を巻き上げる回転範囲が第1の回転範囲に規制される。
また、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか他方の場合においては、第二回転歯車部材206が、回転軸282と連動して同じ方向に回転する。第二回転歯車部材206の第二歯車部206aは、第三回転歯車部材208の第三歯車部208aと係合しながら回転する。第三歯車部208aと第四歯車部208bとはともに連動して同じ方向に回転する。さらに、第三回転歯車部材208の第四歯車部208bは、第五回転歯車部材209の第五歯車部209aと係合しながら回転する。次に、第五歯車部209aは、回転当接部材210の当接部材歯車部210aと係合しながら回転し、回転当接部材210は、回転軸282の回転とは独立して、第五回転歯車部材209の回転方向と逆の方向に回転する。回転当接部材210の第1当接部210cは、回転巻取部材202の回転巻取部材受動部202dと係合し、回転当接部材210の回転方向と同じ方向に回転巻取部材202を回転させる。回転当接部材210及び回転巻取部材202が第2の回転角度A2まで回転するとき、回転当接部材210の第2規制部210dがカバー部材212の第一ストッパー部212aと当接し、回転巻取部材202が操作ワイヤ28を巻き上げる回転範囲が第1の回転範囲よりも小さい第2の回転範囲に規制される。
従って、使用者が操作ハンドル226を正回転、またはその逆回転の回転操作を選択して操作するだけで、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか一方の場合における回転巻取部材202の回転角度A1に対して、回転軸282の回転方向が正回転方向である場合、回転軸282の回転方向が逆回転方向である場合のうちいずれか他方の場合における回転巻取部材202の回転角度A2が小さくなるように、駆動ユニット284の規制機構298が、回転巻取部材202の回転範囲を規制することができる。よって、回転巻取部材202が自身の回転方向に沿って操作ワイヤ28を巻き上げる量を適切に変更することができる。従って、使用者が操作ハンドル226の正回転またはその逆回転の回転操作を選択するだけで、簡単に大洗浄、または小洗浄を選択することができ、使用者の使い勝手が向上する。
【0130】
さらに、本発明の第2実施形態による操作装置230によれば、駆動ユニット284は、回転巻取部材202の回転の軸が、回転軸282と同軸に構成されているので、駆動ユニット全体をコンパクトに構成することができる。