特許第6218215号(P6218215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6218215
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】果菜供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/23 20060101AFI20171016BHJP
【FI】
   B65G65/23
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-95460(P2013-95460)
(22)【出願日】2013年4月30日
(65)【公開番号】特開2014-214017(P2014-214017A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】391017702
【氏名又は名称】日本協同企画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(72)【発明者】
【氏名】宮田 和男
【審査官】 中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−096910(JP,A)
【文献】 特開2006−027764(JP,A)
【文献】 実開昭63−035730(JP,U)
【文献】 特開2003−237949(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0003114(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 65/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
果菜が収容されたコンテナを傾倒させて、当該コンテナ内に収容されている果菜を搬送コンベアに供給する果菜供給装置において、
コンテナを載せ降ろし可能な受け具と、受け具に載せたコンテナの上面開口部を開閉可能な開閉蓋と、開閉蓋の開閉を規制するストッパーと、受け具を横向きから斜め下向きまで傾倒させ、その反対に戻すことのできる駆動体を備え、
前記開閉蓋は前記受け具に回転軸により開閉可能に取付けられ、
前記回転軸に錘が取付けられ、
少なくとも前記受け具及び前記コンテナが前記駆動体により横向きから斜め下向きまで傾倒させられるまでの間、前記開閉蓋が前記コンテナの上面開口部からコンテナ内に入り込んで、コンテナからの果菜の転がり出しを防止することができ、
前記駆動体により前記受け具及びコンテナがさらに傾倒させられて前記錘が前記コンテナよりも先方まで傾いて前記ストッパーで支持され、前記開閉蓋が前記回転軸を支点として前記コンテナの外側に開いて前記上面開口部が次第に解放されてコンテナ内の果菜が外に転がり出すことができ、
前記受け具が前記駆動体により前記傾倒と反対方向に戻されて、前記錘が前記ストッパーから離れると、開閉蓋が錘の重さで前記回転軸を支点として戻り回転する、
ことを特徴とする果菜供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の果菜供給装置において、
開閉蓋の内面側に、受け具及びコンテナの傾倒時にコンテナ内に入って果菜を支承でき、受け具及びコンテナが戻り回転すると前記果菜の支承を解放する支承具を設けた、
ことを特徴とする果菜供給装置。
【請求項3】
求項2記載の果菜供給装置において、
開閉蓋の内面側に設けられた支承具は、コンテナ内の果菜の重さに追従して変形可能である、
ことを特徴とする果菜供給装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の果菜供給装置において、
錘と開閉蓋は回転軸の軸線を挟んで反対方向に突設され、
前記開閉扉は、受け具及びコンテナが駆動体により横向きから斜め下向きまで傾倒させられるまでの間、前記コンテナの上面開口部からコンテナ内に入り込んで、コンテナからの果菜の転がり出しを防止することができる、
ことを特徴とする果菜供給装置。
【請求項5】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の果菜供給装置において、
受け具及びコンテナが駆動体により横向きから斜め下向きまで傾倒させられて錘が傾倒方向先方に設けられたストッパーに当接すると、開閉蓋が前記回転軸を支点として回転してコンテナの外に開き、
受け具及びコンテナが駆動体により逆方向に戻されて錘が前記ストッパーから離れて傾倒時と逆方向に戻されると、錘の自重でコンテナの上面開口部が閉塞される、
ことを特徴とする果菜供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナに収容された、みかん、オレンジ、キウイ等の果実や、ピーマン、タマネギ等の野菜(以下、これらをまとめて「果菜」という。)を、搬送コンベア等に供給するのに使用する果菜供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
果菜は傷の有無、色彩等を目視で選別したり、形状、サイズ、糖度等を計測器で計測したりして規格や等階級別に仕分けし、仕分けされた等階級別に箱詰めされて出荷される。果菜の選別、仕分けには果菜自動選別装置が使用されている。果菜自動選別装置で果菜を計測し仕分けするには、果菜をコンベアに供給する。果菜供給方法には果菜を一つ一つ手作業で供給する方法や、コンテナを横向きに傾倒させてコンテナ内の果菜を搬送コンベア上に供給する方法などがある。これら先行技術として特許文献1〜5に示すようなものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−312840号公報
【特許文献2】特開昭54−110089号公報
【特許文献3】実公昭63−4025号公報
【特許文献4】特開2003−237949号公報
【特許文献5】特開平10−167455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1及び2に記載の果菜供給装置は、コンテナ傾倒時に、果菜がコンテナ内から不用意に落下しないように、コンテナの上面開口部を閉塞するものであるが、コンテナ内の果菜が少ない場合には、果菜がコンテナ傾倒時にコンテナ内で転がって果菜同士がぶつかって傷つくという課題がある。また、果菜は自重でコンテナ内から転がり落ちるため、この際にも傷ついたり、勢い余って搬送コンベアから落下して傷ついたりすることがある。
【0005】
前記特許文献3〜5に記載のコンテナ搬送装置は、コンテナの傾倒中に、果菜がコンテナの上面開口部から不用意に落下しないように、コンテナの上面開口部を閉塞する構造であるが、特許文献1及び2と同様の課題がある。
【0006】
傷ついた果菜は、通常は、正規品として販売することができない。仮に販売できるとしても、傷のない商品と比べて商品価値が著しく低いため、果菜選別業界では果菜を傷つけることなくコンベア上に送り出す(供給する)ことのできる供給装置が求められている。
【0007】
本発明の目的は、コンテナ傾倒時にコンテナ内の果菜がコンテナ内でぶつかり合い難く、傷つき防止可能な果菜供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の果菜供給装置は、果菜が収容されたコンテナを傾倒させて、当該コンテナ内に収容されている果菜を搬送コンベアにあける(供給する)果菜供給装置において、コンテナを載せ降ろし可能な受け具と、受け具に載せたコンテナの上面開口部を開閉可能な開閉蓋と、開閉蓋の開閉を規制するストッパーと、受け具を横向きから斜め下向きまで傾倒させ、その反対に戻すことのできる駆動体を備え、前記開閉蓋は前記受け具に回転軸により開閉可能に取付けられ、前記回転軸に錘が取付けられ、少なくとも前記受け具及び前記コンテナが前記駆動体により横向きから斜め下向きまで傾倒させられるまでの間、前記開閉蓋が前記コンテナの上面開口部からコンテナ内に入り込んで、コンテナからの果菜の転がり出しを防止することができ、前記駆動体により前記受け具及びコンテナがさらに傾倒させられて前記錘が前記コンテナよりも先方まで傾いて前記ストッパーで支持され、前記開閉蓋が前記回転軸を支点として前記コンテナの外側に開いて前記上面開口部が次第に解放されてコンテナ内の果菜が外に転がり出すことができ、前記受け具が前記駆動体により前記傾倒と反対方向に戻されて、前記錘が前記ストッパーから離れると、開閉蓋が錘の重さで前記回転軸を支点として戻り回転するようにしたものである。
【0009】
前記錘は、受け具の側方への傾倒に伴って回転軸よりも傾倒方向先方に移動すると、開閉蓋が自重によって、受け具に載せたコンテナ内に進入可能な重さとすることができる。
【0010】
前記開閉蓋の内面側に、受け具及びコンテナの傾倒時にコンテナ内に入って果菜を支承でき、受け具及びコンテナが戻り回転すると前記果菜の支承を解放する支承具を設けることができる。
【0011】
前記支承具は、コンテナ内の果菜の重さに追従して変形可能なものとすることができる。
【0012】
前記錘と開閉蓋は、前記回転軸の軸線を挟んで反対方向に突設され、受け具及びコンテナが駆動体により横向きから斜め下向きまで傾倒させられるまでの間、前記コンテナの上面開口部からコンテナ内に入り込んで、コンテナからの果菜の転がり出しを防止することができるようにしてもよい。
【0013】
前記錘と開閉蓋の関係を、前記錘の重さW1と当該錘の重心から回転軸の中心軸までの距離L1を乗じた値と、前記蓋の重さW2と当該蓋の重心から回転軸の中心軸までの距離L2を乗じた値がW1×L1≦W2×L2となるように設定することもできる。
【0014】
前記受け具及び前記コンテナが前記駆動体により横向きから斜め下向きまで傾倒させられて前記錘が傾倒方向先方に設けられたストッパーに当接すると、前記開閉蓋は前記回転軸を支点として回転してコンテナの外に開き、受け具及び前記コンテナが前記駆動体により逆方向に戻されて前記錘が前記ストッパーから離れて前記傾倒時と逆方向に戻されると、錘の自重でコンテナの上面開口部が閉塞されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の果菜供給装置には、次のような効果がある。
(1)受け具に載せたコンテナの上面開口部が、受け具が横向きから斜め下向きに傾倒するまで開閉蓋がコンテナ内に入り込んでいるため、コンテナを傾けても、果菜がコンテナ内で転がることがなく、果菜が傷つきにくい。
(2)果菜が傾倒途中でコンテナから転がり出ることがないため、果菜が傾倒途中にコンテナからこぼれ出ることもなく、果菜が傷つきにくい。
(3)開閉蓋に支承具を設けて、開閉蓋がコンテナ内に進入すると、支承具で果菜を支承できるようにした場合、コンテナの傾倒途中で果菜がコンテナ内で転がらず、傷つきにくい。また、開閉蓋を開くときも、果菜が支承具で支承されながら次第に転がり出るため、果菜が傷つきにきい。
(4)支承具をコンテナ内の果菜の重さに追従して変形可能なものとした場合、果菜に、支承具との接触による押し傷が付きにくい。
(5)開閉蓋を受け具に回転可能に取付ける回転軸に、開閉蓋と錘が、回転軸の軸線を挟んで反対方向に突設されているので、錘で開閉蓋のバランスをとりやすい。
(6)受け具に載せたコンテナが、横向きから斜め下向きまで傾倒させられるまでの間、コンテナの上面開口部からコンテナ内に入り込んで、コンテナからの果菜の転がり出しを防止できるようにしてあるため、果菜の傷つきを確実に防止できる。
(7)錘と開閉蓋の関係を、錘の重さW1と当該錘から回転軸までの距離L1を乗じた値と、前記蓋の重さW2と当該蓋の重心から回転軸までの距離L2を乗じた値が、W1×L1≦W2×L2となるようにしたので、少なくとも、受け具及びコンテナが横向きから斜め下向きまで傾倒させられるまでの間、開閉蓋がコンテナの上面開口部からコンテナ内に確実に入り込んで、コンテナからの果菜の転がり出しを確実に防止できるため、果菜の傷つきを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は受け具にコンテナを配置する前の状態を示す斜視図、(b)は受け具にコンテナを配置した状態を示す斜視図。
図2】(a)は錘と開閉蓋の突設角についての説明図、(b)は錘と開閉蓋との重心及びそれら重心と回転軸の中心軸との距離関係を示す説明図。
図3】(a)〜(f)は、本発明の果菜供給装置の動作を説明する側面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態)
本発明の果菜供給装置1は、みかん、オレンジ、キウイ、ピーマン、タマネギ等の果菜Aを、果菜自動選別装置の搬送コンベアXに自動的に供給するための装置である。ここでいう果菜自動選別装置は、各種果菜Aを色、傷の有無、形状、サイズ、糖度といった各種規格(等階級等)別に選別して、等階級別に仕分けして箱詰めできるようにするための装置であり、例えば、本件出願人が先に出願した果菜自動選別装置(特許第4920841号)等がある。果菜自動選別装置で選別する果菜Aは、作業者が一つずつ手作業で果菜載せ体という部材に載せる場合もあるが、本発明の果菜供給装置1は、コンテナB内に収容された果菜Aを一度に果菜自動選別装置の搬送コンベアXに送り出すための装置であり、その果菜は、比較的傷の付きにくい果菜の場合である。
【0018】
一例として、図1(a)(b)に示す果菜供給装置1は、コンテナBを載せ降ろし可能な受け具2と、コンテナBの上面開口部Cを開閉可能な開閉蓋3を備えたものである。図1(a)は、受け具2にコンテナBを載せる前の状態を示すもの、図1(b)は受け具2にコンテナBを載せた状態を示すものである。
【0019】
前記受け具2は側面視上向きコ字状であり、対向する縦壁2a、2bの間にコンテナBを配置(載せる)ための配置空間が設けられている。縦壁2a、2bは受け具2の傾倒方向(図3(b)〜(f)の矢印方向)に設けてあり、それ以外の側面には縦壁2a、2bを設けず開放状態にして、縦壁2a、2bのない開口側面からコンテナBを載せ降ろしできるようにしてある。縦壁2a、2bのない開口側面には、コンテナBの落下を防止するための防止片(図示しない)を設けることができる。
【0020】
前記縦壁2aの上端側には、受け具2が横向きから斜め下向きに傾倒した際に、配置空間に載せたコンテナBが落下するのを防止するための保持片6が内向きに突設してある。保持片6の上側には、細長棒状の回転軸7が軸支板8a、8bに回転自在に設けられている。前記回転軸7には前記閉塞蓋3が固設され、回転軸7の回転に伴って、開閉蓋3がコンテナの上面開口部Cを開閉可能な方向(図1(b)のA−A方向)に回転するようにしてある。
【0021】
前記縦壁2bの上端側には、半割パイプ状の係止片5が外向きに突設され、搬送コンベアXと果菜供給装置1の間に設けられた受け板Dに係止して、コンテナBから送り出された果菜Aが搬送コンベアXと果菜供給装置1の隙間から落ちないようにしてある。
【0022】
前記開閉蓋3は、配置空間に載せたコンテナBの上面開口部Cを開閉するものであり、その内面(コンテナBの上面開口部Cに対向する面)側には、コンテナBに収容された果菜Aを押さえるための支承具4が設けられている。支承具4は、コンテナB内の果菜Aを傷つけない材質のものが好ましく、例えば、豚毛や馬毛などの毛ブラシ、スポンジ、ウレタン、綿材等を用いることができる。支承具4の役割は、受け具2の横向きから斜め下向きへの傾倒時にコンテナB内で果菜Aが移動することによる果菜A同士の衝突を防止して、果菜Aが傷つかないようにすることにあるため、当該役割を果たせるような構造、材質、形状であれば、前述したもの以外であってもよい。果菜Aの荷重によって変形するなど、果菜Aの形状に追従可能なもの等が好ましい。
【0023】
前記回転軸7の長手方向両端寄りの箇所(軸支板8a、8bよりも外側)には、開閉蓋3の開閉を調整するための錘9が固設されている。図1(a)(b)に示す錘9は棒材10の先端に鋼球11を取付けたものであり、回転軸7の開閉蓋3とは逆方向に突設してある。錘9の形状や構造はこれ以外であってもよい。
【0024】
前記錘9と開閉蓋3は同一の回転軸7に固定してあるため、回転軸7の回転によって錘9と開閉蓋3の両者ともに回転するが、このときも両者の突設角α(図2(a))が変わることはない。図2(b)に示すように、錘9と開閉蓋3は、錘9の重さW1と当該錘9の重心G1から回転軸7の中心軸Zまでの距離L1とを乗じた値が、開閉蓋3の重さ(支承具4を含む重さ)W2と当該開閉蓋3と支承具4の重心G2から回転軸7の中心軸Zまでの距離L2を乗じた値と同じ又はこれよりも小さくなる関係、即ち、W1×L1≦W2×L2となるようにしてある。
【0025】
前記錘9は棒材10や鋼球11の重さや長さ等に応じて重さW1を設計することができ、例えば、受け具2の傾倒によって当該錘9の重心G1が回転軸7の中心軸Zよりも果菜自動選別装置側に移動した際に、その自重によって開閉蓋3をコンテナBの上面開口部C側を閉塞する方向に押込み(進入)可能な重さとすることができる。錘9の重さはこれ以外であってもよい。
【0026】
前記構造の果菜供給装置1には、受け具2(及び当該受け具2に設けられた開閉蓋3)を傾倒させるための駆動体12が設けられている。図3(a)〜(f)の例では図示を簡略化しているが、例えば、ギアボックス内のギアをモータで駆動して受け具2を傾倒させることができるようにしてある。駆動体12は、受け具2内に載せたコンテナBを傾倒させ、その上面開口部Cを上向きから下向きになるように傾倒させることができるものであれば、エアシリンダを用いたものや油圧シリンダを用いたもの、テレスコピックモータ、ボールスプライン等、前記以外の手段とすることもできる。
【0027】
(作用)
本発明の果菜供給装置1の作用を、図3(a)〜(f)を参照して説明する。図3(a)〜(f)は、本発明の果菜供給装置1を、搬送コンベアXの手前側の台座E上に配置した状態の側面図である。受け具2の傾倒方向先方であって、回転軸7の中心軸Zよりも果菜自動選別装置側には、錘9を停止するストッパー13を設けてあり、搬送コンベアXと果菜供給装置1の間には、コンテナBから送り出された果菜Aが搬送コンベアXと果菜供給装置1の隙間から落ちないようにするための受け板Dが設けられている。受け具2を挟んで果菜自動選別装置側の反対側には、受け具2の錘受けFが設けられている。以下、詳細に説明する。
【0028】
(1)図3(a)は、受け具2の配置空間に、果菜Aが収容されたコンテナBを載せ、そのコンテナBの上面開口部Cを開閉蓋3で閉じた状態を示したものである。
(2)図3(b)は、受け具2を搬送コンベアX側に向けて傾倒させた状態を示したものである。この段階では、錘9が回転軸7の中心軸Zよりも搬送コンベアX側に移動しており、錘9の自重が、開閉蓋3をコンテナBの上面開口部Cを閉塞する方向に働き、開閉蓋3が上面開口部Cよりも内側に進入している。このように作用することで、受け具2が90度以上傾倒しても、コンテナB内の果菜Aがこぼれ落ちることがない。また、開閉蓋3に設けられた支承具4によって果菜Aが支承されるため、コンテナB内で果菜Aが転がって衝突するようなこともない。
(3)図3(c)は、受け具2をさらに傾倒させた状態を示したものである。錘9が図3(b)の状態からさらに搬送コンベアX側に移動し、錘9の自重が、開閉蓋3をコンテナBの上面開口部Cを閉塞する方向にさらに大きく働き、開閉蓋3が上面開口部Cよりも内側に進入している。
(4)図3(d)は、受け具2をさらに傾けて、錘9をストッパー13に当接させた状態を示したものである。錘9がストッパー13に当接することによって、錘9はこれ以上動かなくなり、その力が開閉蓋3を開く方向に働いて、開閉蓋3が開き始める。このとき、開閉蓋3が開くことによって、コンテナB内の果菜Aが転がり始めるが、開閉蓋3の内面に支承具4が設けられているため、果菜Aが一気に転がり落ちることがない。
(5)図3(e)は、受け具2をさらに傾けて、コンテナB内の果菜Aを搬送ベルトX上に送り出し始めた状態を示したものである。錘9がストッパー13に当接した状態で、受け具2をさらに傾けているため、図3(d)の場合同様、錘9は動くことなく、開閉蓋3がさらに大きく開く。
(6)図3(f)は、受け具2をさらに傾けて、コンテナB内の果菜Aを搬送ベルト上に連続的に供給する(送り出す)状態を示したものである。錘9がストッパー13に当接した状態で、受け具2をさらに傾けているため、図3(d)(e)の場合よりも開閉蓋3がさらに大きく開く。図示は省略しているが、受け具2は、開閉蓋3が搬送ベルトX上の果菜Aの走行を邪魔しないよう、果菜Aが搬送ベルトX上に送り出され始めてからもさらに傾倒させるのが好ましい。
【0029】
前記受け具2を搬送コンベアXの設置方向と反対に回転させ(戻し)、受け具2の錘9をストッパー13から離すと、開閉蓋3が回転軸7を支点としてコンテナBの上面開口部Cを閉塞する方向に回転する。これにより、コンテナBの上面開口部Cが閉塞され、支持具2が図3(a)の状態まで復帰する。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の果菜供給装置1は、コンテナB内の果菜Aを果菜自動選別装置の搬送コンベアXに送り出すのに適したものであるが、これ以外にも、コンテナB内の果菜Aを他の場所に送り出す場合などにも応用可能なものである。
【符号の説明】
【0031】
1 果菜供給装置
2 受け具
2a、2b 縦壁
3 開閉蓋
4 支承具
5 係止片
6 保持片
7 回転軸
8a、8b 軸支板
9 錘
10 棒材
11 鋼球
12 駆動体
13 ストッパー
A 果菜
B コンテナ
C (コンテナの)上面開口部
D 受け板
E 台座
1 錘の重心
2 開閉蓋の重心
1 錘の重心から回転軸の中心軸までの距離
2 開閉蓋の重心から回転軸の中心軸までの距離
1 錘の重さ
2 開閉蓋の重さ
X 搬送コンベア
Z 回転軸の中心軸
図1
図2
図3