特許第6218438号(P6218438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6218438
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】端局装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/34 20060101AFI20171016BHJP
【FI】
   H04L27/34
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-117635(P2013-117635)
(22)【出願日】2013年6月4日
(65)【公開番号】特開2014-236407(P2014-236407A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】田口 恵一
【審査官】 吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−333121(JP,A)
【文献】 特表2005−521357(JP,A)
【文献】 特開2006−157949(JP,A)
【文献】 特開平09−275453(JP,A)
【文献】 特開平05−207164(JP,A)
【文献】 特開平07−050701(JP,A)
【文献】 特表2011−511549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャネルの多重伝送に供される変調方式に適合し、かつ前記複数のチャネルを介して個別に伝送されるべき伝送情報、または前記伝送情報および前記伝送情報の識別子を示すシンボルの列を生成するシンボル列生成手段と、
前記多重伝送を実現する伝送装置に前記シンボルの列を引き渡す引き渡し手段とを備え、
前記シンボルの列は、
前記複数のチャネル毎に、異なる範囲に予め割り付けられたシンボルで構成され
前記シンボル列生成手段は、
前記複数のチャネル毎に、前記伝送情報の値を前記予め割り付けられたシンボルで表され得るダイナミックレンジにマッピングする
ことを特徴とする端局装置。
【請求項2】
複数のチャネルの多重伝送に供される伝送路を介して引き渡されたシンボルの列を抽出する抽出手段と、
前記多重伝送の方式に基づいて前記シンボルの列を解析し、前記複数のチャネル毎に、前記複数のチャネルを介して個別に伝送された伝送情報、または前記伝送情報および前記伝送情報の識別子を前記シンボルの列から適宜復元する復元手段とを備え、
前記復元されたシンボルの列は、
前記複数のチャネル毎に、異なる範囲に予め割り付けられたシンボルで構成され
前記復元手段は、
前記複数のチャネル毎に、前記復元されたシンボルの列を前記多重伝送に供される変調方式の信号点配置で表されるダイナミックレンジにマッピングする
ことを特徴とする端局装置。
【請求項3】
請求項1ないし請求項に記載の端局装置において、
前記伝送情報には、
前記伝送路のシグナリング信号として前記伝送路を介して引き渡され得る情報が含まれる
ことを特徴とする端局装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の端末と、これらの端末に対応した複数の装置との間に形成された伝送系の端局において、その伝送系との間における所望の伝送情報の引き渡しを実現する端局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地理的に隔たったサイトに設置された無線機を介する通信は、例えば、音声等の伝送情報と、プレス信号等の制御信号とをその無線機に引き渡す搬送回線を介して実現される。
図4は、無線機の遠隔操作による運用を実現する系の構成例を示す図である。
【0003】
図において、サイト50Sと、そのサイト50Sに地理的に隔たったサイト50Rとの間には、搬送回線60A、60Bが敷設される。
サイト50Sでは、遠隔制御器51A-S、51B-Sは、それぞれ端局装置52A-S、52B-Sを介して伝送装置53-Sの対応するポートに接続される。その伝送装置53-Sは、上記搬送回線60A、60Bの一端に接続される。
【0004】
一方、サイト50Rでは、上記搬送回線60A、60Bの他端が、伝送装置53-Rの対応するポートに接続される。伝送装置53-R第一のポートは、端局装置52A-Rを介して無線機54A-Rの変復調端子および制御端子に接続される。伝送装置53-R第二のポートは、端局装置52B-Rを介して無線機54B-Rの変復調端子および制御端子に接続される。無線機54A-R、54B-Rのアンテナ端子には、アンテナ55A-R、55B-Rの給電点に接続される。
【0005】
以下では、各符号に付加された第一の添え文字「A」、「B」の何れにも当てはまる事項については、これらの添え文字「A」、「B」の何れに該当し得ることを意味する添え文字「c」を用いて記述する。
【0006】
このような構成の系では、搬送回線60cには、例えば、4線式の信号方式4WE&Mが適用される。
【0007】
また、搬送回線60cの下りのライン信号は、遠隔制御器51c-Sから端局装置52c-S、伝送装置53-S、搬送回線60c、伝送装置53-Rおよび端局装置52c-Rを介して無線機54c-Rに引き渡されるプレス信号として適用される。
【0008】
さらに、搬送回線60cの上りのライン信号は、無線機54c-Rから端局装置52c-R、伝送装置53-R、搬送回線60c、伝送装置53-Sおよび端局装置52c-Sを介して遠隔制御器51c-Sに引き渡され、かつそのアンテナ55c-Rに到来して無線基地54c-Rによって受信された受信波のレベルが既定の閾値以上であるか否かを示す2値信号として適用される。
【0009】
一方、遠隔制御器51c-Sに備えられたマイク(図示されない。)に向かって操作者が発した音声は、その遠隔制御器51c-Sによって音声信号(以下、「下り音声信号」という。)に変換される。
【0010】
端局装置52c-Sは、図5(a)に示す下記の2つの信号を生成する。
(1) 上記下り音声信号に基づいて所定の搬送波信号を16QAM変調することによって得られた変調信号(以下、「下りインバンド信号」という。)
(2) 既述のプレス信号に相当するライン信号(以下、「下りライン信号」という。)
【0011】
伝送装置53-Sは、上記下りインバンド信号および下りライン信号を搬送回線60cに引き渡す。
【0012】
サイト50Rでは、伝送装置53-Rは、これらの下りインバンド信号および下りライン信号を端局装置52c-Rに引き渡す。
【0013】
端局装置52c-Rは、以下の処理を行う。
(1) 下りインバンド信号を復調することにより下り音声信号を復元する。
(2) 下りライン信号を2値信号に変換する。
【0014】
無線機54c-Rは、上記2値信号をプレス信号として識別し、かつ下り音声信号で変調された無線信号(以下、「下り無線信号」という。)を生成して、アンテナ55c-Rから放射する。
【0015】
無線機54c-Rおよびアンテナ55c-Rによって形成される無線ゾーン内に位置する無線端末装置は、上記下り無線信号を復調することによって下り音声信号を復元し、レシーバまたはスピーカを介して操作者に伝達する。
【0016】
また、この無線端末装置は、操作者が発した音声を音声信号(以下、「上り音声信号」という。)に変換し、その上り音声信号で変調された無線信号(以下、「上り無線信号」という。)を送信する。
【0017】
サイト50Rでは、無線機54c-Rは、下記の処理を行う。
(1) アンテナ55c-Rに到来した上り無線信号を復調することによって上り音声信号を復元する。
(2) その上り無線信号のレベルが規定の閾値を上回っているか否かを判定し、その判定の結果を示す2値信号(以下、「上り2値信号」という。)を生成する。
【0018】
端局装置52c-Rは、下記の処理を行う。
(1) 上り音声信号に基づいて所定の搬送波信号を16QAM変調することによって、変調信号(以下、「上りインバンド信号」という。)を生成する。
(2) 既述のプレス信号に対応し、かつ対をなすライン信号(以下、「上りライン信号」という。)を生成する。
【0019】
伝送装置53-Rは、図5(b)に示す上りインバンド信号および上りライン信号を搬送回線60cに引き渡す。
【0020】
サイト50Sでは、伝送装置53-Sは、これらの上りインバンド信号および上りライン信号を端局装置52c-Sに引き渡す。
【0021】
端局装置52c-Sは、以下の処理を行う。
(1) 上りインバンド信号を復調することにより上り音声信号を復元する。
(2) 上りライン信号から既述の上り2値信号を復元する。
【0022】
遠隔制御器51c-Sは、上り2値信号に所定の処理を施すことによって、所望の通信制御に適用し、かつレシーバまたはスピーカを介して操作者に上り音声信号を伝達する。
【0023】
したがって、従来例によれば、搬送回線60cを介して地理的に隔たったサイト50Rに配置された無線機54c-Rを介する音声通信が実現される。
【0024】
また、このような系では、音声通信ではなくデータ通信に供される場合には、端局装置52c-S(52c-R)は、遠隔制御器51c-S(無線機54c-R)の配下で、以下の処理を行う。
【0025】
(1) 図5(c)に示すように、搬送回線60cの伝送帯域の全てがデータ伝送に適用されるべきことを伝送装置53-S(53-R)に指示する。
(2) 遠隔制御器51c-S(無線機54c-R)と相互に引き渡されるべき下りデータ信号(上りデータ信号)の変調や復調に、既述の16QAMに代わる好適な変復調方式を適用する。
【0026】
さらに、音声通信とデータ通信との何れもが適宜切り替えられて行われるべき場合には、サイト50S、50Rの間には、音声通信とデータ通信用とのためにそれぞれ用いられるべき個別の搬送回線が敷設され、しかも、端局装置52c-S、52c-Rには、通信の形態が音声通信とデータ通信との何れであるかに応じて、これらの搬送回線の一方を選択する手段が備えられる。
【0027】
なお、本発明に関連する先行技術としては、後述する特許文献1があった。
特許文献1に係る信号点マッピング方法は、「符号化された情報を信号点にマッピングし、所定のデジタル変調方式でデジタル変調し、伝送するシステムに用いられる信号点マッピング方法において、前記信号点を複数のサブセットに分割し、2以上の前記信号点を有する第1のサブセットを、原点を中心として、角度φだけ回転したとき、2以上の前記信号点が、第2のサブセットの2以上の前記信号点と対応するように、前記第1のサブセットと第2のサブセットを点対称になるように構成するとともに、前記第2のサブセットと、角度φだけ回転したときの前記第1のサブセットの信号点のパラレルパスに対応するMSB側のビットを一致させる」ことによって、「迅速にパラレルパスに対応する情報を検出できる」点に特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】特開平07−245635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
ところで、上述した従来例では、遠隔制御器51c-Sと無線機54c-Rとの間で、既述のプレス信号や2値信号の他に、以下のような情報が引き渡されなければならない場合がある。
【0030】
(1) 無線機54c-Rに対するチャネル、送信電力、変調方式の設定等のために引き渡される制御情報
(2) 無線機54c-Rによって受信された無線信号のレベルや伝送品質、あるいはその無線機54c-Rの状態を示すステータス情報
【0031】
これらの情報の引き渡しは、例えば、別途敷設された搬送回線を介して実現可能であるが、コスト高であり、特に、サイト50Rに設置されるべき無線機の台数が多いほど、確保可能な搬送回線の数の制約により実現が阻まれる可能性があった。
【0032】
なお、引き渡されるべき情報の情報量が少なく、あるいは実時間性が要求されない場合には、これらの情報の引き渡しは、例えば、以下のようにして実現され得る。
(1) 既述のプレス信号や2値信号と共に多重化され、ライン信号として直列伝送される。
(2) 音声信号と共にインバンドを介して多重伝送される。
【0033】
しかし、上記(1) の直列伝送では、構成が複雑となってコスト高となり、しかも、十分に高い伝送速度が確保されるとは限らなかった。
【0034】
また、上記(2) の多重伝送では、逆多重化等の実現のために構成が複雑化してコスト高となる可能性が高かった。
【0035】
本発明は、伝送系の既存の方式が変更されることなく、確度高く安定に所望の数の端末と装置との間における伝送情報の引き渡しを実現する端局装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0036】
請求項1に記載の発明では、シンボル列生成手段は、複数のチャネルの多重伝送に供される変調方式に適合し、かつ前記複数のチャネルを介して個別に伝送されるべき伝送情報、または前記伝送情報および前記伝送情報の識別子を示すシンボルの列を生成する。引き渡し手段は、前記多重伝送を実現する伝送装置に前記シンボルの列を引き渡す。前記シンボルの列は、前記複数のチャネル毎に、異なる範囲に予め割り付けられたシンボルで構成される。
【0037】
すなわち、本来的に異なるチャネルを介して個別に伝送されるべき伝送情報やその伝送情報の識別子は、伝送方式に変更を伴うことなく、かつ信号空間上に予め割り付けられた信号点の列として共通の伝送路を介して多重伝送される。
【0038】
また、前記シンボル列生成手段は、前記複数のチャネル毎に、前記伝送情報の値を前記予め割り付けられたシンボルで表され得るダイナミックレンジにマッピングする。
【0039】
すなわち、信号点の組み合わせが送信端において複数のチャネルに割り付けられても、個々の伝送情報のダイナミックレンジの目減りが軽減され、あるいは補償される。
【0040】
請求項に記載の発明では、抽出手段は、複数のチャネルの多重伝送に供される伝送路を介して引き渡されたシンボルの列を抽出する。復元手段は、前記多重伝送の方式に基づいて前記シンボルの列を解析し、前記複数のチャネル毎に、前記複数のチャネルを介して個別に伝送された伝送情報、または前記伝送情報および前記伝送情報の識別子を前記シンボルの列から適宜復元する。前記復元されたシンボルの列は、前記複数のチャネル毎に、異なる範囲に予め割り付けられたシンボルで構成される。
【0041】
すなわち、本来的に異なるチャネルを介して個別に伝送されるべき伝送情報やその伝送情報の識別子は、伝送方式に変更を伴うことなく、かつ信号空間上に予め割り付けられた信号点の列として、共通の伝送路を介して多重伝送される。
【0042】
また、前記復元手段は、前記複数のチャネル毎に、前記復元されたシンボルの列を前記多重伝送に供される変調方式の信号点配置で表されるダイナミックレンジにマッピングする。
【0043】
すなわち、信号点の組み合わせが送信端において複数のチャネルに割り付けられても、個々の伝送情報のダイナミックレンジの目減りが軽減され、あるいは補償される。
【0044】
請求項に記載の発明では、請求項1ないし請求項4に記載の端局装置において、前記伝送情報には、前記伝送路のシグナリング信号として前記伝送路を介して引き渡され得る情報が含まれる。
【0045】
すなわち、伝送路上では、本来、シグナリング信号と伝送されるべき情報が伝送情報に多重化され、あるいはその伝送情報の一部として伝送される。
【発明の効果】
【0046】
本発明では、異なるチャネルを介して個別に伝送されるべき伝送情報やその伝送情報の識別子の数が多く、あるいはこれらの伝送情報やその伝送情報の識別子の伝送に要する伝送路の数が少なく抑えられる。
また、本発明では、伝送品質の低下が低く安定に維持される。
さらに、本発明では、シグナリング信号の伝送のために本来適用されるべき伝送帯域も、伝送情報の伝送に併せて適用可能となる。
したがって、本発明が適用された系では、構成が大幅に複雑化することなく既存の伝送方式との互換性が維持されつつ、伝送の対象となる情報の情報量、あるいはこれらの情報の送信端や受信端の多様な数および増減に対する柔軟な適応が安価に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の一実施形態を示す図である。
図2】本実施形態において搬送回線に適用される伝送方式を説明する図である。
図3】本実施形態における端局装置の動作フローチャートである。
図4】無線機の遠隔操作による運用を実現する系の構成例を示す図である。
図5】従来例において搬送回線に適用される伝送方式を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す図である。
図において、図4に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与し、ここでは、その説明を省略する。
【0049】
本実施形態と図4に示す従来例との構成の相違点は、以下の点にある。
(1) サイト50S、50Rは、サイト10S、10Rとして構成される。
(2) これらのサイト10S、10R(伝送装置53S、53R)の間には、搬送回線60Aのみが敷設され、搬送回線60Bは敷設されない。
【0050】
(3) サイト10Sの構成は、以下の点で図4に示すサイト50Sの構成と異なる。
(3-1) 端局装置52A-S、52B-Sに代えて、端局装置11-Sが備えられる。
(3-2) 遠隔制御器51A-S、51B-Sは、何れも端局装置11-Sの対応するポートに接続される。
【0051】
(4) サイト10Rの構成は、以下の点で図4に示すサイト50Rの構成と異なる。
(4-1) 端局装置52A-R、52B-Rに代えて、端局装置11-Rが備えられる。
(4-2) 無線機54A-R、54B-Rの変復調端子および制御端子には、端局装置11-Rの対応するポートが接続される。
【0052】
図2は、本実施形態において搬送回線に適用される伝送方式を説明する図である。
図3は、本実施形態における端局装置の動作フローチャートである。
以下、図1ないし図3を参照して本実施形態の動作を説明する。
【0053】
なお、以下では、各符号に付加された第一の添え文字「A」、「B」の何れにも当てはまる事項については、これらの添え文字「A」、「B」の何れに該当し得ることを意味する添え文字「c」を用いて記述する。
【0054】
本発明の特徴は、本実施形態では、端局装置11-S、11-Rが後述する通りに連係することによって、遠隔制御器51c-Sにおいて地理的に隔たった無線機54c-Rを介する音声通信を実現するために、搬送回線60Aが共用される点にある。
【0055】
端局装置11-Sは、遠隔制御器51A-S、51B-Sによってそれぞれ与えられる以下の信号を交互に所定の周期でサンプリングし、そのサンプリングの下で得られた各信号に後述する処理を施すことによって、既述の下りインバンド信号の代替信号(以下、「代替下りインバンド信号」という。)を生成する(図3ステップS1)。
【0056】
(1) 制御信号(プレス信号を含む。)
(2) 伝送情報(音声信号またはデータ信号)
【0057】
なお、以下では、これらの制御信号(プレス信号を含む。)や伝送情報(音声信号またはデータ信号)については、遠隔制御器51A-S、51B-Sの内、供給元に該当する一方を明確に示すために、添え文字「A」、「B」の何れかを付記する。
【0058】
また、代替下りインバンド信号は、図2(a)に示すように、従来例との互換性がある16QAM変調波として生成される。
〔端局装置11-Sによる「代替下りインバンド信号」の生成〕
【0059】
(1) 遠隔制御器51A-Sによって与えられたプレス信号がとり得る2値については、特定のシンボル値「011」、「111」が既定の順列で含まれるユニークな2通りのシンボル列(以下、「プレスシンボル列A+」、「プレスシンボル列A−」という。)に変換する(図3ステップS2)。ただし、これらの「プレスシンボル列A+」、「プレスシンボル列A−」は、他の全てのシンボル列との相互相関が十分に小さく設定される。
【0060】
(2) 遠隔制御器51B-Sによって与えられたプレス信号がとり得る2値については、特定のシンボル値「011」、「111」が既定の順列で含まれるユニークな2通りのシンボル列(以下、「プレスシンボル列B+」、「プレスシンボル列B−」という。)に変換する(図3ステップS3)。ただし、これらの「プレスシンボル列B+」、「プレスシンボル列B−」は、他の全てのシンボル列との相互相関が十分に小さく設定される。
【0061】
(3) 遠隔制御器51A-Sによって与えられた音声信号(以下、「音声信号A」という。)については、従来例におけるサンプリング周波数の半分のサンプリング周波数で8値(3ビット長)のシンボル列(以下、「下り音声シンボル列A」という。)に変換する(図3ステップS4)。
【0062】
(4) 遠隔制御器51B-Sによって与えられた音声信号(以下、「音声信号B」という。)については、従来例のサンプリング周波数の半分のサンプリング周波数で8値(3ビット長)のシンボル列(以下、「下り音声シンボル列B」という。)に変換する(図3ステップS5)。
【0063】
(5) 「プレスシンボル列A+」、「プレスシンボル列A−」および「下り音声シンボル列A」に含まれる個々のシンボルについては、図2(a)に一点鎖線枠で示すように、信号空間上における16QAM変調波がとり得る16通りの信号点が8通りずつに区分されて構成されるグループAのシンボルにマッピングすることによって、時系列の順に配置する(図3ステップS6)。
【0064】
(6) 「プレスシンボル列B+」、「プレスシンボル列B−」および「下り音声シンボル列B」に含まれる個々のシンボルについては、図2(a)に示すように、信号空間上における16QAM変調波がとり得る16通りの信号点が8通りずつに区分されて構成されるグループBに属するシンボルにマッピングすることによって、その信号空間上に時系列の順に配置する(図3ステップS7)。
【0065】
(7) なお、上記特定のシンボル値「011」、「111」については、供給元が遠隔制御器51A-Sである場合には、図2(a)に点線枠で示す2つの信号点にそれぞれマッピングし、供給元が反対に遠隔制御器51B-Sである場合には、図2(a)に破線枠で示す2つの信号点にそれぞれマッピングする(図3ステップS8)。
【0066】
したがって、遠隔制御器51A-S、51B-Sによって個別に与えられるプレス信号および音声信号は、これらの遠隔制御器51A-S、51B-Sにそれぞれ割り付けられた8つずつの信号点の何れかで示され、かつ従来例と互換性がある16QAM変調波のシンボルの列に変換される。
【0067】
端局装置11-Sは、伝送装置53-Sおよび搬送回線60Aを介してサイト10Rに、これらのシンボルの列を引き渡す(図3ステップS9)。
サイト10Rでは、端局装置11-Rは、伝送装置53-Rを介して引き渡された上記シンボルの列に以下の処理を施す。
【0068】
(1) 伝送装置53-Rから時系列の順に引き渡されたシンボルの値を、図2(a)に示すグループA、Bに区分する(図3ステップS10)。以下、このようにして区分されたシンボルの列を「シンボル列A」、「シンボル列B」と称する。
(2) シンボル列Aについては、以下の処理を施す。
【0069】
(2-1) 既知の「プレスシンボル列A+」、「プレスシンボル列A−」との相互相関をとることによって、プレス信号(以下、「プレス信号A」という。)の論理値を復元し、無線機54A-Rに与える(図3ステップS11)。
【0070】
(2-2) 上記「プレスシンボル列A+」、「プレスシンボル列A−」との相関性がないシンボルについては、グループAに属する8通りのシンボルに対応した8QAM変調波と見なして復調することにより、音声信号Aを復元し、かつ無線機54A-Rの変調端子に与える(図3ステップS12)。
【0071】
(3) シンボル列Bについても、同様に以下の処理を施す。
(3-1) 既知の「プレスシンボル列B+」、「プレスシンボル列B−」との相互相関をとることによって、プレス信号(以下、「プレス信号B」という。)の論理値を復元し、無線機54A-Rに与える(図3ステップS13)。
【0072】
(3-2) 上記「プレスシンボル列B+」、「プレスシンボル列B−」との相関性がないシンボルについては、グループBに属する8通りのシンボルに対応した8QAM変調波と見なして復調することにより、音声信号Bを復元し、かつ無線機54B-Rの変調端子に与える(図3ステップS14)。
【0073】
また、図示されない無線端末からアンテナ55A-R、55B-Rに個別に到来した無線信号が無線機54A-R、54B-Rによって受信されることによって得られたプレス信号および音声信号は、端局装置11-R、伝送装置53-R、53-Sおよび端局装置11-Sが既述の処理と反対の処理を行うことによって、遠隔制御器51A-S、51B-Sに引き渡される。
【0074】
すなわち、無線機54A-R、54B-Rは、地理的に隔たったサイト10Sに設置され、かつ1つの搬送回線60Aを介して連係する遠隔制御器51A-S、51B-Sの配下で音声通信に供される。
【0075】
しかも、このような搬送回線60Aは、プレス信号および音声信号がインバンド信号とし引き渡され、そのインバンド信号は従来例と同様に16QAM信号と見なされ得る。
【0076】
したがって、本実施形態によれば、搬送回線の伝送容量が活用されることにより、2つの無線機54A-R、54B-Rの遠隔操作による音声通信が安価に実現される。
【0077】
さらに、本実施形態では、遠隔操作され、かつ並行して稼働すべき無線機の台数が多数であったり、増加しても、搬送回線の数が最小限度に抑えられ、コストの無用な増加が回避される。
【0078】
なお、本実施形態では、音声信号A、Bは、それぞれ従来例におけるサンプリング周波数の半分のサンプリング周波数で8値(3ビット長)の「下り音声シンボル列A」、「下り音声シンボル列B」にそれぞれ変換されている。
【0079】
しかし、これらの音声信号A、Bは、何れも、例えば、圧縮符号化や予測符号化が施されることにより、上記「下り音声シンボル列A」、「下り音声シンボル列B」に該当するシンボル列に変換されてもよい。
【0080】
また、本実施形態では、遠隔制御器および無線機の台数が「2」となっているが、本発明は、このような台数は「3」以上の如何なる値であっも、本発明の適用により所要する搬送回線の数を最小限度が抑えるために適用可能である。
【0081】
さらに、本発明は、無線機54A-R、54B-Rが、送信または受信の何れかのみを行う場合にも、適用可能である。
【0082】
また、本発明は、無線機54A-R、54B-Rに代えて有線伝送装置、光伝送装置、網終端装置等が備えられる場合にも、同様に適用可能である。
【0083】
さらに、本実施形態は、無線機毎に信号点の配分が可能であるならば、16QAMに限定されず、如何なる信号点配置や変調方式が適用されてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、搬送回線60Aを介して引き渡される伝送情報は、如何なる形式のフレームやパケットに配置されてもよく、これらのフレームやパケット上に複数の無線機を介して無線伝送されるべき伝送情報が論理多重化されてもよい。
【0085】
さらに、本実施形態では、既述の「プレスシンボル列A+」、「プレスシンボル列A−」、「プレスシンボル列B+」、「プレスシンボル列B−」に含まれる特定のシンボルは、遠隔制御器51A-S、51B-S(無線機54A-R、54B-R)に割り付けられた個別のシンボルでなくてもよく、例えば、両者に共通のシンボルが含まれてもよい。
【0086】
また、上記「プレスシンボル列A+」、「プレスシンボル列A−」、「プレスシンボル列B+」、「プレスシンボル列B−」は、何れも、ユニークであって、音声信号に割り付けられていない特定のシンボルのみで構成されてもよい。なお、このような構成では、例えば、伝送速度が19.2kbpsであって、16QAM変調波がとり得る16通りの信号点の内、4シンボルが特定のシンボルとして適用され、かつ残りの12シンボルだけが音声の伝送に適用されても、7200(=19200・12/16/2)bps程度の音声コード化が可能である。
【0087】
さらに、「プレスシンボル列A+」と「プレスシンボル列A−」との相互相関、またはこれらの「プレスシンボル列A+」や「プレスシンボル列A−」と音声信号を示すシンボルの列との相互相関が十分には小さくない場合には、前方保護や後方保護の適用により、識別の確度が高められてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、搬送回線60Aの伝送方式、多元接続方式、信号方式および変調方式は、所望の伝送速度および信頼性が確保されるならば、如何なるものであってもよい。
【0089】
さらに、本発明は、音声通信に限定されず、データ通信にも同様に適用可能である。
また、本発明では、所定のフレーム構成により受信端で識別可能なシンボル列としてプレス信号が伝送され、そのシンボル列は、既述の特定のシンボルを含むことなく構成されてもよい。
【0090】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲において多様な実施形態の構成が可能であり、構成要素の全てまたは一部に如何なる改良が施されてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10S,10R,50S,50R サイト
11,52A,52B 端局装置
51A,51B 遠隔制御器
53 伝送装置
54A,54B 無線機
55A,55B アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5