特許第6218654号(P6218654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6218654
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】貯湯タンクユニットおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/06 20060101AFI20171016BHJP
   F24H 9/02 20060101ALI20171016BHJP
【FI】
   F24H9/06 301B
   F24H9/02 301A
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-55508(P2014-55508)
(22)【出願日】2014年3月18日
(65)【公開番号】特開2015-178912(P2015-178912A)
(43)【公開日】2015年10月8日
【審査請求日】2016年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
(74)【代理人】
【識別番号】100111545
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 悦夫
(72)【発明者】
【氏名】伏木 隆之
(72)【発明者】
【氏名】北村 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 祐之
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5753961(JP,B2)
【文献】 特開2013−152033(JP,A)
【文献】 特開昭58−160758(JP,A)
【文献】 特開2007−30951(JP,A)
【文献】 特開2013−142483(JP,A)
【文献】 特開2013−221643(JP,A)
【文献】 特開昭62−77545(JP,A)
【文献】 特開2001−4221(JP,A)
【文献】 特開2014−29231(JP,A)
【文献】 特開2013−167369(JP,A)
【文献】 特開2007−247991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/06
F24H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱された温水が貯留される貯湯タンクと、
前記貯湯タンクを内部に収容する外箱と、
前記外箱の底板の内側に固定され、前記貯湯タンクを支持する内脚が支持された平板状の支持部材と、
前記貯湯タンクと、ねじが留められた前記支持部材を有する前記外箱との間に形成された発泡断熱材と、
前記発泡断熱材が形成された前記外箱の下部の前記支持部材に、前記ねじを用いて取り付けられ、貯湯タンクユニットを支持する第1外脚とを備え、
前記支持部材は、前記内脚の前記底板に対向する領域および前記第1外脚の前記底板に対向する領域より大きく、
前記底板には前記支持部材が当接される平面部が形成されている
ことを特徴とする貯湯タンクユニット。
【請求項2】
加熱された温水が貯留される貯湯タンクと、
前記貯湯タンクを内部に収容する外箱と、
前記貯湯タンクと前記外箱との間に形成される発泡断熱材と、
前記外箱の下部に取り付けられ、貯湯タンクユニットを支持する第1外脚とを備える貯湯タンクユニットの製造方法であって、
前記外箱の底板を含む下部が第1治具により抑えられ、かつ、前記外箱の底板の前記第1外脚の取り付け箇所が、当該取り付け箇所を平面に保つ平面度保持治具または抑え板により抑えられ、
前記発泡断熱材は、前記貯湯タンクと前記外箱との間に充填され発泡して形成される
ことを特徴とする貯湯タンクユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンクユニットおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の貯湯タンクユニットとして、貯湯タンクの周囲を複数の成形断熱材で覆い、成形
断熱材の周囲を外装ケースで覆うものが提案されている(特許文献1参照)。また、貯湯
タンクユニットとして、貯湯タンクの周囲を真空断熱材などの断熱材で覆うものが提案さ
れている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−106791号公報
【特許文献2】特許第4745269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の成形断熱材では、必ずしも断熱性能が良好とは言えない。
そこで、特許文献2に記載のように、真空断熱材を併用する技術が開発されている。
【0005】
しかし、真空断熱材と成形断熱材とを併用した場合、真空断熱材が貯湯タンクの高熱により劣化するおそれがあるため、真空断熱材を貯湯タンクに密着させることができず、例えば貯湯タンクと真空断熱材との間に隙間を生じさせる場合、熱漏洩を十分に防ぐことができないという問題がある。
【0006】
本発明は前記従来の問題を解決するものであり、高い断熱性能を備えるとともに、低コストの貯湯タンクユニットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、加熱された温水が貯留される貯湯タンクと、前記貯湯タンクを内部に収容する外箱と、前記外箱の底板の内側に固定され、前記貯湯タンクを支持する内脚が支持された平板状の支持部材と、前記貯湯タンクと、ねじが留められた前記支持部材を有する前記外箱との間に形成され発泡断熱材と、前記発泡断熱材が形成された前記外箱の下部の前記支持部材に、前記ねじを用いて取り付けられ、貯湯タンクユニットを支持する第1外脚とを備え、前記支持部材は、前記内脚の前記底板に対向する領域および前記第1外脚の前記底板に対向する領域より大きく、前記底板には前記支持部材が当接される平面部が形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い断熱性能を備えた貯湯タンクユニットおよびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る貯湯タンクユニットを備えた給湯器を示す全体構成図。
図2】貯湯タンクユニットを下方から見た斜視図。
図3】貯湯タンクユニットを略水平面で切断した横断面図。
図4】(a)は、貯湯タンクと外箱との間に発泡断熱材を充填する状態を示す貯湯タンクユニットの側方からの透視図、(b)は左側面の側方からの透視図。
図5】発泡断熱材の充填方法の一例を示す外箱と貯湯タンクの側方からの透視図、(a)は発泡断熱材の充填中を示す図、(b)は発泡断熱材の充填終了時を示す図。
図6】比較例の発泡断熱材が発泡時の外箱に取り付けられた外脚の周りを示す概念図。
図7】実施形態の発泡断熱材が発泡時の外箱の外脚の取り付け箇所近傍を示す概念図。
図8】(a)〜(e)は第1の方法の発泡断熱材の充填時の外箱の外脚の取り付け箇所付近での作業工程を示す図。
図9】(a)〜(e)は第2の方法の発泡断熱材の充填時の外箱の外脚の取り付け箇所付近での作業工程を示す図。
図10】上板の中央部に切り欠き部を形成した外脚を下方から見た斜視図。
図11】(a)〜(e)は第3の方法の発泡断熱材の充填時の外箱の外脚の取り付け箇所付近での作業工程を示す概念図。
図12】第4の方法の外箱の底板eに外脚を取り付けた状態を示す概念図。
図13】第5の方法の外箱の底板に抑え板治具を取り付けて発泡断熱材が充填している状態を示す貯湯タンクユニットを斜め下方から見た斜視図。
図14】第5の方法の発泡断熱材6の充填時の外箱3の外脚7の取り付け箇所付近での作業工程を示す概念図。
図15】第6の方法の発泡断熱材6の充填時の外箱3の外脚7の取り付け箇所付近での作業工程を示す概念図。
図16】変形例の発泡断熱材の充填充填作業例を示す概要図。
図17】貯湯タンクユニットを斜め上方から見た外箱内に収容される貯湯タンクの透視斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る貯湯タンクユニットを備えた給湯器を示す全体構成図である。なお、図2以降では、貯湯タンクに接続される配管の図示を省略して示している。
実施形態の貯湯タンクユニット1を備えた給湯機Kについて、説明する。
給湯機Kは、低温水を加熱して温水(お湯)を作るヒートポンプユニット10と、該温水を貯留して供給する貯湯タンクユニット1とを備え構成されている。
【0011】
貯湯タンクユニット1は、温水を貯める貯湯タンク2、貯湯タンク2を覆う外箱3、および貯湯タンク2を断熱する発泡断熱材6(図3参照)を備えている。
貯湯タンク2の下部には、低温水(水道水などの水)が導入される給水管11が接続されている。貯湯タンク2内の下部の低温水は、図示しないポンプPによってヒートポンプ往き管12を介してヒートポンプユニット10に導入される。ヒートポンプユニット10で加熱され高温となった温水は、ヒートポンプ戻り管13を通って貯湯タンク2の上部に導入される。
【0012】
貯湯タンク2は、例えば、ステンレス鋼などの材料を用いて、円筒形状の胴板2a、胴板2aの上部開口を覆う略お椀状の曲率をもった曲面形状の上部鏡板2b、胴板2aの下部開口を覆う略お椀状の曲率をもった曲面形状の下部鏡板2cの3部材を溶接して連結し構成されている。
【0013】
貯湯タンク2内の温水の温度は、下方から上方にいくにしたがって高くなる。すなわち、貯湯タンク2内の下部から上部にかけて、低温、中温、高温の温度分布の温水(または水)となっている。そこで、貯湯タンク2の外面には、鉛直方向に、貯湯タンク2内の温水または水の温度を測る温度センサ5(5a、5b、5c、5d)(図17参照)が鉛直方向に間隔をおいて複数設けられている。温度センサ5としては、例えばサーミスタが用いられる。
【0014】
<ヒートポンプユニット10>
ヒートポンプユニット10は、貯湯タンク2から取り出した水(低温水)を高温の温水に加熱するものであり、例えば、冷媒(例えば、二酸化炭素)を圧縮して高温・高圧にする圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させるとともに貯湯タンク2からの水と熱交換することによって水を凝縮熱で加熱する凝縮器と、凝縮器からの冷媒を減圧する減圧弁と、大気中の熱を吸熱して減圧した冷媒を蒸発させる蒸発器とを備えて構成されている。
【0015】
貯湯タンク2の上部から取り出された温水(湯)は、給湯管14を通り混合弁(図示せず)に送られ、給水管11から分岐した分岐給水管(図示せず)からの水と、混合弁で混合され所望温度の温水にされた後、給湯管17を通って給湯端末18から給湯される。
【0016】
<外箱3>
外箱3は、内部に貯湯タンク2を収容し、貯湯タンク2の保護、断熱などを目的に供されるものであり、防錆処理がされたかまたは防錆性を持つ薄い鋼板で構成されている。
外箱3は、貯湯タンク2の前方に位置する前板3a(図1参照)、側方に位置する側板3b,3b、後方に位置する後板3c、上方に位置する上板3dおよび下方に位置する底板3eによって縦長の箱状に構成されている。前板3a、側板3b,3b、後板3c、上板3d、底板3eは、必要箇所が嵌合、ボルト締めなどで接合され、外箱3が形成されている。
【0017】
外箱3の前方(正面側)には、配管カバー3sが設けられている。配管カバー3sは、ヒートポンプユニット10から貯湯タンク2に向かうヒートポンプ戻り管13、分岐給水管、混合弁、減圧弁などを収容して覆い、外部空間から保護している。
【0018】
貯湯タンク2の下部には、3本の内脚2dが固定されている。貯湯タンク2は、3本の内脚2dが外箱3の底板3aの外側に取り付けられる外脚7に固定され支持されている。内脚2dおよび外脚7の数は、それぞれ3つ以上であってもよいが、3つの内脚2d、3つの外脚7の場合、3つの外脚7により貯湯タンクユニット1を設置する一つの平面が定まり貯湯タンク2が最も安定する。そのため、3つの内脚2d、外脚7が最も望ましい。
【0019】
<外箱3の外脚7>
図2は、貯湯タンクユニット1を下方から見た斜視図である。
貯湯タンクユニット1の外箱3の下面を成す底板3eには、複数の外脚7が外箱3内の貯湯タンク2を支持する内脚2dにボルトb1などにより固定されている。
そのため、外脚7における外箱3の底板3eに当接する上板7aには、ボルトb1が挿通する取り付け穴7a1が設けられている。
【0020】
一方、外脚7の貯湯タンクユニット1の設置箇所Gの基礎(一般的にコンクリートで養生した土台)に当接する下板7bには、基礎への固定用のアンカーボルトが挿通する取り付け穴7b1が設けられている。
【0021】
<貯湯タンク2と外箱3との間の発泡断熱材6>
図3は、貯湯タンクユニットを略水平面で切断した横断面図である。
図3においてドット表示で示すように、貯湯タンク2と外箱3との間の隙間のスペースs1には発泡性の断熱材である発泡断熱材6が充填されている。
【0022】
発泡性の断熱材(発泡断熱材6)は、貯湯タンク2と外箱3との間に、液状の発泡性の断熱材を充填し、充填後に発泡させることで構成されるものである。発泡断熱材6としては、例えば、硬質ポリウレタンフォームが用いられる。この硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分とイソシアネート成分の2つのウレタン原液を、発泡剤、触媒、整泡剤の存在下で反応させることにより得られるものである。発泡剤としては、シクロペンタン、水、炭酸ガスなどである。なお、発泡断熱材6は、硬質ポリウレタンフォーム以外のものを用いてもよい。
【0023】
このように、貯湯タンク2と外箱3との間に隙間のスペースs1を設け、スペースs1に断熱材の発泡断熱材6を充填することで、貯湯タンク2内の温水の熱が、外箱3の外部空間に漏洩するのを抑制している。
【0024】
<貯湯タンク2と外箱3との間の発泡断熱材6の充填>
図4(a)は、貯湯タンク2と外箱3との間に発泡断熱材6を充填する状態を示す貯湯タンクユニットの側方からの透視図であり、図4(b)は、左側面の側方からの透視図である。
貯湯タンク2と外箱3との間の空間に発泡断熱材6を充填する場合、配管カバー3s(図1参照)を取り付ける前の状態において、図4(a)に示すように、貯湯タンク2を収容した外箱3Aを水平方向に寝かせ(倒し)、配管カバー3s(図3参照)が取り付けられる前板3aの側を上向きに、外箱Aの設置時の上下方向が水平方向になる状態にする。
【0025】
そのため、外箱3の前板3aには、発泡断熱材6を充填する際の入口となる充填口3a1,3a2が形成されている。外箱3の充填口3a1は、外箱3の下部の底板3e側に形成され、外箱3の充填口3a2は、外箱3の上部の上板3de側に形成されている。
【0026】
充填口3a1,3a2が、外箱3の前板3aに形成されることにより、最終的には(貯湯タンクユニット1の状態では)前板3aが配管カバー3sに覆われるので、充填口3a1,3a2の開口が風雨に晒されることがない。そのため、充填口3a1,3a2は、前板3aに形成されることが最も好ましい。
【0027】
図5は、発泡断熱材の充填方法の一例を示す外箱と貯湯タンクの側方からの透視図であり、図5(a)は発泡断熱材の充填中を示し、図5(b)は発泡断熱材の充填終了時を示す。なお、図5に示す上下方向および前後方向の矢印は、貯湯タンク2の向きを示している。
【0028】
発泡断熱材6の発泡時、外箱3は発泡断熱材6から内圧を受けて膨らむこととなる。そこで、図5(a)に示すように、外箱3を寝かせた(倒した)状態において、外箱3の外面に密着させてその周囲を発泡管理治具(やとい、ともいう)30で覆う(図5(a)の二点鎖線参照)。
【0029】
発泡管理治具30は、発泡断熱材6の発泡時の発泡断熱材6の発泡による内圧に抗するため、外箱3の周囲全体を取り囲んで前板3a、側板3b,3b、後板3c、上板3d、底板3eのすべてを変形しないように内方に向けて押し付ける板状の治具を備えている。
そして、発泡管理治具30(以下、やとい30と称す)の外側から、ノズル(図示せず)を充填口3a1、3a2に挿入し、充填口3a1、3a2から液状の発泡断熱材6を注入する。
そして、発泡断熱材6の注入が完了すると、図5(b)に示すように、発泡断熱材6が発泡して上昇して外箱3と貯湯タンク2との間の隙間のスペースs1が満たされる。
【0030】
発泡に際して、外箱3は、発泡断熱材6から大きな内圧を受けることなる。
図6は、比較例の発泡断熱材が発泡時の外箱に取り付けられた外脚の周りを示す概念図である。
【0031】
図6に示すように、外箱103に外脚107を取り付けた状態で、発泡断熱材106hを、外箱103と貯湯タンク101との間の隙間のスペースs101に充填する場合、外箱103の底板103eに外脚7が取り付けられた状態で行われる。そのため、やとい130の形状が複雑化することから、やとい130は、やとい130aとやとい130bとに分割される。
【0032】
例えば、側板103bにはやとい130aが突き当てられ、底板103eにはやとい130bが突き当てられる。底板103eに突き当てられるやとい130bには、外脚107の逃げとなる凹部である逃げ部130b1が形成される。
そのため、やとい130bでは、外脚107近傍の底板103eを抑えることができない。
【0033】
従って、発泡時の発泡断熱材106hの内圧により、底板103eと前板103a、側板103b、後板103c間の接合箇所から発泡時の発泡断熱材106hが漏出する場合がある。
また、外箱103の底板103eに外脚107を取り付けた状態で発泡断熱材106hの充填作業を行う場合、やとい130a、130bの構成が複雑になるという問題がある。
【0034】
その対策として、実施形態の貯湯タンクユニット1では、図7に示す発泡断熱材6が漏出しない方法で、発泡断熱材6の発泡を行っている。図7は、実施形態の発泡断熱材が発泡時の外箱の外脚の取り付け箇所近傍を示す概念図である。
図7に示すように、実施形態の貯湯タンクユニット1では、発泡断熱材6を外箱3と貯湯タンク1との間の隙間のスペースs1に充填する際、外脚7を外箱3の底板3eに取り付けない状態で、充填作業を行っている。
【0035】
これにより、外箱3の底板3eにおける外脚7の取り付け箇所付近に、外箱3とやとい30cとの隙間ができず、外箱3の底板3eにおける外脚7の取り付け箇所付近を、空き空間を生ずることなく、やとい30dで外側から確実に抑えることができる。
また、外箱3の底板3eにおける外脚7の取り付け箇所付近が単純な形状になるので、やとい30cの形状が単純で済み、コスト削減を図ることができる。
【0036】
<発泡断熱材6の充填時の外箱3の外脚7の取り付け箇所付近での作業工程>
以下、具体的に、実施形態の貯湯タンクユニット1の発泡断熱材6の充填作業を、以下説明する。
外箱3と貯湯タンク1との間の隙間のスペースs1に発泡断熱材6を充填する際の外箱3の外脚7の取り付け箇所付近での作業工程は次のように遂行される。
上述した如く、貯湯タンクユニット1での外箱3と貯湯タンク2との間への発泡断熱材6の充填は、外箱3に外脚7を取り付けない状態で行われるという特徴がある。
【0037】
<第1の方法>
図8(a)〜(e)は、第1の方法の発泡断熱材の充填時の外箱の外脚の取り付け箇所付近での作業工程を示す図である。
第1の方法では、まず、図8(a)に示すように、外箱3の内部で貯湯タンク2を支持する内脚2dの支持部材2eを外脚7の底板3eの外脚7の取り付け箇所に位置決めする。
【0038】
続いて、図8(b)に示すように、ボルトb2を底板3eの貫通孔3e1を挿通させて、内脚2dの支持部材2eの雌ネジ部2e1に螺着する。
なお、支持部材2eの所定箇所には、ボルトb2が螺着されるための雌ネジ部2e1が予め螺刻されているか、ナットn0(図8(a)中、2点鎖線で示す)が溶接などで支持部材2eに固定または形成されている。
【0039】
続いて、図8(b)に示す状態で、図8(c)に示すように、ボルトb2のボルト頭b2aの逃げ30e1が形成されたやとい30eが底板3eを外側から抑え、外箱3と貯湯タンク1との間の隙間のスペースs1に発泡断熱材6が充填される。なお、やとい30eは、ボルトb2頭の逃げ30e1の小さな空間以外で底板3eを外側から抑えるので、底板3eは、確実に抑えられ、発泡断熱材6が外箱3の接合部から漏出することが抑制される。
【0040】
続いて、泡断熱材6の充填作業、発泡終了後、図8(d)に示すように、ボルトb2が取り外される。
続いて、図8(e)に示すように、外脚7の取り付け穴7a1を底板3eの貫通孔3e1に合わせ、外脚7を底板3eの取り付け箇所に当接させ、ボルトb2を、外脚7の取り付け穴7a1、底板3eの貫通孔3e1に貫通させ、内脚2dの支持部材2eの雌ネジ部2e1に螺着し、外脚7を外箱の底板3eに固定する。
その他の外脚7の外箱の底板3eへの固定も同様な方法で遂行される。
【0041】
<第2の方法>
図9(a)〜(e)は、第2の方法の発泡断熱材6の充填時の外箱3の外脚7の取り付け箇所付近での作業工程を示す図である。
第2の方法では、まず、図9(a)に示すように、外箱3の内部で貯湯タンク2を支持する内脚2dの支持部材2eを外脚7の底板3eの外脚7の取り付け箇所に位置決めする。
【0042】
続いて、図9(b)に示すように、ボルトb3を、外箱3の内部側から内脚2dの支持部材2eの貫通孔2e1と底板3eの貫通孔3e1とを挿通させ、ボルト雄ねじ部b3aにナットn2を仮留めする。なお、貫通孔2e1は雌ネジになっており、ボルトb3が空回りしないようになっている。
続いて、図9(c)に示すように、ボルトb3の雄ねじ部b3aナットn2の逃げ30f1が形成されたやとい30fで底板3eを外側から抑え、外箱3と貯湯タンク1との間の隙間のスペースs1に発泡断熱材6が充填される。
【0043】
この場合、やとい30fは、ボルトb3の雄ねじ部b3aとナットn2を逃げる逃げ30f1の小さな空間以外で底板3eを外側から抑えるので、底板3eは、確実に抑えられ、発泡断熱材6が外箱3の接合部から漏出することが抑制される。
続いて、図9(d)に示すように、やとい30fとナットn2が取り外される。
【0044】
続いて、図9(e)に示すように、外脚7の取り付け穴7a1を底板3eの貫通孔3e1に合わせ、外脚7を底板3eの取り付け箇所に当接させて、底板3eの貫通孔3e1、外脚7の取り付け穴7a1を貫通させたボルトb3の雄ねじ部b3aにナットn2を螺着し、外脚7を外箱の底板3eに固定する。
その他の外脚7の外箱の底板3eへの固定も同様な方法で遂行される。
【0045】
底板3eの貫通孔3e1をバーリング加工して雌ねじ部を形成し、図9(b)の工程で、ナットn2を仮留めすることを取り止めてもよい。この場合、外脚7の上板7aには、貫通孔3e1のバーリング加工の箇所の逃げが形成されることになる。
【0046】
<第3の方法の一例>
第3の方法は、図10に示す上板7aの中央部に切り欠き部7a2を形成した外脚7Aを用いるものである。なお、図10は、上板の中央部に切り欠き部を形成した外脚を下方から見た斜視図である。
外脚7Aの上板7aの切り欠き部7a2の外側の箇所には、貫通孔である取り付け穴7a3が形成されている。
【0047】
図11(a)〜(e)は、第3の方法の発泡断熱材6の充填時の外箱3の外脚7の取り付け箇所付近での作業工程を示す概念図である。
第3の方法では、まず、図11(a)に示すように、外箱3の内部で貯湯タンク2を支持する内脚2dの支持部材2eを、外脚7の底板3eの外脚7の取り付け箇所に位置決めする。なお、支持部材2eの中央箇所には第1雌ネジ部2e1が形成され、支持部材2eの雌ネジ部2e1の外側には第2雌ネジ部2e2が形成されている。または、第1雌ネジ部2e1をもつナット、第2雌ネジ部2e2をもつナットn0(図11(a)中、2点鎖線で示す)が溶接などで支持部材2eに固定または形成されている。
【0048】
また、外箱3の底板3eには、支持部材2eの第1雌ネジ部2e1、第2雌ネジ部2e2にそれぞれ対応する位置に第1貫通孔3e1、第2貫通孔3e2が形成されている。なお、底板3eの第2貫通孔3e2は、外脚7Aの上板7aの取り付け穴7a3(図10参照)に対応する位置に形成されている。
続いて、図11(b)に示すように、ボルトb4を底板3eの第1貫通孔3e1に挿通させて、内脚2dの支持部材2eの第1雌ネジ部2e1に螺着する。
【0049】
続いて、図11(c)に示すように、ボルトb4のボルト頭b4aの凹形状の逃げ30g1が形成されたやとい30gが底板3eを外側から抑え、外箱3と貯湯タンク1との間の隙間のスペースs1に発泡断熱材6が充填される。なお、やとい30gは、ボルト頭b4aの逃げ30g1の小さな空間以外の箇所で底板3eを外側から抑えるので、底板3eはやとい30gにより確実に抑えられ、発泡断熱材6が外箱3の接合部から漏出することが抑制される。
【0050】
続いて、図11(d)に示すように、外脚7Aの上板7aの中央部の切り欠き部7a2(図10参照)内に、ボルトb4のボルト頭b4aが収容されるとともに、外脚7Aの上板7aの取り付け穴7a3が、底板3eの第2貫通孔3e2に合うように、外脚7Aを底板3eの取り付け箇所に位置決めする。
【0051】
続いて、図11(e)に示すようにボルトb5を、外脚7の取り付け穴7a3、底板3eの第2貫通孔3e2に貫通させ、内脚2dの支持部材2eの第2雌ネジ部2e2に螺着し、外脚7を外箱の底板3eに固定する。
全ての外脚7の外箱の底板3eへの固定は同様な方法で遂行される。
【0052】
第3の方法では、ボルトb4により、内脚2dの支持部材2eと外箱の底板3eとを固定し、ボルトb5により、内脚2dの支持部材2eと外脚7とを固定することとなる。
以上、説明した第3の方法は、言わば、第3の方法を、第1の方法に適用したものである。
【0053】
<第3の方法の他例の第4の方法>
第3の方法の他例の第4の方法として、上述の第3の方法を第2の方法に適用することができる。
第4の方法は、上述の第3の方法と同様にして遂行される。
【0054】
図12は、第4の方法の外箱3の底板3eに外脚7を取り付けた状態を示す概念図である。
第4の方法では、外箱の底板3eに固定した外脚7A(図10参照)の上板7aの中央部の切り欠き部7a2に配置されるボルトb6とナットn3により、内脚2dの支持部材2eと外箱の底板3eとが固定される。こうして、ボルトb6により、内脚2dの支持部材2eと外脚7Aとが固定されることになる。
【0055】
第4の方法では、外箱3と貯湯タンク2との間の隙間のスペースs1に発泡断熱材6が充填時、ナットn3またナットn3およびボルトb6の雄ねじ部b6aの逃げが形成されたやといが底板3eを外側から抑える。そのため、やといは、ナットn3またはナットn3およびボルトb6の雄ねじ部b6aの逃げ部の小さな空間以外の箇所で底板3eを外側から抑えるので、底板3eは、確実に抑えられ、発泡断熱材6が外箱3の接合部から漏出することが抑制される。
【0056】
上述の第3の方法、第4の方法によれば、外脚7Aを取り付けない状態で、発泡断熱材6の充填が行われるので、やといの形状が単純化でき、製造コストの低コスト化が可能である。
また、発泡断熱材6の充填中、外脚7Aをやといで確実に抑えられるので、発泡断熱材6の外箱3からの漏れが抑制される。
【0057】
<第5の方法>
図13は、第5の方法の外箱の底板に抑え板治具を取り付けて発泡断熱材を充填している状態を示す貯湯タンクユニットを斜め下方から見た斜視図である。なお、図13では、発泡断熱材6を充填中、外箱3全体を抑えるやとい30は、省略して示している。
図14は、第5の方法の発泡断熱材6の充填時の外箱3の外脚7の取り付け箇所付近での作業工程を示す概念図である。
【0058】
第5の方法では、図14に示すように、発泡断熱材6を貯湯タンク2と外箱3との間のスペース1sに充填する際に、外脚7の取り付け箇所の外箱3の底板3eが、充填中の発泡断熱材6の内圧で変形しないように、つまり外箱3の底板3eにおける外脚7の取り付け箇所が平面を保てるように、平面形状を有する抑え板治具Ojで外脚7の取り付け箇所を抑える構成である。
【0059】
底板3eの外脚7の取り付け箇所が平面でない場合、外脚7の底板3eへの取り付けが確実に、つまり底板3eと外脚7とがほぼ隙間なく密着して取り付けることができない。
この場合、外脚7は、図1に示すように、貯湯タンクユニット1の設置箇所Gに対する支持部材であるので、貯湯タンクユニット1の取り付けが不安定になる。
【0060】
なお、抑え板治具Ojは、底板3eの外脚7の取り付け箇所を平面に保持すればよいので、抑え板治具Ojの底板3eの外脚7の取り付け箇所に当接、または、対向する箇所が平面であればよい。
第5の方法は、上記第1〜第4の方法に適用した場合を例に説明する。
【0061】
<第5の方法の第1の方法への適用>
第5の方法を、第1の方法に適用した場合、図8(b)、(c)の工程において、ボルトb2が、抑え板治具Ojの貫通孔Oj1を挿通して、抑え板治具Ojが底板3eに固定されることになる(図14参照)。この場合、やとい30eには、ボルトb2のボルト頭b2aと抑え板治具Ojを逃げる凹状の逃げ30e1が形成される。そして、発泡断熱材6の充填中、やとい30eは逃げ30e1以外の箇所で外箱3を抑えることになる。
そして、発泡断熱材6の充填終了後、図8(d)に示すように、ボルトb2が取り外される際に抑え板治具Ojが除去されることになる。
【0062】
<第5の方法の第2の方法への適用>
第5の方法を第2の方法に適用した場合、図9(b)、(c)において、外箱3の内側からボルトb3の雄ねじ部b3aが底板3eを挿通して、抑え板治具Ojが底板3eにナットn2で仮固定されることになる。
【0063】
この場合、やとい30e(図14参照)には、ボルトb3の雄ねじ部b3a(図9(c)参照)と抑え板治具Ojとナットn2を逃げる凹状の逃げ30e1が形成される。そして、発泡断熱材6の充填中、やとい30eは凹状の逃げ30e1以外の箇所で外箱3を抑えることになる。そして、発泡断熱材6の充填終了後、図9(e)に示すように、やとい30eが取り外された際、ナットn2が外され抑え板治具Ojが除去されることになる。
【0064】
<第5の方法の第3方法への適用>
第5の方法を第3方法に適用した場合、図11(b)の際に、ボルトb4により抑え板治具Ojが底板3eに仮固定されることになる。
ここで、抑え板治具Ojは、外脚7の上板7aに当接すべく、外脚7の上板7aと同じ大きさまたはほぼ大きさの当接面をもつとよい。
【0065】
やとい30gには、ボルトb4のボルト頭b4aと抑え板治具Ojを逃げる凹状の逃げ30g1が形成される。そして、発泡断熱材6の充填中、やとい30gは逃げ30g1以外の箇所で外箱3を抑えることになる。そして、発泡断熱材6の充填終了後、図9(e)に示すように、やとい30eが取り外された際、ボルトb4を外して抑え板治具Ojが除去される。
【0066】
<第5の方法の第4の方法への適用>
第5の方法を第4方法に適用した場合、図12に示すボルトb6に留められるナットn3が、貫通孔Oj1を挿通して抑え板治具Ojが底板3eに固定されることになる。
ここで、抑え板治具Ojは、外脚7の上板7aに当接すべく、抑え板治具Ojは上板7aと同じ大きさまたはほぼ大きさの当接面をもつとよい。
【0067】
やといには、ナットn3と抑え板治具Ojを逃げる凹状の逃げが形成される。そして、発泡断熱材6の充填中、やといはナットn3と抑え板治具Ojの凹状の逃げ以外の箇所で外箱3を抑えることになる。そして、発泡断熱材6の充填終了後、やとい30が取り外された際、ナットn3を外して抑え板治具Ojが除去される。
【0068】
第5の方法によれば、発泡断熱材6の充填時、外脚7の取り付け箇所が抑え板治具Ojで抑えられるので、底板3eの外脚7の取り付け箇所が平面を保持でき、外脚7が確実に外箱3の底板3eに固定できる。そのため、貯湯タンクユニット1の設置が安定化する。
【0069】
<第6の方法>
第6の方法は、抑え板治具Ojを治具としてではなく抑え板Oiとし、抑え板治具Ojと同様に、抑え板Oiで底板3eを抑えて、発泡断熱材6の充填を行い、充填後、抑え板治具Ojと異なり、底板3eと外脚7との間に抑え板Oiを固定する構成としてもよい(図15参照)。
発泡断熱材6の充填時の工程は、抑え板治具Ojと同様に、ボルトb2が、抑え板Oiの貫通孔Oi1を挿通して、抑え板Oiが底板3eに固定されることになる(図1参照)。この場合、やといには、ボルトb2のボルト頭b2aと抑え板Oiを逃げる凹状の逃げが形成される。そして、発泡断熱材6の充填中、やといは逃げ以外の箇所で外箱3を抑えることになる
第6の方法は、第1〜第4の方法にも、同様に適用可能である。
【0070】
図15は、第6の方法の発泡断熱材6の充填時の外箱3の外脚7の取り付け箇所付近での作業工程を示す概念図である。
なお、説明した抑え板治具Ojと抑え板Oiとは、上述以外の方法で、貯湯タンクユニット1の貯湯タンク2に適用してもよい。
【0071】
第6の方法によれば、発泡断熱材6の充填時、外脚7の取り付け箇所が抑え板Oiで抑えられるので、底板3eの外脚7の取り付け箇所が平面を保持でき、外脚7が確実に外箱3の底板3eに固定できる。そのため、貯湯タンクユニット1の設置が安定化する。
【0072】
<変形例の発泡断熱材6の充填作業例>
次に、変形例の発泡断熱材6の充填時の外箱3の外脚7の取り付け箇所付近での作業例について説明する。
図16は、変形例の発泡断熱材の充填作業例を示す概要図である。
【0073】
図16の変形例の発泡断熱材の充填作業例の貯湯タンクユニット1Aは、図1の実施形態の貯湯タンクユニット1と異なり、外箱3の外脚7を無くした外箱3Aの構成としたものである。
外箱3Aの内部には、貯湯タンクユニット1Aを設置場所Gに取り付けるための複数の強度部材3Kが底板3e近くの前板3a、側板3b,3b、後板3cなどにボルト締め、溶接などで固定される。
【0074】
貯湯タンクユニット1Aは設置場所Gに載置され、設置場所Gにアンカーボルトbaで固定される取り付け部材Tの貫通孔を挿通した固定用のボルトboを、外箱3Aの側方に形成された貫通孔3A1を挿通させて、強度部材3Kの雌ねじ部3K1に螺着させる。これにより、外箱3Aが設置場所Gに固定され、貯湯タンクユニット1Aが設置場所Gに設置される。
【0075】
取り付け部材Tは、図16に示すように、側方視で例えばL字状の形状を有しており、二点鎖線で示す筋交い部材sを入れて取り付け部材Tの強度を高めることが好ましい。
或いは、取り付け部材Tに、例えば、側方視で、予め取り付け部材Tに筋交い部材sを入れたような三角柱の形状に形成し、取り付け部材Tの強度を高めることが望ましい。
変形例では、外箱3Aの外脚が無いため、図7に示すような単純な形状のやとい30cで外箱3Aを抑えて、貯湯タンク2と外箱3Aとの間に発泡断熱材6を充填することができる。
【0076】
そのため、やとい30cが単純な形状にできるので、低コストで充填作業が行える。また、やとい30cで外箱3Aを確実に抑えられるので、発泡断熱材6の外箱3Aの内部からの漏れがない。
また、外箱3Aの側下部で、取り付け部材Tにより貯湯タンクユニット1Aを固定するので、取り付け部材Tを地震対策の免震部材と兼用することができる。
【0077】
また、外箱3Aに外脚7を設けない構成であるので、貯湯タンクユニット1Aの高さが外脚7を設ける場合より低い。そのため、貯湯タンクユニット1Aの梱包用のダンボールの高さが低く済むとともに、貯湯タンクユニット1Aの梱包材の発泡スチロールが少なく済むので、輸送コストが少なく済むというメリットがある。
【0078】
<貯湯タンク2と外箱3(3A)との間のスペーサ>
図17は、貯湯タンクユニットを斜め上方から見た外箱内に収容される貯湯タンクの透視斜視図である
【0079】
<スペーサsp>
貯湯タンク2と外箱3との間には、貯湯タンク2に対する外箱3の変形を阻止することを目的に、貯湯タンク2に対して外箱3を支持する複数のスペーサspと複数のメンテナンス兼用スペーサsmとが配置されている。スペーサspとメンテナンス兼用スペーサsmとはそれぞれ外箱3の内面に接着材、両面テープなどで固着される。
【0080】
スペーサspは、直方体形状を有し、発泡スチロール、ウレタンなどの樹脂で形成されている。スペーサspの貯湯タンク2と外箱3との間方向の寸法は、貯湯タンク2と外箱3との間の望ましい寸法とほぼ同じ寸法に設定されている。このように、スペーサspにより、貯湯タンク2と外箱3との間を支持することにより、外箱3の変形を抑制している。
【0081】
スペーサspは、貯湯タンクユニット2の軸方向(長手方向)に複数配置されるとともに、貯湯タンクユニット2の略円柱形状を有する外周方向に複数配置されている。この際、複数のスペーサspの軸方向(長手方向に)の配置を略同間隔にするととともに、複数のスペーサspの外周方向の配置は略同間隔にすることが好ましい。複数のスペーサspの間隔を略同じにすることにより、外箱3に加わる外力に対して、均等に外箱3の変形を抑制することができる。
なお、スペーサspは、貯湯タンク2と外箱3との間の寸法を保持できれば、直方体形状以外の形状を有していてもよい。
【0082】
<メンテナンス兼用スペーサsm>
メンテナンス兼用スペーサsmは、貯湯タンク2の半径方向に中心軸をもつ円筒形状を有し、発泡スチロール、ウレタンなどの樹脂で形成されている。
メンテナンス兼用スペーサsmは、中心部に温度センサ5を収容する円柱状のスペース(空間)sm1を有し、温度センサ5を内部に収容するという特徴をもつ。
【0083】
メンテナンス兼用スペーサsmの貯湯タンク2と外箱3との間方向の寸法、つまり円筒形状の中心軸方向の寸法は、貯湯タンク2と外箱3との間の望ましい寸法とほぼ同じ寸法に設定されている。メンテナンス兼用スペーサsmにより、貯湯タンク2と外箱3との間で外箱3を支持することにより、外箱3の変形を抑制している。
また、メンテナンス兼用スペーサsmは温度センサ5を収容する円柱状のスペース(空間)sm1を有するので、温度センサ5のメンテナンスが行い易い。
【0084】
なお、メンテナンス兼用スペーサsmに、スペース(空間)sm1を有すれば、スペース(空間)sm1の形は円柱形状以外を採用してもよい。つまり、メンテナンス兼用スペーサsmは、中央部に、温度センサ5をメンテナンスするためのスペース(空間)sm1を有すれば、その形状適宜選択できる。
【0085】
しかし、図17に示すように、スペース(空間)sm1を円柱状空間にすると、温度センサ5の周りに均等な空間をもつことになるので、メンテナンスが行い易い。さらに、スペース(空間)sm1を円柱状空間にすると形成が容易である。
また、メンテナンス兼用スペーサsmの外形を円筒状にすると、メンテナンス兼用スペーサsmを設置する際、方向性がないので、取り扱い易い。
【0086】
ところで、図5(a)、(b)に示すように、貯湯タンク2と外箱3との間に発泡断熱材6を充填して発泡させる際、貯湯タンク2と外箱3とを寝かせた状態で行われる。貯湯タンク2の上部(頭部)は下部(底部)の内脚2dのような支持部材がない。そのため、貯湯タンク2の上部(頭部)が下がり、各所(貯湯タンク2の下部を支持する内脚2dなど)に負担がかかる。そのため、貯湯タンク2と外箱3との間の充填材の発泡断熱材6の寸法が設計通りでないおそれがある。
【0087】
しかしながら、貯湯タンクユニット1は、貯湯タンク2と外箱3との間にスペーサspおよびメンテナンス兼用スペーサsmが存在するので、貯湯タンク2の上部(頭部)が下がらず、充填材の発泡断熱材6の寸法が設計通りにでき、発泡断熱材6の断熱性能が高い。
【0088】
また、発泡断熱材6を充填する前の貯湯タンク2と外箱3との移動や運搬時に、外箱3を把持すると、貯湯タンク2と外箱3との間に隙間(スペースs1)があるため、外箱3が変形するおそれがある。しかし、本貯湯タンクユニット1では、貯湯タンク2と外箱3との間にスペーサspおよびメンテナンス兼用スペーサsmが存在するので、発泡断熱材6を充填する前の貯湯タンク2と外箱3の移動、運搬時に外箱3が変形することを抑制できる。
【0089】
また、貯湯タンク2と外箱3との間にスペーサspおよびメンテナンス兼用スペーサsmが存在するので、発泡断熱材6の充填後の貯湯タンク2と外箱3との間の発泡断熱材6の寸法を設計寸法にほぼ管理でき、発泡断熱材6の断熱性能を所定の性能に保つことができる。
【0090】
同様に、メンテナンス兼用スペーサsmおよびスペーサspが、前板3aと貯湯タンク2との間に存在するので、発泡断熱材6の充填前、前板3aが貯湯タンク2側に下がらず、前板3aの変形を抑制できる。
以上のことから、高い断熱性能を備えるとともに、低コストの貯湯タンクユニット1およびその製造方法を実現することができる。
【0091】
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、様々な実施例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分り易く説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、説明した構成の一部を含むものであってもよい。
【0092】
また、ある実施例の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 貯湯タンクユニット
2 貯湯タンク
2d 内脚
2e 支持部材
3、3A 外箱
3e 底板
6 発泡断熱材
7 外脚(第1外脚)
30、30c、30e、30f やとい(第1治具)
b2 ボルト(ねじ)
Oj 抑え板治具(平面度保持治具)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17