特許第6218900号(P6218900)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6218900
(24)【登録日】2017年10月6日
(45)【発行日】2017年10月25日
(54)【発明の名称】動力電池のヘッドカバー及び動力電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/04 20060101AFI20171016BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20171016BHJP
【FI】
   H01M2/04 A
   H01M2/34 A
   H01M2/34 B
【請求項の数】18
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-159533(P2016-159533)
(22)【出願日】2016年8月16日
【審査請求日】2016年8月16日
(31)【優先権主張番号】201610399622.5
(32)【優先日】2016年6月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李全坤
(72)【発明者】
【氏名】郭剣
(72)【発明者】
【氏名】朱凌
(72)【発明者】
【氏名】▲ダン▼平華
(72)【発明者】
【氏名】王鵬
(72)【発明者】
【氏名】呉凱
【審査官】 正 知晃
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5415413(JP,B2)
【文献】 中国実用新案第203631651(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/00 − 2/08
H01M 2/20 − 2/34
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドカバーシート、第1の電極ユニット及び第2の電極ユニットを備え、
前記第1の電極ユニットは反転シート、絶縁部材及び導電シートを備え、
前記ヘッドカバーシートには反転シート接続孔が設置され、前記反転シートは前記反転シート接続孔を密封し、前記絶縁部材は前記ヘッドカバーシートの下方に設置され、前記絶縁部材は前記ヘッドカバーシートに接続され、前記導電シートは前記絶縁部材によって前記ヘッドカバーシートに絶縁固定されるとともに、前記反転シートに電気的に接続され、
動力電池の内部圧力が基準圧力を超えた場合、前記反転シートが反転して、前記反転シートと前記導電シートとの電気的な接続が切断され
前記第1の電極ユニットはさらに接続部材を備え、
前記絶縁部材には接続部材嵌合部及び導電シート接続部が設置されており、前記接続部材は前記ヘッドカバーシートに接続され前記接続部材嵌合部と嵌合接続されることにより前記絶縁部材を固定させ、前記導電シートは前記導電シート接続部によって固定されることを特徴とすることを特徴とする動力電池のヘッドカバー。
【請求項2】
前記絶縁部材は前記ヘッドカバーシートに接着固定されることを特徴とする請求項1に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項3】
前記接続部材はヘッドカバーシート接続部及び絶縁部材接続部を備え、
前記ヘッドカバーシート接続部は前記ヘッドカバーシートに接続され、前記絶縁部材接続部は前記接続部材嵌合部と嵌合接続されることを特徴とする請求項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項4】
前記接続部材嵌合部は挿入溝であり、前記挿入溝は前記ヘッドカバーシートの厚さの方向に垂直な方向に延伸し、前記絶縁部材接続部は挿入ブロックであり、前記挿入ブロックは前記挿入溝に差し込まれることを特徴とする請求項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項5】
前記接続部材嵌合部は複数が設置され、前記絶縁部材の縁部に取り囲むように設置される又は対称設置されており、それぞれの前記挿入溝は少なくとも、一つの前記接続部材と嵌合することを特徴とする請求項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項6】
前記絶縁部材接続部は前記ヘッドカバーシート接続部の一方の側に設置されることを特徴とする請求項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項7】
前記絶縁部材にさらに装着孔が設置され、前記接続部材嵌合部は前記装着孔の内壁に設置され、前記接続部材は前記装着孔に設置されることを特徴とする請求項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項8】
前記絶縁部材接続部は前記ヘッドカバーシート接続部の縁部に設置されることを特徴とする請求項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項9】
前記接続部材嵌合部は前記装着孔の両側部に対称設置され、前記絶縁部材接続部は前記ヘッドカバーシート接続部の両側部に対称設置されることを特徴とする請求項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項10】
前記接続部材嵌合部は前記装着孔の周囲に取り囲むように設置され、前記絶縁部材接続部は前記ヘッドカバーシート接続部の周囲に取り囲むように設置されることを特徴とする請求項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項11】
前記ヘッドカバーシート接続部の上面は前記絶縁部材の上面と面一になり、前記ヘッドカバーシート接続部は前記ヘッドカバーシートの下面に溶接されることを特徴とする請求項又はに記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項12】
前記ヘッドカバーシートに固定孔が設置され、前記接続部材は前記固定孔と嵌合して固定接続されることを特徴とする請求項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項13】
前記固定孔は貫通孔であることを特徴とする請求項12に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項14】
前記固定孔は上方が大きく下方が小さい階段孔であり、前記接続部材は前記固定孔に係着されることを特徴とする請求項13に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項15】
前記固定孔は前記ヘッドカバーシートの下面に設けられたブラインドホールであることを特徴とする請求項12に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項16】
前記固定孔は前記接続部材に溶接で固定されることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項17】
前記導電シート接続部は係止溝であり、前記導電シートの縁部は前記係止溝に係止されることを特徴とする請求項乃至1012乃至15のいずれか1項に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の動力電池のヘッドカバーを備えることを特徴
とする動力電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエネルギー貯蔵部材の分野に関し、特に動力電池のヘッドカバー及び動力電池に関する。
【背景技術】
【0002】
EVハードケーシング電池については、過充電の問題を解決するために、本分野で一般的に用いられている方法は、セルが機能をなくす前に電池の主回路を切断し、電池に対して継続的に充電することを防止することにより、電池の安全を確保するものである。
【0003】
現在、角形状のハードケーシングの電池において、CID(電流切断構造)が用いられることがある。即ち、正極の主回路に一つの気圧反転シート及びCIDを集積して一体化する導電シートが設けられる。導電シートの周囲はベアセルの電極ラグと溶接により接続され、導電シートのCID部分は反転シートと溶接により一体に接続され、反転シートはヘッドカバーシートと溶接により接続されることにより、電流を正極端子へ伝導する。
【0004】
電池が過充電され内部気圧が上昇すると、反転シートが反転することによりCIDを分断し、反転シートを導電シートと分離させる。
【0005】
理論上、導電シートと反転シート或いは反転シートに接続された正電極ポールとの間に一定の隙間があれば、CIDが分断された後、主回路を切断することができる。しかしながら、上述の導電シートがCIDと一体化され、そして、溶接により反転シートと固定され、導電シートの底部の周囲にさらにベアセルの電極ラグを溶接しなければならない。
【0006】
公知されているように、一定の気圧で反転シートを動作させ、CIDを分断させるために、反転シート及びCIDを相対的に弱くして、非常に頑丈にしてはならない。CIDを集積して一体化する導電シートは、上側に反転シートが接続され、下側にベアセルの電極ラグが接続され、他の部材による補強固定がなければ、正常な組立て及び使用中に、断裂しやすく、機能が発揮できなくなり、又は変形後、導電シートが反転シート又はヘッドカバーシートと導通してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明に係る動力電池のヘッドカバー及び動力電池は、上述した問題を解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様では、動力電池のヘッドカバーを提供している。当該動力電池のヘッドカバーは、ヘッドカバーシート、第1の電極ユニット及び第2の電極ユニットを備え、
前記第1の電極ユニットは反転シート、絶縁部材及び導電シートを備え、
前記ヘッドカバーシートに反転シート接続孔が設置され、前記反転シートは前記反転シート接続孔を密封し、前記絶縁部材は前記ヘッドカバーシートの下方に設置され、前記絶縁部材は前記ヘッドカバーシートに接続され、前記導電シートは前記絶縁部材によって前記ヘッドカバーシートに絶縁固定されるとともに、前記反転シートに電気的に接続され、
動力電池の内部圧力が基準圧力を超えた場合、前記反転シートが反転して、前記反転シートと前記導電シートとの電気的な接続が切断される。
【0009】
好ましくは、前記絶縁部材は前記ヘッドカバーシートに接着固定される。
【0010】
好ましくは、前記第1の電極ユニットはさらに接続部材を備え、前記絶縁部材に接続部材嵌合部及び導電シート接続部が設置され、前記接続部材は前記ヘッドカバーシートに接続され前記接続部材嵌合部と嵌合接続されることにより前記絶縁部材を固定させ、前記導電シートは前記導電シート接続部によって固定される。
【0011】
好ましくは、前記接続部材はヘッドカバーシート接続部及び絶縁部材接続部を備え、前記ヘッドカバーシート接続部は前記ヘッドカバーシートに接続され、前記絶縁部材接続部は前記接続部材嵌合部と嵌合接続される。
【0012】
好ましくは、前記接続部材嵌合部は挿入溝であり、前記挿入溝は前記ヘッドカバーシートの厚さの方向に垂直な方向に延伸し、前記絶縁部材接続部は挿入ブロックであり、前記挿入ブロックは前記挿入溝に差し込まれる。
【0013】
好ましくは、前記接続部材嵌合部は複数が設置され、前記絶縁部材の縁部に取り囲むように設置される又は対称設置されており、それぞれの前記挿入溝は少なくとも、一つの前記接続部材と嵌合する。
【0014】
好ましくは、前記絶縁部材接続部は前記ヘッドカバーシート接続部の一方の側に設置される。
【0015】
好ましくは、前記絶縁部材にさらに装着孔が設置され、前記接続部材嵌合部は前記装着孔の内壁に設置され、前記接続部材は前記装着孔に設置される。
【0016】
好ましくは、前記絶縁部材接続部は前記ヘッドカバーシート接続部の縁部に設置される。
【0017】
好ましくは、前記接続部材嵌合部は前記装着孔の両側部に対称設置され、前記絶縁部材接続部は前記ヘッドカバーシート接続部の両側部に対称設置される。
【0018】
好ましくは、前記接続部材嵌合部は前記装着孔の周囲に取り囲むように設置され、前記絶縁部材接続部は前記ヘッドカバーシート接続部の周囲に取り囲むように設置される。
【0019】
好ましくは、前記ヘッドカバーシート接続部の上面は前記絶縁部材の上面と面一になり、前記ヘッドカバーシート接続部は前記ヘッドカバーシートの下面に溶接される。
【0020】
好ましくは、前記ヘッドカバーシートに固定孔が設置され、前記接続部材は前記固定孔と嵌合して固定接続される。
【0021】
好ましくは、前記固定孔は貫通孔である。
【0022】
好ましくは、前記固定孔は上方が大きく下方が小さい階段孔であり、前記接続部材は前記固定孔に係着される。
【0023】
好ましくは、前記固定孔は前記ヘッドカバーシートの下面に設けられたブラインドホールである。
【0024】
好ましくは、前記固定孔は前記接続部材に溶接で固定される。
【0025】
好ましくは、前記導電シート接続部は係止溝であり、前記導電シートの縁部は前記係止溝に係止される。
【0026】
本発明の第2の態様では、上記の動力電池のヘッドカバーを備える動力電池を提供している。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る技術案は、下記の有益な効果を達成することができる。
【0028】
本発明に係る動力電池は、絶縁部材によって導電シートをヘッドカバーシートに強固に固定することにより、導電シートが使用中に断裂して機能をなくしたり、変形したりすることを防止することができる。
【0029】
理解すべきなのは、上述の一般的な説明及び後述の詳細な説明は例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施例に係る動力電池のヘッドカバーの全体の側部断面図である。
図2】本発明の実施例に係る、絶縁部材がヘッドカバーシートと直接的に接着された動力電池のヘッドカバーの、図1におけるA部分の部分拡大図である。
図3】本発明の実施例に係る、挿入溝が縁部に設置された絶縁部材と導電シートと接続部材との三つの部品の嵌合関係を示す分解図である。
図4図3の組立構造を示す図である。
図5図4の組立構造が用いられた動力電池のヘッドカバーの図1におけるA部分の部分拡大図である。
図6】本発明の実施例に係るヘッドカバーシートに貫通孔形態の固定孔が設置された動力電池のヘッドカバーの図1におけるA部分の部分拡大図である。
図7】本発明の実施例に係るヘッドカバーシートにブラインドホール形態の固定孔が設置された動力電池のヘッドカバーの図1におけるA部分の部分拡大図である。
図8】本発明の実施例に係る、接続部材が縁部に設置された動力電池のヘッドカバーの図1におけるA部分の部分拡大図である。
図9】本発明の実施例に係る、接続部材嵌合部が絶縁部材の内部に設置された溝である動力電池のヘッドカバーの図1におけるA部分の部分拡大図である。
図10】本発明の実施例に係る、挿入溝が装着孔の対称する両側部に設置された絶縁部材と導電シートと接続部材との三つの部品の嵌合関係を示す分解図である。
図11図10の組立構造を示す図である。
図12】本発明の実施例に係る、挿入溝が装着孔の周囲に設置された絶縁部材と導電シートと接続部材との三つの部品の嵌合関係を示す分解図である。
図13図12の組立構造を示す図である。
図14図11又は図13の組立構造が用いられた動力電池のヘッドカバーの図1におけるA部分の部分拡大図である。 ここでの図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示しており、明細書と共に本発明の原理を解釈するために用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、具体的な実施例により、図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。ここで記載されている「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は、何れも図面における動力電池のヘッドカバー及びその動力電池の配置状態を基準として定義されている。
【0032】
図1に示すように、本発明の実施例では、動力電池のヘッドカバーを提供している。当該動力電池のヘッドカバーは、ヘッドカバーシート10、第1の電極ユニット20及び第2の電極ユニット30を備える。ここで、第2の電極ユニット30とヘッドカバーシート10とは電気的に絶縁される。第1の電極ユニット20は絶縁部材200、導電シート202及び反転シート204を備える。本実施例において、ヘッドカバーシート10に反転シート接続孔100が設置され、反転シート204は反転シート接続孔100を密封し、絶縁部材200はヘッドカバーシート10の下方に設置され、導電シート202にはCIDが集積されているとともに、反転シート204に電気的に接続されており、その電気的な接続形態は、反転シート204の中央部が溶接又は他の手段によって導電シート202におけるCIDに固定接続されるものである。
【0033】
動力電池の内部圧力が基準圧力を超えた場合、反転シート204は反転して導電シート202との電気的な接続状態から離脱することができる。
【0034】
反転シート204は反転シート接続孔100を密封しており、密封形態としては、反転シート204の縁部が反転シート接続孔100の上部又は下部に溶接されてもよく(図1に示すように)、当該反転シート接続孔100を密封することができればよい。当然ながら、反転シートはヘッドカバーシートと一体成形されてもよい。即ち、ヘッドカバーシートは、反転シート接続孔にて反転シートがプレス成形されており、反転シートは反転シート接続孔100の上部又は下部に設置可能である。
【0035】
導電シート202を強固に固定させ、正常な組立て及び使用中に導電シート202が断裂して機能をなくしたり、変形したりすることを防止できるように、本実施例において、絶縁部材200により導電シート202が固定され、さらに絶縁部材200がヘッドカバーシート10に固定される。
【0036】
絶縁部材200とヘッドカバーシート10が固定される形態は複数があり、例えば、直接的に絶縁部材200をヘッドカバーシート10と接着して固定することができる(図2を参照)。
【0037】
図3図14に示すように、絶縁部材200とヘッドカバーシート10との接続強度を高めるために、本実施例における絶縁部材200に接続部材嵌合部200a及び導電シート接続部200bが設置され、さらに接続部材206が設置されている。接続部材206はヘッドカバーシート10に接続されるとともに、接続部材嵌合部200aと嵌合接続されることにより、絶縁部材200が固定される。導電シート202は導電シート接続部200bによって固定される。
【0038】
接続部材206は自身が係着又は溶接などの手段によってヘッドカバーシート10に強固に固定されることができ、それとともに、接続部材206は、接続部材嵌合部200aと嵌合接続されることにより、絶縁部材200を強固に固定する。最後に、導電シート202が絶縁部材200と接続固定され、最終的に導電シート202を補助的に強固に固定することができる。
【0039】
本実施例において、接続の便利のために、接続部材206はヘッドカバーシート接続部206a及び絶縁部材接続部206bを備えてもよい。ヘッドカバーシート接続部206a及び絶縁部材接続部206bは固定接続されてもよく、又は一体成形されてもよい。ここで、ヘッドカバーシート接続部206aはヘッドカバーシート10と接続されるために用いられる。
【0040】
図3図5及び図10図14に示すように、ヘッドカバーシート接続部206aはヘッドカバーシート10の下面と直接的に溶接されてもよく、このように、ヘッドカバーシート10に対する構造改変を回避することができる。接続の強度を高めるために、ヘッドカバーシート接続部206aの上面を平面状にして、ヘッドカバーシート10の下面に貼り合わせて、接続の面積を大きくすることにより、接続の強度を効果的に高める。絶縁部材200をヘッドカバーシート10と密接に接触させるために、ヘッドカバーシート接続部206aの上面は絶縁部材200の上面と面一になることが最も好ましい。
【0041】
本実施例において、ヘッドカバーシート10とヘッドカバーシート接続部206aとは、他の形態によって接続されてもよい。具体的に、ヘッドカバーシート10に固定孔102が設けられ、ヘッドカバーシート接続部206aが固定孔102と嵌合して固定接続される。両者の接続の強度を高めるために、溶接の形態で固定するのは最も好ましい。
【0042】
固定孔102は、貫通孔を用いてもよく(図6及び図9を参照)、ヘッドカバーシート10の下面に設けられたブラインドホールを用いてもよい(図7を参照)。貫通孔を用いる場合、ヘッドカバーシート10の上方にヘッドカバーシート10とヘッドカバーシート接続部206aとを溶接することができ、溶接スラグ及び溶接スリットは動力電池の内部に残ることがなく、したがって、動力電池の性能に与える影響も少ない。また、貫通孔を上方が大きく下方が小さい階段孔に設計してもよい。ヘッドカバーシート接続部206aと固定孔102とは係着されており、これにより、固定孔の密封性能を高めることもできるとともに、ヘッドカバーシート接続部206aが動力電池の内部に落下することを防止することもできる。一方で、ブラインドホールを用いる場合、絶縁部材接続部206bと接続部材嵌合部200aとを接続するとき、ヘッドカバーシート10がヘッドカバーシート接続部206aに大きい押圧力を付与するため、絶縁部材接続部206bと接続部材嵌合部200aとをしっかり接続することができる。
【0043】
本実施例における接続部材嵌合部200aは絶縁部材接続部206bに引っ掛けられ、絶縁部材200が落下することを防止することができればよい。例えば、絶縁部材接続部206bは、絶縁部材200の外側周囲又は対称する両側部に設置されてもよい(図8を参照)。挿入溝を用いることは好ましく、挿入溝はヘッドカバーシート10の厚さ方向に垂直な方向に延伸し、絶縁部材接続部206bは挿入ブロックであり、挿入ブロックは挿入溝内に差し込まれ、これにより、複数の方向から挿入ブロックの移動を制限し、固定の効果を高めることができる。挿入溝のような構造を用いる場合、同じ厚さのシート材を用いて異なる高さの部分に折り曲げ、それぞれヘッドカバーシート接続部206a及び絶縁部材接続部206bに形成することができる。
【0044】
挿入溝の設置方法は複数種があり、一つは直接的に絶縁部材200の縁部に設けられることが挙げられ、この場合、挿入溝の数は一つだけでなく、絶縁部材200の縁部に取り囲むように設置される又は対称設置され(図3図5を参照)、それぞれの挿入溝は少なくとも、一つの接続部材206と嵌合する。このように、複数の接続部材206により、絶縁部材200の周囲から絶縁部材200を取り囲むことができ、これらの接続部材206と挿入溝との相互作用で絶縁部材200の各方向への移動を制限し、安定性を高めることができる。このとき、接続部材206における絶縁部材接続部206bはヘッドカバーシート接続部206aの一方の側に設置されることが最も好ましく、絶縁部材接続部206bは挿入溝に差し込まれると、ヘッドカバーシート接続部206aはちょうど外側位置にある。
【0045】
図9に示すように、挿入溝が直接的に絶縁部材200の内部に設けられてもよく、絶縁部材接続部206bは挿入溝の一端から差し込まれ固定することができる。
【0046】
図10図14に示すように、挿入溝はもう一つの形態で設置されてもよい。絶縁部材200に装着孔200cが設置され、挿入溝は装着孔200cの内壁に設置されている。このように、接続部材206は装着孔200cの内部に位置することになり、隠蔽性がよりよくなり、それとともに、動力電池の内部空間を節約することができる。但し、このような形態を用いる場合、注意すべきなのは、導電シート202が接続部材206によってヘッドカバーシート10と電気的に接続されることを防止するために、導電シート接続部200bと装着孔200cとは互いに連通してはならない。接続部材206が装着孔200cに設置されているため、絶縁部材接続部206bをヘッドカバーシート接続部206aの縁部位置に設置すれば、挿入溝に差し込まれることができる。このとき、挿入溝は装着孔200cの対称する両側部のみに設置されてもよく(図10図11を参照)、装着孔200cの周囲に取り囲むように設置されてもよい(図12図13を参照)。ヘッドカバーシート接続部206aに対する絶縁部材接続部206bの位置は挿入溝の位置に対応していることで、絶縁部材接続部206bが対応する挿入溝に差し込まれる。
【0047】
同様に、図6図7に示すように、本実施例において、接続部材嵌合部200aは貫通孔の形態を用いてもよく、ヘッドカバーシート接続部206aは接続部材嵌合部200aを通した後、下方から当該貫通孔に係止され、絶縁部材200の移動を防止することができる。動力電池の内部空間の占用を減少するために、接続部材嵌合部200aは上方が小さく下方が大きい階段孔を用いてもよく、このように、ヘッドカバーシート接続部206aにおける接続部材嵌合部200aを係止するための部分は絶縁部材200の内部に位置することができ、絶縁部材200から突出して動力電池の大量の空間を占めることがない。上述の場合、ヘッドカバーシート接続部206aはリベットを用いることができ、リベットを接続部材嵌合部200aに通した後、リベット圧着により、リベットのヘッド部を平面状にして、これにより接続部材嵌合部200aを係止する。
【0048】
本実施例において、導電シート202は導電シート接続部200bによってヘッドカバーシート10と絶縁固定される。接続の便利のために、導電シート接続部200bを係止溝にしてもよく、導電シート202の縁部を係止溝に係着させることができる。このように、導電シート202を絶縁部材によってヘッドカバーシート10に強固に固定することができ、これにより、正常な組立て及び使用中に導電シート202が自身の変位により断裂して機能をなくす問題を防止することができる。
【0049】
本実施例はさらに動力電池を提供している。本実施例に係る動力電池のヘッドカバーを採用すると、導電シートが使用中に断裂して機能をなくしたり、変形したりすることによる故障を効果的に防止することができるとともに、大きい内部空間を持たせることもできる。
【0050】
上述したのは本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとって、本発明に対して、様々な変更と変化を行ってもよい。本発明の精神と範囲において行った如何なる変更、等価置換、改良等は、何れも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0051】
10 ヘッドカバーシート
100 反転シート接続孔
102 固定孔
20 第1の電極ユニット
200 絶縁部材
200a 接続部材嵌合部
200b 導電シート接続部
200c 装着孔
202 導電シート
204 反転シート
206 接続部材
206a ヘッドカバーシート接続部
206b 絶縁部材接続部
30 第2の電極ユニット
【要約】      (修正有)
【課題】電極ユニットの導電シートが使用中に断裂して機能をなくしたり変形したりを効果的に防止する方法の提供。
【解決手段】ヘッドカバーシート10、第1の電極ユニット及び第2の電極ユニットを備え、第1の電極ユニットは反転シート204、絶縁部材206及び導電シート202を備え、ヘッドカバーシート10には反転シート接続孔100が設置され、反転シート204は反転シート接続孔100を密封し、絶縁部材206はヘッドカバーシート10の下方に設置され、絶縁部材206はヘッドカバーシート10に接続され、導電シート202は絶縁部材206によってヘッドカバーシート10に絶縁固定されるとともに、反転シート204に電気的に接続され、動力電池の内部圧力が基準圧力を超えた場合、反転シート204が反転して、反転シート204と導電シート202との電気的な接続が切断される方法。
【選択図】図14
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図14